自動発注勧告装置、自動発注勧告プログラム
【課題】本発明は、本部主導型の在庫コントロールを行なう自動発注勧告装置、自動発注プログラムの提供を目的とする。
【解決手段】目標在庫週数、商品毎の在庫実績数等を記憶する在庫管理情報記憶手段と、商品毎の目標在庫週数を設定する商品目標在庫週数設定手段と、売上実績から売上実績の特異値の排除し販売予測週販数を取得する販売予測週販数取得手段と、販売予測週販数を基に、発注点を計算する発注点計算手段と、発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、発注店割れが発生した商品について発注量を計算する発注量計算手段と、発注を見送り、前倒しをする発注品目調整手段と、調整された発注商品およびその発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有することを特徴とする自動発注勧告装置。
【解決手段】目標在庫週数、商品毎の在庫実績数等を記憶する在庫管理情報記憶手段と、商品毎の目標在庫週数を設定する商品目標在庫週数設定手段と、売上実績から売上実績の特異値の排除し販売予測週販数を取得する販売予測週販数取得手段と、販売予測週販数を基に、発注点を計算する発注点計算手段と、発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、発注店割れが発生した商品について発注量を計算する発注量計算手段と、発注を見送り、前倒しをする発注品目調整手段と、調整された発注商品およびその発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有することを特徴とする自動発注勧告装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は売上実績・在庫実績より目標在庫週数を基準とした各商品の発注量を決定し、発注勧告値として発注端末に表示する小売業向け自動発注システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発注システムとしては、店舗に設置される店舗端末、店舗端末と接続された本部サーバ、本部サーバとネットワークで接続された各取引先に設置される取引先サーバから構成されている。
【0003】
店舗端末は、各商品の入荷予定の参照、店員による販売単位で商品の発注の登録等を行う店舗端末である。本部サーバは、入荷予定情報に基づく店舗発注データを統合、発注等を行う。
【0004】
取引先サーバは、商品の入荷予定の本部サーバへの登録、本部サーバからの商品の受注処理を行なうサーバである。
【0005】
本部サーバは、受信した入荷予定データを店舗に送信して、店舗では入荷予定の商品からその店舗での発注を登録する。そして、本部サーバは、店舗で発注した発注商品を受信し、店舗からの発注を取引先サーバに送信する (例えば特願2004−179345段落0023〜0024、図2)。
【0006】
しかし、流通小売業界では、発注業務はアルバイト等の人員の経験に依存しており、人為的ミス(発注ミス、漏れ)・現場のカンでの発注量決定(過剰な発注・過少な発注)、またそのミスによる発注頻度の増加、例えば連続発注を行なってしまう。
【0007】
このため、適切な発注数量を勧告する装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平5−61895号公報(第2頁〜第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特開平5−61895号公報の発明では、適切な発注量を勧告することはできるが、企業全体で見た適正在庫水準のコントロールの処理までは対応してはいない。本発明は、本部主導型の適正在庫コントロールを行なう自動発注勧告装置、自動発注勧告プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の自動発注勧告装置は、商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手段と、 商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手段と、 販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手段と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手段と、店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手段と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有する構成である。
【0010】
この構成により、各商品の目標在庫数を調整して、それを基に発注勧告をするため、部門目標の適正在庫を確保できる。
【0011】
ここで、カテゴリとは商品の属する分類を示し、商品がりんごであれば果物の分類を言い、カテゴリの属する部門とは、カテゴリが果物であれば青果物の分類を言う。
【0012】
また、商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定する構成である。
【0013】
この構成により、カテゴリ平均在庫週数が部門目標在庫週数に標準偏差を加算したものより大きい場合、すなわち、部門目標在庫週数より大きくずれているときでも適正在庫への平準化が可能となる。
【0014】
また、商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定する構成である。
【0015】
この構成により、カテゴリ平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きい場合、すなわち、部門目標在庫週数の標準偏差内にある場合の適正在庫への平準化の処理が可能となる。
【0016】
また、商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とする構成である。
【0017】
この構成により、カテゴリ平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さい場合、すなわち、部門目標在庫週数と比較して在庫週数が極端に小さな商品は、商品の目標在庫週数を見直して、適正在庫への平準化の処理が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、商品売上実績・在庫実績より目標在庫週数を基準とした各商品の発注量を決定し、発注勧告値として発注端末に表示する。適正在庫水準(目標在庫週数)を元にした適正発注量を算出し、各店舗の人員の経験値によるものではなく、本部主導型の在庫コントロール・発注頻度の低減が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
【実施例1】
【0020】
図1に実施例の自動発注勧告装置の構成図を示す。
【0021】
自動発注勧告装置1は、在庫情報等記憶部2、目標在庫週数平準化部3、販売予測週販数取得部4、発注点計算部5、発注点割れ判断部6、発注量計算部7、発注品目調整部8、発注量勧告通知部9を有する。
【0022】
在庫情報等記憶部2は、店舗端末12、取引先サーバ13等からの情報を格納する。具体的には、商品情報、売上実績情報、在庫情報等を格納する。この情報が各処理部への入力データとなる。
【0023】
目標在庫週数平準化部3は、部門目標在庫週数を基に、単品の適正な目標在庫週数を平準化する処理を行なう。
【0024】
販売予測週販数取得部4は、売上実績から特売で仕入れた商品の特異値を排除して、平均週販を求め、その値から最小二乗法にて販売予測週販を求める。
【0025】
発注点計算部5は、販売予測週販数を基に、発注点を計算する。
【0026】
発注点割れ判断部6は、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する。
【0027】
