説明

脱水用ホルダー

【課題】互いに異なる直径の回転漕に対して脱水対象を保持することの可能な脱水用ホルダーを提供する。
【解決手段】帯状体の基端バンド20と該帯状体の先端バンド10とが重なるように連結されてなる環状部材2と、環状部材2の周方向に並ぶように環状部材2に設けられた複数の係合孔Hと、係合孔Hとの係合により係止されて回転漕DMとの間に脱水対象を挟む保持プレート40とを備え、先端バンド10と基端バンド20とが連結する部分には、該先端バンド10と該基端バンド20との重なりが環状部材2の周方向に縮小することを解除可能に制限するラチェット機構が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の回転漕に適用される脱水用ホルダーに関し、例えば、靴などの履物を洗濯機の回転漕にて保持するための脱水用ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1〜4に記載のように、靴などの履物を洗濯機の回転漕にて保持するための脱水用ホルダーが知られている。図10は、脱水用ホルダーの一例を示す図であって、洗濯機の回転漕に脱水用ホルダーが嵌着された状態を示す図である。
【0003】
図10に示されるように、円盤状をなす脱水用ホルダー51は、有底筒体状をなす回転漕52と略同じ直径を有して回転漕52の軸方向と直交するように回転漕52に嵌着されている。脱水用ホルダー51には、靴などの履物53の装着される貫通孔である装着孔54が、脱水用ホルダー51の周方向に等配されて、脱水の対象である履物53が、履物53の底が脱水用ホルダー51の径方向の内側に向き、且つ履き口が脱水用ホルダー51の径方向の外側に向くように、装着孔54に装着される。そして、履物53が脱水用ホルダー51に装着された状態で洗濯機の回転漕52が回転すると、回転に伴う遠心力が履物53に作用して履物53の脱水が進められる。この際、脱水用ホルダー51に対しては、遠心力が略等方的に作用する。そのため、脱水用ホルダー51は、脱水用ホルダー51に装着された履物53と共々、回転漕52における配置を保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−017679号公報
【0005】
【特許文献2】実開平1−050787号公報
【0006】
【特許文献3】実開平1−145390号公報
【0007】
【特許文献4】特開2002−204708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、洗濯機に搭載される回転漕の直径は、通常、洗濯機のサイズ、洗濯機の容量、洗濯機における脱水方式等、洗濯機の型式ごとに異なるものである。この点、上述した円盤状をなす脱水用ホルダー51とは、それの外周面が回転漕52の内面に密着することで履物53の保持を可能にするものであるため、回転漕52の直径や回転漕52の内面形状が変わるとなれば、自ずと脱水対象を保持するという機能が失われることにもなる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、互いに異なる直径の回転漕に対して脱水対象を保持することの可能な脱水用ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目標を達成するために、本発明は、洗濯機の回転漕にて脱水対象を保持する脱水用ホルダーであって、帯状体の基端部分と該帯状体の先端部分とが重なるように連結されてなる環状部材と、前記環状部材の周方向に並ぶように前記環状部材に設けられた複数の係止部と、前記係止部との係合により係止されて前記回転漕との間に前記脱水対象を挟む挟持部材とを備え、前記帯状体の先端部分と前記帯状体の基端部分とが連結する部分には
、該先端部分と該基端部分との重なりが前記環状部材の周方向に縮小することを解除可能に制限するラチェット機構が設けられていることを要旨とする。
【0011】
本発明によれば、環状部材に係止された挟持部材と回転漕との間に、脱水対象が挟まれることになる。そして、回転漕が回転する際には、環状部材の縮径がラチェット機構によって制限されるため、挟持部材と回転漕との間隔が保たれて、これにより、脱水対象の位置が保たれることになる。なお、回転漕の回転による遠心力が環状部材そのものに作用して環状部材が拡径する場合であっても、こうした拡径による環状部材の内部応力は、結局のところ、脱水対象を回転漕に押し付けるように作用する。そして、環状部材の縮径をラチェット機構が解除することによって、互いに異なる直径の回転漕に対しても、挟持部材と回転漕との間隔を保つことが可能となる。すなわち、互いに異なる直径の回転漕に対して脱水対象を保持することが可能となる。
【0012】
この発明では、前記ラチェット機構が、前記帯状体の先端部分にて前記環状部材の周方向に延びる歯形状の縁辺と、前記帯状体の基端部分にて前記縁辺の一部と噛合する歯止めとから構成されていることが好ましい。
【0013】
この発明によれば、ラチェット機構に必要とされる歯列が、帯状体の先端部分における縁辺によって構成されるため、こうした歯列が別部材として構成されるラチェット機構の形態と比較して、ラチェット機構の構成を簡素にすることが可能である。
