説明

自動販売機

【課題】非常時に非常用規制解除部材を操作して外扉を開放した後の復旧作業を容易に行うことのできる自動販売機を提供する。
【解決手段】非常用係合解除レバー34を外部から操作するために、開口部22aが開放するようにパネル22bを移動可能に支持するようにしたので、パネル22bを破損させることなく開口部22aを開放して開口部22aから非常用係合解除レバー34を操作することができ、非常用係合解除レバー34によって外扉20を開放した後の復旧作業を容易に行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を有する自動販売機本体に回転自在に支持され、開口部を開閉する外扉を備えた自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動販売機としては、前面に開口部を有する自動販売機本体と、自動販売機本体の開口部を開閉する外扉と、自動販売機本体の開口部を閉鎖した状態で外扉の開放方向への移動を規制する扉開放規制手段と、外扉に設けられた錠を解錠することで操作が可能となるように設けられ、扉開放規制手段の外扉の開放方向への移動の規制を解除する規制解除部材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、大規模な災害が発生して電気、ガス、水道などのライフラインが停止するような非常時には、飲料及び食料を被災者に早急に提供する必要がある。このような場合に、自動販売機本体内に収納された飲料及び食料を被災者に提供することが考えられる。しかし、前記自動販売機では、停電時に金銭を投入しても商品を購入することはできないし、扉を開放する場合には鍵が必要となるため、自動販売機本体内に収納された飲料及び食料を被災者に速やかに提供できないという問題点がある。
【0004】
そこで、非常時に自動販売機本体内の飲料及び食料を速やかに取出すことができる自動販売機として、外扉に設けられた商品サンプル室や広告表示部など、合成樹脂製のパネルによって閉鎖された開口部を介して外部から操作可能に設けられ、規制解除部材を操作することなく扉開放規制手段の外扉の開放方向への移動の規制を解除可能な非常用規制解除部材を備え、パネルの所定箇所を破損させて開口部を開放し、非常用規制解除部材を操作して外扉を開けることができるようにしたものがある。
【特許文献1】特開2000−149120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非常時に自動販売機本体内の飲料及び食料を速やかに取出すことができる自動販売機では、非常時に飲料及び食料を取出す場合に、パネルを破損させることにより開口部を解放し、非常用規制解除部材を操作して外扉を開けているため、通常の運転状態に復旧するためには交換用の新しいパネルが必要となるとともに、ネジ止め等によって取付けられたパネルの交換作業が煩雑になる。
【0006】
本発明の目的とするところは、非常時に非常用規制解除部材を操作して外扉を開放した後の復旧作業を容易に行うことのできる自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、前面に開口部を有する自動販売機本体と、自動販売機本体の開口部を開閉する外扉と、自動販売機本体の開口部を閉鎖した状態で外扉の開放方向への移動を規制する扉開放規制手段と、外扉に設けられた錠を解錠することで操作が可能となるように設けられ、扉開放規制手段の外扉の開放方向への移動の規制を解除する規制解除部材とを備えた自動販売機において、前記外扉に設けられた開口部を介して外部から操作可能に設けられ、規制解除部材を操作することなく扉開放規制手段の外扉の開放方向への移動の規制を解除可能な非常用規制解除部材と、開口部を閉鎖するパネルと、非常用規制解除部材を外部から操作するために、開口部の少なくとも一部が開放されるようにパネルを移動可能に支持するパネル支持手段とを備えている。
【0008】
