説明

自動販売機

【課題】自動販売機の奥行き寸法を変更することなく商品の収容数を増加することが可能な自動販売機を提供する。
【解決手段】スラント式の商品収容棚42に複数の商品Gを前後方向に一列に整列して収容した商品収容通路43が上下多段に配設され、前記各商品収容通路43から切り出された商品Gを、本体キャビネット1の背壁1cとの間の搬出通路46を通って落下搬出させ、庫内下部に配設した冷却/加熱ユニット7により前記商品収容通路43に収容された商品Gを冷却若しくは加熱する自動販売機であって、前記冷却/加熱ユニット7の背後に商品搬出シュータ6よりも背の低い背面ダクト13を設け、庫内背面上部に形成された空きスペースに左右方向に延在する吸込みダクト14を設ける一方、庫内側面に上下方向に延在し、前記背面ダクト13と吸込みダクト14とを連通させる側面ダクトを配設し、各商品収容通路43の背後の領域から循環ダクトを削除し、その分だけ商品収納通路43を長くして商品収容数の増大を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容する商品収容通路の商品搬出口が低くなるように傾斜して配設された商品収納ラックから商品を一個ずつ切り出して搬出する商品搬出装置を備えた自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の自動販売機は、本体キャビネットの庫内に複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容する商品収容通路(商品コラムともいう)を備えた商品収容棚が上下方向に複数段配設された商品収納ラックを備え、この商品収納ラックが左右方向に複数列並設されている。前記商品収納ラックは、商品収容通路の商品搬出口が低くなるように所定の勾配をもって傾斜して構築され、スラントラックとも称される。前記商品収納ラックにおける商品収容通路の商品搬出口には商品搬出装置が設けられおり、この商品搬出装置により商品収容通路に横倒し姿勢で収容された商品を一個ずつ切り出すように構成されている。この種の自動販売機として図17に示すものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図17は従来の自動販売機の概略構成を示す側面図である。この自動販売機は、前面が開放され、上壁,左右側壁,背壁および底壁が断熱された断熱筐体として形成された本体キャビネット1と、本体キャビネット1の前面に開閉可能に支持された外扉2とからなる。本体キャビネット1の商品収納庫の前面は開閉可能な断熱内扉3によって閉塞されている。本体キャビネット1の商品収納庫内には、左右方向に複数配列されるとともに上下方向に多段に配設された商品収容棚42を備えた商品収納ラック4が収納設置されている。前記商品収容棚42は商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する態様で配設されている。前記商品収容棚42の上部空間が複数の商品Gを横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容する商品収容通路(商品コラム)43として構成されている。また、前記商品収容棚42における商品搬出口45の近傍には不図示の商品搬出装置が配設され、この商品搬出装置は前記商品収容通路43に収容された商品Gを一個ずつ切り出して搬出するものである。
【0004】
前記各商品収容棚42における商品搬出口45と商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁)との間が商品の落下する搬出通路46として形成されている。そして、各商品収容棚42の後方端には、前記搬出通路46に突出する突出位置と、落下する商品Gにより押し開かれて搬出通路から退避する退避位置との間を回動する姿勢制御板47が設けられている。また、商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁)には、前記搬出通路46に突出する突出位置と、落下する商品Gにより押し開かれて搬出通路から退避する退避位置との間を回動する姿勢制御板48が設けられている。これらの姿勢制御板47,48は搬出通路46を挟んで上下方向に互い違いに配備されるとともに、不図示のコイルばねにより搬出通路46に向けて突出するように付勢されており、搬出通路46を落下する商品Gにより押し開かれて搬出通路46から退避する際、当該商品Gの姿勢を横倒し姿勢に矯正するとともに当該商品Gの落下エネルギーを吸収してその落下速度を低減させる機能を有している。
【0005】
前記商品収納ラック4の下部には前下がりの姿勢に配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュート6が設けられている。この商品搬出シュート6は前記搬出通路46と断熱内扉3に設けたフラッパ付きの商品搬出口31を介して外扉2の商品取出口21とを連係する。また、前記商品搬出シュート6の下部の一点鎖線枠内には、商品収納庫内を冷却若しくは加熱して商品収納ラック4に収容した商品Gをコールド若しくはホット状態に保存する不図示の冷却/加熱ユニット7が配設されている。この冷却/加熱ユニット7は風洞によって覆われている。また、本体キャビネット1の下部の機械室8には、冷却/加熱ユニット7の冷却ユニットと冷凍サイクルを形成する冷凍機コンデンシングユニット(不図示)が配設されている。さらに、商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁)には当該本体キャビネット1の背壁に沿って上下方向に延在し、かつ、上端に開放した吸込み口を有するとともに下端が冷却/加熱ユニット7の風洞に連通された循環ダクト(不図示)が配備されている。そして、前記冷却/加熱ユニット7により加熱若しくは冷却された空気は商品搬出シュート6の複数の通気孔を介して商品収納ラック4に収容された商品Gを加熱若しくは冷却しつつ庫内を上昇した後、循環ダクトの吸込み口を経由して循環ダクトから冷却/加熱ユニット7の風洞に戻る経路を通って循環するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3508902号公報(図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載された自動販売機のようにスラントラックにおいては、商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する商品収容棚42上に商品Gが収容され、商品収納棚42から切り出された商品Gが商品搬出口45と本体キャビネット1の背壁との間に形成された搬出通路46を落下搬出されるように構成されている。このために、商品収容棚42の前後方向の長短により収容可能な商品Gの個数が変動する。この場合、商品収容棚42は上下多段かつ左右方向に複数列並設されているので、商品収容棚42に収容する商品Gの個数が1個でも減少すると自動販売機全体では数十個、例えば、商品収容棚42が上下方向に10段、左右方向に5列設けられている場合には収容個数が50個も減少することとなる。したがって、庫内空気を冷却/加熱ユニット7の風洞に循環させる循環ダクトが本体キャビネット1の背壁に沿って上下方向に延在して配備されている場合には、自動販売機の奥行き寸法が循環ダクトによって短くなり、結局、自動販売機に収容可能な商品個数が減少してしまう。この場合、自動販売機の奥行き寸法を大きくすれば収容可能な商品個数を増加させることができる。しかしながら、自動販売機の奥行き寸法の増大化は、自動販売機の道路への食み出しが規制され、この規制を遵守するために自動販売機の奥行き寸法を小さくする薄型化の傾向に逆行することとなる。また、自動販売機の奥行き寸法が変更すると自動販売機の機種が増加するので在庫管理に手間がかかり、何より本体キャビネットが大型化するのでコストの上昇は免れない。
【0008】
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、自動販売機の奥行き寸法を変更することなく商品の収容数を増加することが可能な自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、本体キャビネットの上壁,左右側壁,背壁および底壁に囲まれた庫内に、複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容し、かつ、その商品搬出口が低くなるように傾斜して配設された商品収容通路が上下多段に配設され、前記各商品収容通路の商品搬出口と本体キャビネットの背壁との間に上下方向に延在する搬出通路が形成され、前記各商品収容通路の商品搬出口の近傍に配設した商品搬出装置により切り出された商品を、前記搬出通路を介して落下搬出させる自動販売機であって、庫内下部に、前下がりの姿勢に配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュートおよび前記商品収容通路に収容された商品を冷却若しくは加熱する冷却/加熱ユニットを備えた自動販売機において、前記冷却/加熱ユニットの背後であって前記商品搬出シュートの後部側の高さよりも低い背面ダクトを前記本体キャビネットの背壁に沿うように配設するとともに庫内前方から後ろ下がりに傾斜した商品収容通路によって庫内背面上部に形成された空きスペースに左右方向に延在する吸込みダクトを前記本体キャビネットの背壁に沿うように配設する一方、庫内側面に上下方向に延在し、前記背面ダクトと吸込みダクトとを連通させる側面ダクトを本体キャビネットの側壁若しくは庫内を左右方向に複数の商品収納室に区画する断熱仕切板の側面に沿って配設したことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