説明

自動販売機の商品搬出装置

【課題】部品点数を削減しながら装置の小型化を図ることができる自動販売機の商品搬出装置を提供すること。
【解決手段】商品搬出口5dを通じて商品を受け取り、商品取出口5cを通じて商品を取り出し可能な状態にする自動販売機の商品搬出装置40において、横断面が湾曲形状を成す起立したカバー体412aの湾曲内面412a1が商品搬出口5dを臨むとともに、湾曲外面412a2が商品取出口5cを閉成した状態で商品搬出口5dを通じての商品の受け取りが可能となる受取姿勢と、湾曲内面412a1が商品取出口5cを臨むことにより商品取出口5cを通じての商品の取り出しを許容する取出姿勢との間で回転可能となる態様で配設された商品バケット41と、常態においては商品バケット41を受取姿勢に保持する一方、受取姿勢にある商品バケット41が商品を受け取った場合には商品バケット41を取出姿勢に回転させる回転機構42とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の商品搬出装置に関し、より詳細には、商品搬出口を通じて機内から搬送された商品を受け取り、自動販売機の前面に形成された商品取出口を通じて商品を取り出し可能な状態にする自動販売機の商品搬出装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高さ方向に複数段の商品ラックを並設し、これら商品ラックの幅方向に複数の商品収納コラムを搭載した自動販売機が広く知られている。このような自動販売機は、前面を幅方向(X方向)および高さ方向(Y方向)に走行し、商品収納コラムから払い出された商品を受け取り、商品取出口まで商品を搬送する商品搬送装置を搭載している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
本願出願人は、更に、受取位置で商品搬送装置から商品搬出口を通じて商品を受け取り、商品取出口に差し出すように前方に向けて商品を搬出する自動販売機の商品搬出装置を提案している。このような自動販売機の商品搬出装置は、利用者による商品の取り出しを容易なものとするとともに、商品を丁寧に扱っているとのイメージを利用者に与えることができるという利点を有している(特願2006−077501号)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−209006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した自動販売機の商品搬出装置では、受取位置で商品を受け取ってから前方に向けて商品を搬出しており、この前方に向けて商品を搬出している間に商品取出口を開閉するための商品取出扉を別機構により開動作させていた。つまり、上記商品搬出装置では、受け取った商品を前方に向けて搬出する機構と、商品取出扉を開閉する機構とをそれぞれ必要とし、しかも商品を前方に向けて搬出するためのスペースを要するため、部品点数の増大および装置の大型化を招来する虞れがあった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、部品点数を削減しながら装置の小型化を図ることができる自動販売機の商品搬出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機の商品搬出装置は、商品搬出口を通じて機内から搬送された商品を受け取り、自動販売機の前面に形成された商品取出口を通じて商品を取り出し可能な状態にする自動販売機の商品搬出装置において、横断面が湾曲形状を成す起立したカバー体の湾曲内面が前記商品搬出口を臨むとともに、該カバー体の湾曲外面が前記商品取出口を閉成した状態で前記商品搬出口を通じての商品の受け取りが可能となる受取姿勢と、前記カバー体の湾曲内面が前記商品取出口を臨むことにより該商品取出口を通じての商品の取り出しを許容する取出姿勢との間で、回転可能となる態様で配設された商品バケットと、常態においては、前記商品バケットを前記受取姿勢に保持する一方、前記受取姿勢にある前記商品バケットが商品を受け取った場合には、該商品バケットを前記取出姿勢に回転させるバケット回転手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機の商品搬出装置は、上述した請求項1において、前記商品バケットは、上下方向に延在する軸部を有し、該軸部の軸心回りに回転可能となることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る自動販売機の商品搬出装置は、上述した請求項1または請求項2において、前記カバー体の上部は、上端縁部分に向けて横断面形状の曲率が漸次大きくなる態様でテーパー状に形成されて成ることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る自動販売機の商品搬出装置は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、受取姿勢にある前記カバー体の外面に光を照射する照射手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の自動販売機の商品搬出装置によれば、商品バケットが、横断面が湾曲形状を成す起立したカバー体の湾曲内面が商品搬出口を臨むとともに、該カバー体の湾曲外面が商品取出口を閉成した状態で商品搬出口を通じての商品の受け取りが可能となる受取姿勢と、カバー体の湾曲内面が商品取出口を臨むことにより該商品取出口を通じての商品の取り出しを許容する取出姿勢との間で、回転可能となる態様で配設され、バケット回転手段が、常態においては、商品バケットを受取姿勢に保持する一方、受取姿勢にある商品バケットが商品を受け取った場合には、該商品バケットを取出姿勢に回転させるので、商品バケットを受取姿勢と取出姿勢との間で回転させるだけで商品取出口を開閉させることができ、商品取出口を開閉させるための扉等を要しない。また、商品バケットを受取姿勢と取出姿勢との間で回転させるだけなので、従前のようにバケットを前方に移動させるためのスペースを必要としない。従って、部品点数を削減しながら装置の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である商品搬出装置を適用した自動販売機の概略断面側面図である。ここに例示する自動販売機は、缶入り飲料、瓶入り飲料、ペットボトル入り飲料等の商品を冷却、もしくは加熱した状態で販売するもので、自動販売機本体である本体キャビネット1を備えている。
