腰掛機能付き杖
【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的な腰掛機能付き杖を提供することを目的とする。
【解決手段】束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように前記グリップ構成材2を構成し、このグリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたものである。
【解決手段】束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように前記グリップ構成材2を構成し、このグリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰掛機能付き杖に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特開平9−201215号に開示される腰掛機能付き杖(以下、従来例という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、杖本体(主脚)の上部に一対の座用部材(板材)を枢着し、この座用部材の座面同士を合わせた柄使用状態と、該両座面が水平となる腰掛使用状態となるように切り替えられるように構成したものである。尚、座用部材夫々の先端部には貫通孔から成るグリップが設けられており、また、杖本体には折り畳み自在な副脚が設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−201215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例は、前述したように腰掛けする部位が巾の広い一対の板材で構成される為、腰掛けとして使用する場合には、安定した腰掛け状態が得られることになるが、その反面、杖として使用する場合には、そのグリップが板材に貫通孔を設けただけ(通常の杖に設けられる棒状のグリップと全く相違する巾の広い板形状)であり、持ちにくくて非常に使いづらく、杖本来の機能が損なわれているのが現状である。
【0006】
本発明者は、前述した問題点に鑑み、種々の実験・研究を繰り返し行った結果、極めて商品価値の高い画期的な腰掛機能付き杖を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように前記グリップ構成材2を構成し、このグリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする腰掛機能付き杖に係るものである。
【0009】
また、前記グリップ構成材2を前記杖本体1に対して起立状態で展開した際、人が座す前記座り部4として機能し、前記グリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態とした際、前記棒状のグリップ3として機能するように前記グリップ構成材2を切り替え自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0010】
また、前記グリップ構成材2を前記杖本体1の上部に放射方向に展開自在に設け、このグリップ構成材2を展開した際、所定の面積を有する前記座り部4が形成されるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0011】
また、前記グリップ構成材2を前記杖本体1の上部に設けられる回動体5に設けて、前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0012】
また、前記グリップ構成材2を束ね状態とすることで形成される前記グリップ3の横断面形状が略円形状となるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0013】
また、前記グリップ構成材2として板状のグリップ構成材2を採用し、このグリップ構成材2を束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材2同士が重合して中空棒状のグリップ3となるように前記グリップ構成材2を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0014】
また、前記グリップ構成材2を展開した際、該グリップ構成材2同士の間に架設状態となる座体6を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0015】
また、前記座体6は、束ね状態とした前記グリップ構成材2同士の間に収納されるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0016】
また、束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2の一部若しくは全部を杖本体1の上部に水平回動自在に設けて展開自在とし、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように構成したことを特徴とする腰掛機能付き杖に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、良好な腰掛け機能が得られ、しかも、この腰掛け機能をグリップとして機能する部位に設けたにもかかわらず、通常の杖のグリップと同様の使用感(握った感触や操作感など)が得られ、杖本来の機能が損なわれることなく非常に便利であるなど極めて商品価値の高い画期的な腰掛機能付き杖となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて簡単に説明する。
【0019】
腰掛けとして使用する場合、例えば杖本体1に対して起立状態のグリップ構成材2を束ね状態から展開することで座り部4とし、この杖本体1を脚とした座り部4に腰をおろして腰掛けることができる。
【0020】
