説明

自動錠剤包装機

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動錠剤包装機に関し、特に、ヒータブロックを1本の加熱ヒータで効率良く加熱可能にして、ヒータ容量の低減化を図り、包装材(薬包シート)の縦横のシールを確実に行なえるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の自動錠剤包装機においては、例えば特開平3−69406号公報などに開示されているような構成を有するものがある。
【0003】このような従来の自動錠剤包装機、特に、錠剤投入後に薬包シートの包装材密封装置では、錠剤包装機本体内の錠剤供給機構部から供給される錠剤を、垂直方向に間欠的に送り込まれる二つ折りされた連続な薬包シートの開放部に投入し、この包装材の開放部側に相当する横方向及びその幅方向側に相当する縦方向を、ヒータブロックとヒータブロック受け部材とからなるヒートシール手段により挾着して熱溶着することにより密封するようになっている。
【0004】そして、前記ヒートシール手段を構成するヒータブロックは、薬包シートの開放部側相当部をシールする第1の横シールブロック部と、薬包シートの幅方向側相当部を分袋状に分離可能にシールする第2の縦シールブロック部とでT字型形状に一体形成されて、薬包シートをT字型にシールしてなるとともに、ヒータベース上に密接状態で取付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来構造のものでは、ヒータブロックがヒータベース上に密接状態で取付けられていることから、ヒータブロックの熱がヒータベース側にも熱拡散されて逃げ、ヒータベース側に取り付けられるシールブロック部の加熱効率が悪く、T字型の縦横のシールブロック部を1本の加熱ヒータでは均一に加熱することができないために、加熱ヒータを第1の横シールブロック部及び第2の縦シールブロック部の双方に2本挿入して配置する必要があり、これによって、ヒータ容量が大きくなり、節電効率が悪いという問題があった。
【0006】
【発明の目的】この発明の目的は、ヒータブロックを加熱する加熱ヒータのヒータ容量を小さくして、節電効率を高めることができるようにした自動錠剤包装機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、この発明は、 錠剤包装機本体内の錠剤供給機構部から供給される錠剤を、垂直方向に間欠的に送り込まれる二つ折りされた連続な包装材の開放部に投入し、この包装材の開放部側に相当する横方向及びその幅方向側に相当する縦方向を、ヒータブロックとヒータブロック受け部材とからなるヒートシール手段により挾着して溶着し密封してなる自動錠剤包装機において、前記ヒータブロックは、包装材の開放部側相当部をシールする横シールブロック部と、包装材の幅方向側相当部を分袋状に分離可能にシールする縦シールブロック部とを金属にT字型形状に一体形成するとともに、前記縦シールブロック部に対する前記横シールブロック部の上側の溶着部を下側の溶着部よりも短く形成し、前記横シールブロック部の裏面に位置決め突起と位置決め穴との係合によって間隙を存してヒータベースを取付け、かつ前記横シールブロック部内に加熱ヒータを設けてなる構成としたものである。
【0008】
【作用】すなわち、この発明は、包装材の開放部側相当部をシールする第1の横シールブロック部と、包装材の幅方向側相当部を分袋状に分離可能にシールする第2の縦シールブロック部とを熱伝導性の良好な金属にてT字型形状に一体形成するとともに、この第1の横シールブロック部をヒータブロックの取付部として熱伝導性の不良な金属からなるヒータベース上に間隙を存して取付け、かつ第1の横シールブロック部内に加熱ヒータを設けてなるために、第1の横シールブロック部の熱がヒータベース側に熱伝導して逃げにくくなり、これによって、第1の横シールブロック部の熱は、第2の縦シールブロック部側に熱拡散され、第2の縦シールブロック部の加熱温度と第1の横シールブロック部の加熱温度とをほぼ同一の均一温度に維持することが可能になり、1本の加熱ヒータでのヒータブロックの均一加熱が効率良く行なえる。
【0009】また、ヒータブロックの取付部とヒータベースとの間に間隙を設けているために、ヒータ容量の低減化が図れ、節電効率を高める。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照しながら詳細に説明するすると、図2はこの発明に係る包装材密封装置が装備された自動錠剤包装機の外観図で、図中1は錠剤包装機本体である。
