説明

自動原稿送り装置

【目的】 種々の異形サイズの原稿が搬送される場合についても、それを検知して原稿ダメージを未然に防ぐ自動原稿送り装置(ADF)を提供すること。
【構成】 スタート命令により複数枚の同一サイズの原稿の1枚目から順次搬入部を経て原稿レジのレジ位置に搬送して、原稿読み取りを行い、画像処理装置本体は画像処理を行う。シンプレックスモードは原稿読み取り処理後の原稿を排出完了しない前に次の原稿をレジ位置へ搬送することで高速複写ができる。このとき、順次搬送される原稿の2枚目の原稿が1枚目の原稿とサイズが異なっていると2枚目の原稿のレジ位置での読み取りはせずに、1枚目の原稿に続いて排出させ、3枚目の原稿の原稿レジ部への搬入は行わない。こうして、高速搬送制御しているADFでも原稿のジャム等のトラブルを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像処理装置に関し、特に画像処理装置に用いられる自動原稿送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来画像処理装置、例えば複写機において原稿の自動送り装置として自動原稿送り装置ADFが知られている。ADFは複写機本体のプラテン上に備え付けられるもので、原稿トレイ上の原稿を原稿搬入路から無端ベルトにより原稿レジストレーション部(以下、原稿レジ部という。)に搬送させ、原稿読み取り後、原稿排出部から原稿を排出させるものである。本発明者は先に高速で自動的に画像処理装置の原稿レジ部に送るADFの発明をして、特許出願した(特願平3−25223号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特願平3−25223号等に開示したADFを用いる高速原稿搬送モードにシンプレックスモードと称する搬送モードがある。この搬送モードは同一サイズの複数の原稿を原稿レジ部に搬送し、その片面のみの画像処理を行い、画像処理後の原稿が排出完了する前に、次の原稿を原稿レジ部に搬送することで、高速画像処理を達成するものである。このシンプレックスモードにおいては同一サイズの原稿を主に対象としているが、ADFにより原稿レジ部に搬送されてくる複数の原稿は同一サイズのものとは限らない。同一サイズの原稿束の中にサイズの異なる原稿があると高速搬送制御システムの外乱要因となり、正常な搬送制御ができなくなることがある。その結果ジャムが発生して原稿ダメージのおそれも生じる。
【0004】本発明は種々の異形サイズの原稿が高速搬送される場合についても、それを検知して原稿ダメージを未然に防ぐ自動原稿送り装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は主に次の構成を採用した。すなわち、画像処理装置の画像処理用原稿を搬入する送り込み搬送路を備えた原稿搬入部と該原稿搬入部からの原稿を画像処理装置本体のプラテン上に順次搬送し原稿読み取りをする原稿レジストレーション部と該原稿レジストレーション部で読み取られた原稿を排出する排出搬送路を備えた原稿排出部を設けた自動原稿送り装置において、原稿レジストレーション部で原稿の読み取り処理がされた1枚目の原稿を排出部において搬送中に次の2枚目の原稿を前記原稿レジストレーション部に搬送させる原稿搬送手段と、前記搬入部に設けられた原稿サイズ検出手段と、該原稿サイズ検出手段で検出された原稿サイズを記憶する原稿サイズ記憶手段と、該原稿サイズ記憶手段の記憶値により原稿レジストレーション部に順次搬送される前記原稿の1枚目と2枚目の原稿サイズとを比較して、両原稿サイズを比較判断する原稿サイズ比較判断手段と、前記原稿サイズ比較判断手段の比較判断結果により1枚目と2枚目の原稿サイズが異形であると判断されたときは2枚目の原稿を原稿レジストレーション部での原稿読み取りをしないで原稿排出部を経て排出する原稿排出手段と、を設けた自動原稿送り装置または前記自動原稿送り装置を備えた画像処理装置である。本発明の構成図を図1に示す。
【0006】
【作用】本発明の自動原稿送り装置はスタート命令により複数枚の同一サイズの原稿の1枚目から順次搬入部を経て原稿レジストレーション部(以後、原稿レジ部という、)のレジストレーション位置(以後レジ位置という。)に搬送して、原稿読み取りを行い、画像処理装置本体は画像処理を行う。その後、原稿を原稿排出部を経て排出トレイに排出するが、その順次搬送される1枚目の原稿が排出トレイに排出完了する前に、次の2枚目の原稿が原稿レジ部に向けて搬送される。
【0007】このとき、2枚目の原稿が1枚目の原稿と同一サイズの原稿であれば、1枚目の原稿は排出トレイに向けて排出され、2枚目の原稿はレジ位置で原稿の読み取りがなされる。しかし、2枚目の原稿が1枚目の原稿とサイズが異なっていると2枚目の原稿のレジ位置での読み取りはせずに、1枚目の原稿に続いて排出させる。そしてこのとき、新たな1枚目の原稿の原稿レジ部への搬入は行わない。こうして、異形サイズの検出があると直ちに異形サイズだと判断された原稿を排出することで、高速搬送制御している自動原稿送り装置でも原稿のジャム等のトラブルを防ぐことができる。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を以下説明する。なお、本実施例は複写機に適用したもので、ベースマシンに両面自動原稿送り装置(以下、DADFという。)、ソータなどの付属装置が組み合わされて構成されるものである。ここで、ベースマシンとは、一段以上の用紙トレイとマニュアルフィード用の手差しトレイを備え、プラテン上に原稿をマニュアルでセットし、コンソールパネルにより設定したコピー条件でジョブを実行することのできる装置である。
