自律型カバレッジロボット
自律型カバレッジロボットは、本体と、本体に配置される駆動システムと、本体に配置され、ロボットが床面を動かされている間に、床面に接触する清掃アセンブリと、を備える。また、清掃アセンブリは、被駆動清掃ローラと、清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために本体に配置される清掃ビンと、空気移動装置とを備える。さらに、清掃ビンは、清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口を有する清掃ビン本体と、清掃ローラと接触するように、清掃ビン本体に配置されるローラスクレーパと、を備える。また、清掃ビン本体は、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部を備え、空気移動装置は、空気を清掃ビン入口に移動させるよう動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律型カバレッジロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
本米国特許出願は、2007年6月5日出願の米国出願11/758,289に対し、米国特許法第120条に基づく優先権を主張する一部継続出願である。なお、米国出願11/758,289は、2005年12月2日出願の米国仮特許出願60/741,442に対し米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する、2006年12月4日出願の米国出願11/633,855(2008年10月28日に発行された米国特許第7,441,298)に対し、米国特許法第120条に基づく優先権を主張する、継続出願である。これらの先行する出願の開示は、本出願の開示の一部分とみなされ、参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれるものとする。
【0003】
自律型ロボットは、体系化されていない環境において、人による継続的な誘導なしに所望のタスクを実行できるロボットである。多くの種類のロボットが、ある程度において自律的である。様々なロボットが様々な方法において自律的であり得る。自律型カバレッジロボットは、一つ以上の仕事を実行するために、人による継続的な誘導無しに作業表面を行き来する。住宅、事務所、および/または消費者指向のロボット工学の分野において、真空清掃、床面洗浄、パトロール、芝刈りなどの家庭における機能を実行する可動式のロボットが広く導入されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律型カバレッジロボットは、動作中に多くの障害物に遭遇する。ロボットは、動作を続行するために、絶えず障害物を回避する必要があるとともに、布地、紐、または他の絡み付く柔らかい媒体によって捕らわれた場合には、自力で脱出する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの態様において、自律型カバレッジロボットは、本体と、本体に配置され、ロボットを動かすよう構成される駆動システムと、本体に配置され、ロボットが床面を動かされている間に、床面と接触する清掃アセンブリと、を備える。また、清掃アセンブリは、被駆動清掃ローラと、清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、本体に配置される清掃ビンと、空気移動装置とを備える。また、清掃ビンは、清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口と、清掃ローラと接触するように、清掃ビン本体に配置されるローラスクレーパとを含む、清掃ビン本体を備える。清掃ビン本体はさらに、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部を備え、空気移動装置は、空気を清掃ビン入口に移動させるよう動作する。また、ローラスクレーパは、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは、清掃ローラに実質的に並行に配置され、実質的に清掃ローラの全長に渡る。いくつかの実施態様において、清掃アセンブリは、空気移動装置の空気の流れを、清掃ローラを超えて清掃ビン入口内へと方向づけるよう構成される空気ガイドを備える。当該空気ガイドは、空気の流れを清掃ローラの実質的な接線であって、該清掃ローラの中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置される。
【0006】
別の態様において、自律型カバレッジロボットは、本体と、本体に配置され、ロボットを動かすよう構成される駆動システムと、本体に配置され、ロボットが床面を動かされている間に、床面に接触する清掃アセンブリと、を備える。また、清掃アセンブリは、被駆動清掃ローラと、清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、本体に配置される清掃ビンと、空気移動装置とを備える。また、清掃ビンは、清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口と、清掃ローラと接触するように、清掃ビン本体に配置されるローラスクレーパとを含む、清掃ビン本体を備える。さらに、清掃ビン本体は、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部を備え、空気移動装置は、空気を清掃ビン入口に移動させるよう構成される。また、清掃アセンブリハウジングは、空気移動装置の空気の流れを、清掃ローラを超えて清掃ビン入口内へと方向づけるよう構成される空気ガイドを備える。当該空気ガイドは、空気の流れを清掃ローラの実質的な接線であって、該清掃ローラの中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置される。
【0007】
上記に開示される二つの態様における実施態様には、以下のいずれかの特徴が含まれ得る。いくつかの実施態様では、ローラスクレーパは、清掃ローラの外径から内側に約0.25mmから3mmの間(好ましくは0.75mm)の干渉距離Dに配置される。また、ローラスクレーパは、清掃ビン入口に配置される(例えば、清掃ローラからこすりとられたデブリが、清掃ビンに入るように)。いくつかの例において、空気移動装置が、清掃ビン本体の内部であって、清掃ビン本体の上後方部の実質的に近くに配置される。また、空気移動装置が、清掃ビン本体における縦軸に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸を規定する。いくつかの実施態様において、ロボットは、清掃ビンの空気移動装置と保持部との間に配置される空気移動装置ガードをさらに備える。また、空気移動装置ガードは、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備える。さらに、空気移動装置ガードは、取り外し可能に清掃ビン本体に取り付け可能であり、単一の方向で清掃ビン本体に受け入れられるように、非対称な形状を有している。いくつかの実施態様において、清掃アセンブリは、清掃アセンブリハウジングと、清掃アセンブリハウジングに回転可能に連結される第1および第2の清掃ローラと、を備える。第1の清掃ローラは剛毛を備え、第2の清掃ローラは柔軟なフラップを備える。また、ローラスクレーパは、第1の清掃ローラと接触するよう配置される。空気ガイドを備える実施態様において、空気ガイドは、空気移動装置の空気の流れを、清掃ローラを超えて清掃ビン入口内へと方向づけるよう構成される。また、第1および第2の清掃ローラは、撹拌したデブリを第1および第2の清掃ローラの間に上げて、空気移動装置の空気の流れにのせるように、異なる方向に駆動され得る。いくつかの例において、被駆動清掃ローラが空気移動装置であり、清掃ビン入口および/または清掃ビンの保持部への空気の流れを作る。
【0008】
さらに、別の実施態様において、カバレッジロボットのための清掃ビンは、清掃ビン入口を有する清掃ビン本体と、清掃ビン本体に配置され、空気を清掃ビン入口に引き込むよう構成される空気移動装置と、カバレッジロボットの清掃ローラと接触するように、清掃ビン本体に配置されるローラスクレーパと、を備える。また、清掃ビン本体はさらに、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部を備える。ローラスクレーパは、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは、清掃ローラに実質的に並行に配置され、実質的に清掃ローラの全長に渡る。
【0009】
本態様における実施態様には、以下のいずれかの特徴が含まれ得る。いくつかの実施態様では、ローラスクレーパは、清掃ビン入口に配置される。また、空気移動装置は、清掃ビン本体の内部であって、清掃ビン本体の上後方部の実質的に近くに配置される。いくつかの例において、空気移動装置が、清掃ビン本体における縦軸に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸を規定する。また、清掃ビンは、清掃ビンの空気移動装置と保持部との間に配置される空気移動装置ガードをさらに備えても良い。また、空気移動装置ガードは、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備える。さらに、空気移動装置ガードは、取り外し可能に清掃ビン本体に取り付け可能であり、単一の方向で清掃ビン本体に受け入れられるように、非対称な形状を有している。
【0010】
別の態様において、カバレッジロボットのための清掃ビンは、清掃ビン入口と、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部と、保持部と空気連通する空気管路と、カバレッジロボットの清掃ローラと接触するように、清掃ビン入り口に配置されるローラスクレーパと、を備える。また、空気管路は、カバレッジロボットに受け入れられている場合に、ロボットの空気移動装置との空気連通を確立する。ローラスクレーパは、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは、清掃ローラに実質的に並行に配置され、実質的に清掃ローラの全長に渡る。
【0011】