また、杖として使用する場合、グリップ構成材2を束ね状態とすることで得られる棒状のグリップ3を握持して使用する。このグリップ構成材2を束ね状態とした棒状のグリップ3は、その周面をしっかり握る(例えばわしづかみ状態で握る)ことができ、従来から提案される杖と同様の使用感が得られることになる。
【0021】
また、本発明は、グリップ構成材2を束ね状態において杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けており、この点においても従来から提案される杖と同様の使用感が得られることになる。
【0022】
従って、グリップ3を構成するグリップ構成材2を展開することで形成される座り部4が広くて安定したものである為、良好な腰掛け機能が得られ、しかも、この腰掛け機能をグリップ3として機能する部位に設けたにもかかわらず、通常の杖のグリップと同様の使用感(握った感触や操作感など)が得られ、杖本来の機能が損なわれることがなく非常に便利である。
【実施例1】
【0023】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように前記グリップ構成材2を構成し、このグリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたものである。
【0025】
具体的には、グリップ3は、複数(6枚)のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて構成されており、グリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態においては棒状のグリップ3としての機能を発揮し、杖本体1に対して起立状態においてグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4としての機能を発揮する(グリップ構成材2を用途に合わせた切り替え構造としている。)。
【0026】
各グリップ構成材2は、図1〜4に図示したように適宜な金属製の部材を形成した正面視花びら形状(中央部が最も巾広となる形状)の板状体であり、その基端部には一対のリング部7が設けられ、このリング部7は、グリップ構成材2を杖本体1の上部に設けられる回動体5に枢着連結するための部位である。尚、グリップ構成材2の形状や数や素材は適宜変更し得るものである。
【0027】
従って、グリップ構成材2は、束ね状態とすることで一本の棒状体(グリップ3)が形成され、また、回動体5に対して擺動させることで束ね状態から放射方向に展開自在(花びらがつぼみの状態から開いたような状態)となり、このグリップ構成材2を展開することで略水平状に所定の面積を有する部位(座り部4)が杖本体1の上部に形成される。
【0028】
また、グリップ構成材2は、適度な柔軟性を具備しており、よって、展開して座り部4とした際、この座り部4は適度なクッション性を発揮することになる。
【0029】
また、グリップ構成材2は、図5に図示したように横断面視湾曲状に形成されており、束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材2同士が重合(円状に配されるグリップ構成材2が順番に内外に重合)した中空棒状のグリップ3が形成されることになり、このグリップ3の横断面形状は略円形状となる。
【0030】
符号12はグリップ構成材2の束ね状態を保持するバンド体である。
【0031】
また、本実施例は、グリップ構成材2を展開した際、該グリップ構成材2同士の間に架設状態となる座体6を具備する。
【0032】
具体的には、この座体6は、図2に図示したように適宜な生地を形成した環状体であり、その外周縁をグリップ構成材2の先端部に付設している。
【0033】
また、座体6の内周縁には回動体5から延設される付勢体8(ゴム)が設けらており、この付勢体8は、グリップ構成材2を束ね状態とした際、グリップ構成材2同士の間に座体6を引き込み付勢して収納するためのものであり、グリップ構成材2を展開した際、この付勢体8の引き込み付勢に抗しながら座体6は拡開せしめられてグリップ構成材2同士の間に架設状態となるように構成されている。
【0034】
この座体6は、グリップ構成材2と共に座り部4を構成し、適宜なクッション性を具備して座り心地の良い座り部4とする機能を発揮し、更に、グリップ構成材2同士間に架設されることで該グリップ構成材2の開き過ぎを防止する過開放阻止体としての機能も発揮する。
【0035】
回動体5は、図3,4に図示したように適宜な金属製の部材を形成した球状体であり、その周面所定位置に平面視六角形状の凹部5aが設けられている。符号9はグリップ構成材2のリング部7を枢着するための孔である。
【0036】
この回動体5は、杖本体1の上部に自転回動自在に配されるものであり、よって、この回動体5に設けられるグリップ構成材2は、束ね状態において回動体5の回動により杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在となる。
【0037】
杖本体1は、上体1Aと、この上体1Aの下部に連設する下体1Bとで構成されている。
【0038】
上体1Aは、図1〜3に図示したように適宜な金属製の部材で形成した断面円形状の棒状体であり、その上端部(頂部)には凹部10が設けられている。
【0039】
この凹部10は、図3に図示したように前述した回動体5を回動自在に配設する部位に設定され、この凹部10を構成する周壁の一部が切欠されて開口部10aが設けられている。
【0040】
この開口部10aは、前述した束ね状態としたグリップ構成材2の倒動を許容し、この倒動させたグリップ構成材2を杖本体1に対して所定角度(90°)に回動して屈曲した突出状態を保持する部位である。
【0041】
また、上体1Aの上部には凹部10内に配設した回動体5を抜け止め係止する抜け止め部材11が設けられている。
【0042】
この抜け止め部材11は、図3に図示したように適宜な金属製の部材で形成したリング状体であり、凹部10の上縁部に螺着自在に設けられており、この抜け止め部材11が装着されることで凹部10内に配設した回動体5は抜け止め係止されることになる。
【0043】
また、抜け止め部材11は、一部が切欠されてC字状に設けられており、この切欠部11aは前述した上体1Aの開口部10aと一致してグリップ構成材2の倒動を許容する部位である。
