自動変速機の制御装置
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は主変速機と副変速機を備えた自動変速機の制御装置に関する。
[従来の技術]
従来、自動変速機、手動変速機などエンジンの出力回転を変速設定する主変速機と、変速機構を有し、該変速機構の変速段を選択的に達成可能な副変速機からなる変速機、例えば副変速機の変速機構に遊星歯車装置を用い、副変速機の入力軸と遊星歯車装置のサンギアを連結し、副変速機の出力軸と遊星歯車装置のキャリアを連結して設け、サンギアとキャリアの係合および解放を行うクラッチと遊星歯車装置のリングギアの固定および解放を行うブレーキを設け、クラッチを係合し、ブレーキを解放することにより直結段、クラッチを解放し、ブレーキを固定することにより減速段を得るよう設け、クラッチおよびブレーキの係合および解放の切換は、手動操作されるマニュアルシフト弁および車速に対応した油圧により駆動されるローハイ切換弁にてクラッチおよびブレーキの摩擦係合装置の油圧サーボの作動油の切換を行っていた。このローハイ切換弁のクラッチおよびブレーキの摩擦係合装置の油圧サーボへの作動油の切換を行うローハイ切換スプールは、一方端側に主変速機の出力軸回転に応じた油圧(ガバナ圧)を受けるよう設けられ、主変速機の出力軸回転速度が大きいとき直結段から減速段にシフトした時、ローハイ切換スプールが一方端に主変速機の出力軸回転速度に応じた油圧を受けるため減速段の設定を阻止するよう設け、エンジンのオーバーレブを防ぐなど不適確な減速を防ぐよう設けられていた。
[発明が解決しようとする問題点]
例えば上記に示す従来の技術では、ローハイ切換スプールに印加される油圧は主変速機の出力軸回転に応じたガバナ圧により行っていたため、車両走行状態に応じた変速の設定をすることができない問題点を有していた。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、副変速機の入力するトルクに応じて副変速機の切換制御をすることにより良好な変速特性を得ることの容易な自動変速機の制御装置の提供にある。
[問題点を解決するための手段]
本発明の自動変速機の制御装置は、少なくとも車速信号を含む信号によって自動的に複数の変速段に切換えられる主変速機と、該主変速器と直列に連結され手動にて高速段と低速段とを切換可能な副変速機とからなる自動変速機において、前記副変速機の入力トルクを検出する副変速機入力トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記主変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、前記主変速機の各変速段毎に前記副変速機の入力トルク及び車速に応じて前記副変速機の変速許可領域を予め記憶する記憶手段と、前記副変速機が手動により切換えられた時に、前記副変速機入力トルク検出手段及び車速検出手段からの信号と、前記記憶手段に記憶させた各変速段毎の変速許可領域とを比較して変速許可領域内であれば前記副変速機の変速を許可し、変速許可領域外であれば変速を禁止すると共に、前記主変速機が変速中であれば前記副変速機の変速を禁止する変速制御手段とからなる。
[作用および発明の効果]
上記の構成よりなる本発明の自動変速機の制御装置は、主変速機の各変速段毎に副変速機の入力トルク及び車速に応じた副変速機の変速できる変速許可領域を持ち、副変速機が手動により切換えられた時に、副変速機の入力トルクと車速と現在の主変速機の変速段を検出し、検出された副変速機入力トルクと車速と現状の主変速機の変速段の変速許可領域とを比較して変速許可領域内であれば副変速機の変速を許可し、変速許可領域内でなければ変速を禁止している。したがって、副変速機が、現状の主変速機の変速段の変速許可領域と副変速機の入力トルクに応じて切換制御されるので、副変速機の入力するトルクが大きく現状の主変速機の変速段の変速許可領域外であれば、副変速機が高速段から低速段に切換えられても変速を禁止することになり、トルクの変動をそれほど大きくならず変速ショックを防止できる。また、主変速機の各変速段毎に副変速機の変速できる変速許可領域を持つので、主変速機の変速段毎の良好な変速特性を得ることができる。
また、主変速機が変速中である時は副変速機の変速を禁止することにより、主変速機によるトルク変化と副変速機によるトルク変化とが同時に起きないので、トルクの変動が大きくならず良好な変速特性を柄ることができる。
[実施例]
つぎに本発明の自動変速機の制御装置を図に示す一実施例に基づき説明する。
第1図は本実施例の適用される前進4段後進1の4段自動変速機および4輪駆動用副変速機の断面図、第2図は4輪駆動車の概略図を示す。
10は主変速機であるオーバードライブ付4輪自動変速機、50は該主変速機10の遊星歯車変速装置の後部に締結された4輪駆動用副変速機を示す。4輪駆動用副変速機50はエンジンEに装着された主変速機10の出力軸32を入力軸とし、第1出力軸52は後輪駆動用プロペラシャフトCに連結され、第2出力軸54は前輪駆動用プロペラシャフトBに連結される。
主変速機10は、流体式トルクコンバータT、オーバードライブ機構OD、および前進3段後進1段のアンダードライブ機構UDを備える。
トルクコンバータTは、エンジンEの出力軸に連結されたポンプ羽根車11、トルクコンバータTの出力軸12に連結されたタービン羽根車13、一方向クラッチ14を介して固定部分に連結されたステータ15、および直結クラッチ16からなり、トルクコンバータTの出力軸12は、オーバードライブ機構ODの入力軸となっている。
オーバードライブ機構ODは摩擦係合要素である多板クラッチC0、多板ブレーキB0および一方向クラッチF0と、これら摩擦係合要素の選択的係合により構成要素が主変速機ケース20など固定部材に固定されるか、入力軸、出力軸、もしくは他の構成要素に連結されるか、またはこれら固定もしくは連結が解放される遊星歯車装置P0からなる。
遊星歯車装置P0は、前記出力軸12に連結されたキャリア21、オーバードライブ機構ODの出力軸22に連結されたリングギア23、前記入力軸12に回転自在に外嵌されブレーキB0を介して主変速機ケース20に固定されると共に、クラッチC0および該クラッチC0と並列された一方向クラッチF0を介して前記キャリア21に連結されたサンギア24、およびキャリア21に回転自在に支持されると共に前記サンギア24およびリングギア23に歯合したプラネタリピニオン25からなる。
オーバードライブ機構ODの出力軸22は前進3段後進1段のアンダードライブ機構UDの入力軸を兼ねる。
アンダードライブ機構UDは、摩擦係合要素である多板クラッチC1およびC2と、ベルトブレーキB1、多板ブレーキB2およびB3と、一方向クラッチF1およびF2と、前段遊星歯車装置P1と、後段遊星歯車装置P2とからなる。
前段遊星歯車装置P1は、クラッチC1を介して前記出力軸22に連結されたリングギア31と、アンダードライブ機構UDの出力軸32に連結されたキャリア33と、クラッチC2を介して前記出力軸22に連結されると共に、ベルトブレーキB1、該ベルトブレーキB1と並列されたブレーキB2およびブレーキB2と直列された一方向クラッチF1を介して主変速機ケース20に固定されるサンギア34と、前記キャリア33に回転自在に支持されると共にサンギア34およびリングギア31に歯合したプラネタリピニオン35とからなる。
後段遊星歯車装置P2は、ブレーキB3および該ブレーキB3と並列された一方向クラッチF2を介して主変速機ケース20に固定されるキャリア36と、前記前段遊星歯車装置P1のサンギア34と一体的に形成されたサンギア37と、出力軸32に連結されたリングギア38と、キャリア36に回転自在に支持されると共にサンギア37およびリングギア38に歯合したプラネタリピニオン39とからなる。
主変速機10は、主変速機ケース20の下部に締結されたオイルパン40に内蔵され、オイルストレーナ101を下部に配した主油圧制御装置100によりエンジンEのスロットル開度、車両の車速など車両走行状態に応じて摩擦係合要素である各クラッチおよびブレーキの選択的係合または解放が行われ、オーバードライブ(O/D)を含む前進4段の自動変速と、手動変速のみによる後進1段の変速とがなされる。
副変速機50の副変速機ケース51は、出力軸32を入力軸とするよう主変速機ケース20の後部に複数のボルトにより締結され、摩擦係合要素であるクラッチC3、ブレーキB4およびクラッチC4は、遊星歯車装置P1、P2の出力軸32を入力軸とし、該出力軸32に直列的に配された副変速機50の第1出力軸52、前記出力軸32と第1出力軸52との間に配された遊星歯車装置P3、前記第1出力軸52に回転自在に外嵌された4輪駆動用スリーブ53、前記出力軸32に平行して並設された第2出力軸54、前記スリーブ53と前記第2出力軸54との間の伝達機構55を有する。遊星歯車装置P3は出力軸32の端部にスプライン嵌合されたサンギア56、該サンギヤ56と歯合するプラネタリピニオン57、該プラネタリピニオン57と歯合するリングギア58、および前記プラネタリピニオン57を回転自在に保持すると共に前記副変速機50の第1出力軸52の先端に連結されたキャリア59からなる。キャリア59に連結して設けられたシリンダ60の外周側には、パーキングギア61が周設されており、主変速機10のシフトレバー(図示しない)をパーキング位置に選択したとき歯止め62がパーキングギア61に噛み合い第1出力軸52を固定する。
副変速機50は、副変速機ケース51の下部のオイルパン63内に配設された副油圧制御装置400により摩擦係合要素である各クラッチおよびブレーキの選択的係合または解放が行われる。
第3図に主変速機10の主油圧制御装置100を示す。
オイルパン40内に内蔵されたオイルストレーナ101、オイルポンプ102、オイルクーラーO/Cの調圧を行うクーラバイパス弁115、プレッシャリリーフ弁116、レリーズクラッチコントロール弁117、レリーズブレーキコントロール弁118、ロックアップリレー弁120、オイルポンプ102から供給された供給油を調圧して油路1に供給する圧力調整弁(レギュレータ弁)130、主変速機10側への潤滑油供給油路L1および副変速機50側の作動油供給油路L2に供給油を供給する第2圧力調整弁150、カットバック弁160、ロックアップ制御弁170、第1のアキュムレータ制御弁180、第2のアキュムレータ制御弁190、スロットル弁200、油路1に供給されたライン圧を油路2〜6に分割供給するマニュアル弁210、1−2シフト弁220、2−3シフト弁230、3−4シフト弁240、ブレーキB1への供給油圧を調整するインターミィディエイトコーストモジュレータ弁245、油圧サーボB−3への供給油圧を調整するローコーストモジュレータ弁250、クラッチC0の係合を円滑になさしめるアキュムレータ260、ブレーキB0の係合を円滑になさしめるアキュムレータ270、クラッチC2の係合を円滑になさしめるアキュムレータ280、ブレーキB2の係合を円滑になさしめるアキュムレータ290、クラッチC0、C1、C2の油圧サーボC−0、C−1、C−2およびブレーキB0、B1、B2、B3の油圧サーボB−0、B−1、B−2、B−3、供給される圧油の流量を制御するチェック弁付流量制御弁301、303、304、305、306、307、308、309、シャットル弁302、オイルストレーナST1、ST2、ST3、ST4、下述する電子制御装置(コンピュータ)600の出力で開閉され2−3シフト弁230を制御する第1のソレノイド弁S1、1−2シフト弁220および3−4シフト弁240の双方を制御する第2のソレノイド弁S2、前記ロックアップリレー弁120およびロックアップ制御弁170の双方を制御する第3のソレノド弁S3、各弁間およびクラッチ、ブレーキの油圧シリンダを連絡する油路からなる。
オイルパン40からオイルストレーナ101を介して油圧ポンプ102により汲み上げられた作動油は圧力調整弁130で所定の油圧(ライン圧)に調整されて油路1へ供給される。
圧力調整弁130は、図示上方にスプリング131が背設されたスプール132と、該スプール132に当接して直列されたプランジャ138とを有し、スプール132は、上方の油路1Wから前記プランジャ138の上端ランド136に印加されるスロットル圧とスプリング131によるばね荷重とを受け、後進時にはさらに油路5からプランジャ138の下端ランド137に印加されるライン圧を受け、他方からはスプール132の下端ランド133に印加されるライン圧のフィードバック圧を受けて変位し、油路1と油路1Qおよびドレインポート135との連通面積を調整して油路1に車両走行状態に応じたライン圧を出力する。
スロットル弁200は、アクセルペダルの踏み込み量に応じてカム205が回転してスロットルプランジャ201がストロークして該スロットルプランジャ201と図示下方にばね204が配設されたスプール202との間のばね203を介してスプール202を動かし、油路1から供給されたライン圧をスロットル開度に応じたスロットル圧に調圧して油路1Wに出力する。
第2圧力調整弁150は図示上方にスプリング151が背設されたスプール152を備える。スプール152は図示下方から油路1Qの油圧のフィードバックを受け、図示上方から前記スプリング151のばね荷重を受けて変位し、前記油路1Qと潤滑油供給油路1Vとドレインポート155との連通度合を調整し、油路1Qを所定のセカンダリライン圧(トルクコンバータ圧)に調圧すると共に余剰油を油路1Vに供給し、油路1Vより主変速機10の潤滑油路L1と副変速機50側へ作動油の供給を行う油路L2とに分岐されて供給する。
マニュアル弁210は、運転席に設けられたシフトレバーと連結されており、手動操作によりシフトレバーのレンジに応じてP(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、S(セカンド)、L(ロー)の各位置に移動する。
第1のソレノイド弁S1は、非通電時にオリフィス322を介し油路2と連絡した油路2Eにハイレベルのソレノイド圧(ライン圧に等しい)を生じせしめ、通電時には油路2Eの圧油を排出させロウレベルのソレノイド圧を生じる。
第2のソレノイド弁S2は、非通電時にはオリフィス322を介し油路1と連絡した油路1Hにハイレベルのソレノイド圧を生ぜしめ、通電時には油路1Hの圧油を排出させロウレベルのソレノイド圧を生じる。
第3のソレノイド弁S3は、油路2Aとオリフィス342を介して連通した油路2Dに連絡するロックアップリレー弁120の図示上端油室121およびロックアップ制御弁170の図示上端油室171の油圧を制御する。この第3のソレノイド弁S3は、通電時は前記上端油室121、171にハイレベルのソレノイド圧を生ぜしめてスプール122、172を押圧して図示下方に位置させ、非通電時には前記上端油室121、171の圧油を排圧してロウレベルのソレノイド圧に反転され、油路1によるライン圧およびばね123、173の作用でスプール122、172を図示上方に位置させる。
1−2シフト弁220は、図示下方にばね221を背設したスプール222を備え、第2のソレノイド弁S2が非通電され油路1Hにハイレベルのソレノイド油圧が生じているときは図示上端油室224に該ハイレベルのソレノイド圧が入り、該油圧の印加によりスプール222は図示下方に設定されて第1速の位置となり、第2のソレノイド弁S2が通電され油路1Hの圧油が排圧されてロウレベルのソレノイド圧となったときはスプール222は図示上方に設定されて第1速以外の位置が得られる。第3、4速においては油路1および2−3シフト弁230を介して油路1Bと連絡した油路1Cから下端油室223にライン圧が入り、スプール222はソレノイド圧の如何にかからず図示上方に固定される。
2−3シフト弁230は、図示下方にばね231を背設したスプール232を備え、第1のソレノイド弁S1が通電されている時、油路2Eがロウレベルのソレノイド圧となり、スプール232はばね231の作用で図示上方に設定されて第1、2およびR速の位置となり、第1のソレノイド弁S1が非通電されているときは油路2Eにハイレベルのソレノイド圧が生じて油室234に印加され、このソレノイド圧の作用でスプール232は図示下方に設定されて第3、4速の位置となる。油路4にライン圧が供給されたときは、下端油室233にライン圧が供給されスプール232はソレノイド圧の如何にかかわらず図示上方に固定される。
3−4シフト弁240は、図示下方にばね241を背設したスプール242を備え、第2のソレノイド弁S2が非通電されているときは油路1Hを経て上端油室243にハイレベルのソレノイド圧が入り、スプール242は第4速(オーバードライブ)がわである図示下方に設定され、第2のソレノイド弁S2が通電されているときは油路1Hは排圧され、ばね241の作用でスプール242は図示上方に設定される。油路1または油路3、2−3シフト弁230、油路1Aを介して下端油室244にライン圧が供給されているとき、スプール242は該ライン圧およびばね241の作用で図示上方(第4速以外)に固定される。
カットバック弁160は、図示上方から背設されたスプリング161のばね荷重を受け、他方からは油路2Aのライン圧を受けて変位するスプール162を有し、油路2Aにライン圧が供給されると、スプール162は図示上方に設定されてスロットル圧が発生している油路1Wとカットバック圧出力油路1Xとを連通させて該スロットル圧をカットバック圧として出力し、スロットル弁200のスプール202の図示下端ランド207にカットバック圧を印加させ、油路1Wに発生しているスロットル圧をレベルダウンする。このスロットル圧のレベルダウンにより、該スロットル圧を入力油圧とする圧力調整弁130ではスプール132が図示上方に変位し、油路1のライン圧をドレインポート135から排圧してレベルダウンさせる、いわゆるライン圧のカットバックがなされる。
第1のアキュムレータ制御弁180は、図示下方にスプール181を有し、図示上方にスプール181に直列され、ばね182を背設したプランジャ183を有し、スプール181は下方より油路1を介して下端油室184にライン圧を受け、上方よりばね182によるばね荷重と、オリフィス333を介して油路1Mより上端油室185に印加される出力油圧のフィードバックを受けて変位させ、油路1から供給されたライン圧を調圧し、出力油圧として油路1Mから第2のアキュムレータ制御弁190に出力する。
第2のアキュムレータ制御弁190は、図示下方にばね191を背設したスプール192を有し、該スプール192の上端ランド193には上端油室194と中間油室195とを連絡するオリフィス196が形成され、スプール192は、下方よりばね191によるばね荷重と、油路1Wからスプール192の下端ランド197に印加されるスロットルモジュレータ圧を受けており、オリフィス196を介して油路1Mより上端油室194に印加されるフィードバック油圧を受けて変位され、油路1Mから供給された出力油圧が油路1Kを介してアキュムレータ270、280、290の背圧ポート271、281、291より背圧室272、282、292に供給されて各アキュムレータ270、280、290の背圧制御を行うと共に、背圧室272、282、292からの背圧出力油圧は油路1Kを介して上端ランド193に印加され、スプール192が図示下方に設定されて油路1Kとドレインポート199とが中間油室195を介して連通され、油路1Kに供給された背圧出力油圧は排圧される。
マニュアル弁210の駆動のため運転席に設けられた主変速機10のシフトレバー(図示せず)は、P(パーク)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、S(セカンド)、L(ロー)の各レンジの主シフトポジションMpを有し、この主シフトポジションMpの設定レンジと変速段第4速(4)、第3速(3)、第2速(2)、第1速(1)と、クラッチおよびブレーキの作動関係を表1に示す。
表2に主変速機10のシフトレバーのシフト位置における油路1と油路2〜6との連通状態を示す。
つぎにマニュアル弁210の手動シフトによる主油圧制御装置100の作動を説明する。
マニュアル弁210がNレンジまたはPレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路1は油路2〜5のいずれとも連絡せず、表1に示す如く第1のソレノイド弁S1は通電、第2のソレノイド弁S2は非通電されている。このため1−2シフト弁220のスプール222はハイレベルのソレノイド圧の作用で図示下方に位置し、2−3シフト弁230のスプール232はばね231の作用で図示上方に位置され、3−4シフト弁240の下端油室244に油路1Aを介してライン圧を供給するための3−4シフト弁240のスプール242は図示上方に設定されたマニュアル弁210を介さず油路1、3−4シフト弁240、油路1F、チェック弁付流量制御弁301および油路1Eを介して連絡しているクラッチC0のみが係合している。
マニュアル弁210がDレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2にライン圧が供給されてクラッチC1が係合される。
車両の発進時である第1速は表2に示す如く第1のソレノイド弁S1が通電、第2のソレノイド弁S2が非通電され1−2シフト弁220のスプール222は図示下方にあり、ブレーキB1、B2に連絡する油路3B、2Aは排圧され、ブレーキB3に連絡する油路5Cにも油圧が供給されてないのでブレーキB1、B2、B3は解放されると共に、2−3シフト弁230のスプール232は図示上方に設定されているため油路1Bは排圧され、クラッチC0を解放し、3−4シフト弁240の下端油室244に油路1Aを介してライン圧を供給しているためスプール242は図示上方に設定され、油路1、3−4シフト弁240、油路1Fを介してクラッチC0と係合し、油路1Bは排圧されてクラッチC2は解放され、油路1Fにライン圧が供給されているため油路1Dは排圧されてブレーキB0は解放され、上記により第1速走行がなされる。変速時は車両走行状態に応じて予め設定した車速になったとき電子制御装置600の出力で第2のソレノイド弁S2が通電され1−2シフト弁220の上端油室224に印加されたソレノイド圧はロウレベルに反転するので、1−2シフト弁220のスプール222は図示上方に移動し、油路2、1−2シフト弁220、油路2A、チェック弁付流量制御弁308、油路2Bを経て油圧が供給され、ブレーキB2が係合して第2速へのアップシフトが生ずる。
第3速へのアップシフトは電子制御装置600の出力で第1のソレノイド弁S1が非通電され、2−3シフト弁230のスプール232は図示下方に移動し、油路1、2−3シフト弁230、油路1B、シャットル弁302、チェック弁付流量制御弁303、油路1Pを経て油圧が供給されてクラッチC2が係合し、同時に1−2シフト弁220のスプール222は油路1Cから下端油室223に供給されたライン圧により図示上方(第1速以外)に固定される。
第4速へのアップシフトは上記と同様電子制御装置600の出力で第2のソレノイド弁S2が非通電され、油路1Hから3−4シフト弁240の上端油室243に供給されていたソレノイド圧がハイレベルに反転し、3−4シフト弁240のスプール242が図示下方に移動し、油路1Fが排圧されると共に油路1Dに油圧が供給され、チェック弁付流量制御弁305を介して油路1Gに油圧が供給され、クラッチC0が解放されると共にブレーキB0が係合してなされる。
マニュアル弁210がSレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2に加えて油路3にライン圧が供給される。第1、2、3速は上記Dレンジのときと同様のシフトがなされるが、油路1または油路3、2−3シフト弁230、油路1Aを経て3−4シフト弁240の下端油室244にライン圧が入りスプール242は図示上方に設定されるので、第4速へのシフトは阻止される。また第2速においては、前記Dレンジ第2速同様C0、C1、B2にライン圧が供給されると共に油路3から2−3シフト弁230、油路3A、1−2シフト弁220、油路3Dを介してインターミィディエイトコーストモジュレータ弁245にライン圧が供給されるため、インターミィディエイトコーストモジュレータ弁245により調圧された油圧が油路3Bに供給されブレーキB1が係合され、常時ブレーキB2およびブレーキB1の両者が係合する第2速が達成され、Sレンジ第2速はコースト時にエンジンブレーキが働くと共に伝動トルク容量が増大する。
またマニュアル弁210がD位置で第4速の走行中に手動でD−Sシフトを行った場合、前記の如く3−4シフト弁240の下端油室244へのライン圧の導入によりただちに第3速にダウンシフトがなされる。
マニュアル弁210がLレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2、油路3に加えて油路4にもライン圧が供給される。第1、2速は上記Dレンジのときと同様のシフトがなされるが油路4から2−3シフト弁230の下端油室233にライン圧が入り、スプール232を図示上方に固定するので第3速へのシフトは生じない。また第1速は油路4、2−3シフト弁230、油路4A、ローコーストモジュレータ弁250、油路4B、1−2シフト弁220、油路5Cを経て供給される油圧によりブレーキB3を係合させエンジンブレーキが効くようになされている。また第2速ではマニュアル弁210がSレンジにシフトされているときと同じである。また第3速状態で走行中Lレンジに手動シフトしたときは、前記2−3シフト弁230の下端油室233へのライン圧の導入によりただちに第2速へダウンシフトがなされ、予定した速度まで減速した時点で電子制御装置600の出力が第2のソレノイド弁S2を通電させ、2−1ダウンシフトを生じさせる。
マニュアル弁210がRレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2、3、4は排圧されて油路5に油圧が供給される。クラッチC1およびブレーキB1、B2に連絡する油路2、3にはライン圧が供給されていないためクラッチC1およびブレーキB1、B2は解放されている。油路5に供給された油圧は、シャットル弁302、チェック弁付流量制御弁303、油路1Pを介してクラッチC2を係合し、1−2シフト弁220は、油路1Cを介して下端油室223にライン圧が供給されているため、スプール222は図示上方に設定され、油路5Cにライン圧が供給されてブレーキB3が係合される。第1のソレノイド弁S1が通電されているため2−3シフト弁240の上端油室243のソレノイド圧はロウレベルであり、スプール232は図示上方に設定され、油路1、2−3シフト弁230、油路1Aを介して3−4シフト弁240の下端油室244にライン圧が供給され、スプール242は上方に設定されて油路1より3−4シフト弁240を介して油路1Fにライン圧が供給されてクラッチC0を係合させ、ブレーキB0に連絡する油路1Dが排圧されているため、ブレーキB0は解放され、リバース(後退)走行がなされる。
マニュアル弁210がDまたはSの各レンジにシフトされ、油路2にライン圧が生じ、且つ1−2シフト弁220が図示上方(第1速以外)に設定されている場合は、油路2Aにライン圧が生じ、ロックアップリレー弁120の上端油室121に油路2Dを介して供給される。このライン圧と共に電子制御装置600の出力により第3のソレノイド弁S3が通電され上端油室121の油圧がハイレベルとなっているとき、ロックアップリレー弁120のスプール122は図示下方に動かされ油路1Qと油路6Bが連絡し、トルクコンバータT内に設けられた直結クラッチ16は油圧により係合し、トルクコンバータTは直結状態となる。油路2Aにライン圧が生じないかまたは油路2Aにライン圧が生じても電子制御装置600の出力により第3のソレノイド弁S3は非通電され、上端油室121にロウレベルのソレノイド圧が生じているときは、油路1から下端油室124に供給されるライン圧の作用でスプール122は図示上方に位置する。スプール122が図示上方に位置している間は油路1Qは油路1Rに連絡しており、トルクコンバータT内に設けられた直結クラッチ16は解放されている。なおスプール122が図示上方に設定されている時(ロックアップ状態ではない時)、トルクコンバータTより油路1Sに供給されたセカンダリライン圧(トルクコンバータ圧)はロックアップリレー弁120、油路1Tを介してオイルクーラーO/Cに供給され、スプール122が図示下方に設定されている時(ロックアップ状態の時)、油路1Qからスリーブ125に設けられたオリフィス127より油路1Tを介してオイルクーラーO/Cに供給されると共に油路1からロックアップリレー弁120のスリーブ125に形成されたオリフィス126より油路1U、1Tを介してオイルクーラーO/Cに供給される。