これにより、開口部の少なくとも一部を解放可能にパネルが移動可能に支持されることから、パネルを破損させることなく開口部を解放し、開口部から非常用規制解除部材の操作が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パネルを破損させることなく開口部を開放して開口部から非常用規制解除部材の操作が可能となるので、非常用規制解除部材によって外扉を開放した後の復旧作業を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1乃至図13は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は自動販売機の全体斜視図、図2は外扉の開閉動作を示す自動販売機の全体斜視図、図3は係合解除部材及びスライド板を示す要部正面図、図4は係合解除部材及びスライド板を示す要部側面断面図、図5は非常用係合解除レバー及びスライド板を示す要部正面断面図、図6は非常用係合解除レバー及びスライド板を示す要部側面断面図、図7は非常用係合解除レバーの収納状態を示す自動販売機の要部斜視図、図8は広告表示部の側面断面図、図9はハンドルによる扉係止部材とスライド板との係合の解除動作を示す係合解除部材及びスライド板の要部正面図、図10は広告表示部の開口部を開放する動作を示す要部側面断面図、図11は非常用係合解除レバーによる扉係止部材とスライド板との係合の解除動作を示す自動販売機の要部斜視図、図12は非常用係合解除レバーによる扉係止部材とスライド板との係合の解除動作を示す非常用係合解除レバー及びスライド板の正面図、図13はパネルの取り付け方法を示す広告表示部の側面断面図である。
【0011】
図1に示す自動販売機は、前面に開口部を有する自動販売機本体10と、幅方向一端側が自動販売機本体10の開口部の幅方一端側に回転自在に連結され、自動販売機本体10の開口部を開閉する外扉20とを備えている。この自動販売機は、病院や公共施設等の屋内に設置されるものである。
【0012】
自動販売機本体10は、内部に収納された飲料及び食料等の商品を搬出するための図示しない商品搬出装置と、商品を冷却するための図示しない冷却装置を備えている。また、自動販売機本体10の開口部の幅方向他端側には、開口部を閉鎖した状態の外扉20の開放方向への回転を規制するための上下一対の扉開放規制手段としての扉係止部材11が設けられている。各扉係止部材11は、自動販売機本体10の開口部の幅方向他端側から前方に突出するように設けられ、その上端側には外扉20に設けられた後述するスライド板と係合可能な溝11aが設けられている。
【0013】
外扉20の前面には、自動販売機本体10内に収納される商品のサンプルを展示するためのサンプル展示部21、商品名またはブランド名等の広告を表示するための広告表示部22、商品選択部23、金額表示部24、硬貨投入口25、紙幣投入口26、返却レバー27、商品取出口28、硬貨返却口29が設けられている。広告表示部22は、サンプル展示部21の上方に設けられた開口部22aを広告が表示された合成樹脂製のパネル22bによって閉鎖することにより設けられ、その内部に図示しない蛍光灯などの照明器具が設けられている。また、外扉20の前面の幅方向他端側には、外扉20を開放するためのハンドル30が設けられ、ハンドル30には錠31が設けられている。このハンドル30は、錠31を解錠することにより前方に突出するようになっており、前方に突出した状態で操作できるようになっている。
【0014】
外扉20の内部には、扉係止部材11と係合することにより外扉20の開放方向への回転を規制するための扉開放規制手段としてのスライド板32と、ハンドル30に連結され、スライド板32と扉係止部材11との係合を解除する方向にスライド板32を移動させるための規制解除部材としての係合解除部材33と、係合解除部材33を回転させることなくスライド板32と扉係止部材11との係合を解除する方向にスライド板32を移動させるための非常用規制解除部材としての非常用係合解除レバー34とが設けられている。
【0015】
スライド板32は、幅方向両側をそれぞれ略直角に屈曲することにより形成された上下に延びる板状部材からなり、外扉20の幅方向他端側に上下方向に移動自在に設けられている。スライド板32には、上縁部が各扉係止部材11の溝11aと係合可能に設けられた上下一対の係止孔32aが形成されている。また、スライド板32には、ハンドル30に連結された係合解除部材33の端部が挿入される第1の規制解除孔32bが上下方向に延びるように設けられ、第1の規制解除孔32bの上部には、係合解除部材33が下方から当接可能な第1の当接片32cが設けられている。更に、スライド板32には、非常用係合解除レバー34の一端部を挿入可能な第2の規制解除孔32dが上下方向に延びるように設けられ、第2の規制解除孔32dの上部には、非常用係合解除レバー34の一端部が下方から当接可能な第2の当接片32eが設けられている。
【0016】
係合解除部材33は、ハンドル30の後端側からスライド板32の第1の規制解除孔32bの方向に延びるように設けられている。係合解除部材33の端部は、第1の当接片32cの下方に位置し、ハンドル30の回転によって第1の当接片32cに下方から当接するようになっている。
