説明

自動取引システム、自動取引装置、自動取引方法及び自動取引プログラム

【課題】 利用者の操作を補助、代行する操作補助者の正当性を確認できる自動取引システムを提供する。
【解決手段】 本発明は、利用者が操作して取引を実行する自動取引装置を備える自動取引システムに関し、操作補助者の認証を行う操作補助者認証手段を備えることを特徴とする。操作補助者認証手段は、生体認証を実行するものであることが好ましい。自動取引装置が、操作補助者認証手段と、認証時に照合する基準データを格納している基準データ格納手段を備えることが好ましい。自動取引装置は、電源のON時に、基準データのオリジナルを格納しているサーバから、基準データをダウンロードさせて基準データ格納手段に格納させることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動取引システム、自動取引装置、自動取引方法及び自動取引プログラムに関し、特に、自動取引装置(ATM;Automatic Teller Machine)の利用者の操作を補助したり代行したりする操作補助者を認証しようとしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来のATMでは、視覚障害者が取引を実施できるように、音声や点字によって取引を誘導することが行われていた(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、視覚障害者が音声による誘導方式を使用したことがない場合や点字を読むことができない場合等には、ATMを操作することができない。今日では、例えば、複数台のATMが設置されているATMコーナーを有する金融機関の店舗では、ATMコーナーに、利用者の操作を補助したり代行したりするロビーアシスタントが常駐しており、視覚障害者も、ロビーアシスタントから操作方法を教えてもらったり操作を代行してもらったりして、ATMでの取引を実施することができる。なお、視覚障害者だけでなく、老人や年少者や外国人等の中にも、ロビーアシスタントから操作方法を教えてもらったり操作を代行してもらったりして、ATMでの取引を実施する者がいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−52401
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ロビーアシスタントの補助を受ける利用者は、補助しようとするロビーアシスタントが正規のロビーアシスタントであることを確認できず、従来のATMも、確認させるための機能を備えていない。そのため、悪意のある人物がロビーアシスタントになりすまし、操作補助が必要な利用者をだまして不正な操作を行うことを防止できない。
【0006】
そのため、操作補助が必要な利用者を補助する操作補助者の正当性を確認することができる自動取引システム、自動取引装置、自動取引方法及び自動取引プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、利用者が操作して取引を実行する自動取引装置を備える自動取引システムにおいて、上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証手段を備えることを特徴とする。
【0008】
第2の本発明は、利用者が操作して取引を実行する自動取引装置において、上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証手段を備えることを特徴とする。
【0009】
第3の本発明は、利用者が自動取引装置に対して操作して取引を実行する自動取引方法において、上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証工程を含むことを特徴とする。
【0010】
第4の本発明の自動取引プログラムは、利用者が操作して取引を実行する自動取引装置に搭載されるコンピュータを、上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作補助が必要な利用者を補助する操作補助者の正当性を確認することができる自動取引システム、自動取引装置、自動取引方法及び自動取引プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態の自動取引システムに係るネットワーク構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるATMの内部構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における金融機関サーバの内部構成例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における社員データベースの構成例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態において、ロビーアシスタントの生体データを登録させる際の動作を示すシーケンス図である。
【図6】第1の実施形態において、ATMの電源がONされたときの動作を示すシーケンス図である。