【0009】複写機は、図2に示すように、ベースマシン1にDADF2、ソータ3が取付けられており、このベースマシン1はコンソールパネル4によって設定されたジョブに応じて付属装置を含む機構部を制御し、DADF2で送られた原稿から読み取った画像処理を基に用紙トレイ部5から供給される指定サイズの用紙に対して画像処理を施した後、排紙処理を実行すると共に、ソータ3において画像処理された用紙の仕分けを行うように構成されている。
【0010】また、複写機の概略を図3を用いて説明する。ベースマシン1内には感光ドラム7が配置されている。図において、感光体8は感光ドラム7外周面に層状に形成されている。この感光ドラム7は、矢印方向に回転するように図示しない駆動装置に連結されている。感光ドラム7の外周には、チャージコロトロン9、帯電除去装置10、現像器11、12、転写コロトロン13およびクリーニング装置15が配置されている。なお、帯電除去装置10は不要な複写画像が用紙に転写されないように消し込むためにチャージコロトロン9で帯電した感光体8の一部の帯電を除去するものである。
【0011】この複写機においては、感光ドラム7が矢印方向に回転するにつれて、感光体8がチャージコロトロン9によって一様に帯電された後、露光箇所16で光の照射を受け静電潜像が形成される。露光箇所16には、ベースマシン1の上面に配置されたプラテン17上に載置された図示しない原稿の光像が入射されるようになっている。このために、露光ランプ19と、これによって照明された原稿面の反射光を伝達する複数のミラー20および光学レンズ21とが配置されており、このうち所定のものは原稿の読み取りのためにスキャンされるようになっている。静電潜像が形成された感光体8は、その後、現像器11、12で現像される。ここで感光体8上に形成されたトナー像は、転写コロトロン13により用紙上に転写され、ヒートロール23およびプレッシャロール24間で熱定着されて排出される。一方、感光体8はクリーニング装置15によりクリーニングされ再使用に供される。
【0012】一方、ベースマシン1に配置されている用紙供給トレイ25に収容されている用紙27あるいは手差しトレイ28に沿って手差しで送り込まれる用紙27は、送りロール29あるいは31によって送り出され、搬送ロール32に案内されて感光ドラム7と転写コロトロン13の間を通過する。このとき、トナー像が用紙27上に転写される。転写後の用紙27はヒートロール23およびプレッシャロール24の間を通過して熱定着される。そして、搬送ロール32の間を通過して排出トレイであるソータ3に排出される。なお、中間トレイ33は両面または多重コピー用に用いられるものである。
【0013】図4は複写機のハードウェア構成が示されている。ユーザーインターフェース(以下、UIと言う。)39はコンソールパネル4にあるボタンの操作による設定/入力されたデータ処理を実行し、本機システムを管理するMAIN PWBA(以下「MAIN系」と称す)40に入力データを送ると共に、ユーザーへの表示を行う。DADFコントローラ41は、原稿の両面から画情報を読み取るために、この読み取りタイミングに合わせて原稿をプラテン17上に搬送するための制御を行う。光学的読み取り装置(OPT)コントローラ42は、プラテン17上に搬送された原稿からユーザーが指定した画情報の光学的な読み取り制御を行う。
【0014】帯電除去装置(ISIL)コントローラ43は、原稿の画情報から不要な部分を消し込む処理、原稿の周辺を消す枠消し処理、原稿の画情報の中からの特定情報描出などの編集処理の制御を行う。画像記録装置(IOT)コントローラ44は、原稿から読み取られた画情報を基に画像処理を実行する際に、用紙27の搬送制御、紙づまり検知およびZero回りである現像プロセス制御を管理する。
【0015】特定トレイ(DDM/TRAY[X])コントローラ45は、IOTコントローラ44からの両面画像処理に関する指令に基づいて片面の画像処理が既に行われている用紙27を反転させてその背面に画像処理を施すために、次のZeroタイミングまで一時待機させるように中間トレイ33を制御したり、またIOTコントローラ44からの特別トレイ動作指令により、用紙パスの関係から制御上、他のトレイとは別に取り扱われる特別トレイ[X]、例えば最下段トレイ25の制御を行う。
【0016】ソータコントローラ46は、例えば20ビンソータをIOTコントローラ44からの仕分け指令により駆動し、ベースマシン1から排出される画像処理後の用紙27を指定されたビンに貯えるための制御を行う。ステイプルソータコントローラ47は、IOTコントローラ44からの綴じ込み仕分け指令によりビンに貯えられた用紙27を丁合した後にステイプルで綴じるための制御を行う。ライトレンズマネジャ(以下、LLMという。)48は、システムの全体を統括管理しており、主に原稿の画像処理と用紙27の搬送を時間的に一致させるためのシステムタイミング制御やユーザーが設定するコピーモードなどのジョブ管理を行う。
【0017】シリアルデータ通信プロセッサ(以下、SCPという。)49は、UI39、DADF2、OPTおよびISIL10とのデータの送受をシリアル通信で行うと共に、LLM48との間のデータをパラレル通信によりやり取りするためのデータ処理を行う。特にSCP49とLLM48とのデータのやり取りは、SCP49に内蔵されているデュアルポートRAM(図示せず。)を通して行われる。すなわち、LLM48は自分のアドレスマップ上に割り付けられたSCP49のデュアルポートRAMをリード/ライトし、このRAMをSCP49がリード/ライトすることで情報の伝達を行っている。上記のハードウェアは各機能ごとに独立したCPUを備え、このCPUと周辺LSIにより電気回路基板PWBAが構成されている。ここで、LLM48、SCP49およびIOTコントローラ44はベースマシン1の制御系の中枢を成すもので、各機能を分担するCPUと周辺LSIによりMAIN系40を構成している。
【0018】本実施例の特徴部分を以下説明する。まず、本実施例のDADF2の構造について簡単に説明する。なお、本実施例のDADF2は原稿の両面の自動送りができるADFのことである。