【0044】
また、抜け止め部材11は、その下面内周縁部に湾曲面11bが形成されており、この湾曲面11bは、上体1Aに対する抜け止め部材11の螺着度合い(締付け度合い)により回動体5に対する押圧力が可変するように構成されている。
【0045】
従って、回動体5に対する抜け止め部材11の当接が弱い状態若しくは当接していない状態においては、回動体5が回動自在となるため束ね状態のグリップ構成材2が倒動自在となり(人体における骨盤と大腿骨との連設部位(関節)のような構造である。)、回動体5に対して抜け止め部材11を強く当接させることで回動体5の回動を阻止することができ(回動体5を回動させたり、この回動を阻止したりする際にはその都度抜け止め部材11の締付け力を可変する。)、即ち、図6に図示したように束ね状態としたグリップ構成材2における杖本体1に対する起立状態と、この起立状態から90°回動して屈曲した突出状態となるように回動を阻止することができ、よって、杖本体1に対するグリップ構成材2の屈曲角度を可変した種々の使用状態が得られることになる(グリップ3として使用する場面や好みにより杖本体1に対するグリップ3の角度を適宜可変することができる。)。
【0046】
尚、グリップ構成材2の起立状態と、この起立状態から90°回動して屈曲した突出状態との間の任意の角度で回動を阻止する構造としても良い。
【0047】
また、上体1Aの下端部中央位置にはスライド棒体13が垂設されており、このスライド棒体13は後述する下体1Bを昇降自在に連結するための部位である。
【0048】
また、上体1Aには4本の脚体14が設けられている。
【0049】
この脚体14は、図1,2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した棒状体であり、この各脚体14の上端部を上体1Aの下端部周縁位置に90°間隔で枢着している。
【0050】
また、脚体14の下端寄り部は、後述する下体1Bにリンク部材15を介して連設されており、上体1Aに対する下体1Bの上昇に伴い、脚体14の下端部が閉じた状態から外方へ開いた状態となり、上体1Aに対する下体1Bの効果に伴い、開いた状態から内方へ閉じた状態となるように折り畳み自在に構成されている。
【0051】
従って、上体1Aに対して下体1Bを上昇させた際、杖本体1には脚体14による脚が形成される。尚、この脚体14と後述する下体1Bとが同時に接地して脚として機能するようにしても良い。
【0052】
下体1Bは、図1,2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した棒状体であり、この下体1B単独でも前述した脚体14と同様に脚として機能する。
【0053】
また、下体1Bの上部には前記上体1Aに設けたスライド棒体13に被嵌連結するガイド部16が設けられている。
【0054】
また、下体1Bは、周面長さ方向に4本の凹溝17が設けられており、この各凹溝17は内方へ閉じた脚体14を収納する脚体収納部17であり、この脚体収納部17に脚体14を収納した際、脚体14の外面が下体1B(杖本体1)の表面に対して略面一若しくは没入するように構成されている。この脚体14を収納した状態においては、上体1Aに対する下体1Bの上昇は阻止されており、下体1Bを上昇する際には、予め脚体14を開放する方向に擺動させてこの上昇阻止状態を解除することになる。
【0055】
符号18は樹脂製のスリップ防止材である。
【0056】
以上の構成からなる本実施例に係る腰掛機能付き杖の使用状態について説明する。
【0057】
杖として使用する場合、図1に図示したように棒状のグリップ3を杖本体1に対して屈曲した突出状態で使用する。
【0058】
次に、腰掛けとして使用する場合、図6に図示したように杖本体1に対して屈曲した突出状態のグリップ3を起き動させて起立状態とするとともに、図7に図示したように杖本体1の上部に起立状態とした棒状のグリップ3を構成する束ね状態のグリップ構成材2を展開することで座り部4とし、この杖本体1を脚とした座り部4に腰をおろして腰掛けることができる。この際、杖本体1の脚としては、図7に図示したように下体1Bを上体1Aに対して上昇させることで外方に開いた脚体14を脚としても良いし、脚体14を使用せず杖本体1の下体1Aをそのまま脚としても良い。
【0059】
本実施例は上述のように構成したから、グリップ3を構成するグリップ構成材2を展開することで形成される座り部4が広くて安定したものである為、良好な腰掛け機能が得られ、しかも、この腰掛け機能をグリップ3として機能する部位に設けたにもかかわらず、通常の杖のグリップと同様の使用感(握った感触や操作感など)が得られ、杖本来の機能が損なわれることがなく非常に便利である。
【0060】
また、本実施例は、グリップ構成材2を杖本体1の上部に放射方向に展開自在に設け、このグリップ構成材2を展開した際、所定の面積を有する座り部4が形成されるように構成したから、小さな棒状のグリップ3を形成するグリップ構成材2を展開するだけで広い面状の座り部4が形成されることになり、座り心地の良い安定した腰掛け機能が得られることになる。
【0061】
また、本実施例は、グリップ構成材2を杖本体1の上部に設けられる回動体5に設けて、杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたから、棒状のグリップ3における起立状態と屈曲した突出状態との切り替えが簡易に且つ確実に行われることになる。
【0062】
また、本実施例は、グリップ構成材2を束ね状態とすることで形成される前記グリップ3の横断面形状が略円形状となるように構成したから、握った手が痛くなることはなく、何ら違和感のない握り状態が得られることになる。
【0063】
また、本実施例は、グリップ構成材2を束ね状態とした際、中空棒状のグリップ3となるようにグリップ構成材2を構成したから、軽量でありながら強度を具備し、グリップとしての機能を確実に発揮することになる。
【0064】
