自動車用サイドバイザー
【課題】部品点数及び製作工数を増大させずに、車内の換気を効率良く行う。
【解決手段】第1覆い部21は、ドア窓13bの前部から上部にかけて覆い車幅方向外方に膨出しかつ下面が開放される。第2覆い部22は、ドア窓の上部のうち第1覆い部より下方を覆い窓ガラス13cより外方であって第1覆い部の下縁より車幅方向内側に位置し後端から前端に向うに従って次第に窓ガラスに近付きかつ下縁が窓ガラス外面に接近して設けられる。第3覆い部23は、第1覆い部下縁のうちドア窓上部に位置する部分と第2覆い部上縁とを一体的に接続することによりドア窓上部の第1及び第2覆い部の間を覆い上方に突出するように湾曲し前端から後端に向うに従って斜め上方に延びかつ車幅方向で第2覆い部上縁から第1覆い部下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。第3覆い部の前部に複数の通孔23a,23bが設けられる。
【解決手段】第1覆い部21は、ドア窓13bの前部から上部にかけて覆い車幅方向外方に膨出しかつ下面が開放される。第2覆い部22は、ドア窓の上部のうち第1覆い部より下方を覆い窓ガラス13cより外方であって第1覆い部の下縁より車幅方向内側に位置し後端から前端に向うに従って次第に窓ガラスに近付きかつ下縁が窓ガラス外面に接近して設けられる。第3覆い部23は、第1覆い部下縁のうちドア窓上部に位置する部分と第2覆い部上縁とを一体的に接続することによりドア窓上部の第1及び第2覆い部の間を覆い上方に突出するように湾曲し前端から後端に向うに従って斜め上方に延びかつ車幅方向で第2覆い部上縁から第1覆い部下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。第3覆い部の前部に複数の通孔23a,23bが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブオーバ型自動車又はボンネット型自動車のサイドドアの窓枠に取付けられ、車内の換気に適したサイドバイザーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のサイドバイザーとして、図20に示すように、キャブオーバ型トラック5のサイドドア3のドア窓3bを区画する窓枠3aに取付けられドア窓3bの前部及び上部を外方から覆うサイドバイザー1が知られている。このサイドバイザー1では、ドア窓3bが窓ガラス3cにより開放可能に閉止される。このように構成されたサイドバイザー1では、車内の換気を行う場合、窓ガラス3cの上縁がサイドバイザー1の下縁より僅かに下方に位置するように窓ガラス3cを下降させる。このときトラック5の走行によりサイドバイザー1の外面に沿ってサイドバイザー1の前部から後部に向う比較的速い空気流が発生するため、サイドバイザー1下縁と窓ガラス3c上縁との隙間のうち前部の隙間に負圧が発生し、この負圧により前部の隙間から車内の空気が車外に排出される。
【0003】
しかし、上記従来のサイドバイザーでは、サイドバイザー下縁と窓ガラス上縁との隙間がサイドバイザーの前部から後部にかけて比較的長く延びているため、サイドバイザー下縁と窓ガラス上縁との隙間のうち前部の隙間から排出された車内の空気が、サイドバイザー下縁と窓ガラス上縁との隙間のうち後部の隙間から再び車内に侵入してしまう問題点があった。
【0004】
この点を解消するために、車体の窓開口部の上部に取付けられ、上縁から前後縁にわたって連続して取付部が形成されるとともに、この取付部から外部に膨出してバイザー本体部が形成され、このバイザー本体部の内面下縁に窓ガラスに当接する弾性シール片が突設されて、取付部と弾性シール片とで囲まれる内部空間が形成された自動車用サイドバイザーが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この自動車用サイドバイザーでは、バイザー本体部に前方の空気取込み口から後方の空気排出口に至るトンネル状の通気路が形成され、この通気路の内壁面に内部空間に連通する吸出し口が形成される。また吸出し口は内壁面に溶着したグリル板に3個並列に設けられる。更に各吸出し口は上側を後方にした縦長斜め方形状に開口し、各吸出し口の前縁には外向き後方にフィンが突設される。
【0005】
このように構成された自動車用サイドバイザーでは、バイザー本体部の内面下縁に窓ガラスに当接する弾性シール片が突設されているため、走行風がバイザー本体部の内側空間に侵入するのを防止できる。特に、バイザー本体部の内部空間が車室と一体化するため、効率良く排気させることができる。またバイザー本体部にトンネル状の通気路を形成し、この通気路の内壁面に吸出し口を形成しているため、吸出し口が通気路の外壁面によって覆われた状態になる。この結果、車体の側面に吹き付けられる雨水の浸入を防止できるとともに、吸出し口が車外に露出しないため、吸出し口による風切り音の発生を防止できるようになっている。
【0006】
一方、並列に互いに離間して配設された外側及び内側の2枚の長手状の羽根が自動車のフロントピラーに沿って延びかつサイドガラスと略平行になるようにフロントピラーに取付けられ、外側の羽根と内側の羽根とを橋渡しする2枚以上の渡し板が地面と略平行に取付けられた自動車用室内空気排出促進部材が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この自動車用室内空気排出促進部材では、2枚の羽根間の間隙のうち前側が広く後ろ側が狭く形成され、2枚の羽根間の間隙が後ろ側に向って徐々にすぼむように形成される。また外側の羽根は、前側から後ろ側に向って徐々に厚さが大きくなり、羽根の幅の40〜50%のところで最大厚となった後、再び厚さが徐々に小さくなるように構成される。
【0007】
このように構成された自動車用室内空気排出促進部材では、走行中に2枚の羽根間にフロントピラーを通過した風が入り込み、この入り込んだ風が2枚の羽根間の間隙を通って直ぐ後方に高速で排出されるので、この高速に排出された風によってサイドガラスを開けている間、車内空気の排出が促進される。このように、動力を要さずに簡易な構造でかつ低コストで、効率良く車内空気を車外に排出できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−313231号公報(請求項1、段落[0020]、段落[0021]、段落[0014]、図1〜図3)
【特許文献2】特開2001−26212号公報(請求項1、段落[0033]、図1〜図3、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来の特許文献1に示された自動車用サイドバイザーでは、内壁面にグリル板を溶着する必要があり、サイドバイザーの部品点数が増大するとともに、サイドバイザーの製作工数が増大する不具合があった。また、上記従来の特許文献1に示された自動車用サイドバイザーでは、複数の吸出し口の前縁に複数のフィンが外向き後方にそれぞれ突設されているため、各フィンの後方で渦流が発生し、風切り音が大きくなる問題点もあった。
【0010】
一方、上記従来の特許文献2に示された自動車用室内空気排出促進部材では、長手状の外羽根及び内羽根と、これらの羽根を橋渡しする2枚以上の渡し板とを必要とし、これらを互いに接着しなければならず、排出促進部材の部品点数が増大するとともに、排出促進部材の製作工数が増大する問題点があった。また、上記従来の特許文献2に示された自動車用室内空気排出促進部材では、この排出促進部材をボンネット型自動車である乗用車のフロントピラーに取付けた場合、乗用車の走行により発生する空気流の流通方向に対するフロートピラーのなす角度が小さいため、排出促進部材の高さが低くなって、排出促進部材から車内の空気を吸出すための幅が小さくなり、車内の換気効率が低下する問題点もあった。
【0011】
本発明の第1の目的は、部品点数及び製作工数を増大させず、また風切り音を殆ど発生させずに、車内の換気を効率良く行うことができる、自動車用サイドバイザーを提供することにある。本発明の第2の目的は、通孔から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのを防止し、また通孔近傍の強度の低下を抑制しつつ、車内空気を通孔から速やかに排出することできる、自動車用サイドバイザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の観点は、図1、図3、図6及び図7に示すように、サイドドア13のドア窓13bを区画する窓枠13aに取付けられドア窓13bの前部及び上部を外方から覆う自動車用サイドバイザーにおいて、ドア窓13bの前部から上部にかけて覆うとともに車幅方向外方に膨出しかつ下面が開放された第1覆い部21と、ドア窓13bの上部のうち第1覆い部21より下方を覆うとともにドア窓13bを開放可能に閉止する窓ガラス13cより外方であって第1覆い部21の下縁より車幅方向内側に位置し後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス13cに近付きかつ下縁が窓ガラス13c外面に接近して設けられた第2覆い部22と、第1覆い部21下縁のうちドア窓13b上部に位置する部分と第2覆い部22上縁とを一体的に接続することによりドア窓13b上部の第1及び第2覆い部21,22の間を覆い上方に突出するように湾曲するとともに前端から後端に向うに従って斜め上方に延びかつ車幅方向で第2覆い部22上縁から第1覆い部21下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる第3覆い部23と、第3覆い部23の前部に設けられた単一又は複数の通孔23a,23bとを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1及び図7に示すように、単一又は複数の通孔23a,23bから第2覆い部22外面にかけて単一又は複数のリブ17,18が略水平に延びて設けられたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1及び図3に示すように、第2覆い部22の下縁に沿ってゴム製のモール16が取付けられ、このモール16の先端が窓ガラス13c外面に更に接近するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点に基づく発明であって、更に図18に示すように、単一の通孔63aが第3覆い部63の前端から上方に湾曲し第3覆い部63の長手方向に延びて設けられたことを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の観点は、第1ないし第3の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、複数の通孔23a,23bが第3覆い部23の前端から上方に湾曲し第3覆い部23の長手方向に沿って配設されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の観点のサイドバイザーでは、車内の換気を行うために、窓ガラスの上縁がサイドバイザーの下縁より僅かに上方に位置するように窓ガラスを下降させると、自動車の走行によりサイドバイザーの外面に沿いかつサイドバイザーの前部から後部に向う空気流が発生するけれども、この空気流は、車幅方向外方に膨出する第1覆い部外面を通ることにより速くなり、続いて第3覆い部外面から第2覆い部外面を通ることにより更に加速される。この結果、第3覆い部の通孔外側を通過する高速の空気流により、通孔外側の空気の静圧が車内の空気の静圧に対して極めて小さくなるので、車内の空気が開放されたドア窓及び通孔を通って吸出され速やかに車外に排出される。従って、車内の換気を効率良く行うことができる。
