説明

自動水栓

【課題】吐水管が細くスリムで外観に優れたホース収納式の自動水栓を提供する。
【解決手段】自動水栓において、吐水ヘッドを保持するホルダ管20の内部に、仕切部材としてのセンサホルダ66を挿入して仕切部としての支持脚84にて区画した配線収納空間90にセンサ側配線コードと制御部側配線コードとを連結するコネクタ80-2を収納するとともに、ホース挿通空間88に給水ホース22を挿通する。そのコネクタ80-2は支持脚84の奥側の後部に配置するとともに、支持脚84をコネクタ80-2より前側の部位で配線収納空間90側に湾曲させて、その湾曲部より前部84Aを、湾曲部よりも後部84Bに対して配線収納空間90側に偏って位置させておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人体検知センサによる人体検知に基づいて吐水を自動的に行う自動水栓に関し、詳しくは吐水ヘッドをこれに接続された可撓性を有する給水ホースとともに引出可能となした自動水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体検知センサによる人体検知に基づいて吐水を自動的に行う自動水栓が広く用いられている。
この種自動水栓として、吐水ヘッドに接続された可撓性を有する給水ホースを、吐水ヘッドを保持するホルダ管の内部に挿通し、その給水ホースを吐水ヘッドとともにホルダ管から引出可能となしたホース収納水栓が公知である。
例えば下記特許文献1,特許文献2に、この種のホース収納式の自動水栓が開示されている。
【0003】
ところでこの種のホース収納式の自動水栓では、可動側である吐水ヘッドに対して固定側となるホルダ管に人体検知センサを設けておくことが必要であり、これに伴いホルダ管の内部に給水ホースを引出可能に挿通しておくのに加えて、ホルダ管の内部に人体検知センサと制御部とを繋ぐ電気配線を設けておくことが必要である。
【0004】
特許文献1,特許文献2に開示のものでは、ホルダ管を、その大部分をなす基端側の金属パイプと、先端側の概略筒状をなすガイド部材及びその上面の開放部を閉鎖する蓋板とで構成し、そしてその蓋板の外側に人体検知センサ及びセンサ側配線と制御部側配線とを連結するコネクタを配置して、それらをカバーにて覆うようにしており、この場合大型の部品であるコネクタがホルダ管の内部に位置していないため、ホルダ管内から引き出され或いは収納される給水ホースに対して、このコネクタが干渉せず、ホルダ管内における給水ホースの円滑な移動が確保されるとともに、コネクタが給水ホースと干渉することによって電気配線がコネクタを介して引張られたり絡まったりする問題を回避することができる。
【0005】
ところで、近年においてはこの種自動水栓における吐水管の全体を細くスリムに構成することの要望が強く、これに対して特許文献1,特許文献2に開示のものでは、ホルダ管の前端側の部分が必然的に太く大型となり、吐水管をスリムに構成して外観上の美観,意匠性を高めるといった要望に対して十分に応えることができない。
【0006】
そこで大型の部品であるコネクタを電気配線とともにホルダ管の内部に収納しておくことが考えられる。
このようにすればホルダ管、ひいては吐水管の全体を小型で細くスリムに構成することが可能となるが、一方でこのようにすると、ホルダ管の内部を移動する給水ホースに対してコネクタ及び電気配線が干渉してしまう問題を生ずる。
【0007】
尚、下記特許文献3にはホルダ管の内部にホースガイド管を挿入し、そのホースガイド管の内部に給水ホースを挿通し、またホースガイド管とホルダ管との間に電気配線を収納するようになした点が開示されているが、この特許文献3に開示のものでは、電気配線を連結するコネクタの位置する部分において、そのコネクタと給水ホースとを仕切る仕切部材は特に設けられておらず、構成において本発明とは異なった別異のものである。
【0008】
【特許文献1】特開2006−144326号公報
【特許文献2】特開2006−144324号公報
【特許文献3】特開平9−144088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上のような事情を背景とし、吐水管が細くスリムで外観に優れたホース収納式の自動水栓を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
而して請求項1のものは、吐水口を有する吐水ヘッドに接続された可撓性を有する給水ホースを、該吐水ヘッドを保持するホルダ管に引出可能に挿通するとともに、該ホルダ管には人体検知センサを設けて、該人体検知センサによる人体検知に基づいて制御部の制御の下に該吐水口から自動的に吐水するようになした自動水栓において、前記ホルダ管には、前記吐水ヘッド側の前端側の内部に、該ホルダ管の内部を配線収納空間とホース挿通空間とに仕切る仕切部を備えた仕切部材を設けて、該配線収納空間に前記人体検知センサと前記制御部とを繋ぐ電気配線及び該電気配線のセンサ側配線と制御部側配線とを連結するコネクタを収納するとともに、前記ホース挿通空間に前記給水ホースを引出可能に挿通し、且つ前記コネクタは前記仕切部の奥側の後部に配置して、前記仕切部材の該後部に該コネクタの固定部を設ける一方、該仕切部は、該コネクタより前側の部位で前記配線収納空間側に湾曲させて、その湾曲部よりも前部を該湾曲部よりも後部に対して該配線収納空間側に偏って位置させてあることを特徴とする。
【0011】
請求項2のものは、請求項1において、前記仕切部は使用者側からの正面視において前記ホルダ管の内部を左右方向に仕切るものとなしてあり、前記後部が前記給水ホースの前記ホース挿通空間内の該後部に対応する部分を左右方向の中心よりも該左右方向に偏って位置させるものとなしてあるとともに、前記前部が前記給水ホースの該ホース挿通空間内の該前部に対応する部分を該左右方向の中央部に位置させるものとなしてあることを特徴とする。
