説明

自動給水装置及び自動給水装置の制御方法

【課題】通常時も復電後も適切にポンプの駆動を行うこと。
【解決手段】ポンプ20を駆動する電動機30と、ポンプ20の始動前の所定時間内に電源が投入されたことを感知する電源投入検出部42と、電動機30の目標回転数Wに達するまで電動機30を始動運転を行う制御部40とを備え、制御部40は、電源投入検出部42が電源投入を感知しない場合は、ポンプ20を目標回転数Wまで高速始動時間T1で達するように電動機30を駆動する通常始動を行い、電源投入検出部42が電源投入を感知した場合は、ポンプ20を目標回転数Wまで高速始動時間T1の2倍以上の低速始動時間T2で達するように電動機30を駆動する低速始動を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動給水装置及び自動給水装置の制御方法に関し、特に、電源投入時又は停電から復電した時に給水装置が自動運転する際に発生する昇圧を軽減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動給水装置の設置数は増え続けている。特に、高層マンションの建築等により、より高圧を発生するポンプを具備した給水装置が求められている。このような給水装置では、給水の応答性を高めるためにごく短時間で目標回転数に達するように設定されている。
【0003】
しかしながら、停電等で電源が遮断されて復電されるまで間に、ポンプの吐出管側で水の使用があると配水管内が負圧になり外部から空気が入り込む可能性がある。また初期の電源投入時に、十分な空気排出が実施されないうちに起動される場合がある。
【0004】
配管内に空気が入った状態で電動機の起動が行われると、目標圧力よりも一時的に配水管内の圧力が上昇し、異音や振動が発生する虞がある。特に高圧が必要となる高層マンション等では顕著となる。
【0005】
このため、起動時間を低速にし、目標回転数に達するための時間を十分にとることにより、上記不具合を解消する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−157053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した自動給水装置では、次のような問題があった。すなわち、起動時間を長くすると異常な圧力上昇は抑えられるが、通常の運転時における起動時においても、起動時間が長くなり、応答性が低下する。
【0008】
そこで本発明は、通常時も復電後も適切にポンプの駆動を行うことができる自動給水装置及び自動給水方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の自動給水装置及び自動給水装置の制御方法は次のように構成されている。
【0010】
(1)ポンプと、このポンプを駆動する電動機と、前記ポンプの始動前の所定時間内に電源が投入されたことを感知する電源投入検出部と、前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動運転を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記電源投入検出部が電源投入を感知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記電源投入検出部が電源投入を感知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする。
【0011】
(2)受水槽から水を汲み上げるポンプと、このポンプを駆動する電動機と、前記ポンプの始動前の所定時間内に前記受水槽の水量が渇水水量から有効水量に復帰したことを検知する水量検出部と、前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動運転を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記水量検出部が復帰を検知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで所定の高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記水量検出部が復帰を検知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする。
【0012】
(3)水源から高架水槽へ水を汲み上げるポンプと、このポンプを駆動する電動機と、前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動運転を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記ポンプを前記目標回転数まで予め設定された30秒以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする。
【0013】
(4)電動機により駆動されるポンプを制御する自動給水装置の制御方法において、前記ポンプの始動前の所定時間内に電源が投入されたことを電源投入検出部で感知する電源投入検出工程と、前記給水圧力が始動圧力以下になった時に、前記給水圧力に基づいて前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動する始動工程と、前記始動工程は、前記電源投入検出部が電源投入を感知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記電源投入検出部が電源投入を感知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする。
【0014】
