説明

腸管スリーブ、その設置システム、およびその方法

腸管腔に設置するインプラントであって、腸管腔の壁に係合させるために、半径方向に圧縮された状態から半径方向に拡張された状態になる自己拡張性を有する基部アンカーと、当該アンカーに連結されたフレキシブルなスリーブと
からなる。 このスリーブは幽門より下流の位置に、アンカーを利用してインプラントされ、腸管腔の中を通って更に下流の方向へ展開される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満患者の体重減量及び/又はタイプIIの糖尿病患者の治療のためのインプラントの分野に関係する。 更に詳細には、本発明は、摂取した食品が腸内で吸収されるのを制限するため、及び/又はホルモン放出を調節するために使用されるスリーブをインプラントするためのシステムに関係する。
【背景技術】
【0002】
人間の胃Sとそれに関連する部分の解剖学的な視点に基づいた図を、図27に示す。 食道Eは、食物を口から胃Sの基部へ運ぶ。 Z線または食道-胃粘膜接合領域Gは、食道の薄い細胞組織と胃壁の厚い細胞組織の間にある不規則な形状をした境界部である。 食道-胃粘膜接合領域Gは、食道Eの先端部分、Z線、および胃Sの基部を取り囲む領域を言う。 胃Sは、胃の基部端にある胃底Fおよび胃の先端部にある洞部Aを含んでいる。 洞部Aは、小腸の基部領域に相当する十二指腸Dに隣接した幽門Pに食物を送るようになっている。 幽門Pには十二指腸Dから胃の中へ食物が逆流するのを防止するための括約筋がある。 十二指腸Dから遠位にある、小腸の中央部分は、空腸Jと呼ばれている。
食物が口内にあるとき、食物中の炭化化物の一部は、唾液中の酵素によって分解される。 食物を飲み込むと、胃の中の酸および酵素によって食物は液化マス(粥状液)となる。 この粥状液は、胃から腸へと移動し、さらに消化され、栄養素の大半は、腸膜を通って循環器系の中へ吸収される。 小腸の中にいる間に、この栄養素は酵素、および腸の細胞から分泌される分泌物の他、膵臓、肝臓、胆嚢からの分泌物によって分解される。 腸壁には、腸の内腔に向かって伸びた小さな突起状物である絨毛が並んでいる。 絨毛が存在することによって小腸の表面積を増大することができ、吸収を促進するようになっている。 未消化の粥状液は、大腸(結腸)へ入り、そこから最終的に排出される。
【0003】
本出願の譲受人に譲渡された先行出願および先行特許では、体重の減量を促進するための細長い腸管スリーブまたはチューブの使用に関する開示を行っている。 例えば、米国特許第6,675,809(発明の名称:「飽食のための装置および方法」)では、幽門を外れた所、例えば十二指腸の中あるいは十二指腸の近辺に配置することができるチューブについて開示している。 このタイプの幽門後側スリーブは、小腸において栄養素が吸収されるのを防止し、あるいは制限するのに有用である。 従って、患者の体重減量のきっかけを与えることができるようになる。 更に、小腸の一部分がバイパスされることになる胃バイパス手術によって、タイプIIの糖尿病患者の症状を改善することができる。 F. Rubino他著 「胃腸バイパス手術後の糖尿病患者の管理のメカニズムが明らかにする、タイプIIの糖尿病患者の病態生理学上の小腸基部の果たす役割」(手術の記録: 第243巻No.6, 2006年6月)。 米国特許第6,675,809に開示されているタイプのバイパス・スリーブを患者の小腸の中に設置することによって、それほど侵襲的でない方法で治療的機能を発揮できるようになっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、腸管スリーブ(幽門後流側スリーブとも呼ぶ)に係るものであり、特に好ましくは、幽門の下流側の胃腸管に固定された腸管スリーブに係るものである。 この腸管スリーブは、砂糖を含む摂取した食物が腸内で吸収されるのを最小限に抑えるのに適しており、その結果、体重の減量やタイプIIの糖尿病患者の治療に適したものである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1Aは、幽門後流側スリーブの実施例の立面図を示したものである。 図1Bは、小腸の中に配置された図1Aに示す幽門後流側スリーブを図示したものである。 図1Cは、図1Aに示す幽門後流側スリーブの先端部分に配置された拡張部分を図示したものである。 図1Dは、図1Aに示す幽門後流側スリーブに設けられた外壁部分を図示したものである。
【図2】図2A−2Cは、患者の小腸の中で裏返しにされた幽門後流側スリーブを展開する方法の実施例の一つを示す横断面図を示したものである。 図2Dと2Eは、図2A−2Cで展開した幽門後流側スリーブを回収する方法を示した図である。
【図3】図3Aは、裏返しにされた幽門後流側スリーブの斜視図を示したものであり、展開チューブ上にスリーブを保持する部分を示す図である。 外側スリーブは、内側スリーブ、アンカー、およびタブ部を見えるようにするために切除して示してある。 図3Bは、展開チューブから分離し、展開した図3Aに示すスリーブの斜視図である。 図3Cは、腸から取り出すために図3Aに示したスリーブをつぶす方法を示した斜視図である。
【図4】図4は、独立したアンカーを使用し、裏返しにされたスリーブを展開するための別の方法を示した図である。
【図5】図5は、図4に示すスリーブの展開状況を表した横断面図を示すものである。
【図6】図6Aと6Bは、スリーブの先端部分の展開状況とシーリング・リングを解放する状況を示したものである。 図6Cは、図6Aと同様な図を示したものであるが、スリーブの先端部分の異なった形態のものを示したものである。
