説明

自動販売機の照明装置、自動販売機および光色制御方法

【課題】 気象条件等、自動販売機の使用環境の変化に追従して光源の光色制御を可能とし、商品見本の視認性の向上をはかる。
【解決手段】 照明装置2を、商品見本を照明する所定の方向に複数配列された3原色光源21と、3原色光源21の周辺光量、温度、湿度のそれぞれを測定するセンサ部22と、センサ部22により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い3原色光源21の光色制御を行う制御部20と、により構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機における商品見本を照明する3原色光源を有する照明装置、自動販売機および光色制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機における商品見本の照明装置は、省エネを考慮して蛍光灯から白色LED(Light Emitting Diode)に移行しつつある。例えば、特許文献1には、消費電力を低減することが出来、遠くからでも動作していることを容易に認識可能にするため、新たに付加される人体センサにより、人を検知したときと検知しないときとでLEDアレイの照度レベルを可変とした照明制御装置及びそれを備えた自動販売機が提案されている。
【0003】
また、R、G、B3つを1組にしたLEDが1個のパッケージに封入されたフルカラーLEDの出現に伴い、この3原色光源の光色を制御することによって色合いを変更して演出効果を高める技術も知られている。例えば、特許文献2には、電球色、昼白色及び昼光色の照明光を出力可能であって、かつ、それら3色全てにおいて演色性が良い照明光源を得るために、発光色の異なる複数の発光素子の発光強度比を調整して4色以上の色温度の照明光を出力する照明光源、照明システム、及び調光方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−129136号公報
【特許文献2】特開2006−164879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、蛍光灯や白色LEDは、自動販売機利用時の気象条件等の環境に依存せず、常に一定の色合いの光を発光している。このため、天候によっては自動販売機の商品見本が離れた場所からは見えにくいという問題があった。例えば、雨の日は、アスファルトの路面に光が吸収され、自動販売機周辺は明るく感じられない場合がある。また、雨、霧、雪等の天候の時には、商品見本が見えにくく、更には、寒い時に寒さを感じる色であったり、暑い時に暑さを感じる色であったりして、購買意欲を減退させてしまうといった問題があった。
【0006】
また、特許文献2に開示された技術によれば、色調整により多色発光は可能であるが、上記したように気象条件等環境に依存することなく常に同じ色合いで発光するため、雨、霧、雪等の悪天候時には、依然として商品見本が見えにくく、思ったほど集客効果が得られないといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、気象条件等、自動販売機の使用環境の変化に応じて色合いの変更を可能とし、自動販売機における商品見本の視認性の向上をはかった照明装置、自動販売機および光色制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第1発明の自動販売機の照明装置は、自動販売機における商品見本を照明する少なくとも1組の3原色光源と、前記3原色光源の周辺光量、温度、湿度のそれぞれを測定するセンサ部と、前記センサ部により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い前記3原色光色源の光色制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記した第1発明の照明装置によれば、制御部は、センサ部により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い3原色光源の光色制御を行う。このため、気象条件等使用環境の変化に応じて光源の光色の色合いの変更を可能とし、商品見本の視認性の向上をはかった照明装置を提供することができる。
【0010】
また、第1発明の自動販売機の照明装置において、前記制御部は、予め定められた複数の色調パターンを記憶する記憶部を含み、前記センサ部によって測定される光量の条件と、前記測定される温度により分類される条件と、及び前記測定される湿度により更に分類される条件との組み合わせに対応する色合いを、前記色調パターンに基づいて決定し、3原色光源の光色を前記決定した色合いになるように制御する。このため、気象条件等、照明装置の使用環境に応じて極め細やかな光色制御が可能となり、このとき、照明の対象となる商品を考慮した光色とすることが可能である。
【0011】
また、第1発明の自動販売機の照明装置において、前記センサ部は、更に、人の接近を検知する近接センサを含み、前記制御部は、前記近接センサの検知結果によっては、前記3原色光源を白色光に設定変更する。このように以前の設定に拘わらず、人の接近を検知した場合に強制的に白色光に設定することで視認性が高まる。
【0012】
また、第2発明の自動販売機は、商品見本を照明する少なくとも1組の3原色光源と、前記3原色光源の周辺光量、温度、湿度のそれぞれを測定するセンサ部と、前記センサ部により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い前記3原色光源の光色制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
第2発明の自動販売機によれば、センサ部により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い3原色光源の光色制御を行う。このため、気象条件等使用環境の変化に応じて光源の光色の色合いの変更を可能とし、商品見本の視認性の向上をはかった自動販売機を提供することができる。
【0014】
また、第2発明の自動販売機において、前記制御部は、予め定められた複数の色調パターンを記憶する記憶部を含み、前記センサ部によって測定される光量の条件と、前記測定される温度により分類される条件と、及び前記測定される湿度により更に分類される条件との組み合わせに対応する色合いを、前記色調パターンに基づいて決定し、原色光源の光色を前記決定した色合いになるように制御する。このため、気象条件等、照明装置の使用環境に応じて極め細やかな光色制御が可能となり、このとき、商品を考慮した光色とすることが可能である。
【0015】