また、本実施例は、グリップ構成材2として板状のグリップ構成材2を採用し、このグリップ構成材2を束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材2同士が重合するように構成したから、何ら違和感のない使用感が得られるなど、より一層グリップとしての機能を確実に発揮することになる。
【0065】
また、グリップ構成材2を展開した際、該グリップ構成材2同士の間に架設状態となる座体6を具備するから、クッション性に秀れて座り心地の良い座り部4が得られることになる。
【0066】
また、本実施例は、座体6は、束ね状態としたグリップ構成材2同士の間に収納されるように構成されているから、高機能な座り部4を非常に体裁良くコンパクトにまとめることができることになる。
【実施例2】
【0067】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0068】
本実施例は、図8,9に図示したように杖本体1を構成する上体1Aに筒状のスライド体21を昇降自在に設けたものであり、このスライド体21は上昇した際、展開したグリップ構成材2の基端部を支持して該グリップ構成材2の開き過ぎを防止する過開放防止体である。
【0069】
尚、本実施例では、座体6は設けられていないが設けても良いのは勿論である。
【0070】
その余は実施例1と同様のものである。
【実施例3】
【0071】
本発明の具体的な実施例3について図面に基づいて説明する。
【0072】
本実施例は、束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2の一部若しくは全部を杖本体1の上部に水平回動自在に設けて展開自在とし、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4となるように構成したものである。
【0073】
具体的には、図10,11に図示したように杖本体1を構成する上体1Aの上部に複数(8枚)の薄板状のグリップ構成材2を水平回動自在に設けたものであり、最上部のグリップ構成材2以外の各グリップ構成材2を所定角度回動させることで放射状に展開して座り部4を形成するものである。
【0074】
符号19はグリップ構成材2の束ね状態を保持するバンド体である。
【0075】
その余は実施例1と同様のものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1の使用状態説明図である。
【図3】実施例1に係る要部の分解斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部の断面図である。
【図5】実施例1に係る要部の断面図である。
【図6】実施例1に係る要部の動作説明断面図である。
【図7】実施例1に係る要部の動作説明断面図である。
【図8】実施例2に係る要部の説明斜視図である。
【図9】実施例2に係る要部の動作説明断面図である。
【図10】実施例3に係る要部を示す斜視図である。
【図11】実施例3に係る要部の動作説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 杖本体
2 グリップ構成材
3 グリップ
4 座り部
5 回動体
6 座体
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰掛機能付き杖に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特開平9−201215号に開示される腰掛機能付き杖(以下、従来例という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、杖本体(主脚)の上部に一対の座用部材(板材)を枢着し、この座用部材の座面同士を合わせた柄使用状態と、該両座面が水平となる腰掛使用状態となるように切り替えられるように構成したものである。尚、座用部材夫々の先端部には貫通孔から成るグリップが設けられており、また、杖本体には折り畳み自在な副脚が設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−201215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例は、前述したように腰掛けする部位が巾の広い一対の板材で構成される為、腰掛けとして使用する場合には、安定した腰掛け状態が得られることになるが、その反面、杖として使用する場合には、そのグリップが板材に貫通孔を設けただけ(通常の杖に設けられる棒状のグリップと全く相違する巾の広い板形状)であり、持ちにくくて非常に使いづらく、杖本来の機能が損なわれているのが現状である。
【0006】
本発明者は、前述した問題点に鑑み、種々の実験・研究を繰り返し行った結果、極めて商品価値の高い画期的な腰掛機能付き杖を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように前記グリップ構成材2を構成し、このグリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする腰掛機能付き杖に係るものである。
【0009】
また、前記グリップ構成材2を前記杖本体1に対して起立状態で展開した際、人が座す前記座り部4として機能し、前記グリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態とした際、前記棒状のグリップ3として機能するように前記グリップ構成材2を切り替え自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0010】
また、前記グリップ構成材2を前記杖本体1の上部に放射方向に展開自在に設け、このグリップ構成材2を展開した際、所定の面積を有する前記座り部4が形成されるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0011】
また、前記グリップ構成材2を前記杖本体1の上部に設けられる回動体5に設けて、前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0012】