【図7】図7Aと7Bは、シール部を設けるためにスリーブの先端部分を折り畳むステップを示したものである。
【図8】図8は、星型に折り畳まれたスリーブを示したものである。
【図9】図9Aと9Bは、図8に示した星型と類似の形状を作り出すために使うことができる折り畳み治具の例を示したものである。 図9Cは、裏返しにされたスリーブを示す横立面図であり、スリーブを折り畳むために図9Bに示す治具の中に差し込んだ状態を示したものである。 そして、このスリーブは折り畳まれた状態で展開スリーブの中に引き込まれている。
【図10】図10Aは、蠕動(ぜんどう)運動によって展開する形態の幽門後流側スリーブの実施例を示したものである。 図10Bは、展開シースの中に配置された図10Aのスリーブを押出ロッドと共に示した図である。 図10Cは、図10Bに示す押出ロッドの斜視図を示したものである。 図10Dは、展開したアンカーと一緒に図10Aに示すスリーブを示したものであり、このスリーブは蠕動(ぜんどう)運動によって展開している状況を示したものである。
【図11】図11Aは、蠕動(ぜんどう)運動によって展開する部分を有する別のスリーブの平面図を示したものである。 図11Bは、小腸の中において展開した図11Aに示すスリーブを示すものである。
【図12】図12は、流体圧を使用した幽門後流側スリーブの展開じょうきょうの展開状況を示したものである。
【図13】図13は、幽門シールを使用した幽門括約筋のシーリング状況を示したものである。
【図14】図14Aは、スリーブを収納したカプセル又はカセットを利用した別の展開システムによって運ばれる幽門後流側スリーブを示したものである。 図14Bは、図14Aに示すカセットの別のタイプのものを示したものであり、小腸内においてカセットが流体によって推進され易い形状にしたものである。
【図15】図15Aは、幽門後流側スリーブを展開するために、カセットの中でスリーブに回転を与える状況を示したものである。 図15Bと15Cは、図15Aに示すカセットの斜視図および横断面図を示したものである。
【図16】図16は、圧縮された状態にある幽門後流側スリーブのシースを示したものであって、展開用カテーテルによって運ばれる状況を示したものである。
【図17】
【図18】図17および図18は、小腸の中で幽門後流側スリーブを運ぶための流体によって前進するデバイスを示したものである。
【図19】図19は、小腸の中を進む別のタイプの流体によって前進するデバイスを示したものである。
【図20】
【図21】図20および図21は、図19に示すシステムを改良したシステム(流体によって前進するデバイス)を示したものであり、図20は、胃の中へ入れ、幽門を通過させるためのチューブの中につぶした状態で収納されたシステムを示し、図21は、そのチューブから解放された状態のシステムを示すものである。
【図22】図22A−22Dは、小腸の中で幽門後流側スリーブを運ぶためのデバイスであって、流体によって展開するデバイスの別の実施例を示したものである。
【図23】図23Aと23Bは、図22Aに示すデバイスと類似のデバイスの斜視図を示したものであって、内部に弁を設けるようにして改良したデバイスを示す。
【図24】図24A−24Cは、小腸の管腔を通じてガイド・ワイヤを展開するためのシステムを示したものである。
【図25】図25A−25Cは、腸管スリーブを展開するために使用する図24A-24Cに示すシステムの改良したシステムを示したものである。
【図26】図26Aは、腸管を通じてガイド・ワイヤを動かすために使用するカテーテルであって、トルクをかけることができるカテーテル・システムを示したものである。 図26Bは、ガイド・ワイヤの先端部分の横立面図を示したものである。
【図27】図27は、人体の胃と小腸の一部のイラストを示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、幽門後流側インプラント10(幽門後流側スリーブ)の例を示したものである。 インプラント10は、アンカー12と細長いフレキシブルなスリーブ14から構成されている。 アンカー12は、幽門を通過して小腸の中へ入れることができ、更に腸管壁に係合するように半径方向に自ずから膨張できるようにするために、小さな径に収まるように押しつぶすことができる構造様式となっている。 メッシュ構造、帯構造、その他の骨組み構造を有し、形状記憶材料(例えば、ニッケル・チタン合金、ニチノール、あるいは形状記憶ポリマー)や、ステンレス・スチール、エリゴイ(Eligoy)、あるいはMP35Nワイヤ又は構造物でアンカーを構成するようにしても良い。
スリーブ14は、小腸によって栄養分が吸収されるのを制限するために選定された長さを有するフレキシブルなチューブで構成されていることが望ましい。 典型的な例としては、10〜200cmの長さを有するが、特定の患者の場合、これよりも短いスリーブや長いスリーブが適切な場合もある。 スリーブに適した材料として、ePTFE、ポリウレタン、微小孔性のポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレンおよびこれらに相当する材料が使用される。 スリーブは1以上の材料で構成することもできる。 例えば、金属製あるいはポリマー製の編組やコイルによって強化されたポリマー材料であっても良いし、あるいは、編組や織布からできたスリーブをポリエチレンでコーティングしたようなものであっても良い。 ある実施例では、ePTFE製のスリーブでは、エラストマー製の外皮を備えるようにしている。 このような構成を有するスリーブは、腸の中で部分的につぶした状態に置くことが可能である。 そして、その後蠕動運動によって、食物が腸内を移動していくので、押しつぶされたスリーブは半径方向に膨張する。 このような構成を有しているので、スリーブはねじられたり、よじられたり、つぶされても耐えうるようになっている。 このようなスリーブでは、スリーブの外周に沿って消化酵素が通過できるようになっている。 そして、もし必要であるならば、蠕動運動のような自然な手段によってスリーブが容易に展開できるようになっている。