発注量計算部7は、発注店割れが発生した商品について取得された販売予測週販、設定された単品目標在庫週数を基に発注量を計算する。
【0028】
発注品目調整部8は、店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は、発注を見送り、品目が少ない場合は、発注の前倒しをする。
【0029】
発注量勧告通知部9は、調整された発注商品およびその発注量を店舗端末12に勧告する。
【0030】
自動発注システム31は、本部サーバ11、店舗端末12、取引先サーバ13を有している。
【0031】
本部サーバ11は、自動発注勧告装置1と発注処理部21と通信処理部22とを有し、取引先サーバ13から商品情報を受信する。一方、店舗端末12からは、商品の仕入れ要求を受信する。両者の情報を整合して、取引先サーバ13に発注する。
【0032】
発注処理部21は、発注処理を制御する。
【0033】
通信処理部22は、店舗端末12、取引先サーバ13との通信処理を制御する。
【0034】
店舗端末12は、商品発注のための端末であり、自動発注勧告装置1に商品発注要求を送信すると、その商品について、発注勧告された商品情報を取得できるので、そのデータを含めて、発注を行なう。
【0035】
取引先サーバ13は、卸売市場等にある商品が登録されている。
【0036】
平均在庫週数とは、小売業にて各商品の在庫の保持期間の平均を週数で表したものである。
【0037】
目標在庫週数とは、各商品の在庫保持期間の目標値である。
【0038】
最大在庫週数とは、目標とする在庫週数分、商品を保持するために必要な商品在庫数の最大値を在庫保持期間に換算したものであり、通常、目標在庫週数の2倍となる。
【0039】
図2に実施例の自動発注システムの処理の説明図を示す。
【0040】
本部サーバにおいて以下の処理を実施し、本部主導型の在庫コントロールを可能としている。
【0041】
本発明の概要を説明する。
1)各商品分類ごとに目標在庫週数を設定する。
2)商品分類に属する各商品の目標在庫週数を平準化する。
(1)平均在庫週数>商品分類の目標在庫週数(過剰在庫)の場合、目標在庫週数数=商品分類の目標在庫週数とする。
(2)平均在庫週数<商品分類の目標在庫週数(過少在庫)の場合、目標在庫週数は平均値をそのまま使用する。
3)発注点を計算する。
(1)特売等による売上のばらつきを抑えるために、売上の特異値を排除する。
(2)特異値を排除した実績値を元に、販売予測値、標準偏差(売上のばらつき)を算出する。
(3)上記値を元に、発注点を計算する。
4)発注点を割り込んだ商品が発生した場合、発注量を計算する。
(1)目標在庫週数、販売予測値、売上の標準偏差(ばらつき)、調達期間等の値を元に、企業の目標在庫週数を反映した発注量を計算する。
5)発注品目数の平準化
(1)店舗毎に発注品目数を集計し、品目が多い場合は発注の先送り、品目が少ない場合は発注の前倒しを実施する。
6)発注端末に発注勧告値として、上記発注量を表示する。
(1)店舗人員は、表示された発注勧告値を元に発注を行う。
【0042】
図3に実施例の自動発注勧告装置の処理の流れ図を示す。
【0043】
まず、目標在庫週数の平準化処理を行なう(S1ステップ)。次に、売上実績の特異値の排除処理を行なう(S2ステップ)。次に、発注点計算処理を行なう(S3ステップ)。次に、発注点割れ判断処理を行なう(S4ステップ)。次に、発注量計算処理を行なう(S5ステップ)。次に、発注品目数の調整処理を行なう(S6ステップ)。次に、発注勧告値通知処理を行なう(S7ステップ)。詳細は、以下に説明を行なう。
【0044】
図4に目標在庫週数の平準化処理の流れ図を示す。
【0045】
まず、平準化データの入力、すなわち、商品別の在庫数実績(過去4週分)、部門の目標在庫週数、商品の売上実績(過去4週分)を入力する(S11ステップ)。
【0046】
次に在庫数実績を基に、商品別の平均在庫数を計算し、次に単品の平均在庫週数=平均在庫数/平均週販を計算する。(S12ステップ)。
【0047】
その単品の平均在庫週数を初期値として単品の目標在庫週数とする(S13ステップ)。
【0048】
次に、単品の平均在庫週数を積み上げて平均をとりカテゴリの平均在庫週数を計算し、また、カテゴリ平均在庫週数を積み上げて平均をとり、部門の平均在庫週数を計算する。
【0049】
また、部門毎と、カテゴリ毎に平均在庫週数の標準偏差を計算する(S14ステップ)。
ここで、カテゴリとは、単品を所定の分類でまとめた商品分類の中分類である。例えば商品がりんごであれば果物の分類である。部門とは、カテゴリを所定の分類でまとめた商品分類の大分類である。例えばカテゴリが果物であれば青果物の分類を言う。
【0050】
次に、カテゴリと部門目標在庫週数との比較する(S15ステップ)。
【0051】
(A)カテゴリの平均在庫週数>部門目標在庫週数+部門標準偏差の場合は、第1の平準化処理を行なう(S16ステップ)。第1の標準化処理は、次のように行なう。図10に目標在庫週数の第1の平準化処理の説明図を示す。
【0052】
まず、カテゴリ目標在庫週数=部門目標在庫週数+部門標準偏差とする。
【0053】
i)カテゴリ平均在庫週数+カテゴリ標準偏差<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=部門平均在庫週数+部門標準偏差とし、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。図10の(1)の領域の単品平均在庫週数をSD1の位置へシフトする補正を示す。
【0054】
ii)部門目標在庫週数+部門標準偏差<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数−差分Aとし、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。
【0055】
ここで、差分A=|カテゴリ平均在庫週数−(部門目標在庫週数+部門標準偏差)|である。
【0056】
図10の(2) の領域の単品平均在庫週数を差分Aだけシフトする補正を示す。
【0057】
iii)それ以外の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数とし、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。但し、単品目標在庫週数は、部門目標在庫週数−部門標準偏差を下限とする。
【0058】
図10の(3) の領域の単品平均在庫週数は、そのまま単品目標在庫週数にすることを示す。
【0059】
(B)また、カテゴリの平均在庫週数>部門目標在庫週数の場合は、第2の平準化処理を行なう(S17ステップ)。第2の標準化処理は、次のように行なう。図11に目標在庫週数の第2の平準化処理の説明図を示す。
【0060】
まず、カテゴリ目標在庫週数=部門目標在庫週数とする。
【0061】
i)カテゴリ平均在庫週数+カテゴリ標準偏差<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=カテゴリ平均在庫週数とする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。図11の(1)の領域の単品平均在庫週数をSD2の位置へシフトする補正を示す。
【0062】
ii)部門目標在庫週数<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数−差分Bとする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。ここで、差分B=|カテゴリ平均在庫週数−部門目標在庫週数|である。但しカテゴリ目標在庫週数を下限とする。図11の(2) の領域の単品平均在庫週数を差分Bだけシフトする補正を示す。
【0063】
iii)それ以外の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数とする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。ただし、部門目標在庫週数−部門標準偏差を下限とする。図11の(3) の領域の単品平均在庫週数は、そのまま単品目標在庫週数にすることを示す。