一つの態様において、自律カバレッジロボットは、シャーシと、このシャーシに搭載され、ロボットを動かすように構成された駆動システムと、シャーシによって担持された縁部清掃ヘッドと、シャーシによって担持された制御装置とを備える。縁部清掃ヘッドは、縁部清掃ヘッドモータによって駆動され、非水平軸回りに回転することができる。縁部清掃ヘッドは、ロボットが床を横切って動かされる間に床表面に接触するように、シャーシの横方向長さを越えて延びる。縁部清掃ヘッドは、ロボットの周縁上にまたは周縁付近に配置され得る。ロボット動作を制御する制御装置によるブラシ制御プロセスは、駆動プロセスとは別個に、縁部清掃ヘッドに関連するモータ電流を監視するように構成される。また制御装置によるブラシ制御プロセスは、スパイク(例えば、モータ電流の過渡的なまたは急速な増大)または一般に高いモータ電流モータの検出後に(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)縁部清掃ヘッドモータを以前の清掃方向とは反対の方向へ逆バイアスするように構成され、他方では床を横切ってロボットを操縦し続けて、中断することなく床の網羅もしくは清掃を実行するか、または他の動作行動を実行する。一つの実施態様では、制御装置によるブラシ制御プロセスは、高い縁部清掃ヘッドモータ電流に続いて、(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)縁部清掃ヘッドモータを逆バイアスし、かつ引き続いてまたは並行して、直接的にまたは監督プロセスを介して間接的に、ロボットが実質的に後進し、駆動方向を変更し、かつロボットを前進させるのと同時に巻き戻しが行われ得るように、信号を駆動モータ制御プロセスに送信する。
【0012】
一つの実施態様では、縁部清掃ヘッドは、シャーシの周縁を越えて延びる剛毛を有するブラシを含む。一つの実施例では、縁部清掃ヘッドが、第1および第2の端部を有する少なくとも一つのブラシ要素を含み、このブラシ要素は、第1の端部の回りに作業表面に垂直な回転軸を規定する。縁部清掃ヘッドは、実質的に垂直な軸回りに回転可能である。一つの場合では、縁部清掃ヘッドは3つのブラシ要素を具備し、各ブラシ要素が、隣接するブラシ要素と約120度の角度を形成する。別の場合では、縁部清掃ヘッドは6つのブラシ要素を備え、各ブラシ要素が、隣接するブラシ要素と約60度の角度を形成する。
【0013】
別の実施態様では、縁部清掃ヘッドは、シャーシの周縁を越えて延びる回転可能なスキージを備える。この回転可能なスキージは、水洗い、表面処理などに使用可能である。
【0014】
さらに別の実施態様では、縁部清掃ヘッドは、この清掃ヘッドが回転すると、シャーシの周縁を越えて広がる複数の吸水性のある繊維を含む。複数の吸水性のある繊維は、こぼれを拭き取り、床を清掃し、表面処理を施す等々のためにモップのように使用可能である。
【0015】
ロボットは、シャーシによって担持された複数の清掃ヘッド(例えば、2つまたは3つ)を備える。一つの例では、ロボットは、シャーシによって担持された主清掃ヘッドをさらに具備し、清掃ヘッドは、ロボットによって網羅されるスワズ(それはロボットの主作業幅を形成する)を横切って延び、かつ清掃ヘッドは、ロボットが床を横切って動かされている間に床表面に接触するように、水平軸回りに回転するように駆動され得る。主清掃ヘッドは、作業表面に平行な長手回転軸を規定する円筒本体と、円筒本体上に配置された剛毛と、円筒本体に沿って長手方向に配置された柔軟フラップとを含むことができる。制御装置によるブラシ制御プロセスは、高い主清掃ヘッドモータ電流に応答して、(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)主清掃ヘッドの回転を逆バイアスするように構成され、他方で動作制御プロセスは、別個に床を横切ってロボットを操縦し続ける。別の例では、ロボットは、シャーシによって担持され、ロボットが床を横切って動かされる間に床表面に接触するように、水平軸回りに回転するように駆動される2つの主清掃ブラシを備える。2つの主清掃ブラシは、同じかまたは逆の方向へ回転するように駆動され得る。
【0016】
別の態様において、自律カバレッジロボットの絡まりを解除する方法は、ロボットを床表面の上に配置するステップを含み、ロボットは、シャーシによって担持され、縁部清掃ヘッドモータによって駆動される縁部清掃ヘッドを非水平軸回りに回転させながら、ロボットの前方向へ床表面を自律的に横断する。縁部清掃ヘッドは、シャーシの横方向長さを超えて延び、かつ床表面に接触する。ロボットは、床表面を横切って操縦し続ける間に、高い縁部清掃ヘッドモータ電流に応答して、(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)、別個に縁部清掃ヘッドモータに逆バイアスを与える。
【0017】
一つの実施態様では、ロボットの制御装置によるブラシ制御プロセスは、高い清掃ヘッドモータ電流に応答して縁部清掃ヘッドの回転を逆転する前に(ロボット動作制御とは別個に)、前方向へのロボットの移動を決定する。ロボットのブラシ制御プロセスは、ある一定の時間の間における高い縁部清掃ヘッドモータ電流に応答して、(ロボット動作制御とは別個に)縁部清掃ヘッドの回転を逆転し得る。一つの例では、ブラシ制御プロセスが縁部清掃ヘッドの回転を逆転する後で、ブラシ制御プロセスは、直接的にまたは監督プロセスを介して、逆方向へ移動し、駆動方向を変更し、かつその駆動方向へ移動するように、信号をロボットの動作制御プロセスに送ることができる。
【0018】
別の実施態様において、ロボットはまた、シャーシによって担持された主清掃ブラシを備え、このブラシは、ロボットが床を横切って動かされる間に床表面に接触するように、水平軸回りに回転するように駆動され得る。ロボットは、床表面を横切って操縦し続ける間に、高い主清掃ヘッドモータ電流に応答して、別個に主清掃ブラシの回転を逆転する。ロボットのブラシ清掃プロセスはまた、高い主清掃ブラシモータ電流に応答して、別個に主清掃ブラシの回転を逆転する前に、前方向へのロボットの移動を決定することができる。さらに、ロボットのブラシ清掃プロセスはまた、一定の時間の間または時間間隔の間、主清掃ブラシの回転を逆転することができる。
【0019】
別の態様では、自律カバレッジロボットが、駆動システム、衝突センサ、および近接センサを備える。駆動システムは、方位(旋回)設定および速度設定に従ってロボットを動かすように構成される。衝突センサは、前方向における障害物とのロボットの衝突に応答する。近接センサは、近接しているが、ロボットに接触していない距離に、例えば、1〜10インチ、好ましくは1〜4インチにある、ロボット前方の障害物に応答する。駆動システムの動作制御プロセスはまた、方位設定に従ってロボットを前進させることを含めて、清掃またはカバレッジプロセスの続行中に、潜在的な障害物の検出を示す近接センサからの信号に応答して速度設定を低減するように構成され得る。さらに、駆動システムの動作制御プロセスはまた、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、方位(旋回)設定を変更するように構成され得る。
【0020】
幾つかの場合では、駆動システムの動作制御プロセスは、障害物の周囲を追従するために、衝突センサおよび一つまたは複数の側部近接センサから受け取った信号に応答して、方位設定を変更するように構成され得る。他の場合では、駆動システムは、ロボットを障害物から遠ざけて誘導するために、衝突センサおよび近接センサから受け取った信号に応答して、方位(旋回)設定を変更するように構成され得る。一つの実施例では、駆動システムは、ロボットをトルク(例えば、モータ電流またはモータ抵抗)設定で動かすように構成され、駆動システムは、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、モータ電流またはモータ抵抗設定を変更するように構成される。駆動システムは、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、モータ電流またはモータ抵抗設定を増大することができる。
【0021】
近接センサは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許6594844号、「Robot obstacle detection system」で実質的に開示されたように、相互から固定距離に集束するように相互に向けられた赤外線発光器および受光器の少なくとも一つの対の複数の組を備えることができる。別法として、近接センサは音波探知器装置を含み得る。衝突センサは、スイッチ、容量性センサ、または他の接触感知装置を含み得る。
【0022】
ロボットは床の上に配置され得る。さらに別の態様では、自律カバレッジロボットを床の上の物体に対して動かす方法は、ロボットが清掃モードにおいて全速清掃速度で床を自律的に横断するステップを含む。ロボット前方に物体の近接を感知すると、ロボットが物体との接触を検出するまで物体に向かい続ける間に、ロボットは、清掃速度を減速清掃速度まで落とす。物体との接触を感知すると、ロボットは、随意選択的には実質的に減速清掃速度で、物体に対して旋回し、他方で物体の近傍で清掃を行う。ロボットは物体の周囲を追従し、他方で物体の近傍で清掃を行うことができる。ロボットが周囲を離れると、ロボットは速度を全速清掃速度まで上げることができる。ロボットは、物体からの実質的に一定の追従距離を維持し得るか、ロボット本体の追従側面を越えて延びる縁部清掃ヘッドまたはブラシの長さよりも小さい追従距離を維持し得るか、または物体との最初の減速清掃速度における接触に応答して、実質的に物体に接触し、他方で物体の近傍で清掃を行うことができる。一つの例では、物体からの追従距離は実質的に、物体と実質的に接触した直後におけるロボットと物体との間の距離である。別の例では、物体からの追従距離は約0から2インチの間である。
【0023】
一つの場合では、ロボットは、物体との接触に応答して、物体の周囲を移動するように操縦を実行する。この操縦には、ロボットが物体の周囲を実質的に半円形の経路で、または連続した交互する部分螺旋(例えば、漸減する半径を有する円弧)で移動することを含み得る。別法として、この操縦は、ロボットが物体から遠ざかり、次いで物体に実質的に正接する方向へ移動することを含み得る。
【0024】
ロボットの前方に物体の近接を感知すると、ロボットは、定率で、指数関数的な率で、非線形的な率で、または何らかの他の率で、全速清掃速度から減速清掃速度まで減速することができる。さらに、ロボットは、物体との接触を感知すると、駆動モータ、主ブラシモータ、またはサイドブラシモータのトルク(例えば、モータ電流)設定を低減することができる。
【0025】