スリーブの材料あるいはスリーブの材料特性がスリーブの長手方向に沿って変化するようになっていても良い。 スリーブの内壁及び/又は外壁をコーティングしたり、何種類かの材料、コーティング材、あるいは組成物で処理したり充填したりしても良い。 このような処理には、スリーブの潤滑性を高めるために親水性のコーティングを行うことや、抗菌剤コーティング、あるいはホルモンの生産を安定化させる組成物をコーティングすること等が含まれる。 このようなスリーブは、非ポーラスな材料、ポーラスな材料、あるいは部分的にだけポーラスな材料とすることもできる。 スリーブの開口部は、小腸内の総胆管が繋がった位置などの、選択した位置に配置される。 図1C示すように、スリーブ14の先端端部には、スリーブの閉塞を防止するために、スリーブ14の先端端部を簡単に開けておくようにするエラストマー材からできた骨組構造部16が組み込まれている。 図1Dに示すように、スリーブ14の表面には、スリーブが胃の方へ移動していくのを防止するために、外観的特徴部18を設けたり、あるいは、スリーブと腸壁が軽く係合することができるようにするコーティングを施すようにしても良い。 スリーブに表面的質感を与えることになる、このような外観的特徴部分として、小さなこぶ、かえし、スパイク、ディンプル、あるいはその他の突起状の要素を利用することができる。
【0007】
次に、インプラント10として示す、インプラントの種々の展開方法について説明する。
【0008】
開示された多くの方法では、展開システムは幽門括約筋を通って前方へ進み、それから幽門後流側位置においてアンカーを有するスリーブを展開するようになっている。 そして、スリーブはアンカーの遠位において伸展するようになっている。 これらの実施例においては、スリーブを、幽門を通じて胃の中まで伸ばし、アンカーを胃の洞部あるいはその他の部位に配置するように変更することもできる。 アンカーの構造は十二指腸乳頭の膨大部における胆汁の放出機能と干渉することなく膨大部を覆って配置できるものではあるが、アンカーを配置する位置は、十二指腸乳頭の膨大部における胆汁の放出機能を阻害しないように選定することが望ましい。 好適な方法では、展開システムは、口腔を通して体内へ導入され、食道を通り胃の中へ入り、幽門括約筋を通って小腸の中へ導かれる。 別の方法では、展開システムは腹壁に設けた小さな貫通穴を利用して胃の中へ導入され、その後胃から小腸の中へ導かれる。
図2A-2Cに示す展開方法の例では、内側シース22の外側であって、軸方向に配置された外側シース20を使用している。 外側シース20の先端端部24の中に押しつぶした状態で収納された幽門交流側スリーブ10のアンカー12が、収納された空間から離れ、外側シース20は、内側シース22から先端側に移動する。 スリーブ14は内側シース22の中に配置されており、図示するように基端側へ伸びるようになっている。 そして、スリーブ14の内面が外側を向くように反転する。 スリーブ14の先端端部(スリーブが完全に展開した状態において胃から腸に沿って伸びた最も遠い位置にある端部を意味する)が展開の基点位置に残るようにして、スリーブ14は単独で反転する。 あるいは、管腔内においてスリーブ14が何度か反転するようにしても良い。 内側シース22とスリーブ14の接触部のシーリングを行なうためのオプションとしてのシール26が配置される。
【0009】
小腸に配置された外側シース20の先端端部と共に、図2Bに示すように内側シース22の中を通って水またはガスの流体が流れる。 この流体は反転したスリーブ14に対して圧力を作用させ、この圧力の作用により、アンカー12を介して、チューブが全長にわたって完全に展開するまで、スリーブ14は裏返しされる。 スリーブが展開するとき、内側シース22と外側シース20とは固定された位置に留まり、腸壁の表面に対して相対的な滑りを生じることなく、スリーブが腸の管腔内へ出てくるようにようにすることが望ましい。 一旦スリーブが展開してしまうと、外側スリーブは取り出され、アンカー12は外側シース20から出てきて、腸壁に係合するように自己展開する。 必要な場合には、スリーブを裏返しする前にアンカー12を展開するようにしても良い。 腸からインプラント10を取り外す場合、スリーブ14の部分(例えば、先端端部、あるいは基端部分、または中間部分)を係合させることによって取り外すことができる。
【0010】
これは、スリーブ14を通して把持器具を前へ進め、スリーブ14を把持器具に係合させることによって行われる。 スリーブの係合した部分は図2Dに示すようにスリーブの内部管腔を通じて引っ張られ、スリーブ14は裏返しされ、捕捉チューブ28の中へ引き込まれる。 捕捉チューブ28は、アンカー12の近くの位置へまで、把持器具の外側を前進し、捕捉チューブ28の中であって、スリーブを押しつぶして収納するための空間の中へアンカー12を引き込むために、図2Eに示すように、スリーブ14に引き込み力が付加される。
【0011】