【0011】この錠剤包装機本体1内には、図3に示すように、上部に後述する錠剤供給機構部10が、その下部には錠剤供給機構部10から選択的に定量供給される錠剤を自動的に包装し排出させてなる後述する自動包装機構部60がそれぞれ配置されている。
【0012】そして、前記錠剤包装機本体1のフロント側Fである前面下部には、薬包シートの交換口及び点検・保守作業口となる開口部2が前記自動包装機構部60に対応させて形成され、この開口部2には、扉本体3が開閉自在に設けられている。
【0013】この扉本体3は、前記錠剤包装機本体1内の左右両側部に設けたガイドレール4、4に案内係合されて上下方向にスライド自在になっているとともに、その上端中央部は、前記錠剤包装機本体1内上部の固定フレーム5に取付けた左右一対の定荷重吊支機構6、6にて吊支されている。
【0014】この左右一対の定荷重吊支機構6、6は、前記扉本体3と同じ荷重の帯巻バネで構成され、その釣合いにより前記扉本体3を任意の開扉位置でフリーストップさせることが可能になっている。
【0015】また、図中7、7は前記定荷重吊支機構6、6を間に存して前記固定フレーム5上に取付けた左右一対の磁石で、これらの磁石7、7には、前記扉本体3の上端部に設けたマグネットキャッチ板8、8がそれぞれ対応し、これらのマグネットキャッチ板8、8は、図4に示すように、前記扉本体3の最上部の開扉位置にて前記磁石7、7に吸着し、前記扉本体3を安定して確実に保持固定し得るようになっている。
【0016】すなわち、前記錠剤供給機構部10は、平面矩形をなしかつ平面格子状に仕切られた多数の収納部を有する筒型のケーシング11と、このケーシング11内の各々の収納部に挿入して水平面状に整列配置された錠剤収納供給体20と、前記ケーシング11の下部に配置されかつ前記各々の錠剤収納供給体20から選択的に落下供給される錠剤を受ける後述するホッパ部40と、このホッパ部40から落下する錠剤を受ける錠剤搬送手段としての左右一対のベルトコンベア50、50とから構成され、このベルトコンベア50、50により、前記錠剤収納供給体20から選択的に落下供給される錠剤を、前記錠剤包装機本体1内左右方向の中央部に集められるようになっている。
【0017】一方、前記自動包装機構部60は、前記左右一対のベルトコンベア50、50間の中央下部に配置された錠剤投入機構部70と、この錠剤投入機構部70にて投入される錠剤Pを薬包シートロール100が装填される薬包シート送り機構部200から連続的に送られる二つ折りされた薬包シート101内に一括投入し、かつこの薬包シート101を分袋状にヒートシールして密封するヒートシール機構部300と、このヒートシール機構部300にて密封包装体としてヒートシールされた薬包シート101を切断するシート切断機構部400と、このシート切断機構部400にて切断された包装体を前記錠剤包装機本体1の上部側面に開口した排出口9に案内搬送する包装体排出案内搬送機構部500とから構成されている。
【0018】前記錠剤供給機構部10のケーシング11内の各々の収納部に挿入配置された錠剤収納供給体20は、図5に示すように、各種の錠剤がその上端部21a側から収納される透明な合成樹脂体からなる円筒状のタブレットケース21と、このタブレットケース21の下端部21bがジョイント部材22を介して結合される駆動部23とで構成されている。
【0019】そして、前記タブレットケース21内には、前記駆動部23の図示しないモータにより揺動する揺動アーム23aと接続する整列盤24が設けられ、この整列盤24は、前記駆動部23の揺動アーム23aの揺動運動によりタブレットケース21内に収納された錠剤を整列させて、その下方の通路24aに向け1錠ずつ分離落下させるようになっているものである。
【0020】また、図中25は前記ジョイント部材22によってタブレットケース21及び整列盤24が接続される駆動部23上に設置した錠剤検出装置で、図6に示すように、前記整列盤24から落下する錠剤の通路24aを間に存して水平方向に対峙させた発光素子からなる発光部26と、この発光部26からの光を受けるフォトトランジスタからなる受光部27とで構成されている。
【0021】すなわち、この錠剤検出装置25は、前記整列盤24にて1錠ずつ分離された錠剤を、これらの発光部26及び受光部27間を通過させることにより、錠剤の計数を行なうようになっているもので、前記発光部26の発光面26aと受光部27の受光面27aには、内側片面を波形にした光拡散板28がそれぞれ設けられ、これによって、発光部26から投射された光及び受光部27に入射する光を片寄ることなく均一化している。