【図7】第1の実施形態において、ロビーアシスタントが操作を補助したり代行したりして行う取引動作の一部を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における顧客データベースの構成例を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態において、ロビーアシスタントが操作を補助したり代行したりして行う取引動作の一部を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態における社員データベースの構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による自動取引システム、自動取引装置、自動取引方法及び自動取引プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。操作補助者は、ATMコーナーに常駐しているロビーアシスタントに限定されないが、以下では、ロビーアシスタントだけが操作補助者になっているとして説明を行う。
【0014】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の自動取引システムに係るネットワーク構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、第1の実施形態の自動取引システム1は、例えば、金融機関の本店、支店、出張所等が該当する各店舗にそれぞれ設けられた1又は複数のATM2と、金融機関のサーバ3とが、その金融機関に係るネットワーク4を介して接続されて構成されている。なお、図1とは異なり、店舗によっては、ATM2の他に店舗内サーバを備え、店舗内サーバもネットワーク4を介して金融機関サーバ3に接続されるものであっても良い。
【0016】
図2は、ATM2の内部構成例を示すブロック図である。図2において、ATM2は、カード読取部10、通帳処理部11、明細票印字部12、紙幣入出金部13、硬貨入出金部14、画面部15、生体読取部16、装置通信部17及び装置制御部18を有する。
【0017】
カード読取部10は、挿入されたカードに記録されているデータを読取り、装置制御部18に与えるものである。読取対象とするカードの記録方式は、磁気カードであってもICカードであっても良い。カード読取部10は、ICカードに対しては、装置制御部18の制御下で、データの書込みを行うこともある。また、カード読取部10は、利用者が所持している顧客カードだけでなく、ロビーアシスタントが所持しているカード(例えば、社員証カードやロビーアシスタント専用カード)を読み取ることができる。
【0018】
通帳処理部11は、通帳の磁気ストライプのデータを読み取って装置制御部18に与えたり、装置制御部18の制御下で、通帳に記帳したりするものである。明細票印字部12は、装置制御部18の制御下で、実施された取引の内容を印字するものである。
【0019】
紙幣入出金部13は、利用者からの入金紙幣を取り込んだり、利用者への出金紙幣を排出したりするものである。硬貨入出金部14は、利用者からの入金硬貨を取り込んだり、利用者への出金硬貨を排出したりするものである。
【0020】
画面部15は、表示入力部と画面格納部とからなっている。表示入力部は、例えばタッチパネルからなり、取引処理の選択画面や顧客に入力させるための入力画面等の各種画面を、画面格納部から読み出して表示したり、選択データや入力データ等を入力させて取得したりするものである。画面格納部は、表示入力部に表示される選択画面や入力画面等の各種画面を格納しているものである。この第1の実施形態の場合、取引を選択させる取引選択画面を表示させる前の画面として、ロビーアシスタントによる補助が必要か否かを利用者が選択する2つのボタンアイコンを含む画面が表示されるようになっている。なお、このようなボタンアイコンに代え、物理的な選択用ボタンをATM2の操作面のいずれかの箇所に設けるようにしても良い。
【0021】
生体読取部16は、人間の所定部位のデータを読取り、装置制御部18に与えるものである。ATM2が適用している生体認証方式が掌の静脈認証であれば、生体読取部16は掌の静脈を読取るものとなり、ATM2が適用している生体認証方式が指紋認証であれば、生体読取部16は指紋を読取るものとなり、ATM2が適用している生体認証方式が虹彩認証であれば、生体読取部16は虹彩を読取るものとなる。
【0022】
装置通信部17は、外部装置(例えば、金融機関サーバ3)との間でデータ通信を実行するものである。
【0023】
装置制御部18は、当該ATM2の各部(10〜17)の制御を司るものである。装置制御部18は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM等でなり、各種のプログラムを実行したり、各種のデータを格納したりするものである。装置制御部18に格納されているプログラムやプログラム部分としては、ロビーアシスタント生体データ登録プログラム18aや、ロビーアシスタント認証ルーチン18b等があり、装置制御部18に格納されているデータとしては、ロビーアシスタントデータ18cやログデータ18d等がある。
【0024】
なお、図2では省略しているが、ATM2は音声・音響出力部や音声入出力に用いるハンドセットを備えていても良い。また、ATM2の周囲に店舗内やコールセンタの係員と連絡するためのハンドセットが設けられていても良い。
【0025】
図3は、金融機関サーバ3の内部構成例を示すブロック図である。金融機関サーバ3は物理的に1台のサーバで構成されていても良く、複数台のサーバで構成されていても良く、後者の場合において分散配置されていても良いが、機能的には、図3で表すことができる。
【0026】
図3において、金融機関サーバ3は、顧客データベース20、顧客データベースアクセス部21、社員データベース22、社員データベースアクセス部23、サーバ通信部24及びサーバ制御部25を有する。
【0027】
顧客データベース20は、顧客の氏名、口座番号、口座種類、暗証番号、残高等の顧客情報を格納しているものである。顧客情報における取引履歴情報(例えば、通帳に印字する各行のデータ)の中に補助を受けたか否かを記述するようにしても良い。顧客データベースアクセス部21は、サーバ制御部25の制御下で、顧客データベース20をアクセスするものである。