【0014】
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の形態を成しており、その内部は、大きく上中下の3つに区画されており、機械室2、商品保管室3および商品収容室4が設けてある。
【0015】
機械室2は、最も下部に区画された室であり、種々の機械等が配設してある。特に本実施の形態1に関連するものとしては、図には明示しないが、圧縮機および凝縮器が配設してある。
【0016】
商品保管室3は、最も上部に区画された室である。この商品保管室3の内部には、複数の商品保管コラム(商品収納コラム)10が上下段、左右列に配列して設けてある。商品保管コラム10は、それぞれ前後方向に沿って延在し、前方から後方に向けて漸次高さが低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品保管コラム10は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。このような商品保管室3は、各商品保管コラム10に収納される商品を常温にて保管するものである。
【0017】
また、商品保管コラム10のそれぞれの後端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構11が設けてある。ここに、搬出機構11は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する商品補充装置20を構成する補充バケット21が指定の商品保管コラム10にアクセスした場合に該商品補充装置20を構成する電動式駆動機構からの動力が伝達されて駆動するものである。
【0018】
商品収容室4は、中部に区画された室、すなわち機械室2と商品保管室3との間に位置する室である。つまり、商品保管室3と商品収容室4とは、本体キャビネット1の内部において上下に並ぶ態様で区画されている。この商品収容室4は、所定個所に断熱板4a,4bを配設することにより断熱構造を有している。より詳細に説明すると、商品収容室4は、上部断熱板4a、下側断熱板4b、後部断熱板(図示せず)および左右一対の側部断熱板(図示せず)を配設することにより形成された室である。
【0019】
商品収容室4の下部には、上述した圧縮機および凝縮器と冷媒配管を通じて連結された蒸発器(図示せず)が設けてある。かかる蒸発器は、圧縮機および凝縮器とともに冷却ユニットを構成し、該商品収容室4に収容された商品を冷却するものである。尚、説明の便宜上図示の例では商品を冷却する場合について説明するが、かかる商品収容室4には商品を加熱するためのヒータが設けられており、該ヒータにより商品が加熱されても良い。
【0020】
このような商品収容室4の内部には、複数の商品収容コラム(商品収納コラム)12が上下段、左右列に配列してある。より詳細に説明すると、商品収容コラム12は、それぞれ前後方向に沿って延在し、後方から前方に向けて高さが漸次低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品収容コラム12は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。
【0021】
商品収容コラム12のそれぞれの前端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構13が設けてある。ここに、搬出機構13は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する商品搬送装置30を構成する搬送バケット31が指定の商品収容コラム12にアクセスした場合に該商品搬送装置30を構成する電動式駆動機構からの動力が伝達されて駆動するものである。
【0022】
一方、本体キャビネット1には、扉体5が設けてある。扉体5は、外扉5aおよび内扉5bを有して成るものである。外扉5aは、本体キャビネット1の前面開口を覆うためのもので、本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能となる態様でヒンジ結合してある。この外扉5aの前面側には表示部、商品取出口5cが設けてある。表示部は、商品サンプルイメージを表示する液晶表示部である。商品取出口5cは、外扉5aの前面側中央位置に設けてあり、利用者が商品を取り出すための開口となる。また、図1には明示していないが、この外扉5aの前面には、商品を販売する際に必要となる商品選択ボタン、紙幣挿入口、硬貨投入口、返却レバー、金額表示器、硬貨返却口が設けてある一方、後面側には貨幣処理部が設けてある。
【0023】
内扉5bは、断熱構造を有し、商品収容室4の前面を覆うためのものである。この内扉5bは、外扉5aよりも内方となる位置において本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設してある。また、内扉5bには、商品取出口5cに対応する部位に商品搬出口5dが設けてある。
【0024】