【0012】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記ホルダ管の内部には前記仕切部材の更に後側に筒状をなす可撓性のホースガイド管が挿入されていて、該ホースガイド管の内部に前記給水ホースが挿通されているとともに、該ホースガイド管と前記ホルダ管との間の空間に前記制御部側配線が収納されており、且つ前記仕切部の後端部には、前記ホースガイド管の前端部の内部に係入し、該ホースガイド管と前記ホース挿通空間との間で前記給水ホースを移行案内する係合突片が後方に突出する状態で設けてあることを特徴とする。
【0013】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記仕切部における湾曲部が、前記給水ホースの収納時に該給水ホースに摺接して水切りを行う水切り部を兼ねており、前記ホルダ管には該湾曲部の前側且つ下部に貫通の水抜孔が設けてあることを特徴とする。
【0014】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記人体検知センサは、前記ホルダ管に対して該ホルダ管内の内側から取り付けられていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0015】
以上のように本発明は、ホルダ管の吐水ヘッド側の先端側の内部に、ホルダ管の内部を配線収納空間とホース挿通空間とに仕切る仕切部を備えた仕切部材を設けて、その配線収納空間にコネクタを電気配線とともに収納するとともに、ホース挿通空間に給水ホースを移動可能に挿通し、且つそのコネクタは上記仕切部の奥側の後部に配置するとともに、仕切部をコネクタより前側の部位で配線収納空間側に湾曲させて、その湾曲部よりも前部を湾曲部よりも後部に対して配線収納空間側に偏って位置させたものである。
【0016】
かかる本発明によれば、コネクタを電気配線とともにホルダ管の内部に収納してあるため、コネクタの配置個所においてもホルダ管を小型に細く構成することができ、ホルダ管全体ひいては吐水管を従来に増してスリムに構成することが可能となる。これにより吐水管の美観,意匠性を高めることが可能となる。
【0017】
一方でホルダ管の内部は、コネクタの配置個所において仕切部材の仕切部によりホース挿通空間とコネクタ及び電気配線の収納空間とに区画されているため、コネクタ及び電気配線をホルダ管の内部に収納しているにも拘らず、給水ホースの引出し及び収納の際の移動時に給水ホースに対してコネクタ及び電気配線が干渉するのを防止することができる。
【0018】
ところで、前述したようにコネクタは大型の部品であり、これを収納するためにはホルダ管の径方向において広いスペースを必要とする。
そのために仕切部材によって仕切られた配線収納空間を管軸方向全体に亘って、即ち仕切部の管軸方向の全長に亘ってホルダ管の径方向に広く確保しておくと、仕切部にて仕切られた今一方のホース挿通空間が狭められ、これに伴って給水ホースがホルダ管の径方向に大きく偏った位置に位置させられてしまう。
そのようにすると、給水ホースの引出し及び収納時に給水ホースがホース挿通空間を円滑に移動できなくなってしまう。
【0019】
そこで本発明では、コネクタを仕切部の奥側の後部に配置し、その後部においてはコネクタのために配線収納空間を広く確保するようになす一方、コネクタよりも前側の部位で仕切部を配線収納空間側に湾曲させて、その湾曲部よりも前部を湾曲部よりも後部に対して配線収納空間側に偏って位置させ、そのことによって前部においてはホース挿通空間をホルダ管の径方向に広く確保し、その前部において給水ホースがホルダ管の中央側に位置できるようにしている。
【0020】
通常、吐水ヘッドにおける給水ホースの接続個所はホルダ管の中央部に位置しており、従って給水ホースが仕切部の前部においてホルダ管の中央側に位置していれば、給水ホースが吐水ヘッドとの接続部近傍で急激に屈曲した形状とならず、そのことによって給水ホースをホルダ管から円滑に引き出し、又は収納することが可能となる。
【0021】
またその際、仕切部に設けられた湾曲部は、収納空間の狭い後部から収納空間の広い前部へと給水ホースを円滑に移動案内する働きをなす。またホース収納時においても、給水ホースを収納空間の広い前部から収納空間の狭い後部へと円滑に移動案内する働きをなす。
【0022】
本発明では、上記の仕切部を、使用者側からの正面視においてホルダ管の内部を左右方向に仕切るものとなし、そして後部を給水ホースの後部に対応する部分を左右方向の中心よりも左右方向に偏って位置させるものとなし、また前部を給水ホースの前部に対応する部分を左右方向の中央部に位置させるものとなしておくことができる(請求項2)。
【0023】
次に請求項3は、ホルダ管の内部且つ仕切部材の更に奥側の後側に、筒状をなす可撓性のホースガイド管を挿入して、そのホースガイド管の内部に給水ホースを挿通するとともに、ホースガイド管とホルダ管との間の空間に制御部側配線を収納し、且つ上記仕切部の後端に、ホースガイド管の前端部の内部に係入する係合突片を後方に突出する状態で設けたものである。
【0024】
このようにすることで、吐水ヘッドとともに給水ホースを引き出す際若しくはこれを収納する際に、ホースガイド管と仕切部にて仕切られたホース収納空間との間で給水ホースを円滑に移行案内することができる。
【0025】
次に請求項4は、上記仕切部における湾曲部を、給水ホースの収納時に給水ホースに摺接して水切りを行う水切り部となし、そしてホルダ管には、その湾曲部の前側且つ下側に貫通の水抜孔を設けたものである。
【0026】