また、第2発明の自動販売機において、前記センサ部は、更に、人の接近を検知する近接センサを含み、前記制御部は、前記近接センサの検知結果によっては、前記3原色光源を白色光に設定変更する。このように以前の設定に拘わらず、人の接近を検知した場合に強制的に白色光に設定することで視認性が高まる。
【0016】
また、第3発明の3原色光源の光色制御方法は、第1発明および第2発明のいずれにも使用可能な光色制御方法であって、3原色光源周辺の光量、温度、湿度のそれぞれを測定する第1のステップと、予め定められた複数の色調パターンに基づいて、前記第1のステップで取得した測定結果から色合いを決める第2のステップと、前記第2のステップで決めた色合いになるように3原色光源の光色を制御する第3のステップからなることを特徴とする。
【0017】
第3発明の光色制御方法によれば、予め定められた複数の色調パターンに基づいて、センサ部から取得される光量、温度、湿度の測定結果から色合いを決め、この決めた色合いになるように3原色光源の光色を制御する。このため、気象条件等使用環境の変化に応じて光源の光色の色合いの変更をすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、気象条件等使用環境の変化に対応した光源の光色の変更を可能とし、商品見本の視認性の向上をはかった照明装置、およびこの照明装置の光源の光色制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を実施するための形態に係る自動販売機の外観構造を示す図である。
【図2】本発明を実施するための形態に係る自動販売機の電気系の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を実施するための形態に係る照明装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明を実施するための形態に係る照明装置の光源の光色制御動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明を実施するための形態に係る照明装置の色調パターンの一例を表形式で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態)について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0021】
(自動販売機30の構成)
図1は、本実施形態に係る自動販売機の外観構造を示す図である。図1では、自動販売機として一般的な缶飲料等の商品を販売する自動販売機30が例示されている。
【0022】
自動販売機30の本体キャビネット(自販機本体1)内には、不図示の断熱材で囲まれた庫内に缶飲料が複数格納されており、その缶飲料の商品見本3が、照明装置2を備えたディスプレイ室に展示されている。照明装置2は、商品見本に対応して横方向一列に3原色LEDアレイ21(3原色光源)が配置され、各商品見本を照射するようになっている。また、商品見本のそれぞれに対応して商品選択釦11が配置されており、利用者がこの商品選択釦11を押下することによって選択された缶飲料は、自販機本体1にて貨幣投入口4に投入された紙幣や硬貨が識別され次第、庫内から選択され、排出口5に排出される構造になっている。
【0023】
なお、自販機本体1正面には、近接センサ、露出計、温度計、湿度計からなるセンサ部22が取り付けられており、ここで検知された信号は照明装置2に供給される。なお、照明装置2は、工場出荷時点で自販機本体1のディスプレイ室に既に組み付けられているタイプと、単体で販売され、後にディスプレイ室に交換実装するタイプの2種類存在する。ここでは、後者を例示して説明する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る自動販売機の電気系の内部構成を示すブロック図である。図2によれば、自動販売機30は、自販機本体部1と、照明装置2とにより構成される。自販機本体部1は、主制御部10を制御中枢とし、利用者が押下することによって商品選択が行われる商品選択釦11と、利用者によって貨幣投入口4に投入された紙幣や硬貨を識別する貨幣識別機構12と、選択された商品を排出口5に搬送する商品選択搬送機構13とを含む。
【0025】
主制御部10は、例えばマイコンにより構成され、その入力ポートを介して接続される商品選択釦11から利用者により選択された商品の選択指示を取り込み、また、出力ポートを介して接続される貨幣識別機構12、商品選択搬送機構13を制御することにより、商品選択釦の押下による商品選択指示に従い、庫内に格納された商品のいずれかを選択し、選択された商品を、商品選択搬送機構13を駆動することにより商品取り出し口5に搬送する。
【0026】
照明装置2は、商品見本を照明するために複数配列された3原色LEDアレイ21を備え、上記したセンサ部22により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い、3原色LED21の調光設定を行う。詳細は後述する。
【0027】
(照明装置2の構成)
図3は、本実施形態に係る照明装置の内部構成を示すブロック図である。図3によれば、照明装置2は、制御部20と、3原色LEDアレイ21と、センサ部22と、電源部23とを含み構成される。
【0028】
3原色LEDアレイ21は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つを1組にしたLEDが1個のパッケージに封入されたもので、商品見本に対応して1以上の3原色LEDが横一列に並んだアレイ構造になっているフルカラーLED群である。
【0029】
センサ部22は、温度計221と、湿度計222と、露出計223と、近接センサ224とを含み構成される。温度計221は、例えば、赤外線により非接触で外気温を測定し、湿度計222は、例えば、湿分の吸脱着による電気的性質の変化を利用した高分子箔を誘電体とした静電容量方式の湿度センサである。湿度計222は、他に、金属酸化物系センサ、電解質系センサがあり、その何れを使用しても良い。
【0030】
露出計223は、例えば、カメラに使用される内蔵型露出計(TTL:Through the
Lens)であり、光の反射光が撮影用レンズを通ってCCDやCMOSに当たったときの光量そのものを測定する。本実施形態において、露出計223は、検知された光量と閾値とを比較することにより、自動販売機30の正面前方視界が気象条件(晴天、雨、霧、雪)により良好か否かを判定するために使用される。すなわち、反射光量が閾値以上の場合は、雨や霧等の天候による視界不良とし、反射光量が閾値未満の場合は晴天時のように視界良好とする。
【0031】
近接センサ224は、非接触で人の接近を検知するセンサであり、電磁誘導を利用した高周波発信型、磁石による磁気型、静電容量の変化を利用した静電容量型の3つがあり、この何れを使用しても良い。本実施形態において、近接センサ224は、利用者(人)を検出したことを契機に3原色LEDアレイ21のこれまでの光色を強制的に「白」に設定して商品の視認性を高めるために使用される。