【0018】
例えば、従来の自動車用室内空気排出促進部材では、排出促進部材をボンネット型自動車である乗用車のフロントピラーに取付けた場合、乗用車の走行により発生する空気流の流通方向に対するフロートピラーのなす角度が小さいため、排出促進部材の高さが低くなって、排出促進部材から車内の空気を吸出すための鉛直方向の幅が小さくなり、車内の換気効率が低下する。これに対し、本発明のサイドバイザーを乗用車のサイドドアの窓枠に取付けた場合、窓ガラスを下降させてドア窓の前部及び上部を開放すると、開放されたドア窓前部の高さが低く、開放されたドア窓前部から車内の空気を吸出すための鉛直方向の幅が小さいけれども、第3覆い部の前部への通孔の形成により、開放されたドア窓の前部に加えて通孔からも車内の空気を吸出すことができる。即ち本発明では、開放されたドア窓の前部の鉛直方向の幅に通孔の鉛直方向の幅を加えた比較的大きな鉛直方向の幅から車内の空気を吸出すことができるので、車内の換気を効率良く行うことができる。
【0019】
また第2覆い部をその後端から前端に向うに従って次第に窓ガラスに近付くように形成した、即ち第2覆い部をその前端から後端に向うに従って次第に窓ガラスから離れるように形成したので、通孔外側を通過するとき車内の空気を吸出した空気流が第2覆い部外面から剥離することなく第2覆い部外面に沿ってスムーズに流れる。この結果、複数の吸出し口の前縁に複数のフィンを外向き後方にそれぞれ突設したため各フィンの後方で渦流が発生し風切り音が大きくなる従来の自動車用サイドバイザーと比較して、本発明では、風切り音が殆ど発生せずに、効率の良い車内換気を行うことができる。
【0020】
また第2覆い部の下縁を窓ガラス外面に接近して設けたので、通孔から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのを抑制できる。更に内壁面にグリル板を溶着するためサイドバイザーの部品点数及び製作工数が増大する従来の自動車用サイドバイザーや、外羽根及び内羽根に2枚以上の渡し板を接着するため排出促進部材の部品点数及び製作工数が増大する従来の自動車用室内空気排出促進部材と比較して、本発明では、第1覆い部と第2覆い部とが第3覆い部により一体的に接続されるので、サイドバイザーの部品点数及び製作工数を増大させずに済む。
【0021】
本発明の第2の観点のサイドバイザーでは、単一又は複数の通孔から第2覆い部外面にかけて単一又は複数のリブを略水平に延びて設けたので、通孔から吸出された車内の空気が上記リブにより整流されるとともに、サイドバイザーの通孔近傍の強度が高くなる。この結果、自動車の走行による空気流がサイドバイザー外面をその前部から後部に向ってスムーズに流れるので、風切り音が殆ど発生せず、また通孔の形成によるサイドバイザーの強度の低下を抑制できる。
【0022】
本発明の第3の観点のサイドバイザーでは、第2覆い部の下縁に沿って取付けられたゴム製のモールの先端を窓ガラス外面に更に接近するように構成したので、たとえサイドバイザーに外力が加わってモールの先端が窓ガラス外面に接触しても窓ガラス及びモールを損傷させずに、第2覆い部の下縁と窓ガラスとの隙間を極めて小さくすることができる。この結果、通孔から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのをほぼ確実に防止できる。
【0023】
本発明の第4の観点のサイドバイザーでは、単一の通孔を第3覆い部の前端から上方に湾曲し第3覆い部の長手方向に延びて設けたので、車内の空気を吸出すための通孔の鉛直方向の幅が大きくなる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができる。
【0024】
本発明の第5の観点のサイドバイザーでは、複数の通孔を第3覆い部の前端から上方に湾曲し第3覆い部の長手方向に沿って配設したので、車内の空気を吸出すための通孔の鉛直方向の幅が大きくなるとともに、各通孔を比較的小さくすることができる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができるとともに、サイドバイザーの通孔近傍の強度が高くなるので、通孔の形成によるサイドバイザーの強度の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明第1実施形態のサイドバイザーを取付けたトラック(キャブオーバ型自動車)のサイドドアを略正面から見たサイドドアの要部斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】図1のD−D線断面図である。
【図6】図1のE−E線断面図である。
【図7】そのサイドバイザーを取付けたサイドドアを斜め後方から見たサイドドアの要部斜視図である。
【図8】そのサイドバイザーを取付けたトラック(キャブオーバ型自動車)のキャブの平面図である。
【図9】そのサイドバイザーを取付けたトラック(キャブオーバ型自動車)のキャブの側面図である。
【図10】本発明第2実施形態のサイドバイザーを取付けた乗用車(ボンネット型自動車)のサイドドアを略正面から見たサイドドアの要部斜視図である。
【図11】図10のF−F線断面図である。
【図12】図10のG−G線断面図である。
【図13】図10のH−H線断面図である。
【図14】図10のI−I線断面図である。
【図15】図10のJ−J線断面図である。
【図16】そのサイドバイザーを取付けた乗用車(ボンネット型自動車)の要部平面図である。
【図17】そのサイドバイザーを取付けた乗用車(ボンネット型自動車)の要部側面図である。
【図18】本発明第3実施形態の乗用車(ボンネット型自動車)用のサイドバイザーの正面図である。
【図19】本発明第4実施形態の乗用車(ボンネット型自動車)用のサイドバイザーの正面図である。
【図20】従来例を示す図1に対応するサイドバイザー付きのサイドドアの要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図8及び図9に示すように、この実施の形態のサイドバイザー11は、キャブオーバ型のトラック10のサイドドア13に取付けられる。サイドバイザー11は左右対称であるため、助手席側のサイドドア13に取付けられたサイドバイザー11を代表して説明し、運転席側のサイドドア13に取付けられたサイドバイザー11の説明を省略する(図8)。トラック10のキャブ12の側面には乗員が乗降するための乗降口12aが設けられ、この乗降口12aはサイドドア13により開放可能に閉止される(図9)。サイドドア13の上部には窓枠13aにより区画されるドア窓13bが形成され、このドア窓13bは窓ガラス13cが昇降することにより開閉される。窓枠13aは、サイドドア13の前側に鉛直方向より僅かに後方に傾斜して起立する前枠部13dと、トラック10の進行方向に延びる上枠部13eと、サイドドア13の後側に略鉛直方向に起立する後枠部13fとを有する。また窓ガラス13cが上昇することによりドア窓13bが窓ガラス13cにより閉止され、窓ガラス13cが下降することによりドア窓13bが開放されるように構成される。
【0027】
サイドバイザー11は窓枠13aの前枠部13d、上枠部13e及び後枠部13fに両面粘着テープ14(図2〜図6)等により取付けられ、ドア窓13bの前部及び上部を外方から覆うように構成される(図1、図7及び図9)。またサイドバイザー11は、ドア窓13bの前部から上部にかけて覆う第1覆い部21と、ドア窓13bの上部のうち第1覆い部21より下方を覆う第2覆い部22と、第1覆い部21下縁のうちドア窓13b上部に位置する部分と第2覆い部22上縁とを一体的に接続することによりドア窓13b上部の第1及び第2覆い部21,22の間を覆う第3覆い部23と、第3覆い部23の前部に設けられた2つの通孔23a,23bとを備える(図1及び図7)。第1〜第3覆い部21〜23は、半透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。なお、第1〜第3覆い部は、半透明プラスチックではなく、不透明プラスチックにより一体的に形成してもよく、或いは日除けとしての機能が不要で室内換気としての機能のみが必要である場合には、透明プラスチックにより一体的に形成してもよい。
【0028】
第1覆い部21は、車幅方向外方に膨出し、かつ下面が開放されるように構成される(図1〜図5)。また第1覆い部21は、前部下方に向うに従って次第にトラック10の進行方向における幅が狭くなって前枠部13dの幅内に収まるように形成されるとともに、上部後方に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなって上枠部13eの幅内に収まるように形成される(図1)。更に第1覆い部21の前部後縁は前方に突出するように湾曲して形成され、第1覆い部21の上部下縁は上方に突出するように湾曲して形成される。
【0029】