上記本体キャビネット1には、商品補充装置20および商品搬送装置30が配設してある。商品補充装置20は、商品保管室3の商品保管コラム10に保管してある商品を商品収容室4の商品収容コラム12に補充するものであり、X−Y搬送機構(図示せず)および補充バケット21を備えて構成してある。
【0025】
X−Y搬送機構は、補充バケット21を搭載して、該補充バケット21を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構は、周知のものであり、詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部に連結されて構成してある。このようなX−Y搬送機構には、上記補充バケット21を指定した商品収納コラム(商品保管コラム10、商品収容コラム12)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品補給指令により、指定された商品保管コラム10および商品収容コラム12の位置に移送するようにしてある。
【0026】
補充バケット21は、商品保管コラム10から商品を起立した状態で受け取り、起立した状態で商品収容コラム12に受け渡すものである。
【0027】
また、商品補充装置20には、図示しない電動式駆動機構が設けてある。電動式駆動機構は、上述したように、商品保管コラム10の搬出機構11に駆動力を伝達して該搬出機構11を駆動させるものである。
【0028】
商品搬送装置30は、商品収容室4の前方側に設けてあり、商品収容室4に収容されている商品を商品取出口5cに対応する位置、商品搬出口5dの後方位置(以下、搬出位置ともいう)に搬送するためのものである。この商品搬送装置30は、X−Y搬送機構(図示せず)および搬送バケット31を備えて構成してある。
【0029】
X−Y搬送機構は、搬送バケット31を搭載して、該搬送バケット31を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構は、周知のものであり、詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部に連結されて構成してある。このようなX−Y搬送機構には、上記搬送バケット31を指定した商品収納コラム(商品収容コラム12)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品販売指令により、指定された商品収容コラム12の位置に移送するようにしてある。
【0030】
搬送バケット31は、商品収容コラム12から商品を起立した状態で受け取り、起立した状態で後述する商品搬出装置40に受け渡すものであって、後部と前部とに開口を有するとともに、後方から前方に向けて前下がりとなる滑走面31aを有している。従って、商品収容コラム12から搬出された商品は、起立した状態で滑走面31aを滑走し、搬送バケット31に収容される。一方、搬送バケット31に収容された商品は、前部開口から商品の落下を防止するためのストッパ32により支持され、商品収容コラム12の前方から搬出位置に至るまでの搬送途上において商品が落下する虞れがない。
【0031】
また、商品搬送装置30には、図示しない電動式駆動機構が設けてある。電動式駆動機構は、上述したように商品収容コラム12の搬出機構13に駆動力を伝達して該搬出機構13を駆動させるものである。
【0032】
上記構成を有する自動販売機の商品取出口5cの後方の個所、すなわち商品取出口5cの後方であって商品搬出口5dの前方となる個所には、本発明の実施の形態1である商品搬出装置40が配設してある。図2および図3は、それぞれ商品搬出装置の要部を簡略的に示した拡大側面断面図である。これら図2および図3を適宜用いながら商品搬出装置40について説明する。
【0033】
本発明の実施の形態1である商品搬出装置40は、商品バケット41と、回転機構(バケット回転手段)42とを備えて構成してある。商品バケット41は、受容部411と、カバー部412とを備えている。
【0034】
受容部411は、商品を受け入れるためのものであり、載置面411aと保持面411bとを有している。載置面411aは、商品バケット41の底部を構成するものであり、正面から背面に向けて漸次高さが低くなる態様で傾斜して設けてある。ここに、載置面411aは、商品を起立した状態で載置するのに十分な大きさを有している。保持面411bは、載置面411aの背面側縁部から直角に起立してなる面である。
【0035】
カバー部412は、例えばプラスチックのような樹脂材により形成してものであって、正面に開口43を有してなり、上記受容部411を取り囲む態様で設けてある。かかるカバー部412は、カバー体412a、底板体412bおよび天板体412cを備えている。カバー体412aは、横断面が湾曲形状を成し、受容部411の背面側に起立した状態で設けてある。このカバー体412aは、湾曲内面412a1が受容部411側、すなわち正面を臨む態様で設けてある。また、このカバー体412aは、湾曲外面412a2が商品取出口5cを閉成するのに十分な大きさを有している。底板体412bは、カバー体412aの下端縁部から正面側に延在する板状部材であり、その延在端部は上記載置面411aを構成する板材と接合してある。天板体412cは、カバー体412aの上端縁部から正面側に延在する板状部材であり、受容部411の背面側半分の上部を覆うものである。
【0036】
これら底板体412bおよび天板体412cには、それぞれ下側軸部44および上側軸部45が形成してある。下側軸部44および上側軸部45は、それぞれ上下方向に延在するとともに、互いの軸心(中心軸が)が同一直線状となる態様で底板体412bおよび天板体412cのそれぞれに形成してある。
【0037】