【0028】
社員データベース22は、図4に示すように、社員(パート等を含む)の社員番号、社員名、所属店舗等の社員データを格納しているものである。少なくともロビーアシスタントになる社員については、図4に示すように、社員データに、職種としてロビーアシスタントが記述されると共に、その社員の生体データ(認証時の基準データとなる)も含まれる。社員データベースアクセス部23は、サーバ制御部25の制御下で、社員データベース22をアクセスするものである。
【0029】
サーバ通信部24は、外部装置(例えば、ATM2)との間でデータ通信を実行するものである。
【0030】
サーバ制御部25は、当該金融機関サーバ3の各部(20、22、24)の制御を司るものである。サーバ制御部25は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM等でなり、各種のプログラムを実行したり、各種のデータを格納したりするものである。サーバ制御部25に格納されているプログラムやプログラム部分としては、ロビーアシスタント生体データ登録プログラム25aや、ATM立上げ時ルーチン25b等がある。
【0031】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る自動取引システム1の動作を説明する。
【0032】
まず、ロビーアシスタントの生体データを登録させる際の動作を、図5のシーケンス図を参照しながら説明する。なお、ロビーアシスタントの生体データの登録時においては、ATM2では装置制御部18がロビーアシスタント生体データ登録プログラム18aを実行すると共に、金融機関サーバ3ではサーバ制御部25がロビーアシスタント生体データ登録プログラム25aを実行する。
【0033】
ロビーアシスタントは、予め自己が属する店舗のATM2を用いて、生体認証に供する自己の生体データを登録することを要する。
【0034】
ロビーアシスタントは、例えば、営業時間外において、ATM2に対する予め定められている手順の操作により、生体データの登録モードを起動し、これにより、装置制御部18はロビーアシスタント生体データ登録プログラム18aを開始する。
【0035】
そしてまず、装置制御部18は、ロビーアシスタントから社員カードの記録データ(例えば社員番号、社員名、所属店舗等)を読取り(ステップS100)、読取ったデータを含む生体データの登録モードの起動要求を、金融機関サーバ3に送出する(ステップS101)。
【0036】
このとき、サーバ制御部25も、ロビーアシスタント生体データ登録プログラム25aを開始し、起動要求に含まれているロビーアシスタントに係るデータをキーとして社員データベース22を検索して、該当するロビーアシスタントが存在することを確認し(ステップS102)、生体データの取込みをATM2に指示する(ステップS103)。なお、図4では省略しているが、該当するロビーアシスタントの存在を確認できない場合には、その旨をATM2に送出する。
【0037】
装置制御部18は、ロビーアシスタントが確認されると、ロビーアシスタントに対し、生体読取部16に対して読取り動作することを指示し、生体読取部16が読み取って得た生体原データを取り込み(ステップS104)、その生体原データに対して所定の特徴抽出処理を施して得た特徴データを登録用の生体データ(基準データ)として金融機関サーバ3に送出する(ステップS105)。
【0038】
サーバ制御部25は、現在対象となっているロビーアシスタントに係る社員データにおける生体データの格納フィールドに、受信した生体データを格納し(ステップS106)、格納した旨をATM2に返信する(ステップS107)。
【0039】
装置制御部18は、格納した生体データが生体認証に用いられることを確認するために、ロビーアシスタントに対し、生体読取部16に対して再度読取り動作することを指示し、生体読取部16が読み取って得た生体原データを取り込み(ステップS108)、その生体原データに対して所定の特徴抽出処理を施して今回の生体データを得る(ステップS109)。また、装置制御部18は、現在対象となっているロビーアシスタントの生体データを金融機関サーバ3に要求し(ステップS110)、金融機関サーバ3は要求された生体データを社員データベースから読み出して返信する(ステップS111)。そして、装置制御部18は、今回の生体データと返信された生体データとを照合して、登録されている生体データを用いて認証できることを確認する(ステップS112)。この確認後、装置制御部18は、ロビーアシスタント及び金融機関サーバ3にそれぞれ登録動作が終了したことを通知して一連の登録動作を終了する(ステップS113、S114)。金融機関サーバ3も、終了通知を受けて一連の登録動作を終了する(ステップS115)。
【0040】
なお、登録した生体データを用いた認証で認証できなかった場合には、2回目の読取りに係る生体データを、社員データにおける生体データの格納フィールドに上書きするような動作が実行される。
【0041】
次に、ATM2の電源がONされたときの動作を、図6のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0042】
ATM2の電源がONされて装置制御部18が立ち上がると、装置制御部18は、電源ONによる立上り時の処理を実行し、その実行後に、利用者の操作がなされていないときに表示する待機画面(操作補助の要否の選択画面)を表示させる(ステップS153)。
【0043】