第2覆い部22は、ドア窓13bを閉止した窓ガラス13cより外方であって、第1覆い部21の下縁より車幅方向内側に位置して設けられる(図3〜図5)。また第2覆い部22は、後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス13cに近付くように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス13cから離れるように形成される(図6)。また第2覆い部22は、後端から前端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなるように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が広くなるように形成される(図1)。第2覆い部22の上縁は上方に突出するように湾曲して形成される。更に第2覆い部22の下縁はトラック10の進行方向に延びて形成されるとともに(図1)、車幅方向において窓ガラス13c外面に向って突設され、窓ガラス13c外面に接近して設けられる(図3〜図5)。この第2覆い部22の下縁には、この下縁に沿ってゴム製のモール16が取付けられる。このモール16の先端は、窓ガラス13c外面に向って突出し、窓ガラス13c外面に第2覆い部22下縁より更に接近するように構成される。
【0030】
第3覆い部23は、上方に突出するように湾曲するとともに、前端から後端に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。また第3覆い部23は、車幅方向において第2覆い部22上縁から第1覆い部21下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。更に第3覆い部23の前部は車幅方向において窓ガラス13cに向って突出するように湾曲して形成される(図3及び図6)。第3覆い部23の前部の湾曲する部分の曲率半径は比較的大きく形成される。一方、2つの通孔23a,23bは第3覆い部23の前端から上方に湾曲し第3覆い部23の長手方向に沿って配設される。また2つの通孔23a,23bの下縁から第2覆い部22外面にかけて2本のリブ17,18が略水平に延びて設けられる。これらのリブ17,18は第1〜第3覆い部21〜23と一体的に形成される(図3及び図4)。更にこれらのリブ17,18の高さは、第2覆い部22と第3覆い部23の接続部で最も高くなるように形成される。そしてリブ17,18の高さは、上記接続部から前方に向うに従って次第に低くなり、上記接続部から後方に向うに従って次第に低くなるように形成される。但し、リブ17,18の先端面(上面)はリブ17,18の長手方向にわたって直線に近いなだらかな曲線状に構成される。
【0031】
このように構成されたトラック10用のサイドバイザー11の動作を説明する。トラック10の走行中にキャブ12内の換気を行うときには、窓ガラス13cの上縁がサイドバイザー11の下縁より僅かに上方に位置するように窓ガラス13cを下降させる、即ちサイドバイザー11のモール16の先端が窓ガラス13cの上端より僅かに下方の外面に向って突出するように窓ガラス13cを下降させる(図1)。このときトラック10の走行によりサイドバイザー11の外面に沿いかつサイドバイザー11の前部から後部に向う空気流が発生する。この空気流は、車幅方向外方に膨出する第1覆い部21外面を通ることにより速くなり、続いて第3覆い部23外面から第2覆い部22外面を通ることにより更に加速される。この結果、第3覆い部23の通孔23a,23b外側を通過する高速の空気流により、通孔23a,23b外側における空気の静圧がキャブ12内の空気の静圧に対して極めて小さくなるとともに、サイドバイザー11前部後縁と窓ガラス13c前部上縁との間の開口部19外側における空気の静圧がキャブ12内の空気の静圧に対して極めて小さくなるので、キャブ12内の空気が開放された通孔23a,23b及び開口部19を通って吸出され速やかにキャブ12外に排出される。また第2覆い部22をその後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス13cに近付くように形成した、即ち第2覆い部22をその前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス13cから離れるように形成したので、通孔23a,23b外側を通過するときキャブ12内の空気を吸出した空気流が第2覆い部22外面から剥離することなく第2覆い部22外面に沿ってスムーズに流れる(図6)。この結果、風切り音が殆ど発生せずに、効率の良いキャブ12内換気を行うことができる。
【0032】
一方、第2覆い部22の下縁を窓ガラス13c外面に接近して設けるとともに、この下縁に沿ってゴム製のモール16を取付けたので、モール16の先端が窓ガラス13c外面に更に接近するように構成したので、たとえサイドバイザー14に外力が加わってモール16の先端が窓ガラス13c外面に接触しても窓ガラス13c及びモール16を損傷させずに、第2覆い部22の下縁と窓ガラス13cとの隙間を極めて小さくすることができるとともに、通孔23a,23b及び開口部19からキャブ12外に排出されたキャブ12内の空気が再びキャブ12内に侵入するのをほぼ確実に防止できる。また2つの通孔23a,23bの下縁から第2覆い部22外面にかけて2本のリブ17,18を略水平に延びて設けたので、通孔23a,23bから吸出されたキャブ12内の空気が上記リブ17,18により整流されるとともに、サイドバイザー11の通孔23a,23b近傍の強度が高くなる。この結果、トラック10の走行による空気流がサイドバイザー11外面をその前部から後部に向ってスムーズに流れるので、風切り音が殆ど発生せず、また通孔23a,23bの形成によるサイドバイザー11の強度の低下を抑制できる。なお、この実施の形態のサイドバイザーは、キャブオーバ型自動車であれば、トラックに限らず他の自動車にも適用できるとともに、サイドドアの前枠が鉛直方向より僅かに後方に傾斜して起立していれば、ワンボックスカー等の乗用車にも適用できる。
【0033】
<第2の実施の形態>
図10〜図17は本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、サイドバイザー41はボンネット型の乗用車40のサイドドア43に取付けられる(図16及び図17)。サイドバイザー41は左右対称であるため、助手席側のサイドドア43に取付けられたサイドバイザー41を代表して説明し、運転席側のサイドドア43に取付けられたサイドバイザー41の説明を省略する(図16)。乗用車40の前部側面には乗員が乗降するための乗降口40aが設けられ、この乗降口40aはサイドドア43により開放可能に閉止される(図17)。サイドドア43の上部には窓枠43aにより区画されるドア窓43bが形成され、このドア窓43bは窓ガラス43cが昇降することにより開閉される。窓枠43aは、サイドドア43の前側に鉛直方向より大きな角度で後方に傾斜して上方に延びる前枠部43dと、乗用車40の進行方向に延びる上枠部43eと、サイドドア43の後側に略鉛直方向に起立する後枠部43fとを有する。また窓ガラス43cが上昇することによりドア窓43bが窓ガラス43cにより閉止され、窓ガラス43cが下降することによりドア窓43bが開放されるように構成される。
【0034】
サイドバイザー41は窓枠43aの前枠部43d、上枠部43e及び後枠部43fに両面粘着テープ44(図11〜図15)等により取付けられ、ドア窓43bの前部及び上部を外方から覆うように構成される(図10及び図16)。またサイドバイザー41は、ドア窓43bの前部から上部にかけて覆う第1覆い部51と、ドア窓43bの上部のうち第1覆い部51より下方を覆う第2覆い部52と、第1覆い部51下縁のうちドア窓43b上部に位置する部分と第2覆い部52上縁とを一体的に接続することによりドア窓43b上部の第1及び第2覆い部51,52の間を覆う第3覆い部53と、第3覆い部53の前部に設けられた2つの通孔53a,53bとを備える(図10)。第1〜第3覆い部51〜53は、半透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。なお、第1〜第3覆い部は、半透明プラスチックではなく、不透明プラスチックにより一体的に形成してもよく、或いは日除けとしての機能が不要で室内換気としての機能のみが必要である場合には、透明プラスチックにより一体的に形成してもよい。
【0035】
第1覆い部51は、車幅方向外方に膨出し、かつ下面が開放されるように構成される(図10〜図14)。また第1覆い部51は、前部下方に向うに従って次第に乗用車40の進行方向における幅が狭くなって前枠部43dの幅内に収まるように形成されるとともに、上部後方に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなって上枠部43eの幅内に収まるように形成される(図1)。更に第1覆い部51の前部後縁は前方に突出するように湾曲して形成され、第1覆い部51の上部下縁は上方に突出するように湾曲して形成される。なお、第1覆い部51の前部は前枠部43dの下部まで延びて設けられる。
【0036】
第2覆い部52は、ドア窓43bを閉止した窓ガラス43cより外方であって、第1覆い部51の下縁より車幅方向内側に位置して設けられる(図12〜図14)。また第2覆い部52は、後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス43cに近付くように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス43cから離れるように形成される(図15)。また第2覆い部52は、後端から前端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなるように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が広くなるように形成される(図10)。第2覆い部52の上縁は上方に突出するように湾曲して形成される。更に第2覆い部52の下縁は乗用車40の進行方向に延びて形成されるとともに(図10)、車幅方向において窓ガラス43c外面に向って突設され、窓ガラス43c外面に接近して設けられる(図12〜図14)。この第2覆い部52の下縁には、この下縁に沿ってゴム製のモール46が取付けられる。このモール46の先端は、窓ガラス43c外面に向って突出し、窓ガラス43c外面に第2覆い部52下縁より更に接近するように構成される。
【0037】