第4図に4輪駆動用副変速機50の副油圧制御装置400を示す。
主変速機10の主油圧制御装置100の油路6により供給された供給油を運転席に設けられたシフトレバーにより油路7および油路8に供給するトランスファマニュアル弁410、リレーバルブ420、クラッチC3とブレーキB4の係合を切換るインヒビタ弁440、第3のアキュムレータ制御弁460、シフトタイミング弁470、ブレーキB4の係合を円滑になさしめるオリフィスコントロールバルブ480、クラッチC3の係合を円滑になさしめるアキュムレータ490、ブレーキB4の係合を円滑になさしめるアキュムレータ500、クラッチC3、C4およびブレーキB4の油圧サーボC−3、C−4、B−4、供給される圧油の流量を制御するチェック弁付流量制御弁511、512、513、オイルストレーナST5、ST6、下述する電子制御装置600の出力で開閉される第4のソレノイド弁S4、並びに各弁間およびクラッチ、ブレーキの油圧シリンダを連絡する油路からなる。
トランスファマニュアル弁410は、運転席に設けられるシフトレバー(図示せず)に連結されたスプール411を有し、前記主変速機10の主油圧制御装置100の油路6に連絡するインポート412、油路7に連絡するアウトポート413、油路8に連絡するアウトポート414、ドレインポート415、416を有する。トランスファマニュアル弁410は、スプール411が2輪駆動直結(H2)位置に設定されたとき油路6と油路7とを連絡すると共に油路8をドレインポート416に連絡し、4輪駆動直結(H4)位置に設定されたとき油路6と油路7および油路8とを連絡し、4輪駆動減速(L4)位置に設定されたとき油路6と油路8とを連絡すると共に油路7をドレインポート415に連絡する。
リレーバルブ420は、スプール421と該スプール421と直列されたプランジャ422を有し、スプール421はいずれも同一径でスプリング423が背設された図示上端ランド424と図示下端ランド425を有する。プランジャ422は前記スプール421のランドと同径の図示上端ランド426と該上端ランド426より大径の図示下端ランド427を有する。これらスプール421およびプランジャ422により、図示上端油室431、上端ランド424と下端ランド425の間の第1中間油室432、スプール421とプランジャ422との間の第2中間油室433、上端ランド426と下端ランド427との間の第3中間油室434、および下端油室435が形成されている。
このリレーバルブ420は、下端油室435に油圧が油路6Aより供給され、スプール421とプランジャ422が図示上方に設定されたときは、油路7とライン圧供給油路7Aが第1中間油室432を介して連絡し、トランスファマニュアル弁410の切換によりインヒビタ弁440の下端油室456へのライン圧の給排が可能となり、油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、トランスファマニュアル弁410によりインヒビタ弁440の下端油室456へライン圧が供給されたときは、第2中間油室433にフィードバック圧が供給されるためスプール421は図示上方に固定される。このとき電子制御装置600の出力によりソレノイド弁S4が通電され、油圧が下端油室435から排圧された場合、プランジャ422は図示下方に設定されるが、スプール421は図示上方に固定されたままとなり、インヒビタ弁440の下端油室456へライン圧が供給された状態を維持する。この状態よりトランスファマニュアル弁410により油路7のライン圧が排圧されたとき、または油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、トランスファマニュアル弁410によりインヒビタ弁440の下端油室456からライン圧が排圧された状態で電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が通電され、油圧が下端油室435から排圧されたとき、スプール421とプランジャ422はスプリング432の力で図示下方に設定され、ライン圧供給油路7Aは第1中間油室432を介してドレインポート436に連絡する。スプール421が図示下方に設定されているとき、トランスファマニュアル弁410によるインヒビタ弁440の下端油室456へのライン圧の給排はなされず排圧されたままとなり、インヒビタ弁440のスプール441とプランジャ442は図示下方に設定される。
インヒビタ弁440は、第1の設定位置(図示下方)と第2の設定位置(図示上方)とを有し、第4図に示す如く、図示上方から第1の設定位置(図示下方)と第2の設定位置(図示上方)との移動によりクラッチC3の油圧サーボC−3、ブレーキB−4の油圧サーボB−4へのライン圧油の給排を行う切換弁であるスプール441および該スプール441と直列され、第1の設定位置(図示下方)と第2の設定位置(図示上方)とを有し、第2の設定位置(図示上方)に付勢された時、スプール441を第2の設定位置とするプランジャ442を有し、スプール441はいずれも同一径でスプール441を第1の設定位置に付勢する手段であるスプリング450が背設された図示上端のスリーブ状ランド445と図示下端ランド447、および中間ランド446を有する。プランジャ442は前記スプール441のランドと同一径の図示上端ランド448と、該上端ランド448より大径の下端ランド449を有する。これらスプール441およびプランジャ442により、上端油室451、スリーブ状ランド445と中間ランド446と下端ランド447の間の第1および第2中間油室452、453、スプール441とプランジャ442との間の油室454、および下端油室456が形成されている。
このインヒビタ弁440は、スプール441が図示下方に設定されたときには、上端油室451はスリーブ状ランド445の油口443を介して油路6Aと連通し、第1中間油室452はライン圧油路6と減速用油路6Bを連絡し、第2中間油室453は直結用油路6Cとドレインポート457を連絡し、スプール441が図示上方に設定されたときは上端油室451はスリーブ状ランド445の油口443を介してドレインポート458と連通し、第1中間油室452は減速用油路6Bとドレインポート459を連絡し、第2中間油室453は油路6と直結用油路6Cを連絡し、また油室454は常時スプール441を第2の設定位置(図示上方)に付勢すると共にプランジャ442を第1の設定位置(図示下方)に付勢する第4のソレノイド弁S4の信号に対応した油圧を発生する油路6Aと連絡し、下端油室456は常時プランジャ442を第2の設定位置(図示上方)に付勢する。
オリフィスコントロールバルブ480は、油路6Bに供給された作動油を調圧して油圧サーボB−4に供給する制御弁で、図示上方へスプリング481で付勢された図示上方より上端ランド482、中間ランド483、下端ランド484を有したスプール485を有し、図示上方に上端油室486、上端ランド482と中間ランド483の間に上側油室487、中間ランド483と下端ランド484の間に下側油室488、スプリング481を内包する下端油室489が形成され、スプール485には上側油室487と下側油室488とを連通するオリフィス483Aが設けられている。
上端油室486は主油圧制御装置100の油路1Wと連通され、スプール485は上端油室486に加わるスロットル開度に応じた油圧とスプリング481により調整され、油路6Bに供給されたライン油圧を油路6Bの流通路に設けられたオリフィス6a、6bを選択して油圧サーボB−4に供給するように設けられている。
第4のソレノイド弁S4は、シフトレバー(図示しない)の設定位置をL4(4輪駆動減速)レンジに設定し、且つ車両走行状態が定められた許可域内である時に限り非通電から通電され、シフトレバーの設定位置をH2(2輪駆動直結)、H4(4輪駆動直結)レンジに設定し、且つ車両走行状態が定められた許可域内である時に限り通電から非通電されるよう電子制御装置600により制御され、非通電時にオリフィス514を介し油路2と連絡した油路6Aにハイレベルのソレノイド圧(ライン圧に等しい)を生じせしめ、通電時には油路6Aの圧油を排出させ、ロウレベルのソレノイド圧を生じる。
トランスファマニュアル弁410の駆動のために運転席に設けられた副変速機50のシフトレバーは、H2(2輪駆動直結)、L2(2輪駆動減速)、H4(4輪駆動直結)、L4(4輪駆動減速)の各レンジの副シフトポジションSpを有し、この副シフトポジションSpの設定レンジとブレーキB4、クラッチC3およびC4の係合および解放と車両の走行状態の作動関係を表3に示す。
表4に副変速機のシフト位置における油路6と油路7、8との連通状態を示す。
つぎに副変速機50の各設定レンジにおける作動を説明する。
A)トランスファマニュアル弁410がH2レンジに設定されたとき。
表4に示す如く油路7にライン圧が供給され、油路8が排圧されている。油路8が排圧されているので、油圧サーボC−4の排圧によってクラッチC4は解放され、スリーブ53には動力が伝達されず、2輪駆動状態とされる。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が非通電の時、リレーバルブ420の下端油室435にハイレベルのソレノイド圧が供給されているため、スプール421とプランジャ422は図示上方に設定され、油路7とライン圧供給油路7Aがリレーバルブ420を介して連絡し、インヒビタ弁440の下端油室456にライン圧信号が供給される。これによりインヒビタ弁440のスプール441およびプランジャ442は第2の設定位置(図示上方)に設定され、油路6Bはドレインポート459に連絡して排圧され、油圧サーボB−4は排圧されてブレーキB4が解放される。油路6Cはインヒビタ弁440のスプール441、プランジャ442が第2の設定位置(図示上方)に設定しているため油路6に連絡し、第3のアキュムレータ制御弁460を介して油路6Dに連絡し、油圧サーボC−3にライン圧を供給してクラッチC3を係合させる。したがって副変速機50はH2(2輪駆動直結状態)になる。
この時、リレーバルブ420の第2中間油室433にライン圧供給油路7Aよりフィードバック圧が供給されるためスプール421は図示上方に固定され、第4のソレノイド弁S4が通電されて下端油室435にローレベルのソレノイド圧が供給されても、プランジャ422のみが図示下方に設定され、スプール421は図示上方に設定されたままとなり、インヒビタ弁440の下端油室456へライン圧信号が供給されている。したがって副変速機50は第4のソレノイド弁S4が通電されてもH2(2輪駆動直結状態)を維持する。
B)トランスファマニュアル弁410がH4レンジに設定されたとき。
表4に示す如く油路7および油路8の双方へライン圧が供給される。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が非通電の時、リレーバルブ420の下端油室435にハイレベルのソレノイド圧が供給されているため、スプール421とプランジャ422は図示上方に設定され、油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、インヒビタ弁440の下端油室456にライン圧が供給される。これによりインヒビタ弁440のスプール441およびプランジャ442は第2の設定位置(図示上方)に設定され、油路6Bはドレインポート459に連絡して排圧され、油圧サーボB−4は排圧されてブレーキB4が解放される。油路6Cはインヒビタ弁440のスプール441、プランジャ442が第2の設定位置(図示上方)に設定しているため油路6に連絡し、第3のアキュムレータ制御弁460を介して油路6Dに連絡し、油圧サーボC−3にライン圧を供給しクラッチC3を係合させている。また油路8へ供給されたライン圧は油圧サーボC−4に供給され、クラッチC4を係合する。これにより副変速機50はH4(4輪駆動直結状態)になる。
この時、リレーバルブ420の第2中間油室433にライン圧供給油路7Aよりフィードバック圧が供給されるため、スプール421は図示上方に固定され、第4のソレノイド弁S4が通電されて下端油室435にローレベルのソレノイド圧が供給されてもプランジャ422のみが図示下方に設定され、スプール421は図示上方に設定されたままとなり、インヒビタ弁440の下端油室456へライン圧を供給し、副変速機50はH4(4輪駆動直結状態)を維持する。
C)トランスファマニュアル弁410がL4レンジに設定されたとき。
表4に示す如く油路7が排圧され、油路8にライン圧が供給される。これによりリレーバルブ420の設定如何にかかわらず油路7、7Aが排圧され、油路8にライン圧が供給されるためクラッチC4は係合されて4輪駆動状態が維持される。
高速段(H2、H4)よりL4レンジに設定されたときに第4のソレノイド弁S4が電子制御装置600の出力により非通電とされているときは、油路6Aよりインヒビタ弁440の油室454にハイレベルのソレノイド圧が供給され、下端油室456へ供給されていたライン圧が油室7A、リレーバルブ420、油路7およびトランスファマニュアル弁410を介して排圧されるので、油路454に印加されるライン圧によってインヒビタ弁440のプランジャ442は第1の設定位置(図示下方)に設定されるが、インヒビタ弁440のスプール441は第2の設定位置(図示上方)に設定されたままとなりH4(4輪駆動直結状態)とされる。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4がトランスファマニュアル弁410をL4レンジに設定されたときに通電状態の時、またはトランスファマニュアル弁410がL4状態で第4のソレノイド弁S4が非通電から通電されたとき、油路6Aはローレベルのソレノイド圧とされるので、インヒビタ弁440のスプール441はスプリング450の作用で第1の設定位置(図示下方)に設定される。これにより油路6と油路6Bがインヒビタ弁440を介して連絡し、ブレーキB4の油圧サーボB−4にオリフィス6a、オリフィス6bまたはオリフィスコントロールバルブ480を介してライン圧を供給し、油路6Cがインヒビタ弁440の第1中間油室452を介してドレインポート457に連絡して排圧され、クラッチC3の油圧サーボC−3の油圧が排圧される。これにより副変速機50はL4(4輪駆動減速状態)となる。いったんL4(4輪駆動減速状態)とされた後、第4のソレノイド弁S4が非通電とされても油路6Aがハイレベルのソレノイド圧とされると、インヒビタ弁440の油室454に印加されるが同時にスプール441のスリーブ状ライン445の油口443を介して上端油室451にハイレベルのソレノイド圧が印加されるため、スプール441は変位せずにL4(4輪駆動減速状態)が保たれる。
D)副変速機50が4輪駆動減速状態でトランスファマニュアル弁410がL4レンジからH2またはH4レンジに設定されたとき。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が通電状態のとき、リレーバルブ420の下端油室435から油圧が排圧され、スプリング423の力でスプール421とプランジャ422は図示下方に設定されているため油路7と油路7Aは上端ランド424に連通が阻止され、インヒビタ弁440の下端油室456は排圧された状態とされるので、インヒビタ弁440のスプール441とプランジャ442はスプリング450の力で図示下方に設定され、クラッチC3が解放され、ブレーキB4が係合するため、副変速機50はL2(2輪駆動減速状態)またはL4(4輪駆動減速状態)となるが、電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が非通電とされることにより、上述の如くリレーバルブ420の下端油室435にハイレベルのソレノイド圧が供給されるため、スプール421とプランジャ422は図示上方に設定され、油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、インヒビタ弁440の下端油室456にライン圧が供給され、スプール441およびプランジャ442は第2の設定位置(図示上方)に設定される。これにより油路6Bはドレインポート459に連絡して排圧され、これによりブレーキB4は解放され、油路6Cはインヒビタ弁440のスプール441、プランジャ442が第2の設定位置(図示上方)に設定されるため油路6に連絡し、第3のアキュムレータ制御弁460を介して油路6Dに連絡しクラッチC3を係合させ、副変速機50はH2(2輪駆動直結)またはH4(4輪駆動直結)となる。
第5図から第15図に自動変速機の制御装置を示す。
第5図および第6図は電子制御装置のブロック図を示す。
主油圧制御装置100および副油圧制御装置400のソレノイド弁S1〜S4の通電制御を行なう電子制御装置600は、アクセル量を検出するスロットル開度センサ601、副変速機50の出力軸回転速度から検出した信号を車速に変換する車速センサ602、副変速機50の入力軸である主変速機10の出力軸32の回転速度を検出する主変速機出力軸回転速度センサ603、運転者の選択により、例えばエコノミー・ノーマル・パワーなど変速パターンの切換設定を行うパワーセレクトスイッチ604、ブレーキランプスイッチ605、主変速機10の設定レンジの位置(Mp)を検出する主変速機シフトレバー位置センサ606、副変速機50の設定レンジの位置(Sp)を検出する副変速機シフトレバー位置センサ607、エンジンEのクランク軸よりエンジンの出力トルク(=主変速機10の入力トルク)の検出を行うエンジン出力トルク検出センサ608、これら車両走行状態からの入力ポートであるとともにソレノイド弁S1〜S4への出力ポートであるI/Oポート609、中央演算処理装置CPU、変速点処理を行なうランダムアクセスメモリRAM、変速点やロックアップ点などの変速パターンのデータを記憶しているリードオンリメモリROMからなる。
第7図に示すフローチャートに基づき変速制御の説明をする。
車両の図示しないイグニッションスイッチをONし、車両のエンジンEを始動させる。スロットル開度センサ601、車速センサ602、主変速機出力軸回転速度センサ603、パワーセレクトスイッチ604、ブレーキランプスイッチ605、主変速機シフトレバー位置センサ606および副変速機シフトレバー位置センサ607、エンジン出力トルク検出センサ608など車両走行状態の読込みを行う(701)。現在の主変速機10のシフトポジションMpがP(パーキング)レンジに設定されているか否かの判断を行う(702)。YES(シフトポジションMpがPレンジに設定されている)の場合は、ソレノイド弁S1、S2、S3を非通電(表示0)とする出力を生じ(703)、(704)へ進む。NO(シフトポジションMpがPレンジに設定されていない時)の場合は、シフトポジションMpがR(リバース)レンジに設定されているか否かの判断を行う(705)。YES(シフトポジションMpがRレンジに設定されている時)の場合は(703)へ進み、NO(シフトポジションMpがRレンジに設定されていない時)の場合は、シフトポジションMpがN(ニュートラル)レンジに設定されているか否かの判断を行なう(706)。YES(シフトポジションMpがNレンジに設定されている時)の場合は(703)へ進み、NO(シフトポジションMpがNレンジに設定されていない時)の場合は、パワーセレクト位置PSがパワーPに設定されているか否かの判断を行う(707)。YES(パワーセレクト位置PSがパワーPに設定されている時)の場合は、変速点が高めに設定された変速パターンにより変速制御されるパワー走行がなされ(708)、その後に(704)へ進む。NO(パワーセレクト位置PSがパワーPに設定されていない時)の場合は、パワーセレクト位置PSがエコノミーEに設定されているか否かの判断を行う(709)。YES(パワーセレクト位置PSがエコノミーEに設定されている時)の場合は、変速点が低めに設定された変速パターンにより変速制御されるエコノミー走行がなされ(710)、その後に(704)へ進む。NO(パワーセレクト位置PSがエコノミーEに設定されておらず、ノーマルに設定されている時)の場合は、ブレーキランプスイッチ605がONされているか否かの判断を行う(711)。YES(ブレーキランプスイッチ605がONされている時)の場合は、変速点が高めに設定された変速パターンにより変速制御されるノーマルブレーキランプ通電走行がなされ(712)、その後(704)へ進む。NO(ブレーキランプスイッチ605がOFFされている時)の場合は、本実施例では副変速機50の変速段を検出する変速段の検出手段としての第4のソレノイド弁S4の通電状態により判断するものとし(ソレノイド弁S4が通電状態(表示1)であれば減速状態、非通電(表示0)であれば直結状態であると判断する)、ソレノイド弁S4が通電状態であるか否かの判断を行う(713)。0(第4のソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時の変速パターンにおいて第1速領域内であるか否かの判断を行う(714)。YES(第1速領域内の時)の場合は、ソレノイド弁S1のみを通電(表示1)し、ソレノイド弁S2、S3を非通電とする出力を生じさせ(715)、その後(704)へ進む。NO(第1速領域外の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時の変速パターンにおいて第2速領域内であるか否かの判断を行う(716)。YES(第2速領域内の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで副変速機50の変速段が直結状態の時のロックアップ点において第2速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(717)、YES(第2速の直結クラッチ係合領域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない)か1(ロックアップ禁止フラッグが立っている)かの判断を行い(718)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1、S2、S3を通電とする出力を生じ(719)、(718)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は、ソレノイド弁S1、S2を通電、S3を非通電の出力を生じ(720)、(704)へ進む。(717)がNO(第2速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(720)へ進む。(716)がNO(第2速領域外の時)の場合は、シフトポジションMpがL(ロー)レンジに設定されているか否かの判断を行う(721)。YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、第1速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行い(722)、YES(第1速へのシフトダウンの領域内の時)の場合は(715)へ進み、(722)がNO(第1速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(720)へ進む。(721)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時の変速パワーにおいて第3速領域内であるか否かの判断を行う(723)。YES(第3速領域内の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時のロックアップ点において第3速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(724)、YES(第3速の直結クラッチ係合等域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(725)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S2、S3を通電、S1を非通電の出力を生じ(726)、(725)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は、ソレノイド弁S2を通電、S1、S3を非通電の出力を生じ(727)、(704)へ進む。(724)がNO(第3速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(727)へ進む。(723)がNO(第3速領域外の時)の場合、シフトポジションMpがS(セカンド)レンジに設定されているか否かの判断を行う(728)。YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、第2速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行い(729)、YES(第2速へのシフトダウン領域内の時)の場合は(722)へ進み、(729)がNO(第2速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(727)へ進む。(728)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合、すなわち車両走行状態が第4速領域内の時は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時のロックアップ点において、第4速直結クラッチ係合領域であるか否かの判断を行い(730)、YES(第4速の直結クラッチ係合領域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(731)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S3を通電、S1、S2を非通電の出力を生じ(732)、1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は、ソレノイド弁S1、S2、S3に非通電の出力を生じ(733)、(704)へ進む。(730)がNO(第4速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(733)へ進む。(713)が1(ソレノイド弁S4が通電されている時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時の変速パターンにおいて第1速領域内であるか否かの判断を行う(734)。YES(第1速領域内の時)の場合は(715)へ進み、NO(第1速領域外の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時の第2速領域内であるか否かの判断を行う(735)。YES(第2速領域内の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時のロックアップ点において第2速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(736)、YES(第2速の直結クラッチ係合領域内の時)の場合はロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(737)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、(719)へ進み、(737)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は(720)へ進む。(736)がNO(第2速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(720)へ進む。(735)がNO(第2速領域外の時)の場合は、シフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(738)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、第1速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行い(739)、YES(第1速へのシフトダウン領域内の時)の場合は(715)へ進み、(739)がNO(第1速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(720)へ進む。(738)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、シフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行う(740)。YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、第2速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行ない(741)、YES(第2速へのシフトダウン領域内の時)の場合は(739)へ進み、(741)がNO(第2速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(727)へ進む。(740)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時のロックアップ点において第3速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(742)、YES(第3速の直径クラッチ係合領域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(743)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は(726)へ進み、(743)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は(727)へ進む。(742)がNO(第3速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(727)へ進む。(704)は副変速機50の変速に伴う制御を行うトランスファ変速処理800である。