【0064】
(C)また、カテゴリの平均在庫週数<部門目標在庫週数の場合は、第3の平準化処理を行なう(S18ステップ)。第3の標準化処理は、次のように行なう。図12に目標在庫週数の第3の平準化処理の説明図を示す。
【0065】
まず、カテゴリ目標在庫週数=カテゴリ平均在庫週数とする。
【0066】
i)単品平均在庫週数<(カテゴリ平均在庫週数−カテゴリ標準偏差)の場合は、
単品目標在庫週数=単品平均在庫週数+カテゴリ標準偏差とする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。上限はカテゴリ目標在庫週数とする。図12の(3) の領域の単品平均在庫週数をカテゴリ標準偏差分シフトすることを示す。
【0067】
これらの処理の結果、単品の目標在庫週数を取得できる。
【0068】
図5に売上実績の特異値の排除処理の流れ図を示す。
【0069】
特売で仕入れた商品は、一時的なピーク値の売上を示すので、そのような値を排除する。
【0070】
まず、売上実績を入力する(S21ステップ)。具体的には、売上実績は、移動週販で過去4週分を入力する。移動週販とは、基準日以前の1週間分の売上平均を求め、この基準日を順次日毎に変更して4週間分求めたものである。
【0071】
次に、移動週販の標準偏差を計算する(S22ステップ)。そして、移動週販>移動週販の平均+1.28*標準偏差に該当する日の売上実績については、実績より取り除く(S23ステップ)。これは、移動週販の上位10%、即ち、売上実績の90%以上のものを取り除くことを示す。次に、移動週販の平均を単品の平均週販とする(S24ステップ)。次に、平均週販等を基に、販売予測週販を最小二乗法で計算する(S25ステップ)。販売予測週販は、最小二乗法にて回帰直線一次方程式(y=ax+b)を求め、aとbを保持する。a:回帰係数、b:当日予測値(y切片)。回帰直線の当てはめ(最小二乗法)については、2変数からなるn組のデータの数字に直線y =ax+bを当てはめる。ここで、a,bは最小二乗法で決まる。
【0072】
【数1】
【0073】
これらの計算の結果、特異値排除後の移動週販の過去4週分売上実績が求まる。また、移動週販の標準偏差、平均週販、販売予測週販(a:回帰係数、b:当日予測値)が求まる。
【0074】
図6に発注点計算処理の流れ図を示す。
【0075】
まず、発注点計算用のデータを入力する(S31ステップ)。データとしては、特異値排除後の販売予測週販(a:回帰係数、b:当日予測値)、移動週販の標準偏差、最低陳列量(=フェース数×段数)、調達期間(週)がある。フェース数は、陳列棚に陳列したときに顧客から見える一段に置かれた数を言う。次に、安全在庫=標準偏差×調達期間の平方根×1.28(90%の範囲)を計算する(S32ステップ)。次に、発注点を求める(S33ステップ)。
【0076】
【数2】
【0077】
これらの結果、発注点を求める。
【0078】
図7に、発注点割れ判断処理の流れ図を示す。
【0079】
発注点データ、現在庫量を入力する(S41ステップ)。そして、現在庫量と前回発注点とを比較する(S42ステップ)。そして、現在庫量<前回発注点の場合には、予め登録されている自動発注対象単品一覧に該当する場合には、発注量を計算する(S43ステップ)。次に、現在庫量>前回発注点の場合には、発注不要を示す発注勧告値=0を顧客の発注端末12に表示する(S44ステップ)。
【0080】
この結果、自動発注対象単品一覧に該当し、かつ発注点割れした商品のみ以降の処理を実行する。
【0081】
図8に、発注量計算処理の流れ図を示す。
【0082】
図13に、発注量の説明図を示す。
【0083】
発注量計算処理のデータを入力する(S51ステップ)。データとしては、目標在庫移動週販の標準偏差、調達期間(週)、平均週販、単品の目標在庫週数(在庫週数の平準化されていない商品は、平均が入る)、販売予測週販(a:回帰係数、b:当日予測値)、現在庫量、納品日までの入荷予定数(発注済・未納品の数量)、最大陳列量、発注単位数(ロット数)である。
【0084】
次に、安全在庫=標準偏差×調達期間の平方根×1.28を計算する。そして、安全在庫週数=安全在庫/平均週販である(S52ステップ)。次に最大在庫週数=単品の目標在庫週数×2−安全在庫週数を求める(S53ステップ)。次に、販売予測量を求める(S54ステップ)。
【0085】
【数3】
【0086】
次に、最大在庫=販売予測量+安全在庫を求める(S55ステップ)。
【0087】
次に、発注量=最大在庫−現在庫量−納品日までの入荷予定数を求め、発注量を四捨五入で発注単位に丸める(最低1ロットの下方丸め)(S56ステップ)。四捨五入は、(発注量/ロット単位数)×ロット単位数である。例:ロット12個の場合は、発注量6個なら12個、発注量15個なら12個、発注量18個なら24個、発注量28個なら24個となる。
【0088】
図13の例では、発注点p1を実在在庫Sが割り込むと、期間b1の発注等を行なうことで、在庫調整をしている。期間は、調達期間すなわちリードタイムのことである。
【0089】
これらの計算の結果、発注量が得られる。
【0090】
図9に発注品目数の調整処理の流れ図を示す。
【0091】
まず、調整用データの入力を行なう(S61ステップ)。
【0092】
入力データとしては、日別・店別・部門別発注品目数(過去4週間)、今回の部門別発注品目数、入荷予定数、平均週販、最低陳列量、現在庫量、最低猶予週数である。最低猶予週数とは、発注しなくとも何週在庫に余裕があるかを示すものであり、品目の発注日により決まる。
【0093】
次に、発注品目数実績の標準偏差および発注品目数実績の平均を計算する(S62ステップ)。
【0094】
次に、部門別発注品目数と発注品目数実績の平均との比較を行なう(S63ステップ)。その結果が、今回の部門別発注品目数<品目数実績の平均値−標準偏差の部門の場合は、発注品目数を増やす(S64ステップ)。
【0095】
現在庫量<前回の発注点P1+平均週販/7×n(n=1日、2日、、、)の計算式により、発注件数が妥当な件数になるまで、nを+1増加していき、決定する。
【0096】
次に、今回の部門別発注品目数>品目数実績の平均+標準偏差の部門の場合は、発注品目数を減らす(S65ステップ)。
(安全在庫−最低陳列量)/平均週販−猶予週数>0の商品について、降順に発注数から除外する。猶予週数は、発注可能日が記載してある納品カレンダより取得する。
この結果、発注する商品が決定される。
【0097】
以上のように、本発明によれば、商品売上実績・在庫実績より目標在庫週数を基準とした各商品の発注量を決定し、発注勧告値として発注端末に表示する。適正在庫水準(目標在庫週数)を元にした適正発注量を算出し、各店舗の人員の経験値によるものではなく、本部主導型の在庫コントロール・発注頻度の低減が実現する。
【0098】
以上の説明は、週単位での週数の処理の説明であるが、日単位での日数の処理としても同様の処理となる。
【0099】
以上の実施例1を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手段と、 商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手段と、 販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手段と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手段と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手段と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有することを特徴とする自動発注勧告装置。
(付記2)商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記1記載の自動発注勧告装置。
