説明

自動釣銭機

【課題】入金処理直後の入金取消処理で、顧客が投入した紙幣と同一の紙幣を排出するための手段を提供する。
【解決手段】紙幣入出金口8に投入された紙幣を鑑別する紙幣鑑別部41と、千円券を収納する紙幣収納庫42aと、その他の金種の紙幣を収納する紙幣収納庫42bとを有する自動釣銭機1であって、入金取消処理を行う際に直前の入金処理で紙幣入出金口8に投入された紙幣の各金種の枚数をPOSレジスタ15から受信し、その金種と枚数に基づいて、紙幣収納庫42a、42bの少なくとも一方から紙幣を繰出して紙幣入出金口8から排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において使用されるPOSレジスタに接続する自動釣銭機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動釣銭機は、入金された紙幣を金種ごとに収納するために、千円券を収納する紙幣収納庫Aと、5千円券を収納する紙幣収納庫B、1万円券を収納する紙幣収納庫Cの3つの紙幣収納庫を有している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−34523号公報(段落「0015」、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では以下の問題がある。一般に、POSレジスタでは入金処理を行った直後にその入金処理を取り消して入金された紙幣を返却する入金取消処理を行う場合があり、入金取消処理では係員によってPOSレジスタの操作表示部で返却紙幣の金額入力がなされ、その金額を自動釣銭機がPOSレジスタから受信すると、受信した金額に基づいて各紙幣収納庫から紙幣を繰出している。
【0005】
この場合、従来の自動釣銭機では、入金処理で5千円券が投入されていた場合、入金取消処理を行う際に紙幣収納庫から繰出す紙幣は5千円券ではなく、千円券で返却する等、直前の入金処理の際に投入された紙幣と別の金種の紙幣に代えて返却する場合があるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、紙幣入出金口に投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、該鑑別部で鑑別した紙幣の内、特定の1金種の紙幣を収納する第1の収納庫と、その他の金種の紙幣を混在させて収納する第2の収納庫とを有し、POSレジスタと接続してPOSレジスタからの指示に従って入出金処理を実行する自動釣銭機であって、入金処理の直後に入金取消処理が入力され、前記入金処理で前記紙幣入出金口に投入された紙幣の各金種の枚数を前記POSレジスタから受信したとき、その金種と枚数に基づいて、前記第1の収納庫と前記第2の収納庫の少なくとも一方から紙幣を繰出して前記紙幣入出金口から排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
これにより、本発明は、入金処理直後に入金取消処理を行ったとき、直前に投入された紙幣をそのまま排出することができるため、顧客から受け取った紙幣をそのまま返却することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の自動釣銭機を示す外観斜視図
【図2】実施例1の自動釣銭機を示すブロック図
【図3】実施例1の紙幣入出金部の構成を示す説明図
【図4】紙幣収納庫における収納紙幣情報のテーブルを示す説明図
【図5】紙幣リジェクト庫における収納紙幣情報のテーブルを示す説明図
【図6】紙幣回収カセットにおける収納紙幣情報のテーブルを示す説明図
【図7】入金取消処理の確認を促す取消処理確認画面例
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、図面を参照して本発明による自動釣銭機の実施例を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1の自動釣銭機を示す外観斜視図である。
【0012】
図1において、1は自動釣銭機であり、紙幣および硬貨の入出金処理を行うものである。
【0013】
この自動釣銭機1はPOSレジスタ15と相互に通信可能に接続されていて、POSレジスタ15によって紙幣および硬貨の入出金管理が行なわれる。
