説明

自動機械式変速装置のシフト制御方法およびその装置

【目的】 変速装置にトルク回復論理ルーチンを備えて、比較的滑らかで優れたアップシフトを得るように円滑な再連結および良好なシフト性能を与えること。
【構成】 自動機械式変速装置においてアップシフトを滑らかにするための制御であって、アップシフトのトルク回復部分では、エンジンの減速率、現在のエンジン速度と目標エンジン速度との差、及びアクチュエータの応答時間を利用して、摩擦クラッチ及びスロットルオーバライドアクチュエータへ送るコマンド出力信号の発生が順序付けられる。非確動カップリングアクチュエータ及びスロットルオーバライドアクチュエータへコマンド信号を送って、前記第1及び第2応答時間及びエンジン減速率の前記現在値の関数である時間シーケンスで前記トルク回復動作を実行できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、好ましくはエンジン、トルクコンバータ、ロックアップ/切断クラッチアセンブリと、レンジ型複合機械式変速機を設けた形式の自動機械式変速装置の作動を制御するための制御装置及び制御方法に関するものである。
【0002】特に、本発明は、ジョークラッチ歯の突当て及び/またはギヤ鳴り状態を検出してそれを解消する論理規則を有する、自動変速装置の制御装置に関する。
【0003】
【従来の技術】複合レンジ、スプリッタまたはレンジ−スプリッタ組合せ形の機械式変速装置は従来より公知であって、例えば米国特許第4,788,889号、第4,754,665号及び第4,735,109号に記載されている。
【0004】機械式変速機及び制御装置と、それらを自動的にシフトする、通常は感知された入力及び所定の論理規則に従って電子的に制御されたアクチュエータとを有している自動機械式変速装置は公知である。そのような装置の例が、米国特許第4,648,290号、第4,595,986号、第4,527,447号、4,711,141号、第4,642,771号、第4,792,901号、第4,361,060号、第4,140,031号及び第4,081,065号に記載されている。
【0005】このような装置は、「自動機械式変速機制御装置(AUTOMATED MECHANICAL TRANSMISSION CONTROLS)」と題するSAE論文No.831776にも記載されている。また、自動変速機用の故障許容論理ルーチンが公知であり、例えば米国特許第4,922,425号、第4,849,899号及び第4,899,279号に記載されている。
【0006】駆動エンジン及び機械式チェンジギヤ変速機間に駆動的に介在させたトルクコンバータ及び/またはトルクコンバータバイパスまたはロックアップ装置を設けた自動変速装置も公知であって、例えば米国特許第3,593,596号、第4,261,216号、第4,271,724号、第4,351,205号及び第4,375,171号に記載されている。
【0007】動力シンクロナイザ装置、すなわちエンジン速度に無関係に入力軸の制動及び加速を行い、エンジン速度を操作しないで変速機ジョークラッチ部材を同期化する装置を用いた自動機械式変速装置が従来より公知である。そのような装置は、例えば米国特許第3,478,851号、第4,023,443号、第4,140,031号及び第4,614,126号に記載されている。
【0008】動力シンクロナイザを設けており、さらに駆動エンジン及び変速機入力軸間に駆動的に介在させたトルクコンバータ及びトルクコンバータロックアップ/切断クラッチアセンブリを設けた自動機械式変速装置が公知である。そのような装置の例が、米国特許第4,784,019号及び第4,860,861号と、「イートン・クリーマット(Eaton Creemat) (コンバータで改善された電子制御形自動変速機)(CONVERTER ENHANCED ELECTRONICALLY MANAGED AUTOMATIC TRANSMISSION)」と題するSAE論文No.88130とに記載されている。
【0009】このような変速装置は、手動操作用の変速機の構造と同一かほぼ同一の構造の機械式チェンジギヤ変速機を用いた自動機械式変速装置であり、車両始動に対してトルクコンバータの利点を与え、高い車速/歯車比でエンジンと変速機との間を非スリップ状態で連結できる利点を与えると共に、変速機確動ジョークラッチを比較的迅速に同期化することができる。
【0010】手動変速装置に用いられるものと同じかほぼ同じ機械式チェンジギヤ変速機に基づいた自動機械式変速装置の提供によって、製造、保管及びメンテナンスコストの削減が達成される。必要に応じて、ソレノイド等によって自動制御できるシフト機構が変速機に追加される。このようなシフト機構の例が、例えば前述の米国特許第4,361,060号及び第4,899,607号、及び米国特許第4,873,881号、第4,722,237号及び第4,445,393号に記載されている。上記米国特許第4,614,126号、第3,478,851号または第4,023,443号に開示されている動力シンクロナイザ機構も、変速機確動ジョークラッチを同期化させるために付け加えられる。
【0011】トルクコンバータを駆動エンジンと変速機との間に駆動介在させる。トルクコンバータで駆動される部材すなわちタービンを変速機入力軸に連結するため、及びトルクコンバータ入力部すなわちインペラ(すなわちエンジン出力部)を変速機入力軸に連結するため、それぞれ第1及び第2の独立的に作動する個別のクラッチ、好ましくは摩擦クラッチを有するトルクコンバータロックアップ及び切断クラッチ構造体が設けられている。