さらに別の態様では、自律型ロボットが、シャーシと、シャーシに搭載され、ロボットを動かすように構成された駆動システムと、シャーシによって担持され、ロボットの下方の床表面を検出するように構成された床近接センサとを備える。床近接センサは、ビームを床表面に向かって誘導するように構成されたビーム発光器と、誘導されたビームの床表面からの反射に応答し、シャーシの下向き受口の中に取り付けられたビーム受光器とを備える。床近接センサは、実質的に封止されたユニット(例えば、下方向で)でよく、受口の内部に堆積物、「カーペット毛羽」、毛髪、または家庭の埃が蓄積するのを防止するために、受口の下端を横切って配置された前方および後方縁部を有するビーム透過カバーも備え得る。このカバーは、帯電防止材料から作製されたレンズを含んでも良い。ロボットの前縁におけるカバーの前方縁部、すなわち、ロボットの動作方向におけるカバーの縁部は、後方縁部よりも高くなっている。受口の下方表面は楔形に形作られ得る。一つの例では、床近接センサは、米国特許第6594844号、「Robot obstacle detection system」に実質的に開示されたように、赤外線発光器および受光器の少なくとも一つの対を含む。
【0026】
一つの実施態様では、ロボットの駆動システムは、シャーシから懸架された少なくとも一つの被駆動輪と、シャーシによって担持され、車輪の一つに隣接して収納された少なくとも一つの床−輪近接センサとを備え、この床−輪近接センサは、車輪に隣接する床表面を検出するように構成される。また駆動システムは、床近接センサから受け取った信号に応答して、ロボットを感知されたクリフから遠ざけて動かすように構成された制御装置も備え得る。幾つかの場合では、駆動システムは、車輪の一つに近接して収納され、シャーシに対する車輪の実質的な下向き変位に応答する脱輪センサを備える。駆動システムは、すべての車輪が脱輪するときに、床近接センサの動作可能性を検証する検証システムを含み得る。この検証は、すべての車輪が脱輪したのは、ロボットが人間によって床から持ち上げられている結果である公算が高いという推断に基づいており、必ずしもすべての床近接センサが床表面に整合しないわけではないこと(反射が測定されないかまたは強すぎる反射)を確認するために点検するものである。床表面または過剰に強い反射(例えば、遮断されたセンサを示す)に整合するセンサは、いずれも妨害されていると見なされる。この検出に応答して、ロボットは、標示または光によって床近接センサが掃除されるべきであることを示す保守報告セッションを開始することができる。この検出に応答して、ロボットは、すべての床近接センサが掃除されかつ機能していることを検証手順によって判定するまで、前進動作を禁止する。それぞれの輪−床近接センサおよび脱輪近接センサは、赤外線発光器および受光器の少なくとも一つの対を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、自律型カバレッジロボットの一例の上方斜視図を示す。
【図2】図2は、自律型カバレッジロボットの一例の下方斜視図を示す。
【図3】図3は、自律型カバレッジロボットの一例の分解図を示す。
【図4】図4は、自律型カバレッジロボットの中に組み込まれ得る主清掃ヘッドの一例の正面斜視図を示す。
【図5】図5は、自律型カバレッジロボットに使用され得る主清掃ヘッドの一例の分解図を示す。
【図6A】図6Aは、清掃ビンの一例を示す分解図である。
【図6B】図6Bは、図6Aに示される清掃ビンの一例を示す断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Aに示される清掃ビンの一例を示す断面図である。
【図6D】図6Dは、主清掃ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図6E】図6Eは、図6Dに示される主清掃ヘッドの一例を示す底面斜視図である。
【図7A】図7Aは、回転可能なブラシを使用する縁部清掃ヘッドの一例の上方斜視図を示す。
【図7B】図7Bは、縁部清掃ヘッドの一例の分解図を示す。
【図7C】図7Cは、縁部清掃ヘッドの一例における傾きの模式図を示す。
【図7D】図7Dは、回転可能なスキージを備える縁部清掃ヘッドの一例を示す。
【図8A】図8Aは、自律型カバレッジロボットに使用され得るバンパを示す。
【図8B】図8Bは、動的な衝突センサおよび近接センサを示す。
【図9A】図9Aは、自律型カバレッジロボットの一例のブロック図を示す。
【図9B】図9Bは、動作制御を説明するフローチャートを示す。
【図9C】図9Cは、ブラシ動作を説明するフローチャートを示す。
【図10】図10は、隣接する床の検出に使用され得る床近接センサおよび取付留め具を示す。
【図11】図11は、床近接センサの側面図を示す。
【図12】図12は、床近接センサの分解図を示す。
【図13】図13は、図11および12に示される床近接センサに使用されるカバーの分解図を示す。
【図14】図14は、脚輪アセンブリの一例を示す分解図である。
【図15】図15は、脱輪センサの一例を示す分解図である。
【図16】図16は、脚輪アセンブリの一例を示す断面図である。
【図17A】図17A〜Hは、様々な構成の清掃ヘッドを有する自律型カバレッジロボットにおける絡まりを解除する方法の例を示す。図17Aは、撹拌ローラを有する自律型カバレッジロボットに使用され得る絡まりの解除方法を示す。
【図17B】図17Bは、撹拌ローラおよびブラシローラを有する自律型カバレッジロボットに使用され得る絡まりの解除方法を示す。
【図17C】図17Cは、二重撹拌ローラを備える自律型カバレッジロボットにおける絡まりの解除方法を示す側面図および底面図である。
【図17D】図17Dは、図17Cに示したロボットの絡まりを解除する別の方法を示す。
【図17E】図17Eは、2つの撹拌ローラおよび一つのブラシローラを有する自律型カバレッジロボットにおける絡まりの解除方法を示す。
【図17F】図17Fは、自律型カバレッジロボットの絡まりを解除する別の方法を示す。
【図17G】図17Gは、2つの撹拌ローラおよび2つの空気ダクトを有する自律型カバレッジロボット300における絡まりの解除方法を示す側面図および底面図である。
【図17H】図17Hは、2つの撹拌ローラ、一つのブラシローラ、および2つの空気ダクトを有する自律型カバレッジロボット300における絡まりの解除方法を示す側面図および底面図である。
【図18】図18は、清掃ビンを含む自律型カバレッジロボットの一例の断面図である。
【図19A】図19Aは、清掃ビンの一例の正面斜視図である。
【図19B】図19Bは、図19Aの清掃ビンの分解図である。
【図19C】図19Cは、図19Aの清掃ビンの後方斜視図である。
【図19D】図19Dは、図19Aの清掃ビンの後方斜視図である。
【図19E】図19Eは、図19Aの清掃ビンの正面図である。
【図19F】図19Fは、図19Aの清掃ビンの側面図である。
【図19G】図19Gは、図19Eの清掃ビンの線19G−19Gに沿った断面図である。
【図20】図20は、清掃ビンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
異なる図面中の同様の番号は、同様の要素を示す。
【0029】
図1〜3は、例示的な自律型カバレッジロボット100の上方斜視図、下方斜視図、および分解図を示す。ロボット100は、シャーシ102、駆動システム104、縁部清掃ヘッド106a、および制御装置108を有する。駆動システム104は、シャーシ102に搭載され、ロボット100を動かすように構成された差動式駆動装置(ロボットの中心直径に近接するかまたは中心直径上にあり、別個に速度制御可能な左輪および右輪)である。縁部清掃ヘッド106aは、ロボット100の下方およびその直近の汚れおよびゴミ(デブリ)を除去するために、さらに具体的にはロボットが前方に向かって清掃する際に汚れおよびゴミを主清掃ヘッド106bの清掃経路の中へ掃き込むために、シャーシ102の側縁を越えて延びるように取り付けられる。幾つかの実施態様では、主清掃ヘッド106bまたは縁部清掃ヘッド106aは、表面処理を施すためにも使用可能である。制御装置108(図9Aにも図示される)は、シャーシ102によって担持され、自律的様態で床を清掃または処理するため、以下に説明するように、センサの読取り値または指示に基づいてロボット100の構成要素に指令を供給する、行動に基づくロボット工学(behavior based robotics)によって制御される。バッテリ109がロボット100およびそのサブシステム用の電源となり得る。下カバー110は、ロボット100の内側部分を保護しかつ汚れおよびゴミの侵入を防ぐ。
【0030】
駆動システム104は、左駆動輪アセンブリ112、右駆動輪アセンブリ114、および脚輪アセンブリ116を含む。駆動輪アセンブリ112、114および脚輪アセンブリ116は、シャーシ102に連結されて、ロボット100を支える。制御装置108は、ロボット100を動かすために駆動輪アセンブリ112および114を前方または後方に駆動するように駆動システムに指令を供給することができる。例えば、両方の駆動輪アセンブリを前方向に係合させるように制御装置によって指令が発行され、ロボット100の前進動作をもたらす。別の場合では、左駆動輪アセンブリ112を前方向に駆動させ、他方では右駆動輪アセンブリ114を後方向へ駆動させる左旋回のための指令が発行可能であり、結果として、上方から眺めたときにロボット100は時計回りに旋回する。
【0031】