【0017】
非常用係合解除レバー34は、外扉20内の広告表示部22とスライド板32との間に設けられた第1の側板35に回転自在に連結されている。非常用係合解除レバー34は、一端側に操作部34aが設けられ、操作部34aを広告表示部側から操作できるようになっている。非常用係合解除レバー34は、他端側に当接部34bが設けられ、当接部34bが第2の規制解除孔32dに設けられた第2の当接片32eに下方から当接可能となっている。また、第1の側板35の広告表示部22側には第2の側板36が設けられ、第2の側板36には、非常用係合解除レバー34を収納するための長孔36aが設けられている。非常用係合解除レバー34は、広告表示部22側から粘着テープ36bを第2の側板36に貼付けることにより、両端部を上下に向けた状態で長孔36a内に収納可能となっている。
【0018】
また、広告表示部22のパネル22bは、外部から非常用係合解除レバー34を操作可能な状態とするために、パネル支持手段として開口部22aを開放可能に取付けられている。パネル22bは、上下寸法が開口部22aの上下寸法よりも大きく形成され、開口部22aの背面側に取付けられている。
【0019】
パネル22bの上端側は、当接部材としての第1のパネル押え部材37によって開口部22aの上方の部材に押し付けられて支持されている。第1のパネル押え部材37は、開口部22aの幅方向に亘って延びる部材からなり、上端側が開口部22aの上方を幅方向に延びる支軸37aに回転自在に連結され、下端側がパネル22bの背面側に当接可能となっている。また、第1のパネル押え部材37は、支軸37aに巻き掛けられた付勢部材としてのコイルバネ37bによって下端側が前方に回転する方向に付勢されている。
【0020】
パネル22bの下端側は、パネル受け部としてのパネル受け部材38によって下方から支持されるとともに、当接部材としての第2のパネル押え部材39によって開口部22aの下方の部材に押し付けられて支持されている。パネル受け部材38は、開口部22aの幅方向に延びる部材からなり、上面側がパネル22bの下端側を受ける溝状に形成されている。第2のパネル押え部材39は、開口部22aの幅方向に延びる部材からなり、後端側がネジ39aによってパネル受け部材38の背面側に前後に移動自在に連結され、前端側がパネル22bの背面側に当接可能となっている。また、第2のパネル押え部材39を連結するネジ39aの頭と第2のパネル押え部材39との間には付勢部材としてのコイルバネ39bが巻き掛けられ、コイルバネ39bの付勢力によって第2のパネル押え部材39がパネル受け部材38に対して前方に付勢されるようになっている。
【0021】
以上のように構成された自動販売機において、商品の補充やメンテナンス等の通常の使用により外扉20を開放する場合には、まず、錠31を解錠してハンドル30を操作する。これにより、ハンドル30と共に回転する係合解除部材33は、第1の当接片32cと接触してスライド板32を上方に押し上げ、扉係止部材11とスライド板32との係合を解除する。次に、そのままハンドル30を前方に向かって引くことにより外扉20が開放される。
【0022】
また、大規模な災害等が発生し、自動販売機本体10内の飲料及び食料を速やかに被災者に提供する必要が生じた場合には、まず、広告表示部22のパネル22bに前面から後方に向かって所定の力を加える。これにより、パネル22bは、コイルバネ37bの付勢力に抗して第1のパネル押え部材37を後方に回転させるとともに、コイルバネ39bの付勢力に抗して第2のパネル押え部材39を後方に移動させて開口部22aから外される。次に、パネル22bが外されて開放された開口部22aから手を挿入して粘着テープ36bを剥がし、第2の側板36の長孔36aに収納された非常用係合解除レバー34の操作部34aを引出して下方に回転させる。これにより、非常用係合解除レバー34の当接部34bは、第2の当接片32eと接触してスライド部材32を上方に押し上げ、扉係止部材11とスライド部材32との係合を解除する。そして、そのまま非常用係合解除レバー34を前方に向かって引くことにより外扉20が開放される。
【0023】
また、非常用係合解除レバー34を使用して外扉20を開放した後、通常の販売状態に復旧する場合には、まず、非常用係合解除レバー34の操作部34aを、上方に回転させ、第2の側板36の長孔36a内に位置する状態で粘着テープ36bによって固定する。次に、第1のパネル押え部材37の下端側を後方に回転させた状態で、パネル22bをパネル受け部材38に載せて開口部22aの背面側に配置し、第1のパネル押え部材37及び第2のパネル押え部材39によってパネル22bを開口部22aの背面側に取り付ける。
