腕金支持部補強金具
【課題】電柱に対する押し付け力を高める腕金支持部補強金具を提供する。
【解決手段】チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体1を設け、補強金具本体1の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、電柱Aの他側であって、UボルトCを略水平に掛け回している箇所に、UボルトC及び芯ボルト9の端部をチャネル溝内に入れて水平にした補強金具本体1の上下の切欠き部を夫々あてがい、補強金具本体1の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルト3を夫々挿入し、長ボルト3の末端を腕金Bの両側に設けた各貫通孔21に挿通させて、UボルトCの両端部の外側の位置で夫々突出させてナット24を夫々螺着して補強金具本体1を固定する。
【解決手段】チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体1を設け、補強金具本体1の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、電柱Aの他側であって、UボルトCを略水平に掛け回している箇所に、UボルトC及び芯ボルト9の端部をチャネル溝内に入れて水平にした補強金具本体1の上下の切欠き部を夫々あてがい、補強金具本体1の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルト3を夫々挿入し、長ボルト3の末端を腕金Bの両側に設けた各貫通孔21に挿通させて、UボルトCの両端部の外側の位置で夫々突出させてナット24を夫々螺着して補強金具本体1を固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に、引通し装柱において、強風の際、電柱に取り付けられた既存の腕金にかかる回転力に抗して当該腕金の変位量を抑える腕金支持部補強金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本全国、市街、郊外を問わず、配電や通信のために無数の電柱が建設されている。この様な電柱の中には、図22に示す様に、電線の懸架のため、電柱Aの一側から腕金Fを水平方向に伸ばして取り付けられているものがある。この腕金Fは、電柱Aと接する箇所で当該電柱Aを掛け回したUボルトCの両端部をこの腕金Fに予め設けられた各貫通孔に嵌め入れて当該腕金Fの他側から突出した当該UボルトCの両端部で夫々ナットを螺着して当該電柱Aに固定している。また、この電柱Aから前記腕金FにアームタイDを設けて当該腕金Fを支持している。
【0003】
この様な電線や腕金Fに強風が吹くと、腕金Fに複雑な荷重が作用し、その中の荷重の一つとして、図23に示す様に、この腕金Fに荷重Pがかかり、当該腕金Fを回転させようとする回転力Mが発生して前記UボルトC及び芯ボルト9を破断する可能性がある。
【特許文献1】特開2008−245432号公報(図11参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記回転力Mは、前記UボルトCが電柱Aを締め付ける力によって発生する電柱Aへの押し付け力(図23の電柱の断面図において黒矢印で示す)によって抗されることが分かり、この押し付け力が大きいほど回転力Mに抵抗するUボルトと電柱A間での摩擦力は大きくなり、電柱Aに対してUボルトが回転せず、腕金F先端の変位量を抑えることが出来る。
【0005】
この発明は、これらの点に鑑みて為されたもので、電柱に対する前記押し付け力を高める腕金支持部補強金具を提供して前記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、前記電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、当該長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた各貫通孔に挿通させて、前記Uボルトの両端部の外側の位置で夫々突出させてナットを夫々螺着して当該補強金具本体を固定する腕金支持部補強金具とした。
【0007】
請求項2の発明は、電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の両側に横長の長孔を夫々設け、これらの長孔の間に孔を設け、さらに、これらの2つの横長の長孔を挟んで両側に貫通孔を夫々具備した補助金具を設け、当該補助金具の2つの貫通孔の配置は前記補強金具本体の2つの貫通孔の配置と同じ位置とし、前記補助金具を水平にして一端を前記腕金の基部より長手方向の外側に突出させ、当該腕金の他側であって前記Uボルトの両端部が夫々突出した箇所に当該補助金具の各長孔を、また、これらのUボルトの両端部の間から突出した芯ボルトの端部に前記補助金具の孔を夫々嵌めて被せる。
【0008】
また、当該電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、一方の長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた貫通孔に挿通させて前記補助金具の一側の貫通孔から突出させ、他方の長ボルトの末端を前記腕金の基部の一端から外方へ突出した前記補助金具の貫通孔を通して突出させ、当該各長ボルトの末端にナットを夫々螺着して前記補強金具本体、補助金具を固定した腕金支持部補強金具とした。
【0009】
請求項3の発明は、チャネル型で短尺な金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の略中央に貫通孔を設けて補強用座金を複数個設け、前記補助金具を用いての補強金具本体の取り付けに際して、当該補強金具本体及び補助金具の各貫通孔の位置に前記補強用座金の貫通孔の位置を合わせて当該補強用座金を被せ、これらの上から前記長ボルトを挿入し、また、これらの補強用座金の各貫通孔から突出した長ボルトの末端に夫々ナットを螺着し、また、前記補助金具の各長孔から突出したUボルトの両端部のナットを一旦外してこれらの両端部に補強用座金を被せ、その上からナットを螺着した前記請求項2に記載の腕金支持部補強金具とした。
【0010】
請求項4の発明は、前記補強金具本体と凡そ同幅同長の金属板であって、長手方向の略中央部を湾曲させ、当該湾曲部の両側外方まで横長の開口を設け、長手方向の両端部に長孔を夫々設けた薄い金属製の当て金具を設け、前記補強金具本体を前記電柱に当接して取り付ける際に、当該補強金具本体の両端部の貫通孔及び前記当て金具の二つの長孔に長ボルトを夫々通し、当該補強金具本体と当該電柱との間に前記当て金具を介在させて前記補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部に前記当て金具を当接させた前記請求項1、2又は3の何れかに記載の腕金支持部補強金具とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、2、3の各発明によれば、電柱に既存の腕金が取り付けられた場合であっても、当該腕金の取り付けの充分な補強を簡単に行うことが出来、腕金先端の変位量を抑えることが出来る。これは、Uボルトを締め付けることによって発生する電柱への押し付け力に加えて、補強金具本体の両端部の長ボルトを締め付けることによって発生する電柱への押し付け力も作用するからである。