の自動販売機において、側面ダクトは前後方向に段差を有し、商品収納ラックの側面に位置する前方側に対して搬出通路の側面に位置する後方側を高くしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に係る自動販売機によれば、本体キャビネットの上壁,左右側壁,背壁および底壁に囲まれた庫内に、複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容し、かつ、その商品搬出口が低くなるように傾斜して配設された商品収容通路が上下多段に配設され、前記各商品収容通路の商品搬出口と本体キャビネットの背壁との間に上下方向に延在する搬出通路が形成され、前記各商品収容通路の商品搬出口の近傍に配設した商品搬出装置により切り出された商品を、前記搬出通路を介して落下搬出させる自動販売機であって、庫内下部に、前下がりの姿勢に配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュートおよび前記商品収容通路に収容された商品を冷却若しくは加熱する冷却/加熱ユニットを備えた自動販売機において、前記冷却/加熱ユニットの背後であって前記商品搬出シュートの後部側の高さよりも低い背面ダクトを前記本体キャビネットの背壁に沿うように配設するとともに庫内前方から後ろ下がりに傾斜した商品収容通路によって庫内背面上部に形成された空きスペースに左右方向に延在する吸込みダクトを前記本体キャビネットの背壁に沿うように配設する一方、庫内側面に上下方向に延在し、前記背面ダクトと吸込みダクトとを連通させる側面ダクトを本体キャビネットの側壁若しくは庫内を左右方向に複数の商品収納室に区画する断熱仕切板の側面に沿って配設したことにより、従来装置にように本体キャビネットの背壁に上下に延在する循環ダクトを削除することができ、その分、商品収容通路を長くすることが可能となるので、自動販売機の奥行き寸法を変更することなく商品収容数を増加させることが可能となる。しかも、冷却/加熱ユニットから庫内に吹き出された空気を吸込みダクトから側面ダクトを経由して背面ダクトから冷却/加熱ユニットに戻すように循環させることができるので冷却/加熱性能を損なうことないという効果を有する。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機によれば、請求項1に記載の自動販売機において、側面ダクトは前後方向に段差を有し、商品収納ラックの側面に位置する前方側に対して搬出通路の側面に位置する後方側を高くしたことにより、自動販売機の横幅寸法を変更することなく空気流通路の断面積を確保することができるので、冷却/加熱性能を損なうことがないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る自動販売機の一実施例を示す側面図である。
【図2】図1の商品収納庫内を示す斜視図である。
【図3】図2の商品収納庫内に配設されたダクト構成を示す斜視図である。
【図4】図3の背面ダクトを示し、(a)は組立状態の背面ダクトの斜視図、(b)は(a)の分解図である。
【図5】図3の吸込みダクトを示し、(a)は前方斜め下方から見た吸込みダクトの斜視図、(b)は(a)の背面斜視図である。
【図6】図3の側面ダクトを背面ダクトおよび吸込みダクトとともに示す斜視図である。
【図7】図1に示した自動販売機の商品搬出装置を商品収容通路外側(背面側)から見た斜視図である。
【図8】図1で示した自動販売機の商品搬出装置を商品収容通路内側から見た斜視図である。
【図9】図1の商品搬出装置の基板を示す背面斜視図である。
【図10】図1のリンク部材を示す斜視図である。
【図11】図1の第1ストッパを示す斜視図である。
【図12】図1の第2ストッパを示す斜視図である。
【図13】図1の商品搬出装置から売切検出スイッチを取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図14】図1の商品搬出装置の商品収納棚への組付け方法を示し、(a)は平面(上面)側から見た斜視図、(b)は(a)の背面(下面)側から見た斜視図である。
【図15】図14の商品収容棚の後方端に配備された姿勢制御板を示し、(a)は姿勢制御板を商品収容棚へ取付けた状態の斜視図、(b)は姿勢制御板を分解した状態の斜視図である。
【図16】本発明に係る自動販売機における商品搬出装置の動作説明図である。
【図17】従来装置に係る自動販売機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機について添付図面を参照して説明する。 図1は本発明が対象とする自動販売機の一例である一般的な缶入り飲料,ペットボトル入り飲料を販売する自動販売機の側面図、図2は商品収納庫内を示す斜視図である。図に示すように、この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット1と、本体キャビネット1の前面に開閉可能に支持された外扉2とからなる。本体キャビネット1の商品収納庫の前面は開閉可能な断熱内扉3によって閉塞されている。前記本体キャビネット1は鋼板製の外箱の内側、すなわち、上壁1a,左右側壁1b,背壁1cおよび底壁1dにウレタンフォームからなる断熱パネルを配設して断熱筐体として構成されている。前記本体キャビネット1の断熱パネルで囲まれた商品収容庫内は断熱仕切板100(図2参照)により左右方向に複数の商品収納室A1,A2に区画され、当該商品収納室A1,A2には図2に示すように、左右方向に複数配列されるとともに上下方向に多段に配設された商品収容棚42を備えた商品収納ラック4がそれぞれ収納設置されている。この実施の形態では、商品収納室A1に1個の商品収納ラック4が収納設置され、商品収納室A2に2個の商品収納ラック4が収納設置されている。なお、図2では本体キャビネット1の上壁1aおよび後述する本体キャビネット1の下部に設けられた機械室8を省略している。
【0014】
前記商品収納ラック4は、商品収容棚42が架設される左右のラック側板41を備えている。この左右のラック側板41は、矩形平板状の薄板鋼板製になり、この実施の形態では前後に2分割された前側ラック側板411と後側ラック側板412からなる。この前側ラック側板411および後側ラック側板412に対応して前記商品収容棚42も前後に分割されている。そして、前後の商品収容棚42は段差なく前後に連なると共に、商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する態様で前側ラック側板411および後側ラック側板412に架設されている。前後の商品収容棚42と左右のラック側板41に囲まれた内部空間が複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容する商品収容通路43(商品コラム)として構成され、この商品収容通路43(商品コラム)が上下多段(この実施の形態では10個の商品コラム)に形成されている。このように構成された商品収納ラック4が商品収容庫内に左右方向に複数並設されている。前記各商品収容通路43の商品搬出口45の近傍であって各商品収容通路43の上部、この実施の形態においては上段側の商品収容棚42の下面には当該商品収容通路43に収容された商品Gを一個ずつ切り出して搬出する商品搬出装置5が配設されている。この商品搬出装置5については後述する。なお、商品収納ラック4は左右のラック側板41に上端に架け渡されたラック側フック金具を、本体キャビネット1における商品収容庫の天井面に配設した本体側フック金具に掛け止めすることにより商品収納庫内に設置されているものである。
【0015】
前記各商品収納ラック4に上下多段に配設された商品収容通路43の商品搬出口45は同一の鉛直線上に位置しており、前記商品搬出口45と商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁1c)との間が商品Gの落下する搬出通路46として形成されている。そして、各商品収容棚42の後端部には、前記搬出通路46に突出する突出位置と、落下する商品Gにより押し開かれて搬出通路46から退避する退避位置との間を回動する姿勢制御板47が配備されている。この姿勢制御板47の構成については後述するが、コイルばねにより搬出通路46に向けて突出するように付勢されており、搬出通路46を落下する商品Gにより押し開かれて搬出通路46から退避する際、当該商品Gの姿勢を横倒し姿勢に矯正するとともに当該商品Gの落下エネルギーを吸収してその落下速度を低減させる機能を有している。前記本体キャビネット1の背壁1cの前面には当該背壁1cに沿って蛇行状の通路形成部材10が配設されている。この通路形成部材10は、搬出通路46を挟んで上下多段の商品収容通路43の商品搬出口45に対峙する態様で山部11と谷部12とが上下方向に連続して連なる一枚の薄板鋼板により形成されている。この通路形成部材10は谷部12が前記搬出通路46に突出した突出姿勢の姿勢制御板47の先端と対峙するように定められている。
【0016】
前記商品収納ラック4の下部には前下がりの姿勢に配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュート6が設けられている。この商品搬出シュート6は前記搬出通路46と断熱内扉3に設けたフラッパ付きの商品搬出口31を介して外扉2の商品取出口21とを連係する。また、前記商品搬出シュート6の下部には、商品収納庫内を冷却若しくは加熱して商品収納ラック4に収容した商品Gをコールド若しくはホット状態に保存する冷却/加熱ユニット7が配設され、この冷却/加熱ユニット7の風洞7aに連ねて背面ダクト13が設けられている。さらに、本体キャビネット1の下部の機械室8には、冷却/加熱ユニット7の冷却ユニットと冷凍サイクルを形成する冷凍機コンデンシングユニット9が配設されている。