【0014】
この発明では、前記帯状体が、前記帯状体の先端部分である先端バンドと、前記帯状体の基端部分である基端バンドと、前記先端バンドと前記基端バンドとを連結する三つ以上の連結バンドとからなり、前記複数の連結バンドの各々が、前記環状部材の周方向における両端部にて、互いに着脱可能に構成されていることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、環状部材を構成する複数の連結バンドの各々が互いに着脱可能に構成されているため、環状部材を構成する連結バンドの数量によって環状部材の周囲長を変えることが可能になる。それゆえに、環状部材の縮径及び拡径が、上述したラチェット機構の他、連結バンドの数量の変更によっても可能となる。その結果、環状部材がとり得る直径の範囲を大きくすること、ひいては脱水用ホルダーを適用することの可能な回転漕の取り得る直径の範囲を大きくすることが可能となる。
この発明では、前記先端バンドにおける前記縁辺の長さが、前記環状部材の周方向における前記連結バンドの長さ以上であることが好ましい。
【0016】
この発明によれば、連結バンドの数量を変えることによって、環状部材の周囲長を連結バンドの長さの単位で調整することが可能である。また、先端バンドの縁辺にて歯止めの位置を変えることによって、環状部材の周囲長を連結バンドの長さ以下の範囲で細かく調整することが可能でもある。
【0017】
ここで、環状部材の周囲長を連結バンドの数量によって調整するとなれば、連結バンドの長さ未満の細かい調整が最後には必要となる。この際、上述した縁辺の長さが連結バンドの長さ以上であれば、こうした細かい調整を行うことの可能な範囲が、連結バンドの長さ以上にもなる。そのため、環状部材の周囲長の調整範囲がどのような長さであっても、結局のところ、連結バンドの数量による調整とラチェット機構による調整との組み合わせによって、それを確実に行うことが可能となる。その結果、環状部材の周囲長がどのような長さであれ、それに合わせて環状部材の周囲長を細かく調整すること、ひいては脱水用ホルダーを適用することの可能な回転漕の取り得る直径の範囲を大きくすることが可能となる。
【0018】
この発明では、前記係止部が、前記帯状体を貫通する係合孔であり、前記挟持部材が、前記環状部材の径方向の外側に配置されて前記脱水対象に当接する当接プレートと、前記環状部材の径方向の内側に配置されて前記当接プレートに連結する挟持プレートと、前記当接プレートにて前記係合孔と係合する突起とを備え、前記当接プレートと前記挟持プレートとの間に前記帯状体を挟持することが好ましい。
【0019】
この発明によれば、係合孔と係合突起との係合に加えて、当接プレートと挟持プレートとの挟持によって、挟持部材が環状部材に保持されるようになる。そのため、挟持部材と環状部材との連結が、回転漕の回転によって解除され難いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態における脱水用ホルダーの全体構造を示す斜視図。
【図2】(a)脱水用ホルダーを構成する先端バンドの外側から見た平面構造を示す平面図、(b)該先端バンドの断面構造を示す図2(a)のA−A断面図。
【図3】(a)脱水用ホルダーを構成する基端バンドの外側から見た平面構造を示す平面図、(b)該基端バンドの断面構造を示す図3(a)のB−B断面図。
【図4】(a)脱水用ホルダーを構成する連結バンドの外側から見た平面構造を示す平面図、(b)該連結バンドの断面構造を示す図4(a)のC−C断面図。
【図5】(a)脱水用ホルダーを構成する保持プレートを環状部材の内側から見た平面図、(b)該保持プレートの断面構造を示す断面図。
【図6】(a)環状部材の内径の調整時にてバンドが連結される前の状態を環状部材の内側から見た平面構造を示す図、(b)環状部材の内径の調整時にてバンドの連結が解除される前の状態を環状部材の内側から見た平面構造示す図。
【図7】先端バンドと基端バンドとの重なりの度合いが調整される態様を示す図。
【図8】(a)環状部材を構成する帯状体が折り畳まれる態様を示す図、(b)環状部材を構成する帯状体が折り畳まれた状態を示す平面図。
【図9】複数の保持プレートが積み重ねられた状態を示す側断面図。
【図10】従来例における脱水用ホルダーが回転漕に取り付けられた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施の形態における脱水用ホルダーの構成について、図1〜図5を参照して説明する。まず、脱水用ホルダーの全体的な構成について、図1を参照して説明し、次いで、脱水用ホルダーを構成する各部材の構成について、図2〜図5を参照して説明する。
【0022】
(全体構成)