第8図および第9図に示すフローチャートに基づきトランスファ変速処理800の変速制御を説明する。
第8図はトランスファ変速処理800により副変速機50の変速段の直結段から減速段へ変速する変速制御を示す。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であると判断して減速状態変速制御800Bへ進む。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であるとして直結状態変速制御800Aを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802A)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合はリターンし、(802A)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、副変速機50の変速段を運転者が直結段から減速段に切換えたと判断し、主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803A)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803A)がYES(主変速機10が変速を開始してからの時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804A)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805A)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807A)、NO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合はリターンし、(807A)がYES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第10図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a内)であるか否かの判断を行い(808A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θa以下であるか否かの判断を行い(809A)、YES(スロットル開度θが設定開度θa以下の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0(ハイローシフトフラッグが立っていない)か1(ハイローシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ハイローシフトフラッグをとする(811A)。次にソレノイド弁S4を通電とする出力を生じ(812A)、ソレノイド弁S4が通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまでの設定時間T8が経過したか否かの判断を行う(813A)。YES(設定時間T8が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が通電されて副変速機50の変速段が減速段へ変速が終了されるまでの設定時間T4(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814A)、YES(設定時間T4が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816A)、ハイローシフトフラッグを0とし(817A)、リターンする。(814A)がNO(設定時間T4が経過していない時)の場合は、設定時間T4中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818A)。(813A)がNO(設定時間T8が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(819A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、ソレノイド弁S4の非通電の出力を生じ(820A)、(815A)へ進む。(810A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(813A)へ進む。(809A)がNO(スロットル開度θが設定開度θaを越える時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0かの判断を行い(821A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822A)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(823A)、スロットル開度θが設定開度θaを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T7{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824A)、YES(設定時間T7が経過している時)の場合は(810A)へ進み、(824A)がNO(設定時間T7が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(825A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827A)、リターンする。(821A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(808A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(829A)、リターンする。(828A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(806A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第10図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a内)であるか否かの判断を行い(830A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(804A)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(831A)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(832A)、(831A)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(833A)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(834A)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(834A)がYES(設定時間T6が経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(835A)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(836A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(837A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(838A)、0(ソレノイド弁S1は非通電の時)の場合は、変速段が第3速であると判断してリターンし、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(839A)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第11図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠b内)であるか否かの判断を行い(840A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(840A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(839A)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が、第11図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠c内)であるか否かの判断を行い(841A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(841A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(837A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第11図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠b内)であるか否かの判断を行い(842A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(835A)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(843A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(844A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(845A)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(846A)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d内)であるか否かの判断を行い(847A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(847A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(846A)が1(ソレノイド弁S2が通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠e内)であるか否かの判断を行い(848A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(848A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(845A)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(849A)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠f内)であるか否かの判断を行い(850A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(849A)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828A)へ進む。(844A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d内)であるか否かの判断を行い(851A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。
第9図はトランスファ変速処理800により副変速機の変速段を減速段から直結段へ変速する変速制御を示す。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であると判断して直結状態変速制御800Aへ進む。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であるとして減速状態変速制御800Bを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802B)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合はリターンし、(802B)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、副変速機50の変速段の運転者が減速段から直結段に切換えたと判断し、主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803B)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803B)がYES(主変速機10が変速を開始してから設定時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804B)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805B)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807B)、YES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第13図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g内)であるか否かの判断を行い(808B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θb以下であるか否かの判断を行い(809B)、YES(スロットル開度θが設定開度θb以下の時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0(ローハイシフトフラッグが立っていない)か1(ローハイシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ローハイシフトフラッグを1とする(811B)。次にソレノイド弁S4を非通電とする出力を生じ(812B)、ソレノイド弁S4が非通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまでの設定時間T9が経過したか否かの判断を行う(813B)。YES(設定時間T9が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が非通電とされてから副変速機50が直結段へ変速が終了されるまでの設定時間T5(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814B)、YES(設定時間T5が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816B)、ローハイシフトフラッグを0とし(817B)、リターンする。(814B)がNO(設定時間T5Tが経過していない時)の場合は、設定時間T5中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置の100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818B)。(813B)がNO(設定時間T9が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(819B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、ソレノイド弁S4の通電の出力を生じ(820B)、(815B)へ進む。(810B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(813B)へ進む。(809B)がNO(スロットル開度θが設定開度θbを越える時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(821B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822B)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(823B)、スロットル開度θが設定開度θbを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T10{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824B)、YES(設定時間T10が経過している時)の場合は(810B)へ進み、(824B)がNO(設定時間T10が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(825B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827B)、リターンする。(821B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(808B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグが0とし(829B)、リターンする(828B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(807B)がNO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第13図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠h内)であるか否かの判断を行い(830B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(806B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第13図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g内)であるか否かの判断を行い(831B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(804B)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(823B)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(833B)、(832B)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(834B)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(835B)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(835B)がYES(設定時間Tが経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(836B)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(837B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(838B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(839B)、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(840B)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i内)であるか否かの判断を行い(841B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、(841B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(840B)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠j内)であるか否かの判断を行い(842B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(842B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(839B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ第3速の非通電許可領域内(図中斜線枠k内)であるか否かの判断を行い(843B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(843B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。838Bが1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i内)であるか否かの判断を行い(844B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、(844B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(836B)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(845B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(846B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(847B)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(848B)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l内)であるか否かの判断を行い(849B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(848B)が1(ソレノイド弁SLが通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠m内)であるか否かの判断を行い(850B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(850B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(847B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(851B)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠n内)であるか否かの判断を行い(852B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(851B)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828B)へ進む。(846B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l内)であるか否かの判断を行い(853B)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。
第16図から第23図に本発明の自動変速機の制御装置の実施例を示す。
第16図および第17図は電子制御装置のブロック図を示す。