電源ONによる立上り時の処理の中に、金融機関サーバ3からロビーアシスタントに係る社員データをダウンロードし、ロビーアシスタントデータ18cとして内部に保持する動作がある。
【0044】
すなわち、装置制御部18は、当該ATM2が属する店舗番号等を含む、ロビーアシスタントのデータの要求を金融機関サーバ3に送出する(ステップS150)。その要求を受信した金融機関サーバ3のサーバ制御部25は、店舗番号をキーとし、社員データベース22を検索し、当該店舗に所属している職種がロビーアシスタントの社員データから、少なくとも氏名及び生体データを取り出してATM2に返信する(ステップS151)。ATM2の装置制御部18は、受信したデータをロビーアシスタントデータ18cとして内部に保持する(ステップS152)。
【0045】
次に、ロビーアシスタントが操作を補助したり代行したりして行う取引動作を、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0046】
取引開始を待機しているときに表示される操作補助の要否の選択画面には、ロビーアシスタントの補助必要を入力するためのボタンアイコンとロビーアシスタントの補助不要を入力するためのボタンアイコンとが含まれている。また、操作の補助や代行を必要とする操作補助要求利用者は、ロビーアシスタントに連絡をとってからATM2に対峙するか、または、ATM2の周囲の受話機からロビーアシスタントの操作補助を要求する。操作の補助や代行が要求されたロビーアシスタントは、まず、操作補助の要否の選択画面における補助必要を入力するためのボタンアイコンを操作する。
【0047】
操作補助の要否の選択画面を表示させている状態においては、装置制御部18は、2つのボタンアイコンのいずれかの操作を待ち受けており、操作された場合には、いずれのボタンアイコンが操作されたかを判別する(ステップS200)。
【0048】
ロビーアシスタントの補助不要を入力するためのボタンアイコンが操作されたときには、装置制御部18は、取引種別を選択する取引選択画面を表示させ(ステップS201)、具体的な取引動作に移行する。
【0049】
これに対して、ロビーアシスタントの補助必要を入力するためのボタンアイコンが操作されたときには、装置制御部18は、内部に保持しているロビーアシスタントデータ18cに基づいて、ロビーアシスタントの氏名の一覧を表示させ、操作補助を行うロビーアシスタントを選択させる(ステップS202)。操作補助を行うロビーアシスタントを装置制御部18に伝える方法としては、氏名一覧からの選択方法に代え、ロビーアシスタントが所持しているカードの読取りによる方法を適用することができる。その後、装置制御部18は、ロビーアシスタントに対し、生体読取部16に対して読取り動作することを指示し、生体読取部16が読み取って得た生体原データを取り込んでその生体原データに対して所定の特徴抽出処理を施して生体データを得る(ステップS203)。そして、装置制御部18は、今回の読取りに係る生体データを、内部保持しているロビーアシスタントデータ18cにおける該当するロビーアシスタントの生体データと照合してロビーアシスタントを認証する(ステップS204)。
【0050】
この照合により、操作補助しようとしている者が正規のロビーアシスタントであることが確認できると、装置制御部18は、操作補助要求利用者(及びロビーアシスタント)に正規のロビーアシスタントであることを通知し(ステップS205)、その後、取引種別を選択する取引選択画面を表示させ(ステップS201)、具体的な取引動作に移行する。ここでの通知は、操作補助要求利用者が視覚障害者であることが多いことに鑑み、画面表示上での通知だけでなく、音声による通知をも適用することが好ましい。なお、操作補助を行うロビーアシスタントを装置制御部18に伝える方法として、カードからの読取りを利用した場合には、装置制御部18は、取引選択画面を表示させるまでに、ロビーアシスタントに係るカードを返却させることを行う。
【0051】
一方、操作補助しようとしている者(ロビーアシスタント)を生体認証できない場合には、装置制御部18は、操作補助要求利用者(及びロビーアシスタント)にロビーアシスタントであることを認証できなかったことを通知し(ステップS206)、その後、操作補助の要否の選択画面を表示させ(ステップS207)、要否に係るいずれかのボタンアイコンが操作されるのを待ち受ける状態に戻る。ここでの通知も、操作補助要求利用者が視覚障害者であることが多いことに鑑み、画面表示上での通知だけでなく、音声による通知をも適用することが好ましい。また、要否に係るいずれかのボタンアイコンが操作されるのを待ち受ける状態に戻るのではなく、ロビーアシスタントに対し、生体読取部16に対して読取り動作することを指示する状態に戻るようにしても良い。ここで、ロビーアシスタントの認証ができないことの連続回数を監視し、その連続回数が所定回数に達した場合には、不審な者が操作補助要求利用者の近傍に居るとして、ATM2がアラームを発したり、店舗内外の管理者に警報を発したりするようにしても良い。
【0052】
生体認証されたロビーアシスタントが補助した取引が終了し、その際に格納するログデータには、一覧表示から選択されたロビーアシスタントの氏名若しくは社員番号等の特定情報を含める(ステップS208)。
【0053】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、操作補助要求利用者の操作を補助するロビーアシスタントをATM2が認証するようにしたので、正規のロビーアシスタントが操作補助要求利用者の操作を補助することを保証できる。その結果、悪意のある者が視覚障害者等の操作補助要求利用者をだまして不正なATM取引を実行することを防止することができる。
【0054】