【0012】
また、請求項2及び3の各発明によれば、腕金の基部の端部が電柱外方へ充分突出しておらず、腕金に補強金具本体に対応する貫通孔が無くても補助金具と補強用座金を用いることにより、充分で確実な補強を簡単に行うことが出来る。
【0013】
請求項3の発明によれば、前記補助金具を用いての補強金具本体の取り付けの際、当該補強金具本体及び補助金具に補強用座金を被せ、この上からナットを螺着したので、この補強用座金を用いない場合と比べてより強力に固定することが出来る。
【0014】
請求項4の発明によれば、補強金具本体を前記電柱に当接して取り付ける際に、当該補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部と当該電柱との間に前記当て金具を介在させたので、補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部が強固に電柱に押圧されても直接電柱に当たらないので、電柱の外周面を傷付け難く、安心して腕金の補強をすることが出来る。また、この様に、当て金具を介在させると、Uボルトと電柱との間の摩擦力に加え、当て金具と電柱間での摩擦力も作用し、腕金先端の変位量をさらに抑えることが出来る。また、この当て金具を補強金具本体と当該電柱との間に介在させた場合、電柱と当て金具との間に隙間が出来るが、長ボルトで締め付けることによって、当て金具は、補強金具本体により電柱に押し付けられて、隙間が無くなり電柱になじみ強固に取り付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明は、電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、前記電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、当該長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた各貫通孔に挿通させて、前記Uボルトの両端部の外側の位置で夫々突出させてナットを夫々螺着して当該補強金具本体を固定する。
【0016】
これにより、電柱に既存の腕金が取り付けられた場合であっても、当該腕金の取り付けの充分な補強を簡単に行うことが出来る。
【実施例1】
【0017】
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。図2は、同腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。図3は、同補強金具本体の正面図である。図4は、同右側面図である。図5は、この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。図6は、同正面図である。図7は、同右側面図である。また、図8は、この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。
【0018】
この発明の実施例1の腕金支持部補強金具は、補強金具本体1と当て金具2から成る。この補強金具本体1は、図2、3及び4に示す様に、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁を台形状に切欠いた切欠き部1a及び当該金具の背面片の長手方向の両端部に貫通孔1bを夫々穿って設けている。この補強金具本体1の各貫通孔1bの位置は、後述する当該補強金具本体1を長ボルト3で電柱Aに取り付けた際、前記腕金Bの基部に設けられた二つの各貫通孔に対応する位置となっている。
【0019】
また、前記当て金具2は、図5、6及び7に示す様に、前記補強金具本体1の背面片よりやや広い幅を有し、前記補強金具本体1の長さよりやや長い長さの薄い金属板であって、長手方向の略中央部に横長長方形状の開口2aを設け、さらにこの開口2aの略中央部を湾曲させた湾曲部2bとし、また、長手方向の両端部に長孔2cを夫々設けている。
【0020】
次に、この実施例1の腕金支持部補強金具を使用する手順を説明する。
まず、この腕金支持部補強金具を取り付ける電柱A(コンクリート柱)に取り付けられた既存の腕金Bについて説明する。この腕金Bは、図8に示す様に、角筒形状で一定長を有し、当該角筒の相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられている。この腕金Bの電柱に当接させる基部には、間をあけて横長の貫通孔21を2つ、これらの貫通孔21の間及び両端外方に貫通孔22を夫々設けている。
【0021】
この様な腕金Bを、図1に示す様に、電柱Aの一側に、この腕金Bの基部の一側を当接して水平方向に伸ばし、電柱Aの外周に掛け回したUボルトCの両端部23を当該腕金Bの一側の横長の各貫通孔21から入れて当該腕金Bの他側の各貫通孔21から突出させてこれらのUボルトCの両端部23をナット24で夫々螺着し、また、電柱Aの他側から芯ボルト9を電柱A内に通して、前記腕金Bの貫通孔22からその端部を突出させ、ナットを螺着して当該腕金Bを電柱Aに固定している。また、電柱Aから腕金Bに2本のアームタイDを設けて当該腕金Bを固定している。
【0022】
この様に腕金Bを取り付けた電柱Aに腕金支持部補強金具を取り付ける。図1に示す様に、この電柱Aの他側であって、前記UボルトCを略水平に掛け回している箇所及び前記芯ボルト9の突出した端部を、水平にした前記当て金具2の開口2a内に入れて当該当て金具2を電柱Aにあてがい、その上から、水平にした前記補強金具本体1の上下の切欠き部1aを夫々あてがい、これらの各切欠き部1aの相対向する鈍角の角部1a´を当て金具2を介して電柱Aの外周面に当てる。その後、この補強金具本体1の背面片の両端部に設けた各貫通孔1bに各長ボルト3を夫々挿入して、前記当て金具2の両端部の各長孔2cに通し、当該長ボルト3の末端を前記腕金Bの両側に設けた各貫通孔22に挿通させて当該腕金Bの他側であって、前記UボルトCの両端部の外側の位置で夫々突出させてナット4を夫々螺着する。これにより、この補強金具本体1と前記腕金Bによって当該電柱Aを挟持して固定する。
【実施例2】
【0023】
次に、この発明の実施例2について説明する。
図9は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。図10は、同補強金具本体の正面図である。図11は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。図12は、同当て金具の正面図である。図13は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の平面図である。図14は、同補助金具の正面図である。図15は、同補助金具の左側面図である。図16は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強用座金の正面図である。図17は、同補強用座金の左側面図である。図18は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。図19は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。図20は、図19における腕金支持部補強金具部分の拡大図である。