【0019】図5(a)にDADF2の断面図を示す。DADF2中央部の一端部には原稿トレイ101があり、他端部には原稿排出トレイ102がある。そして、原稿搬入部には原稿103を搬送路中に送り込むための送り込み搬送路106と送り込み搬送路106に続いてプラテン17に向けて原稿103を引き込む引き込み搬送路108からなる原稿搬入路と、手差し原稿搬送路であるサダ(SADH:semi auto document handler)搬送路107および両面複写用原稿搬送路であるデュプレックス搬送路109を備えている。原稿レジ部にはベルト駆動モータ(図示せず。)を動力源とするベルトドライブロール110で駆動されるゴム製の無端ベルト111が設けられている。このベルト111が原稿搬入部から送られてくる原稿103の後端をプラテン17上のレジストレーション位置(図6)で停止させ、原稿読み取り処理の後に排出トレイ102のある原稿排出部に送る。図5(b)にはDADF2の上面図を示すが、上端部側に原稿103の短辺側を前後方向にして搬送するSEF(Short Edge Feed)、原稿103の長辺側を前後方向にして搬送するLEF(Long Edge Feed)、原稿103のジャム、原稿103のセットをそれぞれ表示する各LED(SEF用113、LEF用114、原稿ジャム用115、原稿セット用116)が配置されている。図6に示す原稿サイズセンサ117、118とレジセンサ119のDADF2上面側から見た配置位置を点線で示す。またDADF2上面にはサダ搬送路107に原稿103を搬入するためのサダスロット121が設けられている。
【0020】また、図6に原稿搬入部の拡大断面図を示す。原稿トレイ101には原稿センサ122がトレイ一端部に配置され、原稿103(図示せず。)のセット状態を検出する。また、原稿搬入路の入り口123近傍に断面半月状のナジャー(Nudger)ロール125が配置されている。
【0021】なお、このナジャーロール125は原稿103を送り込み搬送路106に送り出すための原稿始動用ロールであり、ホームセンサ126で図示の状態のホームポジションを検出する。また、インゲート127はインゲートソレノイド129で上下方向に駆動され、その上昇位置で原稿トレイ101からの差し込まれる一枚の原稿103の差し込み位置の先端をセットするためのものである。また、ナジャーロール125の上方部にはプレフィード搬送路106の入口部側に回動軸を持つナジャー130が設けられる。ナジャー130は原稿103が原稿トレイ101に置かれると、ナジャーソレノイド131により原稿103を押下するように駆動され、同時にこのときナジャーロール125の回転が始まり、ナジャー130とナジャーロール125に挟まれた原稿103のうちで最下部の原稿103から順次送り込み搬送路106に送り込まれる。送り込み搬送路106にはフィードロール132とリタード(Retard)ロール133が設けられており、ナジャーロール125で搬入された原稿103を引き続き原稿レジ部に向けて搬送する。なお、上側のリタードロール133は同時に二枚以上の原稿103が搬送されないように原稿搬送方向とは逆の方向に回転している。引き込み搬送路108中には原稿サイズセンサ117、118とレジセンサ119が配置されている。当該原稿引き込み搬送路108部分に設けられたレジセンサ119近傍には一対のレジロール134があり、このレジロール134と同期して同一方向に回転するベルトドライブロール110が設けられている。また、ベルト111の駆動をスムーズにするためのベルトピンチロール135が複数個配置されている。
【0022】搬入路の原稿引き込み搬送路108は送り込み搬送路106と並列的に配置されているサダスロット121を持つサダ搬送路107の引き込み用搬送路でもある。サダ搬送路107のスロット121近傍にはサダロール137が設けられている。
【0023】また、送り込み搬送路106出口側にはレジゲート138を有し、その出口がサダ搬送路107に通じるデュプレックス搬送路109が設けられている。デュプレックス搬送路109には一対のデュプレックスロール139を二組配置している。また、レジゲート138の回動軸(図示せず。)とは反対側の端部はプラテン17(図5)上の原稿レジ部のレジストレーション位置にある。レジゲート138はレジゲートソレノイド141により駆動され、図示の場合は送り込み搬送路106から原稿レジ部に搬送された原稿103を前記回動軸を中心に上下方に回動することでデュプレックス搬送路109への原稿103のリバース搬送を可能にする。このレジゲート138は断面略三角形状の板状部材であり、ベルトドライブロール110の回転軸と平行した回動軸を持ちプラテン17と略同一幅を持つ部材である。
【0024】図7にはDADF2の原稿排出部の拡大断面図を示す。ベルトドライブロール110およびベルトピンチロール135で駆動されるゴム製無端ベルト111により原稿レジ部から搬送されて来る原稿103は原稿排出路において第一排出ロール142と第二排出ロール143により原稿103が搬送され、排出トレイ102に排出される。原稿排出路145中の原稿103の検知は排出センサ146で行う。また、排出トレイ102の端部には排出トレイ102と排出原稿の衝突、ジャム防止のための排出インターロック147が配置されている。なお、図示していないが、原稿搬入路の原稿フィード用のリタードロール133、サダロール137はDCモータで駆動される。しかし、原稿搬入部での原稿引き込み用レジロール134、原稿レジ部でのベルトドライブロール110および原稿排出部の排出ロール142、143は高精度の駆動制御ができるステッピングモータで駆動される。なお、レジロール134およびベルトドライブロール110は同一線速度で駆動される。