(付記3)商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記1記載の自動発注勧告装置。
(付記4)商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることを特徴とする付記1記載の自動発注勧告装置。
(付記5)商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手順と、 商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手順と、販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手順と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手順と、
発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手順と、店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手順と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手順とをコンピュータに実行させる自動発注勧告プログラム。
(付記6)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することをとをコンピュータに実行させる付記5記載の自動発注勧告プログラム。
(付記7)
商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することをコンピュータに実行させる付記5記載の自動発注勧告プログラム。
(付記8)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることをコンピュータに実行させる付記5記載の自動発注勧告プログラム。
(付記9)商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手順と、商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手順と、販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手順と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手順と、発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手順と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手順と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手順とを有することを特徴とする自動発注勧告方法。
(付記10)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記9記載の自動発注勧告方法。
(付記11)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記9記載の自動発注勧告方法。
(付記12)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることを特徴とする付記9記載の自動発注勧告方法。
【産業上の利用可能性】
【0100】
複数店舗を有する企業の適正在庫を達成する自動発注勧告装置、自動発注プログラムを提供する用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例の発注自動勧告装置の構成図
【図2】実施例の自動発注システムの処理の説明図
【図3】実施例の発注自動勧告装置の処理の流れ図
【図4】目標在庫週数の平準化処理の流れ図
【図5】売上実績の特異値の排除処理の流れ図
【図6】発注点計算処理の流れ図
【図7】発注点割れ判断処理の流れ図
【図8】発注量計算処理の流れ図
【図9】発注品目数の調整処理の流れ図
【図10】目標在庫週数の第1の平準化処理の説明図
【図11】目標在庫週数の第2の平準化処理の説明図
【図12】目標在庫週数の第3の平準化処理の説明図
【図13】発注量の説明図
【符号の説明】
【0102】
1 自動発注勧告装置
2 在庫情報等記憶部
3 目標在庫週数平準化部
4 販売予測在庫週販数取得部
5 発注点計算部
6 発注点割れ判断部
7 発注量計算部
8 発注品目調整部
9 発注勧告通知部
11 本部サーバ
12 店舗端末
13 取引先サーバ
21 発注処理部
22 通信処理部
31 自動発注システム
【技術分野】
【0001】
本発明は売上実績・在庫実績より目標在庫週数を基準とした各商品の発注量を決定し、発注勧告値として発注端末に表示する小売業向け自動発注システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発注システムとしては、店舗に設置される店舗端末、店舗端末と接続された本部サーバ、本部サーバとネットワークで接続された各取引先に設置される取引先サーバから構成されている。
【0003】
店舗端末は、各商品の入荷予定の参照、店員による販売単位で商品の発注の登録等を行う店舗端末である。本部サーバは、入荷予定情報に基づく店舗発注データを統合、発注等を行う。
【0004】
取引先サーバは、商品の入荷予定の本部サーバへの登録、本部サーバからの商品の受注処理を行なうサーバである。
【0005】
本部サーバは、受信した入荷予定データを店舗に送信して、店舗では入荷予定の商品からその店舗での発注を登録する。そして、本部サーバは、店舗で発注した発注商品を受信し、店舗からの発注を取引先サーバに送信する (例えば特願2004−179345段落0023〜0024、図2)。
【0006】
しかし、流通小売業界では、発注業務はアルバイト等の人員の経験に依存しており、人為的ミス(発注ミス、漏れ)・現場のカンでの発注量決定(過剰な発注・過少な発注)、またそのミスによる発注頻度の増加、例えば連続発注を行なってしまう。
【0007】
このため、適切な発注数量を勧告する装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平5−61895号公報(第2頁〜第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特開平5−61895号公報の発明では、適切な発注量を勧告することはできるが、企業全体で見た適正在庫水準のコントロールの処理までは対応してはいない。本発明は、本部主導型の適正在庫コントロールを行なう自動発注勧告装置、自動発注勧告プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の自動発注勧告装置は、商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手段と、 商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手段と、 販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手段と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手段と、店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手段と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有する構成である。
【0010】
この構成により、各商品の目標在庫数を調整して、それを基に発注勧告をするため、部門目標の適正在庫を確保できる。
【0011】
ここで、カテゴリとは商品の属する分類を示し、商品がりんごであれば果物の分類を言い、カテゴリの属する部門とは、カテゴリが果物であれば青果物の分類を言う。
【0012】
また、商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定する構成である。