【0024】
この実施例2の腕金支持部補強金具は、補強金具本体5、当て金具6、補助金具7、補強用座金8から成る。以下、詳しく述べる。前記補強金具本体5は、図9及び10に示す様に、基本的には前記実施例1のものと同じ構成である。異なる点は、この補強金具本体5は、前記実施例1の補強金具本体1より長くなっており、切欠き部5aの位置は中央より一方に、図9では右側に、偏った位置に設けられている。他の構造は実施例1と同様に、背面片の長手方向の両端部には貫通孔5bを夫々穿っている。
【0025】
また、当て金具6も、図11及び12に示す様に、補強金具本体5と同様に、実施例1の当て金具2より長く設けられており、開口6aや湾曲部6bの位置も図11及び図12に示す様に、中央より右側に偏った位置に設けられている。他の構造は実施例1と同じで、長手方向の両端部に長孔6cを夫々設けている。
【0026】
補助金具7は、後述する腕金Eに被冠出来る大きさであり、図13、14及び図15に示す様に、チャネル型で一定長の金具の上下片に挟まれた背面片の中央からやや右側に円形状の開口7aを設け、この開口7aを挟んで長手方向の両側に横長の楕円形状の開口7bを夫々設けている。さらに、これらの2つの楕円形状の開口7bを挟んで両側に貫通孔7cを夫々設けている。そして、この補助金具の2つの貫通孔7cの配置は、前記補強金具本体5の2つの貫通孔5bの配置と同じ位置となっている。
【0027】
補強用座金8は、前記補助金具7及び補強金具本体5に被冠出来る大きさであり、図16、17に示す様に、チャネル型で短尺な金具の上下片に挟まれた背面片の略中央に貫通孔8aを設けて形成されており、ここでは6個使用する。
【0028】
次に、この実施例2の腕金支持部補強金具を使用する手順を説明する。
まず、この腕金支持部補強金具を取り付ける電柱Aに取り付けられた既存の腕金Eについて説明する。この腕金Eは、図18に示す様に、角筒形状で一定長を有し、当該角筒の相対向する一側と他側に一定の配置で貫通孔が設けられている。この腕金Eの、電柱Aに当接させる基部には、間隔をあけて横長の貫通孔25を2つ設け、これらの貫通孔25の間及び右側に貫通孔22を夫々設けている。
【0029】
この様な腕金Eを、図19及び図20に示す様に、電柱Aの一側に、この腕金Eの基部の他側を当接して水平方向に伸ばし、電柱Aの外周に掛け回したUボルトCの両端部を当該腕金Eの一側の横長の貫通孔25から入れて当該腕金Eの他側の貫通孔25から突出させてこれらのUボルトCの両端部23をナット24で夫々螺着し、また、電柱Aの他側の前記UボルトCの中央部の下方から芯ボルト9を電柱A内に通して前記腕金Eの貫通孔22からその端部9aを突出させ、ナット4を螺着して当該腕金Eを固定している。また、電柱Aから腕金Eに2本のアームタイDを設けて当該腕金Eを固定している。
【0030】
この様に、腕金Eを取り付けた電柱Aに腕金支持部補強金具を取り付ける。図20に示す様に、まず、前記補助金具7を水平にして一端を前記腕金Eの基部の端部より長手方向の外側(図20において左側)に、若干、突出させて、当該腕金Eの他側の前記UボルトCの両端部23に前記補助金具7の各開口部7bを嵌め、さらに、芯ボルト9の端部9aが夫々突出した箇所に当該補助金具7の開口7aを夫々嵌めて腕金Eに被せる。
【0031】
この電柱Aの他側であって、前記UボルトCを略水平に掛け回している箇所及び前記芯ボルト9の突出した端部を、水平にした前記当て金具6の開口部6a内に入れて前記当て金具6を電柱Aにあてがい、その上から、水平にした前記補強金具本体5の上下の切欠き部5aを夫々あてがい、これらの各切欠き部5aの相対向する鈍角の角部5a´を当て金具6を介して電柱Aの外周面に当てる。
【0032】
その後、この補強金具本体5の背面片の両端部に設けた各貫通孔5bに前記補強用座金8の貫通孔8aを合わせて当該補強用座金8を夫々被せる。さらに、当該補強金具本体5及び補強用座金8の各貫通孔5b、8aに長ボルト3を夫々挿入して前記当て金具6の両端部の各長孔6cに通し、一方の長ボルト3aを、前記腕金Eの相対向する一側と他側に設けた貫通孔22に挿通させて前記補助金具7の一端部の貫通孔7cから突出させる。また、他方の長ボルト3bを、前記腕金Eの基部の一端から外方へ突出させた前記補助金具7の他端部の貫通孔7cから突出させ、当該各長ボルト3a、3bの各末端に前記補強用座金8の貫通孔8aを通して当該補強用座金8を夫々被せる。その上からナット4を夫々螺着して前記補強金具本体5と前記腕金Eによって当該電柱Aを挟持して固定する。その後、前記UボルトCの両端23のナット24を夫々一旦外して当該両端23に、前記補強用座金8の貫通孔8aを通して当該補強用座金8を夫々被せ、その上からナット24を夫々螺着する。
【0033】
次に、これらの腕金支持部補強金具を設けた場合の効果を実験し、データ測定した。比較のために、腕金支持部補強金具を設けていない場合のデータも測定し、これらの結果を図21に示すグラフとした。
【0034】
まず、この実験は、図1及び図19に示す様に、電柱Aの中心から、1,025mmの位置の腕金に水平な横方向の荷重Pを載荷したときの、電柱の中心から1,575mmの位置の腕金の変位量を測定し、これらの結果をグラフにした。
【0035】
そして、このグラフにおいて、電柱Aの中心から、1,025mmの位置の腕金に荷重P=700Nを載荷したときの、電柱の中心から1,575mmの位置の腕金の変位量が10mm以内となった場合、補強効果が有るものとした。
【0036】
この実施例1及び2の各腕金支持部補強金具の場合(図21では、「旧型補強有り」が実施例1の腕金支持部補強金具を取り付けた場合を示し、「新型補強有り」が実施例2の腕金支持部補強金具を取り付けた場合を示す)、およそ荷重Pが800Nで変位量が約10mmとなっている。そして、荷重Pが700Nでは、実施例1の腕金支持部補強金具を取り付けたものでは、8.5mmで、実施例2の腕金支持部補強金具を取り付けたものでは、6.8mmであることが分かる。
【0037】
一方、各腕金支持部補強金具をつけていない場合(図21では、「旧型補強無し」及び「新型補強無し」で示す)、およそ荷重Pが400〜440Nで変位量が10mmとなっている。そして、各腕金支持部補強金具をつけていない場合では、荷重P700Nを荷重した時は、変位量が10mm以上であることは明らかである。
これらのことから、実施例1及び2の各腕金支持部補強金具を取り付けた場合、腕金に対して有効な補強が出来ていることが分かる。
【0038】
また、前記当て金具2、6は、薄い金属板から成り、長手方向の略中央部に横長長方形状の開口2a又は6aを設け、さらに、長手方向の両端部に長孔2c又は6cを夫々設けているので、補強金具本体1又は5と前記電柱Aとの間に介在させて取り付けた際、電柱Aの外形と当て金具2又は6の湾曲部の形状が合わないものであっても、柔軟に対応出来、さらに、補強金具本体1又は5を長ボルト3で締め付けることによって、補強金具本体1又は5により電柱Aに押し付けられて、隙間が無くなり電柱Aになじみ強固に取り付けられる。
【0039】
前記実施例では、前記補強金具本体1、5を前記電柱Aに当接して取り付ける際に、当該補強金具本体1、5と当該電柱Aとの間に前記当て金具2、6を介在させているが、これらは無くても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。
