説明

自動精算機

【目的】この発明は、乗車券Cと定期券Aとにより生じた未払い区間に対する精算を精算機で行うことができ、また定期券Aによる精算の際に生じていた出場証の無駄な発行をなくすことができることを目的とする。
【構成】この発明の自動精算機は、乗車券Cと定期券Aとを受入れ、乗車券Cと定期券Aとにより未払い区間が生じたか否かを判断し、未払い区間が生じた場合に、未払い区間に対する精算を行い、この精算後、定期券Aに出場記録を記録して出力し、未払い区間が生じなかった場合、定期券Aに出場記録を記録して出力するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、この発明は、たとえば鉄道等の交通機関で使用されている自動精算機に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道等の交通システムでは、乗車券(回数乗車券)、定期乗車券等で利用客の乗降が行われている。このようなシステムでは、各券の指定区間外へ乗越した場合に用いる、精算窓口、改札口での精算による混雑を緩和するための自動精算機が実用化され、この自動精算機にて精算が行われるようになっている。
【0003】このような自動精算機では、乗客が駅の乗り越し等が生じ精算を行う場合、乗車券、あるいは定期乗車券の投入により、不足分(乗越し分)の金額が表示され、その分の金額が不足なく投入されることにより、改札を通過するための券(以下出場証と云う)が発行される。この結果、乗客はその発行された出場証を用いて自動改札を通過または係員に渡し改札を通過する。このような自動精算機では、乗車券と定期券の両方を同時に取込んでの精算ができなかった。
【0004】このため、乗車券と定期券との間に未払い区間が有る場合には、係員による精算が行われることになるが、現状では精算を行わなくてもこの定期券により改札を通過することができるので、面倒な点も手伝い不正乗車が行われることもあった。したがって、精算の面倒さから不正乗車が行われたり、あるいは精算窓口、改札口での精算による係員の仕事の軽減化が図られていなかった。
【0005】また、乗車券と定期券との間に未払い区間が有り、定期券の区間外で精算を行う場合、その未払い区間についての精算が行われないまま、不正な精算がなされる場合があった。また、定期券で精算する場合には、定期券が返却されるとともに、必ず出場証が放出され、不経済なものとなっている。
【0006】したがって、乗車券と定期券とにより生じた未払い区間に対する精算を行うことができ、また定期券による精算の際に生じていた出場証の無駄な発行をなくすことができるものが要望されていた
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記したように、乗車券と定期券とにより生じた未払い区間に対する精算を行うことができ、また定期券による精算の際に生じていた出場証の無駄な発行をなくすことができるものが要望されていたもので、乗車券と定期券とにより生じた未払い区間に対する精算を行うことができ、また定期券による精算の際に生じていた出場証の無駄な発行をなくすことができる自動精算機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の自動精算機は、区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて精算金額を判断する第1の判断手段、金銭的価値を有する取引媒体を受入れる第3の受入手段、この第3の受入手段により受入れた取引媒体の金銭的価値を判断する第2の判断手段、上記第3の受入手段により受入れた取引媒体による精算処理を上記第1、第2の判断手段の判断結果を用いて実行する精算手段、およびこの精算手段により精算された旨の出場記録を上記定期券に記録する記録手段から構成されている。
【0009】この発明の自動精算機は、区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて未払い区間の有無と未払い区間に対する精算金額を判断する第1の判断手段、この第1の判断手段により未払い区間がないと判断された場合、定期券に出場記録を行って出力する第1の処理手段、上記第1の判断手段により未払い区間が有ると判断された場合、金銭的価値を有する取引媒体の投入を案内する案内手段、この案内手段による案内に応じて金銭的価値を有する取引媒体を受入れる第3の受入手段、この第3の受入手段により受入れた取引媒体の金銭的価値を判断する第2の判断手段、および上記第3の受入手段により受入れた取引媒体による精算処理を上記第1、第2の判断手段の判断結果を用いて実行し、出場記録を記録した定期券を出力する第2の処理手段から構成されている。