【0013】
この構成により、カテゴリ平均在庫週数が部門目標在庫週数に標準偏差を加算したものより大きい場合、すなわち、部門目標在庫週数より大きくずれているときでも適正在庫への平準化が可能となる。
【0014】
また、商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定する構成である。
【0015】
この構成により、カテゴリ平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きい場合、すなわち、部門目標在庫週数の標準偏差内にある場合の適正在庫への平準化の処理が可能となる。
【0016】
また、商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とする構成である。
【0017】
この構成により、カテゴリ平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さい場合、すなわち、部門目標在庫週数と比較して在庫週数が極端に小さな商品は、商品の目標在庫週数を見直して、適正在庫への平準化の処理が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、商品売上実績・在庫実績より目標在庫週数を基準とした各商品の発注量を決定し、発注勧告値として発注端末に表示する。適正在庫水準(目標在庫週数)を元にした適正発注量を算出し、各店舗の人員の経験値によるものではなく、本部主導型の在庫コントロール・発注頻度の低減が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
【実施例1】
【0020】
図1に実施例の自動発注勧告装置の構成図を示す。
【0021】
自動発注勧告装置1は、在庫情報等記憶部2、目標在庫週数平準化部3、販売予測週販数取得部4、発注点計算部5、発注点割れ判断部6、発注量計算部7、発注品目調整部8、発注量勧告通知部9を有する。
【0022】
在庫情報等記憶部2は、店舗端末12、取引先サーバ13等からの情報を格納する。具体的には、商品情報、売上実績情報、在庫情報等を格納する。この情報が各処理部への入力データとなる。
【0023】
目標在庫週数平準化部3は、部門目標在庫週数を基に、単品の適正な目標在庫週数を平準化する処理を行なう。
【0024】
販売予測週販数取得部4は、売上実績から特売で仕入れた商品の特異値を排除して、平均週販を求め、その値から最小二乗法にて販売予測週販を求める。
【0025】
発注点計算部5は、販売予測週販数を基に、発注点を計算する。
【0026】
発注点割れ判断部6は、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する。
【0027】
発注量計算部7は、発注店割れが発生した商品について取得された販売予測週販、設定された単品目標在庫週数を基に発注量を計算する。
【0028】
発注品目調整部8は、店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は、発注を見送り、品目が少ない場合は、発注の前倒しをする。
【0029】
発注量勧告通知部9は、調整された発注商品およびその発注量を店舗端末12に勧告する。
【0030】
自動発注システム31は、本部サーバ11、店舗端末12、取引先サーバ13を有している。
【0031】
本部サーバ11は、自動発注勧告装置1と発注処理部21と通信処理部22とを有し、取引先サーバ13から商品情報を受信する。一方、店舗端末12からは、商品の仕入れ要求を受信する。両者の情報を整合して、取引先サーバ13に発注する。
【0032】
発注処理部21は、発注処理を制御する。
【0033】
通信処理部22は、店舗端末12、取引先サーバ13との通信処理を制御する。
【0034】
店舗端末12は、商品発注のための端末であり、自動発注勧告装置1に商品発注要求を送信すると、その商品について、発注勧告された商品情報を取得できるので、そのデータを含めて、発注を行なう。
【0035】
取引先サーバ13は、卸売市場等にある商品が登録されている。
【0036】
平均在庫週数とは、小売業にて各商品の在庫の保持期間の平均を週数で表したものである。
【0037】
目標在庫週数とは、各商品の在庫保持期間の目標値である。
【0038】
最大在庫週数とは、目標とする在庫週数分、商品を保持するために必要な商品在庫数の最大値を在庫保持期間に換算したものであり、通常、目標在庫週数の2倍となる。
【0039】
図2に実施例の自動発注システムの処理の説明図を示す。
【0040】
本部サーバにおいて以下の処理を実施し、本部主導型の在庫コントロールを可能としている。
【0041】
本発明の概要を説明する。
1)各商品分類ごとに目標在庫週数を設定する。
2)商品分類に属する各商品の目標在庫週数を平準化する。
(1)平均在庫週数>商品分類の目標在庫週数(過剰在庫)の場合、目標在庫週数数=商品分類の目標在庫週数とする。
(2)平均在庫週数<商品分類の目標在庫週数(過少在庫)の場合、目標在庫週数は平均値をそのまま使用する。
3)発注点を計算する。
(1)特売等による売上のばらつきを抑えるために、売上の特異値を排除する。
(2)特異値を排除した実績値を元に、販売予測値、標準偏差(売上のばらつき)を算出する。
(3)上記値を元に、発注点を計算する。
4)発注点を割り込んだ商品が発生した場合、発注量を計算する。
(1)目標在庫週数、販売予測値、売上の標準偏差(ばらつき)、調達期間等の値を元に、企業の目標在庫週数を反映した発注量を計算する。
5)発注品目数の平準化
(1)店舗毎に発注品目数を集計し、品目が多い場合は発注の先送り、品目が少ない場合は発注の前倒しを実施する。
6)発注端末に発注勧告値として、上記発注量を表示する。
(1)店舗人員は、表示された発注勧告値を元に発注を行う。
【0042】
図3に実施例の自動発注勧告装置の処理の流れ図を示す。
【0043】
まず、目標在庫週数の平準化処理を行なう(S1ステップ)。次に、売上実績の特異値の排除処理を行なう(S2ステップ)。次に、発注点計算処理を行なう(S3ステップ)。次に、発注点割れ判断処理を行なう(S4ステップ)。次に、発注量計算処理を行なう(S5ステップ)。次に、発注品目数の調整処理を行なう(S6ステップ)。次に、発注勧告値通知処理を行なう(S7ステップ)。詳細は、以下に説明を行なう。
【0044】
図4に目標在庫週数の平準化処理の流れ図を示す。
【0045】
まず、平準化データの入力、すなわち、商品別の在庫数実績(過去4週分)、部門の目標在庫週数、商品の売上実績(過去4週分)を入力する(S11ステップ)。
【0046】
次に在庫数実績を基に、商品別の平均在庫数を計算し、次に単品の平均在庫週数=平均在庫数/平均週販を計算する。(S12ステップ)。
【0047】
その単品の平均在庫週数を初期値として単品の目標在庫週数とする(S13ステップ)。
【0048】
次に、単品の平均在庫週数を積み上げて平均をとりカテゴリの平均在庫週数を計算し、また、カテゴリ平均在庫週数を積み上げて平均をとり、部門の平均在庫週数を計算する。
【0049】
また、部門毎と、カテゴリ毎に平均在庫週数の標準偏差を計算する(S14ステップ)。
ここで、カテゴリとは、単品を所定の分類でまとめた商品分類の中分類である。例えば商品がりんごであれば果物の分類である。部門とは、カテゴリを所定の分類でまとめた商品分類の大分類である。例えばカテゴリが果物であれば青果物の分類を言う。
【0050】
次に、カテゴリと部門目標在庫週数との比較する(S15ステップ)。
【0051】
(A)カテゴリの平均在庫週数>部門目標在庫週数+部門標準偏差の場合は、第1の平準化処理を行なう(S16ステップ)。第1の標準化処理は、次のように行なう。図10に目標在庫週数の第1の平準化処理の説明図を示す。
【0052】
まず、カテゴリ目標在庫週数=部門目標在庫週数+部門標準偏差とする。
【0053】