【図2】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。
【図3】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の補強金具本体の正面図である。
【図4】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の補強金具本体の右側面図である。
【図5】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。
【図6】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の正面図である。
【図7】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の右側面図である。
【図8】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。
【図9】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。
【図10】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強金具本体の正面図である。
【図11】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。
【図12】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の当て金具の正面図である。
【図13】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の平面図である。
【図14】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の正面図である。
【図15】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の左側面図である。
【図16】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強用座金の正面図である。
【図17】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強用座金の左側面図である。
【図18】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。
【図19】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。
【図20】前記図19における腕金支持部補強金具部分の拡大図である。
【図21】この発明の実施例1、2の腕金支持部補強金具を用いた場合と用いない場合の補強具合を実験したグラフである。
【図22】腕金を取り付けた電柱の概略正面図である。
【図23】腕金を取り付けた電柱に、強風により荷重がかかる様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
A 電柱 B 腕金 C Uボルト
D アームタイ E 腕金 F 腕金
1 補強金具本体 1a 切欠き部 1b 貫通孔
2 当て金具 2a 開口 2b 湾曲部
2c 長孔 3 長ボルト 4 ナット
5 補強金具本体 5a 切欠き部 5b 貫通孔
6 当て金具 6a 開口 6b 湾曲部
6c 長孔 7 補助金具 7a 開口
7b 開口 7c 貫通孔 8 補強用座金
8a 貫通孔 9 芯ボルト 9a 端部
21 貫通孔 22 貫通孔 23 Uボルトの両端部
24 ナット
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に、引通し装柱において、強風の際、電柱に取り付けられた既存の腕金にかかる回転力に抗して当該腕金の変位量を抑える腕金支持部補強金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本全国、市街、郊外を問わず、配電や通信のために無数の電柱が建設されている。この様な電柱の中には、図22に示す様に、電線の懸架のため、電柱Aの一側から腕金Fを水平方向に伸ばして取り付けられているものがある。この腕金Fは、電柱Aと接する箇所で当該電柱Aを掛け回したUボルトCの両端部をこの腕金Fに予め設けられた各貫通孔に嵌め入れて当該腕金Fの他側から突出した当該UボルトCの両端部で夫々ナットを螺着して当該電柱Aに固定している。また、この電柱Aから前記腕金FにアームタイDを設けて当該腕金Fを支持している。
【0003】
この様な電線や腕金Fに強風が吹くと、腕金Fに複雑な荷重が作用し、その中の荷重の一つとして、図23に示す様に、この腕金Fに荷重Pがかかり、当該腕金Fを回転させようとする回転力Mが発生して前記UボルトC及び芯ボルト9を破断する可能性がある。
【特許文献1】特開2008−245432号公報(図11参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記回転力Mは、前記UボルトCが電柱Aを締め付ける力によって発生する電柱Aへの押し付け力(図23の電柱の断面図において黒矢印で示す)によって抗されることが分かり、この押し付け力が大きいほど回転力Mに抵抗するUボルトと電柱A間での摩擦力は大きくなり、電柱Aに対してUボルトが回転せず、腕金F先端の変位量を抑えることが出来る。
【0005】
この発明は、これらの点に鑑みて為されたもので、電柱に対する前記押し付け力を高める腕金支持部補強金具を提供して前記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、前記電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、当該長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた各貫通孔に挿通させて、前記Uボルトの両端部の外側の位置で夫々突出させてナットを夫々螺着して当該補強金具本体を固定する腕金支持部補強金具とした。
【0007】
請求項2の発明は、電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の両側に横長の長孔を夫々設け、これらの長孔の間に孔を設け、さらに、これらの2つの横長の長孔を挟んで両側に貫通孔を夫々具備した補助金具を設け、当該補助金具の2つの貫通孔の配置は前記補強金具本体の2つの貫通孔の配置と同じ位置とし、前記補助金具を水平にして一端を前記腕金の基部より長手方向の外側に突出させ、当該腕金の他側であって前記Uボルトの両端部が夫々突出した箇所に当該補助金具の各長孔を、また、これらのUボルトの両端部の間から突出した芯ボルトの端部に前記補助金具の孔を夫々嵌めて被せる。
【0008】
また、当該電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、一方の長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた貫通孔に挿通させて前記補助金具の一側の貫通孔から突出させ、他方の長ボルトの末端を前記腕金の基部の一端から外方へ突出した前記補助金具の貫通孔を通して突出させ、当該各長ボルトの末端にナットを夫々螺着して前記補強金具本体、補助金具を固定した腕金支持部補強金具とした。