【0012】第1クラッチが連結し、第2クラッチが切り離されている時だけ、トルクコンバータがエンジン及び変速機間に駆動連結されるようになっている。第2クラッチが連結している場合、トルクコンバータはロックアップされる、すなわちタービンがエンジンによって直接的に駆動される。第1クラッチと同時に第2クラッチも連結している場合はいつも、変速機がエンジンによって直接的に駆動される。
【0013】第2カップリングの状態に無関係に第1カップリングが切り離されている時、変速機入力軸はエンジントルクから切断され、またトルクコンバータの慣性及び第2カップリングの慣性からも切断されるため、ジョークラッチは簡単に切り離されて、入力軸に作用する慣性が比較的低いことから動力シンクロナイザ機構が迅速に作用でき、また停止中及び走行状態の車両で選択歯車を事前連結することができる。
【0014】運転者によるスロットルペダルの設定に無関係に所望のエンジン速度が得られるようにエンジンへの供給燃料を調節できるようにする電子式及び他のエンジン燃料制御装置が従来より公知である。このような装置は、例えば前述の米国特許第4,081,065号、第4,361,060号及び第4,792,901号、及びSAE J1922電子エンジン制御基準及び関連のSAE J1708、J1587及びJ1843基準に記載されている。
【0015】自動変速装置の主部は、手動非同期変速機から考え出されており、車両の停止中にニュートラルから主部歯車を連結しようとすると、ジョークラッチ歯が突当たることがある。これは非同期変速機には一般的に発生し、運転者が変速機マスタークラッチを部分的に連結して、突当られたクラッチ歯を突当て状態から離れるようにゆっくり滑らせることによって連結させることが必要である。
【0016】自動機械式変速装置における切断クラッチまたはマスター摩擦クラッチの制御は、比較的小さい調整であることが多く、そのため変速機の制御装置では手動変速機の運転者のようにクラッチ連結度を操作することができない。それゆえ、歯の突当て状態が存在するニュートラルからの初期連結時に、コントローラは切断クラッチを連結させて、歯車の歯を突当て状態から外れるように滑らせてかみあわせることができるようにしなければならない。
【0017】切断クラッチの連結では、歯車を突当て状態から外れるように滑らせるために切断クラッチが作動した時に歯車の歯が所望通りに軸方向にかみあわないで、ギヤ鳴りまたは摩砕を発生する場合がある。これは運転者に非常に不快であり、変速機を酷使することになる。このため制御装置は、ギヤ鳴り状態を発生と同時に検出して、歯車の摩砕を生じる悪影響を減じる手段を直ちに取る必要がある。
【0018】歯の突当ては非同期変速機だけに限られた問題ではないが、同期変速機に一般的に用いられている先端が比較的尖った歯に比較して、非同期変速機では先端が比較的鈍角であるか丸いクラッチ歯を用いているため、歯の突当てが非同期変速機でははるかに大きい問題になる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑みて、本発明は、従来の欠点を克服もしくは最小化するため、歯の突き当ておよびギヤ鳴り状態を検出してそれを解消するセンサおよび論理規則を備えた、自動機械式変速装置における制御方法/制御装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の自動機械式変速装置は、複合レンジ型の機械式チェンジギヤ変速機をベースにして、自動制御に適したシフト機構、前述の米国特許第4,614,126号に記載されているような動力シンクロナイザ機構、トルクコンバータ、トルクコンバータロックアップ及び切断クラッチ構造体を含み、このクラッチ構造体はトルクコンバータで駆動される部材すなわちタービンを変速機入力軸に連結するため、及びトルクコンバータ入力部すなわちインペラ(すなわちエンジン出力)を変速機入力軸に連結するため、それぞれ第1及び第2の独立的に作動する個別のクラッチ、好ましくは摩擦クラッチを有している。
【0021】また、連結するジョークラッチ部材の回転速度を感知するための入力軸速度センサおよび出力軸速度センサと、ジョークラッチ部材のニュートラル/非ニュートラル及び連結/非連結軸方向移動を感知するレール位置センサとを備え、さらに、これらのセンサからの信号を処理して歯の突き当ておよびギヤ鳴りの状態を検出しそれに対して反応できる論理規則を備えている。
【0022】この論理規則は、変速機のニュートラル状態から選択された歯車比への要求シフトの感知に応答して、非確動カップリングを切り離してから、その選択歯車比に関連したジョークラッチ部材をほぼ同期速度で回転させて、前記ジョークラッチ部材をかみあい連結位置へ連続的に付勢する規則を有しており、さらに、前記ジョークラッチ部材の回転速度及び相対的軸方向位置を感知し続ける規則と、第1の時間経過後に前記ジョークラッチ部材がほぼ同期速度で回転し続け、かみあいジョークラッチ連結を表す軸方向位置へ移動しない場合、歯の突当て状態が存在することを決定する規則とを含んでいる。
【0023】
【作用】これにより、停止から始動する状態において連結しようとする時、連結するジョークラッチが所定の時間長さだけ非ニュートラルかつ非連結状態にある一方、ジョークラッチがほぼ同期速度で回転していれば、これはジョークラッチが突き合わされていることを表し、制御装置はコマンド出力信号を発生して、切断またはマスター摩擦クラッチを瞬間的に連結させて、歯を回転または打撃することによって当接状態から外してかみあわせる。