i)カテゴリ平均在庫週数+カテゴリ標準偏差<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=部門平均在庫週数+部門標準偏差とし、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。図10の(1)の領域の単品平均在庫週数をSD1の位置へシフトする補正を示す。
【0054】
ii)部門目標在庫週数+部門標準偏差<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数−差分Aとし、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。
【0055】
ここで、差分A=|カテゴリ平均在庫週数−(部門目標在庫週数+部門標準偏差)|である。
【0056】
図10の(2) の領域の単品平均在庫週数を差分Aだけシフトする補正を示す。
【0057】
iii)それ以外の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数とし、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。但し、単品目標在庫週数は、部門目標在庫週数−部門標準偏差を下限とする。
【0058】
図10の(3) の領域の単品平均在庫週数は、そのまま単品目標在庫週数にすることを示す。
【0059】
(B)また、カテゴリの平均在庫週数>部門目標在庫週数の場合は、第2の平準化処理を行なう(S17ステップ)。第2の標準化処理は、次のように行なう。図11に目標在庫週数の第2の平準化処理の説明図を示す。
【0060】
まず、カテゴリ目標在庫週数=部門目標在庫週数とする。
【0061】
i)カテゴリ平均在庫週数+カテゴリ標準偏差<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=カテゴリ平均在庫週数とする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。図11の(1)の領域の単品平均在庫週数をSD2の位置へシフトする補正を示す。
【0062】
ii)部門目標在庫週数<単品平均在庫週数の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数−差分Bとする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。ここで、差分B=|カテゴリ平均在庫週数−部門目標在庫週数|である。但しカテゴリ目標在庫週数を下限とする。図11の(2) の領域の単品平均在庫週数を差分Bだけシフトする補正を示す。
【0063】
iii)それ以外の場合は、単品目標在庫週数=単品平均在庫週数とする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。ただし、部門目標在庫週数−部門標準偏差を下限とする。図11の(3) の領域の単品平均在庫週数は、そのまま単品目標在庫週数にすることを示す。
【0064】
(C)また、カテゴリの平均在庫週数<部門目標在庫週数の場合は、第3の平準化処理を行なう(S18ステップ)。第3の標準化処理は、次のように行なう。図12に目標在庫週数の第3の平準化処理の説明図を示す。
【0065】
まず、カテゴリ目標在庫週数=カテゴリ平均在庫週数とする。
【0066】
i)単品平均在庫週数<(カテゴリ平均在庫週数−カテゴリ標準偏差)の場合は、
単品目標在庫週数=単品平均在庫週数+カテゴリ標準偏差とする。そして、最大在庫週数=目標在庫週数×2とする。上限はカテゴリ目標在庫週数とする。図12の(3) の領域の単品平均在庫週数をカテゴリ標準偏差分シフトすることを示す。
【0067】
これらの処理の結果、単品の目標在庫週数を取得できる。
【0068】
図5に売上実績の特異値の排除処理の流れ図を示す。
【0069】
特売で仕入れた商品は、一時的なピーク値の売上を示すので、そのような値を排除する。
【0070】
まず、売上実績を入力する(S21ステップ)。具体的には、売上実績は、移動週販で過去4週分を入力する。移動週販とは、基準日以前の1週間分の売上平均を求め、この基準日を順次日毎に変更して4週間分求めたものである。
【0071】
次に、移動週販の標準偏差を計算する(S22ステップ)。そして、移動週販>移動週販の平均+1.28*標準偏差に該当する日の売上実績については、実績より取り除く(S23ステップ)。これは、移動週販の上位10%、即ち、売上実績の90%以上のものを取り除くことを示す。次に、移動週販の平均を単品の平均週販とする(S24ステップ)。次に、平均週販等を基に、販売予測週販を最小二乗法で計算する(S25ステップ)。販売予測週販は、最小二乗法にて回帰直線一次方程式(y=ax+b)を求め、aとbを保持する。a:回帰係数、b:当日予測値(y切片)。回帰直線の当てはめ(最小二乗法)については、2変数からなるn組のデータの数字に直線y =ax+bを当てはめる。ここで、a,bは最小二乗法で決まる。
【0072】
【数1】
【0073】
これらの計算の結果、特異値排除後の移動週販の過去4週分売上実績が求まる。また、移動週販の標準偏差、平均週販、販売予測週販(a:回帰係数、b:当日予測値)が求まる。
【0074】
図6に発注点計算処理の流れ図を示す。
【0075】
まず、発注点計算用のデータを入力する(S31ステップ)。データとしては、特異値排除後の販売予測週販(a:回帰係数、b:当日予測値)、移動週販の標準偏差、最低陳列量(=フェース数×段数)、調達期間(週)がある。フェース数は、陳列棚に陳列したときに顧客から見える一段に置かれた数を言う。次に、安全在庫=標準偏差×調達期間の平方根×1.28(90%の範囲)を計算する(S32ステップ)。次に、発注点を求める(S33ステップ)。
【0076】
【数2】
【0077】
これらの結果、発注点を求める。
【0078】
図7に、発注点割れ判断処理の流れ図を示す。
【0079】
発注点データ、現在庫量を入力する(S41ステップ)。そして、現在庫量と前回発注点とを比較する(S42ステップ)。そして、現在庫量<前回発注点の場合には、予め登録されている自動発注対象単品一覧に該当する場合には、発注量を計算する(S43ステップ)。次に、現在庫量>前回発注点の場合には、発注不要を示す発注勧告値=0を顧客の発注端末12に表示する(S44ステップ)。
【0080】
この結果、自動発注対象単品一覧に該当し、かつ発注点割れした商品のみ以降の処理を実行する。
【0081】
図8に、発注量計算処理の流れ図を示す。
【0082】
図13に、発注量の説明図を示す。
【0083】
発注量計算処理のデータを入力する(S51ステップ)。データとしては、目標在庫移動週販の標準偏差、調達期間(週)、平均週販、単品の目標在庫週数(在庫週数の平準化されていない商品は、平均が入る)、販売予測週販(a:回帰係数、b:当日予測値)、現在庫量、納品日までの入荷予定数(発注済・未納品の数量)、最大陳列量、発注単位数(ロット数)である。
【0084】
次に、安全在庫=標準偏差×調達期間の平方根×1.28を計算する。そして、安全在庫週数=安全在庫/平均週販である(S52ステップ)。次に最大在庫週数=単品の目標在庫週数×2−安全在庫週数を求める(S53ステップ)。次に、販売予測量を求める(S54ステップ)。
【0085】
【数3】
【0086】
次に、最大在庫=販売予測量+安全在庫を求める(S55ステップ)。
【0087】
次に、発注量=最大在庫−現在庫量−納品日までの入荷予定数を求め、発注量を四捨五入で発注単位に丸める(最低1ロットの下方丸め)(S56ステップ)。四捨五入は、(発注量/ロット単位数)×ロット単位数である。例:ロット12個の場合は、発注量6個なら12個、発注量15個なら12個、発注量18個なら24個、発注量28個なら24個となる。
【0088】
図13の例では、発注点p1を実在在庫Sが割り込むと、期間b1の発注等を行なうことで、在庫調整をしている。期間は、調達期間すなわちリードタイムのことである。
【0089】
これらの計算の結果、発注量が得られる。
【0090】
図9に発注品目数の調整処理の流れ図を示す。
【0091】