正規のロビーアシスタントも、取引ログデータに自己が関与したことが記録されるので、より一段と襟を正して操作補助を行うこととなる。
【0055】
(A−4)第1の実施形態に対する変形実施形態
上記では、操作補助の要否の選択画面に対する操作前に既にロビーアシスタントがATM2の近傍に来ている場合を説明したが、操作補助の要否の選択画面に対する操作は、操作補助要求利用者が行い、ロビーアシスタントの補助必要を入力するためのボタンアイコンが操作された場合に、装置制御部18がロビーアシスタントを当該ATM2に呼び寄せるようにしても良い。例えば、ATM2に呼寄せランプを設けて点灯させることで呼び寄せるようにしても良い。また例えば、ロビーアシスタントに無線LAN端末等の無線端末を携帯させる共に、ロビー装置制御部18がロビーアシスタントのデータ18cの中に端末へのアクセス番号(や方法)をも格納しておき、呼寄せ時に無線端末にアクセスして呼び寄せるようにしても良い。
【0056】
補助必要を指示する場合において、操作補助要求利用者が視覚障害者であって、画面上のボタンアイコンを操作し得ないこともあるので、物理的なボタンを対象とするようにしても良く、また、操作補助要求利用者がハンドセットに対してロビーアシスタントを要求する発声を行い、装置制御部18が音声認識処理によってロビーアシスタントの要求を認識するようにしても良い。
【0057】
上記では、操作補助時において、操作補助が不要な利用者と同じ操作方法を適用する場合を示したが、ロビーアシスタントが補助する場合であっても、特許文献1等に記載のような視覚障害者向けの操作方法を適用するようにしても良い。例えば、ハンドセットによる音声で誘導した取引や、点字で誘導した取引での操作をロビーアシスタントが補助するようにしても良い。
【0058】
上記では、取引のログデータに、操作補助を行ったロビーアシスタントの氏名若しくは社員番号等の特定情報を含める場合を示したが、顧客情報における取引履歴情報(例えば、通帳に印字する各行のデータ)の中に補助を受けたこと(若しくはロビーアシスタントの特定情報)を記述するようにしても良く、また、明細表を発行する取引の場合であれば、明細票の一部に補助を受けたこと(若しくはロビーアシスタントの特定情報)を印字するようにしても良い。
【0059】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による自動取引システム、自動取引装置、自動取引方法及び自動取引プログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0060】
第2の実施形態の場合、顧客データベース20に格納されている顧客情報には、図8に示すように、顧客の氏名、口座番号、口座種類、暗証番号、残高等に加え、ロビーアシスタントによる操作補助を必要とする者か否かのフラグ(若しくはロビーアシスタントの補助を過去に受けたか否かを表すフラグ)が含まれている。操作補助を必要とする者か否かのフラグは、例えば、口座開設時に利用者の意思を確認して設定するものである。ロビーアシスタントの補助を過去に受けたか否かを表すフラグは、例えば、取引終了時に顧客データベース20に取引履歴情報を記録するために、ATM2から金融機関サーバ3へ与えられるデータに、ロビーアシスタントの補助を受けたか否かの情報を含めておき、金融機関サーバ3が補助を受けていた場合に、格納しているフラグを見てフラグが設定されていない場合に設定することにより、ON、OFFを記述するものである。
【0061】
図9は、第1の実施形態に係る図7におけるステップS201以降の処理を示すフローチャートである。なお、ステップS201までの処理は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0062】
装置制御部18は、取引種別を選択する取引選択画面を表示させた状態においては、ロビーアシスタント若しくは利用者がいずれかの取引を選択することを待ち受けており、いずれかの取引に係るボタンアイコンが操作されたときには、どの取引が選択されたか否かを判別する(ステップS250)。
【0063】
図9は、出金取引が選択された場合について詳細に記述している。装置制御部18は、出金取引が選択された場合には、カード読取部10に顧客カードを挿入することを促して顧客カードを挿入させる(ステップS251)。装置制御部18は、顧客カードの挿入を検出すると、通帳を所持している場合には通帳を通帳処理部11に挿入した上で暗証番号を入力すること、通帳を所持していない場合には暗証番号を入力することを促して通帳を挿入させると共に(挿入されないこともあり得る)、入力された暗証番号を取り込む(ステップS252)。そして、装置制御部18は、入力された暗証番号を顧客カードの記録情報と照合して暗証番号を確認する(ステップS253)。図9は、確認できた場合だけを示している。
【0064】
暗証番号を確認できると、装置制御部18は、金融機関サーバ3から、その顧客についての、ロビーアシスタントによる操作補助を必要とする者か否かのフラグの内容を取り込んで判別する(ステップS254)。フラグが操作補助の不要を表しているときには、装置制御部18は、出金金額の入力を促す画面の表示に直ちに移行する(ステップS255)。これに対して、フラグが操作補助の必要を表しているときには、装置制御部18は、ロビーアシスタントの認証を既に行ったか否か(ステップS204参照)を判別する(ステップS256)。ロビーアシスタントの認証を既に行っている場合には、装置制御部18は、出金金額の入力を促す画面の表示に移行する(ステップS255)。ロビーアシスタントの認証を行っていない場合には、装置制御部18は、ロビーアシスタントの認証を実行する(ステップS257)。この認証処理は、上述したステップS202〜S208と同様な処理である。ロビーアシスタントが認証された場合には、装置制御部18は、出金金額の入力を促す画面の表示に移行する(ステップS255)。