【0024】これがうまくいかない場合、すなわちレール位置センサが非連結状態を表示し続ける一方、速度センサがクラッチ部材の継続的同期回転を表示する場合、突当てを外す試みが所定回数、好ましくは切断またはマスタークラッチの連結時間を順次長くしながら繰り返される。歯の突当て状態を外す試みを所定回数行ってもうまくいかない場合、歯車連結のプロセス全体をやり直す。
【0025】歯の突当て状態を外す試みを実行中に、ジョークラッチが非同期速度で回転し始めた場合、ギヤ鳴りまたは摩砕を発生ので、制御装置は直ちにマスタークラッチまたは切断クラッチを切り離すコマンドを発生し、ニュートラルを選択し、さらに全体の歯車連結のプロセスを再び実行することができる。
【0026】
【実施例】以下の説明において、便宜上一定の用語を用いるが、それらは参考にすぎず、制限的なものではない。「上方」「下方」「右方向」及び「左方向」は、参照している図面上での方向を示している。「内向き」及び「外向き」は、装置または指定部品の構造中心に対してそれぞれ向かう方向及び離れる方向を示している。以上の定義は、上記用語及びそれの派生語及び類似語に適用される。
【0027】本発明によるトルクコンバータロックアップ及び切断クラッチアセンブリ10及びそれを用いた自動機械式変速装置12が、図1、2及び3に概略的に示されている。ここで言う「自動機械式変速装置」とは、少なくともスロットル制御形ヒートエンジン16、多速ジョークラッチ形チェンジギヤ変速機14、マスター摩擦クラッチ等の非確動カップリング装置及び/またはエンジンと変速機との間に配置された流体カップリング10/20、及びこれらを自動的に制御する制御ユニット50を有している装置のことである。そのような装置にはもちろん、制御ユニットへ入力信号を送信及び/またはそれから出力信号を受信するセンサ及び/またはアクチュエータが設けられている。
【0028】本発明は、トルクコンバータロックアップ/切断クラッチを設けていないトルクコンバータを備えた変速装置に組み合わせて用いることもできる。本発明の自動機械式変速装置12は、重量形トラック等の陸上車両に使用するためのものであるが、そのような用途に制限されることはない。
【0029】図示の自動機械式変速装置12には、流体カップリングまたはトルクコンバータアセンブリ20を介してスロットル制御形エンジン16(例えばディーゼルエンジン)によって駆動される自動多速機械式チェンジギヤ変速機14が設けられている。自動変速機14の出力部は、公知のように車両の適当な動力伝達系統の部材、例えば駆動車軸のディファレンシャル、トランスファーケース等に駆動連結される出力軸22である。
【0030】以下に詳細に説明するように、トルクコンバータロックアップ/切断クラッチアセンブリ10には、独立的に連結可能な2つの個別のクラッチ、好ましくは摩擦クラッチが、すなわちトルクコンバータ切断クラッチ24及びトルクコンバータロックアップまたはバイパスクラッチ26が設けられている。変速機14には、変速機操作機構28が設けられ、これは好ましくは前述の米国特許第4,445,393号に記載されている形式の加圧流体作動式シフトアセンブリである。変速機にはさらに動力シンクロナイザアセンブリ30を設けることが好ましく、これは前述の米国特許第3,478,851号、第4,023,443号または第4,614,126号に記載されている形式のものでよい。
【0031】本発明は、動力シンクロナイザを用いない自動機械式変速装置に用いることもできる。
【0032】上記の動力伝達系列部材は、それぞれについて以下に詳細に説明する公知の幾つかの装置の作用を受けてそれらによって監視される。これらの装置には、運転者が操作する車両スロットルペダルまたは他の燃料絞り装置の位置を感知するスロットル位置監視アセンブリ32、エンジンへの燃料供給を制御するスロットル制御装置34、エンジンの回転速度を感知するエンジン速度センサアセンブリ36、トルクコンバータ切断及びロックアップクラッチを作動させるトルクコンバータ切断クラッチ及びロックアップクラッチオペレータ40、変速機入力軸速度センサ42、シフトフォーク一センサアセンブリ43、変速機出力軸速度センサ44、変速機シフト機構28の作動を制御する変速機シフト機構オペレータ46、及び/または動力シンクロナイザ機構30の作動を制御する動力シンクロナイザ機構アクチュエータ48が含まれる。
【0033】スロットル制御装置34は、コントローラから送られたコマンド出力信号に応答して、運転者が定めたスロットルペダルの位置に無関係に所定レベルまたは可変レベルの燃料をエンジンへ供給する。上記のSAE J1922または同様な基準に合った電子制御エンジンにおける制御装置の場合、所望のエンジン速度の達成及び/または維持を行うために必要に応じてエンジンへの燃料供給を変化させることができる。
【0034】上記装置は、電子中央処理装置(ECU)50へ情報を供給及び/またはそれからコマンドを受け取る。中央処理装置すなわちコントローラ50は、デジタルマイクロプロセッサをベースにしていることが好ましいが、それの特定の形状及び構造は本発明を構成していない。中央処理装置50は、運転者が車両の後進(R)、ニュートラル(N)またはいくつかの前進ドライブ(D、DL )作動モードを選択できるようにするシフト制御またはモードセレクタアセンブリ52からも情報を受け取る。一般的に、D作動モードは舗装道路走行用であり、DL 作動モードはオフロード走行用である。