【0009】
請求項3の発明は、チャネル型で短尺な金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の略中央に貫通孔を設けて補強用座金を複数個設け、前記補助金具を用いての補強金具本体の取り付けに際して、当該補強金具本体及び補助金具の各貫通孔の位置に前記補強用座金の貫通孔の位置を合わせて当該補強用座金を被せ、これらの上から前記長ボルトを挿入し、また、これらの補強用座金の各貫通孔から突出した長ボルトの末端に夫々ナットを螺着し、また、前記補助金具の各長孔から突出したUボルトの両端部のナットを一旦外してこれらの両端部に補強用座金を被せ、その上からナットを螺着した前記請求項2に記載の腕金支持部補強金具とした。
【0010】
請求項4の発明は、前記補強金具本体と凡そ同幅同長の金属板であって、長手方向の略中央部を湾曲させ、当該湾曲部の両側外方まで横長の開口を設け、長手方向の両端部に長孔を夫々設けた薄い金属製の当て金具を設け、前記補強金具本体を前記電柱に当接して取り付ける際に、当該補強金具本体の両端部の貫通孔及び前記当て金具の二つの長孔に長ボルトを夫々通し、当該補強金具本体と当該電柱との間に前記当て金具を介在させて前記補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部に前記当て金具を当接させた前記請求項1、2又は3の何れかに記載の腕金支持部補強金具とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、2、3の各発明によれば、電柱に既存の腕金が取り付けられた場合であっても、当該腕金の取り付けの充分な補強を簡単に行うことが出来、腕金先端の変位量を抑えることが出来る。これは、Uボルトを締め付けることによって発生する電柱への押し付け力に加えて、補強金具本体の両端部の長ボルトを締め付けることによって発生する電柱への押し付け力も作用するからである。
【0012】
また、請求項2及び3の各発明によれば、腕金の基部の端部が電柱外方へ充分突出しておらず、腕金に補強金具本体に対応する貫通孔が無くても補助金具と補強用座金を用いることにより、充分で確実な補強を簡単に行うことが出来る。
【0013】
請求項3の発明によれば、前記補助金具を用いての補強金具本体の取り付けの際、当該補強金具本体及び補助金具に補強用座金を被せ、この上からナットを螺着したので、この補強用座金を用いない場合と比べてより強力に固定することが出来る。
【0014】
請求項4の発明によれば、補強金具本体を前記電柱に当接して取り付ける際に、当該補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部と当該電柱との間に前記当て金具を介在させたので、補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部が強固に電柱に押圧されても直接電柱に当たらないので、電柱の外周面を傷付け難く、安心して腕金の補強をすることが出来る。また、この様に、当て金具を介在させると、Uボルトと電柱との間の摩擦力に加え、当て金具と電柱間での摩擦力も作用し、腕金先端の変位量をさらに抑えることが出来る。また、この当て金具を補強金具本体と当該電柱との間に介在させた場合、電柱と当て金具との間に隙間が出来るが、長ボルトで締め付けることによって、当て金具は、補強金具本体により電柱に押し付けられて、隙間が無くなり電柱になじみ強固に取り付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明は、電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、前記電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、当該長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた各貫通孔に挿通させて、前記Uボルトの両端部の外側の位置で夫々突出させてナットを夫々螺着して当該補強金具本体を固定する。
【0016】
これにより、電柱に既存の腕金が取り付けられた場合であっても、当該腕金の取り付けの充分な補強を簡単に行うことが出来る。
【実施例1】
【0017】
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。図2は、同腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。図3は、同補強金具本体の正面図である。図4は、同右側面図である。図5は、この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。図6は、同正面図である。図7は、同右側面図である。また、図8は、この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。
【0018】
この発明の実施例1の腕金支持部補強金具は、補強金具本体1と当て金具2から成る。この補強金具本体1は、図2、3及び4に示す様に、チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁を台形状に切欠いた切欠き部1a及び当該金具の背面片の長手方向の両端部に貫通孔1bを夫々穿って設けている。この補強金具本体1の各貫通孔1bの位置は、後述する当該補強金具本体1を長ボルト3で電柱Aに取り付けた際、前記腕金Bの基部に設けられた二つの各貫通孔に対応する位置となっている。
【0019】
また、前記当て金具2は、図5、6及び7に示す様に、前記補強金具本体1の背面片よりやや広い幅を有し、前記補強金具本体1の長さよりやや長い長さの薄い金属板であって、長手方向の略中央部に横長長方形状の開口2aを設け、さらにこの開口2aの略中央部を湾曲させた湾曲部2bとし、また、長手方向の両端部に長孔2cを夫々設けている。
【0020】
次に、この実施例1の腕金支持部補強金具を使用する手順を説明する。
まず、この腕金支持部補強金具を取り付ける電柱A(コンクリート柱)に取り付けられた既存の腕金Bについて説明する。この腕金Bは、図8に示す様に、角筒形状で一定長を有し、当該角筒の相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられている。この腕金Bの電柱に当接させる基部には、間をあけて横長の貫通孔21を2つ、これらの貫通孔21の間及び両端外方に貫通孔22を夫々設けている。
【0021】
この様な腕金Bを、図1に示す様に、電柱Aの一側に、この腕金Bの基部の一側を当接して水平方向に伸ばし、電柱Aの外周に掛け回したUボルトCの両端部23を当該腕金Bの一側の横長の各貫通孔21から入れて当該腕金Bの他側の各貫通孔21から突出させてこれらのUボルトCの両端部23をナット24で夫々螺着し、また、電柱Aの他側から芯ボルト9を電柱A内に通して、前記腕金Bの貫通孔22からその端部を突出させ、ナットを螺着して当該腕金Bを電柱Aに固定している。また、電柱Aから腕金Bに2本のアームタイDを設けて当該腕金Bを固定している。
【0022】