第3覆い部53は、上方に突出するように湾曲するとともに、前端から後端に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。また第3覆い部53は、車幅方向において第2覆い部52上縁から第1覆い部51下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。更に第3覆い部53の前部は車幅方向において窓ガラス43cに向って突出するように湾曲して形成される(図12及び図15)。第3覆い部53の前部の湾曲する部分の曲率半径は比較的大きく形成される。一方、2つの通孔53a,53bは第3覆い部53の前端から上方に湾曲し第3覆い部53の長手方向に沿って配設される。また2つの通孔53a,53bの下縁から第2覆い部52外面にかけて2本のリブ47,48が略水平に延びて設けられる。これらのリブ47,48は第1〜第3覆い部51〜53と一体的に形成される(図12及び図13)。更にこれらのリブ47,48の高さは、第2覆い部52と第3覆い部53の接続部近傍で最も高くなるように形成される。そしてリブ47,48の高さは、上記接続部から前方に向うに従って次第に低くなり、上記接続部から後方に向うに従って次第に低くなるように形成される。但し、リブ47,48の先端面(上面)はリブ47,48の長手方向にわたって直線に近いなだらかな曲線状に構成される。
【0038】
このように構成された乗用車40用のサイドバイザー41の動作を説明する。乗用車40の走行中に車内の換気を行うときには、窓ガラス43cの上縁がサイドバイザー41の下縁より僅かに上方に位置するように窓ガラス43cを下降させる、即ちサイドバイザー41のモール46の先端が窓ガラス43cの上端より僅かに下方の外面に向って突出するように窓ガラス43cを下降させる(図10)。このとき乗用車40の走行によりサイドバイザー41の外面に沿いかつサイドバイザー41の前部から後部に向う空気流が発生する。この空気流は、車幅方向外方に膨出する第1覆い部51外面を通ることにより速くなり、続いて第3覆い部53外面から第2覆い部52外面を通ることにより更に加速される。この結果、第3覆い部53の通孔53a,53b外側を通過する高速の空気流により、通孔53a,53b外側における空気の静圧が車内の空気の静圧に対して極めて小さくなるとともに、サイドバイザー41の前部後縁とドア窓43bの前縁との間の開口部49外側における空気の静圧に対して極めて小さくなるので、車内の空気が開放されたドア窓43b及び通孔53a,53bを通って吸出され速やかに車外に排出される。ここで、この実施の形態の乗用車では、開放されたドア窓43b前部の高さが低いため、開口部49から車内の空気を吸出すための鉛直方向の幅が小さいけれども、第3覆い部53の前部への通孔53a,53bの形成により、開放されたドア窓43bの前部に加えて通孔53a,53bからも車内の空気を吸出すことができる。即ち、開放されたドア窓43bの前部の鉛直方向の幅に通孔53a,53bの鉛直方向の幅を加えた比較的大きな鉛直方向の幅から車内の空気を吸出すことができる。また第2覆い部52をその後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス43cに近付くように形成した、即ち第2覆い部52をその前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス43cから離れるように形成したので、通孔53a,53b外側を通過するとき車内の空気を吸出した空気流が第2覆い部52外面から剥離することなく第2覆い部52外面に沿ってスムーズに流れる(図15)。従って、風切り音が殆ど発生せずに、効率の良い車内換気を行うことができる。
【0039】
一方、第2覆い部52の下縁を窓ガラス43c外面に接近して設けるとともに、この下縁に沿ってゴム製のモール46を取付けたので、モール46の先端が窓ガラス43c外面に更に接近するように構成したので、たとえサイドバイザー41に外力が加わってモール46の先端が窓ガラス43c外面に接触しても窓ガラス43c及びモール46を損傷させずに、第2覆い部52の下縁と窓ガラス43cとの隙間を極めて小さくすることができるとともに、通孔53a,53b及び開口部49から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのをほぼ確実に防止できる。また2つの通孔53a,53bの下縁から第2覆い部52外面にかけて2本のリブ47,48を略水平に延びて設けたので、通孔53a,53bから吸出された車内の空気が上記リブ47,48により整流されるとともに、サイドバイザー41の通孔53a,53b近傍の強度が高くなる。この結果、乗用車10の走行による空気流がサイドバイザー41外面をその前部から後部に向ってスムーズに流れるので、風切り音が殆ど発生せず、また通孔53a,53bの形成によるサイドバイザー41の強度の低下を抑制できる。なお、この実施の形態のサイドバイザーは、ボンネット型自動車であれば、乗用車に限らず他の自動車にも適用できるとともに、サイドドアの前枠が鉛直方向より大きな角度で後方に傾斜して上方に延びていれば、ボンネット型トラック等の自動車にも適用できる。
【0040】
<第3の実施の形態>
図18は本発明の第3の実施の形態を示す。図18において図10と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、単一の通孔63aが第3覆い部63の前端から上方に湾曲し第3覆い部63の長手方向に延びて設けられる。また単一の通孔63aの下縁から第2覆い部52外面にかけて単一のリブ67が略水平に延びて設けられる。このリブ67は第1〜第3覆い部51,52,63と一体的に形成される。上記以外は第2の実施の形態と同一に構成される。このように構成された乗用車用のサイドバイザー61では、単一の通孔63aを第3覆い部63の前端から上方に湾曲し第3覆い部63の長手方向に延びて設けたので、車内の空気を吸出すための通孔63aの鉛直方向の幅が大きくなる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができる。上記以外の動作は第2の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0041】
<第4の実施の形態>
図19は本発明の第4の実施の形態を示す。図19において図10と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、3つの通孔83a〜83cが第3覆い部83の前端から上方に湾曲し第3覆い部83の長手方向に沿って配設される。また3つの通孔83a〜83cの下縁から第2覆い部52外面にかけて3本のリブ87〜89が略水平に延びて設けられる。これらのリブ87〜89は第1〜第3覆い部51,52,83と一体的に形成される。上記以外は第2の実施の形態と同一に構成される。このように構成された乗用車用のサイドバイザー81では、3つの通孔83a〜83cを第3覆い部83の前端から上方に湾曲し第3覆い部83の長手方向に沿って配設したので、車内の空気を吸出すための通孔83a〜83cの鉛直方向の幅が大きくなるとともに、各通孔83a〜83cを比較的小さくすることができる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができるとともに、サイドバイザー81の通孔83a〜83c近傍の強度が高くなるので、通孔83a〜83cの形成によるサイドバイザー81の強度の低下を抑制できる。上記以外の動作は第2の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【符号の説明】
【0042】
10 トラック(自動車)
11,41,61,81 サイドバイザー
13,43 サイドドア
13a,43a 窓枠
13b,43b ドア窓
13c,43c 窓ガラス
16,46 モール
17,18,47,48,67,87〜89 リブ
21,51 第1覆い部
22,52 第2覆い部
23,53,63,83 第3覆い部
23a,23b,53a,53b,63a,83a〜83c 通孔
40 乗用車(自動車)
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブオーバ型自動車又はボンネット型自動車のサイドドアの窓枠に取付けられ、車内の換気に適したサイドバイザーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のサイドバイザーとして、図20に示すように、キャブオーバ型トラック5のサイドドア3のドア窓3bを区画する窓枠3aに取付けられドア窓3bの前部及び上部を外方から覆うサイドバイザー1が知られている。このサイドバイザー1では、ドア窓3bが窓ガラス3cにより開放可能に閉止される。このように構成されたサイドバイザー1では、車内の換気を行う場合、窓ガラス3cの上縁がサイドバイザー1の下縁より僅かに下方に位置するように窓ガラス3cを下降させる。このときトラック5の走行によりサイドバイザー1の外面に沿ってサイドバイザー1の前部から後部に向う比較的速い空気流が発生するため、サイドバイザー1下縁と窓ガラス3c上縁との隙間のうち前部の隙間に負圧が発生し、この負圧により前部の隙間から車内の空気が車外に排出される。
【0003】
しかし、上記従来のサイドバイザーでは、サイドバイザー下縁と窓ガラス上縁との隙間がサイドバイザーの前部から後部にかけて比較的長く延びているため、サイドバイザー下縁と窓ガラス上縁との隙間のうち前部の隙間から排出された車内の空気が、サイドバイザー下縁と窓ガラス上縁との隙間のうち後部の隙間から再び車内に侵入してしまう問題点があった。
【0004】
この点を解消するために、車体の窓開口部の上部に取付けられ、上縁から前後縁にわたって連続して取付部が形成されるとともに、この取付部から外部に膨出してバイザー本体部が形成され、このバイザー本体部の内面下縁に窓ガラスに当接する弾性シール片が突設されて、取付部と弾性シール片とで囲まれる内部空間が形成された自動車用サイドバイザーが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この自動車用サイドバイザーでは、バイザー本体部に前方の空気取込み口から後方の空気排出口に至るトンネル状の通気路が形成され、この通気路の内壁面に内部空間に連通する吸出し口が形成される。また吸出し口は内壁面に溶着したグリル板に3個並列に設けられる。更に各吸出し口は上側を後方にした縦長斜め方形状に開口し、各吸出し口の前縁には外向き後方にフィンが突設される。
【0005】