【0024】
このように、本実施形態の自動販売機によれば、非常用係合解除レバー34を外部から操作するために、開口部22aが開放するようにパネル22bを移動可能に支持するようにしたので、パネル22bを破損させることなく開口部22aを開放して開口部22aから非常用係合解除レバー34を操作することができ、非常用係合解除レバー34によって外扉20を開放した後の復旧作業を容易に行うことが可能となる。
【0025】
また、パネル22bの上端側を外扉20の内側に移動させることによりパネル22bと第1のパネル押え部材37との係合を解除可能に設け、パネル22bの下端側を下方から支持するようにしたので、パネル22bの上端側を外扉20の内側に押込むことによりパネル22bの上端側の係合を解除して開口部22aを開放することができ、開口部22aの開放を容易に行うことが可能となる。
【0026】
また、パネル22bの背面側に外扉20の内側から当接可能な第1のパネル押え部材37と、第1のパネル押え部材37の下端側を外扉20の内側から外側に付勢するコイルバネ37bとからパネル22bの上端側を支持するようにしたので、簡単な構成によってパネル22bを破損させることなく開口部22aを開放することができるとともに、容易にパネル22bを取付けることができ、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0027】
また、パネル22bの下端側を下方から支持するパネル受け部材38と、パネル22bの背面側に外扉20の内側から当接可能な第2のパネル押え部材39と、第2のパネル押え部材39を外扉20の内側から外側に向かって付勢するコイルバネ39bとからパネル22bの下端側を支持するようにしたので、パネル22bの上端側を外扉20の内側に押込むことにより、パネル22bの下端側をコイルバネ39bの付勢力に抗して後方に移動させることができ、パネル22bの変形や破損を防止することが可能となる。
【0028】
図14は本発明の第2の実施形態を示すもので、図14(a)は広告表示部の側面断面図、図14(b)はパネルの取り付け方法を示す広告表示部の側面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0029】
この自動販売機は、パネル支持手段としてパネル22bの下端側がパネル受け部材40によって支持されている。
【0030】
パネル受け部材40は、上部にパネル22bの下端側を挿入可能な溝40aが設けられ、下端側が開口部の22aの下方に位置する外扉20の内側に蝶番40bを介して連結されている。
【0031】
以上のように構成された自動販売機において、広告表示部22の開口部22aを開放する場合には、パネル22bに前面から後方に向かって所定の力を加える。これにより、パネル22bは、コイルバネ37bの付勢力に抗して第1のパネル押さえ部材39を後方に回転させるとともに、パネル受け部材40を後方に回転させて開口部22aから外される。この後、前記第1の実施形態と同様に、開口部22aを介して非常用係合解除レバー34を操作することにより外扉20が開放される。
【0032】
また、非常用係合解除レバー34を使用して外扉20を開放した後、通常の販売状態に復旧する場合には、まず、非常係合解除レバー34の操作部34aを、上方に回転させ、第2の側板36の長孔36a内に位置する状態で粘着テープ36bによって固定する。次に、第1のパネル押さえ部材37の下端側を後方に回転させて状態で、パネル22bの下端側をパネル受け部材40の溝40aに挿入し、パネル22bを開口部22aの背面側に配置して第1のパネル押さえ部材37によってパネル22bを開口部22aの背面側に取り付ける。
【0033】
このように、本実施形態の自動販売機によれば、外扉20の内側に回転自在に支持され、パネル22bの下端側を挿入可能なパネル受け部材40によってパネル22bの下端側を支持するようにしたので、パネル22bの上端側を外扉20の内側に押し込むことにより、パネル22bの下端側を後方に回転させることができ、パネル22bの変形や破損を防止することが可能となる。
【0034】
図15及び図16は本発明の第3の実施形態を示すもので、図15は広告表示部の側面断面図、図16は開口部の開放動作を示す自動販売機の要部正面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0035】