【0065】
他の取引が選択された場合も、装置制御部18は、適宜のタイミングで、金融機関サーバ3から、顧客についての、ロビーアシスタントによる操作補助を必要とする者か否かのフラグの内容を取り込んで、必要に応じてロビーアシスタントを認証する。
【0066】
第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。第2の実施形態によれば、顧客データベースに、ロビーアシスタントによる操作補助を必要とする者か否かのフラグを設け、操作補助を必要とする者に関しては、ロビーアシスタントの認証を必ず実行するようにしたので、悪意のある者が認証を省略しようとしても(上述したステップS200参照)省略することができず、視覚障害者等の操作補助要求利用者をだまして不正なATM取引を実行することを確実に防止することができる。
【0067】
第2の実施形態に関する変形実施形態としては、以下に例示するようなものを挙げることができる。
【0068】
上記では、ロビーアシスタントによる操作補助を必要とする者か否かのフラグを利用者毎に付与しておくものを示したが、利用者毎にしかも取引種別毎に設定するようにしても良い。例えば、ある視覚障害者について、出金取引、入金取引、振込取引についてはフラグをONとすると共に、残高照会取引、両替取引についてはフラグをOFFとしておき、取引によって、ロビーアシスタントの認証を実行したり実行しなかったり選択できるようにしても良い。また、ロビーアシスタントの認証有無を利用者が選択し得ない取引種類を設けるようにしても良い。例えば、通帳記帳取引については、全ての操作補助要求利用者に関し、ロビーアシスタントの認証を不要としておくようにしても良い。また例えば、高額な出金取引(例えば、50万円以上の出金取引)については、全ての操作補助要求利用者に関し、ロビーアシスタントの認証を条件とするようにしても良い。この場合であれば、金額が入力された際に、ロビーアシスタントの認証が既に実行されているか否かが確認され、実行されていない場合に、その時点でロビーアシスタントの認証を行うことになる。
【0069】
上記では、ロビーアシスタントの認証方式が生体認証である場合を示したが、取引によって認証方式を切り替えるようにしても良い。例えば、残高照会取引、両替取引、通帳記帳取引については、パスワード入力による認証方式を適用し、出金取引、入金取引、振込取引については、これに代え、又は、これに加え、生体認証方式を適用するようにしても良い。
【0070】
上記では、取引種別の選択前(若しくは利用者の特定前)においても、ロビーアシスタントの認証を実行することもある場合を示したが、取引種別の選択前(若しくは利用者の特定前)においてはロビーアシスタントの認証を実行しないようにシステムを構築しても良い。
【0071】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による自動取引システム、自動取引装置、自動取引方法及び自動取引プログラムの第3の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0072】
第3の実施形態の場合、金融機関サーバ3における社員データベース22は、図10に示すように、勤務日や曜日毎のロビーアシスタントとしての職務を実行するロビーアシスタント職務時間帯の情報のフィールドを有している。なお、社員データベース22以外のデータベース(例えば、店舗内サーバに設けられているデータベース)がロビーアシスタント職務時間帯の情報を管理するものであっても良い。
【0073】
この第3の実施形態においても、ATM2の電源がONされたときに、装置制御部18は、金融機関サーバ3からロビーアシスタントに係る社員データをダウンロードし、ロビーアシスタントデータ18cとして内部に保持する(上述した図6のステップS150〜S152参照)。第3の実施形態の場合、金融機関サーバ3の金融機関制御部25は、当日にその店舗でロビーアシスタントとして職務する時間帯が存在する社員の社員データだけをダウンロードさせる。また、ダウンロードさせる社員データには、ロビーアシスタント職務時間帯の情報を含める。
【0074】
ATM2の装置制御部18は、ロビーアシスタントの認証要が選択された際には、内部に保持しているロビーアシスタントデータ18cに基づいて、ロビーアシスタントの氏名の一覧を表示させ、操作補助を行うロビーアシスタントを選択させるが(上述した図7のステップS202参照)、この一覧に含めるロビーアシスタントの氏名は、その表示時刻がロビーアシスタント職務時間帯に属しているロビーアシスタントの氏名である。
【0075】
なお、例えば、ロビーアシスタント職務時間帯の前後の少なくとも一方に多少のマージン時間(例えば5分)を設け、表示時刻がマージン時間に属しているロビーアシスタントの氏名も一覧表示させるようにしても良い。また例えば、ロビーアシスタント職務時間帯の情報をロビーアシスタントデータ18cに盛り込む段階で、多少のマージン時間を付与しておくようにしても良い。
【0076】
以上から明らかなように、第3の実施形態においては、認証対象のロビーアシスタントとして一覧表示されたロビーアシスタントの氏名は、その時刻が職務時間になっている社員だけであり、ロビーアシスタントの職務を実行し得る社員であっても、その時刻を職務時間としていない社員は一覧表示から除外される。すなわち、認証対象外、言い換えると、補助操作可能な社員外となる。
【0077】
