説明

自動券売機

【課題】変更するアイテムシートの交換間違いや作業漏れを防止して、データとアイテムシートとの対応関係を正確に、且つ効率よく行うことができる自動券売機を提供する。
【解決手段】本発明の自動券売機1は、特定のアイテム価格についての決済を行なう金銭処理部26と、金銭処理部26により決済された特定のアイテムに係る情報を記録した券を発行する券発行部27と、各アイテムに係る関連情報を各アイテム表示・選択部2の位置情報と共に記憶するフラッシュメモリ20と、自動券売機1をメンテナンスモードに移行するモード移行スイッチ22と、制御部21と、変更内容を記憶したUSBメモリ23のインターフェースであるUSBコネクタ24と、制御部21がメンテナンスモードに移行したときにモード変更内容を表示するモニタ25と、インターネット29を介して図示しない外部機器と通信する通信部28と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動券売機に関し、特に、アイテムを選択するために備えられたアイテム表示選択部のメニュー変更やレイアウト変更を簡略化した自動券売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省力化の観点から、従来人間が行っていた券の発行を自動的に行う自動券売機が駅舎、或いは食堂、レストラン等で多く実用化されている。この種の自動券売機は、商品名(アイテム名)、価格等を表示したアイテムシートを備えたアイテム表示部を備え、利用者が希望するアイテム表示部自体、或いはアイテム表示部に近接配置されたスイッチをオンすることにより、希望する商品に係る券を発行してもらうことができる。このような自動券売機において、メニュー変更やレイアウト変更等に伴って商品名や価格の表示を変更する場合には、メンテナンス員、或いは自動券売機の管理者は、アイテム表示部にセットされたアイテムシートを交換したり、内部のデータを変更する作業を行わなければならない。この作業は一見簡単な様であるが、内部のデータと、交換するアイテムシートとの対応関係を正確に行う必要があるため、自動券売機をある程度詳細に理解した者でなければできなかった。また、内部データとの対応関係を照合しながらアイテムシートを交換する作業は指示書を見ながら行うが、交換間違いや作業漏れがしばしば発生していた。
従来技術として特許文献1には、枠部材に商品表示パネル、及び商品選択ボタンを取り付けた商品表示選択ユニットを備え、レイアウト変更が発生した場合、この商品表示選択ユニット単位に交換を行うことが可能な自動販売機について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−305849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、レイアウト変更時に商品表示選択ユニット単位に交換を行うことができるが、一度に多くのレイアウト変更が発生した場合は、付け違いや作業漏れが発生する確率が高くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、レイアウト変更する箇所のアイテム表示選択部の照明を点灯し、且つ変更内容に応じて表示色を変えることにより、変更するアイテムシートの交換間違いや作業漏れを防止して、データとアイテムシートとの対応関係を正確に、且つ効率よく行うことができる自動券売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、アイテム表示部、前記アイテム表示部に対応して配置されたアイテム選択スイッチ、及び前記アイテム表示部を照明する照明手段を有したアイテム表示・選択部を複数備え、特定の前記アイテム選択スイッチが操作された時に特定のアイテムに係る券を発行する自動券売機であって、前記各アイテムに係る関連情報を前記各アイテム表示・選択部の位置情報と関連づけて記憶する記憶手段と、該自動券売機をメンテナンスモードに移行するモード移行手段と、制御手段と、を備え、個々の前記アイテム表示部は、各アイテムに係る関連情報を表示したアイテムシートを着脱自在に保持するシート保持手段を備え、前記各照明手段は、複数色のうちの任意の一色を表示色として選択的に発光可能な構成を備え、前記制御手段は、前記モード移行手段により前記メンテナンスモードに移行した状態で、前記記憶手段に記憶した前記関連情報の変更操作がなされた場合、変更の対象となる関連情報と関連づけられた位置情報に対応する位置に配置された前記アイテム表示・選択部の照明手段の表示色を前記関連情報の変更内容に応じて決定することを特徴とする。