この自動販売機は、開口部22aが設けられた外扉20の面に沿ってスライド自在にパネル22bの上端側及び下端側をそれぞれ支持する上下一対のパネル支持手段としての支持部材41,42を備えている。また、パネル22bの幅方向の寸法は、開口部22aの幅方向の寸法と略同一の寸法に形成されている。
【0036】
各支持部材41,42は、それぞれ外扉20の幅方向に延びる部材からなり、パネル22bの端部をスライド自在に支持する溝41a,42aが設けられている。
【0037】
以上のように構成された自動販売機において、広告表示部22の開口部22aを開放する場合には、パネル22bを開口部22aに対して左右方向に移動させ、開口部22aの非常用係合解除レバー34側を開放する。この後、前記第1の実施形態と同様に、開口部22aを介して非常用係合解除レバー34を操作することにより外扉20が開放される。
【0038】
また、非常用係合解除レバー34を使用して外扉20を開放した後、通常の販売状態に復旧する場合には、まず、非常用係合解除レバー34の操作部34aを、上方に回転させて第2の側板36の長孔36a内に位置する状態で粘着テープ36bによって固定する。次に、パネル22bを開口部22aに対して移動させ、開口部22aを閉鎖する。
【0039】
このように、本実施形態の自動販売機によれば、開口部22aが設けられた外扉20の面に沿ってスライド自在にパネル22bの上端側及び下端側をそれぞれ支持する上下一対の支持部材41,42を備えたので、パネル22bを左右方向に移動させることにより開口部22aの非常係合解除レバー34側を開放することができ、開口部22aの開放を容易に行うことが可能となる。
【0040】
図17は本発明の第4の実施形態を示すもので、図17(a)は広告表示部の側面断面図、図17(b)はパネルの取り付け方法を示す広告表示部の側面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0041】
この自動販売機は、パネル支持手段として、パネル22bの上端側を係止する第1の係止部材43と、パネル22bの下端側を係止する第2の係止部材44とを備えている。
【0042】
第1の係止部材43は、開口部22aの上方を外扉20の幅方向に延びる部材からなり、下面側にパネル22bの上端を挿入可能な溝43aが設けられている。第2の係止部材44は、開口部22aの下方を外扉20の幅方向に延びる部材からなり、上面側にパネル22bの下端を挿入可能な溝44aが設けられている。また、第1の係止部材43及び第2の係止部材44にパネル22bを取り付けた状態において、パネル22bの上端と第1の係止部材43の溝43aの底部との間には、第2の係止部材44の溝44aの深さ寸法よりも大きい隙間を有している。
【0043】
以上のように構成された自動販売機において、広告表示部22の開口部22aを開放する場合には、パネル22bを開口部22aに対して上方に移動させてパネル22bの下端と第2の係止部材44との係合を解除し、パネル22bを開口部22aから外す。この後、前記第1の実施形態と同様に、開口部22aを介して非常用係合解除レバー34を操作することにより外扉20が開放される。
【0044】
また、非常用係合解除レバー34を使用して外扉20を開放した後、通常の販売状態に復旧する場合には、まず、非常用係合解除レバー34の操作部34aを、上方に回転させ、第2の側板36の長孔36a内に位置する状態で粘着テープ36bによって固定する。次に、パネル22bの上端側を第1の係止部材43の溝43aに係合させた状態でパネル22bの下端側を第2の係止部材44の溝44aに係合させることにより、パネル22bが開口部22aの背面側に取り付けられる。
【0045】
このように、本実施形態の自動販売機によれば、パネル22bの上下両端を係止するように設けられ、パネル22bを上方に移動させることによりパネル22bとの係合を解除可能な第1の係止部材43及び第2の係止部44によってパネル22bを開口部22aに取り付けるようにしたので、パネル22bを上方に移動させることによりパネル22bの下端側の係合を解除して開口部22aを開放することができ、開口部22aの開放を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す自動販売機の全体斜視図
【図2】外扉の開閉動作を示す自動販売機の全体斜視図
【図3】係合解除部材及びスライド板を示す要部正面図
【図4】係合解除部材及びスライド板を示す要部側面断面図
【図5】非常用係合解除レバー及びスライド板を示す要部正面断面図
【図6】非常用係合解除レバー及びスライド板を示す要部側面断面図
【図7】非常用係合解除レバーの収納状態を示す自動販売機の要部斜視図
【図8】広告表示部の側面断面図