図1に示されるように、脱水用ホルダー1を構成する環状部材2は、回転漕DMの周方向に延びる樹脂製の帯状体のうち、該帯状体の先端部分である先端バンド10と該帯状体の基端部分である基端バンド20とが互いに重なるように連結されることによって形成されている。これら先端バンド10と基端バンド20との間には、さらに6つの連結バンド30が、回転漕DMの周方向に連結されており、これら三種類のバンド10,20,30からなる環状部材2には、挟持部材を構成する4つの保持プレート40が取り付けられている。そして、環状部材2の内径が拡大するように環状部材2の内部応力が作用すると、脱水対象である履物Sが、保持プレート40の外側面である当接面40Sと回転漕DMの内側面との間に保持されるようになる。
【0023】
(先端バンド10)
図2(a)に示されるように、一つの方向に延びる矩形板状の先端バンド10には、係止部を構成する10個の係合孔Hが、先端バンド10の長軸方向に等間隔をおいて貫通し
ている。これら10個の係合孔Hの各々は、先端バンド10の縁辺のうち、長軸方向に延びる一対の縁辺11から、所定の距離である係合幅Wだけ離れている。
【0024】
先端バンド10における一対の縁辺11の各々は、その長軸方向の略全幅にわたり、歯形状に形成されている。これら一対の縁辺11が有する歯形は、いわゆるラチェット波形であって、複数の歯の各々は、その基端側(図2の左側)の斜辺にて、短軸方向に対して相対的に大きい傾きを有する一方、その先端側(図2の右側)の斜辺にて、短軸方向に対して相対的に小さい傾きを有する。
【0025】
一対の縁辺11の基端部には、それぞれ先端バンド10の短軸方向に延びる一対のガイドスリットSLが、同短軸方向において互いに向い合うように切り欠かれている。これら一対のガイドスリットSLの各々は、先端バンド10の縁辺のうち、短軸方向に延びる縁辺から、所定の距離である連結幅Lだけ離れている。
【0026】
先端バンド10の外側面のうち、短軸方向の中央であって、上記一対のガイドスリットSLの間には、連結突起JTが突設されている。図2(b)に示されるように、連結突起JTを構成する円柱状の連結軸部J1は、先端バンド10の外側面から先端バンド10の厚さであるバンド厚Dだけ突出するとともに、この連結軸部J1の先端には、先端バンド10の長軸方向に沿って、一対の連結鍔部J2が延設されている。また、先端バンド10の外側面のうち、上述したガイドスリットSLの先端側には、先端バンド10の外側面であることを示す指標IDである文字「A」が刻設されている。このような指標IDが刻設されることによって、該指標IDの刻設された側面が外側に向けて配置されるべき側面であることを利用者に把握させることが可能となる。
(基端バンド20)
【0027】
図3(a)に示されるように、基端バンド20は、上記先端バンド10と同じく、一つの方向に延びる矩形板状をなし、その短軸方向では、上記先端バンド10と同じ幅を有している。また、基端バンド20には、上述した9個の係合孔Hが、基端バンド20の長軸方向に等間隔をおいて貫通している。これら9個の係合孔Hの各々は、上記先端バンド10と同じく、基端バンド20の縁辺のうち、長軸方向に延びる一対の縁辺から、所定の距離である上記係合幅Wだけ離れている。
【0028】
基端バンド20の内側面のうち、先端側(図3の右側)には、一対のガイド突起STが、基端バンド20の短軸方向に並ぶように突設されている。これら一対のガイド突起STの各々は、上述したガイドスリットSLに嵌め込み可能な大きさに形成されており、基端バンド20の縁辺のうち、短軸方向に延びる縁辺から、上述した連結幅Lだけ離れている。
【0029】
一対のガイド突起STの間には、平面視方向にて略T字状をなす連結孔JHが貫通している。この連結孔JHのうち、基端バンド20の短軸方向の中央には、上記連結軸部J1と嵌合可能な孔径を有する円形孔状の軸部嵌合孔Jaが形成されている。また、この連結孔JHのうち、軸部嵌合孔Jaの短軸方向には、上記連結鍔部J2の貫挿可能な鍔部貫挿孔Jbが形成されている。なお、基端バンド20の外側面のうち、上述した連結孔JHの下方には、先端バンド10の外側面と同じく、該側面が外側に向けて配置されることを示す指標IDである文字「A」が刻設されている。
【0030】
一方、長軸方向に延びる一対の縁辺のうち、基端バンド20の基端側(図3の左側)には、平面視方向にて略L字状をなす一対のラチェットレバー21が、該縁辺の平面方向に連結されている。一対のラチェットレバー21の各々の厚さは、上述したバンド厚Dの略三倍であって、その長軸方向の中心である撓曲部21aにて、それに対応する縁辺に連結
されている。
【0031】
一対のラチェットレバー21の各々の基端には、短軸方向にて互いに向かい合うように、歯止め21bが折り曲げ形成されている。これら一対の歯止め21bの間隔は、基端バンド20における短軸方向の幅よりも小さい。これに対して、一対のラチェットレバー21の各々の先端には、短軸方向にて互いに離れるように、操作部21cが折り曲げ形成されている。これら一対の操作部21cの間隔は、基端バンド20における短軸方向の幅よりも十分に大きい。そして、一対の操作部21cの間隔が小さくなるように、撓曲部21aを支点にして一対の操作部21cが押圧されると、一対の歯止め21bの間隔は、基端バンド20における短軸方向の幅よりも大きくなる。なお、これら一対のラチェットレバー21と上述した歯形状の縁辺11とによって、ラチェット機構が構成されている。
【0032】