【0035】一般的に、本装置には、センサ及び/またはアクチュエータの故障を感知して反応する様々なセンサ、回路及び/または論理ルーチンが設けられている。
【0036】公知のように、中央処理装置50は様々なセンサ及び/または作動装置から入力を受け取る。これらの直接的入力部に加えて、入力信号を微分して様々な監視装置の変化率を表す計算信号を発生する回路及び/または論理装置、入力信号を比較する手段、及び/または一定の入力信号を、例えば最終シフトの方向を記憶するメモリ手段、及び所定の事象の発生時にメモリを消去する手段が中央処理装置50に設けられている。上記機能を実施できる特定の回路は従来から公知であり、その一例が前述の米国特許第4,361,060号及び第4,595,986号、及び/または第20回輸送電子工学国際会議と題するIEEE/SAE合同会議の議事録公報である「機械式変速機の自動化(THE AUTOMATION OF MECHANICAL TRANSMISSIONS)」と題する技術論文、IEEEカタログNo.84CH1988ー5に記載されている。
【0037】電子制御ユニット、特にマイクロプロセッサベースのECUの作動/機能で公知であるように、ハード配線された個別の論理装置または単一の論理装置によって制御装置論理規則(すなわちソフトウェア)のそれぞれの部分すなわちサブルーチンに基づいて様々な論理機能が実行される。
【0038】エンジン16及び自動チェンジギヤ変速機14間に駆動介在させたトルクコンバータ20及びトルクコンバータロックアップ及び切断クラッチアセンブリ10の詳細な概略図が図1に示されている。トルクコンバータアセンブリ20は、シュラウド(覆い)58を介してエンジン出力部すなわちクランク軸56によって駆動されるインペラ54と、インペラによって油圧駆動されるタービン60と、ハウジング64に接地されている軸68に取り付けられた一方向ローラクラッチ66を介してハウジング64に接地されるステータまたはランナー62とを有している。
【0039】シュラウド58はまた、トルクコンバータの加圧、変速機の潤滑、変速機シフト機構28及び/または動力シンクロナイザ機構30の選択的な加圧、及び/または切断クラッチ24及びバイパスクラッチ26の作動を行うポンプ70を駆動する。ポンプ70は公知の構造にすることができ、例えば公知の三日月形歯車ポンプでもよい。
【0040】変速機14の入力軸72は、トルクコンバータ20及び/またはロックアップ及び切断クラッチアセンブリ10を介してエンジン16によって駆動される。変速機入力軸72には、連結部材74がそれと共転可能に取り付けられている。連結部材74には、トルクコンバータ切断クラッチ24に対応した部分76と、入力軸と連動するようにスプラインが付けられている第2ハブ部分78とが設けられている。
【0041】以下に詳細に説明するように、トルクコンバータ切断クラッチ24は、ロックアップクラッチ26の連結、切り離しに無関係にトルクコンバータタービン60及びロックアップクラッチ26に対応した連結部材79を連結部材74の部分76を介して変速機入力軸72に対して摩擦的に連結または切り離すことができる。切断クラッチ24の連結、切り離しに無関係に、トルクコンバータロックアップクラッチ26を摩擦的に連結または切り離すことによって、エンジンクランク軸56及びそれによって駆動されるシュラウド58を連結部材79に摩擦係合させることができる。
【0042】トルクコンバータロックアップクラッチ26が連結すると、トルクコンバータ切断クラッチ24の連結、切り離し状態に無関係に、エンジンクランク軸56がシュラウド58を介して直接的に連結部材79と摩擦連結するため、トルクコンバータ20をロックアップさせて、切断クラッチ24が連結している場合には変速機14をエンジン16から直接的に駆動する有効ロックアップが得られる。また、トルクコンバータロックアップ速度以上の速度では、クラッチ24の切り離しによって連結部材79の慣性が入力軸72から切断されるので、シフト時にロックアップクラッチ26の連結及び切り離しを行う必要がない。
【0043】トルクコンバータバイパスまたはロックアップクラッチ26が切り離されており、トルクコンバータ切断クラッチが連結している場合、公知のように変速機14はトルクコンバータ流体カップリングを介してエンジン16によって駆動される。ロックアップクラッチ26の状態に無関係にトルクコンバータ切断クラッチ24が切り離されている場合、変速機入力軸72は、エンジンから供給される駆動トルクまたはトルクコンバータ、エンジン及びクラッチ26によって供給される慣性ドラグから駆動的に切り離されている。
【0044】変速機入力軸72をエンジン、クラッチ26及び/またはトルクコンバータの慣性影響から切断することによって、クラッチ26及び/またはトルクコンバータは、入力軸72及びそれに駆動連結している全ての変速機歯車の回転速度を変速機動力シンクロナイザ機構30によって迅速に加速または減速させて、変速機のダウンシフトまたはアップシフト時に同期を迅速に達成できるようにすると共に、動力シンクロナイザ30が入力軸72を制御エンジン速度よりも高速の回転速度で回転させることを可能にする。
【0045】モードセレクタがドライブまたはオフロードドライブモードである状態で車両が停止している時、切断クラッチ24が連結し、ロックアップクラッチ26が切り離されて、公知の利点を備えたトルクコンバータ始動が得られる。所定の車両速度及び/または歯車比以上では、トルクコンバータ作動の利点が不必要になり、駆動エンジンと変速機との間の直接駆動の効率を高める必要がある。