このようにすることで、ホース収納式の水栓において従来から問題とされていた、ホース収納時にホースに付着した水がホルダ管の内部に浸入し、更にホルダ管の内部を伝ってキャビネット等の内部に浸入するのを抑制でき、且つその湾曲部から成る水切り部にて水切りした水をホルダ管の水抜孔を通じて外部に良好に排出することが可能となる。
【0027】
本発明ではまた、人体検知センサをホルダ管に対してその内側から取り付けておくことができる(請求項5)。
このようにすれば、センサ取付部を含むホルダ管の全体、ひいては吐水管をより小型でスリムに構成し、外観をより一層良好なものとなすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に本発明をキッチン用水栓として好適なホース収納式の自動水栓に適用した場合の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
図1において、10はカウンタで、このカウンタ10上に起立する状態で水栓本体部12が設けられ、更にこの水栓本体部12から吐水管14が延び出している。
吐水管14は、管軸方向において吐水口16を有する先端側の吐水ヘッド18と、これを保持する基端側のホルダ管20との分割構造とされている。
【0029】
ホルダ管20には、後述の可撓性を有する給水ホース22が挿通されてそこに収納され、この給水ホース22が吐水ヘッド18に接続されている。
吐水ヘッド18は、この給水ホース22とともにホルダ管20から引出可能とされている。
即ちこの実施形態の自動水栓はホース収納式の自動水栓である。
【0030】
ホルダ管20には、管軸周りの周壁部、ここでは周壁上部を径方向に貫通して人体検知センサとしての光センサから成る温水用センサ26(以下単にセンサ26とする)と、浄水用センサ28(以下単にセンサ28とする)とが管軸方向に並べて取り付けられている。
ここでセンサ26と28とは、それぞれホルダ管20の内側から取り付けられている。
開口窓部24及びそこに取り付けられたセンサ26及び28はそれぞれ上方に向けて、詳しくは使用者に向かって斜め前方の上方に向けて設けられている。
【0031】
即ち、吐水口16からの吐水の方向が下向きであるのに対し、これらセンサ26及び28は、それぞれ検知方向が吐水の方向とは異なった方向とされており、吐水口16からの吐水方向前方の人体やその他の対象物を検知しない向きで設けられている。
【0032】
ここでセンサ26は、その検知方向前方即ち上方に使用者が手かざししたとき、これを検知して吐水口16から適温に温調された温水を吐水させる。
温水用センサ26は、その後人体非検知となっても温水の吐水を継続させ、そして再び使用者による手かざし操作によって人体検知したとき、吐水口16からの温水の吐水を停止させる。
【0033】
センサ28もまた同様で、使用者の手かざし操作によって人体検知すると、そこで吐水口16から浄水を吐水させる。
センサ28は、その後人体非検知となっても浄水の吐水を継続させ、そして再び使用者が手かざし操作をすることによって人体検知したときに、そこで浄水の吐水を停止させる。
即ちセンサ26,28は、何れも人体検知するごとに吐水と止水とを交互に行わせる手かざし式の交互センサとされている。
【0034】
上記水栓本体部12は、その内部に設けられた混合弁30と、これを操作するレバーハンドル32とを有している。ここで混合弁30は、水と湯とを所定比率で混合して適温の温水とする。
レバーハンドル32は、左右回動操作によって水と湯との混合比率を調節し、即ち混合水の温度を調節し、また上下回動操作によって温水の吐水流量を調節する。
【0035】
この実施形態において、給水元管からの水はカウンタ10下の止水栓34を経て給水路36を通じ混合弁30へと供給される。
また給湯元管からの湯が、止水栓38を経て給湯路40を通じ混合弁30へと供給される。
そして混合弁30に供給された水と湯とが、混合弁30で所定比率で混合されて適温の温水とされ、混合弁30から延び出した流出管へと流出せしめられる。
【0036】
この流出管には、上記の可撓性の給水ホース22が接続されており、それら流出管と給水ホース22とによって、その内部に流出路42が形成されている。
即ち上記可撓性を有する給水ホース22は、カウンタ10の下方に垂れ下がっており、吐水ヘッド18とは反対側の端部が混合弁30から下向きに延び出した流出管に接続されている。
図中42Aは混合弁30側の流出路を、また42Bは給水ホース22側の流出路をそれぞれ表している。
【0037】
カウンタ10の下方には制御ボックス15が配置されており、そしてその制御ボックス15の内部において、流出路42上にこれを開閉する電磁弁44が設けられていて、その電磁弁44の開閉により、吐水口16からの温水の吐水と止水とが行われる。
【0038】
制御ボックス15の内部にはまた、マイコンを主要素とする制御部46が設けられ、この制御部46に対して電磁弁44が電気的に接続されている。
ここで制御部46は、電磁弁44の作動制御を行う。
この制御部46にはまた、上記のセンサ26及び28が電気的に接続されている。
制御部46は、センサ26による人体検知に基づいて電磁弁44を開閉制御し、吐水口16からの温水の吐水と止水とを制御する。
尚給水路36,給湯路40上には混合弁30側への水,湯の流れのみを許容し、逆方向の流れを阻止する逆止弁48が設けられている。
【0039】
給水元管からの水はまた、逆止弁48の下流部で給水路36から分岐した浄水路50に取り出され、そして浄水路50上に設けられた浄水器52のフィルタを通過してそこで浄化された上で、浄化後の水(浄水)が、混合弁30をバイパスして流出路42に導かれ、そしてその流出路42を通じて吐水ヘッド18の吐水口16から吐水されるようになっている。
この浄水路50上には、浄水器52への原水の流入側において電磁弁54と定流量弁56とが設けられている。
【0040】
電磁弁54は制御部46に電気的に接続されており、制御部46による電磁弁54の開閉制御によって、吐水口16からの浄水の吐水と止水とが行われる。
