説明

自己乳化性ポリイソシアネート組成物、及びそれを用いた水系コーティング組成物

【解決手段】 脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートにノニオン性親水基含有化合物が2〜50重量%導入された親水性ポリイソシアネートに対して、イオン性界面活性剤を0.5〜20重量%混合させることにより得られる水分散安定性の良好な自己乳化性ポリイソシアネート組成物と、その自己乳化性ポリイソシアネート組成物と水性エマルジョンより得られる耐水性に優れた水系コーティング組成物。
【効果】 本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物及びこれを用いた水系コーティング組成物は、長いポットライフを達成することができ、得られた塗膜等被覆物は、耐水性、耐溶剤性に優れている。従って、従来溶剤系のポリウレタン塗料が用いられていた塗料、特に建築外装塗替え用塗料あるいは自動車補修用塗料、プラスチック用塗料等に利用できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自己乳化性ポリイソシアネート組成物、及び水性エマルジョンと該自己乳化性ポリイソシアネート組成物とからなる常温架橋型水系二液ウレタンのコーティング組成物であり、ポットライフ、耐水性に優れ、主として建築用水系塗料、自動車用水系塗料、接着剤、建材、家庭用水系塗料、その他コーティング剤、シーリング剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤等に利用できる水系コーティング組成物、に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、揮発性有機化合物に関する指針が厳しくなり、アメリカ、ドイツ等ではすでに規制が行われており、日本でも近い将来規制が行われると考えられる。従って、従来、溶剤系塗料として利用されていた常温架橋型二液ウレタンコーティング組成物も水系化が望まれている。しかし、二液ウレタンコーティング組成物において硬化剤として用いられるポリイソシアネートは、水に分散しにくく、また水と反応し易く、二酸化炭素を発生するという問題点があったため、自己乳化性を有し、水分散状態でイソシアネート基と水との反応が抑えられるポリイソシアネートの開発が進められている。
【0003】特公昭55−7472号公報、特開平5−222150号公報では、自己乳化性を持ったポリイソシアネートを得る方法として、ポリイソシアネート中にノニオン性の親水基を導入した自己乳化性ポリイソシアネートが提案されている。また、特開平6−17004号公報では、自己乳化性ポリイソシアネートの分散性を向上させるために、乳化性を有する水性エマルジョン分散液を特定することが提案されている。また、特開平7−48429号公報、特開平7−113005号公報では、ポットライフを延ばすために、ノニオン性親水基と親油基を導入したポリイソシアネートが提案されている。
【0004】しかしながら、上記に示した従来の自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、親水成分として、ノニオン基のみを用いているために、水分散状態でのイソシアネート基と水との反応性が十分に抑えられず、かつポットライフが実用に耐えられるレベルに達してなく、さらにその自己乳化性ポリイソシアネート組成物を架橋成分として用いたコーティング組成物の塗膜の耐水性が低いという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水分散安定性に優れ、かつ水分散状態でイソシアネート基と水との反応性が抑えられたポリイソシアネート化合物、及びそれを用いた耐水性が優れた塗膜を形成する水系コーティング組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、イオン性界面活性剤を用いた自己乳化性ポリイソシアネート組成物、及びそのポリイソシアネート組成物と水性エマルジョンとからなる水系コーティング組成物が、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートに、5〜50のエチレンオキサイド繰り返し単位からなるノニオン性親水基含有化合物が2〜50重量%導入された親水性ポリイソシアネートに対して、イオン性界面活性剤を0.5〜20重量%混合させることにより得られるものであり、実質的に溶剤を含有しない状態でのイソシアネート基含有率が6〜25重量%、重量平均分子量が350〜10000、粘度が50〜20000mPa・s(25℃)である水分散安定性が良好な自己乳化性ポリイソシアネート組成物、に関するものであり、また、(A)成分として水酸基価1〜300mgKOH/g、粒子径0.03〜1.0μmの水性エマルジョンと、(B)成分として上記の自己乳化性ポリイソシアネート組成物とを、(A)成分と(B)成分がイソシアネート基/水酸基の当量比が0.5〜5.0の範囲で配合してなる水系コーティング組成物、に関するものである。
【0008】本発明で使用するポリイソシアネートに用いる脂肪族、及び/または脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン等が挙げられる。中でもヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートは、工業的に入手し易く好ましいものである。
【0009】上記の脂肪族、及び/または脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートとしては、分子内にビュウレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネート等の構造を有するものである。ポリイソシアネート組成物において、ビュレット構造を有するものは接着性に優れており、イソシアヌレート構造を有するものは耐候性に優れており、長い側鎖を有するアルコール化合物を用いたウレタン構造を有するものは弾性及び伸展性に優れており、ウレトジオン構造あるいはアロファネート構造を有するものは低粘度であるという特徴を有している。
