説明

自動販売機

【課題】限られたスペースの中で商品送出を実現するために簡素な構造で安定した品質の自動販売機を提供する。
【解決手段】シュート108の側部には奥側から前方に向けて幅広となる傾斜面を形成し商品を中央部に誘導する商品誘導部118を有し、シュート108中央部と商品誘導部118との間に鉛直面118aを形成し、鉛直面118aの高さは奥側から前方に向けて低くなるよう形成することで商品を誘導する商品誘導部118に沿って商品が送出される場合に、円直面118aの高さが高い奥側に接触する商品後方部はシュート108中央側に寄り、一方、鉛直面118aの高さが低い前側に接触する商品前方部は、シュート108の商品誘導部118側へ寄ることで、商品がシュート108上を商品誘導部118に沿って滑る時の商品実角度を大きくすることができ、限られたスペースの中で商品の送出を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品払出装置を備えた商品収納室から搬出された商品をシュートを介して取出口に送出する自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動販売機は、商品収納部から搬出される商品をシュート上を滑走または転動させ取出口まで誘導するために、シュート上に構成した商品誘導部材により取出口に誘導させている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は特許文献1に記載された従来の自動販売機を示すものである。図10に示す様に、自動販売機の図示しない内側天井部に吊り下げられ横方向に複数並ぶ商品収納室と自動販売機1前面下部に設けられた取出口との間に、断熱を目的として構成された開閉自在の内扉と、商品収納室と取出口との間に商品収納室より搬出された商品が滑降または転動するように傾斜して配されたシュート2を備えている。内扉2には商品が通過可能な大きさの開口部が設けられており、商品収納室から商品が搬出された際に、シュート2上を転動または滑降する商品を開口部へ寄せ集めるために、複数の傾斜面からなる商品誘導部材3が設けられている。また、シュート2下部にはモータ4とモータ4の回転軸には偏心板5が設けられておりモータ4が回転することによりシュート2が振動する様構成されておいる。
【0004】
以上のように構成された自動販売機について、以下その動作を説明する。
【0005】
商品収納部より搬出された商品はシュート2上に落下し、取出口の方向へ傾斜したシュート2上を転動または滑降しながら移動する。その際、商品はシュート2上に構成された商品誘導部材3によって横方向に誘導され、内扉の開口部に寄せ集められて取出口まで搬出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−28350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ラック収容本数の増加や冷却ユニット配置等を優先的に配慮するためには限られたスペースの中でシュートを構成する必要がある。上記従来の自動販売機では、これらを優先的に配慮するために、商品を滑降させるためのシュートの傾斜角度などを小さくしてシュート構成スペースを抑制するとともに、商品を滑らせるための余裕度を確保するためにモータによる振動装置を設けて滑るきっかけを与えるものであるが、部品点数の増加や構成の複雑化によりコストが高くなってしまうという課題を有していた。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、限られたスペースの中で簡素な構造でシュートを構成し低コストで安定した品質を確保できる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来の課題を解決するために、本発明の自動販売機は、商品収納室から落下した商品を商品取出口へ案内するシュートを前記商品収納室の下方に傾斜して備え、前記商品収
納室内に収納された前記商品が横倒し姿勢で前記シュートに落下送出される自動販売機において、前記シュートの側部には奥側から前方に向けて幅広となる傾斜面を形成し商品を中央部に誘導する商品誘導部を有し、前記シュート中央部と前記商品誘導部との間に鉛直面を形成し、前記鉛直面の高さは奥側から前方に向けて低くなるよう形成したものである。
【0010】
これによって、商品を誘導する商品誘導部に沿って商品が送出される場合に、円直面の高さが高い奥側に接触する商品後方部はシュート中央側に寄り、一方、鉛直面の高さが低い前側に接触する商品前方部は、シュートの商品誘導部側へ寄ることで、商品がシュート上を商品誘導部に沿って滑る時の商品実角度を大きくすることができ、同じスペースであってもより送出性良く商品を取出口側へ送出ができるため、特別な装置を用いることなく限られたスペースの中で簡素な構造でシュートを構成し低コストで安定した品質を確保できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の自動販売機は、商品払出時のシュート上での商品誘導性を向上することができるため、簡素な構造でシュートを構成でき、品質信頼性向上とコストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態における自動販売機の側面図