詳しくは、センサ28による人体検知に基づいて電磁弁54が制御部46により開閉制御されることによって、浄水の吐水と止水とが行われる。
【0041】
図1に示しているように、吐水管14は逆U字状のグースネック形状をなしており、その先端側の吐水ヘッド18は、図2及び図4に示しているように、筒状をなすコア部材58と、これを外周側から覆うカバー60、更に吐水口部材62を有しており、そのコア部材58に対して給水ホース22の先端部が水密に接続されている。
【0042】
一方ホルダ管20は、吐水ヘッド18との分割位置に到るまで一様な内径及び外径で連続して延びる一体の管体(ここでは金属製)にて構成されており、その先端開口がセンサ26,28及びこれを保持する後述の仕切部材としてのセンサホルダ66を管軸方向に挿入するための、管軸方向を向いた挿入開口68を成している。
この実施形態では、図3にも示しているようにセンサ26及び28が全体として一体のセンサユニット64を成している。
【0043】
センサユニット64は、図3に示しているように下側に回路ケース70を有しており、その内部にセンサ回路が収容されている。
一方回路ケース70の上側には、透光性を有するセンサケースが回路ケース70から突出する形状で設けられており、そのセンサケースの内部に、センサ26,28にそれぞれ対応した発光素子及び受光素子が収容されている。
【0044】
回路ケース70とセンサケースとの内部は互いに連通した空間とされており、回路ケース70に収容された基板上に上記の発光素子,受光素子が搭載されており、そしてそれら発光素子,受光素子がセンサケースの内部に収容されている。
センサ26,28はそれぞれ発光素子からの光を素子ケースを通して投光し、その反射光を受光素子で受光して人体検知を行う。
ここでセンサユニット64は、図2,図5に示しているようにグースネック形状をなす吐水管14におけるホルダ管20の湾曲形状に対応した形状の湾曲形状をなしている。
【0045】
上記センサ26,28(厳密にはセンサケース)は、全体として平面形状が管軸方向に長い矩形状をなしており、そして図3に示しているようにこれらを取り囲むようにして弾性を有するシール部材72がセンサユニット64における回路ケース70の上面に固設されている。
【0046】
センサユニット64は、センサ26,28を図2及び図4に示しているようにホルダ管20に設けられた開口窓部24に嵌め込む状態に、ホルダ管20にその内側から取り付けられている。
【0047】
詳しくは、回路ケース70の上面をホルダ管20の内面に当接させ、そしてセンサ26,28を開口窓部24内に嵌め込む状態にホルダ管20に取り付けられている。
このとき弾性シール部材72は、図7(B),(C)に示すようにホルダ管20の内面に弾性圧接せしめられ、その弾性圧接状態の下でシール作用する。
【0048】
この実施形態では、このようにしてセンサ26,28が開口窓部24に嵌め込まれ、開口窓部24に対して嵌合することによって、センサ26,28及びこれを含むセンサユニット64がホルダ管20に対して管軸方向及びこれと直角方向に位置決めされ、ホルダ管20に対して固定状態とされる。
【0049】
尚この実施形態において、センサ26,28は開口窓部24に嵌め込まれ取り付けられた状態において、図7(B)に示しているように湾曲状をなすその上面がホルダ管20の上面と同一面、即ち面一面を形成する。
この結果ホルダ管20は、その基端から先端に到るまで、上面を含む外面全体が凹凸の無い平滑な面を形成する。
【0050】
センサユニット64からは、その前端(図3中下端)から合計6本の電気配線が引き出されている。
このうち4本が束ねられて配線コード76A-1とされ、また残りの2本が束ねられて配線コード76A-2とされている。
図中76Aは、これら配線コード76A-1,76A-2から成るセンサ側の配線コードを表している。
【0051】
一方上記の制御部46からは、図3,図5,図7(A)に示しているように対応する6本の電気配線を1つに束ねて成る制御部46側の配線コード76Bが延び出し、この配線コード76Bがホルダ管20にその基端側から挿通されている。
【0052】
図3に示しているようにこの配線コード76Bは、先端側がセンサ側の配線コード76A-1に対応した4本の配線コード76B-1と、センサ側の配線コード76A-2に対応した2本の配線コード76B-2とに分かれており、そして図5に示すように配線コード76A-1と76B-1とがコネクタ80-1により、また図6に示すように配線コード76A-2と76B-2とがコネクタ80-2にてそれぞれ連結されている。
【0053】
即ち、配線コード76A-1の先端に設けられた雌コネクタ80-1Aと、配線コード76B-1の先端に設けられた雄コネクタ80-1Bとにより、配線コード76A-1と76B-1とが連結され、また配線コード76A-2の先端に設けられた雌コネクタ80-2Aと、配線コード76B-2の先端に設けられた雄コネクタ80-2Bとにより、配線コード76A-2と76B-2とがそれぞれ連結されている。
【0054】
上記仕切部材としてのセンサホルダ66は、図2,図4にも示しているようにセンサユニット64をホルダ管20の内部において下側から保持する働きをなす部材で、ここではこのセンサホルダ66は樹脂製とされている。
このセンサホルダ66は、ホルダ管20の管軸方向に長手形状をなしており、且つその全体がホルダ管20の湾曲形状に対応した形状の湾曲形状をなしている。
【0055】
センサホルダ66は、図3及び図8に示しているように水平方向に薄板状をなすセンサ支持部82を有しており、そのセンサ支持部82の上面にセンサユニット64を載せて、これをホルダ管20の内側から保持するようになっている。
【0056】