図3(b)に示されるように、一対のラチェットレバー21の基端側には、二枚の板材が上述したバンド厚Dだけ互いに離れて積み重ねられたかたちのバンド狭入部22が連結されている。そして、バンド狭入部22を構成する二枚の板材である内側板22Fと外側板22Bとの間に、バンド厚Dを有した上記先端バンド10が挟入されると、この先端バンド10が、基端バンド20に沿って保持されるようになる。
(連結バンド30)
【0033】
図4(a)に示されるように、連結バンド30は、上記先端バンド10及び上記基端バンド20と同じく、一つの方向に延びる矩形板状をなし、その短軸方向では、各バンド10,20と同じ幅を有する一方、その長軸方向では、上記先端バンド10よりも若干小さい幅を有している。また、連結バンド30には、上述した9個の係合孔Hが、連結バンド30の長軸方向に等間隔をおいて貫通している。これら9個の係合孔Hの各々は、上記各バンド10,20と同じく、連結バンド30の縁辺のうち、長軸方向に延びる一対の縁辺から、所定の距離である上記係合幅Wだけ離れている。
【0034】
連結バンド30の内側面のうち、先端側(図4の右側)には、上記基端バンド20と同じく、一対のガイド突起STが、短軸方向に延びる縁辺から上述した連結幅Lだけ離れて突設されている。これら一対のガイド突起STの間には、これもまた基端バンド20と同じく、平面視方向にて略T字状をなす連結孔JHが貫通している。
【0035】
連結バンド30の基端側(図4の左側)には、上記先端バンド10と同じく、それぞれ連結バンド30の短軸方向に延びる一対のガイドスリットSLが、短軸方向に延びる縁辺から上述した連結幅Lだけ離れて切り欠かれている。これら一対のガイドスリットSLの間には、これもまた先端バンド10と同じく、円柱状の連結軸部J1と長軸方向に延びる連結鍔部J2とからなる連結突起JTが突設されている。なお、連結バンド30の外側面のうち、上述した連結孔JH及びガイドスリットSLの近傍には、先端バンド10の外側面や基端バンド20の外側面と同じく、該側面が外側に向けて配置されることを示す指標IDである文字「A」が刻設されている。
(保持プレート40)
【0036】
図5(a)に示されるように、保持プレート40の本体である当接プレート41は、その外側面である当接面40Sで履物Sの底が掴まれるように、上述した環状部材2の外側に向けて凹となる曲率を有している。一方、この当接プレート41の内側面である挟持面41Sうち、当接プレート41の上縁の近くには、上記各バンド10,20,30の短軸方向に延びる矩形板状の挟持プレート42が連結されている。図5(b)に示されるように、当接プレート41と挟持プレート42との間には、上述したバンド厚Dに相当する隙間が形成されている。
【0037】
挟持プレート42の外側面のうち、該挟持プレート42と当接プレート41との連結部位から上述した係合幅Wだけ離れた部位には、外側に向けて突出する係合突起43が突設されている。また、挟持プレート42の内側面のうち、係合突起43と向かい合う部位には、上記係合突起43の一部が露出するように、該係合突起43と略同径の円形孔状をなす嵌着孔44が形成されている。
【0038】
そして、これら当接プレート41と挟持プレート42との間に、各バンド10,20,30が狭入されると、挟持プレート42に突設された係合突起43が、各バンド10,20,30の有する係合孔Hに嵌め込まれる。この際、図5に示されるように、挟持プレート42と当接プレート41との連結部位と係合突起43との距離が、係合幅Wであって、且つ各バンド10,20,30の縁辺と係合孔Hとの距離も、同じく係合幅Wである。それゆえに、当接プレート41と挟持プレート42とによって各バンド10,20,30を挟持する保持プレート40では、各バンド10,20,30に対する係合突起43の移動が、係合孔Hと係合突起43との係合によって係止されることになる。これによって、保持プレート40は、環状部材2に対して位置決めされることとなる。
【0039】
次に、上述した構成からなる脱水用ホルダー1の作用のうち、環状部材2の内径の調整について、図6及び図7を参照して説明する。また、脱水用ホルダー1の使用後における環状部材2の保管の態様と保持プレート40の保管の態様とについて、図8及び図9を参照して説明する。
(環状部材2の内径の調整)
上述した環状部材2の内径は、下記(a)(b)の二種類の長さによって調整される。(a)連結バンド30の数量に応じて定められる全ての連結バンド30の占める長さ。
(b)先端バンド10と基端バンド20とが周方向にて重なる長さ。
【0040】
まず、上記(a)連結バンド30の占める長さの調整、すなわち連結バンド30の数量の調整について説明する。なお、連結バンド30間における連結の態様とその解除の態様とは、先端バンド10と連結バンド30との間における連結の態様とその解除の態様と同じである。また、連結バンド30間における連結の態様とその解除の態様とは、基端バンド20と連結バンド30との間における連結の態様とその解除の態様と同じである。そのため、以下では、連結バンド30間における連結の態様とその解除の態様について説明し、その他のバンド間における連結の態様とその解除の態様については説明を割愛する。