【0014】
また、自動釣銭機1は、硬貨の入出金を行うための硬貨入出金部2と、紙幣の入出金を行うための紙幣入出金部3とによって構成されている。
【0015】
4は硬貨入金口であり、入金する硬貨を投入する入金口である。この硬貨入金口4から硬貨を投入するとその硬貨は硬貨入出金部2内に引き込まれて金種別に振り分けられて図示しない硬貨収納庫に収納される。
【0016】
5は硬貨出金口であり、出金する硬貨を蓄積する出金口である。硬貨の釣銭が必要なときは硬貨入出金部2内に収納された硬貨をこの硬貨出金口5に払い出す。
【0017】
6は硬貨リジェクト口であり、硬貨入金口4に投入された硬貨を硬貨入出金部2内に引き込み鑑別した結果、1円、5円、10円、50円、100円、500円硬貨のいずれでもないと判断したリジェクト硬貨を返却する返却口である。
【0018】
8は紙幣入出金口であり、入金する紙幣を投入する紙幣投入口および出金する紙幣を蓄積する出金口である。この紙幣入出金口8に投入された紙幣は紙幣入出金部3内に引き込まれて金種別に振り分けられて後述する紙幣収納庫に収納される。
【0019】
9は紙幣回収カセットであり、紙幣入出金部3内の紙幣収納庫42a、42bに収納した紙幣を回収するときにその紙幣を収納するカセットである。
【0020】
10は表示操作部であり、液晶ディスプレイ等の表示部とその表示部上に配されたタッチパネル等の操作部とからなり、自動釣銭機1への現金補充に関する操作者への操作案内を表示する他、操作者による入力操作等を受け付ける。
【0021】
POSレジスタ15は、商品に付されているバーコードから商品の金額を読取る図示しないバーコード読取部を備えると共に、表示画面とその上に配されたタッチパネルからなるレジスタ表示操作部16を備えており、表示画面に顧客が購入する商品の総額等やバーコードの付されていない商品の金額を入力するためのテンキー等の入力キーを表示し、その入力キーをタッチパネル上から押下することで入力キーに定義された情報を入力できるものとなっている。
【0022】
17はレシート印字部であり、顧客が購入した商品の総額や顧客から預かった現金金額、顧客に支払う釣銭等を印字したレシートを発行する機能を有する。
【0023】
図2は実施例1の自動釣銭機を示すブロック図である。
【0024】
図2において、20は制御部であり、記憶部21に格納された制御プログラムに従って自動釣銭機1の各部を制御して各種処理を遂行すると共に、通信部23によりPOSレジスタ15と通信可能に接続する。
【0025】
21は記憶部であり、制御プログラムを格納して制御部20による処理結果を記憶する他、紙幣の金種をコード化したコード情報を格納する。
【0026】
22は紙幣入出金部3の抜き取り検知センサであり、例えば光学式のセンサ等によって構成され、紙幣入出金口8に出金した紙幣の抜き取りを検知する検知手段として機能する。
【0027】
30はPOSレジスタのレジスタ制御部であり、レジスタ記憶部31に格納された入出金管理の制御プログラムに従ってPOSレジスタ15の各部を制御して顧客が購入する商品の会計処理を遂行する。
【0028】
31はレジスタ記憶部であり、入出金管理の制御プログラムを格納する他、レジスタ制御部30による処理結果を記憶する。
【0029】
図3は実施例1の紙幣入出金部の構成を示す説明図である。
【0030】
図3において、40は紙幣搬送路であり、紙幣の上面に接するベルトと、紙幣の下面に接するベルトとの一対のベルト搬送機構等を備え、紙幣入出金口8から挿入された紙幣を紙幣鑑別部41や紙幣収納庫42a(第1の収納庫)、紙幣収納庫42b(第2の収納庫)、紙幣リジェクト庫43、紙幣回収カセット9に搬送する機能を有する。また紙幣搬送路40には紙幣の通過を検知するための図示しないセンサを複数配置し、さらに紙幣の搬送経路を切り替えるための図示しない搬送切替ブレードを紙幣搬送路の分岐合流部に配置している。
【0031】
紙幣鑑別部41は、紙幣入出金口8から搬送されてきた紙幣の金種や正損を鑑別する機能を有する。
【0032】
紙幣収納庫42a、42bは、図示しないステージを有し、そのステージ上に紙幣を落下させ集積することで収納する収納庫であり、紙幣収納庫42aは千円券を収納し、紙幣収納庫42bには5千円券、2千円券、1万円券を混在させて収納する。
【0033】