第3の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。第3の実施形態によれば、金融機関の社員であっても、ロビーアシスタントとしての職務時間帯以外でのロビーアシスタントとしての活動を拒否するようにしたので、正規の社員による不正な補助操作をも防止することもできる。
【0078】
第3の実施形態に関する変形実施形態としては、以下に例示するようなものを挙げることができる。
【0079】
上記では、ロビーアシスタントの一覧表示に職務時間外のロビーアシスタントを表示させないものを示したが、一覧表示には含め、選択されたロビーアシスタントの職務時間を確認してから生体認証に移行するようにしても良い。
【0080】
上記では、ロビーアシスタントの全てに職務時間の情報を設定するものを示したが、基本の職務時間(例えば、午前9時から午後3時まで)と異なる職務時間の社員だけ、職務時間をロビーアシスタントデータ18cに記述して上記と同様な処理を実行するようにしても良い。
【0081】
(D)他の実施形態
上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0082】
上記各実施形態は、金融機関の各店舗において利用者に対する操作補助を実行する場合を示したが、ATM設置のコンビニエンスストア、スーパー、デパートなど、金融機関の直接の施設以外で、操作補助者が操作補助要求利用者を補助する場合にも、本発明を適用することができる。例えば、コンビニエンスストア設置のATMであれば、コンビニエンスストア店長が上述したロビーアシスタントと同様な操作補助者となり、認証が必要となる。
【0083】
操作補助要求利用者は、視覚障害者に限らず、老人、外国人、未成年等、他の者であっても良く、成人であってもATMの初心者に対してロビーアシスタントが補助しても良い。操作補助要求利用者の属性に応じて、ロビーアシスタントの認証方法を切り替えるようにしても良い。例えば、操作補助要求利用者が視覚障害者の場合にはロビーアシスタントに対する声紋認証を行い、操作補助要求利用者が視覚障害者以外の場合には静脈認証を行うようにしても良い。このような場合であれば、ロビーアシスタントに係る認証用の生体データとして、複数種類を登録しておくことを要する。
【0084】
上記各実施形態では、店舗内の全てのATMが、操作補助が可能なATMである場合を示したが、店舗内のATMの一部だけを操作補助の実行可能なATMとし、店舗内の営業時間前の店舗全体での立上げ時間を短縮させるようにしても良い。
【0085】
上記各実施形態では、各ATMが電源ON時にダウンロードしてロビーアシスタントデータ18cを保持するものを示したが、認証が必要となったときにその都度データをダウンロードして利用するようにしても良い。
【0086】
また、全てのATMがロビーアシスタントデータ18cを保持するではなく、店舗毎に規定されている1又は複数のATMがダウンロードしてロビーアシスタントデータ18cを保持し、保持していないATMは保持しているATMの保持データを参照して認証するようにしても良い。ロビーアシスタントデータ18cの保持をATMではなく、ATM以外の装置、例えば、店舗内サーバが保持し、各ATMはロビーアシスタントの認証が必要となったときに、店舗内サーバから必要データを取り出して認証するようにしても良い。
【0087】
上記各実施形態では、ロビーアシスタントの認証(データ照合)をATMが実行するものを示したが、店舗内サーバが、ATMからの要求に応じてデータ照合を行い、照合結果をATMに返信するようにしても良く、金融機関サーバが、ATMからの要求に応じてデータ照合を行い、照合結果をATMに返信するようにしても良い。
【0088】
上記各実施形態では、各ATMに対し、サーバからのダウンロードによってロビーアシスタントデータ18cを保持させるものを示したが、カード等の記録媒体を介して、ロビーアシスタントデータ18cを保持させるようにしても良い。また、ロビーアシスタントデータ18cを保持させるタイミングも、ATMのON時に限定されない。例えば、所定時間毎に、ロビーアシスタントデータ18cを更新処理するようにしても良い。
【0089】
上記各実施形態では、ロビーアシスタント全員が操作補助に関して同じレベルの者であったが、ロビーアシスタントをレベル分けするようにしても良い。例えば、残高照会取引や通帳記帳取引等の現金を取り扱うことがない取引の操作補助だけを実行できるロビーアシスタントと、全ての取引の操作補助を実行できるロビーアシスタントとに分け、各レベルのロビーアシスタントに対する認証方法を変えるようにしても良い。
【0090】
上記各実施形態においては、紙幣、硬貨を取り扱うATMを示したが、紙幣だけを取り扱うATMに対しても、本発明を適用することができる。自動取引装置が取り扱う紙葉類は紙幣に限定されず、小切手、証券、証書、チケットなどの他の紙葉類であっても良く、また、クレジットカード等のカードを金銭の移動に利用するものであっても良い。また、本発明に係る自動取引装置は利用者が金銭的価値の投入や移動や排出を行うものであれば良く、例えば、駅等に設置されている遠距離切符(例えば新幹線用切符)の自動販売機や、定期券の新規、継続発行装置等であっても良い。
【符号の説明】
【0091】
1…取引システム、2…ATM、3…金融機関サーバ、10…カード読取部、15…画面部、16…生体読取部、17…装置通信部、18…装置制御部、18a…ロビーアシスタント生体データ登録プログラム、18b…ロビーアシスタント認証ルーチン、18c…ロビーアシスタントデータ、18d…ログデータ、20…顧客データベース、21…顧客データベースアクセス部、22…社員データベース、23…社員データベースアクセス部、24…サーバ通信部、25…サーバ制御部、25a…ロビーアシスタント生体データ登録プログラム、25b…ATM立上げ時ルーチン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作して取引を実行する自動取引装置を備える自動取引システムにおいて、