図4および5は、シャーシ102に取り付けることによってロボット100の主清掃ヘッド106bに組み込まれ得る主清掃ブラシ111の前方斜視図および分解図を示す。本明細書に開示されるロボットおよび清掃ヘッドの一般的な構造は、別様に言及される場合を除き、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許6883201号に開示されたものと同様である。一般に、ロボットのブラシが、コード、紐、毛髪、縁飾り、飾り房に絡まると、ブラシモータが過電流または温度上昇に直面し、ブラシのエネルギー消費の増大、清掃不良、減速、または故障を引き起こす恐れがある。ロボットがそのように制御されているか、または絡まる物が重かったりもしくは固定されたりしている場合、ロボットはその場に拘束される恐れがある。また、センサが静止状態を検出するために利用可能である場合、ロボットは動作を停止し、それによって清掃ができない恐れがある。作業工程中に立ち往生したロボットは、自律的機能を続行するために「救助」されかつ清掃されねばならない。理論的には、駆動輪、脚輪、ビン・スキージ、および清掃ヘッド駆動系(逆駆動装置)における静的または動的摩擦に対抗するために追加的なエネルギー消費が発生する。縁飾り/飾り房/コードは、清掃ブラシの最小巻付き径(例えば、ブラシ111が剛毛しか具備していなければ、通常はブラシ111の芯)の回りに緊密に巻き付き得る。清掃ブラシ111の最小径部が硬質の場合(弾性がない場合)、例えば、ブラシが縁飾り/飾り房/コードを巻き戻すために清掃ヘッドの内部で逆回転されるとき、清掃ヘッドの歯車系および床と接触しているブラシにおける静的または動的摩擦に打ち勝つために、追加的なエネルギーが必要とされ得る。飾り房または紐がブラシの回りに絡まり続けるままにされる場合、絡まりを除去するためにブラシ111を清掃ヘッド106bから取り外す必要があり得る。主清掃ブラシ111は、清掃ヘッド本体117に沿って配置されたバッフルまたは柔らかいフラップ113および剛毛115を有する。清掃ヘッド本体117の長さに沿って配置された柔らかいフラップ113は、静的摩擦を最小化し得る。清掃ヘッド本体117は、ロボット100が床全体を移動し、バッフル113および剛毛115に床の表面上に存在し得る汚れおよびゴミを撹拌させながら、清掃ヘッド本体が床表面に接触(engage)するように、その水平軸回りに回転可能である。制御装置108は、主清掃ヘッドモータ電流の急上昇または増大を受けて、主清掃ブラシ111の回転を逆バイアスし(すなわち、ロボットが前方向へ遠ざかることにより絡まりを引き出しかつ巻き戻す際に、清掃ブラシの自由回転を許容するのに十分な逆電流を供給し)、他方では、制御装置108がロボット100を床全体に移動させるために個々の動作制御行動を実行するときに、清掃サイクルまたは他のサイクルの実行を続行するように構成可能である。この場合に、柔らかいフラップ113のへり113aは、主清掃ブラシ111の最小径になり得る。へり113aは、変形に殆どエネルギーの必要がないように柔軟であり(しなやかで、柔らかく)、潜在的にはエネルギーをロボット100の移動を開始するのに必要とされるエネルギーからそらす。静的摩擦に遭遇するブラシ歯車系の一時的な遅延は、ロボット100が移動を再開する機会を与え、それによってブラシの絡まりを容易に解除することを可能にする。同様に、ブラシ111は、絡まったコードまたは飾り房の単位長さ当たりの巻きを単にそれほど多く完成しないという理由で、コードまたは飾り房は、へり113aのより大きな直径(芯117のような芯またはさらに細い芯に比べて)回りに絡まり難くなり得る。さらには、フラップ113の長さ方向にえぐられる(湾曲される)性質が、運転されているロボットと、絡まった主清掃ブラシ111の逆駆動をバイアスする逆バイアスとの間の一時的な遅延の間に、飾り房/縁飾りを強制的にほどき/解除するばねの役割をさらに果たす。剛毛115は、主として清掃するために使用され得るが、他方でフラップ113は、主として絡まりの解除目的に使用され得る。これは、絡まった紐が主清掃ブラシ111の中でフラップ113によって保持される場合に、ロボット100が清掃(カーペットの撹拌)を続行することを可能にする。本明細書で説明されたものと組合せ可能な他のロボットの細部および特徴構造が、ここで参照によりその内容全体が組み込まれる以下の米国特許仮出願第60/747791号に見いだすことができる。
【0032】
図6Aは、清掃ビン600の一例を示す分解図である。清掃ビン600は、底部ハウジング602と、中間ハウジング604と、上部ハウジング606と、デブリ空洞607と、フィルタ空洞608と、フィルタ空洞カバー609と、第1部分610aおよび第2部分610bを有するデブリスキージ610と、真空ファン612とを含む。図2を参照すると、シャーシ102はビン受け溝601を有しており、そこに清掃ビン600が収容される。
【0033】
上部ハウジング606と中間ハウジング604とは共に、デブリ空洞607を形成する。デブリ空洞607は、主清掃アセンブリ112に隣接するその前側に、少なくとも一つの開口部617を有する。デブリ空洞607は、開口部を通して、縁部清掃ヘッド106aおよび/または主清掃ヘッド106bからデブリを収集することができる。
【0034】
また、底部ハウジング602と中間ハウジング604とは共に、作業面から真空清掃されたデブリを蓄えるフィルタ空洞608を形成することができる。デブリスキージ610は、作業面を磨いて、デブリをデブリ空洞608内へ向かわせる。真空ファン612は、中間ハウジング604の上側に取り付けられる。真空ファン612は、デブリスキージ610がある作業面からフィルタ空洞608を通る吸引路を作り出す。真空ファン612の下のフィルタは、デブリがフィルタ空洞608を出て真空ファン612に入ることを防止する。
【0035】
フィルタ空洞カバー609は、中間ハウジング604に回転可能に取り付けられており、閉位置と、アフターサービス用にフィルタ空洞608およびフィルタを剥き出しにする開位置との間で移動するように構成されている。
【0036】
また、清掃ビン600は、開位置でフィルタ空洞カバー609を付勢するフィルタ空洞カバーばねアクチュエータ611を含むことができる。清掃ビン600がシャーシ102に固定される場合、フィルタ空洞カバー609は閉位置におかれる。フィルタ空洞カバー609がシャーシ102から取外されると、フィルタ空洞カバーばね611はフィルタ空洞カバー609を回転して開放させ、デブリの除去用にフィルタ空洞608を剥き出しにする。一例において、清掃ビン600は、使用者が掛け金を解放するまで、付勢されたフィルタ空洞カバー609を閉位置におく掛け金も含むことができ、これによって、フィルタ空洞カバーばね611は、カバーを回転して開放させることができる。
【0037】
真空ファン612は、電源コネクタ614を含む。電源コネクタ614は、電気バッテリ302から真空ファン612へ電力を提供する。電源コネクタ614は、上部ハウジング606内の開口部616から突出している。このことにより、電源コネクタ614は、清掃ビン600がシャーシ102内部のレセプタクル内に置かれる場合に、シャーシ102内の電源コネクタと咬合することができる。
【0038】
図6Bおよび6Cは、清掃ビンカバーを含む清掃ビン600の一例を示す断面図である。図6Bは、ビンハウジング606にてヒンジで留められた清掃ビンカバー702を有する清掃ビン600の例を示す。ビンカバー702は、清掃ビン600のロボット側を囲う。ビンカバー702は、清掃ビン600、特にフィルタ空洞608内のデブリを空にするために開放される。真空ファン612の下のビンフィルタ704は、吸引路に沿ってフィルタ空洞608内へと真空清掃されたデブリを保持する。ビンカバー702は、開位置でビンカバー702を付勢する付属のばね706、または別の装置を有することができる。
【0039】
特定の実施態様において、清掃ビン600がカバレッジロボット100から取外されると、ビンカバー702は開放される(図6Bおよび6Cに示す)。別法として、ビンカバーの掛け金を解放するとビンカバー702を開放することができる。掛け金は、例えばカバレッジロボット100の作動中、ビンカバー702を閉位置で保持する。掛け金は、ビンカバー702を開放し、清掃ビン600を空にするために開放される。
【0040】
いくつかの例において、図6Bに示されるように、真空ファン612は、フィルタ空洞608およびデブリ空洞607に空気を吸い込む。中間ハウジング604および/または上部ハウジング606は、空気の流通が可能なようにデブリ空洞607と真空ファン612を連結するための空気口613Aおよび613Bをそれぞれ有する。真空ファン612が空気(およびデブリ)を清掃ビン600に移動すると、清掃ビン600の外側に対し清掃ビン600の内部で生じた陰圧によって、空気はデブリスキージ610を通ってフィルタ空洞608に、および清掃ヘッド111を超えてデブリ空洞607に吸い込まれる。毛髪などの繊維を清掃ヘッド111から取り去り、それらをデブリ空洞607に吸い込むために充分な空気が、清掃ヘッドを超えて移動することができる。
【0041】
図6Dは、主清掃ヘッド106bの一例を示す斜視図である。主清掃ヘッド106bは、清掃ヘッドアセンブリ1064を支持する清掃ヘッドアセンブリハウジング1062を含む。清掃ヘッドアセンブリ1064は、清掃ヘッドアセンブリハウジング1062およびカバレッジロボット100に対して移動可能である。清掃ヘッドアセンブリ1604は、主清掃ブラシ111と、清掃駆動モータ1066とを支持する(図からわかるように、ブラシ111上には非常に複数の剛毛群が提供されるが、明確にするために少量のみ図示される)。
【0042】
図6Eは、清掃ヘッドアセンブリ1604の一例を示す、主清掃ヘッド106bの底面斜視図である。清掃ヘッドアセンブリ1604は、主清掃ブラシ111aと、補助清掃ブラシ111bとを含む。主清掃ブラシ111aは、清掃ヘッドアセンブリハウジング1062に回転可能に連結されている。補助清掃ブラシ111bは、可撓性のフラップを含む。補助ブラシ111bは、主清掃ブラシ111aにより押しやられたデブリが捕えられ、補助ブラシ111bを越えて上方へ向けられるように、主清掃ブラシ111aとは反対方向に回転する。さらに、補助ブラシ111bが回転すると、可撓性のフラップは、作業面を清潔にブラシ掛けすることができる。
【0043】
図7Aおよび7Bは、縁部清掃ヘッド106aの上方斜視図および分解図を示す。縁部清掃ヘッド106aは、シャーシ102によって支持され、ブラシ120を非水平軸回りに回転するために、縁部清掃ヘッドモータ118および駆動力伝達装置119によって駆動される。ブラシ120は、シャーシ102の周縁を越えて延びるブラシ要素122A〜Fを有する。各ブラシ要素122A〜Fは、隣接するブラシ要素と約60度の角度を形成し、これらの要素の軸に沿って延びる剛毛が先端に付けられる。ブラシ120は、ブラシ要素122A〜Fの端部が作業表面に対して直角に移動するように、垂直軸回りに回転可能である。縁部清掃ヘッド106aは、ブラシ120がシャーシ102の縁部を越える汚れおよびゴミを掃き取りできるように、ロボット100の縁部に近接して配置される。幾つかの実施態様において、縁部清掃ヘッド106aは、ロボットの垂直軸からずれた(傾斜した)軸回りに動作する。図7Cに模式的に示されるように、縁部清掃ヘッド106aは、ゴミをロボット周囲の外側から主作業幅に向かって集めつつ、このように一旦作業幅に集められたゴミを妨害したり、ゴミをロボットの作業幅からはじき出したりしないように、前方向および左右方向へ傾斜し得る(すなわち、車輪接触平面内において移動方向から約45度の線回りに、その平面に対して下向きに傾斜する)。この軸ずれは、シャグのような様々なカーペットの種類に適するように、縁部清掃ヘッド106aの傾きを個別修正するために随意選択的に調節可能である。