【0032】
なお、上記したセンサ部22を構成する温度計221、湿度計222、近接センサ224のそれぞれは、自動販売機30周辺の路面照り返しや雨等の影響を受けないように配慮する必要がある。
【0033】
電源部23は、本実施形態では、商用電源231(AC100V)と、ソーラパネル232による太陽光発電により生成される電力とを併用することとする。商用電源231により供給される電力は、変圧器233で電磁誘導により降圧し、AC−DC変換器234で直流に変換してDC蓄電池236に蓄電する。本実施形態では、DC蓄電池236としてソーラパネル232と相性が良く充放電効率の良いEDLC(Electrical Double-Layer Capacitor)を使用することとする。
【0034】
一方、ソーラパネル232で生成された太陽光エネルギーは、逆流防止回路235を経てDC蓄電池236に蓄電される。逆流防止回路235は、制御部20によって制御され、晴天時にソーラパネル232により生成された電力がDC蓄電池236に充電され、雨や曇天時に商用電源によって供給される電力がDC蓄電池236に充電されるように制御する。LED電源237は、DC蓄電池236により放電される電力を、3原色LEDアレイ21を駆動するのに必要な5〜12Vの電圧に変換して3原色LEDアレイ21に供給する。
【0035】
なお、上記した電源部23は、自販機本体1が有する電源を利用しても良い。これは、照明装置2の販売形態により異なる。例えば、照明装置2を自販機本体1に組み込み販売する場合は自販機本体1の電源を利用し、照明装置2を単体で販売する場合は上記した電源部23を内蔵している方が好ましい。
【0036】
制御部20は、例えば、マイコンで構成され、プログラム制御により、センサ部22により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い3原色LEDアレイ21の光色制御を行う。
【0037】
具体的に、制御部20は、予め定められた複数の色調パターンを記憶する記憶部20aを含み、センサ部22によって測定される光量の条件と、測定される温度により分類される条件と、及び測定される湿度により更に分類される条件との組み合わせに対応する色合いを、前記色調パターンに基づいて決定し、3原色光源の光色を前記決定した色合いになるように制御する。また、制御部20は、センサ部22(近接センサ224)で人の接近を検知した場合に、3原色LEDアレイ21を白色光に設定変更する制御も行う。
【0038】
(照明装置2の動作)
図4は、本実施形態に係る照明装置2の光色制御動作を示すフローチャートであり、図5は、本実施形態に係る照明装置2の色調パターンの一例を表形式で示した図である。以下、図4、図5を参照しながら、図3に示す本実施形態に係る照明装置2による光色制御について詳細に説明する。
【0039】
図4のフローチャートにおいて、センサ部22を構成する温度計221、湿度計222、露出計223、近接センサ224のそれぞれは、常時、自販機本体1前方の気象条件等の環境情報を測定して監視している。
【0040】
まず、センサ部22の近接センサ224は、利用者の接近検知を行なう。近接センサ224は、利用者が自販機本体1に接近しない限りOFFしている。制御部20は、近接センサ224がOFFしている場合(ステップS401“Yes”)、すなわち、利用者が自販機本体1近辺に位置していない場合、露出計223が測定した周辺光量、温度計221が測定した温度データ、湿度計222が測定した湿度データをそれぞれ取得する(ステップS402)。
【0041】
次に、制御部20は、露出計223により測定され取得された入力光量と、予め決められた光量閾値とを比較判定する(ステッブS403)。ここで、入力光量が光量閾値以上であれば(ステップS403“Yes”)制御部20は、視界不良であると判断し、図5に表形式で示す視界不良パターン#1〜#4に従う光色制御を行う。すなわち、視界良好時の基準パターンより黄色系の色合いを多く含むような光色制御を行う。これは、白色系より黄色系の色がより遠くまで光が届く性質を持つためである。
【0042】
具体的に、制御部20は、まず、温度計223により測定され取得された温度データを参照する(ステップS404)。ここで、温度データが、例えば、15〜25℃の範囲にある「常温」の分類に属すると判定された場合(ステップS404“常温”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS405)。
【0043】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS405“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21光色を「橙色」に設定し(ステップS410)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「橙色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0044】
また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS405“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄色」に設定し(ステップS411)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。更に、湿度データが、例えば、40%以下の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS405“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「橙色」に設定し(ステップS412)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「橙色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0045】
一方、ステップS404の温度判定処理で、温度データが、例えば、25℃以上の「高温」の分類に属すると判定された場合(ステップS404“高温”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS406)。