図3Aおよび3Bに示すように、インプラントには、内側のシース22に係合し、シール部を形成する複数のタブ30(スリーブ14上またはアンカー12上に)を備えるようにしても良い。 図3Bに示すようにインプラント10が一旦展開した後は、タブ30はインプラント10上に残るようになっていても良いし、あるいは生分解したり、その他の方法で除去するようにしても良い。 もし、タブがもとの場所に残るような場合、図3Cに示すように縫い合わせ糸を使ってタブを一緒に締め上げるようにしても良い。 そして、図示しない捕捉チューブの中にインプラント10を引き込むために使用するようにしても良い。
別のインプラントの設計では、スリーブ14とアンカーは、図4に示すように別の分離したコンポーネントとして構成するようにしてもよい。 このような改造したインプラントの展開システムでは、シース20の先端端部24に取付けられ、シース20の管腔内を通って伸ばすために裏返しにされたスリーブ14の基端端部を備えた外側シース20を有している。 図5に示すように、上述したのと同様な方法によって、スリーブ14を裏返しにするために流体が使用される。 再度図4を参照すると、スリーブ14が一旦腸の中に配置されると、内側シース22の中に押しつぶされたアンカー12を備えた内側シース22は、スリーブ14の基端端部の方へ進む。 アンカー12を内側シース22から押し出すために、アンカー押出し器34が使用される。 そしてそれによって、アンカーを展開し、アンカーと腸壁の間にスリーブの基端端部を捕捉するようになっている。
【0012】
図6Aは、展開プロセスにおいて、反転した状態にあるインプラント10を示したものである。 同図から判るように、スリーブ14の先端端部をシーリングすることによって、流体圧がスリーブを裏返しにするので、展開を容易にすることが可能となる。 スリーブの先端端部は、束ねたり、折り曲げたり、ねじったり、巻き上げたり、あるいは単に圧力を付加したりすることができる。 そして、その先端端部の位置は、オプションとしての、O-リング、ステープル、クリップ、縫い合わせ糸等のクランプ手段38によって保持される。 そして、図6Bに示すようにスリーブが完全に展開したときにこれらのクランプ手段はスリーブから外される。 クランプ手段38は、生分解されるものであっても良いし、腸管の中を通過できる程度に充分小さいものとして構成してもよい。 クランプ手段38には、溶解される材料、仮付けの接着剤、あるいはその他の材料を使用するようにしても良い。 図7Aと7Bに示す更に別の実施例では、先端端部36にシール部を形成するために、折曲げ40がスリーブの先端端部36に設け、更にZ字状の折曲げ42を設けている。
好適なクランプ手段の実施例としては、相互作用または圧縮力によって生じる摩擦力によりスリーブ14に固定されたO-リングがある。 スリーブが完全に裏返しされた後(図6B参照)インターフェース部には裏返しするための圧力が作用し、意図しない圧力損失が生じたり、展開不良が生じたりすることのないようになっている。 O-リングは、スリーブから外れた後、消化器官の中を容易に通り抜けることができるようになっている。 図6Cは図6Aと類似しているが、O-リング38が外れる前のスリーブの先端端部の構成が異なっている。
ある実施例では、スリーブ14にコントロールされ、長手方向に沿って折り曲げられたプリーツを設けることが有用である。 このプリーツ形状としては、展開時にスリーブが裏返しし易いように拘束力が最小になるように、図8に示す星型の形状を有するものや、その他の対称断面を形成するものがある。 この種の折曲げパターンは、スリーブを図9Aや9Bに示す治具44a, 44bに通すことによって簡単に形成することができる。 治具44a, 44bは開口部40、46と、この開口部40、46から放射状に伸びたスリット48から構成されている。 スリーブを前記治具の一つに通すことによって、スリーブは星型のパターンに折り畳まれるようになっている。 好ましくは、スリーブは、その折り畳まれたパターンを保持するために、治具から直接保持シースの中へ入れられる。 例えば、図9Cに示すように、スリーブ14は裏返しにされ、そしてシース22の中に入れられているので、スリーブ14の先端端部は、スリーブ14自身の内側管腔内へ引き込まれ、アンカー12の管腔を通して引っ張られる。 そして、スリーブ14は、折り畳み部またはプリーツを設けるために治具44bの中を通され、さらにスリーブ14(この段階では、折り畳み部またはプリーツが設けられている)を引っ張ってシース22の中に入れられる。
【0013】
本実施例では、スリーブ14の先端端部を腸内の展開位置まで運ぶために、腸の自然に生じている蠕動運動を利用することになる。 前に説明した実施例と同様に、この方法を採用する場合には、一般的にはインプラントを収納した展開システムを幽門を通過させて前に進め、その後展開システムを使ってスリーブとアンカーを展開する。 このような実施例では、スリーブの展開前または展開後において、アンカーは腸壁と係合するようになっている。 蠕動運動によって展開されたインプラントは、図1Aのインプラント10と類似しているが、インプラントが蠕動運動によって腸内を移動するように、好ましくは、腸の蠕動運動によって係合できる錘のついた要素を備えているという点において異なる。 この錘のついた要素は、スリーブの材料そのものというよりは、蠕動運動によってより係合し易くなるような質量あるいはサイズを有するものから選択される。