【0044】
他の構成の縁部清掃ヘッドについてもロボット100において使用可能である。例えば、縁部清掃ヘッドは、120度の等間隔に分離された3つのブラシ要素を有してもよい。図7Dは、ブラシの代わりに回転可能なスキージ126が使用される別の実施例である縁部清掃ヘッド124を示す。他の構成において、縁部清掃ヘッドは、シャーシ102の周縁を越えて広がる一つまたは複数の吸水性のある繊維を有しても良い。
【0045】
図8Aは、自律型カバレッジロボット100に使用され得るバンパ130を示す。図8Bは、バンパ130の内部に収容され得る近接センサ134を示す。駆動システム104は、方位設定および速度設定にしたがってロボット100を動かすように構成され得る。近接センサ134は、ロボットの前方の潜在的な障害物を感知することができる。
【0046】
図9Aは、ロボット100の電子機器の模式図である。ロボット100は、全方向受信器、指向性受信器、近接センサ134、および衝突スイッチ132を同時に制御するバンパ用マイクロコントローラ107Aと通信する制御装置108を備える。制御装置108は、クリフセンサ140および各モータ用のモータ電流センサを含み、その他のすべてのセンサ入力を監視する。
【0047】
ロボット100の方向および速度の制御は、近接センサ134が潜在的な障害物を検出する場合にロボット100の速度を低減するために、カバレッジおよび制限に関する行動に基づくロボット工学の原理に従って(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6809490号および同第6781338号に一般的に開示される)、アービタによって選択される(かつ制御装置108によって実行される)、動作制御行動によって対処され得る。制御装置108によって実行される動作行動は、動的な衝突センサ132が障害物とロボット100の衝突を検出するときに、ロボット100の速度を変更することも可能である。したがって、図9Aを参照すると、ロボット100は、クルージングまたは直線行動900を実行することによって床表面を横断する。ロボット100が、近接センサ134によって、近接しているがまだ障害物に接触していないことを検出するとき、ロボット100は、減速ルーチン902(これは一つの行動でもよいし、一つの行動の一部でもよいし、または2つ以上の行動によって形成されてもよい)を実行する。減速ルーチン902において、ロボット100は、全速清掃速度で障害物に突進することはない。衝突が実際に発生した場合に、衝突の騒音がより小さくかつ衝突が表面を傷つける恐れがより少ないように、制御装置108によって、潜在的な障害物に向かうロボットの接近速度が、約300mm/秒の全速清掃速度から約100mm/秒の減速清掃速度まで落とされる。これにより、全体的な騒音、ロボット100、またはロボットが衝突する物体に対する潜在的な損傷が軽減される。ロボット100が、動的な衝突センサ132によって物体との接触を検出するとき、ロボット100は、以下のルーチン、すなわち、弾む910、障害物の周囲を追従する912、進行方向を変更しかつ物体から遠ざかる914、または物体(例えば、壁)に近接しかつそれに沿って追従するように進行方向を変更して曲がる914といったルーチンの一つを実行する。弾む910は、物体に沿って弾むようにロボット100を移動させる。物体の周囲に追従する912は、ロボット100が、例えば、物体の近傍を清掃するためにかつ/または壁際まで清掃するために、物体の周囲に沿って所定の距離をおいて追従するように、近接センサ134を使用させる。ロボット100は、継続的に部屋を清掃し、前方向に近接する物体(それは壁、テーブル、椅子、ソファー、または他の障害物であり得る)を検出した場合、減速されるが、中断されることなく同じ方向において清掃を続ける。所定のおよび/または無作為の場合に、ロボット100は、縁部清掃ヘッド106aが床と壁または障害物との間のコーナからゴミまたは汚れを集めるように、物体に衝突し、主清掃ヘッド106bの縁部が可能な限り壁に近接するように所定の位置で旋回し、本質的に減速清掃速度で、ロボットの側面に接する物体を緊密に追従する。一旦ロボット100が壁を離れると、所定の制限範囲内において所定のおよび/または無作為な距離を隔てた後で、ロボット100は、その速度を全速清掃速度まで上げる。他の場合では、ロボット100は、物体に衝突し、物体または壁から離れる方向にくるまで所定の位置で旋回し、かつ直ちに全速清掃速度で物体または壁から遠ざかる。
【0048】
ロボット100は、制御装置108の内部の行動ソフトウェアアーキテクチャを採用する。本明細書で論じるロボット100の実施形態は行動に基づく制御の一部しか使用できないか、または全く使用できないが、行動に基づく制御は、ロボットが堅牢である(すなわち、立ち往生したりまたは故障したりしない)ばかりでなく、安全でもあるように制御する際に効果的である。ロボット100は、制御装置108内のアービタによって実行される幾つかの行動を有するソフトウェアアーキテクチャおよび制御を使用する。行動は、センサ事象に応答してアービタに入力される。一つの実施形態において、すべての行動が相互に対して固定された相対優先順位を有する。アービタ(この場合では)は許可条件を認識し(行動は許可条件一式を有している)、アービタは許可条件を満たした行動の中で最高の優先順位を有する行動を選択する。優先順位の降順では、行動は、一般に、脱出および/または回避行動(クリフを回避したりまたはコーナから脱出したりするような)、ならびに作業行動(例えば、壁追従、弾み、または直線駆動)として分類される。行動には、様々な脱出(コーナ、アンチキャニオ二ング(anti-canyoning)、立ち往生状況、例えば、米国特許第6809490号で開示されたような幾つかの回避行動を抑止する「弾道学的な」一時的ファイアアンドフォーゲット移動の脱出を含む)、クリフ回避、仮想壁回避(仮想壁はゲートウェイビームによるビーコンであり得る)、スポットカバレッジ(螺旋または犂耕書式パッチのような限定的なパターンでカバーする)、位置合わせ(障害物追従中に遭遇する前方障害物、例えば、内側コーナと位置合わせするために側部近接センサを使用して、定位置で旋回する)、追従(側部近接センサまたはロボットの側面に延びるバンパを使用する、障害物に沿った実質的に平行な追従または衝突追従のいずれか一方または両方を表す)、「弾む」(ロボットが物体に衝突した後に生起する行動)ために衝突に応答すること、および運転(クルージング)が含まれ得る。行動の優先順位を決定する間に何らかのロボットの動作が(もしあれば)行われる。2つ以上の行動がアービタの中に存在すれば、任意の対応する必要条件が満足される限り、より高い優先順位を有する行動が実行される。例えば、クリフ回避行動は、クリフ検出センサによってクリフが検出されなければ実行されることはないが、クリフ回避行動の実行は、許可条件を同様に満たしている他の行動の実行よりも常に優先順位が高い。
【0049】
反応型行動は、その許可条件またはトリガとして、様々なセンサおよび現象の検出を含む。これらには、前方近接検出(複式)、前方衝突検出(複式)、クリフセンサ(複式)、仮想壁信号(これは、むしろカバレッジトリガと考えてもよい)の検出のような、障害物の回避および検出用のセンサが含まれる。これらの種類のセンサは、フィルタ、条件付け、およびそれらのドライバによって監視および条件付けられるが、これらのセンサは、許可条件を生成するばかりでなく、行動が予測可能に働くことを助け、かつすべての利用可能な情報(例えば、1ビット「正/誤」信号への変換、センサ群からの強度または時間差に基づいて衝突または出来事の見込み角度の記録、または履歴、平均、頻度、もしくは変動情報)に関するデータを記録することもできる。
【0050】
実際の物理的センサは、アーキテクチャ内では、条件付けおよびドライバから合成された「仮想」センサによって代替され得る。追加的な「仮想」センサは、モータの過電流、ロボット100の静止または立ち往生状況(車輪エンコーダまたはカウンタからの走行距離計読取り値の欠如を監視することによって)、電量分析による蓄電池充電状態のようなロボット100に関して固有受容的なもしくは解釈された、検出可能なまたは解釈された物理的特性から合成されたもの、および他の仮想センサである。
【0051】
さらに、反応型行動は、追尾または追従されるべき検出現象を表す許可条件に従って実行可能である。ビームまたは無線(RF、音響)信号が、指示なしでまたは幾つかの場合では指示されて検出可能である。指示を与える遠隔ビームまたは標識(バーコード、逆反射目印、特徴的目印、基準目印、または視覚によって認識される自然の目印)が、ホーミングまたは相対移動を可能にする。しかしながら、指示なしでも、ロボット100は、検出信号の存在、非存在、および/または相対的な強度に基づいてサーボ機構制御に移行することができる。ロボット100、縁、または線からのビームの反射も同様に検出可能であり、追従行動(ロボット100による障害物追従のような)が、このような信号に基づいてサーボ機構制御によって実行される。デブリ信号またはアーティファクト信号が、ロボットが集めたゴミまたは横切った物体を監視することによって収集可能であり、この信号は、スポットカバレッジパターンを制御する反応型行動のための許可条件であり得る。
【0052】
ロボット100は、一般に反応型行動とは考えられていない同時発生プロセス、すなわち、「並行」プロセスを維持する。協働的または他の多重タスク様態でプロセッサ時間を他のプロセス(例えば、アービタおよび行動を含む)のほとんどに割り当てるために、スケジューラが必要であり得る。より多くのスレッディングが利用可能であれば、スケジューラによって管理され得るプロセスがより少なくなる。留意したように、フィルタおよび条件付けならびにドライバは、生の信号を解釈および翻訳することができる。これらのプロセスは反応型行動とは見なされず、モータ駆動装置または他のアクチュエータに対する直接的な制御を行わない。さらに、本実施形態では、主ブラシおよびサイドブラシは専用のブラシ行動およびブラシ制御アービタによって他に制御可能であるが、一つまたは複数のブラシモータ制御装置が、これらのブラシを制御する。
【0053】