【0025】上記構造を持つDADF2には次の五種類の走行モードがある。まず、第一にサイズの異ならない原稿103の片面のみ複写するために搬送モードであり、シンプレックスモードと呼ぶ。このシンプレックスモードでは原稿読み取り処理された原稿103を排出完了しない前に次の原稿103のレジ位置への搬送を行うことで高速複写ができるモードである。この走行モードにおいて異形サイズ原稿が搬送される場合には高速複写のための制御体系に乱れを生じて、原稿ジャム等のトラブルが発生する。本発明はこのシンプレックスモードにおける異形サイズ原稿の強制排出システムに関するものであり、後に詳細に説明する。
【0026】また、第二の走行モードはデュプレックスモードといい、原稿103の両面を複写するための搬送モードである。デュプレックスモードは送り込み搬送路106からレジ位置にセットされ複写動作が終わった原稿103をデュプレックス搬送路109にリバース搬送させ、原稿裏面をプラテン17上のレジ位置にセットするモードである。そのため、原稿レジ部での原稿103の片面複写後にベルトドライブロール110の駆動モータ(図示せず。)を逆転させ、同時にレジゲート138を上方回動させることでデュプレックス搬送路109を開放し、原稿103をデュプレックス搬送路109に搬送する。そして、デュプレックス搬送路109と送り込み搬送路106を経由して再び原稿後端部がプラテン17上のレジ位置にセットされると、原稿103の裏面が複写可能となる。
【0027】さらに、DADF2の第三の走行モードはミックスサイズモードと称し、サイズの異なる複数の原稿103を順次、その片面のみ複写するためのモードでベースマシン1のミックス複写機能の選択で動作される。
【0028】また、第四番目のDADF2の走行モードはプレカウントモードと呼び原稿103をシンプレックスモードと同様に搬送し、原稿枚数をカウントすることができるモードである。このプレカウントモードは同一サイズの原稿103のみを搬送したときに設定できる。
【0029】また、第五の走行モードは原稿並列合成モード、いわゆる2in1モードである。いわゆる2in1モードはサイズの異ならない原稿103を二枚連続してプラテン17上に搬送して、二枚同時に複写するモードである。ベースマシン1に送信する複写すべき原稿サイズは、原則として同一サイズの二枚の原稿を並列に並べた大きさのサイズである。
【0030】次に、シンプレックスモードの動作について詳細に説明する。図8にこのモードでの原稿搬送の概略図を示す。また、図9はシンプレックスモードのシーケンスフローを示している。尚、ここではLEF系の原稿を3枚処理する場合について説明する。図中の矢印↑はON、矢印↓はOFFを表している。また、図10〜図14にこのタイムチャートを示す。
【0031】原稿トレイ111に原稿103をセット(図8A)すると、原稿センサ122からの原稿セット信号(DOCSNR↑)がLLM48に送信される。スタートボタン(図示せず。)が押されると、DADFコントローラ41はLLM48から送信されるシンプレックスモードによるADFスタート信号(ADF START)を受信し、原稿トレイ101から1枚目の原稿103の引き込み動作が開始される。このときDADFコントローラ41からLLM48に原稿103の自動送り動作に入ったことのADFモード信号(ADF MODE↑)が送信される。
【0032】まず原稿フィード(プレフィード)動作(図8B)では原稿103をレジロール134に突き当てる、いわゆるプリフィード位置までの搬送を行うもので、原稿103の前端をレジセンサ119が検出し、このレジセンサ信号(REGSNR↑)をLLM48に送る。ただし1枚目の原稿103の場合はレジロール134、ベルト111の回転により直ちに原稿103を引き込み、プラテン17上のレジ位置に停止させるレジストレーション動作に入る。
【0033】上記レジストレーション動作では、レジセンサ119が原稿後端を検出するまでの間に画像処理を開始するためのコピースタート信号(COPYSTART↑)をLLM48に送信する。LLM48はコピースタート信号(COPY START↑)により画像読み取りタイミングに合った用紙供給を開始させるためのフィード信号(FEED)を用紙の供給および用紙の排出制御を行うIOTコントローラ44に出力する。この間に1枚目の原稿サイズが検出され、この原稿サイズ信号(PAPER SIZE DATA)および原稿後端のレジセンサ信号(REGSNR↓)がLLM48に送信される。
【0034】原稿後端が検知された後、所定時間が経過すると、原稿103はレジ位置(図8C)に停止されるため、IOTコントローラ44は原稿103の搬送タイミングに合わせて原稿サイズデータを基に原稿画像の読み取りが行われる。同時に2枚目の原稿103のプリフィード動作が始まる。すなわち、スキャン中において、1枚目の原稿後端のレジセンサ信号(REGSNR↓)と原稿セット信号(DOCSNR↑)が出力されていることを条件に2枚目の原稿103のプリフィード動作(図8D)が開始される。これにより2枚目以降の原稿103のレジストレーション動作に入る時間が短縮され、高速処理ができる。
【0035】DADFコントローラ41が原稿交換(SCAN END)信号を受信すると、図8E、図8Fに示すように1枚目の原稿103を排出する動作とプリフィード位置にある2枚目の原稿103のレジストレーション動作および3枚目の原稿103のプリフィード動作が始まる。この動作において、1枚目の原稿103の排出処理は原稿排出部に近いプラテン17上に搬送する。次に3枚目の原稿103の搬送動作に入ると、2枚目の原稿103はプラテン17上を搬送されると共に、原稿排出部が動作して図8Gに示すように1枚目の原稿103が排出トレイ102に排出される。そしてセットされた原稿103の処理が終了すると、プラテン17上にある全ての原稿103の排出処理(図8H)が行われる。