図10Aに示すように、インプラント10aの先端端部にO-リング50を備えるように改造しても良い。 O-リング50は適切な材料によって作られたものであれば良い。 一つの実施例では、O-リング50の材料としては、太いシリコーン・ゴムやその他の劣化しない材料、あるいは時間とともに生分解あるいは溶解する材料であっても良い。 スリーブが体内から除去されるまでO-リング50が設置された場所に留まるように、O-リング50はスリーブ14aに固定される。 または、スリーブが展開された後、O-リング50がスリーブ14aから外れ、消化器官から排出されるように、O-リングをスリーブに仮止めしておく(例えば、溶解性の接着剤や縫い合わせ糸を利用することによって)こともできる。 O-リング50には、O-リング上にクリンプさせた白金チューブのごとき放射線不透過なマーカ52を備えるようにしても良い。
【0014】
蠕動運動を利用したスリーブの展開に関する別の実施例では、引離しシースの中にインプラントをパッケージするようにしても良い。 そしてこのパッケージされたシースが幽門を越えて進み、その後シースが取り除かれる(例えば、引張りワイヤなどを利用して)。 図16に示す別の実施例では、蠕動運動によって腸内を搬送するために充分なサイズと質量を持った、傷をつけることのないチップ78を備えた導管チューブ76を使用している。 導管チューブ76は、O-リング80あるいはその他の仮の手段によって、スリーブ14の先端端部に連結されている。 導管76とO-リング80の両者は、生分解性のものとするか、あるいは消化器官から排出できるものとしても良い。 ここで開示したその他の実施例と同様に、このシステムも、アンカー12が腸壁に係合する前または係合した後に、スリーブが腸内を移動できるようにするために使用することができる。
【0015】
次に図10Bを参照する。 図10Aのインプラント10aを展開するシステムは、内部にインプラント10aを収納したシース54を備えるようにしても良い。 インプラント10aのスリーブ14aは、図示するようにシース54の中でアコーディオン状のプリーツを有するように折り畳まれた状態にしても良い。 あるいは、単にしわくちゃにしてシース内へ収納したり、その他の方法で折り畳んでシース内へ収納するようにしても良い。 展開を容易にするために、プリーツは、均一なパターンを有するものであっても良いし、あるいはスリーブの異なった部分がより緻密な、あるいはより疎なプリーツを有するようにしてもよい。 使用中、図10Bに示すように組み立てられたシース54には、好ましくは、幽門括約筋を通ってガイドされているガイド・ワイヤ56が貫通している。 シース54は、幽門括約筋を過ぎた位置に先端端部が配置されるように配置される。 そして、少なくともスリーブ14aの部分がシース54の外へ出るようにして、インプラント10aを押し出すためにプッシュ・ロッド58が使用される。 この展開のステップの間、このプッシュ・ロッド58はスリーブ14aの先端端部だけがシース54から出るようにして使用しても良い。 または、アンカー12aを除くスリーブ14aの全体がシース54から出るようにしても良いし、あるいはインプラント10a全体(アンカーを含む)をシース54から吐出するようにしても良い。 プッシュ・ロッド58の実施例としての詳細は、図10Cに示されており、このプッシュ・ロッド58には、ガイド・ワイヤ56を収納する管腔60とアンカー12aに係合する肩部62が備えられている。
【0016】
O-リング60が腸の中へ入ると、O-リング60は蠕動運動によって腸の中を搬送される。 そして、図10Dに示すように、スリーブ14aは徐々に展開されていく。 もし、アンカー12aが前もって展開しない場合には、スリーブ14aが展開している途中あるいは完全に展開した後に、アンカーを解放するためにプッシュ・ロッド58が使用される。
蠕動運動を利用して展開が行なわれる実施例では、展開を容易にするために自然の蠕動運動を強化し増大させるために腸を刺激することが行なわれる。 例えば、図10Bに示すようなシステムでは、ガイド・ワイヤ56が、蠕動運動による収縮の制御を行なえるように、腸または胃の特定の領域の組織と接触しているときに、エネルギ(電圧)を付加する電極を備えた刺激導線としての機能を果たすようにすることができる。 または、ガイド・ワイヤ56に、蠕動運動を強化するための薬剤を移送する移送用腔を備えるようにしても良い。 どちらの場合であっても、ガイド・ワイヤというよりもむしろ、電極導線または流体移送腔が蠕動運動を制御するために使用される。 図11Aと11Bは別のインプラント10bを示したものであり、このインプラント10bでは、図10AのO-リングは、溶解性/消失性のゼラチン・カプセルのような溶解性部材64によって置き換えられている。 そして、このゼラチン・カプセルは、スリーブ14bの先端端部36に紐により結合されている。 図11Aに示す展開は、図10Aで示した実施例に関連して説明した方法と同様に行なわれる。 図12に示す別の展開方法では、インプラント10を収納した展開シース66は、幽門を通過する。 インプラント10のスリーブ14は、シース66の中でアコーディオン状に折り畳まれている。 そして、インプラントは、スリーブ14の先端端部において、O-リングまたはその他のシール手段38によってシールされている。(図6A-7Bに関連して説明した部分を参照のこと。) 水またはその他の適切な流体がシース66の中に入り、インプラントの中を流れる。 シールされたスリーブ14の内部の流体の圧力は、折り畳まれたスリーブを、腸の中で元に戻すように作用する。 一旦スリーブが完全に展開すると、シール手段38は開放される。 