【0041】
図6(a)に示されるように、一対の連結バンド30が連結される場合には、まず、一方の連結バンド30(図6の右側)の内側面と他方の連結バンド30(図6の左側)の外側面とが互いに向かい合うように配置される。次いで、一方の連結バンド30の鍔部貫挿孔Jbに他方の連結バンド30の連結鍔部J2が貫挿され、その後、一方の連結バンド30に対して他方の連結バンド30が連結方向に移動する。これによって、一方の連結バンド30のガイド突起STが、他方の連結バンド30のガイドスリットSLに沿って移動して、一方の連結バンド30の軸部嵌合孔Jaに他方の連結バンド30の連結軸部J1が嵌め込まれる。そして、これら一方の連結バンド30の先端部と他方の連結バンド30の基端部とが、解除可能に連結される。
【0042】
図6(b)に示されるように、一対の連結バンド30の連結が解除される場合には、一方の連結バンド30(図6の右側)に対して他方の連結バンド30(図6の左側)が解除方向に移動する。これによって、一方の連結バンド30のガイド突起STが、他方の連結バンド30のガイドスリットSLに沿って移動して、一方の連結バンド30の軸部嵌合孔Jaから他方の連結バンド30の連結軸部J1が外される。次いで、一方の連結バンド30の鍔部貫挿孔Jbから他方の連結バンド30の連結鍔部J2が抜き出されることによって、これら一対の連結バンド30の連結が解除される。
【0043】
このように、先端バンド10と基端バンド20との間で連結バンド30間の連結とその解除とがなされることによって、連結バンド30の数量が変えられることになる。すなわち、環状部材2の周囲長が、連結バンド30の長さの単位で帰られることになる。それゆえに、環状部材2の拡径及び縮径が、連結バンド30の数量の変更によって可能となる。
次いで、上記(b)先端バンド10と基端バンド20とが重なる長さ、すなわち先端バンド10と基端バンド20との重なる度合いの調整について説明する。
【0044】
図7に示されるように、先端バンド10と基端バンド20とが連結される際には、まず、一対の操作部21cの間隔が小さくなるように、撓曲部21aを支点にして一対の操作部21cが押圧される。これによって、一対の歯止め21bの間隔が、基端バンド20における短軸方向の幅よりも大きくなり、バンド狭入部22に挟入された先端バンド10が、基端バンド20に沿って移動可能となる。
【0045】
そして、先端バンド10と基端バンド20との重なる長さが大きくなるように、基端バンド20に対して先端バンド10が移動すると、環状部材2の周囲長が短くなり、これによって、環状部材2が縮径される。反対に、先端バンド10と基端バンド20との重なる長さが小さくなるように、基端バンド20に対して先端バンド10が移動すると、環状部材2の周囲長が長くなり、これによって、環状部材2が拡径される。そして、一対の操作部21cに対する押圧が解除されると、一対の操作部21cの間隔が、先端バンド10における短軸方向の幅よりも小さくなる。その結果、一対のラチェットレバー21の歯止め21bが、先端バンド10の縁辺11における歯形の一部と噛合し、これによって、環状部材2の縮径が制限されることとなる。それゆえに、このような構成によれば、先端バンド10の縁辺11にて歯止め21bの位置を変えることによって、環状部材2の周囲長を連結バンド30の長さ以下の範囲で細かく調整することが可能となる。
【0046】
なお、上述した脱水用ホルダー1を用いて脱水が行われる際には、まず、先端バンド10と基端バンド20との重なりが大きい状態にて、連結バンド30の数量が調整され、これによって、回転漕DMの直径に凡そ合った内径の環状部材2が形成される。次いで、保持プレート40と回転漕DMとの間に履物Sが挟み込まれた状態にて、先端バンド10と基端バンド20との重なりが小さくされ、これによって、環状部材2が拡径する方向の内部応力が環状部材2に与えられる。そして、この状態から回転漕DMが回転すると、回転漕DMの回転に伴う遠心力が履物Sに作用して履物Sの脱水が進められる。この間、回転漕DMと同心の環状に形成された脱水用ホルダー1に対しては、遠心力が略等方的に作用し続ける。また、脱水用ホルダー1の環状部材2には、環状部材2が拡径する方向に内部応力が与えられているため、こうした内部応力が、回転漕DMの内面に履物Sを押し付ける力として作用し続ける。そのため、脱水用ホルダー1は、脱水用ホルダー1と回転漕DMとの間に挟み込まれた履物Sと共々、回転漕DMにおけるその配置を保つことができる。
【0047】
(保管の態様)
上述のようにして履物Sの脱水が完了すると、まず、先端バンド10と基端バンド20との連結が解除されて、保持プレート40と回転漕DMとの間から履物Sが取り除かれる。次いで、当接プレート41と挟持プレート42との間隔が指などによって押し広げられて、各バンド10,20,30から各保持プレート40が取り外される。そして、各バンド10,20,30が互いに重なるように、各バンド10,20,30の連結部位にて、帯状体が折り畳まれる。これによって、先端バンド10と連結バンド30との連結、連結バンド30間の連結、連結バンド30と基端バンド20との連結、これらの連結が解除されることなく、環状部材2と保持プレート40とが格別に保管される。