【0010】本発明における親水性ポリイソシアネートは、上記に示したポリイソシアネートに5〜50のエチレンオキサイド繰り返し単位からなるノニオン性親水基含有化合物を2〜50重量%導入したものをいう。5〜50のエチレンオキサイド繰り返し単位からなるノニオン性親水基含有化合物とは、ポリアルキレンオキサイドエーテルアルコール中に5〜50個のエチレンオキサイド繰り返し単位を含むものであり、水分散安定性を考慮した場合、特に好ましいのはポリエチレングリコールモノメチルエーテルである。エチレンオキサイド繰り返し単位が5個未満では、自己乳化能を発現することが出来ないため好ましくない。50個を越えると親水性ポリイソシアネートの結晶性が高くなり、固体となるために好ましくない。
【0011】本発明で使用するポリイソシアネートへの親水基含有化合物の導入量は、2〜50重量%の範囲である。2重量%未満では、自己乳化能を発現することが出来ないため好ましくない。50重量%を越えると、自己乳化性ポリイソシアネート組成物の親水性が高すぎるために、水分散時のイソシアネート基と水との反応が抑えられず好ましくない。なお、本発明でいう導入とは、ポリイソシアネート中に含まれるイソシアネート基と反応させてポリイソシアネート構造中に組み込むことをいう。導入方法としては、脂肪族あるいは脂環族ジイソシアネート、またはそれから得られるポリイソシアネートとポリアルキレンエーテルアルコールとを混合させて、通常のウレタン化反応を行えばよい。
【0012】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物とは、上記の親水性ポリイソシアネートに、更にイオン性界面活性剤を0.5〜20重量%の範囲混合させたものをいう。イオン性界面活性剤は、(A)成分の水性エマルジョンの中和方法によって、アニオン性か、カチオン性かが一義的に決まる。すなわち、水性エマルジョンを塩基によって中和した場合は、アニオン性界面活性剤、酸によって中和した場合は、カチオン性界面活性剤を用いる必要がある。水性エマルジョンが中和されていない場合はどちらを用いてもよい。
【0013】アニオン性界面活性剤としては、カルボキシレート型、サルフェート型、スルホネート型、ホスフェート型が適しており、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム、アルキルジサルフェートナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホネートナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。カチオン性の界面活性剤としては、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が適しており、例えばアルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、アルキルピリジニウムブロマイド、イミダゾリニウムラウレートが挙げられる。
【0014】添加量が、0.5重量部未満では、イオン性界面活性剤を混合することによる水分散安定性の効果が発現されないため適当ではない。20重量部を越えると、分散粒子径が小さくなりすぎるために、ポットライフが短くなり、更に架橋に関与しない成分が増えすぎるために、塗膜等の被覆物の脆弱化を引き起こすことがあり好ましくない。
【0015】ノニオン性の親水基とイオン性界面活性剤とを併用する点が、本発明の特徴である。ポリイソシアネート油滴の表面にノニオン性の親水基とイオン性界面活性剤との保護膜を生成することによって、本発明の水分散ポリイソシアネートの水分散安定性と長いポットライフとを達成している。特公昭55−7472号公報、特開平5−222150号公報、特開平6−17004号公報、特開平7−48429号公報、特開平7−113005号公報では、ノニオン性親水基だけを使用している。
【0016】ノニオン性親水基をポリイソシアネート中に導入すると、界面張力を低下させるので、水への分散性を向上させるには効果的である。しかし、ノニオン性親水基は、水に対する保護力が低いため、容易にポリイソシアネート中へ水の浸入を許し、水とイソシアネート基の反応が開始し、短時間の間にイソシアネート残存率が低下するため、実用に耐えられる長いポットライフを達成できることができない。また、親水基を導入していないポリイソシアネートにイオン性界面活性剤を混合するだけでは、水への分散性が劣り、本発明のポリイソシアネート化合物のような水分散安定性を達成することが出来ない。
【0017】本発明の技術的な特徴は、ノニオン性親水基を導入したポリイソシアネートにイオン性界面活性剤を併用することによって、ポリイソシアネート油滴表面に強固なイオン性保護膜を生成させる点であり、これによってポリイソシアネート油滴中への水の侵入を防ぎ、ポリイソシアネート油滴内のイソシアネート基を水から守ることができるのである。これはポリイソシアネートに導入されたノニオン性親水基とイオン性界面活性剤との相互作用によって達成できる。
【0018】ノニオン性親水基だけを導入したポリイソシアネートを、アニオン性界面活性剤を添加した水に分散させた系では、ポリイソシアネート油滴を生成する際にアニオン性界面活性剤が添加された水を油滴内部に抱き込んでしまうために、長いポットライフを達成することが出来ない。本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基含有率は、8〜25重量%の範囲である。8重量%未満では、コーティング組成物中の架橋点が少なくなり、硬化速度の低下、あるいは塗膜等の被覆物の脆弱化を引き起こす欠点を有する。また、イソシアネート基含有率は、親水基含有化合物の導入量と分子量から一義的に決定されるため、自己乳化能を有するために必要な親水基を導入すると、必然的に上限は25重量%以下となる。