【0036】上記シンプレックスモードの動作をタイムチャートで示すと次の通りである。図10に1枚目の原稿103の引き込み動作のタイムチャートを示す。まず、DADF2の原稿トレイ101に原稿103をセットすると原稿センサ122が原稿103がセットされたことをベースマシン1に送信する。次にユーザーインターフェースによりスタートボタンを押すと、DADF2をスタートさせる信号がベースマシン1からDADFコントローラ41に送信される。DADFコントローラ41はスタート信号受信後ベルトモータ(図示せず。)と排出モータ(図示せず。)を起動させ、プラテン17上の置き忘れ原稿103の排出処理を行う。
【0037】プラテン17上の置き忘れ原稿103がない場合は550ms後にベルトモータと排出モータの停止動作に入る。原稿排出後は再びベルトモータと排出モータを起動させ、さらに置き忘れ原稿103のチェックを行う。この動作を置き忘れ原稿103がなくなるまで繰り返す。
【0038】ベルトモータが駆動停止したら、ナジャーソレノイド131の駆動を所定時間行い、ナジャー130とナジャーロール125間にセットされた原稿103を挟み込むことで1枚目の原稿103を送り込み搬送路106に送り出す(プレフィード)。ナジャーソレノイド131の駆動開始から50ms後にリタードロール133駆動用のフィードモータ(図示せず。)の駆動を開始すると原稿103は送り込み搬送路106を搬送され、レジセンサ119が原稿103の先端を検出してオンされる。
【0039】レジセンサ119で原稿103の先端検知後、30ms経過するとフィードモータの駆動を停止することで、原稿103の先端部をベルトモータで駆動するレジロール134に突き合たらせる。このときレジロール134は動作しない。そして、レジセンサ119が原稿先端検知後、200ms経過するとベルトモータの駆動を開始し、原稿103をプラテン17上に引き込ませる。
【0040】そして、レジセンサ119が原稿103の後端を検知した後、一定時間(T1)経過後にベルトモータの駆動を停止させると原稿103後端がプラテン17上のレジ位置にセットされる。レジセンサ119の原稿後端から所定時間(T1)経過後にベルトモータを停止させることで原稿サイズに拘わらず常に原稿103の後端をレジ位置にセットすることができる。
【0041】ベルトモータは原稿搬送距離を一定にするため図10に示すようにステップアップして回転速度を上げた後、一定搬送速度とする。そして搬送速度をステップダウンしながら減速していく。このとき、フィードモータも一時的に駆動させて、送り込み搬送路106中にある1枚目の原稿103部分の搬送を助ける。
【0042】ここで前記時間T1の設定はDADF2の原稿搬入部、原稿レジ部等の構成部品のバラツキ等があるため、各DADF2毎に微調整をする必要がある。また、時間T1は原稿103の後端を原稿レジ位置にセットさせるために原稿103の搬送距離の基準として用いたものであり、前記時間T1の代わりに原稿103の搬送距離の制御が正確に行えるものならば、何を基準にして制御しても良い。
【0043】本実施例では前記時間T1の微調整をDADF2制御用ソフトウェアで行い、その微調整データをベースマシン1のLLM48のNVM(図示せず。)に記憶させておく方法を採った。そして、その微調整データをシリアル通信によりベースマシン1からDADFコントローラ41にもらうことにより、DADF2内にNVMRAM搭載、メカの出荷時の調整、ロータリースイッチ等の部品の搭載の必要がなくなった。
【0044】また、原稿長はレジセンサ119の原稿103の先端検知から後端検知までの時間を計測することで行うことができる。原稿長、原稿サイズの検知の概略は後述する。
【0045】2枚目以降の原稿103の引き込み動作については図11に示す。2枚目以降の原稿103の引き込み開始は前原稿がレジセンサ119を通過した時に、フィードモータをオンし、原稿103の先端がレジセンサ119に到達してから30ms後にフィードモータをオフし、原稿103のプレフィードを完了する。その後、前原稿103のスキャンエンド(原稿交換)信号を受信したらベルトモータを起動させ、原稿103をレジ位置まで搬送させる。3枚目以降の原稿の引き込みも図1111に示すタイミングで行われる。
【0046】原稿103の排出制御のタイムチャートは図12に示す。ベースマシン1からキャリッジランプスキャン終了をDADFコントローラ41が受信すると、排出モータとベルトモータを起動させる。このベルトモータの起動は図10、図11に示すそれと同様なモードで行う。すなわち、ベルトモータは排出中の原稿103をDADF2の排出部に向けてプラテン17上を搬送するが、同時に引き込み中の原稿103についてはレジ位置に原稿後端をセットすべく搬送する。排出中の原稿103が排出センサ146を通過すると排出モータはスローダウン動作を行いながら原稿を排出する。
【0047】次に最終原稿103の排出制御のタイムチャートを図13、図14に示す。原稿103のベルトモータによるプラテン17上の引き込み中に原稿センサ122が原稿トレイ101に原稿103がないことを検知したら、最終原稿103のスキャンエンドの受信後に図1313、図14に示す排出制御を行う。図13には原稿長が短い場合にプラテン上に2枚の原稿103を同時に搬送することが出来る場合(以後、2枚引き込みモードと言う。)の排出制御を示し、図14には原稿長が長くて、プラテン上に同時に2枚の原稿103をセットできない場合(1枚引き込みモードと言う。)の排出制御を示す。
【0048】本実施例のベースマシン1は搬送方向の用紙の長さが8.5インチ未満のLEF原稿の場合はプラテン17上で原稿103を2枚引き込むことができる。そのため、上記原稿サイズのものはプラテン17上に2枚あるので、最終原稿103のスキャンエンド信号受信時に排出モータとベルトモータをスタートさせ、1枚目の原稿(最終原稿の前の原稿)103の排出完了を排出センサ146で検知すると、排出モータとベルトモータは駆動停止動作に入る。ただし、排出モータは図13に示すようにスローダウン制御をする。この排出モータの回転速度の低下は排出原稿103の排出速度が早すぎると原稿103が飛び出すのでそれを防ぎ、順序よく排出トレイ102中に積み重ねるためである。