【0022】また、図中29は前記発光部26と受光部27との間の光投射方向と直角方向にある落下通路24aの外側面に設けた光反射板で、この光反射板29は、鏡面に研磨した金属板あるいは白色板などからなり、前記発光部26から光拡散板28を介して拡散されて投射された光を受光部27側に到達するように反射させ、これによって、前記錠剤検出装置25を錠剤収納供給体20の駆動部23上に設置する際に、ジョイント部材22で囲まれる外側面側に形成されるデッドゾーンdのような感度の低い領域での錠剤の検出を確実に行なえるようにしている。
【0023】さらに、図中30は前記タブレットケース21の上端部21aに取外し可能に被冠させた透明な合成樹脂体からなるキャップである。
【0024】このキャップ30の上面部には、図5及び図7に示すように、ピン31によりヒンジ結合された透明な合成樹脂体からなる蓋体32が開閉自在に設けられ、この蓋体32は、縦断面「ヘ」の字型に傾斜させて形成されているとともに、その上面部33には、錠剤の見本薬Aや乾燥剤Bが収納される収納部34、35及び剤名カードCやダブレットケース21の番号カードD等が配し可能な表示部36がそれぞれ形成されている。
【0025】一方、前記縦断面「ヘ」の字型の蓋体32の立上り端面37の内側には、例えば剤名カードCやダブレットケース21の番号カードD等が配し可能な差込み溝38が形成され、この差込み溝38に差し込み配しされた剤名カードCやダブレットケース21の番号カードD等は、立上り端面37の外側から透視可能になっていて、この立上り端面37は、指等が引掛かり易いように円弧状の凹面に形成されて開閉用の把手としている。
【0026】そしてまた、前記各々のダブレットケース21の上端部21aに被冠されるキャップ30は、図8に示すように、前記錠剤包装機本体1の前後方向に沿って鋸歯状に配列され、これによって、前記錠剤包装機本体1のフロント側F及びリヤ側Rの前後両面側から各々のタブレットケース21内に収納された錠剤の剤名の目視確認が容易に行なえるようになっている。
【0027】前記ホッパ部40は、図9から図11に示すように、上部が前記錠剤供給機構部10のケーシング11の左右両下端部11a、11aに取り付けられる左右両側面パネル41、41と、これら両側面パネル41、41間に配置される前後両傾斜パネル42、42とで分離形成され、これら各々の前後両傾斜パネル42は、左右一対の分離パネル43、43とで形成し、この分離パネル43の下端部43aにはV形の係止部44が、また、その上端部43bの左右には、広狭二様のダルマ孔45、45が形成されている。
【0028】さらに、前記ホッパ部40の下部には、前記ベルトコンベア50、50を収納する断面U字形のコンベアボックス46が分離形成され、このコンベアボックス45は、前記錠剤包装機本体1の支持フレーム(図示せず)上に固定されるようになっている。
【0029】すなわち、前記ホッパ部40を組付けるには、まず、左右両側面パネル41、41をケーシング11の左右両下端部11a、11aとコンベアボックス46の左右両上端部46a、46aとの間に図示しないビスにより固定して組付ける。
【0030】次に、前後両傾斜パネル42、42を組付ける際には、まず、それぞれの分離パネル43の下端部43aに設けた係止部44を、前記コンベアボックス46の前後両上端部46b、46bに外側から係合させた後、その上端部43bの左右に広狭二様のダルマ孔45、45を、これらダルマ孔45、45に対応させて前記ケーシング11の前後両下端部11b、11bに設けたビス孔12、12に合わせる。
【0031】この状態で、ビス47、47を外側から螺合させ、これらのビス47、47のネジ軸47a、47aが前記ダルマ孔45、45の幅狭部45a、45aに位置するように分離パネル43をスライドさせることにより仮止めした後、前記ビス47、47を本締めすることにより、前記各々の前後両傾斜パネル42、42を組付けてなるもので、これによって、前後両傾斜パネル42、42の組付けに使用するビスの本数は、前後4本ずつ、計8本だけとなり、従前のものよりもビス本数が大幅に少ない。
【0032】一方、前後両傾斜パネル42、42の各々の分離パネル43を取外すには、図12に示すように、ビス47を弛めて仮締め状態にし、この状態で、分離パネル43をスライドさせて、分離パネル43に形成したダルマ孔45の幅広部45bにビス47の頭部47bを一致させることにより、分離パネル43を簡単に取外すことが可能になる。