また、紙幣収納庫42a、42bは、最上位に積まれている紙幣を紙幣搬送路40に繰出すための図示しない紙幣繰出機構が設けられている。
【0034】
なお、紙幣収納庫42a、42bは顧客に釣銭として用いる紙幣を収納する釣銭用紙幣収納庫としても運用されているものとし、釣銭用として予め準備された釣銭準備金である紙幣が係員によって収納される。
【0035】
紙幣リジェクト庫43は、出金取引において紙幣鑑別部41で金種不明と鑑別された紙幣を収納する。
【0036】
上述した記憶部21は紙幣収納庫42a、42bと紙幣リジェクト庫43、紙幣回収カセット9に収納する紙幣の金種や収納枚数等の情報からなる収納紙幣情報を記憶するテーブルを有しているものとする。
【0037】
ここで、図4は紙幣収納庫における収納紙幣情報のテーブルを示す説明図であり、(a)は紙幣収納庫42aのテーブル構成、(b)は紙幣収納庫42bのテーブル構成を示し、図5は紙幣リジェクト庫における収納紙幣情報のテーブルを示す説明図、図6は紙幣回収カセットにおける収納紙幣情報のテーブルを示す説明図である。
【0038】
記憶部21が記憶する紙幣収納庫42aのテーブルは、図4(a)に示すように収納する紙幣の金種、つまり千円券であることを示す数字列のコードと、入金処理で収納した千円券の総枚数、出金取引や回収処理で紙幣収納庫42aから繰出した千円券の繰出枚数、繰出した千円券の内紙幣入出金口8まで搬送することで自動釣銭機1外に搬出した搬出枚数から構成される。
【0039】
紙幣収納庫42bのテーブルは、図4(b)に示すように収納する紙幣の金種、つまり2千円券、5千円券、1万円券を示すそれぞれのコードに関連づけるようにして、入金処理で収納した紙幣枚数つまり2千円券、5千円券、1万円券の各々の総枚数、出金取引や回収処理で紙幣収納庫42bから繰出した2千円券、5千円券、1万円券の各々の繰出枚数、繰出した紙幣の内紙幣入出金口8まで搬送することで自動釣銭機1外に搬出した2千円券、5千円券、1万円券の各々の搬出枚数から構成される。
【0040】
紙幣リジェクト庫43のテーブルは、図5に示すように、リジェクト紙幣であることを示すコードと、収納しているリジェクト紙幣の収納枚数とによって構成される。
【0041】
紙幣回収カセット9のテーブルは、図6に示すように収納する紙幣の金種、つまり紙幣収納庫42aから回収される千円券、紙幣収納庫42bから回収される2千円券、5千円券、1万円券の各紙幣の金種を示すコードと、回収処理によって収納した各金種の回収枚数とによって構成される。
【0042】
なお、本実施例では図4、図5、図6に示すように千円券のコードを“0004”、2千円券のコードを“0003”、5千円券のコードを“0002”、1万円券のコードを“0001”、リジェクト紙幣のコードを“8001”とする。
【0043】
上述した構成の作用について説明する。
【0044】
店舗のレジで顧客から商品を受け取ったPOSレジスタ15の係員がバーコード読取部に商品のバーコードを読取らせると、POSレジスタ15のレジスタ制御部30はバーコード読取部で読取った商品総額をレジスタ記憶部31に記憶すると共に、その商品総額をレジスタ表示操作部16に表示する。
【0045】
係員は、顧客に対して表示された商品総額の現金を伝えてその支払いを促す。
【0046】
そして、係員は顧客から現金を受け取るとその現金の金額を確認し、その現金金額をレジスタ表示操作部16によって入力する。なお、顧客から受け取った現金は自動釣銭機1に投入せずに係員側で一時預かるものとする。
【0047】
レジスタ制御部30は、入力された金額を入力金額としてレジスタ記憶部31に記憶し、記憶している商品総額と入力金額とを読み出して入力金額から総額を差し引くことで釣銭計算を行い、算出した釣銭額を自動釣銭機1に送信する。
【0048】
自動釣銭機1の制御部20は、受信した釣銭額をもとに紙幣入出金部3によって紙幣収納庫42a、42bから紙幣を繰出して紙幣入出金口8に搬送して蓄積すると共に、硬貨入出金部2によって図示しない硬貨収納庫から硬貨を繰出し搬送して硬貨出金口5に払出す。
【0049】
制御部20は、紙幣入出金部3によって出金した金種ごとの紙幣枚数をもとに記憶部21に記憶している紙幣収納庫42a、42bのテーブルの繰出枚数に繰出した紙幣の枚数を加算すると共に、搬出枚数に紙幣入出金口8まで搬送した紙幣の枚数を加算する。