このように構成された自動車用サイドバイザーでは、バイザー本体部の内面下縁に窓ガラスに当接する弾性シール片が突設されているため、走行風がバイザー本体部の内側空間に侵入するのを防止できる。特に、バイザー本体部の内部空間が車室と一体化するため、効率良く排気させることができる。またバイザー本体部にトンネル状の通気路を形成し、この通気路の内壁面に吸出し口を形成しているため、吸出し口が通気路の外壁面によって覆われた状態になる。この結果、車体の側面に吹き付けられる雨水の浸入を防止できるとともに、吸出し口が車外に露出しないため、吸出し口による風切り音の発生を防止できるようになっている。
【0006】
一方、並列に互いに離間して配設された外側及び内側の2枚の長手状の羽根が自動車のフロントピラーに沿って延びかつサイドガラスと略平行になるようにフロントピラーに取付けられ、外側の羽根と内側の羽根とを橋渡しする2枚以上の渡し板が地面と略平行に取付けられた自動車用室内空気排出促進部材が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この自動車用室内空気排出促進部材では、2枚の羽根間の間隙のうち前側が広く後ろ側が狭く形成され、2枚の羽根間の間隙が後ろ側に向って徐々にすぼむように形成される。また外側の羽根は、前側から後ろ側に向って徐々に厚さが大きくなり、羽根の幅の40〜50%のところで最大厚となった後、再び厚さが徐々に小さくなるように構成される。
【0007】
このように構成された自動車用室内空気排出促進部材では、走行中に2枚の羽根間にフロントピラーを通過した風が入り込み、この入り込んだ風が2枚の羽根間の間隙を通って直ぐ後方に高速で排出されるので、この高速に排出された風によってサイドガラスを開けている間、車内空気の排出が促進される。このように、動力を要さずに簡易な構造でかつ低コストで、効率良く車内空気を車外に排出できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−313231号公報(請求項1、段落[0020]、段落[0021]、段落[0014]、図1〜図3)
【特許文献2】特開2001−26212号公報(請求項1、段落[0033]、図1〜図3、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来の特許文献1に示された自動車用サイドバイザーでは、内壁面にグリル板を溶着する必要があり、サイドバイザーの部品点数が増大するとともに、サイドバイザーの製作工数が増大する不具合があった。また、上記従来の特許文献1に示された自動車用サイドバイザーでは、複数の吸出し口の前縁に複数のフィンが外向き後方にそれぞれ突設されているため、各フィンの後方で渦流が発生し、風切り音が大きくなる問題点もあった。
【0010】
一方、上記従来の特許文献2に示された自動車用室内空気排出促進部材では、長手状の外羽根及び内羽根と、これらの羽根を橋渡しする2枚以上の渡し板とを必要とし、これらを互いに接着しなければならず、排出促進部材の部品点数が増大するとともに、排出促進部材の製作工数が増大する問題点があった。また、上記従来の特許文献2に示された自動車用室内空気排出促進部材では、この排出促進部材をボンネット型自動車である乗用車のフロントピラーに取付けた場合、乗用車の走行により発生する空気流の流通方向に対するフロートピラーのなす角度が小さいため、排出促進部材の高さが低くなって、排出促進部材から車内の空気を吸出すための幅が小さくなり、車内の換気効率が低下する問題点もあった。
【0011】
本発明の第1の目的は、部品点数及び製作工数を増大させず、また風切り音を殆ど発生させずに、車内の換気を効率良く行うことができる、自動車用サイドバイザーを提供することにある。本発明の第2の目的は、通孔から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのを防止し、また通孔近傍の強度の低下を抑制しつつ、車内空気を通孔から速やかに排出することできる、自動車用サイドバイザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の観点は、図1、図3、図6及び図7に示すように、サイドドア13のドア窓13bを区画する窓枠13aに取付けられドア窓13bの前部及び上部を外方から覆う自動車用サイドバイザーにおいて、ドア窓13bの前部から上部にかけて覆うとともに車幅方向外方に膨出しかつ下面が開放された第1覆い部21と、ドア窓13bの上部のうち第1覆い部21より下方を覆うとともにドア窓13bを開放可能に閉止する窓ガラス13cより外方であって第1覆い部21の下縁より車幅方向内側に位置し後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス13cに近付きかつ下縁が窓ガラス13c外面に接近して設けられた第2覆い部22と、第1覆い部21下縁のうちドア窓13b上部に位置する部分と第2覆い部22上縁とを一体的に接続することによりドア窓13b上部の第1及び第2覆い部21,22の間を覆い上方に突出するように湾曲するとともに前端から後端に向うに従って斜め上方に延びかつ車幅方向で第2覆い部22上縁から第1覆い部21下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる第3覆い部23と、第3覆い部23の前部に設けられた単一又は複数の通孔23a,23bとを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1及び図7に示すように、単一又は複数の通孔23a,23bから第2覆い部22外面にかけて単一又は複数のリブ17,18が略水平に延びて設けられたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1及び図3に示すように、第2覆い部22の下縁に沿ってゴム製のモール16が取付けられ、このモール16の先端が窓ガラス13c外面に更に接近するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点に基づく発明であって、更に図18に示すように、単一の通孔63aが第3覆い部63の前端から上方に湾曲し第3覆い部63の長手方向に延びて設けられたことを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の観点は、第1ないし第3の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、複数の通孔23a,23bが第3覆い部23の前端から上方に湾曲し第3覆い部23の長手方向に沿って配設されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の観点のサイドバイザーでは、車内の換気を行うために、窓ガラスの上縁がサイドバイザーの下縁より僅かに上方に位置するように窓ガラスを下降させると、自動車の走行によりサイドバイザーの外面に沿いかつサイドバイザーの前部から後部に向う空気流が発生するけれども、この空気流は、車幅方向外方に膨出する第1覆い部外面を通ることにより速くなり、続いて第3覆い部外面から第2覆い部外面を通ることにより更に加速される。この結果、第3覆い部の通孔外側を通過する高速の空気流により、通孔外側の空気の静圧が車内の空気の静圧に対して極めて小さくなるので、車内の空気が開放されたドア窓及び通孔を通って吸出され速やかに車外に排出される。従って、車内の換気を効率良く行うことができる。
【0018】
例えば、従来の自動車用室内空気排出促進部材では、排出促進部材をボンネット型自動車である乗用車のフロントピラーに取付けた場合、乗用車の走行により発生する空気流の流通方向に対するフロートピラーのなす角度が小さいため、排出促進部材の高さが低くなって、排出促進部材から車内の空気を吸出すための鉛直方向の幅が小さくなり、車内の換気効率が低下する。これに対し、本発明のサイドバイザーを乗用車のサイドドアの窓枠に取付けた場合、窓ガラスを下降させてドア窓の前部及び上部を開放すると、開放されたドア窓前部の高さが低く、開放されたドア窓前部から車内の空気を吸出すための鉛直方向の幅が小さいけれども、第3覆い部の前部への通孔の形成により、開放されたドア窓の前部に加えて通孔からも車内の空気を吸出すことができる。即ち本発明では、開放されたドア窓の前部の鉛直方向の幅に通孔の鉛直方向の幅を加えた比較的大きな鉛直方向の幅から車内の空気を吸出すことができるので、車内の換気を効率良く行うことができる。
【0019】
また第2覆い部をその後端から前端に向うに従って次第に窓ガラスに近付くように形成した、即ち第2覆い部をその前端から後端に向うに従って次第に窓ガラスから離れるように形成したので、通孔外側を通過するとき車内の空気を吸出した空気流が第2覆い部外面から剥離することなく第2覆い部外面に沿ってスムーズに流れる。この結果、複数の吸出し口の前縁に複数のフィンを外向き後方にそれぞれ突設したため各フィンの後方で渦流が発生し風切り音が大きくなる従来の自動車用サイドバイザーと比較して、本発明では、風切り音が殆ど発生せずに、効率の良い車内換気を行うことができる。
【0020】
また第2覆い部の下縁を窓ガラス外面に接近して設けたので、通孔から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのを抑制できる。更に内壁面にグリル板を溶着するためサイドバイザーの部品点数及び製作工数が増大する従来の自動車用サイドバイザーや、外羽根及び内羽根に2枚以上の渡し板を接着するため排出促進部材の部品点数及び製作工数が増大する従来の自動車用室内空気排出促進部材と比較して、本発明では、第1覆い部と第2覆い部とが第3覆い部により一体的に接続されるので、サイドバイザーの部品点数及び製作工数を増大させずに済む。
【0021】
本発明の第2の観点のサイドバイザーでは、単一又は複数の通孔から第2覆い部外面にかけて単一又は複数のリブを略水平に延びて設けたので、通孔から吸出された車内の空気が上記リブにより整流されるとともに、サイドバイザーの通孔近傍の強度が高くなる。この結果、自動車の走行による空気流がサイドバイザー外面をその前部から後部に向ってスムーズに流れるので、風切り音が殆ど発生せず、また通孔の形成によるサイドバイザーの強度の低下を抑制できる。
【0022】
本発明の第3の観点のサイドバイザーでは、第2覆い部の下縁に沿って取付けられたゴム製のモールの先端を窓ガラス外面に更に接近するように構成したので、たとえサイドバイザーに外力が加わってモールの先端が窓ガラス外面に接触しても窓ガラス及びモールを損傷させずに、第2覆い部の下縁と窓ガラスとの隙間を極めて小さくすることができる。この結果、通孔から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのをほぼ確実に防止できる。