【0046】これらの状態では、トルクコンバータロックアップクラッチ26が連結状態に維持されて、切断クラッチ24が連結している時には変速機入力軸72がエンジンからトルクコンバータシュラウド58及び連結部材79を介して直接的に駆動される。
【0047】前述したように、先に連結していた歯車からニュートラルにシフトするためにクラッチ24を切り離して、動力シンクロナイザ30が連結すべき歯車のジョークラッチ部材を同期させて、連結すべき歯車の同期したジョークラッチを連結させることができるようにする。
【0048】所望の歯車比の選択及びトルクコンバータ切断またはロックアップクラッチの必要な連結または切り離しの選択は、様々なクラッチ及び変速機オペレータへのコマンド信号の発信と共に、公知のようにして中央処理装置50によって実行されるもので、例えば前述の米国特許第4,361,060号及び第4,595,986号に詳細に記載されている。
【0049】複合形変速機14が図3に詳細に示されており、これは主部副軸90が補助部副軸92と同軸的に配列されている形式である。変速機14は、比較的標準的な設計であり、主部94及び補助部96のそれぞれの副軸の一方だけが図示されているが、2副軸形であることが好ましい。主部及び補助部の副軸を同軸配列したそのような変速機の例が、例えば米国特許第3,105,395号及び第3,138,965号に記載されている。
【0050】変速機14の入力軸72に部材78が共転可能に固定されており、またそれには入力歯車98が非回転状態で取り付けられている。主部副軸90は主軸100とほぼ平行であり、副軸歯車102、104、106、108、110及び112がそれと共転可能に固定されている。比歯車とも呼ばれる複数の主軸歯車114、116、118及び120が主軸を包囲しており、一度に1つが両側確動ジョークラッチカラー122、124及び126によって主軸に選択的にクラッチ連結可能である。ジョークラッチカラー122はまた、入力軸72を直接的に主軸100にクラッチ連結する一方、クラッチカラー126は後進主軸歯車128を主軸にクラッチ連結する。
【0051】主軸歯車114、116、118及び120は主軸を取り囲んでおり、対応対の副軸歯車104、106、108及び110と継続的にかみあい係合して、好ましくはそれらによって支持されており、この取付け手段及びそれから得られる特別な利点は、前述の米国特許出願第3,105,395号及び第3,335,616号に詳細に説明されている。後進主軸歯車128は、従来形の中間アイドラ歯車(図示せず)を介して副軸歯車112と継続的にかみあい係合している。最も前方の副軸歯車102は入力歯車98と継続的にかみあい係合しており、入力歯車98が回転駆動される時にはいつも、入力歯車98によって駆動されて副軸90を回転させる。
【0052】クラッチカラー122に設けられた確動ジョークラッチ歯98b及び114bがそれぞれクラッチ歯98a及び114aと噛み合うことによって、それぞれ確動ジョークラッチ98c及び114cを形成する。クラッチカラー124に設けられた確動ジョークラッチ歯116b及び118bがそれぞれクラッチ歯116a及び118aと噛み合うことによって、それぞれ確動ジョークラッチ116c及び118cを形成する。ジョークラッチカラー126に設けられたジョークラッチ歯120b及び128bがそれぞれジョークラッチ歯120a及び128aと噛み合うことによって、それぞれ確動ジョークラッチ120c及び128cを形成する。
【0053】従来から公知のように、クラッチカラーの各々は、直接的または間接的に主軸にスプライン連結して、それと共転可能であると共にそれに対して軸方向移動できるようにすることが好ましい。クラッチカラーに対する他の取付け手段も公知であり、それらは本発明の範囲に含まれるものである。クラッチカラー122、124及び126の各々には、それぞれシフトフォークまたはシフトヨーク130、132及び134を受け取る手段が設けられており、これにより、アクチュエータ28によって一度に1つのクラッチカラーを図3に示されている位置から軸方向移動させることができる。
【0054】補助変速部96には、好ましくは入力軸72及び主軸100と同軸的な出力軸22が設けられて、軸受によって変速機ハウジング内に回転可能に支持されている。補助部には、軸受によって変速機ハウジング内に回転可能に支持されている補助部副軸92も設けられている。主軸100と共転可能に補助部駆動歯車136が固定されている。
【0055】補助部副軸92には、それと共転可能に補助部副軸歯車138及び140が取付けられている。補助部副軸歯車138は補助部入力歯車136と常時噛み合っている一方、補助部副軸歯車140は、出力軸22を包囲している出力歯車142と常時噛み合っている。
【0056】従来形の個別に同期するジョークラッチ構造の同期化クラッチ構造体144を用いることによって、主軸100及び補助駆動歯車136を直接的に出力軸22に選択的にクラッチ連結して、主軸と出力軸との間を直接駆動連結するか、出力歯車142を出力軸22にクラッチ連結して、公知のようにして主軸100から副軸92を介して出力軸22を減速駆動することができる。同期化クラッチ構造体144は、アクチュエータ28が軸方向移動させるシフトフォーク146によって制御される。
【0057】変速機14は、補助部の比段階が、全ての範囲に見られる主部比の合計比範囲よりも大きいレンジ形式である。そのような変速機は公知であり、例えば米国特許第4,754,665号に記載されている。