仕切部材としてのセンサホルダ66はまた、同じく薄板状をなしてセンサ支持部82から立下がる仕切部としての支持脚84を有しており、図7(B),(C)に示しているようにセンサ支持部82の左右方向の両端及び支持脚84の下端の、ホルダ管20の内面への当接作用により、ホルダ管20内部への挿入時にホルダ管20内に嵌合し、その嵌合作用によってホルダ管20に対して径方向に位置決めされ、その位置決め状態でホルダ管20の内部に保持されるようになっている。
尚、図7に示しているように支持脚84は下端に着座部86を有しており、支持脚84はこの着座部86においてホルダ管20の内面に当接し、着座するようになしてある。
【0057】
本実施形態において、仕切部材としてのセンサホルダ66は、図7(B),(C)に示すように支持脚84がホルダ管20内部を、使用者から見た正面視においてホース挿通空間88と配線収納空間90とに左右に区画する仕切部を成しており、図7(B),(C)中右側のホース挿通空間88に上記の給水ホース22が収納され、また図中左側の配線収納空間90に配線コード76A,76Bがコネクタ80-1,80-2とともに収納されるようになっている。
【0058】
センサホルダ66には、配線収納空間90側に突出してコネクタを固定するための複数の爪が設けられている。
詳しくは、図5及び図8(C)に示しているように、センサ支持部82の下面から爪92,94が下向きに突出形成され、また支持脚84から側方に向けて爪96が突出形成されている。
ここで爪92は、コネクタ80-1の側面に当接してコネクタ80-1を支持脚84と協働して図7中左右方向に位置決めし、また爪96は、コネクタ80-1の下面を支持してコネクタ80-1の上下方向の位置決めを行う。
【0059】
更に爪94は、コネクタ80-1の前端(図5中右端)に当接し、コネクタ80-1の凹陥部に入り込んだ爪96と協働して前後方向(図5中左右方向)の位置決めをなす。
そしてそれら爪92,96,94の位置決作用によって、それらが協働してコネクタ80-1をセンサホルダ66に固定する。
【0060】
センサホルダ66にはまた、支持脚84から配線収納空間90側に突出する状態でコネクタ80-2の固定用の爪98が設けられている。
爪98は、図7(B)及び図8(C)に示しているようにL字状に上向きに折れ曲っており、コネクタ80-2の凹陥部にこの爪98が下側から嵌り込むことで、コネクタ80-2を位置決状態にセンサホルダ66に固定する。
【0061】
尚、センサホルダ66には、支持脚84から配線収納空間90側に突出する別の爪100が設けられている。
この爪100は、支持脚84から水平方向に突出した後、下向きに折れ曲るL字状をなしている。この爪100は、図5及び図6に示しているように配線コード76B-1,76B-2の掛止用のものである。
但し配線コード76B-1,76B-2は、この爪100に対して掛止状態を保ちながらスライド移動することが可能である。
【0062】
この実施形態において、上記コネクタ80-1,80-2は図5及び図6に示すように仕切部材としてのセンサホルダ66の仕切部となる支持脚84の奥側の後部に配置されており、図8(A),(B)に示すように支持脚84はこのコネクタ80-1,80-2よりも前側の部位で配線収納空間90側に図8(A)中左側(図8(B)中ここでは上側)に湾曲させられており、その湾曲部106よりも前側の前部84Aが湾曲部106よりも後側の後部84Bに対して、配線収納空間90側に偏って位置させられている(図7(B),(C)参照)。
【0063】
コネクタ80-1,80-2は大型の部品であり、これを収納するための空間をホルダ管20の径方向、具体的にはここでは左右方向に広く確保しておく必要がある。
そのためここでは仕切部となる支持脚84の後部84Bを、前部84Aに対して図中右側に偏った位置に位置させ、図7(B)に示しているように配線収納空間90を、これらコネクタ80-1,80-2の位置する部分において左右方向に広く確保している。
その結果、ここでは後部84Bがホース挿通空間88内の給水ホース22、詳しくは後部84Bに対応する部分をホルダ管20の左右方向中心部よりも図中右側に偏って位置させるものとなっている。
【0064】
一方において配線収納空間90は、コネクタ80-1,80-2が位置していない部分については収納空間を広く確保しておく必要はなく、そこでここでは図7(C)に示すように支持脚84の前部84Aを後部84Bに対して図中左側、即ち配線収納空間90側に偏って位置させてある。
そしてこれにより、支持脚84にて仕切られたホース挿通空間88を、この前部84Aに対応する部分において左右方向に広く確保してある。
この前部84Aは、ホース挿通空間88内の給水ホース22、詳しくは前部84Aに対応する部分を、図7(C)に示しているようにホルダ管20の左右方向の中央部に位置させるものとなしてある。
【0065】
上記湾曲部106は、図8(B)に示しているように断面円弧形状となしてあり、ホース挿通空間88内の給水ホース22は引出し及び収納の際の移動時に、後部84Bから84Aに、またその逆に円滑に湾曲部106にて移動案内される。
即ち湾曲部106は給水ホース22の図7中左右方向位置を円滑に移行させるための案内部として働く。
【0066】
本実施形態において、湾曲部106は引出状態の給水ホース22をホルダ管20内部に押し込み収納する際に、給水ホース22の外面に摺接して水切りを行う水切り部としても働く。
而してその水切り部としての湾曲部106にて水切りされた後の水は、図2に示すようにホルダ管20の湾曲部106の前側且つ下部に貫通して設けられた水抜孔128を通じて下方に、即ちホルダ管20の外部に排出せしめられる。
【0067】
このセンサホルダ66の前端(図8中左端)には、正面視において左方に曲った曲げ部104が設けられ、更にこれに続いて上方に曲った被掛止部102が設けられている。
この被掛止部102の付根部位には、段違い形状の当接部107が設けられている。