【0023】
本発明の第4の観点のサイドバイザーでは、単一の通孔を第3覆い部の前端から上方に湾曲し第3覆い部の長手方向に延びて設けたので、車内の空気を吸出すための通孔の鉛直方向の幅が大きくなる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができる。
【0024】
本発明の第5の観点のサイドバイザーでは、複数の通孔を第3覆い部の前端から上方に湾曲し第3覆い部の長手方向に沿って配設したので、車内の空気を吸出すための通孔の鉛直方向の幅が大きくなるとともに、各通孔を比較的小さくすることができる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができるとともに、サイドバイザーの通孔近傍の強度が高くなるので、通孔の形成によるサイドバイザーの強度の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明第1実施形態のサイドバイザーを取付けたトラック(キャブオーバ型自動車)のサイドドアを略正面から見たサイドドアの要部斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】図1のD−D線断面図である。
【図6】図1のE−E線断面図である。
【図7】そのサイドバイザーを取付けたサイドドアを斜め後方から見たサイドドアの要部斜視図である。
【図8】そのサイドバイザーを取付けたトラック(キャブオーバ型自動車)のキャブの平面図である。
【図9】そのサイドバイザーを取付けたトラック(キャブオーバ型自動車)のキャブの側面図である。
【図10】本発明第2実施形態のサイドバイザーを取付けた乗用車(ボンネット型自動車)のサイドドアを略正面から見たサイドドアの要部斜視図である。
【図11】図10のF−F線断面図である。
【図12】図10のG−G線断面図である。
【図13】図10のH−H線断面図である。
【図14】図10のI−I線断面図である。
【図15】図10のJ−J線断面図である。
【図16】そのサイドバイザーを取付けた乗用車(ボンネット型自動車)の要部平面図である。
【図17】そのサイドバイザーを取付けた乗用車(ボンネット型自動車)の要部側面図である。
【図18】本発明第3実施形態の乗用車(ボンネット型自動車)用のサイドバイザーの正面図である。
【図19】本発明第4実施形態の乗用車(ボンネット型自動車)用のサイドバイザーの正面図である。
【図20】従来例を示す図1に対応するサイドバイザー付きのサイドドアの要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図8及び図9に示すように、この実施の形態のサイドバイザー11は、キャブオーバ型のトラック10のサイドドア13に取付けられる。サイドバイザー11は左右対称であるため、助手席側のサイドドア13に取付けられたサイドバイザー11を代表して説明し、運転席側のサイドドア13に取付けられたサイドバイザー11の説明を省略する(図8)。トラック10のキャブ12の側面には乗員が乗降するための乗降口12aが設けられ、この乗降口12aはサイドドア13により開放可能に閉止される(図9)。サイドドア13の上部には窓枠13aにより区画されるドア窓13bが形成され、このドア窓13bは窓ガラス13cが昇降することにより開閉される。窓枠13aは、サイドドア13の前側に鉛直方向より僅かに後方に傾斜して起立する前枠部13dと、トラック10の進行方向に延びる上枠部13eと、サイドドア13の後側に略鉛直方向に起立する後枠部13fとを有する。また窓ガラス13cが上昇することによりドア窓13bが窓ガラス13cにより閉止され、窓ガラス13cが下降することによりドア窓13bが開放されるように構成される。
【0027】
サイドバイザー11は窓枠13aの前枠部13d、上枠部13e及び後枠部13fに両面粘着テープ14(図2〜図6)等により取付けられ、ドア窓13bの前部及び上部を外方から覆うように構成される(図1、図7及び図9)。またサイドバイザー11は、ドア窓13bの前部から上部にかけて覆う第1覆い部21と、ドア窓13bの上部のうち第1覆い部21より下方を覆う第2覆い部22と、第1覆い部21下縁のうちドア窓13b上部に位置する部分と第2覆い部22上縁とを一体的に接続することによりドア窓13b上部の第1及び第2覆い部21,22の間を覆う第3覆い部23と、第3覆い部23の前部に設けられた2つの通孔23a,23bとを備える(図1及び図7)。第1〜第3覆い部21〜23は、半透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。なお、第1〜第3覆い部は、半透明プラスチックではなく、不透明プラスチックにより一体的に形成してもよく、或いは日除けとしての機能が不要で室内換気としての機能のみが必要である場合には、透明プラスチックにより一体的に形成してもよい。
【0028】
第1覆い部21は、車幅方向外方に膨出し、かつ下面が開放されるように構成される(図1〜図5)。また第1覆い部21は、前部下方に向うに従って次第にトラック10の進行方向における幅が狭くなって前枠部13dの幅内に収まるように形成されるとともに、上部後方に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなって上枠部13eの幅内に収まるように形成される(図1)。更に第1覆い部21の前部後縁は前方に突出するように湾曲して形成され、第1覆い部21の上部下縁は上方に突出するように湾曲して形成される。
【0029】
第2覆い部22は、ドア窓13bを閉止した窓ガラス13cより外方であって、第1覆い部21の下縁より車幅方向内側に位置して設けられる(図3〜図5)。また第2覆い部22は、後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス13cに近付くように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス13cから離れるように形成される(図6)。また第2覆い部22は、後端から前端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなるように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が広くなるように形成される(図1)。第2覆い部22の上縁は上方に突出するように湾曲して形成される。更に第2覆い部22の下縁はトラック10の進行方向に延びて形成されるとともに(図1)、車幅方向において窓ガラス13c外面に向って突設され、窓ガラス13c外面に接近して設けられる(図3〜図5)。この第2覆い部22の下縁には、この下縁に沿ってゴム製のモール16が取付けられる。このモール16の先端は、窓ガラス13c外面に向って突出し、窓ガラス13c外面に第2覆い部22下縁より更に接近するように構成される。
【0030】
第3覆い部23は、上方に突出するように湾曲するとともに、前端から後端に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。また第3覆い部23は、車幅方向において第2覆い部22上縁から第1覆い部21下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。更に第3覆い部23の前部は車幅方向において窓ガラス13cに向って突出するように湾曲して形成される(図3及び図6)。第3覆い部23の前部の湾曲する部分の曲率半径は比較的大きく形成される。一方、2つの通孔23a,23bは第3覆い部23の前端から上方に湾曲し第3覆い部23の長手方向に沿って配設される。また2つの通孔23a,23bの下縁から第2覆い部22外面にかけて2本のリブ17,18が略水平に延びて設けられる。これらのリブ17,18は第1〜第3覆い部21〜23と一体的に形成される(図3及び図4)。更にこれらのリブ17,18の高さは、第2覆い部22と第3覆い部23の接続部で最も高くなるように形成される。そしてリブ17,18の高さは、上記接続部から前方に向うに従って次第に低くなり、上記接続部から後方に向うに従って次第に低くなるように形成される。但し、リブ17,18の先端面(上面)はリブ17,18の長手方向にわたって直線に近いなだらかな曲線状に構成される。
【0031】
このように構成されたトラック10用のサイドバイザー11の動作を説明する。トラック10の走行中にキャブ12内の換気を行うときには、窓ガラス13cの上縁がサイドバイザー11の下縁より僅かに上方に位置するように窓ガラス13cを下降させる、即ちサイドバイザー11のモール16の先端が窓ガラス13cの上端より僅かに下方の外面に向って突出するように窓ガラス13cを下降させる(図1)。このときトラック10の走行によりサイドバイザー11の外面に沿いかつサイドバイザー11の前部から後部に向う空気流が発生する。この空気流は、車幅方向外方に膨出する第1覆い部21外面を通ることにより速くなり、続いて第3覆い部23外面から第2覆い部22外面を通ることにより更に加速される。この結果、第3覆い部23の通孔23a,23b外側を通過する高速の空気流により、通孔23a,23b外側における空気の静圧がキャブ12内の空気の静圧に対して極めて小さくなるとともに、サイドバイザー11前部後縁と窓ガラス13c前部上縁との間の開口部19外側における空気の静圧がキャブ12内の空気の静圧に対して極めて小さくなるので、キャブ12内の空気が開放された通孔23a,23b及び開口部19を通って吸出され速やかにキャブ12外に排出される。また第2覆い部22をその後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス13cに近付くように形成した、即ち第2覆い部22をその前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス13cから離れるように形成したので、通孔23a,23b外側を通過するときキャブ12内の空気を吸出した空気流が第2覆い部22外面から剥離することなく第2覆い部22外面に沿ってスムーズに流れる(図6)。この結果、風切り音が殆ど発生せずに、効率の良いキャブ12内換気を行うことができる。
【0032】