【0050】
一方、係員は紙幣入出金口8に蓄積している紙幣を抜き取って硬貨出金口5から硬貨を取ることで、顧客に渡す釣銭を受け取ってその釣銭を顧客に渡す。
【0051】
次に、係員は顧客から受け取っていた現金を投入するが、ここでは紙幣のみを投入したものとして、紙幣の入金処理について説明する。
【0052】
係員が紙幣入出金口8に紙幣を投入すると、制御部20は紙幣搬送部40によって投入された紙幣を紙幣鑑別部41に搬送し、金種の鑑別を行って鑑別した金種に応じて紙幣を紙幣収納庫42a、42bのいずれかに搬送して収納する。
【0053】
ここでは制御部20は、紙幣鑑別部41で鑑別した紙幣の金種のコードと紙幣収納庫42a、42bのテーブルとを照合し、その紙幣の搬送先を特定する。例えば紙幣が千円券であれば、千円券のコード“0004”を記憶部21に記憶している紙幣収納庫42a、42bのテーブルに含まれるコードと照合することで、紙幣収納庫42aのテーブルのコードと、千円券のコードが一致することを認識し、搬送先を紙幣収納庫42aと特定する。
【0054】
同様にして紙幣が5千円券であれば、5千円券のコード“0002”を記憶部21に記憶している紙幣収納庫42a、42bのテーブルに含まれるコードと照合して、5千円券のコードが紙幣収納庫42bのテーブルに含まれるコードと一致することを認識することで、搬送先を紙幣収納庫42bと特定する。
【0055】
このようにして、鑑別した紙幣を各紙幣収納庫42a、42bに分けて収納する。
【0056】
次に、入金処理直後に、その入金処理を取り消すと共に当該入金処理で収納した紙幣を排出する入金取消処理を行った場合について説明する。
【0057】
入金処理直後に入金取消処理を行う係員がPOSレジスタ15のレジスタ表示操作部16によって入金取消処理を実行するための入力操作を行うと、レジスタ制御部30は、レジスタ表示操作部16の表示画面に直前の入金処理で収納した紙幣の金種と枚数を入力させる入力欄等を配した排出紙幣入力画面を表示する。
【0058】
表示された排出紙幣入力画面に従って係員は、千円、2千円、5千円、1万円の内、直前の入金処理で収納され、入金取消処理で排出させる金種とその枚数とを入力すると、レジスタ制御部30は入力された内容を排出現金情報としてレジスタ記憶部31に記憶すると共に、その排出現金情報を自動釣銭機1に送信する。
【0059】
ここで、排出紙幣情報の内容、つまり直前の入金処理で収納した紙幣は千円券、2千円券、5千円券、1万円券を各1枚であるものとする。
【0060】
自動釣銭機1の制御部20は、受信した返却紙幣情報に基づいて最初は直前の入金処理で収納した千円券を排出するために、紙幣収納庫42aから紙幣を1枚だけ繰出して紙幣鑑別部41へ搬送し、紙幣鑑別部41で紙幣を鑑別してその鑑別結果を記憶部21に記憶し、当該紙幣を紙幣入出金口8に搬送する。
【0061】
上記の動作によって、直前の入金処理で紙幣収納庫42aに収納した千円券1枚が繰出されてくる。
【0062】
次に制御部20は、直前の入金処理で収納した2千円券、5千円券、1万円券を排出するために、紙幣収納庫42bから紙幣を3枚繰出して紙幣鑑別部41へ搬送し、紙幣鑑別部41で紙幣の鑑別を行い、鑑別結果を記憶部21に記憶すると共に鑑別した紙幣を紙幣入出金口8に搬送する。
【0063】
上記の動作に、直前の入金処理で紙幣収納庫42bに収納した2千円券、5千円券、1万円券が各1枚繰出されてくる。
【0064】
ここで、図7は入金取消処理の確認を促す取消処理確認画面例である。
【0065】
制御部20は、記憶部21に記憶した各紙幣の鑑別結果を読み出し、その鑑別結果を排出紙幣鑑別結果電文としてPOSレジスタ15に送信する。
【0066】
POSレジスタ15のレジスタ制御部30は、受信した排出紙幣鑑別結果電文の内容と、レジスタ記憶部31に記憶した排出現金情報とに基づいて、排出した紙幣の確認を促す取消処理確認画面をレジスタ表示操作部16に表示する。
【0067】
ここで、仮に鑑別結果から金種を鑑別した紙幣が千円券と5千円券、1万円券であって、2千円券についてはその金種が鑑別できなかった場合の取消処理確認画面は、図7に示すように、“入金取り消しで金種不明な紙幣がありました”等の係員に金種を鑑別できなかった紙幣があったことを報知する文言と、“取り消しの金額を押してください。”等の金額押下を促す文言を表示する。