【0046】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS406“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「青色」に設定し(ステップS413)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「青色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0047】
また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS406“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄色」に設定し(ステップS414)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。更に、湿度データが、例えば、40%以下の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS406“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「青色」に設定し(ステップS415)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「青色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0048】
また、ステップS404の温度判定処理で、温度データが、例えば、0〜150℃の範囲にあって、氷温の分類に属さない「低温」の分類に属すると判定された場合(ステップS404“低温”、ステップS407“No”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS408)。
【0049】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS408“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「橙色」に設定し(ステップS416)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「橙色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0050】
また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS408“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄色」に設定し(ステップS417)、3原色LEDアレイ21の光色制御を行なうことで「黄色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。更に、湿度データが、例えば、40%以下の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS408“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄色」に設定し(ステップS415)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0051】
なお、ステップS407の氷温判定処理で、温度データが、例えば、0℃以下の「氷温」の分類に属すると判定された場合(ステップS407“氷温”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS409)。
【0052】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS409“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「橙色」に設定し(ステップS419)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「橙色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0053】
また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS409“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄緑色」に設定し(ステップS420)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄緑色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。更に、湿度データが、例えば、40%以下の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS409“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄色」に設定し(ステップS421)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0054】
一方、ステップS403の光量判定処理において、入力光量が閾値未満であると判定されると(ステップS403“No”)制御部20は、視界良好であると判断し、図5に表形式で示す視界良好パターン#1〜#4に従う光色制御を行う。すなわち、白色系を多く含む色合いに光色の制御を行う。但し、温度の低い寒い時期には電球色(黄色)に近づけることで暖かみ味のある色合いに光色を制御することも可能である。
【0055】
具体的に、制御部20は、温度計221により測定され取得された温度データを参照する(ステップS423)。ここで、温度データが、例えば、15〜25℃の範囲にある「常温」の分類に属すると判定された場合(ステップS423“常温”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS424)。
【0056】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS424“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「白色」に設定し(ステップS429)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0057】
また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS424“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「白色」に設定し(ステップS430)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。更に、湿度データが、例えば、40%以上の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS424“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「白色」に設定し(ステップS431)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0058】