【図2】実施の形態1の自動販売機の要部斜視図
【図3】実施の形態1の自動販売機の要部斜視図
【図4】実施の形態1の自動販売機の動作説明図
【図5】実施の形態1の自動販売機の動作説明図
【図6】実施の形態1の自動販売機の要部斜視図
【図7】実施の形態1の自動販売機の動作説明図
【図8】実施の形態1の自動販売機の要部斜視図
【図9】実施の形態1の自動販売機の要部斜視図
【図10】従来の自動販売機の側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
請求項1に記載の発明は、商品収納室から落下した商品を商品取出口へ案内するシュートを前記商品収納室の下方に傾斜して備え、前記商品収納室内に収納された前記商品が横倒し姿勢で前記シュートに落下送出される自動販売機において、前記シュートの側部には奥側から前方に向けて幅広となる傾斜面を形成し商品を中央部に誘導する商品誘導部を有し、前記シュート中央部と前記商品誘導部との間に鉛直面を形成し、前記鉛直面の高さは奥側から前方に向けて低くなるよう形成したものであり、商品を誘導する商品誘導部に沿って商品が送出される場合に、鉛直面の高さが高い奥側に接触する商品後方部はシュート中央側に寄り、一方、鉛直面の高さが低い前側に接触する商品前方部は、シュートの商品誘導部側へ寄ることで、商品がシュート上を商品誘導部に沿って滑る時の商品実角度を大きくすることができ、同じスペースであってもより送出性良く商品を取出口側へ送出ができるため、特別な装置を用いることなく限られたスペースの中で簡素な構造でシュートを構成し低コストで安定した品質を確保できる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記鉛直面の奥側の高さを販売商品の胴径寸法の1/2以上としたものであり、後方から搬出された商品が、常に鉛直面に沿って誘導され商品送出姿勢が安定するためシュートまたは商品取出口での商品詰まり等のリスクを低減できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、商品の払い出し落下時に商品の全体または一部が前記商品誘導部に当接するよう商品の落下地点に前記商品誘導部を配置したものであり、商品の落下距離が比較的大きな前側通路(前から2通路程度)より商品を搬出した際に、少なくとも落下商品の一部が、先に商品誘導部に当接するので、落下距離が大きな通路からの商品搬出においても、鉛直方向の衝撃力をシュートの商品誘導部により横方向に変換することでシュートへの衝撃を分散することができるため、シュートのたわみによる商品跳ね上げを抑制することができ、自動販売機の搬出時の品質を向上することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記シュートの中央部は複数の傾斜面を形成したものであり、シュートの下方に配置される冷却、加熱用機能部品、送風機等を収納するスペースを広くすることになり、シュートの下方のスペースの有効利用が可能となる。また、シュートを複数の傾斜面で形成し、取出口近傍のシュート傾斜角度を大きく構成することで、滑り性の悪い商品であっても余裕を持って送出することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記シュートは前記商品誘導部を含めて一体形成したものであり、構造バラツキ等による故障リスクを抑えるとともに、低コスト化を図ることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における自動販売機の側面図である。
【0020】
図1で本発明の自動販売機101は自動販売機本体102とその前面を開閉する外扉103を備えている。外扉103と自動販売機本体102の間には内扉104が配置され、自動販売機本体102の前面は開閉自在に構成されている。自動販売機本体102内には缶商品などを収納する複数の商品収納部105を形成し、商品は上下に積み重ねて収納されている。商品収納部105の下部には、選択された商品を搬出する商品払出装置106が商品収納部105ごとに配置されている。
【0021】
商品払出装置106の下方には、搬出された商品を外扉103に構成した取出口107へ排出するシュート108が傾斜配置して形成されている。また内扉104の下部には搬出扉109があり、取出口107とシュート108の間に構成され、販売待機時は搬出扉109によって、この間が仕切られている状態となっている。
【0022】