一方、第2覆い部22の下縁を窓ガラス13c外面に接近して設けるとともに、この下縁に沿ってゴム製のモール16を取付けたので、モール16の先端が窓ガラス13c外面に更に接近するように構成したので、たとえサイドバイザー14に外力が加わってモール16の先端が窓ガラス13c外面に接触しても窓ガラス13c及びモール16を損傷させずに、第2覆い部22の下縁と窓ガラス13cとの隙間を極めて小さくすることができるとともに、通孔23a,23b及び開口部19からキャブ12外に排出されたキャブ12内の空気が再びキャブ12内に侵入するのをほぼ確実に防止できる。また2つの通孔23a,23bの下縁から第2覆い部22外面にかけて2本のリブ17,18を略水平に延びて設けたので、通孔23a,23bから吸出されたキャブ12内の空気が上記リブ17,18により整流されるとともに、サイドバイザー11の通孔23a,23b近傍の強度が高くなる。この結果、トラック10の走行による空気流がサイドバイザー11外面をその前部から後部に向ってスムーズに流れるので、風切り音が殆ど発生せず、また通孔23a,23bの形成によるサイドバイザー11の強度の低下を抑制できる。なお、この実施の形態のサイドバイザーは、キャブオーバ型自動車であれば、トラックに限らず他の自動車にも適用できるとともに、サイドドアの前枠が鉛直方向より僅かに後方に傾斜して起立していれば、ワンボックスカー等の乗用車にも適用できる。
【0033】
<第2の実施の形態>
図10〜図17は本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、サイドバイザー41はボンネット型の乗用車40のサイドドア43に取付けられる(図16及び図17)。サイドバイザー41は左右対称であるため、助手席側のサイドドア43に取付けられたサイドバイザー41を代表して説明し、運転席側のサイドドア43に取付けられたサイドバイザー41の説明を省略する(図16)。乗用車40の前部側面には乗員が乗降するための乗降口40aが設けられ、この乗降口40aはサイドドア43により開放可能に閉止される(図17)。サイドドア43の上部には窓枠43aにより区画されるドア窓43bが形成され、このドア窓43bは窓ガラス43cが昇降することにより開閉される。窓枠43aは、サイドドア43の前側に鉛直方向より大きな角度で後方に傾斜して上方に延びる前枠部43dと、乗用車40の進行方向に延びる上枠部43eと、サイドドア43の後側に略鉛直方向に起立する後枠部43fとを有する。また窓ガラス43cが上昇することによりドア窓43bが窓ガラス43cにより閉止され、窓ガラス43cが下降することによりドア窓43bが開放されるように構成される。
【0034】
サイドバイザー41は窓枠43aの前枠部43d、上枠部43e及び後枠部43fに両面粘着テープ44(図11〜図15)等により取付けられ、ドア窓43bの前部及び上部を外方から覆うように構成される(図10及び図16)。またサイドバイザー41は、ドア窓43bの前部から上部にかけて覆う第1覆い部51と、ドア窓43bの上部のうち第1覆い部51より下方を覆う第2覆い部52と、第1覆い部51下縁のうちドア窓43b上部に位置する部分と第2覆い部52上縁とを一体的に接続することによりドア窓43b上部の第1及び第2覆い部51,52の間を覆う第3覆い部53と、第3覆い部53の前部に設けられた2つの通孔53a,53bとを備える(図10)。第1〜第3覆い部51〜53は、半透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。なお、第1〜第3覆い部は、半透明プラスチックではなく、不透明プラスチックにより一体的に形成してもよく、或いは日除けとしての機能が不要で室内換気としての機能のみが必要である場合には、透明プラスチックにより一体的に形成してもよい。
【0035】
第1覆い部51は、車幅方向外方に膨出し、かつ下面が開放されるように構成される(図10〜図14)。また第1覆い部51は、前部下方に向うに従って次第に乗用車40の進行方向における幅が狭くなって前枠部43dの幅内に収まるように形成されるとともに、上部後方に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなって上枠部43eの幅内に収まるように形成される(図1)。更に第1覆い部51の前部後縁は前方に突出するように湾曲して形成され、第1覆い部51の上部下縁は上方に突出するように湾曲して形成される。なお、第1覆い部51の前部は前枠部43dの下部まで延びて設けられる。
【0036】
第2覆い部52は、ドア窓43bを閉止した窓ガラス43cより外方であって、第1覆い部51の下縁より車幅方向内側に位置して設けられる(図12〜図14)。また第2覆い部52は、後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス43cに近付くように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス43cから離れるように形成される(図15)。また第2覆い部52は、後端から前端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が狭くなるように形成される、換言すれば、前端から後端に向うに従って次第に鉛直方向における幅が広くなるように形成される(図10)。第2覆い部52の上縁は上方に突出するように湾曲して形成される。更に第2覆い部52の下縁は乗用車40の進行方向に延びて形成されるとともに(図10)、車幅方向において窓ガラス43c外面に向って突設され、窓ガラス43c外面に接近して設けられる(図12〜図14)。この第2覆い部52の下縁には、この下縁に沿ってゴム製のモール46が取付けられる。このモール46の先端は、窓ガラス43c外面に向って突出し、窓ガラス43c外面に第2覆い部52下縁より更に接近するように構成される。
【0037】
第3覆い部53は、上方に突出するように湾曲するとともに、前端から後端に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。また第3覆い部53は、車幅方向において第2覆い部52上縁から第1覆い部51下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。更に第3覆い部53の前部は車幅方向において窓ガラス43cに向って突出するように湾曲して形成される(図12及び図15)。第3覆い部53の前部の湾曲する部分の曲率半径は比較的大きく形成される。一方、2つの通孔53a,53bは第3覆い部53の前端から上方に湾曲し第3覆い部53の長手方向に沿って配設される。また2つの通孔53a,53bの下縁から第2覆い部52外面にかけて2本のリブ47,48が略水平に延びて設けられる。これらのリブ47,48は第1〜第3覆い部51〜53と一体的に形成される(図12及び図13)。更にこれらのリブ47,48の高さは、第2覆い部52と第3覆い部53の接続部近傍で最も高くなるように形成される。そしてリブ47,48の高さは、上記接続部から前方に向うに従って次第に低くなり、上記接続部から後方に向うに従って次第に低くなるように形成される。但し、リブ47,48の先端面(上面)はリブ47,48の長手方向にわたって直線に近いなだらかな曲線状に構成される。
【0038】
このように構成された乗用車40用のサイドバイザー41の動作を説明する。乗用車40の走行中に車内の換気を行うときには、窓ガラス43cの上縁がサイドバイザー41の下縁より僅かに上方に位置するように窓ガラス43cを下降させる、即ちサイドバイザー41のモール46の先端が窓ガラス43cの上端より僅かに下方の外面に向って突出するように窓ガラス43cを下降させる(図10)。このとき乗用車40の走行によりサイドバイザー41の外面に沿いかつサイドバイザー41の前部から後部に向う空気流が発生する。この空気流は、車幅方向外方に膨出する第1覆い部51外面を通ることにより速くなり、続いて第3覆い部53外面から第2覆い部52外面を通ることにより更に加速される。この結果、第3覆い部53の通孔53a,53b外側を通過する高速の空気流により、通孔53a,53b外側における空気の静圧が車内の空気の静圧に対して極めて小さくなるとともに、サイドバイザー41の前部後縁とドア窓43bの前縁との間の開口部49外側における空気の静圧に対して極めて小さくなるので、車内の空気が開放されたドア窓43b及び通孔53a,53bを通って吸出され速やかに車外に排出される。ここで、この実施の形態の乗用車では、開放されたドア窓43b前部の高さが低いため、開口部49から車内の空気を吸出すための鉛直方向の幅が小さいけれども、第3覆い部53の前部への通孔53a,53bの形成により、開放されたドア窓43bの前部に加えて通孔53a,53bからも車内の空気を吸出すことができる。即ち、開放されたドア窓43bの前部の鉛直方向の幅に通孔53a,53bの鉛直方向の幅を加えた比較的大きな鉛直方向の幅から車内の空気を吸出すことができる。また第2覆い部52をその後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス43cに近付くように形成した、即ち第2覆い部52をその前端から後端に向うに従って次第に窓ガラス43cから離れるように形成したので、通孔53a,53b外側を通過するとき車内の空気を吸出した空気流が第2覆い部52外面から剥離することなく第2覆い部52外面に沿ってスムーズに流れる(図15)。従って、風切り音が殆ど発生せずに、効率の良い車内換気を行うことができる。
【0039】
一方、第2覆い部52の下縁を窓ガラス43c外面に接近して設けるとともに、この下縁に沿ってゴム製のモール46を取付けたので、モール46の先端が窓ガラス43c外面に更に接近するように構成したので、たとえサイドバイザー41に外力が加わってモール46の先端が窓ガラス43c外面に接触しても窓ガラス43c及びモール46を損傷させずに、第2覆い部52の下縁と窓ガラス43cとの隙間を極めて小さくすることができるとともに、通孔53a,53b及び開口部49から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのをほぼ確実に防止できる。また2つの通孔53a,53bの下縁から第2覆い部52外面にかけて2本のリブ47,48を略水平に延びて設けたので、通孔53a,53bから吸出された車内の空気が上記リブ47,48により整流されるとともに、サイドバイザー41の通孔53a,53b近傍の強度が高くなる。この結果、乗用車10の走行による空気流がサイドバイザー41外面をその前部から後部に向ってスムーズに流れるので、風切り音が殆ど発生せず、また通孔53a,53bの形成によるサイドバイザー41の強度の低下を抑制できる。なお、この実施の形態のサイドバイザーは、ボンネット型自動車であれば、乗用車に限らず他の自動車にも適用できるとともに、サイドドアの前枠が鉛直方向より大きな角度で後方に傾斜して上方に延びていれば、ボンネット型トラック等の自動車にも適用できる。