図13に最も良く判るように描かれているように、シース66には、水の逆流を防止するために幽門部をシールする円環状バルーン68であって、幽門を越えた位置で膨張させることができる円環状バルーン68を備えるようにしても良い。 プッシュ・ロッド58は、スリーブが展開した後または展開する前に、シース66からアンカー12を吐出させるために使用される。 図14Aに示す実施例は図12の実施例のバリエーションであって、スリーブ14は、シース66の先端部に配置されたカプセルまたはカセット70の中にフィットするように折り畳まれ、圧縮され、あるいは巻かれている。 そして、このシース66は、圧縮したアンカー12 を収納している。 カプセル70は、蠕動運動または流体の圧力によって前方へ進むようになっている。(図14B参照) そして、カプセルは腸の中を前に進むので、スリーブはカプセルから繰り出されるようになっている。 一旦スリーブが展開すると、カプセルはスリーブから外れ、体外へ排出される。 図15Aは、スリーブをマンドレル72に係合させ、このマンドレル72を長手方向軸芯周りに回転させることによって、スリーブをカプセルの中で巻き込むことができることを示したものである。 図15Bと15Cから良く判るように、カプセル70にはマンドレルを受けるための穴74が備えられている。
【0017】
図17から図23Bには、膨張可能な要素が腸の中を進むようにするために流体を使用した実施例が示されている。 これらの実施例では、スリーブ14が後からガイド・ワイヤの後を追うようにするために、ガイド・ワイヤは、膨張可能な要素に結び付けられている。 あるいは、スリーブ自身が膨張可能な要素に紐で結び付けられている。 図17と図18に示すように、膨張可能な要素は、傷をつけることのないチップ84を備えたシャトルコック82の形状を形成するようにしても良い。 複数のストラット86が傷をつけることのないチップ84にヒンジ結合され、そして帯状部材がストラット間に配置されている。 図17に示す拘束された状態から開放された時に、帯状部材88が展開し、円錐状の形状になる。 図18に示すように、作用する流体によって拡張した円錐状コーンの内側に圧力がかかり、膨張可能な要素82は腸の中を前進する。 これとは別の形態の実施例では、膨張可能な要素は、図19−21に示すように、流体の圧力によって展開するパラシュートタイプの形状88を有している。 更に別の実施例では、膨張可能な要素は、図22Cに示すような、腸の管腔内で膨張するバルーン90であって、腸内で膨張した後、流体の圧力によって腸の中を推進するようになっている。 この設計は、図23A, 23Bに示すようなフラップ・バルブ92を備えるように改造することもできる。 腸内をバルーンが進むようにするために、水がバルーンに向けてパルス状に流れるとき、バルーンを前方へ進めるために、水がフラップ・バルブ92を閉じるようになっている。 流体系のパルス状の圧力の間においては、もし腸内の背圧を逃がす必要がある場合には、フラップ92は図23Bに示すように開くようになっている。
【0018】
図10Bに関連して述べたインプラントを設置する方法は、スリーブがガイド・ワイヤの後を追うようにして前進することにより行なわれるものであるか、あるいは他の展開方法と組み合わせて行なわれるものであった。 図24A−26に示す実施例は、腸の中でガイド・ワイヤを操作するために使用される方法を説明するものである。
【0019】
図24に示すように、ガイド・ワイヤ56は、その先端端部において膨張可能なバルーン102を備えたカテーテル100を貫通して伸びている。 ガイド・ワイヤ56を展開するために、カテーテル100は腸の中へ移動し、バルーン102は膨張して周りの腸壁に接触する。 そしてガイド・ワイヤ56は、カテーテル100の先端端部から更に伸びるようにして、カテーテル100の中を前方へ移動する。 次にバルーンは収縮し、カテーテルは腸の中を更に前方へ進み、ガイド・ワイヤも前方へ進む。 そして、これはガイド・ワイヤが所望する位置(例えば、幽門を越えた位置)に到着するまで行われる。 このカテーテルには、オプションとしてのアンカー用バルーン104(図24Cにおいて破線にて示す)を備えるようにしても良い。 このアンカー用バルーン104は、カテーテルがガイド・ワイヤ上を前方へ進む時に、膨張することによってガイド・ワイヤを腸の中の所定場所に固定するために使用されるものである。 ガイド・ワイヤを設置するための別の方法として、この種のバルーンは、蠕動運動または流体の圧力を利用して、ガイド・ワイヤが腸内を移動するようにするために使用することができる。 そして、この蠕動運動または流体の圧力を利用ことについては、スリーブの展開に関連して説明したことと同じである。
一旦、ガイド・ワイヤが所定の位置に設置されると、腸管スリーブ14とアンカー12(好ましくは、前述したようにシースの中に収納されたもの)が、体内の所望する位置へガイド・ワイヤの後を追うようにして進む。 そして腸管スリーブ14とアンカー12はシースから解放され、腸の中に固定される。
図25A−25Cは、バルーンが膨張し、前進し、そして縮小する段階を連続的に示した図であり、この方法はスリーブ14自身を展開させるために使用される。 例えば、図示するように、スリーブ14は、先端側バルーン108と基端側バルーン110を備えたシース106の中に収納しておくようにしても良い。 シースの先端側部分(縮小した先端側バルーン108を含む)がガイド・ワイヤ56上を前方へ進む間、シース106が後方へ移動するのを防止するために、基端側バルーン110が膨張して、周囲の腸壁と接触するようになっている。 次に、先端側バルーン108が膨張して、周囲の腸壁と接触し、基端側バルーン110が縮小して前方へ進むようになっている。 このようにすることによって、シース106はガイド・ワイヤに沿ってしゃくとり虫状に進むことができるようになる。 一旦、所望する位置に到達すると、シース106はスリーブ14から取り除かれ(例えば、前述したような、シースからスリーブを押し出すために使用する押し出し手段を利用したり、あるいは、シースに穴を明けたりすることによって取り除かれる)、アンカーが広がって、周囲の腸壁に係合するようになっている。