(5)電動機により駆動され受水槽から水を汲み上げるポンプを制御する自動給水装置の制御方法において、前記ポンプの始動前の所定時間内に前記受水槽の水量が渇水水量から有効水量に復帰したことを水量検出部で検知する水量検出工程と、前記給水圧力が始動圧力以下になった時に、前記給水圧力に基づいて前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動する始動工程と、前記始動工程は、前記水量検出部が復帰を検知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで所定の高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記水量検出部が復帰を検知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする。
【0015】
(6)電動機により駆動され水源から高架水槽へ水を汲み上げるポンプを制御する自動給水装置の制御方法において、前記給水圧力が始動圧力以下になった時に、前記給水圧力に基づいて前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動する始動工程と、前記始動工程は、前記ポンプを前記目標回転数まで予め設定された30秒以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通常時も復電後も適切にポンプの駆動を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動給水装置の構成を示すブロック図。
【図2】同自動給水装置における制御方法を示す説明図。
【図3】同自動給水装置における制御方法の変形例を示す説明図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る自動給水装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る自動給水装置の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る自動給水装置10の構成を示すブロック図、図2は自動給水装置10における電動機起動後の経過時間tと電動機回転速度Kとの関係を示す説明図である。
【0019】
自動給水装置10は、ポンプ20と、このポンプ20を駆動する電動機30と、ポンプ20及び電動機30を制御する制御部40とを備えている。ポンプ20には、吸込管21と、吐出管22が取り付けられている。吸込管21は水道本管(不図示)に取り付けられ、吐出管22は各供給先に配水管23を介して接続されている。
【0020】
吐出管22には、圧力検出部24が取り付けられ、この圧力検出部24で検知された給水圧力Hは制御部40に入力されている。
【0021】
制御部40は、予め定められた条件で電動機30を作動させる駆動制御部41と、ポンプ20の始動前の基準時間Qc内(例えば30分以内)に電源が投入されたことを感知する電源投入検出部42とを備えている。すなわち、電源投入検出部42は、感知された時間、すなわち感知時間Qに基づき、ポンプ20の始動前の基準時間Qc以前か以後かに電源が投入されたことを感知する機能を有している。
【0022】
駆動制御部41では、給水圧力Hの値によって目標圧力を算出するとともに、感知時間Qが基準時間Qc以下の場合には通常運転、すなわち目標回転数に達するまでの時間T1(高速始動時間)が短く設定されている(例えば、0.6〜1.5秒)。これに対し、感知時間Qが基準時間Qcを超える場合には低速運転、すなわち目標回転数に達するまでの時間T2(低速始動時間)が時間T1より長く設定されている(例えば、30〜60秒)。なお、時間T2は時間T1の少なくとも2倍以上となっている。
【0023】
なお、図1中50は商用電源を示している。
【0024】
このように構成された自動給水装置10では、次のようにして自動給水を行う。すなわち、圧力検出部24で検出された給水圧力Hが、予め設定された始動圧力Hs以下になると、給水圧力Hと電源投入検出部42による停止時間Qが駆動制御部41に入力される。そして、駆動制御部41では、給水圧力Hの値によって目標圧力を実現するための電動機30の目標回転数Wを算出する。
【0025】
また、感知時間Qによって通常運転か低速運転かが判断される。上述したように、感知時間Qが基準時間Qc以下の場合には通常運転で運転が行われ、短時間で電動機30が目標回転数Wに達し、応答性よく給水が行われる(図2中G)。
【0026】
一方、停電や長時間の断水、また新規の設置等で始動前の感知時間Qが長時間となり、基準時間Qcを超える場合には低速運転で運転が行われ、長時間で電動機30が目標回転数Wに達し、空気の混入等による圧力の急上昇による弊害を防止することができる(図2中S1,S2)。
【0027】
また、低速始動時の回転数Kは、目標回転数をW、低速始動時間をT2、始動開始からの時間をt(≦T2)、係数n(≦1)としたとき、K=W・(t/T2)で示されるように運転することが好ましい。これは、始動開始直後はポンプの圧力が上がりにくく、回転数を早めに上昇させても弊害が少ないからである。
【0028】
上述したように本発明の第1の実施の形態に係る自動給水装置では、給水圧力が低下した場合、通常時は短時間でポンプを目標回転数で駆動することができるので、応答性よく給水を行うことができ、停電や長時間の断水、また新規の設置等で配水管23内部に空気が混入している場合には、起動時間を長くすることで異常な圧力上昇を抑え、異音や振動の発生を抑制することができる。
【0029】
図3は、自動給水装置10における制御方法の変形例を示す説明図である。ここでは、低速始動時の実測圧力をA、目標圧力をA0、目標回転数をW、低速始動時間をTとしたとき、A≧A0ならば、低速始動時間T2まで目標圧力A0を維持しながら回転数Kを制御する。
【0030】
また、自動給水装置10が備えている異常検出機能、例えば、給水開始の起動信号が入力されてから目標圧力まで上昇しなかった場合に異常と判断する等の機能については、低速始動時間T2を、異常判定までの時間tzよりも小さく設定することで、両機能は並存することができる。
【0031】
図4は本発明の第2の実施の形態に係る自動給水装置10Aの構成を示すブロック図である。なお、図4において図1と同一機能部分には同一符号を付した。
【0032】