【0040】
<第3の実施の形態>
図18は本発明の第3の実施の形態を示す。図18において図10と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、単一の通孔63aが第3覆い部63の前端から上方に湾曲し第3覆い部63の長手方向に延びて設けられる。また単一の通孔63aの下縁から第2覆い部52外面にかけて単一のリブ67が略水平に延びて設けられる。このリブ67は第1〜第3覆い部51,52,63と一体的に形成される。上記以外は第2の実施の形態と同一に構成される。このように構成された乗用車用のサイドバイザー61では、単一の通孔63aを第3覆い部63の前端から上方に湾曲し第3覆い部63の長手方向に延びて設けたので、車内の空気を吸出すための通孔63aの鉛直方向の幅が大きくなる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができる。上記以外の動作は第2の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0041】
<第4の実施の形態>
図19は本発明の第4の実施の形態を示す。図19において図10と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、3つの通孔83a〜83cが第3覆い部83の前端から上方に湾曲し第3覆い部83の長手方向に沿って配設される。また3つの通孔83a〜83cの下縁から第2覆い部52外面にかけて3本のリブ87〜89が略水平に延びて設けられる。これらのリブ87〜89は第1〜第3覆い部51,52,83と一体的に形成される。上記以外は第2の実施の形態と同一に構成される。このように構成された乗用車用のサイドバイザー81では、3つの通孔83a〜83cを第3覆い部83の前端から上方に湾曲し第3覆い部83の長手方向に沿って配設したので、車内の空気を吸出すための通孔83a〜83cの鉛直方向の幅が大きくなるとともに、各通孔83a〜83cを比較的小さくすることができる。この結果、車内の空気を吸出し易くなるので、車内の換気を効率良く行うことができるとともに、サイドバイザー81の通孔83a〜83c近傍の強度が高くなるので、通孔83a〜83cの形成によるサイドバイザー81の強度の低下を抑制できる。上記以外の動作は第2の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【符号の説明】
【0042】
10 トラック(自動車)
11,41,61,81 サイドバイザー
13,43 サイドドア
13a,43a 窓枠
13b,43b ドア窓
13c,43c 窓ガラス
16,46 モール
17,18,47,48,67,87〜89 リブ
21,51 第1覆い部
22,52 第2覆い部
23,53,63,83 第3覆い部
23a,23b,53a,53b,63a,83a〜83c 通孔
40 乗用車(自動車)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドドア(13,43)のドア窓(13b,43b)を区画する窓枠(13a,43a)に取付けられ前記ドア窓(13b,43b)の前部及び上部を外方から覆う自動車用サイドバイザーにおいて、
前記ドア窓(13b,43b)の前部から上部にかけて覆うとともに車幅方向外方に膨出しかつ下面が開放された第1覆い部(21,51)と、
前記ドア窓(13b,43b)の上部のうち前記第1覆い部(21,51)より下方を覆うとともに前記ドア窓(13b,43b)を開放可能に閉止する窓ガラス(13c,43c)より外方であって前記第1覆い部(21,51)の下縁より車幅方向内側に位置し後端から前端に向うに従って次第に前記窓ガラス(13c,43c)に近付きかつ下縁が前記窓ガラス(13c,43c)外面に接近して設けられた第2覆い部(22,52)と、
前記第1覆い部(21,51)下縁のうち前記ドア窓(13b,43b)上部に位置する部分と前記第2覆い部(22,52)上縁とを一体的に接続することにより前記ドア窓(13b,43b)上部の前記第1覆い部(21,51)及び前記第2覆い部(22,52)の間を覆い上方に突出するように湾曲するとともに前端から後端に向うに従って斜め上方に延びかつ車幅方向で前記第2覆い部(22,52)上縁から前記第1覆い部(21,51)下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる第3覆い部(23,53,63,83)と、
前記第3覆い部(23,53,63,83)の前部に設けられた単一又は複数の通孔(23a,23b,53a,53b,63a,83a〜83c)と
を備えたことを特徴とする自動車用サイドバイザー。
【請求項2】
前記単一又は複数の通孔(23a,23b,53a,53b,63a,83a〜83c)から前記第2覆い部(22,52)外面にかけて単一又は複数のリブ(17,18,47,48,67,87〜89)が略水平に延びて設けられた請求項1記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項3】
前記第2覆い部(22,52)の下縁に沿ってゴム製のモール(16,46)が取付けられ、このモール(16,46)の先端が前記窓ガラス(13c,43c)外面に更に接近するように構成された請求項1記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項4】
前記単一の通孔(63a)が前記第3覆い部(63)の前端から上方に湾曲し前記第3覆い部(63)の長手方向に延びて設けられた請求項1ないし3いずれか1項に記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項5】
前記複数の通孔(23a,23b,53a,53b,83a〜83c)が前記第3覆い部(23,53,83)の前端から上方に湾曲し前記第3覆い部(23,53,83)の長手方向に沿って配設された請求項1ないし3いずれか1項に記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項1】
サイドドア(13,43)のドア窓(13b,43b)を区画する窓枠(13a,43a)に取付けられ前記ドア窓(13b,43b)の前部及び上部を外方から覆う自動車用サイドバイザーにおいて、
前記ドア窓(13b,43b)の前部から上部にかけて覆うとともに車幅方向外方に膨出しかつ下面が開放された第1覆い部(21,51)と、
前記ドア窓(13b,43b)の上部のうち前記第1覆い部(21,51)より下方を覆うとともに前記ドア窓(13b,43b)を開放可能に閉止する窓ガラス(13c,43c)より外方であって前記第1覆い部(21,51)の下縁より車幅方向内側に位置し後端から前端に向うに従って次第に前記窓ガラス(13c,43c)に近付きかつ下縁が前記窓ガラス(13c,43c)外面に接近して設けられた第2覆い部(22,52)と、
前記第1覆い部(21,51)下縁のうち前記ドア窓(13b,43b)上部に位置する部分と前記第2覆い部(22,52)上縁とを一体的に接続することにより前記ドア窓(13b,43b)上部の前記第1覆い部(21,51)及び前記第2覆い部(22,52)の間を覆い上方に突出するように湾曲するとともに前端から後端に向うに従って斜め上方に延びかつ車幅方向で前記第2覆い部(22,52)上縁から前記第1覆い部(21,51)下縁に向うに従って斜め上方に延びて設けられる第3覆い部(23,53,63,83)と、
前記第3覆い部(23,53,63,83)の前部に設けられた単一又は複数の通孔(23a,23b,53a,53b,63a,83a〜83c)と
を備えたことを特徴とする自動車用サイドバイザー。
【請求項2】
前記単一又は複数の通孔(23a,23b,53a,53b,63a,83a〜83c)から前記第2覆い部(22,52)外面にかけて単一又は複数のリブ(17,18,47,48,67,87〜89)が略水平に延びて設けられた請求項1記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項3】
前記第2覆い部(22,52)の下縁に沿ってゴム製のモール(16,46)が取付けられ、このモール(16,46)の先端が前記窓ガラス(13c,43c)外面に更に接近するように構成された請求項1記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項4】
前記単一の通孔(63a)が前記第3覆い部(63)の前端から上方に湾曲し前記第3覆い部(63)の長手方向に延びて設けられた請求項1ないし3いずれか1項に記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項5】
前記複数の通孔(23a,23b,53a,53b,83a〜83c)が前記第3覆い部(23,53,83)の前端から上方に湾曲し前記第3覆い部(23,53,83)の長手方向に沿って配設された請求項1ないし3いずれか1項に記載の自動車用サイドバイザー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−189831(P2011−189831A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57258(P2010−57258)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【特許番号】特許第4566282号(P4566282)
【特許公報発行日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(592213914)林化学工業株式会社 (6)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【特許番号】特許第4566282号(P4566282)
【特許公報発行日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(592213914)林化学工業株式会社 (6)
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