シュート108の下部には、冷却システムを構成する蒸発器110や加温装置(図示しない)が配置され、各室へは庫内ファン111によって収納室内を所定温度に冷却または加温する。
【0023】
また自動販売機本体102の下部には断熱板112で区画された機械室113が形成されており、機械室113の前方側には冷却システムの凝縮器114を配置し、その後方に凝縮器ファン115が備えられ、凝縮器ファン115によって自動販売機101の前方から空気を吸い込み凝縮器114を通過して風下側にある蒸発皿(図示しない)や圧縮機116に導かれる構成となっている。
【0024】
図2は本発明の実施の形態1におけるシュートの斜視図である。
【0025】
シュート108の構成は、1部品から一体に形成されており、具体的には、シュート108の傾斜面117は、比較的なだらかな傾斜で形成された第1傾斜面117aと第1傾斜面117aよりもやや大きな傾斜を有する第2傾斜面117bと第2傾斜面よりもさらに大きな傾斜を有する第3傾斜面117cからなり、第3傾斜面117cには複数の面からなる商品誘導部118がシュート108のそれぞれ左右端(またはどちらか一方)に構成されている。
【0026】
シュート108の第3傾斜面117c左右には、第3傾斜面117cからおおむね鉛直方向でかつ奥方向から前方の搬出扉109に向かって、第3傾斜面117cの幅寸法を徐々に狭めるように形成された鉛直面(第1誘導部)118aと、鉛直面(第1誘導部)118aの上端面から外方へ向かって傾斜した第2誘導部118bがそれぞれ幅方向で対峙するように形成されている。また、鉛直面(第1誘導部)118aと第2誘導部118bの境界は比較的大きな半径(おおむねR20程度)を有する形状で構成されている。
【0027】
また、第3傾斜面からの鉛直面(第1誘導部)118aの高さ(A,A´)については奥方向(A)から前方向(A´)に向けて低くなるよう形成されている(A>A´)。そして、鉛直面(第1誘導部)118aの奥側は第2傾斜面117bからおおむね垂直方向におおむね商品胴径の半分程度もしくは半分から同寸程度としている。
【0028】
また、商品132の落下距離が比較的大きな前側通路(前から2通路程度)より商品132を搬出した際に、少なくとも落下商品の一部が、先に商品誘導部118に当接するように、商品誘導部118の位置を設定している。
【0029】
また、シュート108の第3傾斜面117c前端には第3傾斜面117cよりもさらに傾斜の大きな第4傾斜面117dが形成されており、第4傾斜面117dの前端から下方かつ奥方向に延在された第1固定部119aと、第1固定部119a下端から下方(鉛直方向)に延在された第2固定部119bからなる固定部119が構成されている。
【0030】
第2固定部119b下方中央付近には、第2固定部119bよりもやや前方に突出した突出面120と突出面120に固定穴121を有した段付形状としている。
【0031】
また、自動販売機101庫内下方前側に垂直方向に直延しかつ左右に延在して構成された取付部材123には各庫内毎にシュート108を取り付けるための穴124が形成されており、この取付用の穴124とシュート108の前側に形成された穴121に合わせてビス125にて取り付けされている。自動販売機101庫内奥側にはシュート108の奥側が取り付けられており(詳細は図示しない)、シュート108は前側と奥側で両端支持された状態で自動販売機101の庫内に取り付けられている。
【0032】
図3は本発明の実施の形態1におけるシート取り付け構成の説明図である。
【0033】
シュート108の第3傾斜面117c上でかつ鉛直面(第1誘導部)118aに沿って滑り性のよいシート126がシュート108に保持手段により取り付けられている。シート126には2個の爪127が形成されており、これらの爪127が挿通保持可能な様にシュートの第3傾斜面117cに角穴A128aが形成されている。
【0034】
シート126には突出部129が形成されており、突出部129が挿通可能な様にシュート108の第3傾斜面117cから第1誘導部118aに跨って角穴B128bが形成されている。シート126の表面側は凹凸となる非平面形状部130を備えている。具体的にはシート126表面に対して凸となるビード形状部131をシート長手方向の上端付近から下端付近まで延在して形成している。
【0035】
滑り性のよいシート126は具体的には、鋼板にフッソ系樹脂をコーティングしたもので、商品の搬出に支障が生じない程度の厚みである板厚0.5mm程度としている。なお、シート126はシュート108に対して必要に応じて着脱可能に配置してもよい。
【0036】
以上のように構成された自動販売機について、以下その動作、作用を説明する。
【0037】
商品132購入時に任意の商品払出装置106作動により、商品132は商品収納部105の下積みの方から1個だけ搬出される。この時、商品132はシュート108に接触するまで自由落下し、それ以降は、商品132はシュート108の傾斜面117上を滑降または転動し、途中、商品誘導部材118による方向規制を受けつつ取出口107の方に誘導される。この、商品132がシュート108上を滑降または転動して取出口107まで誘導される過程について以下説明する。