このような商品バケット41は、下側軸部44が内扉5bに設けられた支持片6の貫通孔(図示せず)を挿通する態様で、上側軸部45が後述する回転機構42に回転可能となる態様で保持されることにより配設してある。より詳細には、商品バケット41は、図1および図2に示すように正面側が商品搬出口5d、すなわちカバー体412aの湾曲内面412a1が後方側を臨む受取姿勢と、図3に示すように正面が商品取出口5c、すなわちカバー体412aの湾曲内面412a1が前方側を臨む取出姿勢との間で、回転可能となる態様で配設してある。つまり、商品バケット41は、下側軸部44および上側軸部45の軸心回りに回転可能となる態様で配設してある。ここで、商品バケット41は、受取姿勢にある場合には、その背面、すなわちカバー体412aの湾曲外面412a2が商品取出口5cを閉成する位置に配設してある。
【0038】
回転機構42は、モータ421と、ギア部材422とを備えている。モータ421は、正逆回転可能なものであり、商品バケット41の回転動作の駆動源となるものである。ギア部材422は、減速機構を介してモータ421に連結してあるとともに、上側軸部45の周囲と噛合してあり、モータ421による駆動力を上側軸部45に伝達するものである。このような回転機構42は、常態においては、商品バケット41を受取姿勢に保持する一方、受取姿勢にある商品バケット41が商品を受け取った場合には、該商品バケット41を取出姿勢に回転させるものである。
【0039】
以上のような構成を有する商品搬出装置40は、常態においては、図1および図2に示すように商品バケット41の正面が商品搬出口5dを臨む姿勢、すなわち受取姿勢にある。かかる受取姿勢にある場合、商品バケット41は、その背面、すなわちカバー体412aの湾曲外面412a2が商品取出口5cを閉成している。
【0040】
そして、自動販売機の硬貨投入口、あるいは紙幣挿入口から商品の価格と同一、あるいはそれを超える貨幣が投入され、選択ボタンが押下されることにより、販売する商品が確定すると、商品搬送装置30が当該商品を収容してある商品収容コラム12の前方に搬送バケット31を移動させる。そして、商品搬送装置30は、商品収容コラム12から商品を起立した状態で搬送バケット31に受容させた後、搬送バケット31を搬出位置まで移動させる。
【0041】
搬出位置まで搬送バケット31を移動させた商品搬送装置30は、ストッパ32を解放動作させる。これにより、搬送バケット31内にある商品は、起立した状態を保持したまま滑走面31aを滑走し、その後、商品搬出口5dを通じて受取姿勢にある商品バケット41の内部に投入される。つまり、商品は、起立した状態を保持したまま商品搬出口5dを通過し、その後起立した状態で商品バケット41の受容部411を構成する載置面411aを滑走する。これにより搬送バケット31から商品バケット41に商品が受け渡され、商品バケット41が商品を受け取ることになる。ここで、載置面411aを滑走する商品は、その側周部の一部が保持面411bに当接して滑走を停止し、底面が載置面411a上で、かつ側面の一部が保持面411bに当接した起立状態で受容部411に受け取られることになる。
【0042】
商品バケット41(受容部411)が商品を受け取ると、モータ421が正転駆動する。これにより、減速機およびギア部材422を通じて上側軸部45にモータ421の駆動力を伝達する結果、商品バケット41を下側軸部44および上側軸部45の軸心回りに半回転させて、図3に示すように、正面が商品取出口5cを臨む取出姿勢に変位させる。これにより、受取姿勢において商品取出口5cを閉成していたカバー体412aは、後方側、すなわちカバー体412aの湾曲外面412a2が商品搬出口5dを閉成する位置に変位する。
【0043】
このように商品バケット41が取出姿勢になると、商品搬出装置40は、商品取出口5cを通じての商品の取り出しを許容する。つまり、商品バケット41に内部にある商品は、商品取出口5cを通じて取り出し可能な状態になる。
【0044】
そして、利用者が商品バケット41の内部にある商品を取り出すと、モータ421を逆転駆動することにより、商品バケット41を下側軸部44および上側軸部45の軸心回りに回転させて取出姿勢から上記受取姿勢に変位させる。この結果、商品取出口5cは、再びカバー体412aの湾曲外面412a2により閉成される。
【0045】
以上説明したように、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置40によれば、商品バケット41が、カバー体412aの湾曲内面412a1が商品搬出口5dを臨むとともに、該カバー体412aの湾曲外面412a2が商品取出口5cを閉成した状態で商品搬出口5dを通じての商品の受け取りが可能となる受取姿勢と、カバー体412aの湾曲内面412a1が商品取出口5cを臨むことにより該商品取出口5cを通じての商品の取り出しを許容する取出姿勢との間で、回転可能となる態様で配設され、回転機構42が、常態においては、商品バケット41を受取姿勢に保持する一方、受取姿勢にある商品バケット41が商品を受け取った場合には、該商品バケット41を取出姿勢に回転させるので、商品バケット41を受取姿勢と取出姿勢との間で回転させるだけで商品取出口5cを開閉させることができ、商品取出口5cを開閉させるための扉等を要しない。また、商品バケット41を受取姿勢と取出姿勢との間で回転させるだけなので、従前のようにバケットを前方に移動させるためのスペースを必要としない。従って、部品点数を削減しながら装置の小型化を図ることができる。
【0046】
また、上記商品搬出装置40によれば、商品バケット41が取出姿勢にある場合にその背面(カバー体412aの湾曲外面412a2)が商品搬出口5dを閉成するので、かかる商品バケット41が防盗扉の役割を果たし、商品搬出口5dに防盗扉を設置する必要がない。これによっても部品点数の削減を図ることができ、しかも商品取出口5cの外部から商品搬出口5dの内部への悪戯を抑制することができる。