【0019】また、本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物の重量平均分子量は、350〜10000の範囲である。自己乳化能を発現するために必要な親水基を導入すると重量平均分子量は必然的に350以上となる。10000を超えるとポリイソシアネートの粘度が高くなり、水への分散が困難となるために適当ではない。
【0020】また、本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物の粘度は、50〜20000mPa・s(25℃)の範囲である。20000mPa・sを越えると水への分散が困難となるために適当ではない。水への分散を考えると粘度は低いほど望ましいが、50mPa・m未満では、架橋能力の低いジイソシアネートを大量に含んでしまうために好ましくない。
【0021】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物は水分散時のイソシアネート基の残存率は20℃6時間で50%以上であることが必要である。50%未満では、水性コーティング組成物としたときのポットライフが短くなり、更に塗膜等被覆物の耐水性が低下し、被覆物が脆弱となるため好ましくない。この水とイソシアネート基との反応の抑制は、導入した親水基成分と混合したイオン性界面活性剤成分の相互効果によって達成される。なお、本発明でいう水分散とは、自己乳化性ポリイソシアネート組成物がO/W型になるよう水に分散された状態をいい、水にポリイソシアネートを添加し、棒やハンドミキサー等を用いて機械的に攪拌して作成される。
【0022】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物は水分散安定性が良好である。本発明でいう水分散安定性とは、上記の方法で水分散した自己乳化性ポリイソシアネート組成物の油滴の水中における安定性のことである。本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物は水分散した状態で、20℃8時間放置しても全く沈殿がみられない。これもまた、導入した親水基成分と混合したイオン性界面活性剤との相互効果によって達成される。
【0023】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物は有機溶剤を添加して使用することもできる。有機溶剤を混合したポリイソシアネートは、粘度が低くなるため、水分散性が向上し、さらに水分散時のイソシアネート基の残存率が高くなり、ポットライフが長くなるという特徴を有している。この場合、有機溶剤としてはイソシアネート基と反応する官能基を有していないことが必要である。また、有機溶剤は本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物と相溶する事が必要である。さらに、有機溶剤に対する水の溶解度は25℃において20重量%以下が好ましい。水の溶解度が20重量%を超えるとイソシアネート油滴の中に水が侵入するため、長いポットライフを達成することができない。
【0024】水の溶解度は低いほど長いポットライフを達成できるが、低すぎると本発明のポリイソシアネート組成物との相溶性が低下し、また水性エマルジョンの種類によっては塗膜に曇りを生じることがあるため好ましくない。水の溶解度の下限は、本発明のポリイソシアネートのノニオン性親水基の導入量、イオン性界面活性剤の混合量及び水性エマルジョンの種類によって変わるため設定することは困難であるが、強いておよその目安を示せば、0.01重量%以上が好ましいといえる。
【0025】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物に添加する有機溶剤の例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、アジピン酸ジオクチル、グルタル酸ジイソプロピル等のエステル化合物やジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル化合物や2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン2−ヘプタノン,4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン化合物やベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン,p−シメン等の芳香族化合物などが挙げられる。
【0026】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物に添加する有機溶剤の添加量は5〜50重量%の範囲が好ましい。5重量%未満では有機溶剤を混合するメリット、すなわち水分散性の向上やポットライフの延長効果がみられないため好ましくない。50重量%を超えると本発明の水系コーティング組成物の中に占める揮発性有機化合物の量が多くなるために好ましくない。
【0027】本発明で(A)成分として使用される水性エマルジョンとは、ラテックス、エマルジョン等と表現されるものの全てを含む。例えば、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、フッ素共重合体エマルジョン、スチレンブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ゴム系ラテックス、ポリブタジエン共重合体、ウレタンアクリルエマルジョン等である。
【0028】本発明で使用する水性エマルジョンの水酸基価は、1〜300mgKOH/gの範囲である。1mgKOH/g未満では、コーティング組成物中の架橋点が少なくなり、硬化速度の低下、あるいは塗膜等の被覆物の脆弱化を引き起こすため好ましくない。300mgKOH/gを超えると逆に架橋点が多すぎるために、被覆物が、堅く脆くなるために好ましくない。
【0029】本発明で使用する水性エマルジョンの粒子径は、0.03〜1.0μmの範囲である。0.03μm未満では、得られる被覆物の光沢が低下するため好ましくない。1.0μmを超えると、水性エマルジョンの水分散の安定性が悪くなるため好ましくない。