本実施例は前述の自動変速機の制御装置のエンジン出力トルク検出センサ608に変わり、主変速機10の出力軸32の出力トルクの検出(=副変速機50の入力トルク)を行う副変速機入力トルク検出センサ608Aを設けたもので、前述の自動変速機の制御装置のトランスファ変速処理800のフローチャート(第8図および第9図)を用いて説明する。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であると判断して減速状態変速制御800Bへ進む。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であるとして直結状態変速制御800Aを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802A)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合はリターンし、(802A)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、副変速機50の変速段を運転者が直結段から減速段に切換えたと判断し、主変速機10が変速に開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803A)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803A)がYES(主変速機10が変速を開始してからの時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804A)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805A)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807A)、NO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合はリターンし、(807A)がYES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第18図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a1内)であるか否かの判断を行い(808A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θa以下であるか否かの判断を行い(809A)、YES(スロットル開度θが設定開度θa以下の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0(ハイローシフトフラッグが立っていない)か1(ハイローシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ハイローシフトフラッグを1とする(811A)。次にソレノイド弁S4を通電とする出力を生じ(812A)、ソレノイド弁S4が通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまでの設定時間T8が経過したか否かの判断を行う(813A)。YES(設定時間T8が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が通電されて副変速機50の変速段が減速段へ変速が終了されるまでの設定時間T4(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814A)、YES(設定時間T4が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816A)、ハイローシフトフラッグを0とし(817A)、リターンする。(814A)がNO(設定時間T4が経過していない時)の場合は、設定時間T4中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818A)。(813A)がNO(設定時間T8が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(819A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、ソレノイド弁S4の非通電の出力を生じ(820A)、(815A)へ進む。(810A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(813A)へ進む。(809A)がNO(スロットル開度θが設定開度θaを越える時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0か1かの判断を行い(821A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822A)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(823A)、スロットル開度θが設定開度θaを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T7{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824A)、YES(設定時間T7が経過している時)の場合は(810A)へ進み、(824A)がNO(設定時間T7が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(825A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827A)、リターンする。(821A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(808A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(829A)、リターンする。(828A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(806A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第18図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a1内)であるか否かの判断を行い(830A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(804A)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(831A)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(832A)、(831A)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(833A)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(834A)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(834A)がYES(設定時間T6が経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(835A)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(836A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(837A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(838A)、0(ソレノイド弁S1は非通電の時)の場合は、変速段が第3速であると判断してリターンし、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(839A)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第19図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠1b内)であるか否かの判断を行い(840A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(840A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(839A)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が、第19図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠c1内)であるか否かの判断を行い(841A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(841A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(837A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第19図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠1b内)であるか否かの判断を行い(842A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(835A)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(843A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(844A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(845A)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(846A)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d1内)であるか否かの判断を行い(847A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(847A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(846A)が1(ソレノイド弁S2が通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠e1内)であるか否かの判断を行い(848A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(848A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(845A)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(849A)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠f1内)であるか否かの判断を行い(850A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(849A)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828A)へ進む。(844A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d1内)であるか否かの判断を行い(851A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。
第9図はトランスファ変速処理800により副変速機の変速段を減速段から直結段へ変速する変速制御を示す。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であると判断して直結状態変速制御800Aへ進む。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であるとして減速状態変速制御800Bを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802B)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合はリターンし、(802B)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、副変速機50の変速段の運転者が減速段から直結段に切換えたと判断し、主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803B)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803B)がYES(主変速機10が変速を開始してから設定時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804B)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805B)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807B)、YES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第21図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g1内)であるか否かの判断を行い(808B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θb以下であるか否かの判断を行い(809B)、YES(スロットル開度θが設定開度θb以下の時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0(ローハイシフトフラッグが立っていない)か1(ローハイシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ローハイシフトフラッグを1とする(811B)。次にソレノイド弁S4を非通電とする出力を生じ(812B)、ソレノイド弁S4が非通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまての設定時間T8が経過したか否かの判断を行う(813B)。YES(設定時間T8が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が非通電とされてから副変速機50が直結段へ変速が終了されるまでの設定時間T5(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814B)、YES(設定時間T5が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816B)、ローハイシフトフラッグを0とし(817B)、リターンする。(814B)がNO(設定時間T5が経過していない時)の場合は、設定時間T5中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置の100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818B)。(813B)がNO(設定時間T9が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(819B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、ソレノイド弁S4の通電の出力を生じ(820B)、(815B)へ進む。(810B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(813B)へ進む。(809B)がNO(スロットル開度θが設定開度θbを越える時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(821B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822B)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(832B)、スロットル開度θが設定開度θbを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T10{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824B)、YES(設定時間T10が経過している時)の場合は(810B)へ進み、(824B)がNO(設定時間T10が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(825B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827B)、リターンする。(821B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(808B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の他)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(829B)、リターンする。(828B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(807B)がNO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第21図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中領域枠h1内)であるか否かの判断を行い(830B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(806B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第21図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g1内)であるか否かの判断を行い(831B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(804B)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(832B)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(833B)、(832B)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(834B)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(835B)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(835B)がYES(設定時間T6が経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(836B)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(837B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(838B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(839B)、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(840B)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i1内)であるか否かの判断を行い(841B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、(841B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(840B)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線j1内)であるか否かの判断を行い(842B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(842B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(839B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ第3速の非通電許可領域内(図中斜線枠k1内)であるか否かの判断を行い(843B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(843B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(838B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i1内)であるか否かの判断を行い(844B)、(824B)へ進み、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、(844B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(836B)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(845B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(846B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(847B)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(848B)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l1内)であるか否かの判断を行い(849B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(848B)が1(ソレノイド弁S2が通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠m1内)であるか否かの判断を行い(850B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(850B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(847B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(851B)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠n1内)であるか否かの判断を行い(852B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(851B)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828B)へ進む。(846B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l1内)であるか否かの判断を行い(853B)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。
上記実施例では主変速機の変速機構に遊星歯車装置を用いた例を示したが、他に複数の歯車列を有した変速機構、無段変速機構など他の変速機構を用いても良い。
上記実施例では副変速機の変速機構に遊星歯車装置を用い、直結段と減速段の二段変速の変速機構の例を示したが、他に複数の歯車列を電磁クラッチなどによって切換える変速機構、流体式アクチュエータにより変速設定される無段変速機構など制御装置により変速設定される他の自動変速機構を用いても良い。
上記実施例では、副変速機に前輪側と後輪側へ動力の伝達を行う4輪駆動用のトランスファの例を示したが、本発明は4輪駆動用変速機に限定されるものではなく、主変速機(主変速機構)と副変速機(副変速機構)を備える全ての変速機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は4輪駆動用変速機の断面図、第2図は4輪駆動車の駆動機構の概略図、第3図は自動変速機の油圧制御装置の油圧回路図、第4図は副変速機の油圧制御装置の油圧回路図、第5図および第6図は電子制御装置のブロック図、第7図は変速制御の作動を示すフローチャート、第8図および第9図はトランスファ変速処理の作動を示すフローチャート、第10図から第15図は変速許可領域のグラフ、第16図および第17図は本発明の実施例にかかる電子制御装置のブロック図、第18図から第23図は本発明の実施例にかかる変速許可領域のグラフである。
図中 10……主変速機、50……副変速機、100……主油圧制御装置、400……副油圧制御装置、600……電子制御装置
[産業上の利用分野]
本発明は主変速機と副変速機を備えた自動変速機の制御装置に関する。
[従来の技術]
従来、自動変速機、手動変速機などエンジンの出力回転を変速設定する主変速機と、変速機構を有し、該変速機構の変速段を選択的に達成可能な副変速機からなる変速機、例えば副変速機の変速機構に遊星歯車装置を用い、副変速機の入力軸と遊星歯車装置のサンギアを連結し、副変速機の出力軸と遊星歯車装置のキャリアを連結して設け、サンギアとキャリアの係合および解放を行うクラッチと遊星歯車装置のリングギアの固定および解放を行うブレーキを設け、クラッチを係合し、ブレーキを解放することにより直結段、クラッチを解放し、ブレーキを固定することにより減速段を得るよう設け、クラッチおよびブレーキの係合および解放の切換は、手動操作されるマニュアルシフト弁および車速に対応した油圧により駆動されるローハイ切換弁にてクラッチおよびブレーキの摩擦係合装置の油圧サーボの作動油の切換を行っていた。このローハイ切換弁のクラッチおよびブレーキの摩擦係合装置の油圧サーボへの作動油の切換を行うローハイ切換スプールは、一方端側に主変速機の出力軸回転に応じた油圧(ガバナ圧)を受けるよう設けられ、主変速機の出力軸回転速度が大きいとき直結段から減速段にシフトした時、ローハイ切換スプールが一方端に主変速機の出力軸回転速度に応じた油圧を受けるため減速段の設定を阻止するよう設け、エンジンのオーバーレブを防ぐなど不適確な減速を防ぐよう設けられていた。
[発明が解決しようとする問題点]
例えば上記に示す従来の技術では、ローハイ切換スプールに印加される油圧は主変速機の出力軸回転に応じたガバナ圧により行っていたため、車両走行状態に応じた変速の設定をすることができない問題点を有していた。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、副変速機の入力するトルクに応じて副変速機の切換制御をすることにより良好な変速特性を得ることの容易な自動変速機の制御装置の提供にある。
[問題点を解決するための手段]
本発明の自動変速機の制御装置は、少なくとも車速信号を含む信号によって自動的に複数の変速段に切換えられる主変速機と、該主変速器と直列に連結され手動にて高速段と低速段とを切換可能な副変速機とからなる自動変速機において、前記副変速機の入力トルクを検出する副変速機入力トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記主変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、前記主変速機の各変速段毎に前記副変速機の入力トルク及び車速に応じて前記副変速機の変速許可領域を予め記憶する記憶手段と、前記副変速機が手動により切換えられた時に、前記副変速機入力トルク検出手段及び車速検出手段からの信号と、前記記憶手段に記憶させた各変速段毎の変速許可領域とを比較して変速許可領域内であれば前記副変速機の変速を許可し、変速許可領域外であれば変速を禁止すると共に、前記主変速機が変速中であれば前記副変速機の変速を禁止する変速制御手段とからなる。
[作用および発明の効果]
上記の構成よりなる本発明の自動変速機の制御装置は、主変速機の各変速段毎に副変速機の入力トルク及び車速に応じた副変速機の変速できる変速許可領域を持ち、副変速機が手動により切換えられた時に、副変速機の入力トルクと車速と現在の主変速機の変速段を検出し、検出された副変速機入力トルクと車速と現状の主変速機の変速段の変速許可領域とを比較して変速許可領域内であれば副変速機の変速を許可し、変速許可領域内でなければ変速を禁止している。したがって、副変速機が、現状の主変速機の変速段の変速許可領域と副変速機の入力トルクに応じて切換制御されるので、副変速機の入力するトルクが大きく現状の主変速機の変速段の変速許可領域外であれば、副変速機が高速段から低速段に切換えられても変速を禁止することになり、トルクの変動をそれほど大きくならず変速ショックを防止できる。また、主変速機の各変速段毎に副変速機の変速できる変速許可領域を持つので、主変速機の変速段毎の良好な変速特性を得ることができる。
また、主変速機が変速中である時は副変速機の変速を禁止することにより、主変速機によるトルク変化と副変速機によるトルク変化とが同時に起きないので、トルクの変動が大きくならず良好な変速特性を柄ることができる。
[実施例]
つぎに本発明の自動変速機の制御装置を図に示す一実施例に基づき説明する。
第1図は本実施例の適用される前進4段後進1の4段自動変速機および4輪駆動用副変速機の断面図、第2図は4輪駆動車の概略図を示す。