【0047】
<実施の形態2>
図4は、本発明の実施の形態2である商品搬出装置を適用した自動販売機の概略断面側面図である。尚、上述した実施の形態1における商品搬出装置および該商品搬出装置を適用した自動販売機と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。
【0048】
ここに例示する自動販売機は、缶入り飲料、瓶入り飲料、ペットボトル入り飲料等の商品を冷却、もしくは加熱した状態で販売するもので、自動販売機本体である本体キャビネット1を備えている。
【0049】
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の形態を成しており、その内部は、大きく上中下の3つに区画されており、機械室2、商品保管室3および商品収容室4が設けてある。
【0050】
機械室2は、最も下部に区画された室であり、種々の機械等が配設してある。特に本実施の形態2に関連するものとしては、図には明示しないが、圧縮機および凝縮器が配設してある。
【0051】
商品保管室3は、最も上部に区画された室である。この商品保管室3の内部には、複数の商品保管コラム(商品収納コラム)10が上下段、左右列に配列して設けてある。商品保管コラム10は、それぞれ前後方向に沿って延在し、前方から後方に向けて漸次高さが低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品保管コラム10は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。このような商品保管室3は、各商品保管コラム10に収納される商品を常温にて保管するものである。
【0052】
また、商品保管コラム10のそれぞれの後端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構11が設けてある。ここに、搬出機構11は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する商品補充装置20を構成する補充バケット21が指定の商品保管コラム10にアクセスした場合に該商品補充装置20を構成する電動式駆動機構からの動力が伝達されて駆動するものである。
【0053】
商品収容室4は、中部に区画された室、すなわち機械室2と商品保管室3との間に位置する室である。つまり、商品保管室3と商品収容室4とは、本体キャビネット1の内部において上下に並ぶ態様で区画されている。この商品収容室4は、所定個所に断熱板4a,4bを配設することにより断熱構造を有している。より詳細に説明すると、商品収容室4は、上部断熱板4a、下側断熱板4b、後部断熱板(図示せず)および左右一対の側部断熱板(図示せず)を配設することにより形成された室である。
【0054】
商品収容室4の下部には、上述した圧縮機および凝縮器と冷媒配管を通じて連結された蒸発器(図示せず)が設けてある。かかる蒸発器は、圧縮機および凝縮器とともに冷却ユニットを構成し、該商品収容室4に収容された商品を冷却するものである。尚、説明の便宜上図示の例では商品を冷却する場合について説明するが、かかる商品収容室4には商品を加熱するためのヒータが設けられており、該ヒータにより商品が加熱されても良い。
【0055】
このような商品収容室4の内部には、複数の商品収容コラム(商品収納コラム)12が上下段、左右列に配列してある。より詳細に説明すると、商品収容コラム12は、それぞれ前後方向に沿って延在し、後方から前方に向けて高さが漸次低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品収容コラム12は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。
【0056】
商品収容コラム12のそれぞれの前端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構13が設けてある。ここに、搬出機構13は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する商品搬送装置30を構成する搬送バケット31が指定の商品収容コラム12にアクセスした場合に該商品搬送装置30を構成する電動式駆動機構からの動力が伝達されて駆動するものである。
【0057】
一方、本体キャビネット1には、扉体5が設けてある。扉体5は、外扉5aおよび内扉5bを有して成るものである。外扉5aは、本体キャビネット1の前面開口を覆うためのもので、本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能となる態様でヒンジ結合してある。この外扉5aの前面側には表示部、商品取出口5cが設けてある。表示部は、商品サンプルイメージを表示する液晶表示部である。商品取出口5cは、外扉5aの前面側中央位置であって、前方に突出した領域に設けてあり、利用者が商品を取り出すための開口となる。また、図4には明示していないが、この外扉5aの前面には、商品を販売する際に必要となる商品選択ボタン、紙幣挿入口、硬貨投入口、返却レバー、金額表示器、硬貨返却口が設けてある一方、後面側には貨幣処理部が設けてある。
【0058】
内扉5bは、断熱構造を有し、商品収容室4の前面を覆うためのものである。この内扉5bは、外扉5aよりも内方となる位置において本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設してある。また、内扉5bには、商品取出口5cに対応する部位に商品搬出口5dが設けてある。
【0059】
上記本体キャビネット1には、商品補充装置20および商品搬送装置30が配設してある。商品補充装置20は、商品保管室3の商品保管コラム10に保管してある商品を商品収容室4の商品収容コラム12に補充するものであり、X−Y搬送機構(図示せず)および補充バケット21を備えて構成してある。