【0017】
なお、外扉2の前面には、図示は省略するが、本体キャビネット1の庫内に収納した商品Gに対応した複数の商品見本を展示した商品展示室、購入する商品Gを指定する商品選択ボタン、代価としての硬貨を投入する硬貨投入口、代価としての紙幣を挿入する紙幣挿入口、釣銭硬貨若しくは返却指令により返却される硬貨を取り出すための硬貨返却口、釣銭若しくは投入硬貨の返却を指示する返却レバーなど、貨幣の投入により商品Gの自動販売に必要な部品が配設され、さらに、外扉2を本体キャビネット1に閉止鎖錠する扉ロック機構のハンドルなどが設けられている。
【0018】
前記本体キャビネット1の商品収納庫の背壁1cの上部には吸込みダクト14が設けられ、この実施の形態では商品収納ラック4ごとに吸込みダクト14が配設されている。この吸込みダクト14は商品収納室内の空気を吸い込み、次の図3で説明する側面ダクト15を介して背面ダクト13(冷却/加熱ユニット7)に戻すためのものである。以下、前記冷却/加熱ユニット7から吹き出された加熱若しくは冷却された空気の循環経路を形成するダクト構成について図3を用いて説明する。なお、図3は、図2から商品収納ラック4、商品搬出シュータ6、風洞7a(冷却/加熱ユニット7)および断熱仕切板100を除去した状態を示すものである。
【0019】
図3において、13および14で再び背面ダクトおよび吸込みダクトを示し、15は側面ダクトである。前記側面ダクト15は、本体キャビネット1の左右側壁1b,1bおよび断熱仕切板100の商品収納室A2側の側面に沿わせて庫内底部から上部に向けて立上がるように敷設されている。側面ダクト15は庫内底部側においては背面ダクト13と連通し、上部側においては吸込みダクト14と連通するように構成されている。ここで、1個の商品収納ラック4が収納設置される比較的狭い商品収納室A1には側面ダクト15が一方の側面、この実施の形態では正面視左側の側壁1bに敷設され、2個の商品収納ラック4が収納設置される比較的広い商品収納室A2には側面ダクト15が左右側面、この実施の形態では正面視右側の側壁1bと断熱仕切板100の商品収納室A2側の側面に敷設されている。比較的広い商品収納室A2において側面ダクト15を左右側面に敷設しているのは、2個の商品収納ラック4に対応して庫内空気の循環経路を二つに分散させ、2個の商品収納ラック4に庫内空気を十分に循環させることができるようにするとともに2個の商品収納ラック4に収容された商品Gを効率良く冷却若しくは加熱するためである。このように、商品収納室A1には側面ダクト15に連通する一つの吸込みダクト14、商品収納室A2には左右の側面ダクト15,15にそれぞれ連通する二つの吸込みダクト14,14が敷設されている。なお、図3において、101〜104はそれぞれ板金により形成され、ウレタンフォームの断熱パネルからなる左右側壁1b,1b、背壁1c、断熱仕切板100の表面を覆って保護する保護部材であり、この保護部材101〜104に背面ダクト13、吸込みダクト14をねじで固着するように構成されている。次に、それぞれのダクト構成について説明するが、商品収納室A1に敷設されたダクト構成を主に説明し、商品収納室A2に敷設されたダクト構成については商品収納室A1と異なる点のみを説明することとする。
【0020】
前記商品収納室A1に敷設された背面ダクト13を図4に示す。背面ダクト13は板金加工品のダクト本体13Aとガイド部材13Bとからなり、両者を溶接結合してなるものである。前記ダクト本体13Aは、矩形平板の上下縁および正面視右縁を後方に折り曲げて壁面となし、背面および左端が開放した箱形に形成され、ダクト本体13Aの平板面(前面)には窓穴13A1が設けられている。前記ダクト本体13Aの上壁の後方端縁には上方に向けて折り曲げられたフランジ13A2が形成されるとともに上壁の左縁には上方に向けて折り曲げられた係止片13A3が形成されている。また、前記ダクト本体13Aの平板面(前面)左縁には前方に向けて折り曲げられた当接片13A4が形成されている。前記ガイド部材13Bは、矩形平板を鈍角に折り曲げて上縁にフランジ13B1が形成されるとともに右縁にもフランジ13B2が形成されている。前記ガイド部材13Bの大きさは、ダクト本体13Aの内部に丁度嵌まり込む大きさに形成されている。
【0021】
前記ガイド部材13Bはダクト本体13Aの背面側から箱状のダクト本体13Aの内部に組み込まれる。そして、ダクト本体13Aの上壁とガイド部材13Bのフランジ13Bとをスポット溶接し、さらに、ダクト本体13Aの平板面における窓穴13A1の右端側とフランジ13B2とをスポット溶接する。これによりダクト本体13Aの背面を閉塞し、ダクト本体13Aの窓穴13A1と左端の開放部とが連通するようにガイド部材13Bが組付けられた背面ダクト13が形成される。背面ダクト13は背壁1cの前面に設けた板金製の保護部材101(図3参照)にねじ止めして敷設されるが、これについては後述する。なお、背面ダクト13の高さ寸法は商品搬出シュート6の後部側の高さよりも低く、冷却/加熱ユニット7の風洞7aに収まるように設定されている。
【0022】
前記商品収納室A1に敷設された吸込みダクト14を図5に示す。吸込みダクト14は板金加工品になり、矩形平板の上下縁および正面視右縁を後方に折り曲げて壁面となし、背面および左端が開放した箱形に形成され、下壁の一部を切り欠いて吸込み口141が設けられている。前記吸込みダクト14の上壁および下壁の後方端縁にはそれぞれ上方および下方に向けて折り曲げられたフランジ142,142(図5の(b)参照)が形成されるとともに下壁の左縁には下方に向けて折り曲げられた係止片143が形成されている。また、前記フランジ142,142にはそれぞれねじ挿入穴1421,1421が形成されている。前記吸込みダクト14は右壁方向から見た場合、略正四角形の形状をなしている。この吸込みダクト14は背壁1aの前面に設けた板金製の保護部材102(図3参照)にねじ止めして敷設されるが、これについては後述する。なお、吸込みダクト14は、スラントラックの宿命である商品収納庫の背面側上部に形成されるデッドスペース(空きスペース)に敷設されている。すなわち、図1に示すように、商品収納庫に収納設置される商品収納ラック4には、商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する態様の商品収容棚42が架設されることから、商品収納庫の背面側上部には空きスペースが生じることとなるが、この実施の形態では吸込みダクト14は前記空きスペースに敷設されている。
【0023】
前記商品収納室A1に敷設された側面ダクト15を図6に示す。側面ダクト15は板金加工品の前方ダクト部材15Aと後方ダクト部材15Bからなり、両者を溶接により結合してなるものである。前方ダクト部材15Aは矩形平板のうちの上下縁および前縁を一方側に折り曲げて壁面となし、底面(本体キャビネット1における正面視左側の側壁1b側)および後方側が開放した薄い箱型に形成されている。前方ダクト部材15Aの前壁には前方側に折り曲げられたフランジ15A1が形成されるとともに上端部に側壁1b側に突出する係止爪15A2が形成されている。前方ダクト部材15Aの残りの縁(後縁)は他の縁とは反対方向に折り曲げられて係合壁(図では後方ダクト部材15Bの前壁に隠れて見えない)として形成されている。後方ダクト部材15Bは矩形平板の周縁を同一方向に折り曲げて壁面となす一方、前壁については他の壁面よりも背の低い係合壁15B0となし、底面(本体キャビネット1における正面視左側の側壁1b側)および前方側が開放するとともに前方ダクト部材15Aよりも一段高い箱形に形成されている。後方ダクト部材15Bの平板面の上下端にはそれぞれ上部窓穴15B1、下部窓穴15B2が設けられている。上部窓穴15B1は前述した吸込みダクト14に対応して略正四角形に形成され、その窓穴の後縁には切り起しにより後壁に連なるガイド片15B11が形成されている。下部窓穴15B2は前述した背面ダクト13に対応して上下方向に長い長辺形に形成され、その窓穴の後縁には切り起しにより後壁に連なるガイド片15B21が形成されている。また、後方ダクト部材15Bの上壁には本体キャビネット1における正面視左側の側壁1b側に向けて突出する係止爪15B3が形成されている。さらに、後方ダクト部材15Bの後壁には前方側に折り曲げられたフランジ15B4が形成されている。
【0024】
前記後方ダクト部材15Bは前方ダクト部材15Aの後端に連なるように組付けられる。すなわち、後方ダクト部材15Bの前壁である係合壁15B0が前方ダクト部材15Aの後縁に形成された係合壁に被さるとともに前後に重ね合わせたうえで、両係合壁を溶接により固着する。これにより、前方ダクト部材15Aと後方ダクト部材15Bとが一体に結合されて側面ダクト15が形成される。なお、側面ダクト15における背の低い前方ダクト部材15Aは商品収納ラック4におけるラック側板41の側面に位置し、前方ダクト部材15Aよりも背の高い後方ダクト部材15Bは搬出通路46の側面に位置している。このように側面ダクト15に前後方向に段差を設けたのは、限られた自動販売機の横幅寸法内で側面ダクト15における空気流通路の断面積を確保し、後方ダクト部材15Bの高さを少しでも高くして風損を抑制するためである。
【0025】
この側面ダクト15は、図3に示すように、本体キャビネット1の背壁1cに後壁(後方ダクト部材15Bの後壁)を当接させた状態で本体キャビネット1の左側の側壁1bに沿わせて庫内底部から上部に向けて立上がるように敷設される。このとき、側面ダクト15の係止爪15A2,15B3の先端を側壁(断熱ボード)1bに差し込んで係止する。この場合、係止爪15A2,15B3には切り起しにより「銛」状の突起が形成されており、この突起が抜け止めとして機能する。
【0026】