【0038】
図4は商品132が商品払出装置106作動により搬出された場合の動作を示すものである。商品132が商品払出装置106作動により搬出されると商品132は自由落下にてシュート108上に落下する。
【0039】
図5は商品132が奥側の通路から搬出された場合の商品132の挙動を示すものである。シュート108の第3傾斜面117c左右には、第3傾斜面117cからおおむね垂直方向に直延しかつ奥方向から前方の搬出扉109に向かって形成された鉛直面(第1誘導部)118aと鉛直面(第1誘導部)118aの上端から外方へ向かって傾斜した第2誘導部118bがそれぞれ幅方向で対峙するように形成されている。また、鉛直面(第1誘導部)118aと第2誘導部118bの境界は比較的大きな半径(おおむねR20程度)を有する形状で構成されている。
【0040】
商品132が奥側の通路から搬出される際に、転動して前側に送出され、かつ商品誘導部118により取出口107へ誘導される。その際に、もし鉛直面(第1誘導部)が無い、あるいは傾斜したものである場合は第2誘導面に商品132が乗り上げることにより、商品姿勢が傾き、なおかつ内扉104に衝突した際の跳ね返しが加わることにより、商品132がシュート108上で立直する等による商品詰まりのリスクがある。しかしながら、本発明では、鉛直面(第1誘導部)118aは第2傾斜面117bからおおむね垂直方向におおむね商品胴径の半分程度もしくは半分から同寸程度の鉛直面を有しているため、商品132が第2誘導部118bの上に乗り上げることなく第1誘導面による商品誘導ができる。すなわち、奥側の通路から搬出された商品132を安定して取出口107まで誘導することができる。
【0041】
また、図6は鉛直面(第1誘導部)の詳細を示すものであるが、第3傾斜面からの鉛直面(第1誘導部)118aの高さ(A,A´)については奥方向(A)から前方向(A´)に向けて低くなるよう形成されている(A>A´)。本発明のようにA>A´とすることで、鉛直面(第1誘導部)の高さが高い奥側に接触する商品後方部はシュート中央側に寄り、一方、鉛直面(第1誘導部)の高さが低い前側に接触する商品前方部は、シュートの商品誘導部側へ寄ることで、商品の滑り行く方向が第1傾斜面の構成実角度よりも縦方向に向くため、商品の実傾斜角度はB>B´となり、第1傾斜面の構成実角度よりも大きな角度で滑らせることが可能となる。
【0042】
もし、A=A´である場合は、商品の滑り行く方向が第1傾斜面と平行となり、商品の実傾斜角度はB=B´となる。
【0043】
このことから、本発明では同じスペースであってもより送出性良く商品を取出口側へ送
出ができるため、特別な装置を用いることなく限られたスペースの中で簡素な構造でシュートを構成し低コストで安定した品質を確保できる。
【0044】
また、図7は前側通路より商品を搬出した動作を示すものである。商品132の落下距離が比較的大きな前側通路(前から2通路程度)より商品132を搬出した際に、少なくとも落下商品の一部が、先に商品誘導部118に当接するように、商品誘導部118の位置を設定しているので、落下距離が大きな通路からの商品搬出においても、落下衝撃を2段階に分散することができるとともに、鉛直方向の衝撃力をシュート108の商品誘導部118により横方向に変換することでシュートへの衝撃を分散することができるため、シュートのたわみによる商品跳ね上げを抑制することができる。
【0045】
また、シュート108の傾斜面は、比較的なだらかな傾斜で形成された第1傾斜面117aと第1傾斜面117aよりもやや大きな傾斜を有する第2傾斜面117bと第2傾斜面よりもさらに大きな傾斜を有する第3傾斜面117cという複数の傾斜面を形成しているので、シュート108の下方に配置される冷却、加熱用機能部品、送風機等を収納するスペースを広くすることになり、シュート108の下方のスペースの有効利用が可能となる。また、シュート108を上記複数の傾斜面とすることで、奥側から前方への商品132の搬出をスムーズに行うことができる。
【0046】
また、シュート108は商品誘導部118を含めて一体に形成しているので、構造バラツキによる故障リスクを抑えるとともに低コスト化を図ることができる。
【0047】
また、第1誘導面に沿って滑り性のよいシート126を保持手段にてシュート108の第3傾斜面上117cに取り付けられていることから、商品132が商品誘導部118に沿って送出される際にも搬送性能に余裕を持たせることができ、送出性能を向上することができる。
【0048】