上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証手段を備えることを特徴とする自動取引システム。
【請求項2】
上記操作補助者認証手段は、上記操作補助者の生体認証を実行するものであることを特徴とする請求項1に記載の自動取引システム。
【請求項3】
上記自動取引装置が、上記操作補助者認証手段を備えると共に、上記操作補助者認証手段が認証時に照合する基準データを格納している基準データ格納手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動取引システム。
【請求項4】
上記基準データのオリジナルを格納しているサーバを有すると共に、
上記自動取引装置は、電源がONされたときに、上記サーバから、基準データをダウンロードさせて上記基準データ格納手段に格納させるON時処理手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の自動取引システム。
【請求項5】
上記操作補助者認証手段は、認証起動操作がなされたときに認証を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動取引システム。
【請求項6】
操作補助者による操作の補助や代行を必要とする利用者か否かを示すフラグを、各利用者について、若しくは、各利用者の取引種類毎に記憶している利用者操作補助フラグ記憶手段を備え、上記操作補助者認証手段は、今対象となっている利用者に係るフラグが、操作補助者による操作の補助や代行を必要とする者であることを表している場合に、操作補助者の認証を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動取引システム。
【請求項7】
上記操作補助者の操作補助者としての職務時間を記憶している職務時間記憶手段を備え、上記操作補助者認証手段は、職務時間外の操作補助者については認証を行うことなく、認証対象から排除することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自動取引システム。
【請求項8】
利用者が操作して取引を実行する自動取引装置において、
上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証手段を備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項9】
上記操作補助者認証手段は、上記操作補助者の生体認証を実行するものであることを特徴とする請求項8に記載の自動取引装置。
【請求項10】
上記操作補助者認証手段が認証時に照合する基準データを格納している基準データ格納手段を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の自動取引装置。
【請求項11】
上記自動取引装置は、電源がONされたときに、上記基準データのオリジナルを格納しているサーバから、基準データをダウンロードさせて上記基準データ格納手段に格納させるON時処理手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の自動取引装置。
【請求項12】
上記操作補助者認証手段は、認証起動操作がなされたときに認証を実行することを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の自動取引装置。
【請求項13】
操作補助者による操作の補助や代行を必要とする利用者か否かを示すフラグを、各利用者について、若しくは、各利用者の取引種類毎に記憶している利用者操作補助フラグ記憶手段を備えたサーバから、上記操作補助者認証手段は、今対象となっている利用者に係るフラグの内容を取り込み、今対象となっている利用者が操作補助者による操作の補助や代行を必要とする者である場合に、操作補助者の認証を行うことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の自動取引装置。
【請求項14】
上記操作補助者の操作補助者としての職務時間を記憶している職務時間記憶手段を備えたサーバから取り込んだ上記職務時間に基づき、上記操作補助者認証手段は、職務時間外の操作補助者については認証を行うことなく、認証対象から排除することを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の自動取引装置。
【請求項15】
利用者が自動取引装置に対して操作して取引を実行する自動取引方法において、
上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証工程を含むことを特徴とする自動取引方法。
【請求項16】
利用者が操作して取引を実行する自動取引装置に搭載されるコンピュータを、上記利用者の操作の補助や代行を行う操作補助者の認証を行う操作補助者認証手段として機能させることを特徴とする自動取引プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−234400(P2012−234400A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103019(P2011−103019)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】