【0030】本発明では、(A)成分の水性エマルジョンと(B)成分の自己乳化性ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基/水酸基の当量比は、0.5〜5.0、好ましくは、1.0〜3.0の範囲である。0.5未満では、コーティング組成物中の架橋点が少なくなり、硬化速度の低下、あるいは塗膜等の被覆物の脆弱化を引き起こすため好ましくない。5.0を超えると、被覆物が堅く脆くなるため好ましくない。
【0031】上記(A)成分と(B)成分の配合された水系コーティング組成物は、ポットライフが20℃で6時間以上であることが必要である。ポットライフとは、水系コーティング組成物に顕著な粘度上昇、ならびに発泡が認められないことをいう。6時間未満では実用に耐えることが出来るとはいえない。この長いポットライフは、導入したノニオン性親水基と混合したイオン性界面活性剤との相互作用によって達成できる。
【0032】また、上記水系コーティング組成物より、20℃、24時間の塗工条件で得られる塗膜のゲル分率は、50%以上である。50%未満では、耐水性に劣るため好ましくない。これを達成することができたキーポイントは、自己乳化性ポリイソシアネートのイソシアネート基含有率と水分散時の水とイソシアネート基の反応の抑制、及び水性エマルジョンの粒子内ゲル分率の高さである。
【0033】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物、及びそれと水性エマルジョンからなる水系コーティング組成物には、必要に応じて、顔料、分散安定剤、粘度調整剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、硬化促進触媒等を添加することが出来る。
【0034】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、水分散状態でのイソシアネート基と水の反応が抑えられているため、水系コーティング組成物に用いる際には、長いポットライフを達成することが出来る。更に本発明の水系コーティング組成物から得られた塗膜等被覆物は、耐水性に優れている。従って、従来溶剤系のポリウレタン塗料が用いられていた塗料、特に建築外装塗替え用塗料あるいは自動車補修用塗料、プラスチック用塗料等を水系化することが出来る。更にはシーリング剤、接着剤、インキ、コーティング材、注型材、エラストマー、フォームやプラスチック原料、繊維処理剤など幅広い分野に応用することができる。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を実施例等を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定されるものではない。本発明で用いた測定方法を以下に示す。イソシアネート基含有率は、イソシアネート基を過剰のアミンで中和した後、塩酸による逆滴定によって求めた。粘度は、デジタル粘度計(東京計器株式会社製;DVM−B型)により25℃、60rpmで測定した。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求めた。
【0036】なお、GPCは重量平均分子量2000未満の場合は、カラム:東ソー(株)G1000HXL、G2000HXL、G3000HXL、キャリアー:THF、検出方法:視差屈折計、データ処理器:東ソー(株)CP−8000にて、重量平均分子量2000以上の場合は、カラム:東ソーG2000HXL、G4000HXL、G5000HXL、キャリアー:THF、検測方法:視差屈折計、データ処理器:東ソー(株)クロマトコダー(Chromatocoder)21にて測定した。
【0037】水分散液は、試料:水を40:60の重量比で混ぜ、600rpmで10分間撹拌して作成した。水系コーティング組成物は、水性エマルジョンに自己乳化性ポリイソシアネート組成物を所定量添加し、600rpmで10分間攪拌して作成した。粒子径は、超遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製CAPC−700)を用いて測定した。ゲル分率は、硬化させた樹脂約0.1gをアセトン50gにより抽出させて以下の式より求めた。
ゲル分率=(樹脂を24時間アセトン抽出したときの固形分残存量/樹脂重量)×100%
【0038】(実施例1)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081;商品名、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)とアルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム(ニューコール210;商品名、固形分50%、日本乳化剤株式会社製)とを固形分重量比で3:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。ビュレットタイプポリイソシアネート(デュラネート24A−100;商品名、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムとの混合物200gとを混ぜ、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は18.5%、重量平均分子量は1000、粘度は3200mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、90%であった。
【0039】(実施例2)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)とジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(ニューコール290M;商品名、固形分70%、日本乳化剤株式会社製)とを固形分重量比で2:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。ビュレットタイプポリイソシアネート(デュラネート24A−100、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとジアルキルスルホコハク酸ナトリウムとの混合物300gとを混ぜ、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化製ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は16.6%、重量平均分子量は1100、粘度は4100mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、93%であった。