別の例によれば、減速ルーチン902が、約1から10インチ(好ましくは1から4インチ)で作動するべき赤外線の近接センサ134を使用する(すなわち、受光器が、相互に向かって角度を成す発光器および受光器の重なり空間の中で生じる反射光から受け取る場合)。この距離は、IR近接センサ134または交差ビームセンサの有効範囲内であり、かつ検出された障害物と衝突する前にロボット100を減速するのに十分な時間がある範囲内となるように選択される。従来の近接センサは、障害物のアルベドに応じた信号強度を反射する。交差ビームセンサ134は、受光器および発光器のビーム/領域が交差する、センサから特定の距離の中に侵入する様々なアルベドに関して閾制限され得る。さらに、検出された壁の近接に基づく減速は、衝突センサ132とは別個に、使用者によって抑制または中断され得る。制御装置108は、ロボットの下降を実質的に安定的に減速し、次いでゆっくりとクルーズさせることができる。制御装置108は、約3インチを超えてゆっくりとS字カーブを実行することが可能であり、安定的に、しかし約3インチを超える加速または減速率で速度を落とすことができる。脱出行動、例えば、パニック、静止、立ち往生、アンチキャニオニングの間に、ロボットは、任意の脱出行動または幾つかの回避行動に関する許可条件として、通常は近接センサ134を使用しないことによって、本質的に近接センサ134の切断が可能である。
【0054】
駆動システム104は、前方障害物の検出を示す近接センサ134からの信号に応答して速度設定を低減し、他方では、現状の方位設定に従ってロボット100を前進させて床または表面に対する作業を続行するように構成可能である。駆動システム104は、障害物との接触を示す衝突センサ132から受け取った信号に応答して方位設定を変更するように構成可能である。例えば、駆動システム104は、ロボット100が障害物の周囲を追従するように、衝突センサ132および近接センサ134から受け取った信号に応答して方位設定を変更するように構成可能である。別の実施例では、駆動システム104は、ロボット100を障害物から遠ざけて誘導するために方位を変更するように構成可能である。
【0055】
近接センサ134は、赤外線発光器および受光器の一つまたは複数の対を含み得る。例えば、変調された発光器および標準的な受光器が使用可能である。ライトパイプ(図示せず)、コリメーティングもしくは拡散光学系、フレネルもしくは回折光学系が、直前方向のような高確率/高衝突区域において、より均一な光パターンまたはより集中的なもしくはより検出可能性が高い光パターンを供給することによって、盲点を排除するために幾つかの実施態様で使用され得る。別法として、幾つかの実施態様は、音波探知器または他の種類の近接センサを利用し得る。
【0056】
幾つかの実施態様では、動的な衝突センサ132が機械式スイッチ130を含み得る。幾つかの実施態様では、衝突センサ132が容量性センサを含み得る。他の種類の接触センサも同様に使用可能である。
【0057】
駆動システム104は、障害物との接触を示す衝突センサ132から受け取った信号に応答して、ロボット100をトルク(またはモータ電流)設定で動かすように構成可能である。例えば、駆動システム104は、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、トルク(またはモータ電流)を増大することができる。
【0058】
自律型カバレッジロボットを床の上の物体に対して動かす方法の別の実施例では、ロボット100が最初に床の上に配置され(または、例えば、ロボットが充電ドックから出発する場合には既に床の上に存在し得る)、ロボット100は、清掃モードにおいて全速清掃速度で床を自律的に横断する。ロボット100がロボット100の前方に近接する物体を検出した場合、ロボットは清掃速度を減速し(例えば、減速清掃速度まで)、この物体(の可能性が高いが)または別の物体との衝突を検出するまで、物体に向かって移動し続け、かつ床の作業/清掃を続行する。物体との衝突を検出した場合、ロボット100は、衝突した物体に対して旋回し、それに隣接して、すなわち、該物体に沿って清掃を行う。例えば、ロボット100は、物体の周囲を追従し、他方で物体に沿ってまたは隣接して清掃を行うことができる。別の場合では、ロボット100は、物体との接触に応答して、物体に隣接して清掃を行いながら、物体からある一定の追従距離を維持することができる。物体からの追従距離は、物体との接触直後のロボット100と物体との間の距離、例えば、0から2インチであり得る。この距離は、随意選択的に、サイドまたは縁部清掃ヘッド106aがロボットの側面を越えて延びる距離よりも小さい。
【0059】
幾つかの場合では、ロボット100が、物体との接触に応答して物体の周囲を巡るように操縦を行う。例えば、ロボット100は、物体の回りで幾分半円の経路を描いて、または連続した交互する部分螺旋(例えば、漸減する半径を有する円弧)で移動することができる。別の場合では、ロボット100は、物体から遠ざかり、次いで物体に対して幾分正接する方向へ移動することができる。
【0060】
ロボット100は、定率で、例えば、非線形的または指数関数的な率で減速速度まで清掃速度を落とすことができる。ロボット100の全速清掃速度は約300mm/秒であっても良く、ロボット100の減速清掃速度は約100mm/秒であっても良い。
【0061】
図10は、隣接する床を検出するためにロボット100に使用可能である、動的な衝突センサ132、床近接センサ140、および取付け留め具142である。動的な衝突センサ132は、ロボット100とロボットの前方経路中の物体との間の衝突を検出することができる。床近接センサ140は、シャーシ102によって支持され、ロボット100が1組の階段のような「クリフ」に近接する場合を感知するために使用可能である。床近接センサ140は、クリフが検出されるか否かを示す信号を制御装置108に送ることができる。床近接センサ140からの信号に基づいて、制御装置108は、クリフを回避するために、速力または速度を変更するように駆動システム104に指示することができる。
【0062】
図11および12は、床近接センサ140の側面図および分解図を示す。床近接センサ140は、前方部分144、後方部分146、発光器148、受光器150、およびカバー152を備える本体を有する。発光器148および受光器150は、赤外光を放出しかつ受け取ることが可能である。発光器148および受光器150は、これらの軸が、ほぼ床距離にあるロボット100の直下の点で位置が合うように、角度を成して前方および後方本体部分144、146の内部に配置される。
【0063】
図13は、カバー152の分解図を示す。カバー152は、レンズ154およびカバー本体156から成る。レンズ152は、赤外光に透明でよく、カバー本体156は発光器148から送られた光線を合焦し易くするために不透明でよい。カバー152の前方縁部158は、埃の蓄積を低減するのを助け、かつ、主としてセンサ140が床の上方に正確に位置決めされるときに、光が受光器150によって受け取られ、センサ140が「クリフ」上方にあるときに、低減した量が受け取られることを保証するために、このカバーの後方縁部159よりも高くなっている。幾つかの実施態様では、カバー152は、帯電防止ポリカーボネート、酸化銅ドープまたは被覆ポリカーボネート、General Electric,Inc.から入手可能な帯電防止Lexan「LNP」、帯電防止ポリエチレン、帯電防止ABS/ポリカーボネート合金、または他の同様な材料のような、帯電防止(散逸性または導電性)特性を有する材料を使用して作製される。一つの実施例が、帯電防止粉体と混合されたABS747およびPC114Rまたは1250Yを含む。好ましくは、ロボット外殻、シャーシ、および他の部品も、少なくとも一部が、静電防止カバー152を接地するために、帯電防止(例えば、帯電防止ABS)、散逸性、および/または導電性である。また、カバー152は任意の導電経路によって接地され得る。カバレッジロボット100が床を横断するとき、帯電防止特性を備えないカバー152は静電気で帯電される恐れがあり(例えば、摩擦によって)、それによって、毛羽のような反対の極性に帯電したゴミを蓄積する傾向を有するが、それは、発光器148および受光器150の感知視野を妨害し得る。
【0064】
床近接センサ140が床の上に適切に配置されるとき、発光器148から放出された光は、床から反射して受光器150に戻り、制御装置108によって読取り可能な信号となる。床近接センサ140が床の上方にない場合には、受光器150によって受け取られる光の量が減少し、制御装置108によってクリフとして解釈され得る信号となる。
【0065】
図14は、脚輪アセンブリ116の実施例を示す分解図である。脚輪アセンブリ116は、シャーシ102およびロボット100から個別に独立して取り外し可能である。脚輪アセンブリ116は、脚輪ハウジング162、脚輪164、脱輪センサ166、および車輪−床近接センサ168を含む。
【0066】
脚輪ハウジング162は、脚輪164、脱輪センサ166、および車輪−床近接センサ168を担持する。脚輪164は、脚輪ハウジング162内において、垂直軸回りに旋回し、水平軸回りに回転する。
【0067】
脱輪センサ166は、シャーシ102に対する脚輪164の下向き変位を検出する。脱輪センサ166は、脚輪164が作業表面と接触しているかどうかを判定する。
【0068】
車輪−床近接センサ168は、脚輪164に隣接して収納される。車輪−床近接センサ168は、シャーシ102に対する床の近接度を検出する。車輪−床近接センサ168は、赤外線(IR)発光器およびIR受光器を含む。IR発光器はIR信号を生成する。IR信号は作業表面に反射する。IR受光器は反射されたIR信号を検出して、作業表面の近接度を判定する。別法として、車輪−床近接センサ168が、可視光センサのような別の種類のセンサを使用してもよい。車輪−床近接センサ168は、ロボット100が階段または棚部のような作業表面中のクリフから落下するのを防止する。幾つかの実施態様では、駆動輪アセンブリ112、114は、それぞれが車輪−床近接センサを含む。
【0069】
図15は、脱輪センサ166の実施例を示す分解図である。脱輪センサ166は、IR発光器170およびIR受光器172をハウジング173の中に含む。IR発光器170はIR信号を生成する。IR信号は脚輪164から反射する。IR受光器172は反射されたIR信号を検出し、脚輪164の垂直位置を判定する。
【0070】
図16は、脚輪アセンブリ116の実施例を示す断面図である。本図は、IR信号が反射される脚輪164の上表面174を示す。IR受光器172は、反射されたIR信号を使用して脚輪164の垂直位置を判定する。
【0071】