【0058】動力シンクロナイザアセンブリ30には、駆動エンジン16の回転速度には無関係に出力軸22によって駆動される遊星加速歯車組が設けられており、選択的に作動して、入力軸72によって駆動される変速機部材の回転速度を加速することによって、連結すべき歯車比に対応したジョークラッチ部材を同期回転させることができる。動力シンクロナイザアセンブリ30には、入力軸によって駆動される変速機部材を減速する手段も備えることが好ましい。入力軸によって駆動される変速機部材の減速は、中央処理装置50に制御されることが望ましい入力軸及び/またはエンジン制動装置によって行うこともできる。
【0059】動力シンクロナイザアセンブリ30は、直接的または間接的に出力軸22によって駆動される車両通し歯車142によって駆動されるようになっており、このため、補助部が係合していない時には動力シンクロナイザは主部副軸90を加速することができない。
【0060】動力シンクロナイザアセンブリ30の構造及び作用の詳細は、前述の米国特許第4,614,126号に詳細に記載されている。
【0061】装置12の変速機14の単段のシフトを行うシフトシーケンスが図4に示されている。第2速から第3速へのシフト(すなわち単段のアップシフト)が必要であるとECU50が決定したとすると、ECUはスロットルペダル32の位置に無関係に燃料コントローラ34によってエンジンへの燃料供給を減少させる(すなわち下方傾斜させる)。エンジンへの燃料供給が減少している間、切断クラッチ(またはマスタークラッチ)24が切り離されて、主部94をニュートラルへシフトさせる。
【0062】エンジンへの燃料供給減少、切断クラッチの切り離し及び主部の切り離しが行われる時、動力シンクロナイザが作動して、主軸歯車(本例では第3速主軸歯車114)を出力軸速度及び補助部96の比によって決定された目標速度すなわち主軸100に対してほぼ同期した速度で回転させる。出力軸速度はセンサ44で感知されるのに対して、それぞれの主軸歯車の速度は、センサ42で感知された入力軸72の速度の既知倍数である。
【0063】主部の切り離し後ではいつでもレール選択機能を実施でき、動力シンクロナイザが連結歯車を目標速度に近づけていくと、新しい比に主部を再連結する時に達する。もちろん、アップシフトでは、動力シンクロナイザは通常は入力軸及び関連歯車の速度を減速する必要がある。
【0064】適当な主部比に連結した時、切断クラッチが再連結され、エンジンに燃料が再供給される。
【0065】一般的に、単段のシフトは約0.70〜0.80秒で、切断(すなわちトルク遮断)時間は約0.50秒である。
【0066】自動変速装置12の変速機14の主部94は、手動非同期変速機から考え出されており、車両の停止中にニュートラルから主部歯車を連結しようとすると、ジョークラッチ歯が突当たることがある。これは非同期変速機には一般的に発生し、運転者が変速機マスタークラッチを部分的に連結して、突当られたクラッチ歯を突当て状態から離れるようにゆっくり滑らせることによって連結させることが必要である。
【0067】ECU50で実行される変速機の制御装置は、初期連結時にこの歯の突当て状態を検出して、歯車をかみあい位置へ滑らすための動作を行うことができなければならない。
【0068】自動変速機14では、ほとんどすべての非同期手動変速機と同様に、車両が停止している時にニュートラルからドライブまたは後進を選択する(初期連結)と、歯の突当て状態になることがある。
【0069】初期連結シフトシーケンス(停止中にニュートラルから主部歯車連結を要求)の一部である図6の遷移図において、制御装置は、先ず、入力軸を目標歯車速度に同期してから、歯車の連結を要求する。シフトアクチュエータがニュートラルからうまく移動したが完全連結できなかった(0.5秒後)ことを制御装置が感知すると、制御装置は切断クラッチ24の連結(0.5秒)を短時間だけ要求する。制御装置が連結を検出できない状態が続く(1秒後)場合、切断クラッチをそれよりも長い時間長さ(1秒)だけ短時間連結する。制御装置は時間を順次長くしながらこのサイクルを5回繰り返しながら、連結したかを継続的に監視する。このシーケンス中に軸方向ジョークラッチの連結が検出されれば、切断クラッチが連結し、シフトシーケンスが完了する。5回後に軸方向ジョークラッチの連結が検出されない場合、ニュートラルを要求して、初期連結シフトシーケンスの最初からサイクルを繰り返す。
【0070】入力軸及び出力軸速度センサ42及び44によってジョークラッチ部材の回転速度が感知され、レール位置センサ43によって可動ジョークラッチ部材98b、114b、116b、118b、120bまたは128bのニュートラル/非ニュートラル及び連結/非連結軸方向移動が感知される。停止から始動する状態において連結しようとする時、連結するジョークラッチが所定の時間長さだけ非ニュートラルかつ非連結状態にある一方、ジョークラッチがほぼ同期速度で回転していれば、これはジョークラッチが突き合わされていることを表し、ECU50はクラッチオペレータ38/40へコマンド出力信号を発生して、切断またはマスター摩擦クラッチを瞬間的に連結させて、歯を回転または打撃することによって当接状態から外してかみあわせることができるようにする。
【0071】これがうまくいかない場合、すなわちレール位置センサが非連結状態を表示し続ける一方、速度センサがクラッチ部材の継続的同期回転を表示する場合、突当てを外す試みが所定回数、好ましくは切断またはマスタークラッチの連結時間を順次長くしながら繰り返される。歯の突当て状態を外す試みを所定回数行ってもうまくいかない場合、歯車連結のプロセス全体をやり直す。