このように、本体キャビネット1の側壁1bに敷設された側面ダクト15に対して背面ダクト13と吸込みダクト14が次のように組付けられる。すなわち、背面ダクト13は箱形の左端を側面ダクト15の下部窓穴15B2に対峙させたうえで、係止片13A3を下部窓穴15B2に通して側面ダクト15内に潜り込ませる。この場合、背面ダクト13の左端上部が側面ダクト15に近接し、背面ダクト13の左端下部が側面ダクト15から離隔するように傾けた状態で係止片13A3を下部窓穴15B2に通した後、背面ダクト13の左端下部を側面ダクト15に近接させる。そうすると、背面ダクト13の係止片13A3が側面ダクト15の下部窓穴15B2の上縁背面に当接する一方、背面ダクト13の当接片13A4が側面ダクト15の下部窓穴15B2の前縁表面に当接し、背面ダクト13と側面ダクト15とが相互に連結される。そして、背面ダクト13の後方端縁に形成したフランジ13A2を背壁1cの前面に設けた板金製の保護部材101(図3参照)にねじ止めする。これにより、背面ダクト13は側面ダクト15に連通した状態で背壁1cに敷設される。なお、側面ダクト15の下部窓穴15B2の後縁に設けたガイド片15B21は背面ダクト13を構成するガイド部材13Bの背面に当接し、係止片13A3および当接片13A4とともに背面ダクト13と側面ダクト15の下部窓穴15B2との接合部の空気漏れを防止するシール機能を有するものである。
【0027】
また、吸込みダクト14は箱形の左端を側面ダクト15の上部窓穴15B1に対峙させたうえで、係止片143を上部窓穴15B1に通して側面ダクト15内に潜り込ませる。この場合、吸込みダクト14の左端下部が側面ダクト15に近接し、吸込みダクト14の左端上部が側面ダクト15から離隔するように傾けた状態で係止片143を上部窓穴15B1に通した後、吸込みダクト14の左端上部を側面ダクト15に近接させる。そうすると、吸込みダクト14の係止片143が側面ダクト15の上部窓穴15B1の下縁背面に当接し、吸込みダクト14と側面ダクト15とが相互に連結される。そして、吸込みダクト14の上壁および下壁の後方端縁に形成したフランジ142,142を背壁1cの前面に設けた板金製の保護部材102(図3参照)にねじ止めする。これにより、吸込みダクト14が側面ダクト15と連通した状態で背壁1cに敷設される。なお、側面ダクト15の上部窓穴15B1の後縁に設けたガイド片15B11は開放した吸込みダクト14の背面の一部を閉塞する機能を有し、吸込みダクト14における吸込み口141から吸込まれた空気が上部窓穴15B1を通ることなく背壁1c側に漏れるのを防止するものである。
【0028】
図3に示すように、庫内(商品収納室A1)に背面ダクト13,吸込みダクト14および側面ダクト15を組付けたうえで、背面ダクト13の前方に冷却/加熱ユニット7(図1参照)が配設され、この冷却/加熱ユニット7の風洞7aが背面ダクト13に連ねて設置される。そして、冷却/加熱ユニット7の運転が開始された場合の空気の循環経路を図1も参照しながら説明すると、冷却/加熱ユニット7の運転(例えば、冷却運転)が開始されると冷却/加熱ユニット7で熱交換されて冷却された空気は不図示の庫内ファンにより商品搬出シュータ6の通風孔を介して庫内に吹き出される。庫内に吹き出された空気は商品収納ラック4に収容された商品Gを冷却しながら上昇して吸込みダクト14の吸込み口141から吸込まれる。吸込みダクト14に吸込まれた空気は、側面ダクト15の上部窓穴15B1から側面ダクト15内を経由して側面ダクト15の下部窓穴15B2から背面ダクト13に導かれた後、背面ダクト13の窓穴13A1から冷却/加熱ユニット7の風洞7aに戻される。ここで、側面ダクト15に形成したフランジ15A1,フランジ15B4が側壁1bの表面に当接(密着)するように構成されており、冷却/加熱ユニット7から庫内下部に吹き出された空気が側面ダクト15と側壁1bとの間の隙間から吸込まれてショートカットされるのを防止している。また、背面ダクト13と側面ダクト15の下部窓穴15B2との接合部についても、前述したように、側面ダクト15の下部窓穴15B2の後縁に設けたガイド片15B21、背面ダクト13に設けた係止片13A3および当接片13A4によりシール機能を高めて庫内空気の循環経路がショートカットされるのを防止している。
【0029】
ところで、図3における商品収納室A2における断熱仕切板100の側面に沿わせて庫内底部から上部に向けて立上がるように敷設された側面ダクト15は前述した商品収納室A1の側壁1b(本体キャビネットの左側の側壁1b)に敷設した側面ダクト15と同一の構成である一方、商品収納室A2の側壁1b(本体キャビネットの右側の側壁1b)に沿わせて庫内底部から上部に向けて立上がるように敷設された側面ダクト15は商品収納室A1の側面ダクト15と左右相称に構成されている。また、商品収納室A2の正面視左側の吸込みダクト14は前述した商品収納室A1の吸込みダクト14と同一の構成(左右方向の長さは異なる)である一方、商品収納室A2の正面視右側の吸込みダクト14は前述した商品収納室A1の吸込みダクト14と左右相称(左右方向の長さは異なる)に構成されている。さらに、商品収納室A2の背面ダクト13は商品収納室A1の背面ダクト13を左右相称に並べたものに相当する。この場合、商品収納室A2の背面ダクト13のダクト本体13Aは、一つの部材により形成されて背面および左右両端が開放した箱形に形成されるとともに平板面(前面)に2つの窓穴が設けられ、この2つの窓穴を区画するように2枚のガイド部材13B(図4参照)がダクト本体13Aの内部に嵌め込まれている。なお、2枚のガイド部材13Bはフランジ13B2を延在させて両者を連結させた形状の一つの部材により形成することもできる。
【0030】
次に、前記商品搬出装置5は、前記各商品収容通路43の商品搬出口45の近傍であって各商品収容通路43の上部、この実施の形態においては上段側の商品収容棚42の下面に配設されている。この商品搬出装置5の商品収容棚42への組付けについては後述することとし、先ず、商品搬出装置5の構成について説明する。
【0031】
前記商品搬出装置5は、図7および図8に示すように、鋼板製の基板50を備えている。この基板50の平板状の矩形板面は商品収容通路43の通路面を形成するものである。前記基板50は、図9も参照すると分かるように、平板状の矩形周縁を商品収容通路43と反対側(基板50の背面側)に折り曲げた上下左右のフランジ50A〜50Dにより背面側が開口した薄い箱形に形成されている。また、前記基板50の下半領域には、商品収容通路43に通じる矩形の大きな開口部51が設けられ、基板50の上半領域には、その左右中央位置の開口部52Aと、その左右一方側に片寄せた位置に押出し成形された凹部52Bが設けられている。前記開口部51における左右の縁部には基板50の背面側に鉛直に立上がるフランジ51A,51Bが設けてある。ここで、商品搬出装置5における上下とは商品の進行方向に対する前後方向の前側(商品投入口44側)および後側(商品搬出口45側)を指し、左右とは自動販売機の正面から見た場合の左側および右側を指している。
【0032】
前記基板50の背面(商品収容通路43とは反対側の面)には、軸受部材53、電磁ソレノイド54、リンク機構55、第1ストッパ56、第2ストッパ57、売切検出スイッチ(売切検出手段)58が配設されてなる。
【0033】
前記軸受部材53は基板50における開口部51を形成する際に、その開口部51を左右に分断するように基板50の板面の一部を残して形成されたものであり、背面側への押し出しによって前記開口部51における上下縁部に跨って架設された桁橋状をなしている。この軸受部材53は桁橋状の「桁」に相当する部分が基板50の平板面により背面側に浮き上がるように形成されており、その左右両側を背面側にフランジ状に折り曲げて軸受部530,530が形成されている。前記軸受部材53は、リンク機構55、第1ストッパ56、よび第2ストッパ57に関わる各リンクピン(後述)の一方端を支持し、各リンクピンの他方端は基板50の開口部51の右縁に形成されたフランジ51B(図9参照)により支持している。なお、軸受部材53とフランジ51Bとにおける上記各リンクピンを支持する構成はほぼ対称の構成であるので、以下の説明では、軸受部材53を代表として説明する。
【0034】
前記軸受部材53の構成について、図9をも参照しながら説明すると、その軸受部530,530にそれぞれ上下方向に延在する長溝531および長溝532を設けている。長溝531は軸受部材53の上方側に設けてあり、長溝532は軸受部材53の下方側に設けている。長溝531は、リンク機構55に関わる上部リンクピン55A(図7参照)を上下方向にスライド移動可能に支持している。長溝532は、リンク機構55に関わる下部リンクピン55B(図7参照)を上下方向にスライド移動可能に支持している。前記上部リンクピン55Aおよび前記下部リンクピン55Bは、互いに平行に設けてある。また、軸受部530,530には上下方向のほぼ中央位置に支軸穴533を設けている。そして、基板50の開口部51の右縁に形成されたフランジ51Bにも軸受部材53の長溝531および長溝532と対称に上下方向に延在する一対の長溝51B1,51B2が形成されるとともに上下方向のほぼ中央の位置に支軸穴51A0,51B0を設けている。前記開口部51の左縁に形成されたフランジ51Aの上下方向のほぼ中央の位置には、前記フランジフランジ51Bの支軸穴51B0と同様に支軸穴51A0を設けている。これらの支軸穴51A0,51B0は、第1ストッパ56および第2ストッパ57に共通のストッパ軸500(図7参照)を支持している。このストッパ軸500は、上部リンクピン55Aおよび下部リンクピン55Bと平行に配置してあって、基板50の開口部51における上下方向のほぼ中央部を横切る態様で配設され、その左右端部が前記フランジ51A,51Bの支軸穴51A0,51B0に支持され、その中央部が軸受部材53の支軸穴533に支持されている。