【0060】
X−Y搬送機構は、補充バケット21を搭載して、該補充バケット21を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構は、周知のものであり、詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部に連結されて構成してある。このようなX−Y搬送機構には、上記補充バケット21を指定した商品収納コラム(商品保管コラム10、商品収容コラム12)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品補給指令により、指定された商品保管コラム10および商品収容コラム12の位置に移送するようにしてある。
【0061】
補充バケット21は、商品保管コラム10から商品を起立した状態で受け取り、起立した状態で商品収容コラム12に受け渡すものである。
【0062】
また、商品補充装置20には、図示しない電動式駆動機構が設けてある。電動式駆動機構は、上述したように、商品保管コラム10の搬出機構11に駆動力を伝達して該搬出機構11を駆動させるものである。
【0063】
商品搬送装置30は、商品収容室4の前方側に設けてあり、商品収容室4に収容されている商品を商品取出口5cに対応する位置、商品搬出口5dの後方位置(以下、搬出位置ともいう)に搬送するためのものである。この商品搬送装置30は、X−Y搬送機構(図示せず)および搬送バケット31を備えて構成してある。
【0064】
X−Y搬送機構は、搬送バケット31を搭載して、該搬送バケット31を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構は、周知のものであり、詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部に連結されて構成してある。このようなX−Y搬送機構には、上記搬送バケット31を指定した商品収納コラム(商品収容コラム12)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品販売指令により、指定された商品収容コラム12の位置に移送するようにしてある。
【0065】
搬送バケット31は、商品収容コラム12から商品を起立した状態で受け取り、起立した状態で後述する商品搬出装置40に受け渡すものであって、後部と前部とに開口を有するとともに、後方から前方に向けて前下がりとなる滑走面31aを有している。従って、商品収容コラム12から搬出された商品は、起立した状態で滑走面31aを滑走し、搬送バケット31に収容される。一方、搬送バケット31に収容された商品は、前部開口から商品の落下を防止するためのストッパ32により支持され、商品収容コラム12の前方から搬出位置に至るまでの搬送途上において商品が落下する虞れがない。
【0066】
また、商品搬送装置30には、図示しない電動式駆動機構が設けてある。電動式駆動機構は、上述したように商品収容コラム12の搬出機構13に駆動力を伝達して該搬出機構13を駆動させるものである。
【0067】
上記構成を有する自動販売機の商品取出口5cの後方の個所、すなわち商品取出口5cの後方であって商品搬出口5dの前方となる個所には、本発明の実施の形態2である商品搬出装置40が配設してある。図5および図6は、それぞれ商品搬出装置の要部を簡略的に示した拡大側面断面図である。これら図5および図6を適宜用いながら商品搬出装置40について説明する。
【0068】
本発明の実施の形態2である商品搬出装置40は、商品バケット51と、回転機構(バケット回転手段)42とを備えて構成してある。商品バケット51は、受容部411と、カバー部512とを備えている。
【0069】
受容部411は、商品を受け入れるためのものであり、載置面411aと保持面411bとを有している。載置面411aは、商品バケット51の底部を構成するものであり、正面から背面に向けて漸次高さが低くなる態様で傾斜して設けてある。ここに、載置面411aは、商品を起立した状態で載置するのに十分な大きさを有している。保持面411bは、載置面411aの背面側縁部から直角に起立してなる面である。
【0070】
カバー部512は、例えばプラスチックのような樹脂材により形成してものであって、正面に開口を有してなり、上記受容部411を取り囲む態様で設けてある。かかるカバー部512は、カバー体512a、底板体412bおよび天板体412cを備えている。
【0071】
カバー体512aは、横断面が湾曲形状を成し、受容部411の背面側に起立した状態で設けてある。このカバー体512aは、湾曲内面512a1が受容部411側、すなわち正面を臨む態様で設けてある。また、このカバー体512aは、湾曲外面512a2が商品取出口5cを閉成するのに十分な大きさを有している。このようなカバー体512aは、その上部512a3が、上端縁部分に向けて横断面形状の曲率が漸次大きくなる態様でテーパー状に形成されて成るものである。
【0072】
底板体412bは、カバー体512aの下端縁部から正面側に延在する板状部材であり、その延在端部は上記載置面411aを構成する板材と接合してある。天板体412cは、カバー体512aの上端縁部分から正面側に延在する板状部材であり、受容部411の背面側半分の上部を覆うものである。
【0073】
これら底板体412bおよび天板体412cには、それぞれ下側軸部44および上側軸部45が形成してある。下側軸部44および上側軸部45は、それぞれ上下方向に延在するとともに、互いの軸心(中心軸が)が同一直線状となる態様で底板体412bおよび天板体412cのそれぞれに形成してある。
【0074】