【0010】この発明の自動精算機は、区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて精算金額の有無を判断する判断手段、およびこの判断手段により精算金額無しが判断された場合、上記定期券に出場情報を記録して出力する処理手段から構成されている。
【0011】この発明の自動精算機は、区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて精算金額の有無を判断する第1の判断手段、この第1の判断手段により精算金額無しが判断された場合、上記定期券に出場情報を記録して出力する第1の処理手段、上記判断手段により精算金額有りが判断された場合、金銭的価値を有する取引媒体の投入を案内する案内手段、この案内手段の案内に応じて投入された金銭的価値を有する取引媒体を受入れる第3の受入れ手段、この第3の受入手段により受入れた取引媒体の金銭的価値を判断する第2の判断手段、および上記受入手段により受入れた取引媒体による精算処理を上記第1、第2の判断手段の判断結果を用いて実行し、出場記録を記録した定期券を出力する第2の処理手段から構成されている。
【0012】
【作用】この発明は、上記のような構成において、乗車券と定期券とを受入れ、乗車券と定期券とにより未払い区間が生じたか否かを判断し、未払い区間が生じた場合に、未払い区間に対する精算を行い、この精算後、定期券に出場記録を記録して出力し、未払い区間が生じなかった場合、定期券に出場記録を記録して出力するようにしたものである。
【0013】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0014】図2はこの発明の自動精算機の接客面を示すもので、その接客面には、表示部1、係員呼出釦(押釦スイッチ)2、取消釦(押釦スイッチ)3、カ―ド投入口4、券投入口5、硬貨投入口6、紙幣投入口7、出場証発行口8、排出口9、カ―ド排出口10、券排出口11、および受け皿12それぞれ設けられている。表示部1は、案内、および精算金額等を表示する。係員呼出釦2は、係員を呼出ためのボタンである。取消釦3は、精算を取消す際に投入するボタンである。
【0015】カ―ド投入口4には、定期券Aや、プリペイドカ―ド等の金銭的価値を有するカ―ドとしての金額カ―ドBが投入される。券投入口5には、乗車券Cが投入される。硬貨投入口6には、硬貨が投入される。紙幣投入口7には、紙幣が投入される。この紙幣投入口7からは紙幣が排出される。出場証発行口8からは、出場証(精算券)が発行される。排出口9からは、釣銭が排出される。カ―ド排出口10からは、定期券A、金額カ―ドBが排出される。券排出口11からは、乗車券Cが排出される。受け皿12には、各口から排出された定期券A、金額カ―ドB、乗車券C、および釣銭が放出される。
【0016】上記各定期券A、金額カ―ドB、乗車券Cの裏面にはそれぞれ磁気記録部を有しており、各カード、券ごとにカード、券の種類、有効期限、利用料金、乗車区間、入場駅、残金額、残回数等の必要とする情報が磁気記録されるようになっている。
【0017】図1は上記したような接客面をもつ自動精算機の構成を示すものである。すなわち、カ―ド投入口4はカ―ド部20に接続されている。券投入口5は券読取部21に接続されている。
【0018】また、紙幣投入口7は紙幣鑑査部22に接続されている。また、硬貨投入口6は検銭部23に接続され、この検銭部23には釣銭部24が接続されている。これにより、検銭部23で鑑別された硬貨は釣銭として釣銭部24に貯留され、排出口9から放出できるようになっている。
【0019】また、券排出口12には、釣銭部24の外に印刷部25も接続されている。この印刷部25は、精算内容が印刷された出場証が出場証発行口8から受け皿12に放出されるようになっている。
【0020】そして、上記券読取部21、カ―ド部23、紙幣鑑査部22、検銭部23、釣銭部24、印刷部25、および表示部1は全て主制御部26によって制御されるようになっている。上記主制御部26は、たとえばマイクロコンピュ―タとその周辺回路などを主体に構成されていて、自動精算機全体の制御を司るものである。次に、上記のような構成において、図3、図4、および図5に示すフローチャートを参照しつつ、精算処理について説明する。