自動給水装置10Aは、ポンプ20と、このポンプ20を駆動する電動機30と、ポンプ20及び電動機30を制御する制御部40Aとを備えている。ポンプ20には、吸込管21と、吐出管22が取り付けられている。吸込管21は受水槽60(水源)に取り付けられ、吐出管22は各供給先に配水管23を介して接続されている。
【0033】
吐出管22には、圧力検出部24が取り付けられ、この圧力検出部24で検知された給水圧力Hは制御部40Aに入力されている。
【0034】
また、受水槽60には、水位センサ61が設けられている。なお、受水槽60には水道62により適時、水が供給されている。
【0035】
制御部40Aは、予め定められた条件で電動機30を作動させる駆動制御部41Aと、水位センサ61からの計測結果に基づいてポンプ20の始動前に受水槽60の水量が渇水水量L1から有効水量L2に復帰したことを検知する水量検出部43とを備えている。すなわち、水量検出部43は、ポンプ20の始動前に渇水状態にあったか否かを検知する機能を有している。
【0036】
駆動制御部41Aでは、給水圧力Hの値によって目標圧力を算出するとともに、有効水量L2を保っていた場合には通常運転、すなわち目標回転数に達するまでの時間T1(高速始動時間)が短く設定されている。これに対し、渇水水量L1となった時間があれば低速運転、すなわち目標回転数に達するまでの時間T2(低速始動時間)が時間T1より長く設定されている。なお、時間T2は時間T1の少なくとも2倍以上となっている。なお、一旦、給水が行われれば、渇水状態にあったことはリセットされる。
【0037】
このように構成された自動給水装置10では、次のようにして自動給水を行う。すなわち、圧力検出部24で検出された給水圧力Hが、予め設定された始動圧力Hs以下になると、給水圧力Hと電源投入検出部42による計測時間Eが駆動制御部41Aに入力される。そして、駆動制御部41Aでは、給水圧力Hの値によって目標圧力を実現するための電動機30の目標回転数Wを算出する。
【0038】
また、ポンプ20の始動前に渇水水量L1であったか否かによって通常運転か低速運転かが判断される。上述したように、渇水水量L1となっていなければ、通常運転で運転が行われ、短時間で電動機30が目標回転数Wに達し、応答性よく給水が行われる。
【0039】
一方、何らかの原因で受水槽60内が不足し、渇水水量L1になっていれば現時点で有効水量L2であっても、低速運転で運転が行われ、長時間で電動機30が目標回転数Wに達し、空気の混入等による圧力の急上昇による弊害を防止することができる。
【0040】
なお、低速始動時の制御は、前述したポンプ10と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0041】
上述したように本発明の第2の実施の形態に係る自動給水装置10Aでは、給水圧力が低下した場合、通常時は短時間でポンプを目標回転数で駆動することができるので、応答性よく給水を行うことができ、何らかの原因で受水槽60内に渇水状態が発生し、配水管内に空気が溜まるような場合には、起動時間を長くすることで異常な圧力上昇を抑え、異音や振動の発生を抑制することができる。
【0042】
図5は本発明の第3の実施の形態に係る自動給水装置10Bの構成を示すブロック図である。なお、図5において図1と同一機能部分には同一符号を付した。
【0043】
自動給水装置10Bは、ポンプ20と、このポンプ20を駆動する電動機30と、ポンプ20及び電動機30を制御する制御部40Bとを備えている。ポンプ20には、吸込管21と、吐出管22が取り付けられている。吐出管22は高架水槽70へ接続され、吸込管21は水道本管(不図示)に接続されている。
【0044】
吐出管22には、圧力検出部24が取り付けられ、この圧力検出部24で検知された給水圧力Hは制御部40Bに入力されている。
【0045】
制御部40Bは、予め定められた条件で電動機30を作動させる駆動制御部41Bを備えている。
【0046】
駆動制御部41Bでは、給水圧力Hの値によって目標圧力を算出するとともに、目標回転数に達するまでの時間T2(低速始動時間)が一般の始動に用いられる時間T1より長く設定されている。なお、時間T2は時間T1の少なくとも2倍以上であり、少なくとも30秒以上となっている。
【0047】
このように構成された自動給水装置10Bでは、次のようにして自動給水を行う。すなわち、圧力検出部24で検出された給水圧力Hが、予め設定された始動圧力Hs以下になると、駆動制御部41Bに入力される。そして、駆動制御部41Bでは、給水圧力Hの値によって目標圧力を実現するための電動機30の目標回転数Wを算出する。そして、低速運転で運転が行われ、長時間で電動機30が目標回転数Wに達し、空気の混入等による圧力の急上昇による弊害を防止することができる。
【0048】
なお、低速始動時の制御は、前述したポンプ10と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
上述したように本発明の第3の実施の形態に係る自動給水装置10Bでは、高架水槽70のように配管に空気が溜まりやすい場合には、常に起動時間を長くすることで異常な圧力上昇を抑え、異音や振動の発生を抑制することができる。
【0050】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、始動時間は、配管径、配管長さ等により適切な時間を設定することができる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、通常使用時は応答性よく、また、長時間停止後の復帰後は、異常昇圧を軽減する自動給水装置及び自動給水装置の制御方法が得られる。
【符号の説明】
【0052】
10,10A,10B…自動給水装置、20…ポンプ、21…吸込管、22…吐出管、23…配水管、4…圧力検出部、30…電動機、40,40A,40B…制御部、41,41A,41B…駆動制御部、42…電源投入検出部、43…水量検出部、60…受水槽、61…水位センサ、70…高架水槽。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプと、