【0035】
前記電磁ソレノイド54は、基板50の凹部52B(図9参照)の位置に配設されている。この電磁ソレノイド54は前記凹部52Bの上縁に切り起しにより形成された固定片52B1,52B1にねじにより固定されている。電磁ソレノイド54は通電により励磁されてプランジャー540を吸引するとともに当該プランジャー540を吸引した状態で拘束し、通電が断たれることにより釈放してプランジャー540の拘束を解除するものである。電磁ソレノイド54は、所定時間幅の販売指令(通電)に基づいて作動し、後述するリンク機構55を介して第1ストッパ56および第2ストッパ57を商品収容通路43に出没させるものであり、リンク機構55の駆動手段を構成する。
【0036】
前記リンク機構55は、リンク部材550からなり、図7に示すように駆動手段としての電磁ソレノイド54のプランジャー540に連結されている。このリンク機構55は電磁ソレノイド54とともに基板50の背面側の左右一方側に片寄せた位置に配設されている。
【0037】
前記リンク部材550は鋼板製になり、その上端には、図10に示すように連結部551が形成されている。この連結部551を前記電磁ソレノイド54のプランジャー540の係合穴に係止させることによりリンク部材550が電磁ソレノイド54と連結される。また、リンク部材550には、上記上部リンクピン55Aが貫通する係合穴553を有する左右一対の上部係合部552を設けている。この上部係合部552はリンク部材550の上下動作に連動して上部リンクピン55Aを上下方向にスライド移動させるものである。さらに、リンク部材550の下端には、上記下部リンクピン55Bが貫通する係合穴555を有する左右一対の下部係合部554を設けている。この下部係合部554はリンク部材550の上下動作に連動して下部リンクピン55Bを上下方向にスライド移動させるものである。前記下部係合部554の中間位置には切欠556が形成されている。この切欠556は捻りコイルばねからなる復帰ばね59(図7参照)の一方を下部リンクピン55Bに係合させる際の逃げ穴として構成されている。前記復帰ばね59の他方(下方)は基板50における下縁の壁面に係止されている。この復帰ばね59は電磁ソレノイド54のプランジャー540を復帰させるものである。
【0038】
前記第1ストッパ56は、図7に示すように、基板50の開口部51の左右両側フランジ51A,51B間に架設されたストッパ軸500に回動可能に支持されている。第1ストッパ56は、ストッパ軸500を中心として回動して、基板50の開口部51から商品収容通路43に突出する突出位置と、開口部51を閉塞する態様で商品収容通路43から退く退避位置との間に移動可能である。ストッパ軸500には、捻りコイルばねからなる第1付勢ばね501(図7参照)が巻装してある。第1付勢ばね501は一端が第1ストッパ56に係止され、他端が基板50の開口部51の左縁に形成したフランジ51Aから開口部51側に折り曲げられた係合片51Cに係止されている。前記第1ストッパ56は、第1付勢ばね501の弾性付勢力によって突出位置に向けて常に付勢されており、突出位置においてその商品収容通路43に対向する面が商品G(図16参照)を保持する保持面として形成されている。なお、第1付勢ばね501は第1ストッパ56の商品収容通路43から退避した状態から商品収容通路43に突出するように復帰を補助するものであり、第1ストッパ56がその自重により復帰する場合には必ずしも必要なものではない。
【0039】
前記第1ストッパ56は、図11に示すように、金属板560の背面に樹脂製(たとえば、ポリアセタール)のロック部材566を備えて構成されている。
【0040】
前記第1ストッパ56の金属板560は、左右方向が長辺となる長方形の平板からなり、ロック部材566が固着される背面と反対側の面が商品の保持面となる。この金属板560の先端側(図11では右斜め下方側)から左右側面に跨る先端部外周には、端部を背面側に折り返して二つ折りして重ね合わせたダブルホールド561が施されて機械的強度を高められている。また、金属板560の左右側面部には、前記ダブルホールド561に連ねて背面側に直角に折り曲げられた側壁部562,562が形成されており、この側壁部562,562の基端側には軸穴563,563が形成されている。前記側壁部562,562がダブルホールド561に連ねて連続していることにより金属板560の左右側面部に鋭利なエッジが現れることがない。すなわち、側壁部562,562とダブルホールド561との間に切れ目を入れて側壁部562,562を係止面に対して直角に折り曲げた場合、ダブルホールド561との間の切れ目部分が峭立し、この峭立した箇所が鋭利なエッジとして側壁部562の前端に現れることとなる。この鋭利なエッジに商品(容器)が当接すると商品が傷ついたり、破損するおそれがある。これは、第1ストッパ56が商品サイズに対して小さく、また、容器形態が軟弱なペットボトル容器入りの商品の場合には容器の変形量が大きく、さらには商品の転動姿勢が傾いている場合には商品が第1ストッパ56に衝突した際に第1ストッパ56の左右側面部の背面にまで回り込むように変形してその左右側壁部562のエッジに当接してしまうおそれがあるからである。また、前記側壁部562のエッジは商品搬出装置5の組立工程や、自動販売機のメンテナンスを行う場合に誤って手を触れるおそれがある。したがって、前記側壁部562,562をダブルホールド561に連ねて連続して形成することにより左右側壁部562,562に鋭利なエッジが形成されることがなく、商品の破損や手に怪我をするおそれをなくすことができる。
【0041】
前記金属板560に切り起しにより形成された係止爪564はロック部材566を係止するためのものである。前記ロック部材566は金属板560に次のようにして組み付けられている。すなわち、前記金属板560の基端側には、金属板560の機械的強度を上げるためにフランジが形成され、このフランジの先端を折り曲げて溝部565が形成されている。前記ロック部材566は前記溝部565に一端を嵌合するとともに他端を前記係止爪564に係止されることにより金属板560に一体的に係止されている。
【0042】
前記金属板560に係止爪564により係止されたロック部材566は弓状の突起567を挟んで左右にガイド突起568,568が並設されている。前記弓状の突起567と右側のガイド突起568(図11では左側のガイド突起568)との間には前記リンク部材550が位置し、前記弓状の突起567と左側のガイド突起568(図11では右側のガイド突起568)との間には軸受部材53が位置するものである。前記ガイド突起568,568にはそれぞれ異形溝56A,56Aが形成されている。各異形溝56A,56Aは、前記リンク部材550における下部リンクピン55Bの左右両端をガイドするものであって左右対称に形成されており、円弧状のガイド溝56Bの端部にロック溝56Cと遊び溝56Dが形成されている。前記異形溝56Aの内周壁は下部リンクピン55Bが摺動するカム面として形成されている。前記弓状の突起567における円弧状の内壁面は異形溝56Aにおけるガイド溝56Bの円弧の曲率と略同一の曲率に形成されている。前記弓状の突起567の先端は、各異形溝56A,56Aのロック溝56C,56Cにおけるガイド溝56B,56B寄りの縁部を結ぶ線上に位置しており、前記リンク部材550における下部リンクピン55Bに当接するものである。また、ロック部材566には軸挿通部569が形成されており、この軸挿通部569と対峙してそれぞれのガイド突起568,568の基端側には軸穴(不図示)が形成されているものである。前記軸挿通部569およびガイド突起568,568の軸穴と、前記金属板560の側壁部562,562に形成された軸穴563,563は前記ストッパ軸500を挿通するためのものである。前記軸挿通部569に形成した突部569Aは軸挿通部569の左右端部にそれぞれ設けられており(図11では一方のみが見えている)、この左右一対の突部569Aの間に前記リンク部材550を配設することによりリンク部材550を位置決めするものである。
【0043】
第1ストッパ56が商品収容通路43に突出した状態(電磁ソレノイド54が釈放された販売待機状態)では、弓状の突起567の先端がリンク部材550の下部リンクピン55Bと対峙し、下部リンクピン55Bが異形溝56Aにおけるロック溝56Cに位置する一方、電磁ソレノイド54が励磁された販売状態では、リンク部材550の下部リンクピン55Bが上昇する際に異形溝56A,56A内を摺動することにより第1ストッパ56が商品収容通路43から退避する退避位置に向けて移行した後、下部リンクピン55Bが異形溝56Aにおける遊び溝56Bに位置する。このように、異形溝56Aの内周壁は下部リンクピン55Bが摺動するカム面として作用し、第1ストッパ56を商品収容通路43に突出した突出位置と商品収容通路43から退避した退避位置とに移動させる機能を備えている。なお、ガイド突起568,568に弓状の突起567を投影させると弓状の突起567の内壁面が異形溝56Aにおけるガイド溝56Bに沿うとともに弓状の突起567の先端が異形溝56Aにおけるロック溝56Cに沿うことから、異形溝56Aが形成されたガイド突起568,568を弓状の突起として用いることもできるものである。
【0044】
図7に戻り、前記第2ストッパ57は、樹脂製(たとえば、ポリアセタール)になり、基板50の開口部51の左右両側フランジ51A,51Bの間に介在してあり、上記ストッパ軸500に回動可能に支持してある。第2ストッパ57は、ストッパ軸500を中心として回動して、基板50の開口部51から商品収容通路43に突出する突出位置と、開口部51を閉塞する態様で商品収容通路43から退く退避位置との間に移動可能である。ストッパ軸500には、上述した第1付勢ばね501に並置して捻りコイルばねからなる第2付勢ばね502が巻装してある。第2付勢ばね502は一端が第2ストッパ57に係止され、他端が基板50の開口部51の左縁に形成したフランジ51Aから開口部51側に折り曲げられた係合片51Cに係止されている。第2ストッパ57は、第2付勢ばね502の弾性付勢力によって退避位置に向けて常に付勢されている。