【0021】まず、図6に示すように、a駅(乗車駅)にて乗車券Cを購入して乗車し、f駅(降車駅)にて定期券Aで降車する場合について説明する。この際、乗車券Cによる乗車区間Aはa駅からb駅までとなっており、定期券Aによる有効区間Cはd駅からg駅までとなっており、b駅からd駅間での区間が未払い乗車区間Bとなっている。また、c駅は、未払い乗車区間B内の途中駅であり、e駅は定期券Cの経由駅であり、f駅は定期券Cの有効区間C内の駅である。
【0022】すなわち、利用客はf駅で降車する際、改札へ行く前に、精算機の前に行く。この精算機の表示部1では、「この精算機では、乗車券と定期券との組合せに対する精算も行うことができます。乗車券、定期券を投入して下さい。」という案内がなされている。
【0023】この案内に応じて、利用客は、a駅→b駅間の乗車券Cを券投入口5に投入する。すると、この券投入口5から投入された乗車券Cの内容が券読取部21で読取られ、この読取結果が主制御部26に出力される。主制御部26はその乗車券Dの読取内容により精算金額を判断する。また、主制御部26は表示部1で、「現在の不足金額は 円です、定期券あるいは現金(カード)を投入して下さい」という案内を表示する。
【0024】この案内に応じて、利用客は、d駅→g駅間の定期券Aをカ―ド投入口4に投入する。すると、このカ―ド投入口4から投入された定期券Aの内容がカード部20で読取られ、この読取結果が主制御部26に出力される。主制御部26はその定期券Aの読取内容により定期券Aの有効区間Cを判断し、b駅からd駅間での区間が未払い乗車区間Bとなっていることを判断し、その精算金額を算出する。また、主制御部26は表示部1で、「現在の不足金額は 円です、精算区間b駅←→d駅間です、現金(カード)を投入して下さい」という案内を表示する。
【0025】この案内に応じて、利用客が紙幣を紙幣投入口7から挿入するかあるいは硬貨を硬貨投入口6から投入する。これらの投入口から紙幣あるいは硬貨が投入されると、紙幣鑑別部22、検銭部23は投入された紙幣、硬貨を検出して鑑別する。鑑別されたこれらの紙幣、硬貨の投入金額は主制御部29に出力される。これにより、主制御部29はその投入金額から上記精算金額を差引いた釣銭金額を算出し、表示部1で表示する。
【0026】そして、主制御部26はカード部20に対して精算の終了を指示する。これにより、カード部20により定期券Aに出場記録が記録され、この定期券Aがカ―ド排出口10から受け皿12に放出される。このとき、釣銭がある場合には釣銭部24が動作し、釣銭硬貨が排出口9から受け皿12へ放出される。なお、上記乗車券Cは精算機内部の図示しない回収部に受け入れられる。
【0027】上記定期券Aに対する出場記録は、精算を済ませたことが分かる磁気情報を記録する。また、この出場記録の代りに、正当に入場して来たことが分かる磁気情報とその日の日付を保持しておき、下車駅時の自動改札機等によりこの磁気情報の消去処理を行うものであっても良い。この後、利用客は精算の終了した定期券Aにて自動改札機(図示しない)を通過する。
【0028】また、上記精算金額の表示に応じて、利用客が金額カ―ドBをカ―ド投入口4から投入する。このカ―ド投入口4から投入された金額カ―ドBの内容はカード部20で読取られ、金額カ―ドBの残金額等が主制御部29に出力される。これにより、主制御部29はその残金額から上記精算金額を差引いた残金額を算出し、その精算金額引去り後の残金額を表示部1に表示し、カ―ド部20により新たな残金額が書込まれた金額カ―ドAがカ―ド挿入口10に送出される。
【0029】そして、主制御部26はカード部20に対して精算の終了を指示する。これにより、カード部20により定期券Aに出場記録が記録され、この定期券Aがカ―ド排出口10から受け皿12に放出される。このとき、釣銭がある場合には釣銭部24が動作し、釣銭硬貨が排出口9から受け皿12へ放出される。なお、上記乗車券Cは精算機内部の図示しない回収部に受け入れられる。この後、利用客は精算の終了した定期券Aにて自動改札機(図示しない)を通過する。
【0030】また、上記金額カードBで精算を行う場合に、金額カードBの残金額が精算金額よりも少なかった場合、主制御部29は上記精算金額からその残金額を差引いた不足金額を算出し、表示部1で表示させる。この表示に応じて、利用客が紙幣を紙幣投入口7から挿入するかあるいは硬貨を硬貨投入口6から投入する。これらの投入口から紙幣あるいは硬貨が投入されると、紙幣鑑別部22、検銭部23は投入された紙幣、硬貨を検出して鑑別する。鑑別されたこれらの紙幣、硬貨の投入金額は主制御部29に出力される。これにより、主制御部29はその投入金額から上記精算金額を差引いた釣銭金額を算出し、表示部1で表示させる。