また、前記グリップ構成材2を束ね状態とすることで形成される前記グリップ3の横断面形状が略円形状となるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0013】
また、前記グリップ構成材2として板状のグリップ構成材2を採用し、このグリップ構成材2を束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材2同士が重合して中空棒状のグリップ3となるように前記グリップ構成材2を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0014】
また、前記グリップ構成材2を展開した際、該グリップ構成材2同士の間に架設状態となる座体6を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0015】
また、前記座体6は、束ね状態とした前記グリップ構成材2同士の間に収納されるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の腰掛機能付き杖に係るものである。
【0016】
また、束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2の一部若しくは全部を杖本体1の上部に水平回動自在に設けて展開自在とし、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように構成したことを特徴とする腰掛機能付き杖に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、良好な腰掛け機能が得られ、しかも、この腰掛け機能をグリップとして機能する部位に設けたにもかかわらず、通常の杖のグリップと同様の使用感(握った感触や操作感など)が得られ、杖本来の機能が損なわれることなく非常に便利であるなど極めて商品価値の高い画期的な腰掛機能付き杖となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて簡単に説明する。
【0019】
腰掛けとして使用する場合、例えば杖本体1に対して起立状態のグリップ構成材2を束ね状態から展開することで座り部4とし、この杖本体1を脚とした座り部4に腰をおろして腰掛けることができる。
【0020】
また、杖として使用する場合、グリップ構成材2を束ね状態とすることで得られる棒状のグリップ3を握持して使用する。このグリップ構成材2を束ね状態とした棒状のグリップ3は、その周面をしっかり握る(例えばわしづかみ状態で握る)ことができ、従来から提案される杖と同様の使用感が得られることになる。
【0021】
また、本発明は、グリップ構成材2を束ね状態において杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けており、この点においても従来から提案される杖と同様の使用感が得られることになる。
【0022】
従って、グリップ3を構成するグリップ構成材2を展開することで形成される座り部4が広くて安定したものである為、良好な腰掛け機能が得られ、しかも、この腰掛け機能をグリップ3として機能する部位に設けたにもかかわらず、通常の杖のグリップと同様の使用感(握った感触や操作感など)が得られ、杖本来の機能が損なわれることがなく非常に便利である。
【実施例1】
【0023】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4が形成されるように前記グリップ構成材2を構成し、このグリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたものである。
【0025】
具体的には、グリップ3は、複数(6枚)のグリップ構成材2を杖本体1の上部に展開自在に設けて構成されており、グリップ構成材2を束ね状態において前記杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態においては棒状のグリップ3としての機能を発揮し、杖本体1に対して起立状態においてグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4としての機能を発揮する(グリップ構成材2を用途に合わせた切り替え構造としている。)。
【0026】
各グリップ構成材2は、図1〜4に図示したように適宜な金属製の部材を形成した正面視花びら形状(中央部が最も巾広となる形状)の板状体であり、その基端部には一対のリング部7が設けられ、このリング部7は、グリップ構成材2を杖本体1の上部に設けられる回動体5に枢着連結するための部位である。尚、グリップ構成材2の形状や数や素材は適宜変更し得るものである。
【0027】
従って、グリップ構成材2は、束ね状態とすることで一本の棒状体(グリップ3)が形成され、また、回動体5に対して擺動させることで束ね状態から放射方向に展開自在(花びらがつぼみの状態から開いたような状態)となり、このグリップ構成材2を展開することで略水平状に所定の面積を有する部位(座り部4)が杖本体1の上部に形成される。
【0028】
また、グリップ構成材2は、適度な柔軟性を具備しており、よって、展開して座り部4とした際、この座り部4は適度なクッション性を発揮することになる。
【0029】
また、グリップ構成材2は、図5に図示したように横断面視湾曲状に形成されており、束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材2同士が重合(円状に配されるグリップ構成材2が順番に内外に重合)した中空棒状のグリップ3が形成されることになり、このグリップ3の横断面形状は略円形状となる。
【0030】
符号12はグリップ構成材2の束ね状態を保持するバンド体である。
【0031】
また、本実施例は、グリップ構成材2を展開した際、該グリップ構成材2同士の間に架設状態となる座体6を具備する。
【0032】
具体的には、この座体6は、図2に図示したように適宜な生地を形成した環状体であり、その外周縁をグリップ構成材2の先端部に付設している。
【0033】