一方、ステップS423の温度判定処理で、温度データが、例えば、25℃以上の「高温」の分類に属すると判定された場合(ステップS423“高温”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS425)。
【0059】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS425“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「青白色」に設定し(ステップS432)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「青白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS425“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「青白色」に設定し(ステップS433)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「青白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0060】
更に、湿度データが、例えば、40%以下の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS425“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「青白色」に設定し(ステップS434)、3原色LEDアレイ21の光色制御を行なうことで「青白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0061】
また、ステップS423の温度判定処理で、温度データが、例えば、0〜150℃の範囲にあって、氷温の分類に属さない「低温」の分類に属すると判定された場合(ステップS423“低温”、ステップS426“No”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS427)。
【0062】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS427“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「橙白色」に設定し(ステップS416)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「橙白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0063】
また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS427“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「橙白色」に設定し(ステップS436)、3原色LEDアレイ21の光色制御を行なうことで「橙白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。更に、湿度データが、例えば、40%以下の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS427“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「橙白色」に設定し(ステップS437)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「橙白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0064】
なお、ステップS426の氷温判定処理で、温度データが、例えば、0℃以下の「氷温」の分類に属すると判定された場合(ステップS426“氷温”)、制御部20は、更に、湿度計222により測定され取得された湿度データを参照する(ステップS428)。
【0065】
ここで、湿度データが、例えば、40〜60%の範囲にある「常湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS428“常湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄白色」に設定し(ステップS438)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0066】
また、湿度データが、例えば、60%以上の「多湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS428“多湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄白色」に設定し(ステップS439)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)更に、湿度データが、例えば、40%以下の「低湿」の分類に属すると判定された場合(ステップS428“低湿”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「黄白色」に設定し(ステップS440)、3原色LEDアレイ21の発光制御を行なうことで「黄白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。
【0067】
なお、ステップS401の人の接近判定処理で近接センサ224がONの場合(ステップS401“No”)、制御部20は、3原色LEDアレイ21の光色を「白色」に設定し(ステップS441)、3原色LEDアレイ21の光色制御を行なうことで「白色」により商品見本の照明を行う(ステップS422)。すなわち、以前の調光制御により如何なる色に光色制御されていたとしても、利用者の接近が検知された場合に「白色」に強制的に変更することで、商品見本の視認性を高めることが出来る。
【0068】
上記したように本実施形態に係る照明装置2によれば、制御部20は、予め定められた複数の色調パターンを記憶する記憶部を含み、センサ部22によって測定される光量の条件と、測定される温度により分類される条件(例えば、常温、高温、低温)と、及び測定される湿度により更に分類される条件(例えば、常湿、高湿、低湿)との組み合わせに対応する色合いを、前記色調パターンに基づいて決定し、3原色光源の光色を前記決定した色合いになるように制御する