【0048】
この際、各バンド10,20,30の連結部位では、以下のようにして、帯状体が折り畳まれる。すなわち、図8(a)に示されるように、まず、一方の連結バンド30(図8の左側)の連結軸部J1が軸部嵌合孔Jaに嵌め込まれたまま、この連結軸部J1を中心にして、他方の連結バンド30(図8の右側)に対して一方の連結バンド30(図8の左側)が回転するように、一方の連結バンド30に回転力が与えられる。これによって、一方の連結バンド30における一対のガイドスリットSLの各々から、他方の連結バンド30のガイド突起STが外れる。そして、一方の連結バンド30の内側面と他方の連結バンド30の外側面とが互いに重なる位置まで他方の連結バンド30が回転すると、一方の連結バンド30における一対のガイドスリットSL内に、他方の連結バンド30のガイド突起STが再び嵌入する。これによれば、一方の連結バンド30と他方の連結バンド30とが重なる状態で、帯状体の形状が保たれる。
【0049】
なお、環状部材2を構成する各バンドでは、径方向の内側となるバンドの連結突起JTに対して径方向の外側となるバンドの連結孔JHが連結されている。そして、径方向の内側のバンドに対して径方向の外側のバンドが重なるように、先端バンド10あるいは基端バンド20から順に、各バンドが折り畳まれる。そのため、図8(b)に示されるように、環状部材2の占有する空間が1つのバンドの占有する空間と略同じ大きさになる状態で、環状部材2を保管することができる。
【0050】
また、環状部材2から取り外された4つの保持プレート40の各々は、図9に示されるように、該保持プレート40の嵌着孔44に他の保持プレート40の係合突起43が嵌め込まれるかたちで積み重ねされる。この際、上層となる保持プレート40では、係合突起43の一部が露出するように嵌着孔44が貫通しているため、上層となる保持プレート40の嵌着孔44を通して下層の嵌着孔44を視認することが可能である。それゆえに、上層の係合突起43を下層の嵌着孔44に嵌め込む作業を視認しながら行うことが可能となる。そして、4つの保持プレート40の占有する空間が1つの保持プレート40の占有する空間と略同じ大きさになる状態で、これら4つの保持プレート40を保管することができる。
【0051】
上記実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)環状部材2に係止された保持プレート40と回転漕DMとの間に、履物Sが挟まれて、回転漕DMが回転する際には、縁辺11とラチェットレバー21とから構成されるラチェット機構によって、環状部材2の縮径が制限される。そのため、保持プレート40と回転漕DMとの間隔が保たれて、これにより、履物Sの位置が保たれることになる。
【0052】
なお、回転漕DMの回転による遠心力が環状部材2そのものに作用して環状部材2が拡径する場合であっても、こうした拡径による環状部材2の内部応力は、結局のところ、履物Sを回転漕DMに押し付けるように作用する。そして、環状部材2の縮径をラチェット機構が解除することによって、互いに異なる直径の回転漕DMに対しても、履物Sを保持することが可能となる。
【0053】
(2)なお、回転漕DMの直径が同じ場合であっても、脱水対象である履物Sの大きさや形状が変わることとなれば、結局のところ、回転漕DMの直径が変わることと同じことが脱水用ホルダー1に対して求められることになる。このような場合であっても、上述した脱水用ホルダー1であれば、履物Sを保持することが可能となる。
【0054】
(3)ラチェット機構に必要とされる歯列が、先端バンド10における縁辺11によって構成されるため、こうした歯列が別部材として構成されるラチェット機構の形態と比較して、ラチェット機構の構成を簡素にすることが可能である。
【0055】
(4)環状部材2を構成する複数の連結バンド30の各々が互いに着脱可能に構成されているため、環状部材2を構成する連結バンド30の数量によって、環状部材2の周囲長を変えることが可能になる。それゆえに、環状部材2の縮径及び拡径が、上述したラチェット機構の他、連結バンド30の数量の変更によっても可能となる。
【0056】
(5)先端バンド10における縁辺11の長さが連結バンド30の長さ以上であるため、環状部材2の周囲長を連結バンド30の長さの単位で調整することと、環状部材2の周囲長を連結バンド30の長さ以下の範囲で調整することとが可能となる。それゆえに、環状部材2の取り得る直径を広い範囲で細かく調整すること、ひいては脱水用ホルダー1を適用することの可能な回転漕DMの取り得る直径の範囲を大きくすることが可能となる。
【0057】
(6)保持プレート40を構成する当接プレート41と、同じく保持プレート40を構成する挟持プレート42とによってバンドが挟持される。そのため、係合孔Hと係合突起43との係合に加えて、当接プレート41と挟持プレート42との挟持によって、保持プレート40が環状部材2に保持されるようになる。そのため、保持プレート40と環状部材2との連結が、回転漕DMの回転によって解除され難いものとなる。