この様に腕金Bを取り付けた電柱Aに腕金支持部補強金具を取り付ける。図1に示す様に、この電柱Aの他側であって、前記UボルトCを略水平に掛け回している箇所及び前記芯ボルト9の突出した端部を、水平にした前記当て金具2の開口2a内に入れて当該当て金具2を電柱Aにあてがい、その上から、水平にした前記補強金具本体1の上下の切欠き部1aを夫々あてがい、これらの各切欠き部1aの相対向する鈍角の角部1a´を当て金具2を介して電柱Aの外周面に当てる。その後、この補強金具本体1の背面片の両端部に設けた各貫通孔1bに各長ボルト3を夫々挿入して、前記当て金具2の両端部の各長孔2cに通し、当該長ボルト3の末端を前記腕金Bの両側に設けた各貫通孔22に挿通させて当該腕金Bの他側であって、前記UボルトCの両端部の外側の位置で夫々突出させてナット4を夫々螺着する。これにより、この補強金具本体1と前記腕金Bによって当該電柱Aを挟持して固定する。
【実施例2】
【0023】
次に、この発明の実施例2について説明する。
図9は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。図10は、同補強金具本体の正面図である。図11は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。図12は、同当て金具の正面図である。図13は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の平面図である。図14は、同補助金具の正面図である。図15は、同補助金具の左側面図である。図16は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強用座金の正面図である。図17は、同補強用座金の左側面図である。図18は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。図19は、この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。図20は、図19における腕金支持部補強金具部分の拡大図である。
【0024】
この実施例2の腕金支持部補強金具は、補強金具本体5、当て金具6、補助金具7、補強用座金8から成る。以下、詳しく述べる。前記補強金具本体5は、図9及び10に示す様に、基本的には前記実施例1のものと同じ構成である。異なる点は、この補強金具本体5は、前記実施例1の補強金具本体1より長くなっており、切欠き部5aの位置は中央より一方に、図9では右側に、偏った位置に設けられている。他の構造は実施例1と同様に、背面片の長手方向の両端部には貫通孔5bを夫々穿っている。
【0025】
また、当て金具6も、図11及び12に示す様に、補強金具本体5と同様に、実施例1の当て金具2より長く設けられており、開口6aや湾曲部6bの位置も図11及び図12に示す様に、中央より右側に偏った位置に設けられている。他の構造は実施例1と同じで、長手方向の両端部に長孔6cを夫々設けている。
【0026】
補助金具7は、後述する腕金Eに被冠出来る大きさであり、図13、14及び図15に示す様に、チャネル型で一定長の金具の上下片に挟まれた背面片の中央からやや右側に円形状の開口7aを設け、この開口7aを挟んで長手方向の両側に横長の楕円形状の開口7bを夫々設けている。さらに、これらの2つの楕円形状の開口7bを挟んで両側に貫通孔7cを夫々設けている。そして、この補助金具の2つの貫通孔7cの配置は、前記補強金具本体5の2つの貫通孔5bの配置と同じ位置となっている。
【0027】
補強用座金8は、前記補助金具7及び補強金具本体5に被冠出来る大きさであり、図16、17に示す様に、チャネル型で短尺な金具の上下片に挟まれた背面片の略中央に貫通孔8aを設けて形成されており、ここでは6個使用する。
【0028】
次に、この実施例2の腕金支持部補強金具を使用する手順を説明する。
まず、この腕金支持部補強金具を取り付ける電柱Aに取り付けられた既存の腕金Eについて説明する。この腕金Eは、図18に示す様に、角筒形状で一定長を有し、当該角筒の相対向する一側と他側に一定の配置で貫通孔が設けられている。この腕金Eの、電柱Aに当接させる基部には、間隔をあけて横長の貫通孔25を2つ設け、これらの貫通孔25の間及び右側に貫通孔22を夫々設けている。
【0029】
この様な腕金Eを、図19及び図20に示す様に、電柱Aの一側に、この腕金Eの基部の他側を当接して水平方向に伸ばし、電柱Aの外周に掛け回したUボルトCの両端部を当該腕金Eの一側の横長の貫通孔25から入れて当該腕金Eの他側の貫通孔25から突出させてこれらのUボルトCの両端部23をナット24で夫々螺着し、また、電柱Aの他側の前記UボルトCの中央部の下方から芯ボルト9を電柱A内に通して前記腕金Eの貫通孔22からその端部9aを突出させ、ナット4を螺着して当該腕金Eを固定している。また、電柱Aから腕金Eに2本のアームタイDを設けて当該腕金Eを固定している。
【0030】
この様に、腕金Eを取り付けた電柱Aに腕金支持部補強金具を取り付ける。図20に示す様に、まず、前記補助金具7を水平にして一端を前記腕金Eの基部の端部より長手方向の外側(図20において左側)に、若干、突出させて、当該腕金Eの他側の前記UボルトCの両端部23に前記補助金具7の各開口部7bを嵌め、さらに、芯ボルト9の端部9aが夫々突出した箇所に当該補助金具7の開口7aを夫々嵌めて腕金Eに被せる。
【0031】
この電柱Aの他側であって、前記UボルトCを略水平に掛け回している箇所及び前記芯ボルト9の突出した端部を、水平にした前記当て金具6の開口部6a内に入れて前記当て金具6を電柱Aにあてがい、その上から、水平にした前記補強金具本体5の上下の切欠き部5aを夫々あてがい、これらの各切欠き部5aの相対向する鈍角の角部5a´を当て金具6を介して電柱Aの外周面に当てる。
【0032】
その後、この補強金具本体5の背面片の両端部に設けた各貫通孔5bに前記補強用座金8の貫通孔8aを合わせて当該補強用座金8を夫々被せる。さらに、当該補強金具本体5及び補強用座金8の各貫通孔5b、8aに長ボルト3を夫々挿入して前記当て金具6の両端部の各長孔6cに通し、一方の長ボルト3aを、前記腕金Eの相対向する一側と他側に設けた貫通孔22に挿通させて前記補助金具7の一端部の貫通孔7cから突出させる。また、他方の長ボルト3bを、前記腕金Eの基部の一端から外方へ突出させた前記補助金具7の他端部の貫通孔7cから突出させ、当該各長ボルト3a、3bの各末端に前記補強用座金8の貫通孔8aを通して当該補強用座金8を夫々被せる。その上からナット4を夫々螺着して前記補強金具本体5と前記腕金Eによって当該電柱Aを挟持して固定する。その後、前記UボルトCの両端23のナット24を夫々一旦外して当該両端23に、前記補強用座金8の貫通孔8aを通して当該補強用座金8を夫々被せ、その上からナット24を夫々螺着する。
【0033】
次に、これらの腕金支持部補強金具を設けた場合の効果を実験し、データ測定した。比較のために、腕金支持部補強金具を設けていない場合のデータも測定し、これらの結果を図21に示すグラフとした。
【0034】
まず、この実験は、図1及び図19に示す様に、電柱Aの中心から、1,025mmの位置の腕金に水平な横方向の荷重Pを載荷したときの、電柱の中心から1,575mmの位置の腕金の変位量を測定し、これらの結果をグラフにした。
【0035】