【0068】
さらに、取消処理確認画面には、レジスタ記憶部31に記憶した排出現金情報に基づいて入金取り消し金額(18,000円)と、また排出指示の内容として紙幣の内訳(本実施例では千円券1枚、2千円券1枚、5千円券1枚、1万円券1枚となる。)を表示すると共に、排出指示を示す部分よりも右側に実際に排出された紙幣を示す排出結果を表示する。
【0069】
なお、上記の取消処理確認画面に表示される排出結果は、本実施例では金種を鑑別した千円券、5千円券、1万円券はそれぞれ1枚とし、排出されているはずであるが、金種を鑑別しなかった2千円券の枚数は??枚として表示する。
【0070】
係員は、表示された取消処理確認画面の入金取り消し金額と内訳とを参考にして、実際に排出された紙幣を比べて金種不明の紙幣が内訳に含まれる紙幣であることを確認し、レジスタ表示操作部16によって確認した旨の入力を行うと、その入力を認識したレジスタ制御部30は入金取消処理を終了する。
【0071】
以上説明したように、本実施例では、入金処理直後に入金取消処理を行うとき、排出する紙幣の金種とその枚数を係員に入力させ、その入力内容に従って2つの紙幣収納庫からそれぞれ紙幣を繰出して排出するので、入金処理で係員が顧客から受け取った紙幣のみを排出することとなり、入金処理で顧客が支払った紙幣と同じ紙幣を返却することができるようになるという効果を得ることができる。
【0072】
入金処理直後に入金取消処理を行うとき、排出する紙幣の金種と枚数は、レジスタ制御部30がレジスタ記憶部31に記憶している直前の入金処理の入金情報(金種と枚数、合計金額等)を使用してもよく、また自動釣銭機1で保持している直前の入金処理の入金情報(金種と枚数、合計金額等)を使用してもよい。そのようにすることで排出する紙幣の金種と枚数を係員が入力しなくてもよい操作とすることができる。
【0073】
また、1つの紙幣収納庫に2千円券、5千円券、1万円券を混在させて収納するようにしたことで紙幣収納庫を2つとすることができ、これによって自動釣銭機の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 自動釣銭機
2 硬貨入出金部
3 紙幣入出金部
4 硬貨入金口
5 硬貨出金口
6 硬貨リジェクト口
8 紙幣入出金口
9 紙幣回収カセット
10 表示操作部
15 POSレジスタ
16 レジスタ表示操作部
17 レシート印字部
20 制御部
21 記憶部
22 抜き取り検知センサ
30 レジスタ制御部
31 レジスタ記憶部
40 紙幣搬送路
41 紙幣鑑別部
42a、42b 紙幣収納庫
43 紙幣リジェクト庫




【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣入出金口に投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、該鑑別部で鑑別した紙幣の内、特定の1金種の紙幣を収納する第1の収納庫と、その他の金種の紙幣を混在させて収納する第2の収納庫とを有し、POSレジスタと接続してPOSレジスタからの指示に従って入出金処理を実行する自動釣銭機であって、
入金処理の直後に入金取消処理が入力され、前記入金処理で前記紙幣入出金口に投入された紙幣の各金種の枚数を前記POSレジスタから受信したとき、その金種と枚数に基づいて、前記第1の収納庫と前記第2の収納庫の少なくとも一方から紙幣を繰出して前記紙幣入出金口から排出することを特徴とする自動釣銭機。
【請求項2】
請求項1に記載の自動釣銭機において、
入金取消処理のとき、前記第1の収納庫と前記第2の収納庫の少なくとも一方から繰出した紙幣を前記鑑別部で鑑別し、金種不明の紙幣があったときは前記POSレジスタに金種不明の紙幣を排出した旨の通知を送信することを特徴とする自動釣銭機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−277485(P2010−277485A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131561(P2009−131561)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】