また、カバー部512の開口縁部5121、すなわちカバー体512a、底板体412bおよび天板体412cにより正面側に形成される開口の縁部には、図5および図6に示すように、シール材5122が設けてある。かかるシール材5122は、弾性材料から形成されたものであり、商品バケット51が後述する受取姿勢にある場合に、商品取出口5cの周辺部から本体キャビネット1内部への水等の浸入を防止するためのものである。
【0075】
このような商品バケット51は、下側軸部44が内扉5bに設けられた6の貫通孔(図示せず)を挿通する態様で、上側軸部45が後述する回転機構42に回転可能となる態様で保持されることにより配設してある。より詳細には、商品バケット51は、図4および図5に示すように正面側が商品搬出口5d、すなわちカバー体512aの湾曲内面512a1が後方側を臨む受取姿勢と、図6に示すように正面が商品取出口5c、すなわちカバー体512aの湾曲内面512a1が前方側を臨む取出姿勢との間で、回転可能となる態様で配設してある。つまり、商品バケット51は、下側軸部44および上側軸部45の軸心回りに回転可能となる態様で配設してある。ここで、商品バケット51は、受取姿勢にある場合には、その背面、すなわちカバー体512aの湾曲外面512a2が商品取出口5cを閉成する位置に配設してある。
【0076】
回転機構42は、モータ421と、ギア部材422とを備えている。モータ421は、正逆回転可能なものであり、商品バケット51の回転動作の駆動源となるものである。ギア部材422は、減速機構を介してモータ421に連結してあるとともに、上側軸部45の周囲と噛合してあり、モータ421による駆動力を上側軸部45に伝達するものである。このような回転機構42は、常態においては、商品バケット51を受取姿勢に保持する一方、受取姿勢にある商品バケット51が商品を受け取った場合には、該商品バケット51を取出姿勢に回転させるものである。
【0077】
ここで、図7および図8にも示すように、商品取出口5cを構成する上部パネル52にはLED等の光源(照射手段)53が左右一対となる態様で配設してある。この光源53は、受取姿勢(図7に例示)にある際のカバー体512aの外面(湾曲外面512a2)を照射するためのものである。
【0078】
以上のような構成を有する商品搬出装置40は、常態においては、図4および図5、並びに図7および図9に示すように商品バケット51の正面が商品搬出口5dを臨む姿勢、すなわち受取姿勢にある。かかる受取姿勢にある場合、商品バケット51は、その背面、すなわちカバー体512aの湾曲外面512a2が商品取出口5cを閉成している。
【0079】
そして、自動販売機の硬貨投入口、あるいは紙幣挿入口から商品の価格と同一、あるいはそれを超える貨幣が投入され、選択ボタンが押下されることにより、販売する商品が確定すると、商品搬送装置30が当該商品を収容してある商品収容コラム12の前方に搬送バケット31を移動させる。そして、商品搬送装置30は、商品収容コラム12から商品を起立した状態で搬送バケット31に受容させた後、搬送バケット31を搬出位置まで移動させる。
【0080】
搬出位置まで搬送バケット31を移動させた商品搬送装置30は、ストッパ32を解放動作させる。これにより、搬送バケット31内にある商品は、起立した状態を保持したまま滑走面31aを滑走し、その後、商品搬出口5dを通じて受取姿勢にある商品バケット51の内部に投入される。つまり、商品は、起立した状態を保持したまま商品搬出口5dを通過し、その後起立した状態で商品バケット51の受容部411を構成する載置面411aを滑走する。これにより搬送バケット31から商品バケット51に商品が受け渡され、商品バケット51が商品を受け取ることになる。ここで、載置面411aを滑走する商品は、その側周部の一部が保持面411bに当接して滑走を停止し、底面が載置面411a上で、かつ側面の一部が保持面411bに当接した起立状態で受容部411に受け取られることになる。
【0081】
商品バケット51(受容部411)が商品を受け取ると、モータ421が正転駆動する。これにより、減速機およびギア部材422を通じて上側軸部45にモータ421の駆動力を伝達する結果、商品バケット51を下側軸部44および上側軸部45の軸心回りに半回転させて、図6、図8および図10に示すように、正面が商品取出口5cを臨む取出姿勢に変位させる。これにより、受取姿勢において商品取出口5cを閉成していたカバー体512aは、後方側、すなわちカバー体512aの湾曲外面512a2が商品搬出口5dを閉成する位置に変位する。
【0082】
このように商品バケット51が取出姿勢になると、商品搬出装置40は、商品取出口5cを通じての商品の取り出しを許容する。つまり、商品バケット51に内部にある商品は、商品取出口5cを通じて取り出し可能な状態になる。
【0083】
そして、利用者が商品バケット51の内部にある商品を取り出すと、モータ421を逆転駆動することにより、商品バケット51を下側軸部44および上側軸部45の軸心回りに回転させて取出姿勢から上記受取姿勢に変位させる。この結果、商品取出口5cは、再びカバー体512aの湾曲外面512a2により閉成される。
【0084】
以上説明したように、本発明の実施の形態2における自動販売機の商品搬出装置40によれば、商品バケット51が、カバー体512aの湾曲内面512a1が商品搬出口5dを臨むとともに、該カバー体512aの湾曲外面512a2が商品取出口5cを閉成した状態で商品搬出口5dを通じての商品の受け取りが可能となる受取姿勢と、カバー体512aの湾曲内面512a1が商品取出口5cを臨むことにより該商品取出口5cを通じての商品の取り出しを許容する取出姿勢との間で、回転可能となる態様で配設され、回転機構42が、常態においては、商品バケット51を受取姿勢に保持する一方、受取姿勢にある商品バケット51が商品を受け取った場合には、該商品バケット51を取出姿勢に回転させるので、商品バケット51を受取姿勢と取出姿勢との間で回転させるだけで商品取出口5cを開閉させることができ、商品取出口5cを開閉させるための扉等を要しない。また、商品バケット51を受取姿勢と取出姿勢との間で回転させるだけなので、従前のようにバケットを前方に移動させるためのスペースを必要としない。従って、部品点数を削減しながら装置の小型化を図ることができる。