【0006】
本発明の自動券売機には、券売機の表面に各券の名称と価格(関連情報)が表示されたアイテム表示部、アイテム表示部に対応して配置されたアイテム選択スイッチ、及び暗い所でもアイテム表示部が視認できるように、アイテム表示部を照明する照明手段を有したアイテム表示・選択部が複数配置されている。このアイテム表示部に表示された関連情報は常に一定ではなく、アイテム名が変更になったり、その価格が変更になる場合がある。従って、それに対応するために、アイテム表示部には、関連情報を表示したアイテムシートが着脱自在に変更できるように、アイテムシートを保持するシート保持手段が設けられている。また、各アイテムに係る関連情報を各アイテム表示・選択部の位置情報と共に記憶する記憶手段と、自動券売機をメンテナンスモードに移行するモード移行手段と、制御手段とを備えている。
また、本発明では、照明手段が複数色のうちの任意の一色を表示色として選択的に発光可能な構成である。ここで、アイテム表示部の関連情報に変更が生じた場合、記憶手段に既に記憶されている関連情報の書き換えと、変更箇所に対応したアイテムシートを交換する必要がある。このような場合、自動券売機のモードをメンテナンスモードに移行させ、変更後の関連情報に対応するアイテム表示・選択部を検索して、アイテム表示・選択部の照明手段の表示色を関連情報の変更内容に応じて決定する。これにより、メンテナンス員は、変更すべきアイテム表示・選択部の位置を視認することができ、変更すべきアイテムシートを正確に、且つ効率よく交換することができる。
【0007】
請求項2は、前記制御手段は、変更前の関連情報と変更後の関連情報をアイテム毎に夫々比較し、比較の結果、前記関連情報に変更が存在すると判断した場合は、その変更箇所に応じて前記照明手段の表示色を決定することを特徴とする。
アイテム表示部のアイテムシートには、関連情報としてアイテム名と価格が少なくとも表示されている。ここで関連情報の変更箇所として、アイテム名、又は/及び価格がある。本発明では、どちらの変更かを照明手段の表示色により判断させるものである。これにより、変更前の関連情報と変更後の関連情報の差異を明確にすることができる。
請求項3は、前記制御手段は、比較の結果、関連情報が変更されていないと判断した場合は、照明手段の消灯を決定することを特徴とする。
関連情報の変更点は、一般的には一部分であり、他の大部分の関連情報には変更がない場合が多い。従って、変更のないアイテム表示・選択部の照明を消灯することにより、更に変更箇所を明確に判断できるようになる。
【0008】
請求項4は、前記制御手段は、比較の結果、関連情報が変更されていないと判断した場合は、照明手段の表示色をデフォルト状態と決定することを特徴とする。
自動券売機がデフォルト状態では、全てのアイテム表示・選択部の照明の表示色は同じ色で照明される。本発明では、変更がない箇所のアイテム表示・選択部の照明をデフォルト状態の表示色とする。これにより、変更のないアイテム表示・選択部の照明手段の点灯テストを同時に行うことができる。
請求項5は、前記制御手段は、ネットワークを介して外部機器と通信する通信部又はUSBインターフェースを備え、前記記憶手段に記憶した前記関連情報についての変更内容を示す情報を前記通信部、又は前記USBインターフェースを介してダウンロードすることを特徴とする。
メンテナンス員が常に定期的にメンテナンスを行う自動券売機において、関連情報に変更が生じた場合、メンテナンス時にメンテナンス員が持参したUSBメモリに記憶した関連情報をダウンロードする。或いは、自動券売機がネットワークと接続されている場合は、サーバに記憶されている関連情報をネットワークを介してダウンロードするようにしても良い。これにより、容易に関連情報をダウンロードすることができ、最新の情報で機器を運用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自動券売機のモードをメンテナンスモードに移行させ、変更後の関連情報に対応するアイテム表示・選択部を検索して、アイテム表示・選択部の照明手段の表示色を関連情報の変更内容に応じて決定するので、メンテナンス員は、変更すべきアイテム表示・選択部の位置を視認することができ、変更すべきアイテムシートを正確に、且つ効率よく交換することができる。
