胸部パッド

【課題】軽くて柔らかく、非常に肌触りが良くて、変形し難い胸部パッドを提供すること。
【解決手段】気密性を有するカバー体２の内部に、空気と繊維の集合体３を充填し、ふわふわした状態を形成する。繊維の集合体３は、繊維のクリンプ糸を細かく裁断して寄せ集めたものとしても良い。繊維に代えて羽毛を用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ブラジャー、キャミソール、ブラスリップ等の衣服の胸部に装着される胸部パッドに関する。
【背景技術】
【０００２】
ブラジャー等の衣服の胸部には、乳房形状を補整するためにパッドを装着することが多い。一般的な胸部パッドは、軟質ポリウレタン、ファイバーフィル等の軟質素材をカバー体の内部に充填してある。
しかし、軟質ポリウレタン、ファイバーフィル等の軟質素材は、胸部の皮膚のようなふわふわとした柔らかい質感とは異なる触感を有するので、身体になじみにくく、肌触りも自然ではなかった。
【０００３】
また、袋の内部に液体を充填したパッドが知られているが(特許文献１参照)、このようなパッドは、流動性があって身体になじみやすいものの、重くて装着感が悪く、袋が破損すると液漏れを起こす虞があった。
さらに、本出願人は、液体充填パッドの欠点を改良するために、気体封入部と液体封入部とを有するパッドを提案した(特許文献２参照)。
しかし、気体及び液体を封入したパッドは、触感が皮膚のような柔らかい弾力のあるものではなく、肌触りが不自然であった。
【０００４】
【特許文献１】実用新案登録第３０７９９１１号公報
【特許文献２】実用新案登録第３１０８０２２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明が解決しようとする課題は、軽くて柔らかく、非常に肌触りが良くて、変形し難い胸部パッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の胸部パッドは、気密性を有するカバー体の内部に、空気と繊維の集合体を充填し、ふわふわした状態を形成する。ふわふわした状態とは、柔らかく膨らんだ綿のような状態を示す。
前記繊維の集合体は、繊維のクリンプ糸を細かく裁断して寄せ集めたものであっても良い。
前記繊維としては、ポリエステル繊維が適している。
前記合成繊維に代えて羽毛を用いることもできる。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、空気と繊維の集合体とを混合してふわふわした状態で封入してあるので、非常に軽いだけでなく、肌触りが自然で柔らかく、しかも、気密性を有するカバー体内に封入してあるので、経時変化により空気が抜けて潰れたり、繊維が偏って変形する心配がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、胸部パッド１の断面図、図２は、胸部パッド１の斜視図である。
胸部パッド１は、通常のパッドと同様の略楕円形に形成され、気密性を有するカバー体２の内部に、空気と繊維の集合体３を、綿のようなふわふわした状態を形成するよう充填して成る。
即ち、カバー体２の内部に、繊維をランダムに、カバー体２内の空間に対して均等に、且つ、圧縮せず低密度の嵩張った状態で充填し、カバー体２を閉鎖してふわふわした状態を形成し、胸部パッド１の可撓性を維持する。
【０００９】
カバー体２は、気密性フィルムを素材とする内カバー４と、内カバー４の外面を被覆する布製の外カバー５とから成る。なお、外カバー５は、吸湿性の高い綿布で形成するのが好ましい。
繊維の集合体３は、合成繊維等のクリンプ糸を細かく裁断し、これを編んだり、織ったり、圧縮することなく、綿状に寄せ集めたものである。
繊維としては、軽くて張りとコシのあるポリエステル繊維が適している。また、クリンプ糸を細かく裁断したことによって、空気を含みやすくなり、嵩が増す。
なお、繊維の集合体３に代えて、水鳥の羽毛（ダウン）を寄せ集めた集合体を、空気と共に気密性のあるカバー体２に充填しても良い。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の実施例を示す胸部パッドの断面図。
【図２】本発明の実施例を示す胸部パッドの一部破断斜視図。
【符号の説明】
【００１１】
１胸部パッド
２カバー体
３繊維の集合体
４内カバー
５外カバー

【特許請求の範囲】
【請求項１】
気密性を有するカバー体の内部に、空気と繊維の集合体を充填し、ふわふわした状態を形成することを特徴とした胸部パッド。
【請求項２】
前記繊維の集合体が、繊維のクリンプ糸を細かく裁断して寄せ集めたものである請求項１に記載の胸部パッド。
【請求項３】
前記繊維がポリエステル繊維である請求項１又は２に記載の胸部パッド。
【請求項４】
前記合成繊維に代えて羽毛を用いた請求項１に記載の胸部パッド。

【図１】