そして、このグラフにおいて、電柱Aの中心から、1,025mmの位置の腕金に荷重P=700Nを載荷したときの、電柱の中心から1,575mmの位置の腕金の変位量が10mm以内となった場合、補強効果が有るものとした。
【0036】
この実施例1及び2の各腕金支持部補強金具の場合(図21では、「旧型補強有り」が実施例1の腕金支持部補強金具を取り付けた場合を示し、「新型補強有り」が実施例2の腕金支持部補強金具を取り付けた場合を示す)、およそ荷重Pが800Nで変位量が約10mmとなっている。そして、荷重Pが700Nでは、実施例1の腕金支持部補強金具を取り付けたものでは、8.5mmで、実施例2の腕金支持部補強金具を取り付けたものでは、6.8mmであることが分かる。
【0037】
一方、各腕金支持部補強金具をつけていない場合(図21では、「旧型補強無し」及び「新型補強無し」で示す)、およそ荷重Pが400〜440Nで変位量が10mmとなっている。そして、各腕金支持部補強金具をつけていない場合では、荷重P700Nを荷重した時は、変位量が10mm以上であることは明らかである。
これらのことから、実施例1及び2の各腕金支持部補強金具を取り付けた場合、腕金に対して有効な補強が出来ていることが分かる。
【0038】
また、前記当て金具2、6は、薄い金属板から成り、長手方向の略中央部に横長長方形状の開口2a又は6aを設け、さらに、長手方向の両端部に長孔2c又は6cを夫々設けているので、補強金具本体1又は5と前記電柱Aとの間に介在させて取り付けた際、電柱Aの外形と当て金具2又は6の湾曲部の形状が合わないものであっても、柔軟に対応出来、さらに、補強金具本体1又は5を長ボルト3で締め付けることによって、補強金具本体1又は5により電柱Aに押し付けられて、隙間が無くなり電柱Aになじみ強固に取り付けられる。
【0039】
前記実施例では、前記補強金具本体1、5を前記電柱Aに当接して取り付ける際に、当該補強金具本体1、5と当該電柱Aとの間に前記当て金具2、6を介在させているが、これらは無くても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。
【図2】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。
【図3】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の補強金具本体の正面図である。
【図4】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の補強金具本体の右側面図である。
【図5】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。
【図6】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の正面図である。
【図7】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具の当て金具の右側面図である。
【図8】この発明の実施例1の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。
【図9】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強金具本体の平面図である。
【図10】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強金具本体の正面図である。
【図11】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の当て金具の平面図である。
【図12】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の当て金具の正面図である。
【図13】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の平面図である。
【図14】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の正面図である。
【図15】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補助金具の左側面図である。
【図16】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強用座金の正面図である。
【図17】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具の補強用座金の左側面図である。
【図18】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を取り付ける腕金の正面図である。
【図19】この発明の実施例2の腕金支持部補強金具を、腕金を取り付けた電柱に取り付けた状態の平面説明図である。
【図20】前記図19における腕金支持部補強金具部分の拡大図である。
【図21】この発明の実施例1、2の腕金支持部補強金具を用いた場合と用いない場合の補強具合を実験したグラフである。
【図22】腕金を取り付けた電柱の概略正面図である。
【図23】腕金を取り付けた電柱に、強風により荷重がかかる様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
A 電柱 B 腕金 C Uボルト
D アームタイ E 腕金 F 腕金
1 補強金具本体 1a 切欠き部 1b 貫通孔
2 当て金具 2a 開口 2b 湾曲部
2c 長孔 3 長ボルト 4 ナット
5 補強金具本体 5a 切欠き部 5b 貫通孔
6 当て金具 6a 開口 6b 湾曲部
6c 長孔 7 補助金具 7a 開口
7b 開口 7c 貫通孔 8 補強用座金
8a 貫通孔 9 芯ボルト 9a 端部
21 貫通孔 22 貫通孔 23 Uボルトの両端部
24 ナット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、
チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、
前記電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、当該長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた各貫通孔に挿通させて、前記Uボルトの両端部の外側の位置で夫々突出させてナットを夫々螺着して当該補強金具本体を固定することを特徴とした、腕金支持部補強金具。
【請求項2】
電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、
チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、
チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の両側に横長の長孔を夫々設け、これらの長孔の間に孔を設け、さらに、これらの2つの横長の長孔を挟んで両側に貫通孔を夫々具備した補助金具を設け、当該補助金具の2つの貫通孔の配置は前記補強金具本体の2つの貫通孔の配置と同じ位置とし、