幾つかの場合では、駆動システム104が、すべての車輪が脱輪する場合に床近接センサの動作可能性を検証する検証システムをさらに含み得る。この検証は、すべての車輪が脱輪したのは、ロボットが人間によって床から持ち上げられている結果である公算が高いという推断に基づいており、必ずしもすべての床近接センサが床表面を検出しないわけではないこと(反射が測定されないかまたは強すぎる反射)を確認するために検査するものである。床表面または過剰に強い反射(例えば、遮断されたセンサを示す)を検出するセンサは、いずれも妨害されていると見なされる。この検出に応答して、ロボットは、床近接センサが掃除されるべきであることを標示または光によって示す保守報告セッションを開始することができる。この検出に応答して、ロボットは、すべての床近接センサが掃除されかつ機能していることを検証手順によって判定するまで、前進動作を禁止する。例えば、機械式スイッチセンサが脚輪164の上方の箇所176に位置決めされ得るが、この箇所は、脚輪が押し込まれるときに(例えば、それが床によって押し上げられるときに)センサを閉鎖させ、よって脚輪164が床の上にあるという代替信号を制御装置108に供給する。
【0072】
場合によって、自律型カバレッジロボットは、敷物の端の縁飾りまたは結び目が解けた靴から垂れ下がる靴ひものような、外部物体が絡まった状態になり得る。自律型カバレッジロボットシステム(ロボット100のような)の絡まりを解除する方法は、最初にロボット100を床表面に配置することを含み得るが、それは、ロボットがドックから出発する場合(例えば、かなりの遅延の後であるが、しかし床の上に配置されている)を含むものと考えられるべきである。ロボット100は、清掃ヘッド106a、106bを動作させながら自律的に床表面を横切って前進する。ロボット100は、方向を変更せずに床表面を横切って運行し続け、中断することなく床作業および/または床清掃を行いながら、測定されたモータ電流の増大(例えば、閾値を超えるスパイクまたは増大、所定の勾配の急激な増大)に応答して、縁部清掃ヘッドモータ118を逆バイアスすることができる。
【0073】
幾つかの場合では、ロボット100は、高い清掃ヘッドモータ電流に応答して縁部清掃ヘッド106aの回転を逆バイアスする前に(動作行動による前進動作制御とは別個に)、前進することができる。ロボット100は、一定時間の間、増大した縁部清掃ヘッド106aモータ電流に応答して、別個に、縁部清掃ヘッド106aの回転を逆転し得る。増大した電流に関する時間は、例えば、秒単位で指定可能である。縁部清掃ヘッド106aの回転を逆バイアスした後で、ロボット100は、逆方向へ進み、その移動方向を変更し、かつ新たな方向へ移動することができる。
【0074】
特定の組合せでは、ロボットは、このロボットの中心を横切って、例えば、ロボット作業経路を横断する方向または主駆動輪に平行な方向へ延びる主清掃ヘッド106b、およびロボットの脇(ロボットの本体直下だけではなく)を清掃するように、ロボットの横側に配置される縁部清掃ヘッドを、側面方向のロボットの周囲を越えて縁部清掃ヘッドを繰り出す位置に備える。主清掃ヘッ106bは、少なくとも一つの回転駆動式ブラシ111を含み、縁部清掃ヘッド106aは、少なくとも一つの回転駆動式ブラシ120を含む。
【0075】
図9Cに示したように、主清掃ヘッド106bは、例えば、ブラシモータ制御プロセス930によって制御される。ブラシモータ制御プロセスは、主清掃ヘッドモータの電流センサを監視し、急激な電流上昇(例えば、閾値、所定量の積分されたまたは別様に求められた勾配を超えるスパイクもしくは上昇)が生じるとき、ロボットが前進中であるかどうかを随意選択的にチェックする(例えば、プロセス、前進動作を示すフラグ、または直接的に主駆動モータを監視することによって)。ロボット100が前進中の場合、このような前進を中断せずに(ロボット動作が行動によって制御された別個の駆動装置によって制御されるとき、そのような前進動作を行う能力から随意選択的に切り離されて)、ブラシモータ制御プロセス930は、ブラシモータに逆バイアスを掛ける。
【0076】
逆バイアスは、絡まった同じコード、紐、または飾り房をブラシ回りに逆方向へ巻き付けることを防ぐために、モータを急激に逆方向へ回転させることはない。そうではなく、ブラシモータ制御プロセス930は、ブラシの回転を殆どニュートラルに維持するのに十分な程度の僅かなバイアスを掛ける。ロボット100が前進するとき、絡まりを巻き戻すようにブラシを引っ張るコード、紐、または飾り房は、逆方向の減衰したトルクをモータに伝達するだけであるが(例えば、モータとブラシとの間の減速歯車箱が、逆の機械効率で歯車箱の逆駆動を可能にするので)、逆バイアスと組み合わさって、この減衰したトルクは、例えば、ロボットが、コードもしくは紐または飾り房が取り付いた場所からさらに遠ざかるときより多くの張力がコードまたは紐によって印加されるにつれて、絡まったブラシの、補助されているがゆっくりとした次第に速度が上昇する巻戻しをもたらす。
【0077】
逆バイアスは、時間が切れるまで、または引っ張りもしくはロック負荷がモータで検出されなくなる(例えば、絡まりがなくなる)まで続行し、その時点で、本プロセスが終了し、清掃ヘッドは表面を清掃する方向で通常の回転を再開する。
【0078】
縁部清掃ヘッド106aの縁部清掃ブラシ120は、縁部ブラシモータ制御プロセス960において実質的に同じ制御を受ける。この制御プロセスでは、縁部ブラシ120の回転が、同様の様態で逆バイアスされる(962)(図9Bにも示されている)。
【0079】
したがって、主清掃ヘッド106bおよび縁部清掃ヘッド106aは共に、相互に別々にかつロボット動作とは別個に制御され、それぞれが他方を監視または妨害することなく絡まりから抜け出すことが可能である。幾つかの場合では、それぞれが同時に絡まり、別個であるが同時に制御することで、両方が同時に巻戻されるかまたは自己を解放することを可能にする。さらに、ブラシモータを反応型制御下に置くことによって(駆動モータの状態または他の全体的なロボット状態を待つことなく)、ブラシは、急激な電流上昇が少しでも検出され、絡まりをいち早く把握すると、ほんの僅かな逆バイアスで直ちに巻戻しのために使用可能になるが、いずれにしても同様の絡まり問題を逆方向で引き起こすほど十分な量まで逆転することはない。
【0080】
幾つかの場合では、動作制御はブラシの状態とは独立しており、かつそれを監視することはないので、ロボット100は前進し続け、縁部清掃ヘッド106bは、ロボット100がある程度の量だけ前進した後で、主清掃ヘッド106bの回転を逆バイアスし始める。幾つかの場合では、ロボット100が、ある一定の時間の間の高い清掃ヘッドモータ電流に応答して、主清掃ヘッド106bの回転を逆転し始めることができる。主清掃ヘッド106bの回転を逆転した後、ロボット100は、逆方向に移動し、駆動方向を変更し、かつその駆動方向へ移動することができる。
【0081】
図17A〜Hは、様々な構成の清掃ヘッドを備える自律型カバレッジロボットの絡まりを解除する方法の実施例を示す。一般に、清掃ヘッドは、電気モータによって駆動され得るローラを有する。汚れおよびゴミが、清掃ヘッドによって拾い上げられ、後で手動または自動的に廃棄するために容器の中に堆積される。自律型カバレッジロボットの方向を変更するための駆動モータの制御および撹拌ブラシローラの制御のために、電子制御装置を設けることができる。このような方法は、自律型カバレッジロボットが絡まり状況に遭遇した後も、無人で自律型カバレッジロボットに清掃を再開させることができる。
【0082】
図17Aは、撹拌ローラ202が作業表面と正接して接触する自律型カバレッジロボット200の清掃ヘッド201の側面図を示す。ローラ202は、ブラシ室206の内部に組み込まれる吸引ダクト204に向かって、汚れ203を掃き取る。空気吸引流の利用によって、集められたゴミ210は容器212に搬送される。
【0083】
ローラ202の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、清掃ヘッド201は停止可能であり、ロボット200は、ローラ202が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、方向を逆転することが可能になる。例えば、コードがローラ202回りに巻き付けられた場合に、ローラ202は、ロボット200が後退するときにコードが巻き戻るように、切り離されて回転可能になる。次いで、ロボット200は、元の回転方向でローラ202の動作を再開し、元の方向でロボットの動作を再開する。
【0084】
図17Bは、ブラシローラ214が追加されたロボット200を使用して絡まりを解除する別の実施例を示す。ブラシローラ214は、同じかまたは異なるモータによって駆動され、作業表面に対して垂直に回転することができる。ブラシローラ214は、ロボット200の縁部からローラ202の集塵区域218まで汚れ216を送る。
【0085】
本実施例では、ローラ202または214が所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、清掃ヘッド201は停止可能であり、ロボット200は、ローラ202、214が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、方向を逆転することが可能になる。例えば、コードがローラ202または214の回りに巻き付けられた場合に、ローラ202もしくは214または両方は、ロボット200が後退するときにコードが巻き戻るように、切り離されて回転可能になる。次いで、ロボット200は、元の回転方向でローラ202、214の動作を再開し、元の方向でロボットの動作を再開する。
【0086】
図17Cは、自律型カバレッジロボット240の下面図およびこのロボットの内部の清掃ヘッドの側面図を示す。第1のブラシローラ244および第2のブラシローラ246は、作業表面と正接して接触している。ローラ244および246は、作業表面を撹拌し、これらのローラの間に捕らわれたゴミ248をブラシ室252の内部に組み込まれる吸引ダクト250に向かって動的に持ち上げる。空気吸引流254の利用によって、集められたゴミ256は容器258に搬送され得る。
【0087】
ローラ244、246の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、ローラ244、246は停止可能であり、ロボット240は、ローラ244、246が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、矢印260によって示したように前進し、元の回転方向でローラモータの動作を再開することが可能である。
【0088】