【図9】ハンドルによる扉係止部材とスライド板との係合の解除動作を示す係合解除部材及びスライド板の要部正面図
【図10】広告表示部の開口部を開放する動作を示す要部側面断面図
【図11】非常用係合解除レバーによる扉係止部材とスライド板との係合の解除動作を示す自動販売機の要部斜視図
【図12】非常用係合解除レバーによる扉係止部材とスライド板との係合の解除動作を示す非常用係合解除レバー及びスライド板の正面図
【図13】パネルの取り付け方法を示す広告表示部の側面断面図である。
【図14】(a)本発明の第2の実施形態を示す広告表示部の側面断面図、(b)パネルの取り付け方法を示す広告表示部の側面断面図
【図15】本発明の第3の実施形態を示す広告表示部の側面断面図
【図16】開口部の開放動作を示す自動販売機の要部正面図
【図17】(a)本発明の第4の実施形態を示す広告表示部の側面断面図、(b)パネルの取り付け方法を示す広告表示部の側面断面図
【符号の説明】
【0047】
10…自動販売機本体、11…扉係止部材、20…外扉、22…広告表示部、22a…開口部、22b…パネル、32…スライド板、33…係合解除部材、34…非常用係合解除レバー、37…第1のパネル押さえ部材、37a…支軸、37b…コイルバネ、38…パネル受け部材、39…第2のパネル押さえ部材、39a…ネジ、39b…コイルバネ、40…パネル受け部材、40a…溝、40b…蝶番、41…支持部材、41a…溝、42…支持部材、42a…溝、43…第1の係止部材、43a…溝、44…第2の係止部材、44a…溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部を有する自動販売機本体と、自動販売機本体の開口部を開閉する外扉と、自動販売機本体の開口部を閉鎖した状態で外扉の開放方向への移動を規制する扉開放規制手段と、外扉に設けられた錠を解錠することで操作が可能となるように設けられ、扉開放規制手段の外扉の開放方向への移動の規制を解除する規制解除部材とを備えた自動販売機において、
前記外扉に設けられた開口部を介して外部から操作可能に設けられ、規制解除部材を操作することなく扉開放規制手段の外扉の開放方向への移動の規制を解除可能な非常用規制解除部材と、
開口部を閉鎖するパネルと、
非常用規制解除部材を外部から操作するために、開口部の少なくとも一部が開放されるようにパネルを移動可能に支持するパネル支持手段とを備えた
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記パネル支持手段を、パネルの上端側が係合するように設けられ、パネルの上端側を外扉の内側に移動させることによりパネルとの係合を解除可能な第1の支持部と、パネルの下端側が係合するように設けられた第2の支持部とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
【請求項3】
前記第1の支持部を、外扉に回転自在に連結され、パネルの背面側に外扉の内側から当接可能な当接部材と、当接部材を外扉の内側から外側に向かって付勢する付勢部材とから構成した
ことを特徴とする請求項2記載の自動販売機。
【請求項4】
前記第2の支持部を、パネルの下端側を下方から支持するパネル受け部材と、パネルの背面側に外扉の内側から当接可能な当接部材と、当接部材を外扉の内側から外側に向かって付勢する付勢部材とから構成した
ことを特徴とする請求項2または3記載の自動販売機。
【請求項5】
前記第2の支持部を、パネルの下端側を挿入可能なパネル受け部材と、パネル受け部材を外扉に回転自在に連結する蝶番とから構成した
ことを特徴とする請求項2または3記載の自動販売機。
【請求項6】
前記パネル支持手段を、開口部が設けられた外扉の面に沿ってスライド自在にパネルの上端側及び下端側をそれぞれ支持する一対の支持部から構成した
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
【請求項7】
前記パネル支持手段を、パネルの上下両端または左右両端を係止可能に設けられ、パネルを上方または左右一方に移動させることによりパネルとの係合を解除可能な一対の係止部から構成した
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−3845(P2008−3845A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172713(P2006−172713)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】