【0031】そして、主制御部26はカード部20に対して精算の終了を指示する。これにより、カード部20により定期券Aに出場記録が記録され、この定期券Aがカ―ド排出口10から受け皿12に放出される。このとき、釣銭がある場合には釣銭部24が動作し、釣銭硬貨が排出口9から受け皿12へ放出される。なお、上記乗車券Cは精算機内部の図示しない回収部に受け入れられる。この後、利用客は精算の終了した定期券Aにて自動改札機(図示しない)を通過する。また、上記金額カードBで精算時に精算金額が不足していた場合に、別の金額カードBを投入して精算を行うようにしても良い。
【0032】上記のように、区間Bの精算を自動精算機で行い、かつ出場証を発行せず定期券Aに精算を済ました事が分かる磁気情報を保持させ、自動改札を通過することにより、この磁気情報を消去する処理を行うことができる。
【0033】また、図7に示すように、h駅(乗車駅)にて乗車券Cを購入して乗車し、m駅(降車駅)にて定期券Aで降車する場合について説明する。この際、乗車券Cによる乗車区間Dはh駅からi駅までとなっており、定期券Aによる有効区間Fはk駅からl駅までとなっており、i駅からk駅間での区間とl駅からm駅間での区間とが未払い乗車区間E、Gとなっている。また、j駅は、未払い乗車区間E内の途中駅であり、m駅は定期券Cの有効区間外の駅である。
【0034】すなわち、利用客はm駅で降車する際、改札へ行く前に、精算機の前に行く。この精算機の表示部1では、「この精算機では、乗車券と定期券との組合せに対する精算も行うことができます。乗車券、定期券を投入して下さい。」という案内がなされている。
【0035】この案内に応じて、利用客は、h駅→i駅間の乗車券Cを券投入口5に投入する。すると、この券投入口5から投入された乗車券Cの内容が券読取部21で読取られ、この読取結果が主制御部26に出力される。主制御部26はその乗車券Dの読取内容により精算金額を判断する。また、主制御部26は表示部1で、「現在の不足金額は 円です、定期券あるいは現金(カード)を投入して下さい」という案内を表示する。
【0036】この案内に応じて、利用客は、k駅→l駅間の定期券Aをカ―ド投入口4に投入する。すると、このカ―ド投入口4から投入された定期券Aの内容がカード部20で読取られ、この読取結果が主制御部26に出力される。主制御部26はその定期券Aの読取内容により定期券Aの有効区間Fを判断し、i駅からk駅間での区間とl駅からm駅間での区間とが未払い乗車区間E、Gとなっていることを判断し、その精算金額を算出する。また、主制御部26は表示部1で、「現在の不足金額は 円です、精算区間i駅←→k駅間 円、精算区間l駅←→m駅間 円です、現金(カード)を投入して下さい」という案内を表示する。
【0037】この案内に応じて、利用客が紙幣を紙幣投入口7から挿入するかあるいは硬貨を硬貨投入口6から投入する。これらの投入口から紙幣あるいは硬貨が投入されると、紙幣鑑別部22、検銭部23は投入された紙幣、硬貨を検出して鑑別する。鑑別されたこれらの紙幣、硬貨の投入金額は主制御部29に出力される。これにより、主制御部29はその投入金額から上記精算金額を差引いた釣銭金額を算出し、表示部1で表示する。
【0038】そして、主制御部26は印刷部25に対し出場証の印刷発行の開始を指示する。これにより、印刷部25で印刷発行された出場証が出場証発行口8から受け皿12に放出される。このとき、釣銭がある場合には釣銭部24が動作し、釣銭硬貨が排出口9から受け皿12へ放出される。なお、上記乗車券Dは精算機内部の図示しない回収部に受け入れられる。
【0039】また、主制御部26はカード部20に対して精算の終了を指示する。これにより、カード部20により定期券Aに出場記録が記録され、この定期券Aがカ―ド排出口10から受け皿12に放出される。この後、利用客は受取った出場証にて自動改札機(図示しない)を通過する。
【0040】また、図8に示すように、n駅(乗車駅)にて乗車券Cを購入して乗車し、p駅(降車駅)にて定期券Aで降車する場合について説明する。この際、乗車券Cによる乗車区間Hはn駅からo駅までとなっており、定期券Aによる有効区間Iはo駅からp駅までとなっており、未払い乗車区間が生じていないものとなっている。