【0049】図13に示す2枚引き込みモードにおいては、1枚目の原稿103の排出完了後、20ms後に排出モータとベルトモータを再起動させ、最終原稿103を排出する。
【0050】なお、前記各タイムチャートに示すフィードモータ、ベルトモータ、排出モータの駆動、停止タイミングを決める前記20〜550msは本実施例のDADF2での設計値であり、任意に設計変更可能な数値である。
【0051】次に原稿サイズ検知について説明する。図1515はプリフィード終了時点のレジセンサ119と原稿の位置関係を示している。レジロール134までのプリフィードでは原稿103前端がレジセンサ119を踏んでから所定時間経過後にフィードモータがオフされる。すなわち、原稿103がレジセンサ119とレジロール134間の距離を移動してフィードモータを停止するように上記所定時間が設定されている。原稿長さはレジセンサ119の原稿先端検知と原稿後端検知時にDADFコントローラ41のCPUのタイマの値を読み、基準クロックの664パルス(1.29ms)に相当するステッピングモータの検知基準長さを掛け合わせ、得られた値からレジセンサ119からベルトモータで駆動されるレジロール134までの距離およびベルトモータの回転速度のステップアップ中の移動距離を引算して求めることができる。
【0052】また、原稿103のSEFとLEFを含めたサイズ検知方法を簡単に説明する。原稿103の幅は次のようにして検知する。図15に示すように原稿サイズセンサ117、118があるのでこの二つのサイズセンサのオン/オフの組み合わせで表1〜3に示すテーブルの左欄に示す「原稿」のいずれかに属することが分かる。
【0053】(表1)
サイズセンサ1OFF サイズセンサ2ON原稿 原稿長 検知原稿長8.5×14SEF 355.6 292.82A4SEF 297 234.228.5×11SEF 279.4 216.62B5SEF 257 194.22A5SEF 210 147.22A5LEF 148 85.22
【0054】(表2)
サイズセンサ1ON サイズセンサ2OFF原稿 原稿長 検知原稿長B4SEF 364 301.228.5×11LEF 215.9 153.12B5LEF 182 119.22
【0055】(表3)
サイズセンサ1ON サイズセンサ2ON原稿 原稿長 検知原稿長A3SEF 420 357.22A4LEF 210 147.22B5LEF 182 119.22
【0056】従って、順次サイズセンサ117、118とレジセンサ119で検知される1枚目の原稿サイズをレジセンサ119、原稿サイズセンサ117、118で検知し、その検知データをこのDADFコントローラ41のRAM(図示せず。)等に記憶させ、次の2枚目の原稿サイズも同様に前記センサ117〜119で検知して、これを1枚目の原稿サイズと比較することで、両原稿の異形サイズ判断ができる。
【0057】ここで、プラテン17上に引き込まれる1枚目と2枚目の原稿103間でサイズが異なると、高速搬送制御しているシンプレックスモードの制御システムが乱れることがある。これを具体例で説明するために、まず、異形サイズの原稿のタイプを表4に示す。
【0058】
(表4)
タイプ 1枚目 1枚目+2枚目 原稿引き込みモード A 8.5インチ以上 プラテン長を越える 1枚引き込み B 8.5インチ以上 プラテン長を越えない 1枚引き込み C 8.5インチ未満 プラテン長を越えない 2枚引き込み D 8.5インチ未満 プラテン長を越える 2枚引き込み
【0059】ただし、表4で前記原稿長は原稿搬送方向の長さであり、また、(1枚目+2枚目の)原稿長がプラテン長を越えるかどうかは正確には(1枚目と2枚目の原稿の合計長さ+両原稿間のギャップ分の長さ)長さがレジ位置から排出ロールまでの距離を越えるかどうかということを表す。
【0060】また、本実施例での原稿サイズを8.5インチを基準にそれ以上の場合とそれ未満の場合とに分けたが、この8.5インチは単なる例示にしかすぎず、複写機の大きさに合わせて、適切な数値を採用することができることは言うまでもない。
【0061】上記表4に示す異形サイズ検知があると、図16〜図20に示すように両原稿を強制排出する。例えば、Bタイプの異形サイズ原稿は1枚目の原稿サイズが8.5インチ以上のLEF原稿であるのでDADFコントローラ41は1枚引き込みモードを選択する(図17R>7)。そして、2枚目の原稿103のサイズが1枚目の原稿サイズと異なり、両原稿103のサイズを合計してもプラテン長を越えないとき、DADFコントローラ41は1枚引き込みモードで原稿搬送制御をしているので、1枚目の原稿103を引き込み、その後端をレジ位置にセットして(図17B)、1枚目の原稿103のスキャンエンドの受信でベルトモータと排出モータの駆動が開始され、1枚目の原稿103の排出制御に入る。
【0062】このとき1枚目の原稿103を排出するためのベルトモータの駆動は2枚目の原稿103のレジ位置への引き込みも行う(図17C)。ところが、レジセンサ119が2枚目の原稿サイズが1枚目の原稿サイズより短いことを検知する。このとき、1枚目の原稿103が排出モータにより駆動されている排出ロール142に到達する前に、2枚目の原稿後端がレジ位置に到達してベルトモータが停止してしまう。そのため、排出センサ146は1枚目の原稿103を検知することができなくなり、原稿搬送制御システムは1枚目の原稿103がジャムしているものと誤った判断をしてしまう。そこで、図17Dに示すように、2枚目の異形サイズ検知により、これらの二枚の原稿を強制排出する。