【0045】
前記第2ストッパ57は、図12に示すように、左右方向が長辺となる矩形状の基台570の先端側(図12では上側)に形成した商品係止部571と、基台570の背面側に張り出した3個のストッパ部572と、基台570の基端側に形成した複数の軸穴573と、基台570の左端(図12では右端側)から突出して形成された回動規制板574が一体成形されている。基台570の基端側に形成した複数の軸穴573は、前記ストッパ軸500を挿通するためのものである。前記3個のストッパ部572のうちの中央のストッパ部572と右側(図12では左側)のストッパ部572との間にはリンク部材550が位置する一方、中央のストッパ部572と左側(図12では右側)のストッパ部572との間には軸受部材53が位置するものである。前記リンク部材550と軸受部材53とを配置するために商品係止部571にはリンク部材550と軸受部材53とを受け入れる切欠が形成されている。なお、商品係止部571の幅は箱形に形成された基板50の開口部51を介して当該箱内に格納される大きさに形成されている。
【0046】
また、前記ストッパ部572には頂上に向けて開放する凹状の摺動溝57Aが形成され、この摺動溝57Aはリンク部材550における上部リンクピン55Aが摺動可能なものであり、第2ストッパ57の退避位置において上部リンクピン55Aを凹状最深部に受け入れるものである。前記ストッパ部572における摺動溝57Aの開放端部に設けたストッパ面57Bは、第2ストッパ57の商品収容通路43への突出時に上部リンクピン55Aと当接して第2ストッパ57にかかる商品荷重を受け、当該第2ストッパ57を突出位置でロックするものである。また、回動規制板574は、第2ストッパ57が商品収容通路43へ突出した際に基板50に当接して第2ストッパ57の商品収容通路43への突出量を制限、言い換えれば第2ストッパ57の突出位置を定めるものである。
【0047】
前記売切検出スイッチ58は、基板50の開口部52A(図9参照)の位置に配設されている。この売切検出スイッチ58は、図13に分解して示すように、マイクロスイッチ581と商品収容通路43に突出する商品検知レバー582とを有し、これらのマイクロスイッチ581および商品検知レバー582を、合成樹脂(例えば、ポリアセタール)からなる額縁状の取付台583に組付けたものである。前記商品検知レバー582は左右に突出する係合軸582A,582Aを取付台583に形成した係合穴5830,5830に係合させることにより回動自在に軸支されている。また、前記商品検知レバー582の内方に向けて突出する左右一対の軸582B,582Bには、一端が取付台583に係止され、他端が商品検知レバー582に係止される捻りコイルばね584が組付けられるものである。前記捻りコイルばね584は、商品検知レバー582のレバー片5821を商品収容通路43に向けて進出するように付勢する。商品検知レバー582の操作片5820はマイクロスイッチ581のアクチュエータ5810に対峙しており、商品収容通路43に商品がある状態においてレバー片5821が商品に押されて基板50の平面に沿うように後退している場合にはアクチュエータ5810から離れており、商品収容通路43に商品がない状態(売切れ状態)になって捻りコイルばね584によりばね付勢されたレバー片5821が商品収容通路43に進出した場合にアクチュエータ5810を押圧してマイクロスイッチ581を作動させるように構成されている。
【0048】
前記取付台583の上辺および左右側辺には突部583A,583A、583B,583Bがそれぞれ形成されるとともに下辺にはΩ状に形成された可撓性部583Cが形成されている。この可撓性部583Cは左右側辺の外側から左右側辺が接近するような外力が加えられることにより撓んで左右側辺の接近を許容し、前記外力が除去されると左右側辺を元の位置に復帰させるものである。一方、図8にも示すように、基板50の上壁には係止穴52A1,52A1が形成されるとともに開口部52Aの左右側縁に形成されたフック状の係合片52A2および係合穴付きの係合突起52A3(図9参照)が形成されている。
【0049】
前記取付台583は基板50に対して次のように取付けられる。すなわち、前記取付台583の上辺に形成した突部583A,583Aを基板50の上壁に形成した係止穴52A1,52A1に差し込むと同時に左右側辺を内側に向けて撓ませた後、左右側辺に形成した突部583B,583Bを基板50の開口部52Aの左右に形成した係合片52A2のフックおよび係合突起52A3の係合穴に対峙させた上で左右側辺に加えた外力を解く。これにより取付台583の左右側辺が可撓性部583Cの作用により復帰してその突部583Bが基板50の開口部52Aの左右側縁に形成した係合片52A2のフックおよび係合突起52A3の係合穴に嵌合する。なお、マイクロスイッチ581には配線接続用コネクタ585が接続される。前記配線接続用コネクタ585の配線は、基板50の左端に形成された配線溝50E、すなわち、基板50のフランジ50Dと開口部51における右側のフランジ51Bとの間に形成された配線溝50Eを介して引き出される。前記配線溝50Eには電磁ソレノイド54の配線も合わせて敷設されている。
【0050】
さて、図9に示すように、商品搬出装置5の基板50には、矩形周縁を商品収容通路43と反対側(基板50の背面側)に折り曲げた上側のフランジ50Aおよび右側(図9では左側)のフランジ50Dの端部から基板50の板面に平行に延在された係止爪501,502が形成されている。この係止爪501,502は商品搬出装置5を商品収容棚42に組付けるためのものであり、次の図14を参照して商品搬出装置5の商品収容棚42への組付けとともの商品収容棚42のラック側板41(図1,図2参照)への取付けについて説明する。なお、図14では商品収容棚42から姿勢制御板47を取外した状態を示しており、商品収容棚42への姿勢制御板47の取付けについては後述する図15により説明する。
【0051】
図14は、商品収容棚42から商品搬出装置5を取外した分解図であり、(a)は平面(上面)側から見た分解斜視図、(b)は(a)の背面(下面)側から見た分解斜視図である。図14において、商品収容棚42は矩形鋼板製になり、その左右側縁から下方に折り曲げられたフランジ42A,42Bを形成して強度アップが図られている。商品収容棚42の前端(図では左斜め前方側)には中空円筒形状(カール状)に丸めた支持軸421が形成され、支持軸421の左右両端はそれぞれフランジ42A,42Bよりも外方に突出するように形成されている。また、商品収容棚42の後端には折り曲げにより形成された溝状の保持部422が設けられている。保持部422の左右両端はそれぞれフランジ42B,42Bよりも外方に突出するように形成されている。さらに、商品収容棚42の板面の前方寄りには、背面に向けて押し出し形成されたアーチ状の嵌合突起423,424が形成されており、その板面の後端には、第1ストッパ56のロック部材566における弓状の突起567および左右のガイド突起568,568が貫通する3つの逃げ穴425Aが形成されている。前記嵌合突起423,424は中央部分(アーチ部分)が商品収容棚42の背面から浮き上がり、前述した基板50の係止爪501,502の先端が通過可能な貫通穴(不図示)として形成されている。
【0052】
前述した商品収容棚42の支持軸421および保持部422に対応してラック側板41(図1,図2参照)には、図示は省略したが、それぞれ支持軸421の左右両端部が貫通する円形穴および保持部422の左右両端部が貫通するコ字状穴が形成されてい・BR>驍烽フである。したがって、商品収容棚42は支持軸421の左右両端部をラック側板41に形成した円形穴に差し込むと同時に保持部422の左右両端部をラック側板41に形成したコ字状穴に差し込むことによりラック側板41に係止固定される。このようにラック側板41に取付けられた商品収容棚42に対し、その下方から商品搬出装置5を組付ける。この場合、商品搬出装置5における基板50の上下左右のフランジ50A〜50Dの先端部を商品収容棚42の板面に当接させつつ、基板50に設けた係止爪501,502の先端を商品収容棚42に形成した嵌合突起423,424の貫通穴に差し込む。これと同時に、前記基板50の後端を商品収容棚42のコ字状の保持部42に差し込む。これにより商品搬出装置5が商品収容棚42にねじを使用することなく組付けられる。
【0053】
さて、図15は商品収容棚42の後方端に配備された姿勢制御板47を示し、(a)は姿勢制御板47を商品収容棚42へ取付けた状態、(b)は姿勢制御板47を分解した状態を示している。姿勢制御板47は矩形横長の薄板鋼板の加工品になり、下方に凸状に湾曲した姿勢制御板47の板面には押し出しにより複数条のリブ471が形成されている。姿勢制御板47の基端側には中空円筒形状(カール状)に丸めて形成された軸受472,472が設けられている。これらの軸受472,472には棒状の軸473が挿通される。また、前記一対の軸受472,472の間にはコイルばね474が設置され、このコイルばね474の中空部に前記軸473が挿通される。したがって、前記コイルばね474は軸473により保持されるものである。
【0054】