【0041】すなわち、利用客はp駅で降車する際、改札へ行く前に、精算機の前に行く。この精算機の表示部1では、「この精算機では、乗車券と定期券との組合せに対する精算も行うことができます。乗車券、定期券を投入して下さい。」という案内がなされている。
【0042】この案内に応じて、利用客は、n駅→o駅間の乗車券Cを券投入口5に投入する。すると、この券投入口5から投入された乗車券Cの内容が券読取部21で読取られ、この読取結果が主制御部26に出力される。主制御部26はその乗車券Dの読取内容により精算金額を判断する。また、主制御部26は表示部1で、「現在の不足金額は 円です、定期券あるいは現金(カード)を投入して下さい」という案内を表示する。
【0043】この案内に応じて、利用客は、o駅→p駅間の定期券Aをカ―ド投入口4に投入する。すると、このカ―ド投入口4から投入された定期券Aの内容がカード部20で読取られ、この読取結果が主制御部26に出力される。主制御部26はその定期券Aの読取内容により定期券Aの有効区間Iを判断し、未払い乗車区間が生じていないことを判断する。
【0044】この結果、主制御部26はカード部20に対して精算の終了を指示する。これにより、カード部20により定期券Aに出場記録が記録され、この定期券Aがカ―ド排出口10から受け皿12に放出される。この後、利用客は受取った出場証にて自動改札機(図示しない)を通過する。また、乗車券Cを投入した後に、現金が投入された際は、その乗車券Cに対する精算金額での精算が行われ、出場証の発行が行われる。
【0045】上記したように、乗車券と定期券とを受入れ、乗車券と定期券とにより未払い区間が生じたか否かを判断し、未払い区間が生じた場合に、未払い区間に対する精算を行い、この精算後、定期券に出場記録を記録して出力し、未払い区間が生じなかった場合、定期券に出場記録を記録して出力するようにしたものである。
【0046】これにより、乗車券と定期券とにより生じた未払い区間に対する精算を精算機で行うことができ、また定期券による精算の際に生じていた出場証の無駄な発行をなくすことができる。また、不正乗車が減るとともに、上記精算を係員が行わなくて良くなり、係員の仕事が軽減化される。
【0047】また、精算時に、定期券に確実に出場記録が記録されるため、その後その定期券での入場を行う際に、出場記録がないことによるエラーをなくすことができる。特に、利用区間内の駅が完全に自動改札化された際に、効果がある。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、乗車券と定期券とにより生じた未払い区間に対する精算を行うことができ、また定期券による精算の際に生じていた出場証の無駄な発行をなくすことができる自動精算機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例における自動精算機の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】図1の自動精算機の接客面を示す平面図。
【図3】図1の自動精算機の精算処理を説明するためのフロ―チャ―ト。
【図4】図1の自動精算機の精算処理を説明するためのフロ―チャ―ト。
【図5】図1の自動精算機の精算処理を説明するためのフロ―チャ―ト。
【図6】乗車券と定期券との間の未払い区間を説明するための図。
【図7】乗車券と定期券との間の未払い区間と定期券の着駅と降車駅との間の未払い区間を説明するための図。
【図8】乗車券と定期券との間の未払い区間がない場合の説明図。
【符号の説明】
1…表示部、4…カ―ド投入口、5…券投入口、6…硬貨投入口、7…紙幣投入口、8…出場証発行口、9…排出口、10…カ―ド排出口、11…券排出口、12…受け皿、20…カ―ド部、21…券読取部、22…紙幣鑑査部、23…検銭部、24…釣銭部、25…印刷部、26……主制御部、A…定期券、B…金額カ―ド、C…乗車券。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段と、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段と、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段と、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段と、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて精算金額を判断する第1の判断手段と、金銭的価値を有する取引媒体を受入れる第3の受入手段と、この第3の受入手段により受入れた取引媒体の金銭的価値を判断する第2の判断手段と、上記第3の受入手段により受入れた取引媒体による精算処理を上記第1、第2の判断手段の判断結果を用いて実行する精算手段と、この精算手段により精算された旨の出場記録を上記定期券に記録する記録手段と、を具備したことを特徴とする自動精算機。