10は主変速機であるオーバードライブ付4輪自動変速機、50は該主変速機10の遊星歯車変速装置の後部に締結された4輪駆動用副変速機を示す。4輪駆動用副変速機50はエンジンEに装着された主変速機10の出力軸32を入力軸とし、第1出力軸52は後輪駆動用プロペラシャフトCに連結され、第2出力軸54は前輪駆動用プロペラシャフトBに連結される。
主変速機10は、流体式トルクコンバータT、オーバードライブ機構OD、および前進3段後進1段のアンダードライブ機構UDを備える。
トルクコンバータTは、エンジンEの出力軸に連結されたポンプ羽根車11、トルクコンバータTの出力軸12に連結されたタービン羽根車13、一方向クラッチ14を介して固定部分に連結されたステータ15、および直結クラッチ16からなり、トルクコンバータTの出力軸12は、オーバードライブ機構ODの入力軸となっている。
オーバードライブ機構ODは摩擦係合要素である多板クラッチC0、多板ブレーキB0および一方向クラッチF0と、これら摩擦係合要素の選択的係合により構成要素が主変速機ケース20など固定部材に固定されるか、入力軸、出力軸、もしくは他の構成要素に連結されるか、またはこれら固定もしくは連結が解放される遊星歯車装置P0からなる。
遊星歯車装置P0は、前記出力軸12に連結されたキャリア21、オーバードライブ機構ODの出力軸22に連結されたリングギア23、前記入力軸12に回転自在に外嵌されブレーキB0を介して主変速機ケース20に固定されると共に、クラッチC0および該クラッチC0と並列された一方向クラッチF0を介して前記キャリア21に連結されたサンギア24、およびキャリア21に回転自在に支持されると共に前記サンギア24およびリングギア23に歯合したプラネタリピニオン25からなる。
オーバードライブ機構ODの出力軸22は前進3段後進1段のアンダードライブ機構UDの入力軸を兼ねる。
アンダードライブ機構UDは、摩擦係合要素である多板クラッチC1およびC2と、ベルトブレーキB1、多板ブレーキB2およびB3と、一方向クラッチF1およびF2と、前段遊星歯車装置P1と、後段遊星歯車装置P2とからなる。
前段遊星歯車装置P1は、クラッチC1を介して前記出力軸22に連結されたリングギア31と、アンダードライブ機構UDの出力軸32に連結されたキャリア33と、クラッチC2を介して前記出力軸22に連結されると共に、ベルトブレーキB1、該ベルトブレーキB1と並列されたブレーキB2およびブレーキB2と直列された一方向クラッチF1を介して主変速機ケース20に固定されるサンギア34と、前記キャリア33に回転自在に支持されると共にサンギア34およびリングギア31に歯合したプラネタリピニオン35とからなる。
後段遊星歯車装置P2は、ブレーキB3および該ブレーキB3と並列された一方向クラッチF2を介して主変速機ケース20に固定されるキャリア36と、前記前段遊星歯車装置P1のサンギア34と一体的に形成されたサンギア37と、出力軸32に連結されたリングギア38と、キャリア36に回転自在に支持されると共にサンギア37およびリングギア38に歯合したプラネタリピニオン39とからなる。
主変速機10は、主変速機ケース20の下部に締結されたオイルパン40に内蔵され、オイルストレーナ101を下部に配した主油圧制御装置100によりエンジンEのスロットル開度、車両の車速など車両走行状態に応じて摩擦係合要素である各クラッチおよびブレーキの選択的係合または解放が行われ、オーバードライブ(O/D)を含む前進4段の自動変速と、手動変速のみによる後進1段の変速とがなされる。
副変速機50の副変速機ケース51は、出力軸32を入力軸とするよう主変速機ケース20の後部に複数のボルトにより締結され、摩擦係合要素であるクラッチC3、ブレーキB4およびクラッチC4は、遊星歯車装置P1、P2の出力軸32を入力軸とし、該出力軸32に直列的に配された副変速機50の第1出力軸52、前記出力軸32と第1出力軸52との間に配された遊星歯車装置P3、前記第1出力軸52に回転自在に外嵌された4輪駆動用スリーブ53、前記出力軸32に平行して並設された第2出力軸54、前記スリーブ53と前記第2出力軸54との間の伝達機構55を有する。遊星歯車装置P3は出力軸32の端部にスプライン嵌合されたサンギア56、該サンギヤ56と歯合するプラネタリピニオン57、該プラネタリピニオン57と歯合するリングギア58、および前記プラネタリピニオン57を回転自在に保持すると共に前記副変速機50の第1出力軸52の先端に連結されたキャリア59からなる。キャリア59に連結して設けられたシリンダ60の外周側には、パーキングギア61が周設されており、主変速機10のシフトレバー(図示しない)をパーキング位置に選択したとき歯止め62がパーキングギア61に噛み合い第1出力軸52を固定する。
副変速機50は、副変速機ケース51の下部のオイルパン63内に配設された副油圧制御装置400により摩擦係合要素である各クラッチおよびブレーキの選択的係合または解放が行われる。
第3図に主変速機10の主油圧制御装置100を示す。
オイルパン40内に内蔵されたオイルストレーナ101、オイルポンプ102、オイルクーラーO/Cの調圧を行うクーラバイパス弁115、プレッシャリリーフ弁116、レリーズクラッチコントロール弁117、レリーズブレーキコントロール弁118、ロックアップリレー弁120、オイルポンプ102から供給された供給油を調圧して油路1に供給する圧力調整弁(レギュレータ弁)130、主変速機10側への潤滑油供給油路L1および副変速機50側の作動油供給油路L2に供給油を供給する第2圧力調整弁150、カットバック弁160、ロックアップ制御弁170、第1のアキュムレータ制御弁180、第2のアキュムレータ制御弁190、スロットル弁200、油路1に供給されたライン圧を油路2〜6に分割供給するマニュアル弁210、1−2シフト弁220、2−3シフト弁230、3−4シフト弁240、ブレーキB1への供給油圧を調整するインターミィディエイトコーストモジュレータ弁245、油圧サーボB−3への供給油圧を調整するローコーストモジュレータ弁250、クラッチC0の係合を円滑になさしめるアキュムレータ260、ブレーキB0の係合を円滑になさしめるアキュムレータ270、クラッチC2の係合を円滑になさしめるアキュムレータ280、ブレーキB2の係合を円滑になさしめるアキュムレータ290、クラッチC0、C1、C2の油圧サーボC−0、C−1、C−2およびブレーキB0、B1、B2、B3の油圧サーボB−0、B−1、B−2、B−3、供給される圧油の流量を制御するチェック弁付流量制御弁301、303、304、305、306、307、308、309、シャットル弁302、オイルストレーナST1、ST2、ST3、ST4、下述する電子制御装置(コンピュータ)600の出力で開閉され2−3シフト弁230を制御する第1のソレノイド弁S1、1−2シフト弁220および3−4シフト弁240の双方を制御する第2のソレノイド弁S2、前記ロックアップリレー弁120およびロックアップ制御弁170の双方を制御する第3のソレノド弁S3、各弁間およびクラッチ、ブレーキの油圧シリンダを連絡する油路からなる。
オイルパン40からオイルストレーナ101を介して油圧ポンプ102により汲み上げられた作動油は圧力調整弁130で所定の油圧(ライン圧)に調整されて油路1へ供給される。
圧力調整弁130は、図示上方にスプリング131が背設されたスプール132と、該スプール132に当接して直列されたプランジャ138とを有し、スプール132は、上方の油路1Wから前記プランジャ138の上端ランド136に印加されるスロットル圧とスプリング131によるばね荷重とを受け、後進時にはさらに油路5からプランジャ138の下端ランド137に印加されるライン圧を受け、他方からはスプール132の下端ランド133に印加されるライン圧のフィードバック圧を受けて変位し、油路1と油路1Qおよびドレインポート135との連通面積を調整して油路1に車両走行状態に応じたライン圧を出力する。
スロットル弁200は、アクセルペダルの踏み込み量に応じてカム205が回転してスロットルプランジャ201がストロークして該スロットルプランジャ201と図示下方にばね204が配設されたスプール202との間のばね203を介してスプール202を動かし、油路1から供給されたライン圧をスロットル開度に応じたスロットル圧に調圧して油路1Wに出力する。
第2圧力調整弁150は図示上方にスプリング151が背設されたスプール152を備える。スプール152は図示下方から油路1Qの油圧のフィードバックを受け、図示上方から前記スプリング151のばね荷重を受けて変位し、前記油路1Qと潤滑油供給油路1Vとドレインポート155との連通度合を調整し、油路1Qを所定のセカンダリライン圧(トルクコンバータ圧)に調圧すると共に余剰油を油路1Vに供給し、油路1Vより主変速機10の潤滑油路L1と副変速機50側へ作動油の供給を行う油路L2とに分岐されて供給する。
マニュアル弁210は、運転席に設けられたシフトレバーと連結されており、手動操作によりシフトレバーのレンジに応じてP(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、S(セカンド)、L(ロー)の各位置に移動する。
第1のソレノイド弁S1は、非通電時にオリフィス322を介し油路2と連絡した油路2Eにハイレベルのソレノイド圧(ライン圧に等しい)を生じせしめ、通電時には油路2Eの圧油を排出させロウレベルのソレノイド圧を生じる。
第2のソレノイド弁S2は、非通電時にはオリフィス322を介し油路1と連絡した油路1Hにハイレベルのソレノイド圧を生ぜしめ、通電時には油路1Hの圧油を排出させロウレベルのソレノイド圧を生じる。
第3のソレノイド弁S3は、油路2Aとオリフィス342を介して連通した油路2Dに連絡するロックアップリレー弁120の図示上端油室121およびロックアップ制御弁170の図示上端油室171の油圧を制御する。この第3のソレノイド弁S3は、通電時は前記上端油室121、171にハイレベルのソレノイド圧を生ぜしめてスプール122、172を押圧して図示下方に位置させ、非通電時には前記上端油室121、171の圧油を排圧してロウレベルのソレノイド圧に反転され、油路1によるライン圧およびばね123、173の作用でスプール122、172を図示上方に位置させる。
1−2シフト弁220は、図示下方にばね221を背設したスプール222を備え、第2のソレノイド弁S2が非通電され油路1Hにハイレベルのソレノイド油圧が生じているときは図示上端油室224に該ハイレベルのソレノイド圧が入り、該油圧の印加によりスプール222は図示下方に設定されて第1速の位置となり、第2のソレノイド弁S2が通電され油路1Hの圧油が排圧されてロウレベルのソレノイド圧となったときはスプール222は図示上方に設定されて第1速以外の位置が得られる。第3、4速においては油路1および2−3シフト弁230を介して油路1Bと連絡した油路1Cから下端油室223にライン圧が入り、スプール222はソレノイド圧の如何にかからず図示上方に固定される。
2−3シフト弁230は、図示下方にばね231を背設したスプール232を備え、第1のソレノイド弁S1が通電されている時、油路2Eがロウレベルのソレノイド圧となり、スプール232はばね231の作用で図示上方に設定されて第1、2およびR速の位置となり、第1のソレノイド弁S1が非通電されているときは油路2Eにハイレベルのソレノイド圧が生じて油室234に印加され、このソレノイド圧の作用でスプール232は図示下方に設定されて第3、4速の位置となる。油路4にライン圧が供給されたときは、下端油室233にライン圧が供給されスプール232はソレノイド圧の如何にかかわらず図示上方に固定される。
3−4シフト弁240は、図示下方にばね241を背設したスプール242を備え、第2のソレノイド弁S2が非通電されているときは油路1Hを経て上端油室243にハイレベルのソレノイド圧が入り、スプール242は第4速(オーバードライブ)がわである図示下方に設定され、第2のソレノイド弁S2が通電されているときは油路1Hは排圧され、ばね241の作用でスプール242は図示上方に設定される。油路1または油路3、2−3シフト弁230、油路1Aを介して下端油室244にライン圧が供給されているとき、スプール242は該ライン圧およびばね241の作用で図示上方(第4速以外)に固定される。
カットバック弁160は、図示上方から背設されたスプリング161のばね荷重を受け、他方からは油路2Aのライン圧を受けて変位するスプール162を有し、油路2Aにライン圧が供給されると、スプール162は図示上方に設定されてスロットル圧が発生している油路1Wとカットバック圧出力油路1Xとを連通させて該スロットル圧をカットバック圧として出力し、スロットル弁200のスプール202の図示下端ランド207にカットバック圧を印加させ、油路1Wに発生しているスロットル圧をレベルダウンする。このスロットル圧のレベルダウンにより、該スロットル圧を入力油圧とする圧力調整弁130ではスプール132が図示上方に変位し、油路1のライン圧をドレインポート135から排圧してレベルダウンさせる、いわゆるライン圧のカットバックがなされる。
第1のアキュムレータ制御弁180は、図示下方にスプール181を有し、図示上方にスプール181に直列され、ばね182を背設したプランジャ183を有し、スプール181は下方より油路1を介して下端油室184にライン圧を受け、上方よりばね182によるばね荷重と、オリフィス333を介して油路1Mより上端油室185に印加される出力油圧のフィードバックを受けて変位させ、油路1から供給されたライン圧を調圧し、出力油圧として油路1Mから第2のアキュムレータ制御弁190に出力する。
第2のアキュムレータ制御弁190は、図示下方にばね191を背設したスプール192を有し、該スプール192の上端ランド193には上端油室194と中間油室195とを連絡するオリフィス196が形成され、スプール192は、下方よりばね191によるばね荷重と、油路1Wからスプール192の下端ランド197に印加されるスロットルモジュレータ圧を受けており、オリフィス196を介して油路1Mより上端油室194に印加されるフィードバック油圧を受けて変位され、油路1Mから供給された出力油圧が油路1Kを介してアキュムレータ270、280、290の背圧ポート271、281、291より背圧室272、282、292に供給されて各アキュムレータ270、280、290の背圧制御を行うと共に、背圧室272、282、292からの背圧出力油圧は油路1Kを介して上端ランド193に印加され、スプール192が図示下方に設定されて油路1Kとドレインポート199とが中間油室195を介して連通され、油路1Kに供給された背圧出力油圧は排圧される。
マニュアル弁210の駆動のため運転席に設けられた主変速機10のシフトレバー(図示せず)は、P(パーク)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、S(セカンド)、L(ロー)の各レンジの主シフトポジションMpを有し、この主シフトポジションMpの設定レンジと変速段第4速(4)、第3速(3)、第2速(2)、第1速(1)と、クラッチおよびブレーキの作動関係を表1に示す。
表2に主変速機10のシフトレバーのシフト位置における油路1と油路2〜6との連通状態を示す。
つぎにマニュアル弁210の手動シフトによる主油圧制御装置100の作動を説明する。
マニュアル弁210がNレンジまたはPレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路1は油路2〜5のいずれとも連絡せず、表1に示す如く第1のソレノイド弁S1は通電、第2のソレノイド弁S2は非通電されている。このため1−2シフト弁220のスプール222はハイレベルのソレノイド圧の作用で図示下方に位置し、2−3シフト弁230のスプール232はばね231の作用で図示上方に位置され、3−4シフト弁240の下端油室244に油路1Aを介してライン圧を供給するための3−4シフト弁240のスプール242は図示上方に設定されたマニュアル弁210を介さず油路1、3−4シフト弁240、油路1F、チェック弁付流量制御弁301および油路1Eを介して連絡しているクラッチC0のみが係合している。
マニュアル弁210がDレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2にライン圧が供給されてクラッチC1が係合される。
車両の発進時である第1速は表2に示す如く第1のソレノイド弁S1が通電、第2のソレノイド弁S2が非通電され1−2シフト弁220のスプール222は図示下方にあり、ブレーキB1、B2に連絡する油路3B、2Aは排圧され、ブレーキB3に連絡する油路5Cにも油圧が供給されてないのでブレーキB1、B2、B3は解放されると共に、2−3シフト弁230のスプール232は図示上方に設定されているため油路1Bは排圧され、クラッチC0を解放し、3−4シフト弁240の下端油室244に油路1Aを介してライン圧を供給しているためスプール242は図示上方に設定され、油路1、3−4シフト弁240、油路1Fを介してクラッチC0と係合し、油路1Bは排圧されてクラッチC2は解放され、油路1Fにライン圧が供給されているため油路1Dは排圧されてブレーキB0は解放され、上記により第1速走行がなされる。変速時は車両走行状態に応じて予め設定した車速になったとき電子制御装置600の出力で第2のソレノイド弁S2が通電され1−2シフト弁220の上端油室224に印加されたソレノイド圧はロウレベルに反転するので、1−2シフト弁220のスプール222は図示上方に移動し、油路2、1−2シフト弁220、油路2A、チェック弁付流量制御弁308、油路2Bを経て油圧が供給され、ブレーキB2が係合して第2速へのアップシフトが生ずる。
第3速へのアップシフトは電子制御装置600の出力で第1のソレノイド弁S1が非通電され、2−3シフト弁230のスプール232は図示下方に移動し、油路1、2−3シフト弁230、油路1B、シャットル弁302、チェック弁付流量制御弁303、油路1Pを経て油圧が供給されてクラッチC2が係合し、同時に1−2シフト弁220のスプール222は油路1Cから下端油室223に供給されたライン圧により図示上方(第1速以外)に固定される。
第4速へのアップシフトは上記と同様電子制御装置600の出力で第2のソレノイド弁S2が非通電され、油路1Hから3−4シフト弁240の上端油室243に供給されていたソレノイド圧がハイレベルに反転し、3−4シフト弁240のスプール242が図示下方に移動し、油路1Fが排圧されると共に油路1Dに油圧が供給され、チェック弁付流量制御弁305を介して油路1Gに油圧が供給され、クラッチC0が解放されると共にブレーキB0が係合してなされる。
マニュアル弁210がSレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2に加えて油路3にライン圧が供給される。第1、2、3速は上記Dレンジのときと同様のシフトがなされるが、油路1または油路3、2−3シフト弁230、油路1Aを経て3−4シフト弁240の下端油室244にライン圧が入りスプール242は図示上方に設定されるので、第4速へのシフトは阻止される。また第2速においては、前記Dレンジ第2速同様C0、C1、B2にライン圧が供給されると共に油路3から2−3シフト弁230、油路3A、1−2シフト弁220、油路3Dを介してインターミィディエイトコーストモジュレータ弁245にライン圧が供給されるため、インターミィディエイトコーストモジュレータ弁245により調圧された油圧が油路3Bに供給されブレーキB1が係合され、常時ブレーキB2およびブレーキB1の両者が係合する第2速が達成され、Sレンジ第2速はコースト時にエンジンブレーキが働くと共に伝動トルク容量が増大する。
またマニュアル弁210がD位置で第4速の走行中に手動でD−Sシフトを行った場合、前記の如く3−4シフト弁240の下端油室244へのライン圧の導入によりただちに第3速にダウンシフトがなされる。
マニュアル弁210がLレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2、油路3に加えて油路4にもライン圧が供給される。第1、2速は上記Dレンジのときと同様のシフトがなされるが油路4から2−3シフト弁230の下端油室233にライン圧が入り、スプール232を図示上方に固定するので第3速へのシフトは生じない。また第1速は油路4、2−3シフト弁230、油路4A、ローコーストモジュレータ弁250、油路4B、1−2シフト弁220、油路5Cを経て供給される油圧によりブレーキB3を係合させエンジンブレーキが効くようになされている。また第2速ではマニュアル弁210がSレンジにシフトされているときと同じである。また第3速状態で走行中Lレンジに手動シフトしたときは、前記2−3シフト弁230の下端油室233へのライン圧の導入によりただちに第2速へダウンシフトがなされ、予定した速度まで減速した時点で電子制御装置600の出力が第2のソレノイド弁S2を通電させ、2−1ダウンシフトを生じさせる。
マニュアル弁210がRレンジに設定されているとき。
表2に示す如く油路2、3、4は排圧されて油路5に油圧が供給される。クラッチC1およびブレーキB1、B2に連絡する油路2、3にはライン圧が供給されていないためクラッチC1およびブレーキB1、B2は解放されている。油路5に供給された油圧は、シャットル弁302、チェック弁付流量制御弁303、油路1Pを介してクラッチC2を係合し、1−2シフト弁220は、油路1Cを介して下端油室223にライン圧が供給されているため、スプール222は図示上方に設定され、油路5Cにライン圧が供給されてブレーキB3が係合される。第1のソレノイド弁S1が通電されているため2−3シフト弁240の上端油室243のソレノイド圧はロウレベルであり、スプール232は図示上方に設定され、油路1、2−3シフト弁230、油路1Aを介して3−4シフト弁240の下端油室244にライン圧が供給され、スプール242は上方に設定されて油路1より3−4シフト弁240を介して油路1Fにライン圧が供給されてクラッチC0を係合させ、ブレーキB0に連絡する油路1Dが排圧されているため、ブレーキB0は解放され、リバース(後退)走行がなされる。
マニュアル弁210がDまたはSの各レンジにシフトされ、油路2にライン圧が生じ、且つ1−2シフト弁220が図示上方(第1速以外)に設定されている場合は、油路2Aにライン圧が生じ、ロックアップリレー弁120の上端油室121に油路2Dを介して供給される。このライン圧と共に電子制御装置600の出力により第3のソレノイド弁S3が通電され上端油室121の油圧がハイレベルとなっているとき、ロックアップリレー弁120のスプール122は図示下方に動かされ油路1Qと油路6Bが連絡し、トルクコンバータT内に設けられた直結クラッチ16は油圧により係合し、トルクコンバータTは直結状態となる。油路2Aにライン圧が生じないかまたは油路2Aにライン圧が生じても電子制御装置600の出力により第3のソレノイド弁S3は非通電され、上端油室121にロウレベルのソレノイド圧が生じているときは、油路1から下端油室124に供給されるライン圧の作用でスプール122は図示上方に位置する。スプール122が図示上方に位置している間は油路1Qは油路1Rに連絡しており、トルクコンバータT内に設けられた直結クラッチ16は解放されている。なおスプール122が図示上方に設定されている時(ロックアップ状態ではない時)、トルクコンバータTより油路1Sに供給されたセカンダリライン圧(トルクコンバータ圧)はロックアップリレー弁120、油路1Tを介してオイルクーラーO/Cに供給され、スプール122が図示下方に設定されている時(ロックアップ状態の時)、油路1Qからスリーブ125に設けられたオリフィス127より油路1Tを介してオイルクーラーO/Cに供給されると共に油路1からロックアップリレー弁120のスリーブ125に形成されたオリフィス126より油路1U、1Tを介してオイルクーラーO/Cに供給される。
第4図に4輪駆動用副変速機50の副油圧制御装置400を示す。
主変速機10の主油圧制御装置100の油路6により供給された供給油を運転席に設けられたシフトレバーにより油路7および油路8に供給するトランスファマニュアル弁410、リレーバルブ420、クラッチC3とブレーキB4の係合を切換るインヒビタ弁440、第3のアキュムレータ制御弁460、シフトタイミング弁470、ブレーキB4の係合を円滑になさしめるオリフィスコントロールバルブ480、クラッチC3の係合を円滑になさしめるアキュムレータ490、ブレーキB4の係合を円滑になさしめるアキュムレータ500、クラッチC3、C4およびブレーキB4の油圧サーボC−3、C−4、B−4、供給される圧油の流量を制御するチェック弁付流量制御弁511、512、513、オイルストレーナST5、ST6、下述する電子制御装置600の出力で開閉される第4のソレノイド弁S4、並びに各弁間およびクラッチ、ブレーキの油圧シリンダを連絡する油路からなる。
トランスファマニュアル弁410は、運転席に設けられるシフトレバー(図示せず)に連結されたスプール411を有し、前記主変速機10の主油圧制御装置100の油路6に連絡するインポート412、油路7に連絡するアウトポート413、油路8に連絡するアウトポート414、ドレインポート415、416を有する。トランスファマニュアル弁410は、スプール411が2輪駆動直結(H2)位置に設定されたとき油路6と油路7とを連絡すると共に油路8をドレインポート416に連絡し、4輪駆動直結(H4)位置に設定されたとき油路6と油路7および油路8とを連絡し、4輪駆動減速(L4)位置に設定されたとき油路6と油路8とを連絡すると共に油路7をドレインポート415に連絡する。
リレーバルブ420は、スプール421と該スプール421と直列されたプランジャ422を有し、スプール421はいずれも同一径でスプリング423が背設された図示上端ランド424と図示下端ランド425を有する。プランジャ422は前記スプール421のランドと同径の図示上端ランド426と該上端ランド426より大径の図示下端ランド427を有する。これらスプール421およびプランジャ422により、図示上端油室431、上端ランド424と下端ランド425の間の第1中間油室432、スプール421とプランジャ422との間の第2中間油室433、上端ランド426と下端ランド427との間の第3中間油室434、および下端油室435が形成されている。
このリレーバルブ420は、下端油室435に油圧が油路6Aより供給され、スプール421とプランジャ422が図示上方に設定されたときは、油路7とライン圧供給油路7Aが第1中間油室432を介して連絡し、トランスファマニュアル弁410の切換によりインヒビタ弁440の下端油室456へのライン圧の給排が可能となり、油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、トランスファマニュアル弁410によりインヒビタ弁440の下端油室456へライン圧が供給されたときは、第2中間油室433にフィードバック圧が供給されるためスプール421は図示上方に固定される。このとき電子制御装置600の出力によりソレノイド弁S4が通電され、油圧が下端油室435から排圧された場合、プランジャ422は図示下方に設定されるが、スプール421は図示上方に固定されたままとなり、インヒビタ弁440の下端油室456へライン圧が供給された状態を維持する。この状態よりトランスファマニュアル弁410により油路7のライン圧が排圧されたとき、または油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、トランスファマニュアル弁410によりインヒビタ弁440の下端油室456からライン圧が排圧された状態で電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が通電され、油圧が下端油室435から排圧されたとき、スプール421とプランジャ422はスプリング432の力で図示下方に設定され、ライン圧供給油路7Aは第1中間油室432を介してドレインポート436に連絡する。スプール421が図示下方に設定されているとき、トランスファマニュアル弁410によるインヒビタ弁440の下端油室456へのライン圧の給排はなされず排圧されたままとなり、インヒビタ弁440のスプール441とプランジャ442は図示下方に設定される。