【0068】
この当接部107は、センサホルダ66をホルダ管20の先端の挿入開口68からホルダ管20内部に管軸方向に挿入したとき、図2の部分拡大図に示しているようにセンサユニット64の前端に当接して、その当接作用によりセンサホルダ66の挿入端を規定する働きをなす。
尚、センサホルダ66の後端(図8中右端)には、側面形状が半円形状で支持脚84から後方に突出した係合突片108が設けられている。
【0069】
図5に示しているように、配線コード76-1(76A-1及び76B-1から成る配線コード76-1)は、センサユニット64の前端から引き出された後、吐水管14の基端側の方向の後方に曲げ返されてその後方に延びた後、センサユニット64の後端(図中左端)近傍位置で前方(図中右方)に曲げ返された上、再びセンサユニット64の前端近傍位置で後方に曲げ返され、全体を1本に束ねた配線コード76Bへと到っている。
【0070】
同様に、図6に示すように配線コード76-2(76A-2及び76B-2から成る配線コード76-2)についても、センサユニット64の前端から引き出された後、後方(図6中左方)に曲げ返されて後方へと延びた後、更に前方(図6中右方)に曲げ返されて前方へと延び、再び後方に曲げ返されて配線コード76Bへと到っている。
【0071】
これら配線コード76A−1,76A-2及び76B-1,76B-2のU字状をなす部分、即ちセンサユニット64から後方に延びた後、向きを180°転回して前方に延び、その後に後方へと向きを転回するまでのU字状の部分は、配線コード76A,76Bにおける余長部分となるもので、この余長部分により、センサホルダ66を後に示すようにホルダ管20の挿入開口68を通じホルダ管20から引き出す際に配線コード76A,76Bに引張りの力を発生させることなく、円滑にセンサホルダ66をホルダ管20から引き出すことが可能となる。
【0072】
図4(及び図2,図5)に示しているように、ホルダ管20の先端部には、ホルダ管20から突出し、吐水ヘッド18の雌嵌合部110との嵌合によって吐水ヘッド18を保持する雄嵌合部112を備えた円筒形状をなす筒体114が設けられている。
この筒体114は、その外径が雄嵌合部112の外径よりも大径をなす大径部116を一体に有しており、その大径部116がホルダ管20の先端部に内嵌状態に嵌合されて、固定具としてのビス118によりホルダ管20の先端部に固定されている。
【0073】
この筒体114には、後方(図中右方)に突出する掛止爪120がその上部に一体に設けられており、この掛止爪120が、センサホルダ66における上記の被掛止部102に係合せしめられている。
即ちこの実施形態では、センサホルダ66及びこれとは別体に構成された筒体114が、掛止爪120と被掛止部102との係合によって管軸方向に連結状態とされている。
【0074】
尚ホルダ管20への筒体114の固定状態において、図4の部分拡大図に示しているように掛止爪120と被掛止部102との間には管軸方向に微小な遊びがもたせてある。
この遊びは筒体114をホルダ管20から引き出したときに消失して、図12の部分拡大図に示しているように掛止爪120と被掛止部102とが引っ掛かった状態となり、筒体114に加えられた抜出方向の力がセンサホルダ66へと伝えられる。
【0075】
センサホルダ66は、上記のようにセンサ26,28が開口窓部24に嵌り込むことによって、更には段付形状の当接部107がセンサユニット64に当接することによって、押込方向(挿入方向)に位置決めされる。即ちその挿入端が規定される。
【0076】
但しこのままではセンサホルダ66はホルダ管20からの抜出方向には位置決めされていない。
しかるに筒体114をホルダ管20に挿入し、そして筒体114をセンサホルダ66の前端(図中左端)に当接させることで、センサホルダ66が抜出方向にも位置決めされる。
【0077】
図3に示しているようにホルダ管20の内部には、仕切部材としてのセンサホルダ66の更に後側に、樹脂のシートを円形に巻いた状態に成形して成るホースガイド管122が挿入されており、このホースガイド管122内部に上記の給水ホース22が挿通され、その先端部が上記のように吐水ヘッド18に接続されている。
【0078】
給水ホース22は、吐水ヘッド18とともにホルダ管20から引き出されるとき、或いは再び元に戻されるときに、このホースガイド管122内部を管軸方向に移動する。
即ち給水ホース22の管軸方向の移動が、このホースガイド管122によってガイドされ、給水ホース22の移動時に給水ホース22がホルダ管20に対して擦れを生じるのが良好に防止され、給水ホース22が円滑に移動せしめられる。
【0079】
仕切部材としてのセンサホルダ66は、図9に示すように支持脚84Bの後端から後方に突出した上記の係合突片108を、このホースガイド管122の前端部の内部に係入させることによって、ホースガイド管122と上記のホース挿通空間88との間で給水ホース22を円滑に移行案内する。
【0080】
図9(A)では、樹脂シートを巻いた状態に成形して成るホースガイド管122の下部を展開した形状で表している。図9(A)に示しているようにホースガイド管122には幅方向の端部と幅方向の中央部とに多数のスリット124と126とが設けてある。
尚図7(A)に示しているように、ホースガイド管122の外側には配線収納空間が形成されていて、そこに上記の制御部46から延び出した配線コード76Bが収納されている。
【0081】
本実施形態の自動水栓では、センサユニット64を次のようにしてホルダ管20に組み付けることができる。
詳しくは、図10に示しているように先ずセンサ26,28をセンサユニット64とともにホルダ管20の先端の挿入開口68を通じてホルダ管20の内部に挿入し、そしてホルダ管20の開口窓部24にその一部を(望ましくはセンサ26の前端側の一部を)嵌め込んだ状態とする(図11(I)参照)。