【0020】
ここで開示した実施例では、インプラントの手順を視覚化するために内視鏡を利用することもできる。 ガイド・ワイヤや関連する器具、またはインプラントはフレキシブルな内視鏡のワーキングチャンネルを通るようにすることもできる。 または、口と食道を通して配置したその他のアクセス用チューブの中を通すようにすることもできる。 曲がりくねった腸の中でガイド・ワイヤを操作し、操縦することは、一つまたは複数のテレスコープ状のカテーテル112a, 112b (図26A参照)の中をガイド・ワイヤを通すことによって実現することもできる。 このテレスコープ状のカテーテル112a, 112bは、前進するにつれてカテーテルの方向を変えることができる機能を有している。 例えば、内側カテーテル112aは、図示するように、ガイド・ワイヤを操縦するために使用することができる、予め賦形された先端端部を備えている。 そして、外側カテーテル112bは、直線状のカテーテルであり、内側カテーテル112aが外側カテーテル112bの内側に引き込まれた際に内側カテーテル112aが直線状になるように保持することができるようになっている。 ガイド・ワイヤ56の先端端部は、図26Bに示すように、回りの組織を傷つけにくくするためにしなやかな先端チップを備えるようにしても良い。
【0021】
上述したインプラントやシステムは、ここで述べた方法に従った、インプラントを設置するための方法を説明する使用説明書と一緒に梱包される。 そして、上述したインプラントやシステムは、インプラントが炭水化物や栄養素などの消化されたものが体内に吸収されるのを防止することによって、体重の減量及び/又は糖尿病の治療のために利用されるものである。
【0022】
上述した実施例については、これまでに述べたことに基づき、多数のバリエーションが可能になるものであり、このことは当業者であれば自明のことであることを認識しなければならない。 更に、前述した実施例の種々の技術的特徴は、それらを組み合わせることによって、更に多数の新たな実施例を作り出すことができるものである。 従って、本発明は、ここで示し、説明した特定の実施例や方法に限定されるものではない。 むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項に記載された事項と等価なものとして定義されるべきものである。
【0023】
ここで、言及した全ての特許、特許出願、刊行物は、ここで参照されることにより、本発明に組み入れられるものとする。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図3A】

【図3B】

【図3C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
腸管腔において使用するためのインプラントシステムであって、
腸管腔の壁に係合させるために、半径方向に圧縮された状態から半径方向に拡張された状態になる自己拡張性を有する基部アンカーと、
当該基部アンカーに連結されたフレキシブルなスリーブと
からなることを特徴とするインプラントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のインプラントシステムであって、
前記スリーブがフレキシブルなポリマー材料から形成されたものであることを特徴とするインプラントシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のインプラントシステムであって、
前記フレキシブルなポリマー材料がエラストマーとしての外表面を備えたePTEFからなること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のインプラントシステムであって、更に、
管腔を有する展開シースを備え、
前記スリーブは当該展開シースの中に配置され、当該スリーブの先端部分はシースの隣接する部分に向かって基端側の方向と平行な方向に引き込まれており、
当該スリーブの先端部分と隣接する部分は円管状の空間を構成すること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のインプラントシステムであって、
前記円管状の空間を加圧し、スリーブを裏返しするために、当該円管状の空間に流体的に連結された流体源を更に備えること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のインプラントシステムであって、
前記スリーブの先端端部をシーリングするシール手段を更に備え、
当該シール手段は、スリーブの先端端部が裏返しされる間に、スリーブの先端端部から離脱できるものであること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のインプラントシステムであって、
前記スリーブの先端部分上に配置された要素を更に備え、