まず、調整用データの入力を行なう(S61ステップ)。
【0092】
入力データとしては、日別・店別・部門別発注品目数(過去4週間)、今回の部門別発注品目数、入荷予定数、平均週販、最低陳列量、現在庫量、最低猶予週数である。最低猶予週数とは、発注しなくとも何週在庫に余裕があるかを示すものであり、品目の発注日により決まる。
【0093】
次に、発注品目数実績の標準偏差および発注品目数実績の平均を計算する(S62ステップ)。
【0094】
次に、部門別発注品目数と発注品目数実績の平均との比較を行なう(S63ステップ)。その結果が、今回の部門別発注品目数<品目数実績の平均値−標準偏差の部門の場合は、発注品目数を増やす(S64ステップ)。
【0095】
現在庫量<前回の発注点P1+平均週販/7×n(n=1日、2日、、、)の計算式により、発注件数が妥当な件数になるまで、nを+1増加していき、決定する。
【0096】
次に、今回の部門別発注品目数>品目数実績の平均+標準偏差の部門の場合は、発注品目数を減らす(S65ステップ)。
(安全在庫−最低陳列量)/平均週販−猶予週数>0の商品について、降順に発注数から除外する。猶予週数は、発注可能日が記載してある納品カレンダより取得する。
この結果、発注する商品が決定される。
【0097】
以上のように、本発明によれば、商品売上実績・在庫実績より目標在庫週数を基準とした各商品の発注量を決定し、発注勧告値として発注端末に表示する。適正在庫水準(目標在庫週数)を元にした適正発注量を算出し、各店舗の人員の経験値によるものではなく、本部主導型の在庫コントロール・発注頻度の低減が実現する。
【0098】
以上の説明は、週単位での週数の処理の説明であるが、日単位での日数の処理としても同様の処理となる。
【0099】
以上の実施例1を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手段と、 商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手段と、 販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手段と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手段と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手段と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有することを特徴とする自動発注勧告装置。
(付記2)商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記1記載の自動発注勧告装置。
(付記3)商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記1記載の自動発注勧告装置。
(付記4)商品目標在庫週数平準化手段が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることを特徴とする付記1記載の自動発注勧告装置。
(付記5)商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手順と、 商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手順と、販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手順と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手順と、
発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手順と、店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手順と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手順とをコンピュータに実行させる自動発注勧告プログラム。
(付記6)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することをとをコンピュータに実行させる付記5記載の自動発注勧告プログラム。
(付記7)
商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することをコンピュータに実行させる付記5記載の自動発注勧告プログラム。
(付記8)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることをコンピュータに実行させる付記5記載の自動発注勧告プログラム。
(付記9)商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手順と、商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手順と、販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手順と、計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手順と、発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手順と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手順と、調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手順とを有することを特徴とする自動発注勧告方法。
(付記10)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記9記載の自動発注勧告方法。
(付記11)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする付記9記載の自動発注勧告方法。
(付記12)商品目標在庫週数平準化手順が、カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手順と、カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることを特徴とする付記9記載の自動発注勧告方法。
【産業上の利用可能性】
【0100】
複数店舗を有する企業の適正在庫を達成する自動発注勧告装置、自動発注プログラムを提供する用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例の発注自動勧告装置の構成図
【図2】実施例の自動発注システムの処理の説明図
【図3】実施例の発注自動勧告装置の処理の流れ図
【図4】目標在庫週数の平準化処理の流れ図
【図5】売上実績の特異値の排除処理の流れ図
【図6】発注点計算処理の流れ図
【図7】発注点割れ判断処理の流れ図
【図8】発注量計算処理の流れ図
【図9】発注品目数の調整処理の流れ図
【図10】目標在庫週数の第1の平準化処理の説明図
【図11】目標在庫週数の第2の平準化処理の説明図
【図12】目標在庫週数の第3の平準化処理の説明図
【図13】発注量の説明図
【符号の説明】
【0102】
1 自動発注勧告装置
2 在庫情報等記憶部
3 目標在庫週数平準化部
4 販売予測在庫週販数取得部
5 発注点計算部
6 発注点割れ判断部
7 発注量計算部
8 発注品目調整部
9 発注勧告通知部
11 本部サーバ
12 店舗端末
13 取引先サーバ
21 発注処理部
22 通信処理部
31 自動発注システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手段と、
商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手段と、
販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手段と、