また、座体6の内周縁には回動体5から延設される付勢体8(ゴム)が設けらており、この付勢体8は、グリップ構成材2を束ね状態とした際、グリップ構成材2同士の間に座体6を引き込み付勢して収納するためのものであり、グリップ構成材2を展開した際、この付勢体8の引き込み付勢に抗しながら座体6は拡開せしめられてグリップ構成材2同士の間に架設状態となるように構成されている。
【0034】
この座体6は、グリップ構成材2と共に座り部4を構成し、適宜なクッション性を具備して座り心地の良い座り部4とする機能を発揮し、更に、グリップ構成材2同士間に架設されることで該グリップ構成材2の開き過ぎを防止する過開放阻止体としての機能も発揮する。
【0035】
回動体5は、図3,4に図示したように適宜な金属製の部材を形成した球状体であり、その周面所定位置に平面視六角形状の凹部5aが設けられている。符号9はグリップ構成材2のリング部7を枢着するための孔である。
【0036】
この回動体5は、杖本体1の上部に自転回動自在に配されるものであり、よって、この回動体5に設けられるグリップ構成材2は、束ね状態において回動体5の回動により杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在となる。
【0037】
杖本体1は、上体1Aと、この上体1Aの下部に連設する下体1Bとで構成されている。
【0038】
上体1Aは、図1〜3に図示したように適宜な金属製の部材で形成した断面円形状の棒状体であり、その上端部(頂部)には凹部10が設けられている。
【0039】
この凹部10は、図3に図示したように前述した回動体5を回動自在に配設する部位に設定され、この凹部10を構成する周壁の一部が切欠されて開口部10aが設けられている。
【0040】
この開口部10aは、前述した束ね状態としたグリップ構成材2の倒動を許容し、この倒動させたグリップ構成材2を杖本体1に対して所定角度(90°)に回動して屈曲した突出状態を保持する部位である。
【0041】
また、上体1Aの上部には凹部10内に配設した回動体5を抜け止め係止する抜け止め部材11が設けられている。
【0042】
この抜け止め部材11は、図3に図示したように適宜な金属製の部材で形成したリング状体であり、凹部10の上縁部に螺着自在に設けられており、この抜け止め部材11が装着されることで凹部10内に配設した回動体5は抜け止め係止されることになる。
【0043】
また、抜け止め部材11は、一部が切欠されてC字状に設けられており、この切欠部11aは前述した上体1Aの開口部10aと一致してグリップ構成材2の倒動を許容する部位である。
【0044】
また、抜け止め部材11は、その下面内周縁部に湾曲面11bが形成されており、この湾曲面11bは、上体1Aに対する抜け止め部材11の螺着度合い(締付け度合い)により回動体5に対する押圧力が可変するように構成されている。
【0045】
従って、回動体5に対する抜け止め部材11の当接が弱い状態若しくは当接していない状態においては、回動体5が回動自在となるため束ね状態のグリップ構成材2が倒動自在となり(人体における骨盤と大腿骨との連設部位(関節)のような構造である。)、回動体5に対して抜け止め部材11を強く当接させることで回動体5の回動を阻止することができ(回動体5を回動させたり、この回動を阻止したりする際にはその都度抜け止め部材11の締付け力を可変する。)、即ち、図6に図示したように束ね状態としたグリップ構成材2における杖本体1に対する起立状態と、この起立状態から90°回動して屈曲した突出状態となるように回動を阻止することができ、よって、杖本体1に対するグリップ構成材2の屈曲角度を可変した種々の使用状態が得られることになる(グリップ3として使用する場面や好みにより杖本体1に対するグリップ3の角度を適宜可変することができる。)。
【0046】
尚、グリップ構成材2の起立状態と、この起立状態から90°回動して屈曲した突出状態との間の任意の角度で回動を阻止する構造としても良い。
【0047】
また、上体1Aの下端部中央位置にはスライド棒体13が垂設されており、このスライド棒体13は後述する下体1Bを昇降自在に連結するための部位である。
【0048】
また、上体1Aには4本の脚体14が設けられている。
【0049】
この脚体14は、図1,2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した棒状体であり、この各脚体14の上端部を上体1Aの下端部周縁位置に90°間隔で枢着している。
【0050】
また、脚体14の下端寄り部は、後述する下体1Bにリンク部材15を介して連設されており、上体1Aに対する下体1Bの上昇に伴い、脚体14の下端部が閉じた状態から外方へ開いた状態となり、上体1Aに対する下体1Bの効果に伴い、開いた状態から内方へ閉じた状態となるように折り畳み自在に構成されている。
【0051】
従って、上体1Aに対して下体1Bを上昇させた際、杖本体1には脚体14による脚が形成される。尚、この脚体14と後述する下体1Bとが同時に接地して脚として機能するようにしても良い。
【0052】
下体1Bは、図1,2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した棒状体であり、この下体1B単独でも前述した脚体14と同様に脚として機能する。
【0053】
また、下体1Bの上部には前記上体1Aに設けたスライド棒体13に被嵌連結するガイド部16が設けられている。
【0054】
また、下体1Bは、周面長さ方向に4本の凹溝17が設けられており、この各凹溝17は内方へ閉じた脚体14を収納する脚体収納部17であり、この脚体収納部17に脚体14を収納した際、脚体14の外面が下体1B(杖本体1)の表面に対して略面一若しくは没入するように構成されている。この脚体14を収納した状態においては、上体1Aに対する下体1Bの上昇は阻止されており、下体1Bを上昇する際には、予め脚体14を開放する方向に擺動させてこの上昇阻止状態を解除することになる。
【0055】
符号18は樹脂製のスリップ防止材である。
【0056】
以上の構成からなる本実施例に係る腰掛機能付き杖の使用状態について説明する。