このポンプを駆動する電動機と、
前記ポンプの始動前の所定時間内に電源が投入されたことを感知する電源投入検出部と、
前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動運転を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記電源投入検出部が電源投入を感知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記電源投入検出部が電源投入を感知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする自動給水装置。
【請求項2】
受水槽から水を汲み上げるポンプと、
このポンプを駆動する電動機と、
前記ポンプの始動前の所定時間内に前記受水槽の水量が渇水水量から有効水量に復帰したことを検知する水量検出部と、
前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動運転を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記水量検出部が復帰を検知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで所定の高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記水量検出部が復帰を検知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする自動給水装置。
【請求項3】
水源から高架水槽へ水を汲み上げるポンプと、
このポンプを駆動する電動機と、
前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動運転を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記ポンプを前記目標回転数まで予め設定された30秒以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする自動給水装置。
【請求項4】
前記低速始動時の回転数Kは、目標回転数をW、低速始動時間をT、始動開始からの時間をt(≦T)、係数n(≦1)としたとき、K=W・(t/T)で示されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動給水装置。
【請求項5】
前記低速始動時の実測圧力をA、目標圧力をA0、目標回転数をW、低速始動時間をTとしたとき、A≧A0ならば、前記低速始動時間Tまで目標圧力A0を維持しながら回転数Kを制御することを特徴とする請求項4に記載の自動給水装置。
【請求項6】
電動機により駆動されるポンプを制御する自動給水装置の制御方法において、
前記ポンプの始動前の所定時間内に電源が投入されたことを電源投入検出部で感知する電源投入検出工程と、
前記給水圧力が始動圧力以下になった時に、前記給水圧力に基づいて前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動する始動工程と、
前記始動工程は、前記電源投入検出部が電源投入を感知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記電源投入検出部が電源投入を感知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする自動給水装置の制御方法。
【請求項7】
電動機により駆動され受水槽から水を汲み上げるポンプを制御する自動給水装置の制御方法において、
前記ポンプの始動前の所定時間内に前記受水槽の水量が渇水水量から有効水量に復帰したことを水量検出部で検知する水量検出工程と、
前記給水圧力が始動圧力以下になった時に、前記給水圧力に基づいて前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動する始動工程と、
前記始動工程は、前記水量検出部が復帰を検知しない場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで所定の高速始動時間で達するように前記電動機を駆動する通常始動を行い、前記水量検出部が復帰を検知した場合は、前記ポンプを前記目標回転数まで前記高速始動時間の2倍以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする自動給水装置。
【請求項8】
電動機により駆動され水源から高架水槽へ水を汲み上げるポンプを制御する自動給水装置の制御方法において、
前記給水圧力が始動圧力以下になった時に、前記給水圧力に基づいて前記電動機の目標回転数に達するまで前記電動機を始動する始動工程と、
前記始動工程は、前記ポンプを前記目標回転数まで予め設定された30秒以上の低速始動時間で達するように前記電動機を駆動する低速始動を行うことを特徴とする自動給水装置の制御方法。
【請求項9】
前記低速始動時の回転数Kは、目標回転数をW、低速始動時間をT、始動開始からの時間をt(≦T)、係数n(≦1)としたとき、K=W・(t/T)で示されることを特徴とする請求項6または8のいずれかに記載の自動給水装置の制御方法。
【請求項10】
前記低速始動時の実測圧力をA、目標圧力をA0、目標回転数をW、低速始動時間をTとしたとき、A≧A0ならば、前記低速始動時間Tまで目標圧力A0を維持しながら回転数Kを制御することを特徴とする請求項9に記載の自動給水装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−255399(P2012−255399A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129390(P2011−129390)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000148209)株式会社川本製作所 (161)
【Fターム(参考)】