【0033】また、図中51は前記ホッパ部40内の中央部に上端が固定されて前記ベルトコンベア50上の幅方向中央部にその下端をカーテン状に垂下させた仕切り部材で、この仕切り部材51は、例えば柔軟性で、反発性及び静電気の発生がなく、しかも、風通しの良い網状の薄膜材質からなっている。
【0034】すなわち、前記仕切り部材51は、前記ベルトコンベア50の搬送方向に沿って配置されていて、図10に示すように、前記錠剤供給機構部10に挿入配置された錠剤収納供給体20からホッパ部40の前後両傾斜パネル42、42上の一方、つまり、ベルトコンベア50の搬送方向に対して直角方向の側面上部から落下投入される錠剤Pを衝突させて、他方の傾斜パネル42への跳ね返りを防止することにより、錠剤Pをそのまま下方のベルトコンベア50上に落下させるようにし、これによって、速やかに錠剤Pを自動包装機構部60へ搬送可能にした錠剤の跳返り防止装置としての機能を備えているものである。
【0035】図13から図15は、包装材送り機構部200を示すものであり、図中210は薬包シートロール100の装填部である。
【0036】この薬包シートロール装填部210は、垂直方向に回転可能に支持された自由回転回転盤211と、この回転盤211の回転中心部の片面に水平方向に突出させた装填軸212と、この装填軸212の先端部212aにビス213を介して取り付けられた板バネ材からなる弾性保持体214とで構成され、この弾性保持体214には、複数枚の弾性片215が一体形成され、これらの複数枚の弾性片215は、前記回転盤211側に向け折曲させて四方に拡開分散し得るような形状を有している。
【0037】すなわち、前記薬包シートロール装填部210に薬包シートロール100するには、前記弾性保持体214を間に介して、前記回転盤211の装填軸212に薬包シートロール100の芯管100aを圧入することにより行なわれるようになっているもので、従前のように、押え板を用いてネジ止めすることなく、薬包シートロール100の装填及び取外しが速やかにかつ容易に行なえる。
【0038】また、前記包装材送り機構部200に装填された薬包シートロール100からの二つ折りされた薬包シート101は、案内ローラ220を介して自動錠剤包装機構部60の錠剤投入機構部70おける錠剤投入位置に上方から下方の垂直方向に送られ、後述する繰出し機構部90のローラ対91、91間に挾持されて、この繰出し機構部90の駆動により間欠的に繰り出されるようになっている。
【0039】さらに、図中230は前記回転盤211の裏面側に配置したブレーキ機構で、このブレーキ機構230は、前記回転盤211の裏面に接離可能な抵抗体231と、この抵抗体231のシャフト232を駆動させるソレノイド233とで構成されている。
【0040】一方、図中240はテンションレバーで、このテンションレバー240は、スプリング241の付勢力により前記薬包シートロール100から繰り出される薬包シート101を緊張状態に維持する方向に回動自在に付勢力されている。
【0041】そして、前記テンションレバー240の軸支部には、回転カム242が設けられ、この回転カム242の外周には、図16に示すように、第1及び第2のリミットスイッチ243、244が設けられている。
【0042】これら第1及び第2のリミットスイッチ243、244は、前記薬包シートロール100から繰れ出される薬包シート101の送りと引っ張りとが同期するようにブレーキ機構230を制御し、回転盤211の回転を制御してなるなるものである。
【0043】すなわち、図16に示すように、通常、テンションレバー240は、自重とスプリング241の付勢力により下降状態を維持し、回転盤211の回転は、ブレーキ機構230の働きにより抑止され、これによって、薬包シート101を緊張状態に維持している。
【0044】この状態で、前記薬包シート101が、自動錠剤包装機構部60に設けた繰出し機構部(図示せず)の駆動により引っ張られて繰り出されると、図17に示すように、テンションレバー240は、スプリング241の付勢力に抗して上昇回動し、薬包シート101の緊張状態を維持させる。
【0045】図18に示すように、テンションレバー240がある位置まで上昇すると、前記回転盤211の回転が開放され、テンションレバー240は、自重とスプリング241の付勢力により下降すると同時に、前記回転盤211が回転し、薬包シート101を繰り出すようになっているものである。