尚、そのようにして開口窓部24に一部を嵌め込んだ状態でセンサユニット64を、粘着テープ等にてホルダ管20に仮止めしておく。
その状態で、図10に示すようにセンサホルダ66(配線コードについては図示を省略)を、同じくホルダ管20の先端の挿入開口68を通じてホルダ管20内部に管軸方向に挿入する。
【0082】
このとき、センサホルダ66の挿入によって、図11(II)に示しているようにセンサユニット64が、弾性を有するシール部材72をホルダ管20の内面に弾性圧接させつつ図中上向きに押し上げられ、センサ26,28が開口窓部24の全体に上向きに完全に嵌り込んだ状態となる。
同図に示しているように、この状態でセンサ26,28の外面がホルダ管20の外面と面一面となる。
換言すれば、センサ26,28はシール部材72を介してホルダ管20の内面に弾性圧接状態に取り付けられ、固定される。
【0083】
またホルダ管20の内部に挿入されたセンサホルダ66は、センサ支持部82の上面においてセンサユニット64を下側から保持した状態となり、更にセンサホルダ66は、センサ支持部82の両端及び支持脚84の下端、詳しくは着座部86のホルダ管20内面への当接作用により、径方向に位置決状態でホルダ管20内部に保持される。
またセンサホルダ66は、その前端の段付形状の当接部107のセンサユニット64に対する当接作用によって挿入端(押込端)が規定される。
【0084】
またセンサホルダ66と一緒に筒体114をホルダ管20内部に挿入し、或いはセンサホルダ66を先にホルダ管20内部に挿入した後において、筒体114をホルダ管20内部に挿入し、そして図12に示すように筒体114をビス118にてホルダ管20に固定することで、センサホルダ66が抜出方向にも位置決めされ、固定される。
【0085】
一方、センサ26,28やコネクタ80-1,80-2等のメンテナンスの必要が生じた場合には、センサ26,28或いはコネクタ80-1,80-2等を次のようにして容易にホルダ管20の外部に取り出すことができる。
【0086】
詳しくは、図4に示す状態においてビス118を外すことによって、筒体114をホルダ管20から抜き出すと、筒体114に対して掛止爪120と被掛止部102とにおいて連結状態にあるセンサホルダ66が、筒体114とともに挿入開口68を通じホルダ管20から管軸方向に抜き出される。
【0087】
尚配線コード76A-1,76B-1,76A-2,76B-2には、図5及び図6に示しているようにホルダ管20内部において所要の余長がもたせてあるため、センサホルダ66は配線コード76A-1,76B-1,76A-2,76B-2に引張力を発生させることなく、コネクタ80-1,80-2をセンサホルダ66にて保持した状態で(図13参照)これら配線コード76A-1,76B-1,76A-2,76B-2とともにホルダ管20の挿入開口68から抜き出すことができる。
尚、図13では配線コード76A-1,76B-1についてのみ図示しているが、配線コード76A-2,76B-2についても基本的に同様である。
このようにしてセンサホルダ66を抜き出すことで、その後センサユニット64を容易にホルダ管20から挿入開口68を通じて外部に抜き出すことができる。
【0088】
以上のような本実施形態においては、コネクタ80-1,80-2を電気配線とともにホルダ管20の内部に収納してあるため、コネクタ80-1,80-2の配置個所においてもホルダ管20を小型に細く構成することができ、ホルダ管20全体ひいては吐水管14を従来に増してスリムに構成することが可能となる。これにより吐水管14の美観,意匠性を高めることが可能となる。
【0089】
一方でホルダ管20の内部は、コネクタ80-1,80-2の配置個所において、仕切部材としてのセンサホルダ66の仕切部としての支持脚84により、ホース挿通空間88とコネクタ80-1,80-2及び電気配線の収納空間90とに区画されているため、コネクタ80-1,80-2及び電気配線をホルダ管20の内部に収納しているにも拘わらず、給水ホース22の引出し及び収納の際の移動時に、給水ホース22に対してコネクタ80-1,80-2及び電気配線が干渉するのを防止することができる。
【0090】
また本実施形態では、コネクタ80-1,80-2を支持脚84の奥側の後部84Bに配置し、その後部(奥部)84Bにおいてはコネクタ80-1,80-2のために配線収納空間90を広く確保するようになす一方、コネクタ80-1,80-2よりも前側の部位で支持脚84を配線収納空間90側に湾曲させて、その湾曲部106よりも前部84Aを湾曲部106よりも後部84Bに対して配線収納空間90側に偏って位置させ、そのことによって前部84Aにおいてはホース挿通空間88をホルダ管20の径方向に広く確保し、その前部84Aにおいて給水ホース22をホルダ管20の中央部に位置させるようにしており、これにより給水ホース22が吐水ヘッド18との接続部近傍で急激に屈曲した形状とならず、そのことによって給水ホース22をホルダ管20から円滑に引き出し、又は収納することができる。
【0091】
またその際、支持脚84に設けた湾曲部106によって、配線収納空間90の狭い後部84Bから配線収納空間90の広い前部84Aへと若しくはその逆に給水ホース22を円滑に移動案内することができる。
【0092】
また支持脚の後端に係合突片108を設けて、これをホースガイド管122の前端部に係入させてあることによって、吐水ヘッド18とともに給水ホース22を引き出す際若しくはこれを収納する際に、ホースガイド管122とホース収納空間88との間で給水ホースを円滑に移行案内することができる。
【0093】