【請求項2】 区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段と、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段と、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段と、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段と、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて未払い区間の有無と未払い区間に対する精算金額を判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段により未払い区間がないと判断された場合、定期券に出場記録を行って出力する第1の処理手段と、上記第1の判断手段により未払い区間が有ると判断された場合、金銭的価値を有する取引媒体の投入を案内する案内手段と、この案内手段による案内に応じて金銭的価値を有する取引媒体を受入れる第3の受入手段と、この第3の受入手段により受入れた取引媒体の金銭的価値を判断する第2の判断手段と、上記第3の受入手段により受入れた取引媒体による精算処理を上記第1、第2の判断手段の判断結果を用いて実行し、出場記録を記録した定期券を出力する第2の処理手段と、を具備したことを特徴とする自動精算機。
【請求項3】 区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段と、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段と、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段と、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段と、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて精算金額の有無を判断する判断手段と、この判断手段により精算金額無しが判断された場合、上記定期券に出場情報を記録して出力する処理手段と、を具備したことを特徴とする自動精算機。
【請求項4】 区間情報が記録されている乗車券を受入れる第1の受入手段と、この第1の受入手段で受入れた乗車券の区間情報を読取る第1の読取手段と、区間情報が記録されている定期券を受入れる第2の受入手段と、この第2の受入手段で受入れた定期券の区間情報を読取る第2の読取手段と、上記第1、第2の読取手段による読取結果に応じて精算金額の有無を判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段により精算金額無しが判断された場合、上記定期券に出場情報を記録して出力する第1の処理手段と、上記判断手段により精算金額有りが判断された場合、金銭的価値を有する取引媒体の投入を案内する案内手段と、この案内手段の案内に応じて投入された金銭的価値を有する取引媒体を受入れる第3の受入れ手段と、この第3の受入手段により受入れた取引媒体の金銭的価値を判断する第2の判断手段と、上記受入手段により受入れた取引媒体による精算処理を上記第1、第2の判断手段の判断結果を用いて実行し、出場記録を記録した定期券を出力する第2の処理手段と、を具備したことを特徴とする自動精算機。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開平5−266284
【公開日】平成5年(1993)10月15日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−65667
【出願日】平成4年(1992)3月24日
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000220985)東芝インテリジェントテクノロジ株式会社 (1)