計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、
発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手段と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手段と、
調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有することを特徴とする自動発注勧告装置。
【請求項2】
商品目標在庫週数平準化手段が、
カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ
商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ
商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として、商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする請求項1記載の自動発注勧告装置。
【請求項3】
商品目標在庫週数平準化手段が、
カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として、商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする請求項1記載の自動発注勧告装置。
【請求項4】
商品目標在庫週数平準化手段が、
カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることを特徴とする請求項1記載の自動発注勧告装置。
【請求項5】
商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手順と、
商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手順と、
販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手順と、
計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手順と、
発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手順と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手順と、
調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手順とをコンピュータに実行させる自動発注勧告プログラム。
【請求項1】
商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手段と、
商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手段と、
販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手段と、
計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手段と、
発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手段と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手段と、
調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手段とを有することを特徴とする自動発注勧告装置。
【請求項2】
商品目標在庫週数平準化手段が、
カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ
商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数に部門標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリ平均在庫週数から部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものを減算した値を商品の平均在庫週数から減算して商品の目標在庫週数として設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算した値より大きく、かつ
商品の平均在庫週数が部門目標在庫週数に部門標準偏差を加算したものまたはカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として、商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする請求項1記載の自動発注勧告装置。
【請求項3】
商品目標在庫週数平準化手段が、
カテゴリの平均在庫週数のカテゴリ標準偏差、部門目標在庫週数の部門標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものより大きいときには、カテゴリの平均在庫週数を商品の目標在庫週数に設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数が部門の平均在庫週数より大きいときには、部門目標在庫週数を下限として、カテゴリ平均在庫週数から部門平均在庫週数を減算した値を商品の平均在庫週数より減算して、その値を商品の目標在庫週数として設定し、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より大きく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算したものまたは部門の平均在庫週数より大きくないときには、部門目標在庫週数から部門標準偏差を減算した値を下限として、商品の平均在庫週数を商品の目標在庫週数として設定することを特徴とする請求項1記載の自動発注勧告装置。
【請求項4】
商品目標在庫週数平準化手段が、
カテゴリの平均在庫週数の標準偏差を計算する標準偏差計算手段と、
カテゴリの平均在庫週数が部門目標在庫週数より小さく、かつ商品の平均在庫週数がカテゴリの平均在庫週数からカテゴリ標準偏差を減算した値より小さいときには、カテゴリの平均在庫週数を上限として、商品の平均在庫週数にカテゴリ標準偏差を加算した値を商品の目標在庫週数とすることを特徴とする請求項1記載の自動発注勧告装置。
【請求項5】
商品の平均在庫週数を基に商品の属するカテゴリの平均在庫週数を求め、そのカテゴリ平均在庫週数がカテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、小さい場合は過小在庫として各商品の目標在庫週数を小さくするように平準化する目標在庫週数平準化手順と、
商品の売上実績の特異値の排除し各商品の販売予測数を取得する販売予測数取得手順と、
販売予測数、安全在庫、調達期間、最低陳列量を基に発注点を計算する発注点計算手順と、
計算された発注点と現在在庫量とを比較して発注点割れを判断する発注点割れ判断手順と、
発注点割れが発生した商品について目標在庫週数を基に発注量を計算する発注量計算手順と、
店舗毎に発注品目を集計し、品目が多い場合は発注を見送り、品目が少ない場合は発注の前倒しの調整をする発注品目調整手順と、
調整された発注品目の発注量を勧告する発注量勧告通知手順とをコンピュータに実行させる自動発注勧告プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−293514(P2006−293514A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110563(P2005−110563)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
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