説明

腿開き防止具

【課題】椅子に座ったときの腿の開きを防止すること。
【解決手段】右腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた右ストッパ1Rと、左腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた左ストッパ1Lと、前記右ストッパと左ストッパとを離さないように内包したカバー2とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子等に座った際に腿が開いてしまうことを防止する腿開き防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子に座って足の力が抜けると、腿が開いてしまうことがある。電車で椅子に座っている場合は、腿が開いて隣の乗客に迷惑をかけることがあるし、また、対面から見て腿の開いた体裁は悪く、女性の場合視線も気になる。少し離れて対面する会議などの席でも同様の不都合がある。
【0003】
かかる不都合を解消するため特許文献1では、腿を結束する帯状のバンドを開示している。しかし、帯状のバンドは腿の開きを止める力を出すために生地の幅を広く取る必要があり、それを装着している状態が目立ってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−199114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、従来例とは全く異なる構造の腿開き防止具を提供し、従来例に比べ幅を狭くすることが可能で目立ちにくい腿開き防止具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の腿開き防止具は、右腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた右ストッパと、左腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた左ストッパと、右ストッパと左ストッパとを離さないように内包したカバーとを備える。
【0007】
利用者は、右腿を右ストッパに嵌め入れると共に、左腿を左ストッパに嵌め入れて椅子に座る。この状態でカバーが右ストッパと左ストッパとを離さないように引っ張り、かつ、右ストッパおよび左ストッパの弾性により両腿を保持するので、腿の開きが防止される。また、右ストッパおよび左ストッパの弾性を増すことによって、各ストッパの部材の幅を狭めることが可能なので、従来より幅が狭く目立ちにくい腿開き防止具を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
以上の通り本発明によれば、従来例とは全く異なる構造の腿開き防止具によって、従来例に比べ幅を狭くすることが可能で目立ちにくい腿開き防止具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は腿開き防止具の構成図であり、(b)が腿開き防止具を断面で表した正面図であり、(a)がその平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1に示す腿開き防止具10は、右ストッパ1Rと、左ストッパ1Lと、これらを内包するカバー2と、各腿との接触部に設けたガード3とを備えている。
【0011】
右ストッパ1Rは、右腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えている。また、左ストッパ1Lも同様に、左腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えている。カバー2は、これら右ストッパ1Rと左ストッパ1Lとを離さないように内包する。ガード3は、カバー2が腿と接触する部位に弾性を有する素材によって装着されている。
【0012】
カバー2の内部では、右ストッパ1Rと左ストッパ1Lとの間に隙間が設けられている。この隙間がヒンジとして機能する。
【0013】
更に詳述すると、本実施形態において、各ストッパ1R,1Lを形成する素材は、合成樹脂又は竹笹類が好ましく、例えば、適当な径の塩化ビニールパイプを加工することによって容易に得ることができる。具体的には、塩化ビニールパイプを短冊状に輪切りにし、その輪切りの円周上の一部を切断する。そして、熱を加えながら輪を開いて腿を嵌めるという目的に適した大きさまで広げる。外観は「つ」の字のような形に成形する。その後冷やすと成形されたストッパ1R,1Lを得ることができる。この方法によればストッパを安価に製造できる。
【0014】
また、カバー2の素材は、各ストッパ1R,1Lを内包し両者が離れないように保持できる素材であればよいが、試作品においては布地を縫って作成した。カバー2を布地によって細長い袋状に縫い、中に右ストッパ1Rと左ストッパ1Lとを対称な向きに挿入し、その挿入部を縫って内包させた。
【0015】
また、ガード3は、各ストッパ1R,1Lが腿を押圧する際に腿や衣服を傷つけたり痛みを感じたりしないようにする目的で設けている。ガード3は、その目的を達する弾性を有する素材であればよいが、試作品ではカバー2にフェルトを貼り付けた。
【0016】
そして利用者は、右ストッパ1Rと左ストッパ1Lとの間のヒンジを利用しながら右ストッパ1Rに右腿を、左ストッパ1Lに左腿をそれぞれ嵌め入れ、腿開き防止具10を自分の前側から装着し、椅子に座る。両腿が開こうとすると、各ストッパ1R,1Lから受ける抗力によって、腿が開くのを抑制される。このとき、両腿を一周巻いてしまう従来例とは異なり、腿の裏側を巻かないので、従来例に比べ腿を動かす自由度が高く、また、椅子に座ったときに腿の裏に違和感もなく、腿の裏に跡が付くこともない。
【0017】
また、右ストッパ1Rと左ストッパ1Lとの間のヒンジによって、携帯時にはコンパクトに折り畳むことができる。
【0018】
ここで、図1では各ストッパ1R,1Lがカバー2の内部で浮いているかのように描かれている。しかし、これは構造を分かりやすく表すためにそうしたもので、実際の使用時には、各ストッパ1R,1Lは腿に抗力を与えるので、カバー2の腿側の生地に当接する。同様に、構造を分かりやすくするために、各ストッパとカバーとの間に空間を描いているため、一見厚みが目立つが、実際には、塩化ビニールパイプの素材の厚みと、布生地の厚みだけなので、製品は薄く作ることができる。また、本発明は、上記の実施形態に限られるものではない。例えば、各構成要素の素材は実施形態で示した具体例に限るものではない。また、カバー内で各ストッパがずれないように、カバーのヒンジ部分でカバーの素材を接合し、右ストッパの室と左ストッパの室とを分離してもよい。
【0019】
また、右ストッパと左ストッパとをヒンジの部分で物理的に連結してカバーを不要とし、当該連結部にヒンジを形成してもよい。この場合、ヒンジを含む全体を合成樹脂で成形してもよく、ガードを装着する場合は各ストッパに直接装着すればよい。右ストッパと左ストッパとの連結部を着脱可能としてもよい。
【符号の説明】
【0020】
1R 右ストッパ
1L 左ストッパ
2 カバー
3 ガード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
右腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた右ストッパと、左腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた左ストッパと、前記右ストッパと左ストッパとを離さないように内包したカバーとを備えたことを特徴とする腿開き防止具。
【請求項2】
前記カバーの前記腿と接触する部位に弾性を有するガードを装着したことを特徴とする請求項1記載の腿開き防止具。
【請求項3】
前記カバーの内部において前記右ストッパと前記左ストッパとの間に隙間を設けることによって、当該隙間がヒンジとして機能することを特徴とした請求項1又は2に記載の腿開き防止具。
【請求項4】
右腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた右ストッパと、左腿の外側の丸みに沿うように湾曲し弾性を有する素材で形成され当該湾曲内に腿を嵌め入れる開口を備えた左ストッパと、この右ストッパと左ストッパとの連結部に設けられたヒンジとを備えたことを特徴とする腿開き防止具。

【図1】
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【公開番号】特開2011−143037(P2011−143037A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5365(P2010−5365)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(501057356)
【Fターム(参考)】