当該要素は、腸の蠕動運動によってスリーブの先端部分が腸管腔の中を前方へ進むことができるように、腸に係合できるようになっていること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のインプラントシステムであって、
腸管腔の壁に接触して配置することができる電極を更に備え、
当該電極が、蠕動運動を制御するために、腸管腔へエネルギを付加すること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のインプラントシステムであって、
前記スリーブの先端部分がカプセルの中に配置され、
当該インプラントシステムが、流体を腸管腔の中に流し、当該カプセルを腸管腔壁に接触させるための流体源を備えており、当該カプセルが流体の圧力に応じて腸管腔の中を前方へ進むことができるようになっていること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のインプラントシステムであって、
前記カプセルが腸管腔の中を前方へ進むことによって、前記スリーブが当該カプセルから繰り出されるようになっていること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のインプラントシステムであって、
腸管腔の幽門の下流側にあるアンカー位置に前記アンカーを配置すると共に、当該アンカーをアンカー位置において展開させる方法をユーザーに説明するための使用説明書を更に備えること
を特徴とするインプラントシステム。
【請求項12】
腸管スリーブを配置するための方法であって、
基端端部と先端端部を有する腸管スリーブを準備するステップと、
当該基端端部を腸管腔の幽門の下流側に固定するステップと、
当該先端端部を腸管腔内であって、当該基端端部の下流側に配置するステップと
からなることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の腸管スリーブを配置するための方法であって、
ガイド・ワイヤを腸管腔の中へ進めるステップと、
腸管スリーブを当該ガイド・ワイヤ上を前へ進めるステップと
を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記先端端部を腸管腔内であって、前記基端端部の下流側に配置するステップが、
前記スリーブを反転するために、そして当該スリーブの隣接する部分の間に空間を形成するために、当該スリーブの先端部分を基端側へ引っ張るステップと、
当該スリーブの少なくとも一部が腸管腔内にあり、当該スリーブを裏返しするために当該空間に向けて流体を流すステップを
備えていることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、当該方法は、裏返しされたスリーブをシース内に配置するステップと、
シースの中を通して流体を流すステップを
備えていることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、当該方法は、前記スリーブの先端部分をシール手段によりシーリングするステップと、
当該スリーブが裏返しされている間に、当該シール手段を当該スリーブから離脱させるようにした
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、
前記先端端部を腸管腔内であって、前記基端端部の下流側に配置するステップが、
前記スリーブ上に取外し可能な要素を配置するステップと、
腸の蠕動運動によって当該取外し可能な要素を下流側へ移送するようにするステップとを
備えていることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項12に記載の方法であって、
前記先端端部を腸管腔内であって、前記基端端部の下流側に配置するステップが、
カプセル内にある前記スリーブの先端部分を配置するステップと、
腸管腔内へ流体を流すことによって当該カプセルが腸管腔に接触するステップであって、これにより当該カプセルは流体の圧力に対応して腸管腔内を前方へ進むようになっているステップとを
備えていることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、
前記スリーブの基端部分が、流体を流すステップに先立ち、腸管腔の中に固定されており、
前記カプセルが前方へ進むことによって当該カプセルから当該スリーブを開放していくこと
を特徴とする方法。
【請求項20】
請求項12に記載の方法であって、当該方法はタイプIIの糖尿病患者の治療及び/又は体重を減量させるためのものであって、当該方法は、
体内に摂取された食物をスリーブの中を通して腸の中を移動させるものであり、
それによって、食物と腸管腔の組織との接触を最小限に抑え、カロリ及び/又は炭水化物の吸収を最小限に抑えること
を特徴とする方法。

【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【公表番号】特表2010−502289(P2010−502289A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526748(P2009−526748)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/019227
【国際公開番号】WO2008/030403
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(505448947)シネコー・エルエルシー (15)
【Fターム(参考)】