【0046】また、上記した錠剤投入機構部70は、図1919から図21に示すような構成となっている。
【0047】すなわち、図19に示すように、図中71は前記錠剤供給機構部10からホッパ部40を介して落下供給される錠剤Pを前記錠剤包装機本体1の左右方向の中央部に水平搬送するベルトコンベア50、50間の下方に配置した錠剤一時ストック手段としての搬送ベルトである。
【0048】この搬送ベルト71は、前記ベルトコンベア50、50の搬送方向と直角方向である前記錠剤包装機本体1の前後方向に配置され、前記ベルトコンベア50、50により水平搬送されて投入される錠剤Pを受けるようになっているとともに、前記錠剤供給機構部10による錠剤落下動作後の所定のタイマー時間経過後に錠剤投入方向側に向け駆動制御可能になっているもので、これによって、搬送ベルト71上の錠剤Pを一時的にストックしてなるものである。
【0049】そして、前記搬送ベルト71の錠剤投入方向側には、シャッタ手段72が配置されていて、このシャッタ手段72は、錠剤投入口71aを開扉可能に回動するストッパ対73、73からなり、これらストッパ対73、73は、前記搬送ベルト71の駆動動作に伝達部材74、74を介して同期させて開扉動作可能になっている。
【0050】また、前記ストッパ対73、73の各々の先端部には、上記した包装材送り手段200により錠剤投入口71a側に垂直方向に送り込まれる二つ折りされた連続な薬包シート101の開放部101aを拡開可能な包装材開放部拡開手段としての拡開レバー対75、75がそれぞれ取り付けられていて、これら拡開レバー対75、75の先端部76、76は、図20に示すように、薬包シート101の開放部101aに挿入可能に突出位置させてなるとともに、前記ストッパ対73、73の開扉動作に連動して、図21に示すように、前記薬包シート101の開放部101aを拡開し得るようになっている。
【0051】この場合、前記拡開レバー対75、75は、薬包シート101の開放部101aへの挿入性及びシート奥方までの開放性を考慮して、その閉塞時及び開放時のいずれの動作字においても互いに平行状態が保たれている。
【0052】さらに、図中80は前記拡開レバー対75、75の下部位置に突出させて設けらた逆三角形状をなす錠剤案内部材で、その先端部81が約45度の角度で下向きに折曲されて、前記二つ折りされた薬包シート101の開放部101aに前記拡開レバー対75、75の先端部76、76と共に挿入位置させて、前記ストッパ対73、73の開扉時に、前記搬送ベルト71から錠剤投入口71a側に一括して投入される錠剤Pを受けて前記薬包シート101内に案内導入するようになっている。
【0053】なお、図19に示すように、図中52、52は前記搬送ベルト71上の搬送方向に沿ってカーテン状に垂下させた仕切り部材で、図10に示すホッパ部40内の中央部に設けた仕切り部材51と同様に、例えば柔軟性で、反発性及び静電気の発生がなく、しかも、風通しの良い網状の薄膜材質からなり、これらの仕切り部材52、52を、前記各々のベルトコンベア50、50の搬送方向の錠剤投入端に対向させて配置することにより、前記ベルトコンベア50、50から投入される錠剤Pを衝突させて、他方のベルトコンベア50側への跳ね返りを防止し、速やかに錠剤Pが搬送ベルト71上に投入されるような錠剤の跳返り防止装置としての機能を備えているものである。
【0054】一方、前記錠剤投入機構部70の下部には、薬包シート繰出し機構部90が配置されていて、このシート繰出し機構部90は、前記包装材送り機構部200に装填された薬包シートロール100から案内ローラ220を介して錠剤投入位置に上方から下方の垂直方向に送られて来る二つ折りされた薬包シート101を、ローラ対91、91間に挾持し、このローラ対91、91の駆動制御により前記包装材送り機構部200と同期させて間欠的に繰り出すようになっている。
【0055】さらに、前記錠剤投入機構部70と薬包シート繰出し機構部90との間には、包装材密封手段としてのヒートシール機構部300が配置されていて、このヒートシール機構部300は、互いに対向させたヒータブロック310とヒータブロック受け部材320とで構成され、これらヒータブロック310とヒータブロック受け部材320との間に前記錠剤投入後の薬包シート101を挾着することにより、薬包シート101を分袋状の包装体120に密封してなるものである。