【0058】
なお、上記実施の形態は、以下のような態様によって実施することも可能である。
・挟持部材としての保持プレート40は、バンドを挟持する構造に限られず、環状部材2に吊り下げられる構造であってもよく、あるいは環状部材2に嵌め込まれる構造であってもよい。要は、保持プレート40は、環状部材に形成された係止部との係合により環状部材2に係止されて回転漕DMとの間に脱水対象を挟む構造であればよい。このような構成であっても、上記(1)〜(4)に準じた効果を得ることが可能である。
【0059】
・先端バンド10における歯形状の縁辺11の長さは、連結バンド30の長さと同じ、あるいは連結バンド30の長さより小さくてもよい。このような構成であっても、連結バンド30の長さよりも小さい間隔で環状部材2の周囲長を調整することは可能であるため、上記(1)〜(3)に準じた効果を得ることは可能である。
【0060】
・環状部材2において、帯状体を構成する連結バンド30の本数は、1本から5本のいずれかであってもよく、あるいは7本以上であってもよく、回転漕DMの大きさに合わせて適宜選択されるものである。さらには、帯状体を構成するバンドの本数は、1本から7本のいずれかであってもよく、あるいは9本以上であってもよい。すなわち、帯状体を1本のバンドとして具体化してもよく、要は、環状部材2は、帯状体の基端部分と帯状体の先端部分とが重なるように連結されて、該連結された部位にラチェット機構が設けられる構成であればよい。
【0061】
・複数の連結バンド30の各々の長さは、互いに異なる長さであってもよい。このような構成によれば、環状部材2を構成する連結バンド30の本数の他、環状部材2を構成する連結バンド30の種別によっても環状部材2の周囲長を変えることが可能にもなる。
【0062】
・ラチェット機構に必要とされる歯列は、先端バンド10の縁辺に限られず、別部材として先端バンド10に取り付けられる構成であってもよい。要は、先端バンド10と基端バンド20との重なりが環状部材2の周方向に縮小することを解除可能に制限するラチェット機構が設けられるという構成であればよい。このような構成であっても、上述のようなラチェット機構が設けられる以上、上記(1)に準じた効果を得ることが可能である。
【0063】
・係合突起43が有する突出量は、係合孔Hの深さより大きくてもよい。このような構成によれば、上述したように複数の保持プレート40を重ねた際に、保持プレート40間に隙間が生じるものの、係合孔Hと係合突起43との係合を確実なものとすることが可能
である。それゆえに、環状部材2から保持プレート40が外れることを脱水時において確実に抑えるという観点では、係合突起43が有する突出量をバンド厚Dよりも大きなものとする構成が好ましい。
【0064】
・環状部材2にて保持プレート40が係合する係止部は、係合孔Hのような貫通孔に限られず、保持プレート40を吊り下げるフックや保持プレート40を挟持するクリップ等であってもよい。要は、係止部は、環状部材2の周方向に並ぶように環状部材2に設けられて挟持部材との係合によって該挟持部材の回転や移動を係止するものであればよい。
【0065】
・ラチェット機構を構成する歯形が帯状体の基端部分に設けられ、且つラチェット機構を構成するラチェットレバーが帯状体の先端部分に設けられる構成であってもよい。このような構成であっても、上記(1)〜(5)に準じた効果を得ることは可能である。
【0066】
・環状部材2において、先端バンド10が最も内側に配置され、且つ基端バンド20が最も外側に配置される構成であってもよく、環状部材2を構成するバンドの配置は、バンド間の連結の形態に応じて適宜変更されるものである。
【0067】
なお、先端バンド10が最も内側に配置される構成、すなわち連結突起JTが内側に突出するという構成であれば、連結突起JTと連結孔JHとの係合部位が、環状部材2の内側に配置されるため、連結突起JTの連結鍔部J2が、回転漕DMの内側面に引っ掛かることが無い。それゆえに、脱水用ホルダー1を回転漕DMに設置するとき、脱水用ホルダー1を用いて脱水を行うとき、これらの場合においてバンド間の連結を確実なものとすることが可能である。
【0068】
・上述した指標IDは、環状部材2の外側面ではなく、環状部材2の内側面に刻設されて、これにより、指標IDの形成された側面が内側に向けて配置されるべき側面であることを示すように、上記指標IDが用いられてもよい。例えば、環状部材2が回転漕DMに装着された後では、環状部材2の外側面と回転漕DMの内側面との隙間が小さいため、利用者が環状部材2の外側面を視認するには手間が掛かる。この点、上述した構成によれば、環状部材2が回転漕DMに装着された後であっても、環状部材2を構成するバンドの内側面を指標IDによって視認させることが可能である。そして、環状部材2が回転漕DMに装着された後であっても、バンドにおける側面の配置の向きが推奨される向きとなるように、利用者を促すことが可能となる。
【0069】