インヒビタ弁440は、第1の設定位置(図示下方)と第2の設定位置(図示上方)とを有し、第4図に示す如く、図示上方から第1の設定位置(図示下方)と第2の設定位置(図示上方)との移動によりクラッチC3の油圧サーボC−3、ブレーキB−4の油圧サーボB−4へのライン圧油の給排を行う切換弁であるスプール441および該スプール441と直列され、第1の設定位置(図示下方)と第2の設定位置(図示上方)とを有し、第2の設定位置(図示上方)に付勢された時、スプール441を第2の設定位置とするプランジャ442を有し、スプール441はいずれも同一径でスプール441を第1の設定位置に付勢する手段であるスプリング450が背設された図示上端のスリーブ状ランド445と図示下端ランド447、および中間ランド446を有する。プランジャ442は前記スプール441のランドと同一径の図示上端ランド448と、該上端ランド448より大径の下端ランド449を有する。これらスプール441およびプランジャ442により、上端油室451、スリーブ状ランド445と中間ランド446と下端ランド447の間の第1および第2中間油室452、453、スプール441とプランジャ442との間の油室454、および下端油室456が形成されている。
このインヒビタ弁440は、スプール441が図示下方に設定されたときには、上端油室451はスリーブ状ランド445の油口443を介して油路6Aと連通し、第1中間油室452はライン圧油路6と減速用油路6Bを連絡し、第2中間油室453は直結用油路6Cとドレインポート457を連絡し、スプール441が図示上方に設定されたときは上端油室451はスリーブ状ランド445の油口443を介してドレインポート458と連通し、第1中間油室452は減速用油路6Bとドレインポート459を連絡し、第2中間油室453は油路6と直結用油路6Cを連絡し、また油室454は常時スプール441を第2の設定位置(図示上方)に付勢すると共にプランジャ442を第1の設定位置(図示下方)に付勢する第4のソレノイド弁S4の信号に対応した油圧を発生する油路6Aと連絡し、下端油室456は常時プランジャ442を第2の設定位置(図示上方)に付勢する。
オリフィスコントロールバルブ480は、油路6Bに供給された作動油を調圧して油圧サーボB−4に供給する制御弁で、図示上方へスプリング481で付勢された図示上方より上端ランド482、中間ランド483、下端ランド484を有したスプール485を有し、図示上方に上端油室486、上端ランド482と中間ランド483の間に上側油室487、中間ランド483と下端ランド484の間に下側油室488、スプリング481を内包する下端油室489が形成され、スプール485には上側油室487と下側油室488とを連通するオリフィス483Aが設けられている。
上端油室486は主油圧制御装置100の油路1Wと連通され、スプール485は上端油室486に加わるスロットル開度に応じた油圧とスプリング481により調整され、油路6Bに供給されたライン油圧を油路6Bの流通路に設けられたオリフィス6a、6bを選択して油圧サーボB−4に供給するように設けられている。
第4のソレノイド弁S4は、シフトレバー(図示しない)の設定位置をL4(4輪駆動減速)レンジに設定し、且つ車両走行状態が定められた許可域内である時に限り非通電から通電され、シフトレバーの設定位置をH2(2輪駆動直結)、H4(4輪駆動直結)レンジに設定し、且つ車両走行状態が定められた許可域内である時に限り通電から非通電されるよう電子制御装置600により制御され、非通電時にオリフィス514を介し油路2と連絡した油路6Aにハイレベルのソレノイド圧(ライン圧に等しい)を生じせしめ、通電時には油路6Aの圧油を排出させ、ロウレベルのソレノイド圧を生じる。
トランスファマニュアル弁410の駆動のために運転席に設けられた副変速機50のシフトレバーは、H2(2輪駆動直結)、L2(2輪駆動減速)、H4(4輪駆動直結)、L4(4輪駆動減速)の各レンジの副シフトポジションSpを有し、この副シフトポジションSpの設定レンジとブレーキB4、クラッチC3およびC4の係合および解放と車両の走行状態の作動関係を表3に示す。
表4に副変速機のシフト位置における油路6と油路7、8との連通状態を示す。
つぎに副変速機50の各設定レンジにおける作動を説明する。
A)トランスファマニュアル弁410がH2レンジに設定されたとき。
表4に示す如く油路7にライン圧が供給され、油路8が排圧されている。油路8が排圧されているので、油圧サーボC−4の排圧によってクラッチC4は解放され、スリーブ53には動力が伝達されず、2輪駆動状態とされる。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が非通電の時、リレーバルブ420の下端油室435にハイレベルのソレノイド圧が供給されているため、スプール421とプランジャ422は図示上方に設定され、油路7とライン圧供給油路7Aがリレーバルブ420を介して連絡し、インヒビタ弁440の下端油室456にライン圧信号が供給される。これによりインヒビタ弁440のスプール441およびプランジャ442は第2の設定位置(図示上方)に設定され、油路6Bはドレインポート459に連絡して排圧され、油圧サーボB−4は排圧されてブレーキB4が解放される。油路6Cはインヒビタ弁440のスプール441、プランジャ442が第2の設定位置(図示上方)に設定しているため油路6に連絡し、第3のアキュムレータ制御弁460を介して油路6Dに連絡し、油圧サーボC−3にライン圧を供給してクラッチC3を係合させる。したがって副変速機50はH2(2輪駆動直結状態)になる。
この時、リレーバルブ420の第2中間油室433にライン圧供給油路7Aよりフィードバック圧が供給されるためスプール421は図示上方に固定され、第4のソレノイド弁S4が通電されて下端油室435にローレベルのソレノイド圧が供給されても、プランジャ422のみが図示下方に設定され、スプール421は図示上方に設定されたままとなり、インヒビタ弁440の下端油室456へライン圧信号が供給されている。したがって副変速機50は第4のソレノイド弁S4が通電されてもH2(2輪駆動直結状態)を維持する。
B)トランスファマニュアル弁410がH4レンジに設定されたとき。
表4に示す如く油路7および油路8の双方へライン圧が供給される。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が非通電の時、リレーバルブ420の下端油室435にハイレベルのソレノイド圧が供給されているため、スプール421とプランジャ422は図示上方に設定され、油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、インヒビタ弁440の下端油室456にライン圧が供給される。これによりインヒビタ弁440のスプール441およびプランジャ442は第2の設定位置(図示上方)に設定され、油路6Bはドレインポート459に連絡して排圧され、油圧サーボB−4は排圧されてブレーキB4が解放される。油路6Cはインヒビタ弁440のスプール441、プランジャ442が第2の設定位置(図示上方)に設定しているため油路6に連絡し、第3のアキュムレータ制御弁460を介して油路6Dに連絡し、油圧サーボC−3にライン圧を供給しクラッチC3を係合させている。また油路8へ供給されたライン圧は油圧サーボC−4に供給され、クラッチC4を係合する。これにより副変速機50はH4(4輪駆動直結状態)になる。
この時、リレーバルブ420の第2中間油室433にライン圧供給油路7Aよりフィードバック圧が供給されるため、スプール421は図示上方に固定され、第4のソレノイド弁S4が通電されて下端油室435にローレベルのソレノイド圧が供給されてもプランジャ422のみが図示下方に設定され、スプール421は図示上方に設定されたままとなり、インヒビタ弁440の下端油室456へライン圧を供給し、副変速機50はH4(4輪駆動直結状態)を維持する。
C)トランスファマニュアル弁410がL4レンジに設定されたとき。
表4に示す如く油路7が排圧され、油路8にライン圧が供給される。これによりリレーバルブ420の設定如何にかかわらず油路7、7Aが排圧され、油路8にライン圧が供給されるためクラッチC4は係合されて4輪駆動状態が維持される。
高速段(H2、H4)よりL4レンジに設定されたときに第4のソレノイド弁S4が電子制御装置600の出力により非通電とされているときは、油路6Aよりインヒビタ弁440の油室454にハイレベルのソレノイド圧が供給され、下端油室456へ供給されていたライン圧が油室7A、リレーバルブ420、油路7およびトランスファマニュアル弁410を介して排圧されるので、油路454に印加されるライン圧によってインヒビタ弁440のプランジャ442は第1の設定位置(図示下方)に設定されるが、インヒビタ弁440のスプール441は第2の設定位置(図示上方)に設定されたままとなりH4(4輪駆動直結状態)とされる。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4がトランスファマニュアル弁410をL4レンジに設定されたときに通電状態の時、またはトランスファマニュアル弁410がL4状態で第4のソレノイド弁S4が非通電から通電されたとき、油路6Aはローレベルのソレノイド圧とされるので、インヒビタ弁440のスプール441はスプリング450の作用で第1の設定位置(図示下方)に設定される。これにより油路6と油路6Bがインヒビタ弁440を介して連絡し、ブレーキB4の油圧サーボB−4にオリフィス6a、オリフィス6bまたはオリフィスコントロールバルブ480を介してライン圧を供給し、油路6Cがインヒビタ弁440の第1中間油室452を介してドレインポート457に連絡して排圧され、クラッチC3の油圧サーボC−3の油圧が排圧される。これにより副変速機50はL4(4輪駆動減速状態)となる。いったんL4(4輪駆動減速状態)とされた後、第4のソレノイド弁S4が非通電とされても油路6Aがハイレベルのソレノイド圧とされると、インヒビタ弁440の油室454に印加されるが同時にスプール441のスリーブ状ライン445の油口443を介して上端油室451にハイレベルのソレノイド圧が印加されるため、スプール441は変位せずにL4(4輪駆動減速状態)が保たれる。
D)副変速機50が4輪駆動減速状態でトランスファマニュアル弁410がL4レンジからH2またはH4レンジに設定されたとき。
電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が通電状態のとき、リレーバルブ420の下端油室435から油圧が排圧され、スプリング423の力でスプール421とプランジャ422は図示下方に設定されているため油路7と油路7Aは上端ランド424に連通が阻止され、インヒビタ弁440の下端油室456は排圧された状態とされるので、インヒビタ弁440のスプール441とプランジャ442はスプリング450の力で図示下方に設定され、クラッチC3が解放され、ブレーキB4が係合するため、副変速機50はL2(2輪駆動減速状態)またはL4(4輪駆動減速状態)となるが、電子制御装置600の出力により第4のソレノイド弁S4が非通電とされることにより、上述の如くリレーバルブ420の下端油室435にハイレベルのソレノイド圧が供給されるため、スプール421とプランジャ422は図示上方に設定され、油路7とライン圧供給油路7Aが連絡し、インヒビタ弁440の下端油室456にライン圧が供給され、スプール441およびプランジャ442は第2の設定位置(図示上方)に設定される。これにより油路6Bはドレインポート459に連絡して排圧され、これによりブレーキB4は解放され、油路6Cはインヒビタ弁440のスプール441、プランジャ442が第2の設定位置(図示上方)に設定されるため油路6に連絡し、第3のアキュムレータ制御弁460を介して油路6Dに連絡しクラッチC3を係合させ、副変速機50はH2(2輪駆動直結)またはH4(4輪駆動直結)となる。
第5図から第15図に自動変速機の制御装置を示す。
第5図および第6図は電子制御装置のブロック図を示す。
主油圧制御装置100および副油圧制御装置400のソレノイド弁S1〜S4の通電制御を行なう電子制御装置600は、アクセル量を検出するスロットル開度センサ601、副変速機50の出力軸回転速度から検出した信号を車速に変換する車速センサ602、副変速機50の入力軸である主変速機10の出力軸32の回転速度を検出する主変速機出力軸回転速度センサ603、運転者の選択により、例えばエコノミー・ノーマル・パワーなど変速パターンの切換設定を行うパワーセレクトスイッチ604、ブレーキランプスイッチ605、主変速機10の設定レンジの位置(Mp)を検出する主変速機シフトレバー位置センサ606、副変速機50の設定レンジの位置(Sp)を検出する副変速機シフトレバー位置センサ607、エンジンEのクランク軸よりエンジンの出力トルク(=主変速機10の入力トルク)の検出を行うエンジン出力トルク検出センサ608、これら車両走行状態からの入力ポートであるとともにソレノイド弁S1〜S4への出力ポートであるI/Oポート609、中央演算処理装置CPU、変速点処理を行なうランダムアクセスメモリRAM、変速点やロックアップ点などの変速パターンのデータを記憶しているリードオンリメモリROMからなる。
第7図に示すフローチャートに基づき変速制御の説明をする。
車両の図示しないイグニッションスイッチをONし、車両のエンジンEを始動させる。スロットル開度センサ601、車速センサ602、主変速機出力軸回転速度センサ603、パワーセレクトスイッチ604、ブレーキランプスイッチ605、主変速機シフトレバー位置センサ606および副変速機シフトレバー位置センサ607、エンジン出力トルク検出センサ608など車両走行状態の読込みを行う(701)。現在の主変速機10のシフトポジションMpがP(パーキング)レンジに設定されているか否かの判断を行う(702)。YES(シフトポジションMpがPレンジに設定されている)の場合は、ソレノイド弁S1、S2、S3を非通電(表示0)とする出力を生じ(703)、(704)へ進む。NO(シフトポジションMpがPレンジに設定されていない時)の場合は、シフトポジションMpがR(リバース)レンジに設定されているか否かの判断を行う(705)。YES(シフトポジションMpがRレンジに設定されている時)の場合は(703)へ進み、NO(シフトポジションMpがRレンジに設定されていない時)の場合は、シフトポジションMpがN(ニュートラル)レンジに設定されているか否かの判断を行なう(706)。YES(シフトポジションMpがNレンジに設定されている時)の場合は(703)へ進み、NO(シフトポジションMpがNレンジに設定されていない時)の場合は、パワーセレクト位置PSがパワーPに設定されているか否かの判断を行う(707)。YES(パワーセレクト位置PSがパワーPに設定されている時)の場合は、変速点が高めに設定された変速パターンにより変速制御されるパワー走行がなされ(708)、その後に(704)へ進む。NO(パワーセレクト位置PSがパワーPに設定されていない時)の場合は、パワーセレクト位置PSがエコノミーEに設定されているか否かの判断を行う(709)。YES(パワーセレクト位置PSがエコノミーEに設定されている時)の場合は、変速点が低めに設定された変速パターンにより変速制御されるエコノミー走行がなされ(710)、その後に(704)へ進む。NO(パワーセレクト位置PSがエコノミーEに設定されておらず、ノーマルに設定されている時)の場合は、ブレーキランプスイッチ605がONされているか否かの判断を行う(711)。YES(ブレーキランプスイッチ605がONされている時)の場合は、変速点が高めに設定された変速パターンにより変速制御されるノーマルブレーキランプ通電走行がなされ(712)、その後(704)へ進む。NO(ブレーキランプスイッチ605がOFFされている時)の場合は、本実施例では副変速機50の変速段を検出する変速段の検出手段としての第4のソレノイド弁S4の通電状態により判断するものとし(ソレノイド弁S4が通電状態(表示1)であれば減速状態、非通電(表示0)であれば直結状態であると判断する)、ソレノイド弁S4が通電状態であるか否かの判断を行う(713)。0(第4のソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時の変速パターンにおいて第1速領域内であるか否かの判断を行う(714)。YES(第1速領域内の時)の場合は、ソレノイド弁S1のみを通電(表示1)し、ソレノイド弁S2、S3を非通電とする出力を生じさせ(715)、その後(704)へ進む。NO(第1速領域外の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時の変速パターンにおいて第2速領域内であるか否かの判断を行う(716)。YES(第2速領域内の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで副変速機50の変速段が直結状態の時のロックアップ点において第2速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(717)、YES(第2速の直結クラッチ係合領域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない)か1(ロックアップ禁止フラッグが立っている)かの判断を行い(718)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1、S2、S3を通電とする出力を生じ(719)、(718)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は、ソレノイド弁S1、S2を通電、S3を非通電の出力を生じ(720)、(704)へ進む。(717)がNO(第2速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(720)へ進む。(716)がNO(第2速領域外の時)の場合は、シフトポジションMpがL(ロー)レンジに設定されているか否かの判断を行う(721)。YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、第1速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行い(722)、YES(第1速へのシフトダウンの領域内の時)の場合は(715)へ進み、(722)がNO(第1速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(720)へ進む。(721)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時の変速パワーにおいて第3速領域内であるか否かの判断を行う(723)。YES(第3速領域内の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時のロックアップ点において第3速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(724)、YES(第3速の直結クラッチ係合等域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(725)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S2、S3を通電、S1を非通電の出力を生じ(726)、(725)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は、ソレノイド弁S2を通電、S1、S3を非通電の出力を生じ(727)、(704)へ進む。(724)がNO(第3速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(727)へ進む。(723)がNO(第3速領域外の時)の場合、シフトポジションMpがS(セカンド)レンジに設定されているか否かの判断を行う(728)。YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、第2速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行い(729)、YES(第2速へのシフトダウン領域内の時)の場合は(722)へ進み、(729)がNO(第2速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(727)へ進む。(728)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合、すなわち車両走行状態が第4速領域内の時は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が直結状態の時のロックアップ点において、第4速直結クラッチ係合領域であるか否かの判断を行い(730)、YES(第4速の直結クラッチ係合領域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(731)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S3を通電、S1、S2を非通電の出力を生じ(732)、1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は、ソレノイド弁S1、S2、S3に非通電の出力を生じ(733)、(704)へ進む。(730)がNO(第4速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(733)へ進む。(713)が1(ソレノイド弁S4が通電されている時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時の変速パターンにおいて第1速領域内であるか否かの判断を行う(734)。YES(第1速領域内の時)の場合は(715)へ進み、NO(第1速領域外の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時の第2速領域内であるか否かの判断を行う(735)。YES(第2速領域内の時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時のロックアップ点において第2速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(736)、YES(第2速の直結クラッチ係合領域内の時)の場合はロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(737)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は、(719)へ進み、(737)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は(720)へ進む。(736)がNO(第2速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(720)へ進む。(735)がNO(第2速領域外の時)の場合は、シフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(738)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、第1速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行い(739)、YES(第1速へのシフトダウン領域内の時)の場合は(715)へ進み、(739)がNO(第1速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(720)へ進む。(738)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、シフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行う(740)。YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、第2速へのシフトダウン領域内であるか否かの判断を行ない(741)、YES(第2速へのシフトダウン領域内の時)の場合は(739)へ進み、(741)がNO(第2速へのシフトダウン領域外の時)の場合は(727)へ進む。(740)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、車両走行状態がパワーセレクト位置PSがノーマルで、副変速機50の変速段が減速状態の時のロックアップ点において第3速の直結クラッチ係合領域内であるか否かの判断を行い(742)、YES(第3速の直径クラッチ係合領域内の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグが0か1かの判断を行い(743)、0(ロックアップ禁止フラッグが立っていない時)の場合は(726)へ進み、(743)が1(ロックアップ禁止フラッグが立っている時)の場合は(727)へ進む。(742)がNO(第3速の直結クラッチ係合領域外の時)の場合は(727)へ進む。(704)は副変速機50の変速に伴う制御を行うトランスファ変速処理800である。
第8図および第9図に示すフローチャートに基づきトランスファ変速処理800の変速制御を説明する。
第8図はトランスファ変速処理800により副変速機50の変速段の直結段から減速段へ変速する変速制御を示す。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であると判断して減速状態変速制御800Bへ進む。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であるとして直結状態変速制御800Aを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802A)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合はリターンし、(802A)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、副変速機50の変速段を運転者が直結段から減速段に切換えたと判断し、主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803A)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803A)がYES(主変速機10が変速を開始してからの時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804A)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805A)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807A)、NO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合はリターンし、(807A)がYES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第10図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a内)であるか否かの判断を行い(808A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θa以下であるか否かの判断を行い(809A)、YES(スロットル開度θが設定開度θa以下の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0(ハイローシフトフラッグが立っていない)か1(ハイローシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ハイローシフトフラッグをとする(811A)。次にソレノイド弁S4を通電とする出力を生じ(812A)、ソレノイド弁S4が通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまでの設定時間T8が経過したか否かの判断を行う(813A)。YES(設定時間T8が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が通電されて副変速機50の変速段が減速段へ変速が終了されるまでの設定時間T4(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814A)、YES(設定時間T4が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816A)、ハイローシフトフラッグを0とし(817A)、リターンする。(814A)がNO(設定時間T4が経過していない時)の場合は、設定時間T4中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818A)。(813A)がNO(設定時間T8が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(819A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、ソレノイド弁S4の非通電の出力を生じ(820A)、(815A)へ進む。(810A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(813A)へ進む。(809A)がNO(スロットル開度θが設定開度θaを越える時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0かの判断を行い(821A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822A)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(823A)、スロットル開度θが設定開度θaを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T7{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824A)、YES(設定時間T7が経過している時)の場合は(810A)へ進み、(824A)がNO(設定時間T7が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(825A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827A)、リターンする。(821A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(808A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(829A)、リターンする。(828A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(806A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第10図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a内)であるか否かの判断を行い(830A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(804A)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(831A)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(832A)、(831A)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(833A)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(834A)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(834A)がYES(設定時間T6が経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(835A)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(836A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(837A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(838A)、0(ソレノイド弁S1は非通電の時)の場合は、変速段が第3速であると判断してリターンし、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(839A)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第11図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠b内)であるか否かの判断を行い(840A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(840A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(839A)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が、第11図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠c内)であるか否かの判断を行い(841A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(841A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(837A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第11図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠b内)であるか否かの判断を行い(842A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(835A)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(843A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(844A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(845A)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(846A)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d内)であるか否かの判断を行い(847A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(847A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(846A)が1(ソレノイド弁S2が通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠e内)であるか否かの判断を行い(848A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(848A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(845A)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(849A)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠f内)であるか否かの判断を行い(850A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(849A)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828A)へ進む。(844A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第12図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d内)であるか否かの判断を行い(851A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。
第9図はトランスファ変速処理800により副変速機の変速段を減速段から直結段へ変速する変速制御を示す。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であると判断して直結状態変速制御800Aへ進む。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であるとして減速状態変速制御800Bを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802B)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合はリターンし、(802B)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、副変速機50の変速段の運転者が減速段から直結段に切換えたと判断し、主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803B)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803B)がYES(主変速機10が変速を開始してから設定時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804B)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805B)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807B)、YES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第13図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g内)であるか否かの判断を行い(808B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θb以下であるか否かの判断を行い(809B)、YES(スロットル開度θが設定開度θb以下の時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0(ローハイシフトフラッグが立っていない)か1(ローハイシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ローハイシフトフラッグを1とする(811B)。次にソレノイド弁S4を非通電とする出力を生じ(812B)、ソレノイド弁S4が非通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまでの設定時間T9が経過したか否かの判断を行う(813B)。YES(設定時間T9が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が非通電とされてから副変速機50が直結段へ変速が終了されるまでの設定時間T5(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814B)、YES(設定時間T5が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816B)、ローハイシフトフラッグを0とし(817B)、リターンする。(814B)がNO(設定時間T5Tが経過していない時)の場合は、設定時間T5中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置の100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818B)。(813B)がNO(設定時間T9が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(819B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、ソレノイド弁S4の通電の出力を生じ(820B)、(815B)へ進む。(810B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(813B)へ進む。(809B)がNO(スロットル開度θが設定開度θbを越える時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(821B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822B)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(823B)、スロットル開度θが設定開度θbを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T10{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824B)、YES(設定時間T10が経過している時)の場合は(810B)へ進み、(824B)がNO(設定時間T10が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(825B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827B)、リターンする。(821B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(808B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグが0とし(829B)、リターンする(828B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(807B)がNO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第13図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠h内)であるか否かの判断を行い(830B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(806B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第13図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g内)であるか否かの判断を行い(831B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(804B)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(823B)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(833B)、(832B)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(834B)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(835B)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(835B)がYES(設定時間Tが経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(836B)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(837B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(838B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(839B)、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(840B)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i内)であるか否かの判断を行い(841B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、(841B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(840B)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠j内)であるか否かの判断を行い(842B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(842B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(839B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ第3速の非通電許可領域内(図中斜線枠k内)であるか否かの判断を行い(843B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(843B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。838Bが1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第14図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i内)であるか否かの判断を行い(844B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、(844B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(836B)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(845B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(846B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(847B)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(848B)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l内)であるか否かの判断を行い(849B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(848B)が1(ソレノイド弁SLが通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠m内)であるか否かの判断を行い(850B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(850B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(847B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(851B)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠n内)であるか否かの判断を行い(852B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(851B)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828B)へ進む。(846B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第15図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l内)であるか否かの判断を行い(853B)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。
第16図から第23図に本発明の自動変速機の制御装置の実施例を示す。
第16図および第17図は電子制御装置のブロック図を示す。
本実施例は前述の自動変速機の制御装置のエンジン出力トルク検出センサ608に変わり、主変速機10の出力軸32の出力トルクの検出(=副変速機50の入力トルク)を行う副変速機入力トルク検出センサ608Aを設けたもので、前述の自動変速機の制御装置のトランスファ変速処理800のフローチャート(第8図および第9図)を用いて説明する。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であると判断して減速状態変速制御800Bへ進む。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であるとして直結状態変速制御800Aを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802A)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合はリターンし、(802A)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、副変速機50の変速段を運転者が直結段から減速段に切換えたと判断し、主変速機10が変速に開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803A)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803A)がYES(主変速機10が変速を開始してからの時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804A)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805A)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807A)、NO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合はリターンし、(807A)がYES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第18図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a1内)であるか否かの判断を行い(808A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θa以下であるか否かの判断を行い(809A)、YES(スロットル開度θが設定開度θa以下の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0(ハイローシフトフラッグが立っていない)か1(ハイローシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ハイローシフトフラッグを1とする(811A)。次にソレノイド弁S4を通電とする出力を生じ(812A)、ソレノイド弁S4が通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまでの設定時間T8が経過したか否かの判断を行う(813A)。YES(設定時間T8が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が通電されて副変速機50の変速段が減速段へ変速が終了されるまでの設定時間T4(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814A)、YES(設定時間T4が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816A)、ハイローシフトフラッグを0とし(817A)、リターンする。(814A)がNO(設定時間T4が経過していない時)の場合は、設定時間T4中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818A)。(813A)がNO(設定時間T8が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(819A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、ソレノイド弁S4の非通電の出力を生じ(820A)、(815A)へ進む。(810A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(813A)へ進む。(809A)がNO(スロットル開度θが設定開度θaを越える時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0か1かの判断を行い(821A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822A)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(823A)、スロットル開度θが設定開度θaを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T7{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824A)、YES(設定時間T7が経過している時)の場合は(810A)へ進み、(824A)がNO(設定時間T7が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825A)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は(804A)へ進み、(825A)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826A)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827A)、リターンする。(821A)が1(ハイローシフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(808A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は、ハイローシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828A)、0(ハイローシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(829A)、リターンする。(828A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820A)へ進む。