【0056】また、前記ヒートシール機構部300のヒータブロック310は、熱伝導性の良好な金属、例えば真鍮、銅、アルミニウム等を用いて、図1、図22及び図23に示すように、二つ折りされた薬包シート101の開放部101a側の垂直方向をオーバラップさせてシールする横シールブロック部311と、この横シールブロック部311に対して直角方向に突出させた薬包シート101の幅方向をシールして分袋状に分離する縦シールブロック部312とで互いにT字形に一体形成されている。
【0057】そして、前記ヒータブロック310を構成する各シールブロック部311、312の各々シール面には、帯状突起からなる溶着部313、314が突出形成されている一方、前記横シールブロック部311には、ヒータ挿入穴315が上下方向に沿う長手方向に形成され、このヒータ挿入穴315には、加熱ヒータ316が挿入配置されている。
【0058】図中317、317は前記シールブロック部311のヒータベース340への取付面となる裏面に突出形成した位置決め穴で、これら位置決め穴317、317は、前記ヒータベース340に対応させて設けた位置決め突起341、341に係合し、ビス350による締付け固定状態において、前記横シールブロック部311とヒータベース340との間に間隙aが形成されるようにし、これによって、前記横シールブロック部311とヒータベース340との接触を位置決め穴317、317と位置決め突起341、341との係合部分、及びビス350との螺合部分のみとしている。
【0059】すなわち、この発明におけるヒートシール機構部300は、前記ヒータブロック310のヒータベース340への取付面を、前記加熱ヒータ316が挿入配置される横シールブロック部311の裏面とし、この取付面とヒータベース340との間に間隙aを形成し、かつ、前記ヒータベース340の素材として熱伝導性の不良な鉄、ステンレス等を用いることにより、横シールブロック部311の取付面とヒータベース340との間の熱伝導面積を最小限にして、1本の加熱ヒータ316のヒータ容量を小さくすることを可能にしている。
【0060】さらに、前記横シールブロック部311のみに加熱ヒータ316を挿入配置することにより、集中的に加熱される横シールブロック部311の熱を縦シールブロック部312側に熱拡散させ、これによって、縦シールブロック部312の温度が、横シールブロック部311の加熱温度とほぼ同一の均一な温度に保つことができるようにし、従前のような横ヒータブロック部311及び縦ヒータブロック部312にそれぞれ配置した2本の加熱ヒータ316の使用を1本にすることを可能にしているものである。
【0061】ところで、図24は前記ヒートシール機構部300による薬包シート101のシール状態を示すものであり、ヒータブロック310とヒータブロック受け部材320との間に、錠剤投入後の薬包シート101を挾着することにより、斜線で示すようにシールSし、分袋状の包装体120に密封してなるもので、また、図25R>5は半シール状態での薬包シート101の開放部101aの拡開状態における錠剤投入状態を示すものである。
【0062】そして、このように前記ヒートシール機構部300でシールSされた分袋状の包装体120は、繰り出し機構部90を介して下流側に配置したシート切断機構部400で適宜に切断される。
【0063】このシート切断装置400は、図26及び図27に示すように、固定ボックス411と、この固定ボックス411の上面固定板412上に水平回転自在に配置した回転円板413と、この回転円板413の円周部に軸414を介して先端部415a側が軸支されたカッタアーム415と、このカッタアーム415の先端部415aに取付けられた帯板状のカッタ本体416と、このカッタ本体416が取付けられた前記カッタアーム415の後端部415b側を軸支する軸支部材417と、この軸支部材417が移動自在に係合するように前記固定板412上に形成した案内溝418と、前記固定ボックス411内に収納されかつ前記回転円板413を回転駆動させる駆動モータ419とで構成されている。
【0064】この駆動モータ419は、取付けアーム420を介して支持され、その駆動軸に設けたスピンドル421を前記回転円板413の外周にスプリング422の付勢力による押圧状態で当接させることにより、前記回転円板413に回転力を伝達するようになっている。
【0065】そして、前記カッタ本体416の先端部416aは、待機状態において送り方向に張力が掛けられた包装体120の幅方向Yの一端側に対応位置するように配置され、切断動作時の前記回転円板413の回転に伴い、図27に示すような包装体120の幅方向Yの一端側から他端側に向け平面楕円状の軌跡Qを描くように揺動運動させることにより、包装体120を切断し得るようになっている。