【0072】前述したように、歯の突当て状態を感知した時、エンジン16及び変速機入力軸72間に介在させた摩擦カップリング10をわずかに連結することが必要である。
【0073】自動機械式変速装置における遮断または切断クラッチ10またはマスター摩擦クラッチの制御は、比較的小さい調整であることが多く、そのため変速機の制御装置は手動変速機の運転者のようにクラッチ連結度を操作することができない。しかし、本発明によれば歯の突当て状態が存在するニュートラルからの初期連結時に、コントローラは切断クラッチ24を連結させて、歯車の歯を突当て状態から外れるように滑らせてかみあわせることができる。
【0074】再び図6の遷移図を参照すると、車両が停止している時に、ニュートラルからドライブまたは後進を選択する(初期連結)と歯の突当て状態になることがある。この歯の突当て状態が発生すると、制御装置は切断クラッチを短時間だけ連結して、歯車を打撃して突当て状態から外すことを可能にする。
【0075】切断クラッチが連結している間、コントローラは連結中の2つの歯車の軸速度を監視する。歯車が連結または突当て状態にある時はいつも、軸速度は同期していなければならない。ギヤ鳴り状態が発生する場合、ジョークラッチの同期が失われている。それゆえ、ジョークラッチ部材の非同期状態が相当に継続することが検出された時、論理は切断クラッチを切り離し、ニュートラルを要求してギヤ鳴りを最小限に抑えることができる。ニュートラルになってから、コントローラは初期連結シフトシーケンスを最初から開始する。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、ジョークラッチ部材の回転速度およびその軸方向位置を感知し続け、それがほぼ同期速度で回転しクラッチの軸方向移動がない場合には、歯の突き当て状態であると判断する論理規則により、歯の突き当ておよびギヤ鳴り状態が検出されるので、これを解消するように変速装置のシフトを制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトルクコンバータ及びトルクコンバータ切断及びバイパスクラッチ構造を示す概略図である。
【図2】本発明の自動機械式変速装置の概略図である。
【図3】本発明の自動機械式変速装置の部分断面図である。
【図4】図2の変速機での典型的なシフトシーケンスのグラフ図である。
【図5】図3の変速機の場合のシフトパターンの記号説明図である。
【図6】本発明の制御装置/制御方法における論理規則の遷移図である。
【符号の説明】
12 変速装置
14 ギヤ変速機
16 エンジン
20 トルクコンバータ
28 変速機シフト機構
32 スロットル制御装置
34 燃料制御装置
38,40 カップリングアクチュエータ
40 切断クラッチ
42 入力軸センサ
43 シフトセンサアセンブリ
44 出力軸センサ
50 中央処理装置
54 インペラ
60 タービン
72 変速機入力軸
98a,98b,114a,114b,118a,118b120a,120b,128a,128b ジョークラッチ歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】 シフトアクチュエータ(28)を含む機械式変速機(14)と、燃料制御エンジン(16)と、エンジン及び前記変速機間に駆動介在させた非確動カップリング(10)と、(i) 変速機の軸(42、44)の回転速度を表す信号及び (ii) 変速機のジョークラッチ部材(43)の位置を表す信号を含む変速装置の状態を表す入力信号を受け取って、論理規則に従ってそれらを処理して、シフトアクチュエータ(28)及び非確動カップリングアクチュエータ(38/40)を含む複数の装置アクチュエータへコマンド出力信号を送る中央制御ユニット(50)とを有している形式の自動機械式変速装置(12)のシフト制御方法であって、変速機のニュートラル状態から選択された歯車比への要求シフトの感知に応答して、非確動カップリング(10)を切り離してから、その選択歯車比に関連したジョークラッチ部材(98a/b、114a/b、118a/b、120a/b、128a/b)をほぼ同期速度で回転させて、前記ジョークラッチ部材をかみあい連結位置へ連続的に付勢する段階を含み、さらに、前記ジョークラッチ部材の回転速度及び相対的軸方向位置を感知し続ける段階と、第1の時間経過後に、前記ジョークラッチ部材がほぼ同期速度で回転し続け、かみあいジョークラッチ連結を表す軸方向位置へ移動しない場合、歯の突当て状態が存在することを決定する段階とを有していることを特徴とする方法。
【請求項2】 さらに、歯の突当て状態が存在することを決定した後、前記非確動カップリング(10)を比較的短い第2の時間だけ一時的に連結した後、再び切り離す段階を含んでいる請求項1の方法。
【請求項3】 さらに、前記非確動カップリングが前記第2の時間だけ連結してから切り離された後、歯が突当て状態であると決定される前記状態が存在し続けている場合、前記非確動カップリングを比較的短い第3の時間だけ連結してから再び切り離すことを、前記状態が存在しなくなるか、非確動クラッチを連結してから切り離す前記サイクルの数が所定数を越えるまで、繰り返す段階を含んでいる請求項2の方法。
【請求項4】 前記第3の時間は前記第2の時間よりも長いことを特徴とする請求項3の方法。