(806A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第18図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠a1内)であるか否かの判断を行い(830A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(804A)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(831A)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(832A)、(831A)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(833A)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(834A)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(834A)がYES(設定時間T6が経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(835A)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(836A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(837A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(838A)、0(ソレノイド弁S1は非通電の時)の場合は、変速段が第3速であると判断してリターンし、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(839A)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第19図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠1b内)であるか否かの判断を行い(840A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(840A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(839A)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が、第19図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠c1内)であるか否かの判断を行い(841A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(841A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(837A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第19図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速であるときのソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠1b内)であるか否かの判断を行い(842A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(835A)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(843A)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(844A)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(845A)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(846A)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d1内)であるか否かの判断を行い(847A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(809A)へ進み、(847A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(846A)が1(ソレノイド弁S2が通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠e1内)であるか否かの判断を行い(848A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、(848A)がNO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(845A)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(849A)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠f1内)であるか否かの判断を行い(850A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(810A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。(849A)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828A)へ進む。(844A)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第20図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の通電許可領域内(図中斜線枠d1内)であるか否かの判断を行い(851A)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824A)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828A)へ進む。
第9図はトランスファ変速処理800により副変速機の変速段を減速段から直結段へ変速する変速制御を示す。
ソレノイド弁S4への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行う(801)。0(ソレノイド弁S4が非通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が直結段であると判断して直結状態変速制御800Aへ進む。1(ソレノイド弁S4が通電の時)の場合は、副変速機50の変速段が減速段であるとして減速状態変速制御800Bを行う。副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(802B)、YES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合はリターンし、(802B)がNO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は、副変速機50の変速段の運転者が減速段から直結段に切換えたと判断し、主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3(主変速機10が変速を開始してから変速が終了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(803B)、NO(主変速機10が変速を開始してからの設定時間T3が経過していない時)の場合は、主変速機10の変速途中であると判断してリターンする。(803B)がYES(主変速機10が変速を開始してから設定時間T3が経過している時)の場合は、主変速機10の変速は完了していると判断し、主変速機10のシフトポジションMpがLレンジに設定されているか否かの判断を行い(804B)、YES(シフトポジションMpがLレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11(シフトポジションMpが操作されてから変速が完了するまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(805B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、(805B)がYES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0(第2速シフトフラッグが立っていない)か1(第2速シフトフラッグが立っている)かの判断を行い(806B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速{ソレノイド出力S1、S2=(1、0)}であるか否かの判断を行い(807B)、YES(主変速機10の変速段が第1速の時)の場合は、車両走行状態が第21図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g1内)であるか否かの判断を行い(808B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は、スロットル開度θが設定開度θb以下であるか否かの判断を行い(809B)、YES(スロットル開度θが設定開度θb以下の時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0(ローハイシフトフラッグが立っていない)か1(ローハイシフトフラッグが立っている)かの判断を行い(810B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、ローハイシフトフラッグを1とする(811B)。次にソレノイド弁S4を非通電とする出力を生じ(812B)、ソレノイド弁S4が非通電されてからインヒビタ弁440のスプール441が動き始めるまての設定時間T8が経過したか否かの判断を行う(813B)。YES(設定時間T8が経過している時)の場合は、ソレノイド弁S4が非通電とされてから副変速機50が直結段へ変速が終了されるまでの設定時間T5(主変速機10の変速段の変速禁止時間)が経過したか否かの判断を行い(814B)、YES(設定時間T5が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(815B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(816B)、ローハイシフトフラッグを0とし(817B)、リターンする。(814B)がNO(設定時間T5が経過していない時)の場合は、設定時間T5中、主変速機10の変速段の変速を禁止するべく、主油圧制御装置の100のソレノイド弁S1、S2の出力を維持する(818B)。(813B)がNO(設定時間T9が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(819B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(819B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、ソレノイド弁S4の通電の出力を生じ(820B)、(815B)へ進む。(810B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(813B)へ進む。(809B)がNO(スロットル開度θが設定開度θbを越える時)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(821B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを1とし(822B)、ソレノイド弁S1、S2の通電の出力を生じさせ、主変速機10の変速段を第1速から第2速へアップシフトさせ(832B)、スロットル開度θが設定開度θbを越えるためによる主変速機10の変速段のアップシフト開始からの設定時間T10{ソレノイド出力=(1、1)とし、変速が完了するまでの設定時間}が経過したか否かの判断を行い(824B)、YES(設定時間T10が経過している時)の場合は(810B)へ進み、(824B)がNO(設定時間T10が経過していない時)の場合は、副変速機50のシフトポジションSpがL4レンジに設定されているか否かの判断を行い(825B)、NO(シフトポジションSpがL4レンジに設定されていない時)の場合は(804B)へ進み、(825B)がYES(シフトポジションSpがL4レンジに設定されている時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(826B)、ロックアップ禁止フラッグを0とし(827B)、リターンする。(821B)が1(ローハイシフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(808B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の他)の場合は、ローハイシフトフラッグが0か1かの判断を行い(828B)、0(ローハイシフトフラッグが立っていない時)の場合は、第2速シフトフラッグを0とし(829B)、リターンする。(828B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は(820B)へ進む。(807B)がNO(主変速機10の変速段が第1速ではない時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第21図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中領域枠h1内)であるか否かの判断を行い(830B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(806B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第21図に示すシフトポジションMpがLレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速で、ソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠g1内)であるか否かの判断を行い(831B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(804B)がNO(シフトポジションMpがLレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10のロックアップ制御を行うソレノイド弁S3への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(832B)、1(ソレノイド弁S3が通電されている時)の場合は、ソレノイド弁S3を非通電とし(833B)、(832B)が0(ソレノイド弁S3が非通電の時)の場合は、ロックアップ禁止フラッグを1とする(834B)。次にソレノイド弁S3が非通電とされてからの設定時間T6(ソレノイド弁S3をOFFし、直結クラッチ16が解放されるまでの設定時間)が経過したか否かの判断を行い(835B)、NO(設定時間T6が経過していない時)の場合はリターンし、(835B)がYES(設定時間T6が経過している時)の場合は、主変速機10のシフトポジションMpがSレンジに設定されているか否かの判断を行い(836B)、YES(シフトポジションMpがSレンジに設定されている時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(837B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行ない(838B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(839B)、1(ソレノイド弁S1は通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)が非通電(表示0)かの判断を行い(840B)、0(ソレノイド弁S2は非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i1内)であるか否かの判断を行い(841B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、(841B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(840B)が1(ソレノイド弁S2は通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速であるときのソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線j1内)であるか否かの判断を行い(842B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(842B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(839B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ第3速の非通電許可領域内(図中斜線枠k1内)であるか否かの判断を行い(843B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(843B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(838B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第22図に示すシフトポジションMpがSレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠i1内)であるか否かの判断を行い(844B)、(824B)へ進み、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、(844B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(836B)がNO(シフトポジションMpがSレンジに設定されていない時)の場合は、主変速機10の設定レンジが操作されてからの設定時間T11が経過したか否かの判断を行い(845B)、NO(設定時間T11が経過していない時)の場合はリターンし、YES(設定時間T11が経過している時)の場合は、第2速シフトフラッグが0か1かの判断を行い(846B)、0(第2速シフトフラッグが立っていない時)の場合は、ソレノイド弁S1への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(847B)、1(ソレノイド弁S1が通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(848B)、0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第1速であると判断し、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l1内)であるか否かの判断を行い(849B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(809B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(848B)が1(ソレノイド弁S2が通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第2速であると判断し、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第2速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠m1内)であるか否かの判断を行い(850B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、(850B)がNO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(847B)が0(ソレノイド弁S1が非通電の時)の場合は、ソレノイド弁S2への出力が通電(表示1)か非通電(表示0)かの判断を行い(851B)、1(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第3速であると判断し、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第3速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠n1内)であるか否かの判断を行い(852B)、YES(ソレノイド弁S4の非通電許可領域内の時)の場合は(810B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の非通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。(851B)が0(ソレノイド弁S2が非通電の時)の場合は、主変速機10の変速段が第4速であると判断し、(828B)へ進む。(846B)が1(第2速シフトフラッグが立っている時)の場合は、車両走行状態が第23図に示すシフトポジションMpがDレンジで、且つ主変速機10の変速段が第1速である時のソレノイド弁S4の非通電許可領域内(図中斜線枠l1内)であるか否かの判断を行い(853B)、YES(ソレノイド弁S4の通電許可領域内の時)の場合は(824B)へ進み、NO(ソレノイド弁S4の通電許可領域外の時)の場合は(828B)へ進む。
上記実施例では主変速機の変速機構に遊星歯車装置を用いた例を示したが、他に複数の歯車列を有した変速機構、無段変速機構など他の変速機構を用いても良い。
上記実施例では副変速機の変速機構に遊星歯車装置を用い、直結段と減速段の二段変速の変速機構の例を示したが、他に複数の歯車列を電磁クラッチなどによって切換える変速機構、流体式アクチュエータにより変速設定される無段変速機構など制御装置により変速設定される他の自動変速機構を用いても良い。
上記実施例では、副変速機に前輪側と後輪側へ動力の伝達を行う4輪駆動用のトランスファの例を示したが、本発明は4輪駆動用変速機に限定されるものではなく、主変速機(主変速機構)と副変速機(副変速機構)を備える全ての変速機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は4輪駆動用変速機の断面図、第2図は4輪駆動車の駆動機構の概略図、第3図は自動変速機の油圧制御装置の油圧回路図、第4図は副変速機の油圧制御装置の油圧回路図、第5図および第6図は電子制御装置のブロック図、第7図は変速制御の作動を示すフローチャート、第8図および第9図はトランスファ変速処理の作動を示すフローチャート、第10図から第15図は変速許可領域のグラフ、第16図および第17図は本発明の実施例にかかる電子制御装置のブロック図、第18図から第23図は本発明の実施例にかかる変速許可領域のグラフである。
図中 10……主変速機、50……副変速機、100……主油圧制御装置、400……副油圧制御装置、600……電子制御装置
【特許請求の範囲】
1.少なくとも車速信号を含む信号によって自動的に複数の変速段に切換えられる主変速機と、該主変速機と直列に連結され手動にて高速段と低速段とを切換可能な副変速機とからなる自動変速機において、前記副変速機の入力トルクを検出する副変速機入力トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記主変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、前記主変速機の各変速段毎に前記副変速機の入力トルク及び車速に応じて前記副変速機の変速許可領域を予め記憶する記憶手段と、前記副変速機が手動により切換えられた時に、前記副変速機入力トルク検出手段及び車速検出手段からの信号と、前記記憶手段に記憶させた各変速段毎の変速許可領域とを比較して変速許可領域内であれば前記副変速機の変速を許可し、変速許可領域外であれば変速を禁止すると共に、前記主変速機が変速中であれば前記副変速機の変速を禁止する変速制御手段とからなる自動変速機の制御装置。
1.少なくとも車速信号を含む信号によって自動的に複数の変速段に切換えられる主変速機と、該主変速機と直列に連結され手動にて高速段と低速段とを切換可能な副変速機とからなる自動変速機において、前記副変速機の入力トルクを検出する副変速機入力トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記主変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、前記主変速機の各変速段毎に前記副変速機の入力トルク及び車速に応じて前記副変速機の変速許可領域を予め記憶する記憶手段と、前記副変速機が手動により切換えられた時に、前記副変速機入力トルク検出手段及び車速検出手段からの信号と、前記記憶手段に記憶させた各変速段毎の変速許可領域とを比較して変速許可領域内であれば前記副変速機の変速を許可し、変速許可領域外であれば変速を禁止すると共に、前記主変速機が変速中であれば前記副変速機の変速を禁止する変速制御手段とからなる自動変速機の制御装置。
【第2図】
【第1図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第7図】
【第8図】
【第9図】
【第10図】
【第11図】
【第12図】
【第13図】
【第14図】
【第15図】
【第16図】
【第17図】
【第18図】
【第19図】
【第20図】
【第21図】
【第22図】
【第23図】
【第1図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第7図】
【第8図】
【第9図】
【第10図】
【第11図】
【第12図】
【第13図】
【第14図】
【第15図】
【第16図】
【第17図】
【第18図】
【第19図】
【第20図】
【第21図】
【第22図】
【第23図】
【特許番号】第2681346号
【登録日】平成9年(1997)8月8日
【発行日】平成9年(1997)11月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭60−7767
【出願日】昭和60年(1985)1月19日
【公開番号】特開昭61−167748
【公開日】昭和61年(1986)7月29日
【審判番号】平5−16470
【出願人】(999999999)アイシン・エィ・ダブリュ 株式会社
【出願人】(999999999)トヨタ自動車株式会社
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開 昭57−25552(JP,A)
【文献】特開 昭55−148619(JP,A)
【登録日】平成9年(1997)8月8日
【発行日】平成9年(1997)11月26日
【国際特許分類】
【出願日】昭和60年(1985)1月19日
【公開番号】特開昭61−167748
【公開日】昭和61年(1986)7月29日
【審判番号】平5−16470
【出願人】(999999999)アイシン・エィ・ダブリュ 株式会社
【出願人】(999999999)トヨタ自動車株式会社
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開 昭57−25552(JP,A)
【文献】特開 昭55−148619(JP,A)
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