前記補助金具を水平にして一端を前記腕金の基部より長手方向の外側に突出させ、当該腕金の他側であって前記Uボルトの両端部が夫々突出した箇所に当該補助金具の各長孔を、また、これらのUボルトの両端部の間から突出した芯ボルトの端部に前記補助金具の孔を夫々嵌めて被せ、
当該電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、一方の長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた貫通孔に挿通させて前記補助金具の一側の貫通孔から突出させ、他方の長ボルトの末端を前記腕金の基部の一端から外方へ突出した前記補助金具の貫通孔を通して突出させ、当該各長ボルトの末端にナットを夫々螺着して前記補強金具本体、補助金具を固定したことを特徴とした、腕金支持部補強金具。
【請求項3】
チャネル型で短尺な金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の略中央に貫通孔を設けて補強用座金を複数個設け、
前記補助金具を用いての補強金具本体の取り付けに際して、当該補強金具本体及び補助金具の各貫通孔の位置に前記補強用座金の貫通孔の位置を合わせて当該補強用座金を被せ、これらの上から前記長ボルトを挿入し、また、これらの補強用座金の各貫通孔から突出した長ボルトの末端に夫々ナットを螺着し、また、前記補助金具の各長孔から突出したUボルトの両端部のナットを一旦外してこれらの両端部に補強用座金を被せ、その上からナットを螺着したことを特徴とした、前記請求項2に記載の腕金支持部補強金具。
【請求項4】
前記補強金具本体と凡そ同幅同長の金属板であって、長手方向の略中央部を湾曲させ、当該湾曲部の両側外方まで横長の開口を設け、長手方向の両端部に長孔を夫々設けた薄い金属製の当て金具を設け、
前記補強金具本体を前記電柱に当接して取り付ける際に、当該補強金具本体の両端部の貫通孔及び前記当て金具の二つの長孔に長ボルトを夫々通し、当該補強金具本体と当該電柱との間に前記当て金具を介在させて前記補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部に前記当て金具を当接させたことを特徴とする、前記請求項1、2又は3の何れかに記載の腕金支持部補強金具。
【請求項1】
電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、
チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、
前記電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の背面片の両端部に設けた各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、当該長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた各貫通孔に挿通させて、前記Uボルトの両端部の外側の位置で夫々突出させてナットを夫々螺着して当該補強金具本体を固定することを特徴とした、腕金支持部補強金具。
【請求項2】
電柱の一側に、角筒形状の一定長で相対向する一側と他側に一定の配置で相応する位置に貫通孔が設けられた腕金の基部を当接して水平方向に伸ばし、電柱の外周に掛け回したUボルトの両端部を当該腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、また、当該電柱の他側から芯ボルトを電柱内に通してその端部を前記腕金の一側の貫通孔から入れて他側の貫通孔から突出させ、前記Uボルトの両端部及び芯ボルトの端部をナットで夫々螺着し、かつ電柱から当該腕金にアームタイを設けて当該腕金を固定している電柱において、
チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片の中央部の各外端縁に、台形状の切欠き部を有する補強金具本体を設け、当該補強金具本体の背面片の長手方向の両端部には貫通孔を夫々設け、
チャネル型で一定長の金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の両側に横長の長孔を夫々設け、これらの長孔の間に孔を設け、さらに、これらの2つの横長の長孔を挟んで両側に貫通孔を夫々具備した補助金具を設け、当該補助金具の2つの貫通孔の配置は前記補強金具本体の2つの貫通孔の配置と同じ位置とし、
前記補助金具を水平にして一端を前記腕金の基部より長手方向の外側に突出させ、当該腕金の他側であって前記Uボルトの両端部が夫々突出した箇所に当該補助金具の各長孔を、また、これらのUボルトの両端部の間から突出した芯ボルトの端部に前記補助金具の孔を夫々嵌めて被せ、
当該電柱の他側であって、前記Uボルトを略水平に掛け回している箇所に、当該Uボルトをチャネル溝内に入れて水平にした前記補強金具本体の上下の切欠き部を夫々あてがい、当該補強金具本体の各貫通孔に長ボルトを夫々挿入し、一方の長ボルトの末端を前記腕金の両側に設けた貫通孔に挿通させて前記補助金具の一側の貫通孔から突出させ、他方の長ボルトの末端を前記腕金の基部の一端から外方へ突出した前記補助金具の貫通孔を通して突出させ、当該各長ボルトの末端にナットを夫々螺着して前記補強金具本体、補助金具を固定したことを特徴とした、腕金支持部補強金具。
【請求項3】
チャネル型で短尺な金具の相対向した上下片に挟まれた背面片の略中央に貫通孔を設けて補強用座金を複数個設け、
前記補助金具を用いての補強金具本体の取り付けに際して、当該補強金具本体及び補助金具の各貫通孔の位置に前記補強用座金の貫通孔の位置を合わせて当該補強用座金を被せ、これらの上から前記長ボルトを挿入し、また、これらの補強用座金の各貫通孔から突出した長ボルトの末端に夫々ナットを螺着し、また、前記補助金具の各長孔から突出したUボルトの両端部のナットを一旦外してこれらの両端部に補強用座金を被せ、その上からナットを螺着したことを特徴とした、前記請求項2に記載の腕金支持部補強金具。
【請求項4】
前記補強金具本体と凡そ同幅同長の金属板であって、長手方向の略中央部を湾曲させ、当該湾曲部の両側外方まで横長の開口を設け、長手方向の両端部に長孔を夫々設けた薄い金属製の当て金具を設け、
前記補強金具本体を前記電柱に当接して取り付ける際に、当該補強金具本体の両端部の貫通孔及び前記当て金具の二つの長孔に長ボルトを夫々通し、当該補強金具本体と当該電柱との間に前記当て金具を介在させて前記補強金具本体の上下片の切欠き部の両側角部に前記当て金具を当接させたことを特徴とする、前記請求項1、2又は3の何れかに記載の腕金支持部補強金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−268653(P2010−268653A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119785(P2009−119785)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(000225201)那須電機鉄工株式会社 (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(000225201)那須電機鉄工株式会社 (22)
【Fターム(参考)】
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