一方、商品収容棚42の後端縁の稜を切欠いて3個の開口部開口部430〜432が形成されている。また、開口部430〜432の両隣には商品収容棚42の通路面から背面側(商品収容棚42の通路面とは反対側)に切り起されるとともに後方に向いたフック片433,434が形成されている。さらに、フック片434の側方には前方に向いて切り起されたストッパ片435が形成されている。前記開口部431,432は姿勢制御部材47の左右一対の軸受472,472に対応して設けられ、当該軸受472,472を受け入れ可能な大きさに形成されている。また、前記開口部430はコイルばね474を受け入れ可能な大きさに形成されている。さらに、フック片433,434は商品収容棚42の板面との間に軸473が貫通する貫通穴を形成するとともに当該軸473を保持するものであり、ストッパ片475は軸473の抜け止めをなすものである。
【0055】
前記姿勢制御板47の商品収容棚42への取付けは次のとおりである。すなわち、作業台の上に置いた商品収容棚42の後方側(図15では右斜め前方側)から姿勢制御板47の左右一対の軸受472,472を開口部431,432に嵌め込んだ状態で、軸473を商品収容棚42の側面から商品収容棚42の後端の稜の背面に沿わせて差し込む。ここで、軸473が一方のフック片433(図では左側)により形成された貫通穴を通り、姿勢制御板47の一方の軸受472(図では左側)を貫通して開口部430に到達した時点で軸473の差込みを一旦停止する。この状態で前記開口部430にコイルばね474を装着する。この場合、コイルばね474は付勢力を蓄積した状態で一方の端部を商品収納棚42の背面に引っ掛ける一方、他方の端部を姿勢制御板47の背面に引っ掛ける。このように、開口部430にコイルばね473を装着した後、軸473の差込みを再開する。そして、前記軸473を、コイルバネ474,姿勢制御板47の他方の軸受472(図では右側),他方のフック片433(図では右側)により形成された貫通穴を貫通させた後、ストッパ434に当接させるまで差込む。これにより、コイルばね474に付勢された姿勢制御板47が商品収納棚42の後端部に軸473を中心に回動自在に軸支される。
【0056】
なお、姿勢制御板47はコイルばね474により搬出通路46(図1参照)に向けて突出するように付勢されており、商品Gが当接していない状態では図15の(a)に示すように商品収容棚42の通路面の延長線上の突出位置に保持される。これは姿勢制御板47の軸受472,472が形成されている基端側の端面が商品収納棚42の後端から下方に折り曲げられた板面に当接するように定められていることによる。
【0057】
次に、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品搬出装置5の動作について図16も参照しつつ説明する。なお、図16では商品搬出装置5の動作を理解し易くするため概略構成を示し、姿勢制御板47についても割愛している。また、図16においては上下2段の商品収容通路43(商品コラム)を示しており、上段側の商品収容通路43(商品コラム)に係る商品搬出装置5については販売待機状態、下段側の商品収容通路43(商品コラム)に係る商品搬出装置5については販売途中の状態を実線で示している。
【0058】
販売待機状態における商品搬出装置5は、図16の上段側の商品収容通路43に配設した商品搬出装置5のように、電磁ソレノイド54が通電されていない状態であって、リンク部材550が復帰ばね59(図6参照)によって下降位置に復帰している状態である。この販売待機状態においては、上部リンクピン55Aが軸受部材53の長溝531(図9参照)と、基板50の開口部51の右縁側のフランジ51Bの長溝51B1とに沿って下方に移動し、下部リンクピン55Bが軸受部材53の長溝532(図9参照)と基板50の開口部51の右縁側のフランジ51Bの長溝51B2に沿って下方に移動している。そして、第1ストッパ56は、第1付勢ばね501の弾性付勢力によって商品収容通路43に突出しており、次のように突出位置にロックされている。すなわち、下降している下部リンクピン55Bが、第1ストッパ56の金属板560の背面に設けた弓状の突起567の先端に対峙しているとともに弓状の突起567の左右に設けたガイド突起568,568の異形溝56A,56Aのロック溝56C,56Cに係合していることにより、第1ストッパ56は退避位置への移動が阻止されて商品収容通路43に突出した突出位置にロックされている。このロック状態で第1ストッパ56の保持面には販売商品G1が係止されている。一方、第2ストッパ57は第2付勢ばね502の弾性付勢力によって退避位置に復帰しており、この状態で上部リンクピン55Aがストッパ部572の摺動溝57Aの最深部に位置している。なお、販売待機状態では第1ストッパ56の弓状の突起567およびガイド突起568,568は上段側の商品収容通路43に突出することなく下段側の商品収容通路43内に位置しており、また、第2ストッパ57は商品収容通路43から退避して商品搬出装置5の基板50内に格納されているものであり、他の商品収容通路43における商品の搬出に支障を来すことはない。
【0059】
図16に示した販売待機状態(上段側の商品収容通路43の商品搬出装置5の状態)から所定時間幅の販売指令により電磁ソレノイド54が通電されると、電磁ソレノイド54が復帰ばね59の弾性付勢力に抗してプランジャー51を吸引してリンク部材550を上昇させる。すると、リンク部材550の下部リンクピン55Bが上昇して第1ストッパ56のガイド突起568,568における異形溝56A,56Aのロック溝56C,56Cから抜け出して当該ロック溝56C,56Cとの係合が解除されると同時に弓状の突起567の先端と対峙した位置から離反して当該突起567の移動を許容する。前記リンク部材550が引き続いて上昇すると下部リンクピン55Bが異形溝56A,56Aのガイド溝56B,56Bを摺動しつつ上昇する。これにより、第1ストッパ56はストッパ軸500を中心として、商品収容通路43に突出した突出状態から退避位置に向けて回動を開始する。この場合、弓状の突起567およびガイド突起568,568は、図14に示した商品収容棚42の逃げ穴425および逃げ穴426,427を貫通して上段側の商品収容通路43に突出する。リンク部材550がプランジャー51のストロークにより定まる上限位置まで上昇すると下部リンクピン55Bは異形溝56A,56Aの遊び溝56D,56Dに到達し、第1ストッパ56を商品収容通路43から退避した退避位置に保持する。前記第1ストッパ56の商品収容通路43からの退避に伴って第1ストッパ56に係止されていた販売商品G1は商品荷重によって転動して第1ストッパ56を通り抜けて商品搬出口45から搬出される。
【0060】
これと同時、すなわち、電磁ソレノイド54が販売指令により通電されてリンク部材550が上昇して下部リンクピン55Bが上昇を開始すると同時に上部リンクピン55Aが上昇を開始する。上部リンクピン55Aは第2ストッパ57のストッパ部572における凹状の摺動溝57Aを摺動しつつ上昇する。これにより、第2付勢ばね502により退避状態に保持されていた第2ストッパ57がストッパ軸500を中心として突出位置に向けて第2付勢ばね502の弾性付勢力に抗して回動する(図16の下段側の商品収容通路43に示す状態)。リンク部材550が上限位置まで上昇すると上部リンクピン55Aは第2ストッパ57のストッパ面57Bと係合して第2ストッパ57の退避方向への移動を阻止するようロックする。なお、第2ストッパ57の突出位置は回動規制板574(図12参照)が基板50に当接することにより規制されるものである。このように突出位置に至った第2ストッパ57の商品係止部571は次販売商品G2に当接して係止し、商品収容棚42との間で次販売商品G2を保持する。したがって、電磁ソレノイド54が販売指令により通電されると、第1ストッパ56が退避位置に移動すると同時に第2ストッパ57が突出位置に移動して次販売商品G2を係止するので、第1ストッパ56に係止されていた販売商品G1のみが搬出される。
【0061】
そして、所定時間幅の販売指令がオフして電磁ソレノイド54への通電がなくなると、リンク部材550は復帰ばね59の付勢力により下降する。これに伴い下降する上部リンクピン55Aによって第2ストッパ57のロックが解除されるので、第2ストッパ57は第2付勢ばね502の付勢力により待機位置に復帰する。また、前記リンク部材550の下降に伴い下部リンクピン55Bが第1ストッパ56の異形溝56Aを摺動しつつ下降するので、第1ストッパ56は第1付勢ばね501の作用も受けつつ突出位置へ向けて回動を開始する。リンク部材550が下限位置まで下降すると下部リンクピン55Bは異形溝56Aにおけるロック溝56Cに嵌合するとともに第1ストッパ56の弓状の突起567の先端に対峙して第1ストッパ56をロックする。これにより、第1ストッパ56が突出位置に復帰して販売待機状態となる。なお、図示は省略したが、図16に示した商品Gよりも小径の商品を販売する際には、商品収容棚42の商品転動面を嵩上げするアタッチメントを商品収容棚42上に敷設する。この場合、アタッチメントは付属品として別途保管しておいてもよく、また、固定の商品収容棚42に対して可動のアタッチメントとして商品収容棚42に一体的に取付けておくこともできる。
【0062】
前述したように、商品搬出装置5の販売動作過程において第1ストッパ56が商品収容通路43から退避した退避状態においては、第1ストッパ56の弓状の突起567およびガイド突起568,568が上段側の商品収容通路43に突出することとなる。しかしながら、図16の上段側の商品収容通路43に突出した第1ストッパ56の弓状の突起567およびガイド突起568,568の状態から理解できるように、上下多段の商品収容通路43の商品搬出口45が同一の鉛直線上に位置するように配設した場合にも、上段側の商品収容通路43における商品搬出装置5により係止された販売商品G1に対して下段側の商品搬出装置5における第1ストッパ56の弓状の突起567およびガイド突起568,568は商品搬出口45側に突出することとなり、上段側の商品収容通路43に収容された商品Gに悪影響を及ぼすことがない。なお、販売指令が複数の商品搬出装置5に同時に送出されることはない、つまり、上下に隣接した商品収容通路43から同時に販売商品G1が搬出されることはないものであり、下段の商品搬出装置5の第1ストッパ56のそれぞれの突起567,568が上段側の商品収容通路43に突出しても支障はないものである。