【0040】(実施例3)メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキサイド繰り返し単位=48.5個)とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム(ニューコール560SF;商品名、固形分50%、日本乳化剤株式会社製)とを固形分重量比で4:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。ビュレットタイプポリイソシアネート(デュラネート24A−100、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アンモニウムとの混合物25gとを混ぜ、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化製ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は21.6%、重量平均分子量は880、粘度は2400mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、91%であった。
【0041】(実施例4)メトキシポリエチレングリコール(MPG−130;商品名、エチレンオキサイド繰り返し単位=9.4個、日本乳化剤株式会社製)とポリオキシエチレントリデシルエーテルスルホン酸ナトリウム(ニューコール1305SN、固形分30%、日本乳化剤株式会社製)とを固形分重量比で1:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。ビュレットタイプポリイソシアネート(デュラネート24A−100、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたポリエチレングリコールとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アンモニウムとの混合物400gとを混ぜ、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化製ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は14.9%、重量平均分子量は2000、粘度は18000mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、78%であった。
【0042】(実施例5)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)とベンジルアンモニウム塩(テクスノールR5(50);商品名、固形分50%、日本乳化剤株式会社製)を固形分重量比で1:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。ビュレットタイプポリイソシアネート(デュラネート24A−100、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとベンジルアンモニウム塩との混合物300gとを混ぜ、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は16.4%、重量平均分子量は950、粘度は4000mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、88%であった。
【0043】(実施例6)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)とアルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム(ニューコール210、固形分50%、日本乳化剤株式会社製)とを固形分重量比で5:2になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。イソシアヌレートタイプポリイソシアネート(デュラネートTPA−100;商品名、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムとの混合物700gとを混ぜ、120℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は11.4%、重量平均分子量は1400、粘度は9600mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、82%であった。
【0044】(実施例7)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)とジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(ニューコール290M、固形分70%、日本乳化剤株式会社製)を固形分重量比で2:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。イソシアヌレートタイプポリイソシアネート(デュラネートTPA−100、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとジアルキルスルホコハク酸ナトリウムとの混合物300gとを混ぜ、100℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は16.6%、重量平均分子量は1100、粘度は3000mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、88%であった。