【0063】また、Dタイプの異形サイズ原稿103は1枚目の原稿長が8.5インチ未満であるため、2枚引き込みモードで搬送制御される。この場合、図19と図2020に示すような原稿搬送制御を行わないと原稿のジャムが生じる。
【0064】図19に示す場合は原稿搬送開始時の場合である。図19Cに示すように2枚目の原稿103が1枚目の原稿長より長いことにより、レジセンサ119上を一定時間以上通過するため、異形サイズと判断する。しかし、2枚引き込みモードであるため、1枚目の原稿103は排出されないはずなので、排出モータがまだ駆動開始をしていない。
【0065】ところが、図19Dに示す状態でベルトモータを停止させないと、2枚目の原稿の後端がレジ位置に到達したときに、1枚目の原稿103と2枚目の原稿103がプラテン17上に収まらない状態となり、1枚目の原稿103が排出部でダメージを受けることになる。
【0066】また、図20に示す場合は1、2枚目の原稿長が8.5インチ未満であるが、3枚目以降の原稿103が1、2枚目のそれより長い場合である。この場合には、図20Cまでは正常な2枚引き込みモードで原稿搬送がなされている。しかし、図20Dで3枚目の原稿103が一定時間以上レジセンサ119上を通過するため、2枚目の原稿長より長い異形サイズであると判断される。
【0067】このとき、ベルトモータを停止させないと、3枚目の原稿後端がレジ位置に到達するまでに、2枚目の原稿はベルトモータおよびこれとほぼ同期して駆動する排出モータとにより、排出ロール142に到達して一部排出された状態で、3枚目の原稿がレジ位置にセットされると(図20E)、ベルトモータの停止とほぼ同時に排出モータも停止するため、2枚目の原稿は排出部途中でジャムとなる。これを避けるためには異形サイズ検知があると、その原稿を強制的に排出する。
【0068】このようにBタイプとDタイプの異形サイズ原稿103については異形と判断した時点で両原稿103を強制的に排出することで高速搬送制御システムの乱れと原稿103のダメージを防ぐ。
【0069】なお、AタイプとCタイプの異形サイズ原稿103はBタイプ、Dタイプの異形サイズ原稿103のように原稿搬送制御の乱れを生じることはないが、異形サイズ原稿103であることには変わりがないので、これらの場合も両原稿103は強制排出する。Aタイプの原稿搬送の模式図は図16に、Cタイプの原稿搬送の模式図は図18にそれぞれ示す。
【0070】図16に示すAタイプでは1枚目の原稿サイズが8.5インチ以上なので、1枚引き込みモードで搬送制御される。図16Bに示す1枚目の原稿後端がレジ位置にセットされた後、図16Cで2枚目の原稿が異形サイズと判断されると、これらの原稿103は強制排出される。
【0071】また、図18に示すCタイプでは2枚目の原稿103がレジセンサ119を通過して原稿の異形サイズを検知すると(図18C)、2枚目のレジ位置セットで3枚目の原稿103の引き込みはせず(図18D)、1枚目と2枚目の原稿は強制排出する(図18E)。
【0072】以上の手順を図21、図22のフローチャートで説明する。まず、DADF2は1枚目の原稿103を原稿レジ部に引き込んだ後、2枚目の原稿103の引き込みを開始する。このとき、レジセンサ119は1枚目の原稿103の原稿長を検知しているので、1枚目の原稿長が8.5インチ以上であれば表4に示すように1枚搬送モードとなる。そして、2枚目の原稿103がレジセンサ119を通過すると、その原稿サイズが計算できるので、1枚目と2枚目の原稿103との間の異形サイズ検知ができる(ステップ5)。そして両原稿103が異形サイズであると判断されると、次の原稿103はプレフィードをしない。そして、これらの原稿103は1枚搬送モードのAタイプ原稿103かBタイプ原稿103であることになるが、Aタイプ原稿103の場合はシンプレックスモードでの高速搬送制御ができるタイプであるが、異形サイズであるということで、これらの原稿は強制排出する(ステップ8)。また、Bタイプの原稿103であると原稿の排出搬送制御システムに異常があるとして、しかも1枚目の原稿103がDADF2の搬送系のなかでジャムしていることになるが、このジャム検知システムの作動を停止させ、両原稿103を強制排出する(ステップ11)。
【0073】また、1枚目の原稿長が8.5インチ未満であれば2枚搬送モードとなり、2枚目の原稿103を引き込む(ステップ13)。このとき2枚目の原稿103がレジセンサ119を通過すると両原稿103のサイズの計算を行い。異形サイズの検知があると(ステップ16)、次の3枚目の原稿103のプレフィードは停止する。そして、この場合はステップ13で2枚目の原稿サイズがDタイプでないこと、すなわちCタイプであることが分かるので、Cタイプの強制排出をする(ステップ18)。しかし、2枚目の原稿103がレジセンサ119を通過しないで、しかも1枚目と2枚目の原稿長がプラテン長を越えるものてあることがレジセンサ119の原稿長検知で判明すると(ステップ20)、次の3枚目の原稿103の引き込みを停止して、1枚目と2枚目の原稿103を共に強制排出する(ステップ21)。
【0074】なお、本実施例においては図12〜図14に示すように排出モータは排出原稿103の排出後は駆動されないので騒音および無駄な電力の消費、メカの摩耗などの悪影響がなくなる。