【0057】
杖として使用する場合、図1に図示したように棒状のグリップ3を杖本体1に対して屈曲した突出状態で使用する。
【0058】
次に、腰掛けとして使用する場合、図6に図示したように杖本体1に対して屈曲した突出状態のグリップ3を起き動させて起立状態とするとともに、図7に図示したように杖本体1の上部に起立状態とした棒状のグリップ3を構成する束ね状態のグリップ構成材2を展開することで座り部4とし、この杖本体1を脚とした座り部4に腰をおろして腰掛けることができる。この際、杖本体1の脚としては、図7に図示したように下体1Bを上体1Aに対して上昇させることで外方に開いた脚体14を脚としても良いし、脚体14を使用せず杖本体1の下体1Aをそのまま脚としても良い。
【0059】
本実施例は上述のように構成したから、グリップ3を構成するグリップ構成材2を展開することで形成される座り部4が広くて安定したものである為、良好な腰掛け機能が得られ、しかも、この腰掛け機能をグリップ3として機能する部位に設けたにもかかわらず、通常の杖のグリップと同様の使用感(握った感触や操作感など)が得られ、杖本来の機能が損なわれることがなく非常に便利である。
【0060】
また、本実施例は、グリップ構成材2を杖本体1の上部に放射方向に展開自在に設け、このグリップ構成材2を展開した際、所定の面積を有する座り部4が形成されるように構成したから、小さな棒状のグリップ3を形成するグリップ構成材2を展開するだけで広い面状の座り部4が形成されることになり、座り心地の良い安定した腰掛け機能が得られることになる。
【0061】
また、本実施例は、グリップ構成材2を杖本体1の上部に設けられる回動体5に設けて、杖本体1に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたから、棒状のグリップ3における起立状態と屈曲した突出状態との切り替えが簡易に且つ確実に行われることになる。
【0062】
また、本実施例は、グリップ構成材2を束ね状態とすることで形成される前記グリップ3の横断面形状が略円形状となるように構成したから、握った手が痛くなることはなく、何ら違和感のない握り状態が得られることになる。
【0063】
また、本実施例は、グリップ構成材2を束ね状態とした際、中空棒状のグリップ3となるようにグリップ構成材2を構成したから、軽量でありながら強度を具備し、グリップとしての機能を確実に発揮することになる。
【0064】
また、本実施例は、グリップ構成材2として板状のグリップ構成材2を採用し、このグリップ構成材2を束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材2同士が重合するように構成したから、何ら違和感のない使用感が得られるなど、より一層グリップとしての機能を確実に発揮することになる。
【0065】
また、グリップ構成材2を展開した際、該グリップ構成材2同士の間に架設状態となる座体6を具備するから、クッション性に秀れて座り心地の良い座り部4が得られることになる。
【0066】
また、本実施例は、座体6は、束ね状態としたグリップ構成材2同士の間に収納されるように構成されているから、高機能な座り部4を非常に体裁良くコンパクトにまとめることができることになる。
【実施例2】
【0067】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0068】
本実施例は、図8,9に図示したように杖本体1を構成する上体1Aに筒状のスライド体21を昇降自在に設けたものであり、このスライド体21は上昇した際、展開したグリップ構成材2の基端部を支持して該グリップ構成材2の開き過ぎを防止する過開放防止体である。
【0069】
尚、本実施例では、座体6は設けられていないが設けても良いのは勿論である。
【0070】
その余は実施例1と同様のものである。
【実施例3】
【0071】
本発明の具体的な実施例3について図面に基づいて説明する。
【0072】
本実施例は、束ね状態とすることで棒状のグリップ3となる複数のグリップ構成材2の一部若しくは全部を杖本体1の上部に水平回動自在に設けて展開自在とし、このグリップ構成材2を束ね状態から展開することで人が座す座り部4となるように構成したものである。
【0073】
具体的には、図10,11に図示したように杖本体1を構成する上体1Aの上部に複数(8枚)の薄板状のグリップ構成材2を水平回動自在に設けたものであり、最上部のグリップ構成材2以外の各グリップ構成材2を所定角度回動させることで放射状に展開して座り部4を形成するものである。
【0074】
符号19はグリップ構成材2の束ね状態を保持するバンド体である。
【0075】
その余は実施例1と同様のものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1の使用状態説明図である。
【図3】実施例1に係る要部の分解斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部の断面図である。
【図5】実施例1に係る要部の断面図である。
【図6】実施例1に係る要部の動作説明断面図である。
【図7】実施例1に係る要部の動作説明断面図である。
【図8】実施例2に係る要部の説明斜視図である。
【図9】実施例2に係る要部の動作説明断面図である。
【図10】実施例3に係る要部を示す斜視図である。
【図11】実施例3に係る要部の動作説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 杖本体
2 グリップ構成材
3 グリップ
4 座り部
5 回動体
6 座体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
束ね状態とすることで棒状のグリップとなる複数のグリップ構成材を杖本体の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材を束ね状態から展開することで人が座す座り部が形成されるように前記グリップ構成材を構成し、このグリップ構成材を束ね状態において前記杖本体に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする腰掛機能付き杖。