【0045】(実施例8)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)とジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(ニューコール290M、固形分70%、日本乳化剤株式会社製)とを固形分重量比で3:2になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。ウレタンタイプポリイソシアネート(デュラネートE−402;商品名、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとジアルキルスルホコハク酸ナトリウムとの混合物150gとを混ぜ、100℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は7.9%、重量平均分子量は3600、粘度は15000mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、94%であった。
【0046】(実施例9)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)とジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(ニューコール290M、固形分70%、日本乳化剤株式会社製)とを固形分重量比で2:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。HDI/IPDI混合系ビュレットタイプポリイソシアネート(デュラネートV−3000;商品名、旭化成工業株式会社製)1000gと、上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとジアルキルスルホコハク酸ナトリウムとの混合物100gとを混ぜ、100℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は18.2%、重量平均分子量は2000、粘度は16000mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、80%であった。
【0047】(実施例10)実施例2で得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物160gに酢酸ブチル40g(水の溶解度:1.9wt%)を添加した。得られた自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は13.3%、粘度は230mPa・sであった。また、水分散液を20℃6時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は、95%であった。
【0048】(実施例11)アクリルラテックス(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸−n−ブチル共重合体、水酸基価160mgKOH/g、酸価6mgKOH/g、Tg25℃、粒子径0.09μm)と実施例1で得た自己乳化性ポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比=0.5で混合し水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物は、20℃8時間放置しても粘度上昇、発泡は認められなかった。このコーティング組成物を用いて厚さ40μmの塗膜をつくり、20℃65%RHで24時間硬化したところ、透明塗膜を得た。ゲル分率を測定すると79%であり、20℃の水に4時間浸漬しても塗膜の白化は認められなかった。
【0049】(実施例12)アクリルラテックス(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸−n−ブチル共重合体、水酸基価20mgKOH/g、酸価6mgKOH/g、Tg10℃、粒子径0.08μm)と実施例2で得た自己乳化性ポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比=1.5で混合し水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物は、20℃8時間放置しても粘度上昇、発泡は認められなかった。このコーティング組成物を用いて厚さ40μmの塗膜をつくり、20℃65%RHで24時間硬化したところ、透明塗膜を得た。ゲル分率を測定すると84%であり、20℃の水に4時間浸漬しても塗膜の白化は認められなかった。
【0050】(実施例13)アクリルラテックス(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸−n−ブチル共重合体、水酸基価4mgKOH/g、酸価1mgKOH/g、Tg10℃、粒子径0.2μm)と実施例6で得た自己乳化性ポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比=5.0で混合し水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物は、20℃8時間放置しても粘度上昇、発泡は認められなかった。このコーティング組成物を用いて厚さ40μmの塗膜をつくり、20℃65%RHで24時間硬化したところ、透明塗膜を得た。ゲル分率を測定すると70%であり、20℃の水に4時間浸漬しても塗膜の白化は認められなかった。
【0051】(実施例14)フッ素ラテックス(水酸基価10mgKOH/g、酸価2mgKOH/g、Tg0℃、粒子径0.1μm)と実施例2で得た自己乳化性ポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比=1.5で混合し水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物は、20℃8時間放置しても粘度上昇、発泡は認められなかった。このコーティング組成物を用いて厚さ40μmの塗膜をつくり、20℃、65%RHで24時間硬化したところ、透明塗膜を得た。ゲル分率を測定すると77%であり、20℃の水に4時間浸漬しても塗膜の白化は認められなかった。