シート126には2個の爪127が形成されており、これらの爪127が挿通保持可能な様にシュート108の第3傾斜面117cに角穴A128aが形成されている。シート126には突出部129が形成されており、突出部129が挿通可能な様にシュート108の第3傾斜面117cから第1誘導部118aに跨って角穴B128bが形成されている。このような構成により、シート126の爪127を角穴A128aに挿通保持しつつ角穴B128bに挿通したシート126の突出部129を上方向にかしめることにより、確実に取り付け可能としている。この構成により、取り付けにビス等の部品が不要となり、部品点数の削減と工数削減が可能となり、コストの削減ができる。
【0049】
また、シート126の表面側は凹凸となる非平面形状部130を備えている。具体的にはシート126表面に対して凸となるビード形状部131をシート126長手方向の上端付近から下端付近まで延在して形成している。この構成により、長期使用においてシュート108またはシート126表面に汚れが付着した場合であっても、商品132が滑る際に、シート126のビード形状部131(凸部)と商品132が接触しながら送出されるため、ビード形状部131の汚れが凹部に掻き落とされることによりクリーニング作用が生じ、汚れによる摩擦係数の悪化を抑制することが可能となり、商品132の送出性能を向上することができる。
【0050】
また、図8の様に、シート126の突出部129の先端にはフック部133を形成しかつ突出部129の根元部左右にはスリット134を備えフック部133が弾性変形領域内でたわみ変形可能に構成しても良い。
【0051】
このような構成により、シート126の爪127をシュートの角穴A128aに挿通保
持する際にフック部133がシュート108の角穴B128bに沿って弾性領域内でたわみ、奥まで挿通の際にフック部133が角穴B128bを完全に通過することでたわみが除去され、フック部133が通常の形状に復帰することでフック部133により確実に保持することができ差し込み取り付けするだけでよくなるため、カシメ等の作業が不要となり、取り付け作業性が向上する。
【0052】
また、図9の様に、シート126の表面側の凹凸となる非平面形状部130については、ビード形状部131の変わりにシート126の表面側に対して凸となるエンボス形状部135を形成してもよい。この構成により、長期使用においてシュート108またはシート126表面に汚れが付着した場合であっても、商品132が滑る際に、シート126のビード形状部131(凸部)と商品132が接触しながら送出されるため、ビード形状部131の汚れが凹部に掻き落とされることによりクリーニング作用が生じ、汚れによる摩擦係数の悪化を抑制することが可能となり、商品132の送出性能を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明にかかる自動販売機は、商品払出時のシュート上での商品誘導性を向上することができるので、シュートを備えたあらゆる自動販売機器の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0054】
101 自動販売機
105 商品収納部
107 取出口
108 シュート
117 傾斜面
118 商品誘導部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品収納室から落下した商品を商品取出口へ案内するシュートを前記商品収納室の下方に傾斜して備え、前記商品収納室内に収納された前記商品が横倒し姿勢で前記シュートに落下送出される自動販売機において、前記シュートの側部には奥側から前方に向けて幅広となる傾斜面を形成し商品を中央部に誘導する商品誘導部を有し、前記シュート中央部と前記商品誘導面との間に鉛直面を形成し、前記鉛直面の高さは奥側から前方に向けて低くなるよう形成したことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記鉛直面の奥側の高さを販売商品の胴径寸法の1/2以上としたことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
商品の払い出し落下時に商品の全体または一部が前記商品誘導部に当接するよう商品の落下地点に前記商品誘導部を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記シュートの中央部は複数の傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記シュートは前記商品誘導部を含めて一体形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の自動販売機。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−113595(P2012−113595A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263357(P2010−263357)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】