【請求項2】
前記グリップ構成材を前記杖本体に対して起立状態で展開した際、人が座す前記座り部として機能し、前記グリップ構成材を束ね状態において前記杖本体に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態とした際、前記棒状のグリップとして機能するように前記グリップ構成材を切り替え自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の腰掛機能付き杖。
【請求項3】
前記グリップ構成材を前記杖本体の上部に放射方向に展開自在に設け、このグリップ構成材を展開した際、所定の面積を有する前記座り部が形成されるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項4】
前記グリップ構成材を前記杖本体の上部に設けられる回動体に設けて、前記杖本体に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項5】
前記グリップ構成材を束ね状態とすることで形成される前記グリップの横断面形状が略円形状となるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項6】
前記グリップ構成材として板状のグリップ構成材を採用し、このグリップ構成材を束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材同士が重合して中空棒状のグリップとなるように前記グリップ構成材を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項7】
前記グリップ構成材を展開した際、該グリップ構成材同士の間に架設状態となる座体を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項8】
前記座体は、束ね状態とした前記グリップ構成材同士の間に収納されるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の腰掛機能付き杖。
【請求項9】
束ね状態とすることで棒状のグリップとなる複数のグリップ構成材の一部若しくは全部を杖本体の上部に水平回動自在に設けて展開自在とし、このグリップ構成材を束ね状態から展開することで人が座す座り部が形成されるように構成したことを特徴とする腰掛機能付き杖。
【請求項1】
束ね状態とすることで棒状のグリップとなる複数のグリップ構成材を杖本体の上部に展開自在に設けて、このグリップ構成材を束ね状態から展開することで人が座す座り部が形成されるように前記グリップ構成材を構成し、このグリップ構成材を束ね状態において前記杖本体に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする腰掛機能付き杖。
【請求項2】
前記グリップ構成材を前記杖本体に対して起立状態で展開した際、人が座す前記座り部として機能し、前記グリップ構成材を束ね状態において前記杖本体に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態とした際、前記棒状のグリップとして機能するように前記グリップ構成材を切り替え自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の腰掛機能付き杖。
【請求項3】
前記グリップ構成材を前記杖本体の上部に放射方向に展開自在に設け、このグリップ構成材を展開した際、所定の面積を有する前記座り部が形成されるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項4】
前記グリップ構成材を前記杖本体の上部に設けられる回動体に設けて、前記杖本体に対して起立状態から回動して屈曲した突出状態となるように倒動自在に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項5】
前記グリップ構成材を束ね状態とすることで形成される前記グリップの横断面形状が略円形状となるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項6】
前記グリップ構成材として板状のグリップ構成材を採用し、このグリップ構成材を束ね状態とした際、隣接するグリップ構成材同士が重合して中空棒状のグリップとなるように前記グリップ構成材を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項7】
前記グリップ構成材を展開した際、該グリップ構成材同士の間に架設状態となる座体を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の腰掛機能付き杖。
【請求項8】
前記座体は、束ね状態とした前記グリップ構成材同士の間に収納されるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の腰掛機能付き杖。
【請求項9】
束ね状態とすることで棒状のグリップとなる複数のグリップ構成材の一部若しくは全部を杖本体の上部に水平回動自在に設けて展開自在とし、このグリップ構成材を束ね状態から展開することで人が座す座り部が形成されるように構成したことを特徴とする腰掛機能付き杖。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−253637(P2008−253637A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101232(P2007−101232)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(507115908)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(507115908)
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