【0069】
本実施形態によれば、気象条件に応じた自動販売機30の使用環境の変化に対応した光源の光色の変更を可能とし、商品見本の視認性の向上がはかれる。具体的には、照明の色調を天候に対応して調整することで、雨や雪、霧の時であっても、従来より遠い場所から商品見本が見えやすくなる。また、自動販売機30の照明は、住宅街等では街路灯としての役割も担い、防犯にも貢献しているが、本実施形態の照明装置2によれば、雨や霧等の悪天候時には、黄色系の乱反射しにくい波長の光に調光することで街路灯としての効果が期待できる。また、波長によっては夏場に虫が寄ってくることを防ぐことも可能である。更に、寒い日には赤みを入れた暖色系の色合いとし、暑い日には、白から青に近い波長で涼しげな色合いに光色制御することで自動販売機30の販売促進に貢献に寄与することも可能である。
【0070】
なお、本実施の形態において、3原色光源として、3原色LEDアレイ21を使用するものとして説明したが、発光原理としてLEDと同じエレクトロルミネンス効果を利用する有機EL(Organic Light Emitting Diode)でも代替が可能である。
【0071】
また、本実施形態において、測定される温度に関し、「常温」、「高温」、「低温」、「氷温」の4つに分類し、また、測定される湿度に関し、「常湿」、「高湿」、「低湿」の3つに分類し、それぞれの範囲を定義したが、ここで、分類する数、及び範囲は共に任意である。
【0072】
また、例えば、図5に表形式で示されるように、露出データと気温データと湿度データとの組み合わせに基づき、視界良好パターン#1〜#4と、視界不良パターン#1〜#4の合計8パターンの合計24色の調光(+近接センサONによる強制白)による色合いの組み合わせについて説明したが、色合いの種類は無限であり、また、このパターンに制限されるものではなく任意である。
【0073】
また、本実施形態において、照明装置2を自動販売機30に適用した場合のみ例示したが、自動販売機30に限らず、レストランにおけるショーウィンドウの照明等への適用も考えられる。
【0074】
なお、本実施形態において、制御部20が有する機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいは少なくともその一部をハードウエアで実現してもよい。例えば、制御部20が、センサ部22により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い3原色光源の光色を設定を行うデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現しても良く、また、少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
【0075】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0076】
1 自販機本体
2 照明装置
3 商品見本
20 制御部
21 3原色LEDアレイ(3原色光源)
22 センサ部
23 電源部
30 自動販売機
221 温度計
222 湿度計
223 露出計
224 近接センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機における商品見本を照明する少なくとも1組の3原色光源と、
前記3原色光源の周辺光量、温度、湿度のそれぞれを測定するセンサ部と、
前記センサ部により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い前記3原色光源の光色制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする自動販売機の照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、
予め定められた複数の色調パターンを記憶する記憶部を含み、
前記センサ部によって測定される光量の条件と、前記測定される温度により分類される条件と、及び前記測定される湿度により更に分類される条件との組み合わせに対応する色合いを、前記色調パターンに基づいて決定し、
3原色光源の光色を前記決定した色合いになるように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機の照明装置。
【請求項3】
前記センサ部は、
更に、人の接近を検知する近接センサを含み、
前記制御部は、
前記近接センサの検知結果によっては、前記3原色光源を白色光に変更することを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動販売機の照明装置。
【請求項4】
商品見本を照明する少なくとも1組の3原色光源と、
前記3原色光源の周辺光量、温度、湿度のそれぞれを測定するセンサ部と、
前記センサ部により測定され、取得される、光量、温度、湿度の組み合わせに応じて決まる条件に従い前記3原色光源の光色制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項5】
前記制御部は、
予め定められた複数の色調パターンを記憶する記憶部を含み、
前記センサ部によって測定される光量の条件と、前記測定される温度により分類される条件と、及び前記測定される湿度により更に分類される条件との組み合わせに対応する色合いを、前記色調パターンに基づいて決定し、
3原色光源の光色を前記決定した色合いになるように制御する
ことを特徴とする請求項4記載の自動販売機。
【請求項6】
前記センサ部は、
更に、人の接近を検知する近接センサを含み、
前記制御部は、
前記近接センサの検知結果によっては、前記3原色光源を白に変更することを特徴とする請求項4または請求項5記載の自動販売機。
【請求項7】
3原色光源周辺の光量、温度、湿度のそれぞれを測定する第1のステップと、
予め定められた複数の色調パターンに基づいて、前記第1のステップで取得した測定結果から色合いを決める第2のステップと、
前記第2のステップで決めた色合いになるように3原色光源の光色を制御する第3のステップからなることを特徴とする3原色光源の光色制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−123628(P2011−123628A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279949(P2009−279949)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(307003777)株式会社日本コンラックス (140)
【Fターム(参考)】