【0075】本発明の搬入部原稿サイズ検知手段は本実施例ではレジセンサ119と原稿サイズセンサ117、118およびそのためのハードウエア、ソフトウエア等である。本発明の原稿搬送手段は本実施例では送り込み搬送路106、引き込み搬送路108と各搬送路の原稿搬送用ロール等と原稿レジ部の無端ベルト111、ベルトドライブロール110、ベルトピンチーロール135、これらのロール駆動モータ(図示せず。)およびモータ作動用のハードウエア、ソフトウエア等である。また、本発明の原稿排出手段は本実施例では原稿レジ部の無端ベルト111、ベルトドライブロール110、ベルトピンチーロール135、これらのロール駆動モータ(図示せず。)と原稿排出路145と原稿排出用ロール142、143とその作動のためのハードウエア、ソフトウエア等であり、本発明の原稿サイズ比較判断手段は本実施例ではそのDADFコントローラ41とそれに関連するハードウエア、ソフトウエア等であり、原稿サイズ記憶手段は複写機のDADFコントローラ41のRAM(図示せず。)とその作動のためのハードウエア、ソフトウエア等である。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、自動原稿送り装置の原稿搬送路中に2枚の原稿が同時に高速搬送されている場合でも異形サイズ原稿の検知があると、これらの原稿を強制的に排出して、原稿のダメージを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成図である。
【図2】 本発明の実施例の複写機の外観図である。
【図3】 本発明の実施例の複写機の断面図である。
【図4】 本発明の実施例の複写機の制御ブロック図である。
【図5】 本発明の実施例の自動原稿送り装置の断面図および上面図である。
【図6】 本発明の実施例の自動原稿送り装置の原稿搬入部の拡大断面図である。
【図7】 本発明の実施例の自動原稿送り装置の原稿排出部の拡大断面図である。
【図8】 本発明の実施例のシンプレックスモードの原稿搬送手順説明図である。
【図9】 本発明の実施例のシンプレックスモードの原稿搬送と画像処理に関する自動原稿送り装置とベースマシンとの通信線図である。
【図10】 本発明の実施例のシンプレックスモードの1枚目の原稿引き込み搬送制御のタイムチャートを示す図面である。
【図11】 本発明の実施例のシンプレックスモードの2枚目以降の原稿引き込み搬送制御のタイムチャートを示す図面である。
【図12】 本発明の実施例のシンプレックスモードの原稿の通常の排出制御のタイムチャートである。
【図13】 本発明の実施例のシンプレックスモードの原稿の2枚引き込みモードでの最終原稿排出制御のタイムチャートである。
【図14】 本発明の実施例のシンプレックスモードの原稿の1枚引き込みモードでの最終原稿排出制御のタイムチャートである。
【図15】 本発明の実施例の自動原稿送り装置の原稿センサの配置図である。
【図16】 本発明の実施例のシンプレックスモードでの異形サイズ検知(Aタイプ)の原稿排出手順説明図である。
【図17】 本発明の実施例のシンプレックスモードでの異形サイズ検知(Bタイプ)の原稿排出手順説明図である。
【図18】 本発明の実施例のシンプレックスモードでの異形サイズ検知(Cタイプ)の原稿排出手順説明図である。
【図19】 本発明の実施例のシンプレックスモードでの異形サイズ検知(Dタイプ)の原稿排出手順説明図である。
【図20】 本発明の実施例のシンプレックスモードでの異形サイズ検知(Dタイプ)の原稿排出手順説明図である。
【図21】 本発明の実施例のシンプレックスモードでの異形サイズ原稿検知時のフローチャートである。
【図22】 本発明の実施例のシンプレックスモードでの異形サイズ原稿検知時のフローチャートである。
【符号の説明】
2…DADF、101…原稿トレイ、102…排出トレイ、106…原稿送り込み搬送路、108…原稿引き込み搬送路、109…デプレックス搬送路、117…原稿サイズセンサ、118…原稿サイズセンサ、119…レジセンサ、146…排出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像処理装置の画像処理用原稿を搬入する送り込み搬送路を備えた原稿搬入部と該原稿搬入部からの原稿を画像処理装置本体のプラテン上に順次搬送し原稿読み取りをする原稿レジストレーション部と該原稿レジストレーション部で読み取られた原稿を排出する排出搬送路を備えた原稿排出部を設けた自動原稿送り装置において、原稿レジストレーション部で原稿の読み取り処理がされた1枚目の原稿を排出部において搬送中に次の2枚目の原稿を前記原稿レジストレーション部に搬送させる原稿搬送手段と、前記搬入部に設けられた原稿サイズ検出手段と、該原稿サイズ検出手段で検出された原稿サイズを記憶する原稿サイズ記憶手段と、該原稿サイズ記憶手段の記憶値により原稿レジストレーション部に順次搬送される前記原稿の1枚目と2枚目の原稿サイズとを比較して、両原稿サイズを比較判断する原稿サイズ比較判断手段と、前記原稿サイズ比較判断手段の比較判断結果により前記1枚目と2枚目の原稿サイズが異形であると判断されたときは2枚目の原稿を原稿レジストレーション部での原稿読み取りをしないで原稿排出部を経て排出する原稿排出手段と、を設けたことを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項2】 前記原稿搬送手段は前記原稿サイズ比較判断手段の比較判断結果により前記1枚目と2枚目の原稿サイズが異形であると判断されたときは次原稿は原稿搬入部に送り込まないようにすることを特徴とする請求項1記載の自動原稿送り装置。
【請求項3】 請求項1または2記載の自動原稿送り装置を備えた画像処理装置。

【図2】
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【図6】
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【図1】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図10】
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【図5】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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