【0063】
また、電磁ソレノイド54への通電により上昇する下部リンクピン55Bが摺動する異形溝56A,56Aの内周壁はカム面として作用し、下部リンクピン55Bと協働して第1ストッパ56を突出位置から退避位置に向けて移動させた上で第1ストッパ56を退避状態に保持する。このように、第1ストッパ56が退避状態に保持されることから、第1ストッパ56が商品収容通路43に突出(垂れ下がる)して販売商品G1の搬出を妨げることがない。したがって、販売商品G1が第ストッパ56に引っ掛かって商品詰まりを惹起するおそれがなく安定した販売動作を行うことができる。
【0064】
さらに、下部リンクピン55Bと協働して第1ストッパ56を退避位置に保持する遊び溝56D,56Dは下部リンクピン55Bよりも大きく形成、つまり、下部リンクピン55Bが遊び溝56D,56Dに遊嵌されるように形成されている。これにより、下部リンクピン55Bが遊び溝56D,56Dに位置して第1ストッパ56を退避位置に保持している状態において、第1ストッパ56は下部リンクピン55Bと遊び溝56D,56Dとの寸法差分だけ回動可能であり、第1ストッパ56が退避位置にロックされることがない。したがって、商品搬出装置5の組立誤差や商品搬出装置5の商品収容棚42への組付け誤差などにより第1ストッパ56が退避状態で商品収容通路43に出っ張るとともに商品収容通路43を転動する販売商品G1に当接するような場合にも、販売商品G1は第1ストッパ56を押し退けて転動することが可能となるので、販売商品G1が第1ストッパ56に当接して停止してしまうような商品詰まりを回避することができる。
【0065】
さて、図1に戻り、商品搬出装置5の動作により商品収容棚42の商品搬出口45から搬出された商品Gの挙動について以下に説明する。商品搬出口45から商品通路46に搬出された商品Gは商品収容棚42の後端部から搬出通路46に向けて突出する姿勢制御板47の上に乗る。この場合、姿勢制御板47を搬出通路46に向けて突出するように付勢するコイルばね474(図15参照)の付勢力が商品Gの荷重よりも小さく定められているので、姿勢制御板47は商品Gにより軸473(図15参照)を支点として時計方向に回動するように押し開かれる。このとき、姿勢制御板47がコイルばね474の付勢力を受けているので、商品Gは姿勢制御板47の上を転動若しくは滑動しながら蛇行状の通路形成部材10側に移動する。そして、商品Gが通路形成板10に当接する箇所は通路形成部材10の谷部12から山部11に連なる箇所となるように定められているので、通路形成板10に当接した商品Gは通路形成板10に沿って山部11に向かう。そして、山部11に到達した商品Gは落下して下段側の姿勢制御板47の上に乗り、以下、前述した動作を繰り返した後、商品搬出シュータ6から商品搬出口31を介して商品取出口21に送出される。
【0066】
上記の説明から理解できるように、商品搬出口45から搬出通路46に搬出された商品Gが搬出通路46を下方へ移動する軌跡は、姿勢制御板47および蛇行状の通路形成部材10によって蛇行した軌跡となる。したがって、搬出通路46を落下する商品Gは、コイルばね474により付勢された姿勢制御板47に加えて蛇行する通路形成部材10によっても落下速度が低減されるので、商品搬出シュータ6に落下した際の衝撃を抑えることができる。
【0067】
前述したように本発明の実施の形態に係る自動販売機によれば、本体キャビネット1の上壁1a,左右側壁1b,背壁1cおよび底壁1dに囲まれた庫内に、複数の商品Gを横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容し、かつ、その商品搬出口45が低くなるように傾斜して配設された商品収容通路43が上下多段に配設され、前記各商品収容通路43の商品搬出口45と本体キャビネット1の背壁1cとの間に上下方向に延在する搬出通路46が形成され、前記各商品収容通路43の商品搬出口45の近傍に配設した商品搬出装置5により切り出された商品Gを前記搬出通路46を介して落下搬出させる自動販売機であって、庫内下部に、前下がりの姿勢に配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュート6および前記商品収容通路43に収容された商品Gを冷却若しくは加熱する冷却/加熱ユニット7を備えた自動販売機において、前記冷却/加熱ユニット7の背後であって前記商品搬出シュート6の後部側の高さよりも低い背面ダクト13を前記本体キャビネット1の背壁1cに沿うように配設するとともに庫内前方から後ろ下がりに傾斜した商品収容通路43によって庫内背面上部に形成された空きスペースに左右方向に延在する吸込みダクト14を前記本体キャビネット1の背壁1cに沿うように配設する一方、庫内側面に上下方向に延在し、前記背面ダクト13と吸込みダクト14とを連通させる側面ダクト15を本体キャビネット1の側壁1b若しくは庫内を左右方向に複数の商品収納室A1,A2に区画する断熱仕切板100の側面に沿って配設したことにより、従来装置にように本体キャビネット1の背壁1cに上下に延在する循環ダクトを削除することができ、その分、商品収容通路43を長くすることが可能となるので、自動販売機の奥行き寸法を変更することなく商品収容数を増加させることが可能となる。しかも、冷却/加熱ユニット7から庫内に吹き出された空気を吸込みダクト14から側面ダクト15を経由して背面ダクト13から冷却/加熱ユニット7に戻すように循環させることができるので冷却/加熱性能を損なうことないという効果を有する。
【0068】
なお、前述した実施の形態に係る自動販売機においては、商品搬出装置5の第1ストッパ56が弓状の突起567を備えたものについて説明したが、これに限るものではない。例えば、第1ストッパ56のロック手段としてリンク機構やカム機構を用いた商品搬出装置を採用することもできる。また、商品搬出装置5を商品収容通路43の上方に配置して第1ストッパ56および第2ストッパ57が商品収容通路43に収容された商品Gの上側から商品収容通路43に出没するものについて説明したが、商品搬出装置5を商品収容通路43の下方に配置して第1ストッパ56および第2ストッパ57が商品収容通路43に収容された商品Gの下方から出没するようにしても良い。したがって、前述した実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0069】
1…本体キャビネット、2…外扉、4…商品収納ラック、5…商品搬出装置、10…通路形成部材、11…山部、12…谷部、13…背面ダクト、14…吸込みダクト、15…側面ダクト、43…商品収容通路、45…商品搬出口、47…姿勢制御板、50…基板、51…開口部、53…軸受部材、54…電磁ソレノイド(駆動手段)、55…リンク機構、55A…上部リンクピン、55B…下部リンクピン(ロックピン)、56…第1ストッパ、56A…異形溝、56B…ガイド溝、56C…ロック溝、56D…遊び溝、57…第2ストッパ、58…売切検出スイッチ、59…復帰ばね、472…軸受、473…軸、474…コイルばね、501…第1付勢ばね、502…第2付勢ばね、550…リンク部材、560…金属板、561…ダブルホールド、562…側壁部、567…弓状の突起、568…ガイド突起、571…商品係止部、572…ストッパ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体キャビネットの上壁,左右側壁,背壁および底壁に囲まれた庫内に、複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収容し、かつ、その商品搬出口が低くなるように傾斜して配設された商品収容通路が上下多段に配設され、前記各商品収容通路の商品搬出口と本体キャビネットの背壁との間に上下方向に延在する搬出通路が形成され、前記各商品収容通路の商品搬出口の近傍に配設した商品搬出装置により切り出された商品を、前記搬出通路を介して落下搬出させる自動販売機であって、庫内下部に、前下がりの姿勢に配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュートおよび前記商品収容通路に収容された商品を冷却若しくは加熱する冷却/加熱ユニットを備えた自動販売機において、前記冷却/加熱ユニットの背後であって前記商品搬出シュートの後部側の高さよりも低い背面ダクトを前記本体キャビネットの背壁に沿うように配設するとともに庫内前方から後ろ下がりに傾斜した商品収容通路によって庫内背面上部に形成された空きスペースに左右方向に延在する吸込みダクトを前記本体キャビネットの背壁に沿うように配設する一方、庫内側面に上下方向に延在し、前記背面ダクトと吸込みダクトとを連通させる側面ダクトを本体キャビネットの側壁若しくは庫内を左右方向に複数の商品収納室に区画する断熱仕切板の側面に沿って配設したことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
請求項1に記載の自動販売機において、側面ダクトは前後方向に段差を有し、商品収納ラックの側面に位置する前方側に対して搬出通路の側面に位置する後方側を高くしたことを特徴とする自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−137949(P2012−137949A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290096(P2010−290096)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】