【0066】このとき、前記回転円板413の回転中心点Oと軸支部材417で軸支されたカッタアーム415の後端部415bの支点Fは、包装体120の幅方向Yに対する直角方向Xの直線Z−Zに対して所定の距離Lを存して偏心位置させてなるとともに、前記カッタ本体416が取り付けられるカッタアーム415の後端部415bを軸支する支点Fとなる軸支部材417は、前記包装体120の幅方向Yに対する直角方向Xの直線Z−Z上に設けた案内溝418に沿って所定の範囲Wで追従移動自在になっている。
【0067】しかして、上記したシート切断装置は、前記回転円板413の回転中心点Oとカッタ本体16の回動支点Fとを、包装体120の幅方向Yに対する直角方向Xの直線Z−Zに対して偏心位置させ、かつ、カッタ本体416が取り付けられるカッタアーム415の後端部415bを軸支する支点Fとなる軸支部材417を、前記包装体120の幅方向Yに対する直角方向Xの直線Z−Z上に設けた案内溝418に沿って所定の範囲Wで追従移動自在にしてなることから、図28に示すように、カッタ本体416の先端部416aが、待機位置Bから包装体120の幅方向Yの一端側に当接する初期切断位置Cまでの範囲の切断動作における揺動角θ1、θ2がほぼ等しくなり、その変化を小さくすることが可能になり、しかも、包装体120の幅方向Yに対する直角方向Xの動きを大きくすることが可能になる。
【0068】これによって、初期切断被動作時におけるカッタ本体416の先端部416aの包装体120に対する切断方向の押付力が弱くなり、包装体120のシワ寄りあるいは引っ掛かりが防止され、切断動作がスムーズに行なわれる。
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発明は、包装材の開放部側相当部をシールする横シールブロック部と、包装材の幅方向側相当部を分袋状に分離可能にシールする縦シールブロック部とを熱伝導性の良好な金属にてT字型形状に一体形成するとともに、この横シールブロック部をヒータブロックの取付部として熱伝導性の不良な金属からなるヒータベース上に間隙を存して取付け、、かつ横シールブロック部内に加熱ヒータを設けてなることから、横シールブロック部の熱がヒータベース側に熱伝導して逃げにくくなり、これによって、横シールブロック部の熱は、縦シールブロック部側に効率良く熱拡散され、縦シールブロック部の加熱温度と横シールブロック部の加熱温度とをほぼ同一の均一温度に維持することができ、1本の加熱ヒータでのヒータブロックの均一加熱を効率良く行なうことができ、しかも、ヒータブロックの取付部とヒータベースとの間に間隙を設けているために、ヒータ容量の低減化を図ることができ、節電効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る自動錠剤包装機における包装材密封装置の一実施例を示す要部斜視図。
【図2】自動錠剤包装機の外観図。
【図3】自動錠剤包装機の内部構成を示す説明図。
【図4】扉本体の最上開扉位置での保持状態を示す要部断面図。
【図5】錠剤供給機構部に挿入される錠剤収納供給体であるタブレットケースの分解斜視図。
【図6】自動錠剤包装機に設置された錠剤検出装置の拡大横断面図。
【図7】タブレットケースの先端部におけるキャップ被冠状態及び蓋体の開閉状態を示す要部拡大断面図。
【図8】タブレットケースの先端部に被冠されたキャップの蓋体の配列状態を示す説明図。
【図9】ホッパ部とケーシングとの組付け状態を示す斜視図。
【図10】ホッパ部とケーシングとの組付け状態を示す断面図。
【図11】ホッパ部とケーシングとのビス止め状態を示す説明図。
【図12】ホッパ部の取外し状態を示す説明図。
【図13】包装材送り装置の包装材装填状態を示す断面図。
【図14】包装材送り機構部を示す説明図。
【図15】包装材送り機構部における包装材の装填状態を示す分解斜視図。
【図16】テンションレバーによる包装材の緊張維持制御状態を示す説明図。
【図17】テンションレバーによる包装材の緊張維持制御状態を示す説明図。
【図18】テンションレバーによる包装材の緊張維持制御状態を示す説明図。
【図19】錠剤投入機構部の要部斜視図。
【図20】錠剤投入機構部のシャッタ手段におけるストッパ対及び拡開レバーの閉じ状態を示す概略的平面図。
【図21】錠剤投入機構部のシャッタ手段におけるストッパ対及び拡開レバーの開扉状態を示す概略的平面図。
【図22】ヒータブロックの縦断面図。
【図23】ヒータブロックの横断面図。