【0052】(実施例15)アクリルラテックス(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸−n−ブチル共重合体、水酸基価160mgKOH/g、酸価6mgKOH/g、Tg25℃、粒子径0.09μm)と実施例10で得た自己乳化性ポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比=1.5で混合し水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物は、20℃8時間放置しても粘度上昇、発泡は認められなかった。このコーティング組成物を用いて厚さ40μmの塗膜をつくり、20℃65%RHで24時間硬化したところ、透明塗膜を得た。ゲル分率を測定すると84%であり、20℃の水に4時間浸漬しても塗膜の白化は認められなかった。
【0053】(比較例1)メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキサイド繰り返し単位=20.4個)150gとイソシアヌレートタイプポリイソシアネート(デュラネートTPA−100、旭化成工業株式会社製)1000gとを混ぜ、100℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られたポリイソシアネートは、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は18.7%、重量平均分子量は1300、粘度は2800mPa・sであった。また、水分散液を20℃4時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は0%であった。
【0054】(比較例2)メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15.2個、日本乳化剤株式会社製)200gとビュレットタイプポリイソシアネート(デュラネート24A−100、旭化成工業株式会社製)1000gとを混ぜ、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られたポリイソシアネートは、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は18.3%、重量平均分子量は1200、粘度は2300mPa・sであった。また、水分散液を20℃2時間放置したときのイソシアネート基含有率の残存率は0%であった。
【0055】(比較例3)アクリルラテックス(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸−n−ブチル共重合体、水酸基価20mgKOH/g、酸価6mgKOH/g、Tg10℃、粒子径0.08μm)と比較例1で得た自己乳化性ポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比=1.5で混合し水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物は、20℃6時間放置すると固化した。このコーティング組成物を用いて厚さ40μmの塗膜をつくり、20℃65%RHで24時間硬化したところ、やや濁りがある塗膜を得た。ゲル分率を測定すると81%であり、20℃の水に4時間浸漬すると塗膜が白化した。
【0056】(比較例4)アクリルラテックス(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸−n−ブチル共重合体、水酸基価20mgKOH/g、酸価6mgKOH/g、Tg10℃、粒子径0.08μm)と比較例2で得た自己乳化性ポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比=1.0で混合し水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物は、20℃6時間放置すると固化した。このコーティング組成物を用いて厚さ40μmの塗膜をつくり、20℃65%RHで24時間硬化したところ、透明塗膜を得た。ゲル分率を測定すると84%であり、20℃の水に4時間浸漬すると塗膜が水膨れ及び白化した。
【0057】
【発明の効果】本発明の自己乳化性ポリイソシアネート組成物は、水分散状態でのイソシアネート基と水の反応が抑えられているため、水系コーティング組成物に用いる際には、長いポットライフを達成することが出来る。更に本発明の水系コーティング組成物から得られた塗膜等被覆物は、耐水性、耐溶剤性に優れている。従って、従来溶剤系のポリウレタン塗料が用いられていた塗料、特に建築外装塗替え用塗料あるいは自動車補修用塗料、プラスチック用塗料等を水系化することが出来る。更にはシーリング剤、接着剤、インキ、コーティング材、注型材、エラストマー、フォームやプラスチック原料、繊維処理剤など幅広い分野に応用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートに5〜50のエチレンオキサイド繰り返し単位からなるノニオン性親水基含有化合物が2〜50重量%導入された親水性ポリイソシアネートに対して、イオン性界面活性剤を0.5〜20重量%混合させることにより得られるものであり、実質的に溶剤を含有しない状態でのイソシアネート基含有率が6〜25重量%、重量平均分子量が350〜10000、粘度が50〜20000mPa・s(25℃)である水分散安定性が良好な自己乳化性ポリイソシアネート組成物。
【請求項2】 (A)成分として水酸基価1〜300mgKOH/g、粒子径0.03〜1.0μmの水性エマルジョンと、(B)成分として請求項1記載の自己乳化性ポリイソシアネート組成物とを、(A)成分と(B)成分がイソシアネート基/水酸基の当量比が0.5〜5.0の範囲で配合してなる水系コーティング組成物。