また、関連情報の変更点に応じて照明手段の表示色により判断させるので、変更前の関連情報と変更後の関連情報の差異を明確にすることができる。
また、変更のないアイテム表示・選択部の照明を消灯することにより、更に変更箇所を明確に判断できるようになる。
また、変更がない箇所のアイテム表示・選択部の照明をデフォルト状態の表示色とするので、変更のないアイテム表示・選択部の照明手段の点灯テストを同時に行うことができる。
また、ネットワークを介して外部機器と通信する通信部とUSBインターフェースとを備えるので、容易に関連情報をダウンロードすることができ、最新の情報で機器を運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る自動券売機の外観を示す図である。
【図2】本発明の自動券売機の機能を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動券売機のメンテナンスモードにおける動作を説明するフローチャートである。
【図4】図3のステップS6を詳細に説明するフローチャートである。
【図5】(a)はフラッシュメモリ内の変更前の関連情報、(b)はUSBメモリに保持された変更後の関連情報を示す図である。
【図6】アイテム表示・選択部2のアイテム表示部34のアイテム名と価格を模式的に示す図である。
【図7】図6のアイテム表示部が図5の関連情報の変更により、対応するアイテム表示部の表示色が変更内容に応じて点灯した様子を示す図である。
【図8】アイテム表示・選択部の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る自動券売機の外観を示す図である。本発明の自動券売機1は、複数のアイテムに係る情報を表示するアイテム表示・選択部2と、選択された特定アイテムの価格に相当する金銭を投入するコイン投入口8及び紙幣挿入口5と、コイン投入と紙幣の挿入を解除するリジェクトボタン4と、つり銭がある場合に押すつり銭ボタン6と、つり銭を払出すつり銭口7と、決済された特定のアイテムに係る情報を記録した券を取り出す券取出口9と、制御ボードや電源装置等を収納する収納部10と、を備えて構成されている。尚、本実施形態では、コイン投入口8、リジェクトボタン4、紙幣挿入口5、つり銭ボタン6、及びつり銭口7を含めて金銭処理部26(図2参照)と呼ぶ。また、自動券売機1の前面には、1つの商品名と価格が表示されたアイテム表示部34、アイテム選択スイッチ37、及びLED(照明手段)36で構成されたアイテム表示・選択部2(詳細は後述する)が、複数配列されている。尚、本発明の自動券売機1の通常の発券動作については、既に公知であるので説明は省略する。
【0012】
図2は本発明の自動券売機の機能を示すブロック図である。本発明の自動券売機1は、図8に示すとおり、アイテム表示部34、このアイテム表示部34に対応して配置されたアイテム選択スイッチ37、及びアイテム表示部34を照明するLED36を有したアイテム表示・選択部2を複数備え、特定のアイテム選択スイッチ37が操作された時に特定のアイテムに係る券を発行する自動券売機であって、特定のアイテム価格についての決済を行なう金銭処理部26と、金銭処理部26により決済された特定のアイテムに係る情報を記録した券を発行する券発行部27と、各アイテムに係る関連情報を各アイテム表示・選択部2の位置情報と共に記憶するフラッシュメモリ(記憶手段)20と、自動券売機1をメンテナンスモードに移行するモード移行スイッチ(モード移行手段)22と、制御部(制御手段)21と、変更内容を記憶したUSBメモリ23のインターフェースであるUSBコネクタ24と、制御部21がメンテナンスモードに移行したときにモード変更内容を表示するモニタ25と、インターネット(ネットワーク)29を介して図示しない外部機器と通信する通信部28と、を備えて構成されている。尚、破線30内は、メンテナンスモードに移行したときに制御部21の制御対象となる部分を示す。尚、フラッシュメモリ20は、不揮発性メモリで、且つ読み書きが電気的に可能であればどのようなメモリでも構わない。また、電池によるバックアップ電源により駆動される半導体メモリでもよい。