【図24】ヒータブロックによる包装材のヒートシール状態を示す説明図。
【図25】ヒータブロックによるヒートシール状態における包装材の開放部からの錠剤投入時の拡開状態を示す要部斜視図。
【図26】シート切断装置の断面図。
【図27】シート切断装置の平面図。
【図28】シート切断装置による包装体の切断状態を概略的に示す説明図。
【符号の説明】
1・・・錠剤包装機本体、
10・・・錠剤供給機構部、
60・・・自動包装機構部、
70・・・錠剤投入機構部、
90・・・繰り出し機構部、
100・・・薬包シートロール、
101・・・薬包シート、
101a・・・開放部、
120・・・包装体、
200・・・包装材送り機構部、
300・・・ヒートシール機構部、
310・・・ヒータブロック、
311・・・横シールブロック部、
312・・・縦シールブロック部、
316・・・加熱ヒータ、
317、317・・・位置決め穴、
340・・・ヒータべース、
341・・・位置決め突起、
350・・・ビス、
a・・・間隙、
P・・・錠剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】錠剤包装機本体内の錠剤供給機構部から供給される錠剤を、垂直方向に間欠的に送り込まれる二つ折りされた連続な包装材の開放部に投入し、この包装材の開放部側に相当する横方向及びその幅方向側に相当する縦方向を、ヒータブロックとヒータブロック受け部材とからなるヒートシール手段により挾着して溶着し密封してなる自動錠剤包装機において、前記ヒータブロックは、包装材の開放部側相当部をシールする横シールブロック部と、包装材の幅方向側相当部を分袋状に分離可能にシールする縦シールブロック部とを金属にてT字型形状に一体形成するとともに、前記縦シールブロック部に対する前記横シールブロック部の上側の溶着部を下側の溶着部よりも短く形成し、前記横シールブロック部の裏面に位置決め突起と位置決め穴との係合によって間隙を存してヒータベースを取付け、かつ前記横シールブロック部内に加熱ヒータを設けたことを特徴とする自動錠剤包装機

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図11】
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【図17】
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【図6】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図16】
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【図23】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図18】
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【図20】
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【図22】
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【図15】
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【図21】
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【図19】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【特許番号】特許第3322410号(P3322410)
【登録日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【発行日】平成14年9月9日(2002.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−320963
【出願日】平成3年11月7日(1991.11.7)
【公開番号】特開平5−132007
【公開日】平成5年5月28日(1993.5.28)
【審査請求日】平成10年10月19日(1998.10.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【参考文献】
【文献】特開 平3−85203(JP,A)
【文献】実開 昭50−31158(JP,U)
【文献】実開 平1−100710(JP,U)