また支持脚84における湾曲部106は、給水ホース22の収納時に給水ホース22に摺接して水切りを行う水切り部を成しており、且つホルダ管20には湾曲部106の前側且つ下側に貫通の水抜孔128が設けてあるため、ホース収納時に給水ホース22に付着した水がホルダ管20の内部に浸入し、更にホルダ管20の内部を伝ってキャビネット等の内部に浸入するのを良好に抑制することができる。また湾曲部106で水切りした水を、ホルダ管20の水抜孔128を通じて外部に良好に排出することができる。
【0094】
本実施形態ではまた、センサ26,28をホルダ管20に対してその内側から取り付けてあるため、センサ取付部を含むホルダ管20の全体、ひいては吐水管14をより小型でスリムに構成し、外観をより一層良好なものとなすことができる。
【0095】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では温水センサと浄水センサとを吐水管本体20に設けているが、場合によって何れか一方又は他の種類の1種類のセンサのみを或いは逆に3種類以上のセンサを設けておくといったことも可能である。更に仕切部材を他の形態で設けることも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態である自動水栓の概略全体図である。
【図2】同実施形態における吐水管の側面断面図である。
【図3】同実施形態の吐水管を各部品に分解して示す分解斜視図である。
【図4】同実施形態の吐水管を吐水ヘッドを引き出した状態で示す断面図である。
【図5】図2とは異なる側面(配線収納空間側)の断面図である。
【図6】図5とは異なる配線コードの設置状態を示す図である。
【図7】図5のア-ア断面図,イ-イ断面図,ウ-ウ断面図である。
【図8】センサホルダの単品図である。
【図9】ホースガイド管の一部を展開状態で示した図である。
【図10】センサホルダの吐水管への挿入途中を示した説明図である。
【図11】図10のセンサホルダの挿入による作用説明図である。
【図12】センサホルダの吐水管本体からの取出途中を示した説明図である。
【図13】図12のセンサホルダの取出しによる作用説明図である。
【符号の説明】
【0097】
14 吐水管
16 吐水口
18 吐水ヘッド
20 ホルダ管
22 給水ホース
26 温水用センサ
28 浄水用センサ
46 制御部
66 センサホルダ(仕切部材)
76A,76A-1,76A-2,76B,76B-1,76B-2 配線コード
80-1,80-2 コネクタ
84 支持脚(仕切部)
84A 前部
84B 後部
88 ホース挿通空間
90 配線収納空間
106 湾曲部
108 係合突片
122 ホースガイド管
128 水抜孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水口を有する吐水ヘッドに接続された可撓性を有する給水ホースを、該吐水ヘッドを保持するホルダ管に引出可能に挿通するとともに、該ホルダ管には人体検知センサを設けて、該人体検知センサによる人体検知に基づいて制御部の制御の下に該吐水口から自動的に吐水するようになした自動水栓において
前記ホルダ管には、前記吐水ヘッド側の前端側の内部に、該ホルダ管の内部を配線収納空間とホース挿通空間とに仕切る仕切部を備えた仕切部材を設けて、該配線収納空間に前記人体検知センサと前記制御部とを繋ぐ電気配線及び該電気配線のセンサ側配線と制御部側配線とを連結するコネクタを収納するとともに、前記ホース挿通空間に前記給水ホースを引出可能に挿通し、
且つ前記コネクタは前記仕切部の奥側の後部に配置して、前記仕切部材の該後部に該コネクタの固定部を設ける一方、該仕切部は、該コネクタより前側の部位で前記配線収納空間側に湾曲させて、その湾曲部よりも前部を該湾曲部よりも後部に対して該配線収納空間側に偏って位置させてあることを特徴とする自動水栓。
【請求項2】
請求項1において、前記仕切部は使用者側からの正面視において前記ホルダ管の内部を左右方向に仕切るものとなしてあり、前記後部が前記給水ホースの前記ホース挿通空間内の該後部に対応する部分を左右方向の中心よりも該左右方向に偏って位置させるものとなしてあるとともに、前記前部が前記給水ホースの該ホース挿通空間内の該前部に対応する部分を該左右方向の中央部に位置させるものとなしてあることを特徴とする自動水栓。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記ホルダ管の内部には前記仕切部材の更に後側に筒状をなす可撓性のホースガイド管が挿入されていて、該ホースガイド管の内部に前記給水ホースが挿通されているとともに、該ホースガイド管と前記ホルダ管との間の空間に前記制御部側配線が収納されており、
且つ前記仕切部の後端部には、前記ホースガイド管の前端部の内部に係入し、該ホースガイド管と前記ホース挿通空間との間で前記給水ホースを移行案内する係合突片が後方に突出する状態で設けてあることを特徴とする自動水栓。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、前記仕切部における湾曲部が、前記給水ホースの収納時に該給水ホースに摺接して水切りを行う水切り部を兼ねており、前記ホルダ管には該湾曲部の前側且つ下部に貫通の水抜孔が設けてあることを特徴とする自動水栓。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記人体検知センサは、前記ホルダ管に対して該ホルダ管内の内側から取り付けられていることを特徴とする自動水栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−133131(P2010−133131A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309040(P2008−309040)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】