【0013】
また、このアイテム表示部34に表示された関連情報は常に一定ではなく、アイテム名が変更になったり、その価格が変更になる場合がある。従って、それに対応するために、個々のアイテム表示部34は、図8に示すように各アイテムに係る名称と価格(関連情報)を表示したアイテムシート31を着脱自在に保持するシート保持部(シート保持手段)32を備え、各LED36は、複数色(例えば、Y、R、W)のうちの任意の一色を表示色として選択的に発光可能な構成を備え、制御部21は、モード移行スイッチ22によりメンテナンスモードに移行された状態で、メンテナンス員によりフラッシュメモリ20に記憶した関連情報を変更する操作がなされた場合、変更の対象となる前記関連情報に関連づけされた位置情報に対応する位置に配置されたアイテム表示・選択部2のLED36の表示色を関連情報の変更内容に応じて決定する。
【0014】
ここで、アイテム表示部34の関連情報に変更が生じた場合、フラッシュメモリ20に既に記憶されている関連情報の書き換えと、変更箇所に対応したアイテムシート31を交換する必要がある。このような場合、自動券売機1のモードをメンテナンスモードに移行させ、変更後の関連情報に対応するアイテム表示・選択部2を検索して、アイテム表示・選択部2のLED36の表示色を関連情報の変更内容に応じて決定する。これにより、メンテナンス員は、変更すべきアイテム表示・選択部2の位置を視認することができ、変更すべきアイテムシート31を正確に、且つ効率よく交換することができる。
また、自動券売機1において、関連情報に変更の必要性が生じた場合、メンテナンス時にメンテナンス員が持参したUSBメモリ23に記憶した変更内容を反映した新たな関連情報をダウンロードする。或いは、自動券売機1がインターネット29と接続されている場合は、図示しないサーバに記憶されている変更内容を反映した新たな関連情報をインターネット29を介してダウンロードするようにしても良い。これにより、容易に新たな関連情報をダウンロードすることができ、最新の情報で機器を運用することができる。
【0015】
図3は本発明の実施形態に係る自動券売機のメンテナンスモードにおける動作を説明するフローチャートである。先ず、自動券売機1の収納部10の前扉を開放して、内部に設置されたモード移行スイッチをONにする(S1)。制御部21は、この信号を検知すると、自動券売機1を通常モードからメンテナンスモードに移行させる(S2)。メンテナンスモードは、通常モードにおける発券動作を制御するモードではなく、各種テストやフラッシュメモリ20の関連情報の変更時に使用される。ここでは、関連情報の変更時の動作について説明する。メンテナンス員は持参したUSBメモリ23に記憶した変更内容を反映した新たな関連情報に変更するために、USBメモリ23をUSBコネクタ24に挿入する(S3)。制御部21は、フラッシュメモリ20に記憶されている関連情報を他のメモリ領域に退避させ、USBメモリ23に記憶されている関連情報を読み込んで(S4)、フラッシュメモリ20に記憶していた変更前の関連情報に上書きする(S5)。その結果、関連情報は変更後の新しい情報と入れ替わる。
次に制御部21は、変更したアイテムに対応するアイテム表示・選択部2を点灯する(S6)。尚、ステップS6の詳しい動作は図4で説明する。メンテナンス員は点灯した位置と表示色を目印としてアイテムシート31を交換する(S7)。そして、最終的に関連情報とアイテムシートとの対応が正確に成されているかをメンテナンス員が目視確認して、正しければ、モード移行スイッチ22をOFFにして(S8)、メンテナンスモードを終了させる(S9)。
【0016】
図4は図3のステップS6を詳細に説明するフローチャートである。まず、退避した変更前の関連情報と上書きした変更後の関連情報を比較する(S10)。比較の結果、アイテム名に変更がある場合は(S11でY)、該当するアイテム表示・選択部2の表示色として「黄」LED(Y)を決定する(S12)。また、比較の結果、価格に変更がある場合は(S13でY)、該当するアイテム表示・選択部2の表示色として「赤」LED(R)を決定する(S14)。この場合、変更のない他のアイテム表示・選択部2の表示色は消灯に決定する(S15)。この場合消灯に代えてデフォルト状態(「白」LED(W)を点灯)としてもよい。そして全メニューデータの比較が終了すると(S16でYes)各アイテム表示選択部2の照明手段をそれぞれの表示色にして点灯(消灯)する(S17)。尚、表示色は上記で説明した色以外の何色でも構わない。また、表示色を変更しないで、LEDを点滅させ、その周期を変更内容ごとに変えるようにしても良い。
【0017】
図5は本発明の自動券売機のメンテナンスモードにおける関連情報の記憶内容を示す図である。(a)はフラッシュメモリ内の変更前の関連情報、(b)はUSBメモリに保持された変更後の関連情報を示す。フラッシュメモリ20には、図のように位置情報11、アイテム名12、価格(単位は円)13、備考14がそれぞれ対応付けられて記憶されている。例えば、図5(a)では、位置情報11の1−1には、アイテム名12に「天丼(大)」、価格13に「800」、備考14にはデータは記憶されていない。同じく位置情報11の1−2には、アイテム名12に「天丼(並)」、価格13に「650」、備考14にはデータは記憶されていない。以下、同様である。このデータは関連情報が変更される前のデータである。
図5(b)はUSBメモリに保持された変更後の関連情報であり、ここでは、位置情報1−1から1−6までのアイテムにのみ変更が生じた例を示している。即ち、位置情報11の1−1、1−2のアイテム名12が「かつ丼(大)」と「かつ丼(並)」に変更され、価格13がそれぞれ「650」と「550」に変更され、その理由として備考14の内容が「3月末までキャンペーン」が追加されている。また、位置情報11の1−3、1−4はアイテム名12が前のままで「親子丼(大)」「親子丼(並)」で変更がなく、価格13が夫々「500」と「400」に変更になり、その理由として備考14の内容が「3月末までキャンペーン」が追加されている。また、位置情報11の1−5、1−6のアイテム名12が「天丼(大)」「天丼(並)」と変更され、価格13の内容が「800」「650」に変更され、備考14は変更されていない。
【0018】
図6はアイテム表示・選択部2のアイテム表示部34のアイテム名と価格を模式的に示す図である。この図では、位置情報11を示す番号が縦と横にマトリックス状に付され、例えば、「天丼(大)800円」のアイテム表示部の位置情報は1(縦)−1(横)となり、「天丼(並)650円」のアイテム表示部の位置情報は1(縦)−2(横)となる。以下、同様である。このように各アイテム表示部には個別の位置情報が付される。
図7は図6のアイテム表示部が図5の関連情報の変更により、対応するアイテム表示部の表示色が変更内容に応じて点灯した様子を示す図である。図では、説明を簡略化するために、位置情報1−1から1−6までのアイテムについて説明する。図6では、位置情報1−1のアイテムが「天丼(大)800円」、1−2が「天丼(並)650円」、1−3が「親子丼(大)550円」、1−4が「親子丼(並)450円」、1−5が「かつ丼(大)700円」、1−6が「かつ丼(並)550円」と表示されている。そして、USBメモリ23をUSBコネクタ24に挿入すると、位置情報1−1、1−2、1−5、1−6がアイテム名の変更であると判断されて、表示色が黄色に点灯する。また、位置情報1−3、1−4は価格の変更であると判断されて、表示色が赤色に点灯する。尚、図7では変更のないアイテム表示部は、照明を消灯しているが、デフォルト状態の表示色(白色)に点灯しても良い。
【0019】
メンテナンス員は、この表示色を見て黄色のアイテム表示部の1−1に「かつ丼(大)650円」、1−2に「かつ丼(並)650円」、1−5に「天丼(大)800円」、1−6に「天丼(並)550円」のアイテムシートに交換する。また、赤色のアイテム表示部の1−3に「親子丼(大)500円」、1−4に「親子丼(並)400円」のアイテムシートに交換する。
アイテム表示部34のアイテムシート31には、関連情報としてアイテム名と価格が少なくとも表示されている。ここで関連情報の変更箇所として、アイテム名、又は/及び価格がある。本実施形態では、どちらの変更かをLED36の表示色により判断させるものである。これにより、変更前の関連情報と変更後の関連情報の差異を明確にすることができる。