【請求項5】 前記第3の時間は可変であり、前記サイクル毎に増加することを特徴とする請求項4の方法。
【請求項6】 さらに、前記サイクル数が前記所定数を越え、かつ前記状態が存在し続けている場合、前記ジョークラッチ部材を前記かみあい連結相対的軸方向位置から移動させる段階を含んでいる請求項3ないし5のいずれかの方法。
【請求項7】 さらに、前記非確動カップリング(10)が連結し、前記ジョークラッチ部材がかみあい連結位置に付勢されている時で、前記ジョークラッチ部材がほぼ非同期速度で回転する場合、前記ジョークラッチ部材を前記切り離し相対的軸方向位置へ直ちに移動させる段階を含んでいる請求項2ないし6のいずれかの方法。
【請求項8】 前記非確動カップリングは、トルクコンバータ(20)及び摩擦トルクコンバータ遮断クラッチ(24)を含んでいる請求項1ないし7のいずれかの方法。
【請求項9】 前記変速装置は動力シンクロナイザアセンブリ(30)を含んでいる請求項1ないし7のいずれかの方法。
【請求項10】 前記変速機は非同期変速機であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかの方法。
【請求項11】 前記制御ユニット(50)は、電子マイクロプロセッサベースの制御ユニットを含んでいる請求項1ないし5のいずれかの方法。
【請求項12】 前記非確動カップリングは、選択的に連結及び切り離し可能な摩擦クラッチを含んでいる請求項1ないし6のいずれかの方法。
【請求項13】 シフトアクチュエータ(28)を含む機械式変速機(14)と、燃料制御エンジン(16)と、エンジン及び前記変速機間に駆動介在させた非確動カップリング(10)と、(i) 変速機の軸(42、44)の回転速度を表す信号及び (ii) 変速機のジョークラッチ部材(43)の位置を表す信号を含む変速装置の状態を表す入力信号を受け取って、論理規則に従ってそれらを処理して、シフトアクチュエータ(28)及び非確動カップリングアクチュエータ(38/40)を含む複数の装置アクチュエータへコマンド出力信号を送る中央制御ユニット(50)とを有している形式の自動機械式変速装置(12)のシフト用制御装置であって、前記論理規則が、変速機のニュートラル状態から選択された歯車比への要求シフトの感知に応答して、非確動カップリング(10)を切り離してから、その選択歯車比に関連したジョークラッチ部材(98a/b、114a/b、118a/b、120a/b、128a/b)をほぼ同期速度で回転させて、前記ジョークラッチ部材をかみあい連結位置へ連続的に付勢する規則を有しており、前記論理規則は、さらに、前記ジョークラッチ部材の回転速度及び相対的軸方向位置を感知し続ける規則と、第1の時間経過後に前記ジョークラッチ部材がほぼ同期速度で回転し続け、かみあいジョークラッチ連結を表す軸方向位置へ移動しない場合、歯の突当て状態が存在することを決定する規則とを有していることを特徴とする制御装置。
【請求項14】 さらに、歯の突当て状態が存在することを決定した後、前記非確動カップリング(10)を比較的短い第2の時間だけ一時的に連結した後、再び切り離す規則を含んでいる請求項13の制御装置。
【請求項15】 さらに、前記非確動カップリングが前記第2の時間だけ連結してから切り離された後、歯が突当て状態であると決定される前記状態が存在し続けている場合、前記非確動カップリングを比較的短い第3の時間だけ連結してから再び切り離すことを、前記状態が存在しなくなるか、非確動クラッチを連結してから切り離す前記サイクルの数が所定数を越えるまで、繰り返す規則を含んでいる請求項14の制御装置。
【請求項16】 前記第3の時間は前記第2の時間よりも長いことを特徴とする請求項15の制御装置。
【請求項17】 前記第3の時間は可変であり、前記サイクル毎に増加することを特徴とする請求項16の制御装置。
【請求項18】 さらに、前記サイクル数が前記所定数を越え、かつ前記状態が存在し続けている場合、前記ジョークラッチ部材を前記かみあい連結の相対的軸方向位置から移動させる規則を含んでいる請求項15ないし17のいずれかの制御装置。
【請求項19】 さらに、前記非確動カップリング(10)が連結し、前記ジョークラッチ部材がかみあい連結状態に付勢され、前記ジョークラッチ部材がほぼ非同期速度で回転する場合、前記ジョークラッチ部材を切り離しの相対的軸方向位置へ直ちに移動させる規則を含んでいる請求項14ないし18のいずれかの制御装置。
【請求項20】 前記非確動カップリングは、トルクコンバータ(20)及び摩擦トルクコンバータ遮断クラッチ(24)を含んでいる請求項13ないし17のいずれかの制御装置。
【請求項21】 前記変速装置は動力シンクロナイザアセンブリ(30)を含んでいる請求項13ないし19のいずれかの制御装置。
【請求項22】 前記変速機は非同期変速機であることを特徴とする請求項13ないし17のいずれかの制御装置。
【請求項23】 前記非確動カップリングは、選択的に連結及び切り離し可能な摩擦クラッチを含んでいる請求項13ないし18のいずれかの制御装置。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開平5−157159
【公開日】平成5年(1993)6月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−144834
【出願日】平成4年(1992)5月11日
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION