説明

自動販売機併設用空き容器収納庫

【課題】空き容器投入口より上の空間を多目的に利用でき、特に、防犯及び災害対策として有用な自動販売機併設用空き容器収納庫の提供。
【解決手段】飲料用自動販売機と併設できる縦長箱状の本体部1の下半部に空き容器収納容器収容部を、上半部に物品収納部を備え、上半部及び下半部のそれぞれ別々の扉5,6を備え、上半部前面壁の内面に、該本体部1の前面側の映像を撮像する防犯用カメラを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用の自動販売機に併設し、空き缶等の廃棄容器を収容できるとともに、防犯、災害時対策として有用な自動販売機併設用空き容器収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用の自動販売機の普及が著しく、特に都市部においては既存の公共施設や商店の店先、或いは自動販売機専用の店舗形式とした場所等、人の行き来するあらゆる場所に自動販売機が設置され、それぞれが特定の管理者に管理されている。
【0003】
これらの自動販売機の近くには、空き容器の散乱を防止するための空き容器収納庫として、上方開放型の容器の蓋に、空き容器投入口を設けたもの(例えば特許文献1)や、自動販売機周囲の外観を損ねないように、自動販売機と高さを揃えた縦長の箱型をなし、前面に扉を設けたもの(特許文献2)等が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−111494号公報
【特許文献2】特開平9−228668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この種の空き容器収納庫は、空き容器の投入口を、人の手で投入し易い高さに設ける必要があるため、前述した従来の空き容器収納庫では、投入口より上の部分が空き空間となり、空間の利用効率が良いとは言えないものであった。
【0006】
本発明は、このような従来の空き容器収納庫に鑑み、空き容器投入口より上の空間を多目的に利用でき、特に、防犯及び災害対策として有用な自動販売機併設用空き容器収納庫の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、飲料用自動販売機と併設できる縦長箱状の本体部を有し、該本体部の下半部に空き容器収納容器収容部を、上半部に物品収納部を備え、前記本体部には、前記上半部及び下半部のそれぞれ別々の扉を備え、前記上半部前面壁の内面に、該本体部の前面側の映像を撮像する防犯用カメラを備えたことを特徴としてなる自動販売機併設用空き容器収納庫にある。
【0008】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記本体部の上半部前面には、災害時の帰宅困難者支援場所を明示する地図を表示していることにある。
【0009】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記本体部の上半部に備えた物品収納部内に、折り畳み式簡易トイレ、工具等の災害時対策用品を収容していることにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る自動販売機併設用空き容器収納庫においては、飲料用自動販売機と併設できる縦長箱状の本体部を有し、該本体部の下半部に空き容器収納容器収容部を、上半部に物品収納部を備え、前記本体部には、前記上半部及び下半部のそれぞれ別々の扉を備え、前記上半部前面壁の内面に、該本体部の前面側の映像を撮像する防犯用カメラを備えたことにより、犯罪者の捜査に役立つとともに、自動販売機の金銭盗難防止にも役立つ。
【0011】
また,本発明においては、前記本体部の上半部前面には、災害時の帰宅困難者支援場所を明示する地図を表示しておくことにより、通常人の多い場所に設置されるものであることから、災害時の帰宅困難者支援場所を表した地図を表示しておくことにより、災害発生時のみならず、日頃の利用者にそれらを認識させることができ、災害時の速やかな非難が可能となる。
【0012】
更に、本発明においては、前記本体部の上半部に備えた物品収納部内に、折り畳み式簡易トイレ、工具等の災害時対策用品を収容しておくことにより、災害時に直ちに提供することができ、人命救助に役立たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る自動販売機併設用空き容器収納庫の概略を示す正面図である。
【図2】同上の縦断側面図である。
【図3】同上の防犯用カメラ固定部分の縦断面図である。
【図4】同カメラ支持プレートの固定状態を示す背面図である。
【図5】図1に示す空き容器収納庫の吸・排気用ファンの取り付け部分を示す縦断面図である。
【図6】同上の上半部扉の前面の表示を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る自動販売機併設用空き容器収納庫の実施の態様を図面に示した実施例に基づいて説明する。
【0015】
図において符号1は本体部である。この本体部1は、飲料用自動販売機とほぼ同高さに形成され、該自動販売機と違和感なく併設できる形状となっており、前面側が解放された縦長の箱状に形成されている。
【0016】
本体部1内は、中間高さ位置に水平に設置した棚板2によって上半部と下半部とに仕切られており、上半部が、物品収納部3となっているとともに、下半部内が空き容器収容部4となっている。
【0017】
上半部、下半部とも、前面側の解放部が扉5,6によって開閉できるようになっている。いずれの扉5,6も専用の錠(図視せず)によって施錠できるようになっており、特定の管理者のみが開閉操作できるようになっている。
【0018】
下半部の空き容器収容部4内には、上方が解放した容器7が収容されるようになっており、扉6を開くことによって容器7が出し入れできるようになっている。
【0019】
空き容器収容部4の扉6には、前面上部に上側が斜め後方側に傾斜させた傾斜面8が形成されており、この傾斜面に7に空き容器投入口9が形成されている。この空き容器投入口9より、空き容器aを投入することによって、内部の容器7内に落下するようになっている。
【0020】
本体部1上半部の物品収納部3の扉5には、防犯用カメラ10が設置されている。このカメラ10は、図3に示すように、扉5に設けた透視窓11の透光板11aを通して本体部前面側の映像を撮影するようになっている。
【0021】
カメラ10は、扉5の内面の透視窓11下に固定した逆L型のカメラ支持プレート12の上に支持されて設置されている。支持プレート12は、下向き片部12aに縦向きの一対の長穴13,13が形成されており、この長穴13,13に、扉5の背面に溶接によって突設した一対のスタッドボルト14,14が挿通され、ナット15,15の締結によって扉5の裏面に固定され、ナット15,15を緩めることによって取り付け高さが調整できるようになっている。
【0022】
物品収納部3内には、カメラ電源用のACアダプター16が備えられ、該アダプター16を介してカメラに電源が供給されるようになっている。
【0023】
また、物品収納部3の後壁には、通気窓17a,17bが上下の位置に開けられており、下側の通気窓17aに吸気用ファン18が、上側の通気窓17bに排気用ファン19が取り付けられ、これらを作動させることによって、夏期における物品収納部3内の高温化を防止している。尚、図において符号23はファン用雨避け用の庇である。
【0024】
物品収納部3内には、災害時に必要な災害時対策用品20が収容されている。該対策用品としては、折り畳み式簡易トイレ、バール、ハンマー、金属切断具等の工具が挙げられるが、これに限定されるものではなく、設置される地域によって必要なものを予め選定して収納する。
【0025】
扉5の前面には、図6に示すように災害時の帰宅困難者支援場所を示す地図21、及び同名称22を表示している。
【0026】
このように構成される空き容器収納庫は、自動販売機と併設するものであり、一般に自動販売機の設置場所は、ある程度の利用客の望める人の多い場所に設置するものであるから、防犯用カメラ10の設置により、犯罪者の捜査に役立つとともに、自動販売機の金銭盗難防止にも役立つ。
【0027】
また、通常人の多い場所に設置されるものであるから、災害時の帰宅困難者支援場所を表した地図を表示しておくことにより、日頃の利用者にそれらを認識させることができ、災害時の速やかな避難が可能となる。
【0028】
更に、災害時対策用品20を収納しておくことによって、災害時に直ちに提供することができ、人命救助に役立たせることが可能となる。
【0029】
尚、上述の実施例では、扉5,6を本体部1の前面側に設けた場合を示しているが、扉5,6を本体部1の側面又は背面に設けてもよく、この場合には、空き容器投入口9、防犯用カメラ10、地図21等の表示は、扉の内本体部前面に設ける。
【符号の説明】
【0030】
a 空き容器
1 本体部
2 棚板
3 物品収納部
4 空き容器収容部
5,6 扉
7 容器
8 傾斜面
9 空き容器投入口
10 防犯用カメラ
11 透視窓
11a 透光板
12 支持プレート
12a 下向き片部
13 長穴
14 スタッドボルト
15 ナット
16 ACアダプター
17a,17b 通気窓
18 吸気用ファン
19 排気用ファン
20 災害時対策用品
21 地図
22 名称
23 庇

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用自動販売機と併設できる縦長箱状の本体部を有し、該本体部の下半部に空き容器収納容器収容部を、上半部に物品収納部を備え、前記本体部には、前記上半部及び下半部のそれぞれ別々の扉を備え、前記上半部前面壁の内面に、該本体部の前面側の映像を撮像する防犯用カメラを備えたことを特徴としてなる自動販売機併設用空き容器収納庫。
【請求項2】
前記本体部の上半部前面には、災害時の帰宅困難者支援場所を明示する地図を表示してなる請求項1に記載の自動販売機併設用空き容器収納庫。
【請求項3】
前記本体部の上半部に備えた物品収納部内に、折り畳み式簡易トイレ、工具等の災害時対策用品を収容してなる請求項1又は2に記載の自動販売機併設用空き容器収納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−105231(P2013−105231A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247186(P2011−247186)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(511274259)株式会社ユカ (1)
【Fターム(参考)】