さらに、環状部材2を構成するバンドには、該バンドにおける側面の配置される向きの他、バンドにおける上下方向の向き、バンドの連結順序、バンドの連結パターン等、これらが文字や記号によって表示される構成が好ましい。このような構成によれば、脱水用ホルダーを回転漕に取り付ける作業や環状部材2を組み立てる作業が容易なものとなる。
【0070】
例えば、環状部材2を構成するバンドの側面のうち、環状部材2の内側に向けて配置される側面には、「ウチ」という文字が刻設され、また、環状部材2の外側に向けて配置される側面には、「ソト」という文字が刻設される構成が好ましい。さらに、上側に配置される縁辺の近傍には、「ウエ」という文字が刻設され、また、下側に配置される縁辺の近傍には、「シタ」という文字が刻設される構成が好ましい。
【0071】
また例えば、環状部材2を構成するバンドのうち、最も内側に配置されるバンド、例えば先端バンドには、「1」という数字が刻設され、最も外側に配置されるバンド、例えば基端バンドには、「3」という数字が刻設され、これらの中間に配置される連結バンドには、「2」という数字が刻設される構成が好ましい。
【0072】
また例えば、使用されるべきバンドの種別と本数とが、回転漕DMの型式ごとに予め脱水用ホルダーの使用書等に記載され、こうしたバンドの種別が、各バンドに刻設されている構成が好ましい。例えば、長さが互いに異なる3種類のバンドに対して、その種別の指標である「L」「M」「S」のいずれかが刻設され、回転漕DMの型式ごとに使用されるべき「L」の本数、「M」の本数、及び「S」の本数が、脱水用ホルダーの使用書に記載されている構成が好ましい。さらには、上記使用書に記載される内容がバンドそのものに刻設される構成であってもよい。
【0073】
なお、環状部材を構成するバンドが、内側と外側とにおいて対称であり、且つ上下方向及び左右方向に対して対称である構成であれば、バンドにおける側面の配置される向きやバンドにおける上下方向の向き等の指標を割愛することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
H…係合孔、JT…連結突起、J1…連結軸部、J2…連結鍔部、Ja…軸部嵌合孔、Jb…鍔部貫挿孔、JH…連結孔、DM…回転漕、L…連結幅、S,54…履物、ST…ガイド突起、SL…ガイドスリット、W…係合幅、1…脱水用ホルダー、2…環状部材、10…先端バンド、11…縁辺、20…基端バンド、21…ラチェットレバー、21a…撓曲部、21b…歯止め、21c…操作部、30…連結バンド、40…保持プレート、41…当接プレート、42…挟持プレート、43…係合突起、44…嵌合孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の回転漕にて脱水対象を保持する脱水用ホルダーであって、
帯状体の基端部分と該帯状体の先端部分とが重なるように連結されてなる環状部材と、
前記環状部材の周方向に並ぶように前記環状部材に設けられた複数の係止部と、
前記係止部との係合により係止されて前記回転漕との間に前記脱水対象を挟む挟持部材とを備え、
前記帯状体の先端部分と前記帯状体の基端部分とが連結する部分には、
該先端部分と該基端部分との重なりが前記環状部材の周方向に縮小することを解除可能に制限するラチェット機構が設けられている
ことを特徴とする脱水用ホルダー。
【請求項2】
前記ラチェット機構が、
前記帯状体の先端部分にて前記環状部材の周方向に延びる歯形状の縁辺と、
前記帯状体の基端部分にて前記縁辺の一部と噛合する歯止めとから構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の脱水用ホルダー。
【請求項3】
前記帯状体が、
前記帯状体の先端部分である先端バンドと、
前記帯状体の基端部分である基端バンドと、
前記先端バンドと前記基端バンドとを連結する三つ以上の連結バンドとからなり、
前記複数の連結バンドの各々が、前記環状部材の周方向における両端部にて、互いに着脱可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の脱水用ホルダー。
【請求項4】
前記先端バンドにおける前記縁辺の長さが、前記環状部材の周方向における前記連結バンドの長さ以上である
ことを特徴とする請求項3に記載の脱水用ホルダー。
【請求項5】
前記係止部が、前記帯状体を貫通する係合孔であり、
前記挟持部材が、
前記環状部材の径方向の外側に配置されて前記脱水対象に当接する当接プレートと、
前記環状部材の径方向の内側に配置されて前記当接プレートに連結する挟持プレートと、
前記当接プレートにて前記係合孔と係合する係合突起と
を備え、
前記当接プレートと前記挟持プレートとの間に前記帯状体を挟持する
ことを特徴とする請求項4に記載の脱水用ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−152295(P2012−152295A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12275(P2011−12275)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(591024719)クリタック株式会社 (14)
【Fターム(参考)】