【0085】
上記商品搬出装置40によれば、商品バケット51が取出姿勢にある場合にその背面(カバー体512aの湾曲外面512a2)が商品搬出口5dを閉成するので、かかる商品バケット51が防盗扉の役割を果たし、商品搬出口5dに防盗扉を設置する必要がない。これによっても部品点数の削減を図ることができ、しかも商品取出口5cの外部から商品搬出口5dの内部への悪戯を抑制することができる。
【0086】
また、本発明の実施の形態2における商品搬出装置40によれば、カバー体512aの上部512a3が上端縁部分に向けて横断面形状の曲率が漸次大きくなる態様でテーパー状に形成されて成るので、外扉5aにおける商品取出口5cを形成する部分の前方に突出する突出長さを必要最小限の大きさにすることができる。特に、カバー体512aの上部がそのような形状に形成されて成るので、受取姿勢にあるカバー体512aの湾曲外面512a2により利用者に対してペットボトル入り飲料の商品を想起させることができ、利用者に商品の取り出し位置を容易に認識させることができる。
【0087】
更に、本発明の実施の形態2における商品搬出装置40によれば、照射手段である光源53が受取姿勢にある商品バケット51を構成するカバー体512aの湾曲外面512a2を照射するので、利用者へのアピール性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明は、商品搬出口を通じて機内から搬送された商品を受け取り、自動販売機の前面に形成された商品取出口を通じて商品を取り出し可能な状態にする自動販売機の商品搬出装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態1である商品搬出装置を適用した自動販売機の概略断面側面図である。
【図2】商品搬出装置の要部を簡略的に示した拡大側面断面図である。
【図3】商品搬出装置の要部を簡略的に示した拡大側面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2である商品搬出装置を適用した自動販売機の概略断面側面図である。
【図5】商品搬出装置の要部を簡略的に示した拡大側面断面図である。
【図6】商品搬出装置の要部を簡略的に示した拡大側面断面図である。
【図7】商品搬出装置を前方下部より見た場合を示す拡大斜視図である。
【図8】商品搬出装置を前方下部より見た場合を示す拡大斜視図である。
【図9】商品搬出装置を前方上部より見た場合を示す拡大斜視図である。
【図10】商品搬出装置を前方上部より見た場合を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1 本体キャビネット
5c 商品取出口
5d 商品搬出口
40 商品搬出装置
41 商品バケット
411 受容部
411a 載置面
411b 保持面
412,512 カバー部
412a,512a カバー体
412a1,512a1 湾曲内面
412a2,512a2 湾曲外面
512a3 上部
412b 底板体
412c 天板体
44 下側軸部
45 上側軸部
42 回転機構
421 モータ
422 ギア部材
53 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品搬出口を通じて機内から搬送された商品を受け取り、自動販売機の前面に形成された商品取出口を通じて商品を取り出し可能な状態にする自動販売機の商品搬出装置において、
横断面が湾曲形状を成す起立したカバー体の湾曲内面が前記商品搬出口を臨むとともに、該カバー体の湾曲外面が前記商品取出口を閉成した状態で前記商品搬出口を通じての商品の受け取りが可能となる受取姿勢と、前記カバー体の湾曲内面が前記商品取出口を臨むことにより該商品取出口を通じての商品の取り出しを許容する取出姿勢との間で、回転可能となる態様で配設された商品バケットと、
常態においては、前記商品バケットを前記受取姿勢に保持する一方、前記受取姿勢にある前記商品バケットが商品を受け取った場合には、該商品バケットを前記取出姿勢に回転させるバケット回転手段と
を備えたことを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。
【請求項2】
前記商品バケットは、上下方向に延在する軸部を有し、該軸部の軸心回りに回転可能となることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品搬出装置。
【請求項3】
前記カバー体の上部は、上端縁部分に向けて横断面形状の曲率が漸次大きくなる態様でテーパー状に形成されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動販売機の商品搬出装置。
【請求項4】
受取姿勢にある前記カバー体の外面に光を照射する照射手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動販売機の商品搬出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−269547(P2008−269547A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172422(P2007−172422)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】