また、関連情報の変更点は、一般的には一部分の場合が多く、他の大部分の関連情報には変更がない。従って、変更のないアイテム表示部の照明を消灯することにより、更に変更箇所を明確に判断できるようになる。また、自動券売機がデフォルト状態では、全てのアイテム表示部の照明の表示色は同じ色で照明される。本実施形態では、変更がない箇所のアイテム表示部の照明をデフォルト状態の表示色とする。これにより、変更のないアイテム表示部の照明手段の点灯テストを同時に行うことができる。
以上、自動券売機について本発明を適用した例について説明したが、本発明は自動券売機に限らず、自動販売機等の各アイテム毎にアイテム名や価格が表示された機器であれば同様に本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 自動券売機、2 アイテム表示・選択部、4 リジェクトボタン、5 紙幣挿入口、6 つり銭ボタン、7 つり銭口、8 コイン投入口、9 券取り出し口、10 収納部、11 位置情報、12 アイテム名、13 価格、14 備考、20 フラッシュメモリ、21 制御部、22 モード移行スイッチ、23 USBメモリ、24 USBコネクタ、25 モニタ、26 金銭処理部、27 券発行部、28 通信部、29 インターネット、30 メンテナンスモード、31 アイテムシート、32 シート保持部、33 本体枠、34 アイテム表示部、35 拡散パネル、36 LED、37 アイテム選択スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテム表示部、前記アイテム表示部に対応して配置されたアイテム選択スイッチ、及び前記アイテム表示部を照明する照明手段を有したアイテム表示・選択部を複数備え、特定の前記アイテム選択スイッチが操作された時に特定のアイテムに係る券を発行する自動券売機であって、
前記各アイテムに係る関連情報を前記各アイテム表示・選択部の位置情報と関連づけて記憶する記憶手段と、該自動券売機をメンテナンスモードに移行するモード移行手段と、
制御手段と、を備え、
個々の前記アイテム表示部は、各アイテムに係る関連情報を表示したアイテムシートを着脱自在に保持するシート保持手段を備え、
前記各照明手段は、複数色のうちの任意の一色を表示色として選択的に発光可能な構成を備え、
前記制御手段は、前記モード移行手段により前記メンテナンスモードに移行した状態で、前記記憶手段に記憶した前記関連情報の変更操作がなされた場合、変更の対象となる関連情報と関連づけられた位置情報に対応する位置に配置された前記アイテム表示・選択部の照明手段の表示色を前記関連情報の変更内容に応じて決定することを特徴とする自動券売機。
【請求項2】
前記制御手段は、変更前の関連情報と変更後の関連情報をアイテム毎に夫々比較し、比較の結果、前記関連情報に変更が存在すると判断した場合は、その変更箇所に応じて前記照明手段の表示色を決定することを特徴とする請求項1に記載の自動券売機。
【請求項3】
前記制御手段は、比較の結果、関連情報が変更されていないと判断した場合は、照明手段の消灯を決定することを特徴とする請求項2に記載の自動券売機。
【請求項4】
前記制御手段は、比較の結果、関連情報が変更されていないと判断した場合は、照明手段の表示色をデフォルト状態と決定することを特徴とする請求項2に記載の自動券売機。
【請求項5】
前記制御手段は、ネットワークを介して外部機器と通信する通信部又はUSBインターフェースを備え、前記記憶手段に記憶した前記関連情報についての変更内容を示す情報を前記通信部、又は前記USBインターフェースを介してダウンロードすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の自動券売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−20339(P2013−20339A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151667(P2011−151667)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(305027456)ネッツエスアイ東洋株式会社 (200)