図17Dは、絡まりを解除する別法を実行するロボット240を示す。撹拌ローラ244、246の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、ローラ244、246は切り離され得る(すなわち、能動的に駆動されない)。次いで、ロボット240は、ローラ244、246が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、矢印262によって示したように方向を逆転する。その時点で、ローラ244、246はそれらの元の回転方向で再係合されることが可能であり、ロボット240はその元の方向で運転を再開する(矢印264によって示される)。
【0089】
図17Eは、3つのローラを備える自律型カバレッジロボット270の側面図を示す。ロボット270は、清掃ヘッド272およびサイドブラシ274を有する。清掃ヘッド272は、通常撹拌ローラ276および逆回転撹拌ローラ278を有する。撹拌ローラ276および278は、相互に対してかつ作業表面に対して平行に回転駆動可能であり、ブラシローラ274は、一つまたは複数の電気モータ(図示せず)によって作業表面に対して垂直に駆動可能である。ブラシローラ274は、予め作業表面を掃き取り、矢印279によって示されるように、汚れおよびゴミを撹拌ローラ276、278に向かって押し込む。撹拌ローラ276、278は、ブラシ室284の内部に組み込まれる吸引ダクト282に向かって汚れ280を押し込むことができる。空気吸引流の利用によって、集められたゴミ288は容器290に搬送され得る。
【0090】
撹拌ローラ276、278の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合、一つまたは複数のローラモータは停止されるか、または障害物もしくは妨害物を除去しようと逆方向へ一時的に駆動され得る。次いで、これらの一つまたは複数のローラモータは、元の回転方向で動作を再開することができる。
【0091】
図17Fは、カバレッジロボット270の絡まりを解除する方法の別の実施例を示す。撹拌ローラ276、278の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、一つまたは複数のローラモータは停止されるか、または逆方向へ一時的に駆動され得る。次いで、これらの一つまたは複数のローラモータは、元の回転方向でローラ276、278の駆動を再開することが可能であり、他方で同時に、ロボット270の移動方向を逆転するか、またはその軸回りに捻り動作を与える。次いで、ロボット270は元の方向で動作を再開することができる。
【0092】
図17Gは、2つのローラおよび2つの空気ダクトを備える自律型カバレッジロボット300の側面図および底面図を示す。ロボット300は、清掃ヘッド302、通常撹拌ローラ304、および逆回転撹拌ローラ306を有する。撹拌ローラ304および306は、一つまたは複数の電気モータ(図示せず)によって、相互にかつ作業表面に対して平行に回転駆動され得る。
【0093】
ローラ304、306は、ブラシ室312の内部に組み込まれる主空気ダクト308に向かって汚れおよびゴミ307を動的に持ち上げかつ押し込む。ローラ304、306によって受け渡される汚れおよびゴミは、ローラの背後に配置された副空気ダクト310に遭遇し得る。空気吸引モータ(図示せず)によって生成された吸引流は、集められた汚れおよびゴミをダクト308、310経由で容器314に搬送し得る。関連する電子制御装置は、ロボット300を旋回および方向転換し、かつ撹拌ローラ304、306の方向制御をするために、駆動モータを制御する。
【0094】
撹拌ローラ304、306の動きが阻止または妨害される場合には、制御装置は、一つまたは複数のローラモータを停止すること、またはこのモータに最小限の動力を逆方向へ与えることの一つまたは両方を実行し、次いで元の回転方向でローラモータの動作を再開する。同時に、ロボット300は、その方向を少なくとも一時的に逆転するか、またはその軸回りに捻り動作を与え、次いでその元の方向で動作を再開することができる。
【0095】
図17Hは、ブラシローラ316が追加されたロボット300における絡まりを解除する方法の別の実施例を示す。ブラシローラ316は、垂直の回転軸を有し、既存のまたは専用の電気モータによって駆動され得る。ブラシローラ316は、作業表面を予め掃き取り、汚れおよびゴミ318を撹拌ローラ304、306に向かって押し込む(矢印318によって示される)。次いで、汚れおよびゴミは、上で説明したように除去され得る。
【0096】
撹拌ローラ304、306の動きが阻止または妨害される場合には、制御装置は、一つまたは複数のローラモータを停止するか、またはこのモータに最小限の動力を逆方向逆へ与え、次いで元の回転方向でローラモータの動作を再開することができる。同時に、ロボット300は、その方向を少なくとも一時的に逆転するか、またはその軸回りに捻り動作を与え、次いでその元の方向で動作を再開することができる。
【0097】
図18を参照すると、自律型カバレッジロボット1800は、本体1810、および本体18010に搭載され、ロボット1800を床面上で動かす駆動システム1820を備える。ロボット1800は、本体1810に配置される清掃アセンブリ1830を備える。清掃アセンブリ1830は、清掃アセンブリハウジング1832、清掃アセンブリハウジング1832に回転可能に連結される第1清掃ローラ1834(例えば、剛毛1834aおよび/またはフラップ1834bを備えるブラシ)、清掃アセンブリハウジング1832に回転可能に取り付けられる第2清掃ローラ1836(例えば、柔軟なフラップ1836bを備えるブラシ)、および第1および第2清掃ローラ1834、1836を駆動する清掃駆動モータ1838を備える。第1および第2清掃ローラ1834、1836は、デブリを清掃ローラ1834、1836の間、上、およびそれらを超えて清掃ビン1900に移動させるために、同じ回転方向または異なる方向に駆動され得る。清掃ビン1900は、ロボット1800の本体1810に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施例において、ロボットは、脚輪アセンブリ116(例えば図14−16について前述したように)および/または衝突スイッチ132および/または近接センサ134を有するバンパ130(例えば、図8Aおよび8Bについて前述したように)を備える。
【0098】
図19Aから19Gを参照すると、清掃ビン1900は、清掃ビン本体1910を備える。清掃ビン本体1910は、上方部1910a、下方部1910b(図19B)、および前方部1910cおよび後方部1910d(図19G)を有する。清掃ビン本体1910は、清掃アセンブリ1830によって収集されたデブリを保持部1914に蓄積するために、受け入れるよう構成される吸気口1912を有する。保持部1914は、清掃ビン本体1910の吸気口1912と空気が流通可能なように連結される。いくつかの実施例において、清掃ビン1900は、清掃ビン本体1910に移動可能に取り付けられたアクセス扉1916を備える(例えば、ヒンジやスライドするための溝)。アクセス扉1916は、集められたデブリを除去するために、保持部1914へのアクセスを可能にする開放位置の間で枢動可能またはスライド可能である。
【0099】
清掃ビン1900は、空気移動装置1920(バキュームまたはファン)を備える。空気移動装置1920は、空気移動装置アセンブリ1922の空気経路1926を通って空気を移動するための、羽根車1924と結合するモータ1922を備える。ここに示される実施例においては、空気移動装置1920は、清掃ビン本体1910内部に配置されるが、清掃ビン本体1910の外側にも配置され得る。空気移動装置1920を清掃ビン1910の内部に配置することは、清掃ビン1910の様々な外形または形状因子を、例えば全体的な円形またはパック形状などのロボット本体1810の外形または形状因子と適合させることを可能にする。いくつかの実施例において、空気移動装置1920は、実質的に清掃ビン本体の上方部1910a内で、かつ後方部1910d内に配置され、それによって、実質的に清掃ビン本体の下方部1910bおよび前方部1910c内の保持部1914を開放する。空気移動装置1920は、清掃ビン本体1910が規定する縦軸1911に対して約15度から約75度(好ましくは約60度)の間の角度βにおいて配置される縦軸1921を規定する。いくつかの実施例において、空気経路1926の入り口は縦軸1921に沿って配置され、少なくとも部分的に縦軸1921に沿った空気の流れを作る。図19Gを参照すると、いくつかの実施例において、清掃ビン1900の動作中、空気移動装置1920は、清掃ビン本体の下方部1910bに向かっておよび/または下方部1910b内へと下げられ(デブリを堆積するために)、空気経路1926内へと上げられる、継続した空気の流れ1905を清掃ビン本体1910の吸気口1914に引き入れる。結果として、デブリは最初に清掃ビン本体の下方部1910bにたまり、清掃ビン本体の上方部1910a内へ上方に向かって蓄積される。空気経路1926は、清掃ビン本体1910の出口1918と空気の流通が可能なように連結され得る。いくつかの実施例において、出口1918は、清掃ビン本体の後方部1910dおよび/または上方部1910aに配置される。
【0100】
空気移動装置ガード1930が空気移動装置1920上または、空気移動装置1920と保持部1914の間に配置される。空気移動装置ガード1930は、空気を通しつつ、デブリの通過を防ぐよう構成されるフィルタ1932(例えば、フィルタ紙、ワイヤースクリーンなど)を備える。ここで示される実施例において、空気移動装置ガード1930はアーチ形状であるが、平面形状やその他の形状であっても良い。アーチ形状の空気移動装置ガード1930は、完全に満たされるまで上方および前方に進んで、下後方部内を実質的に満たすように、保持部1914内へデブリが直接蓄積されることを助ける。さらに、空気移動装置ガード1930は、空気移動装置ガード1930が清掃ビン本体内1910に単一の方向で受け入れられるように非対称(例えば、弓形で幅が先細に)に形作られる。例えば、ユーザがフィルタ1932の清掃のために空気移動装置ガード1930を取り外す際、ユーザは空気移動装置ガード1930を清掃ビン1900に戻すために単一の方向に位置させることを強制される。これにより、ユーザが空気移動装置ガード1930を逆さに取り付けることを防ぎ、フィルタ1932上に残っているデブリを空気移動装置1920に対して露出される。
【0101】
いくつかの実施態様において、清掃ビン1900は、清掃アセンブリ1830の清掃ローラ1834および1836に付いた繊維やデブリを取り除くために、清掃ローラ1834および1836に接触する、またはこれらをこするよう構成されるローラスクレーパ1940を備える。ここで示される例においては、ローラスクレーパ1940は、第1清掃ローラ1834に接触するまたは第1清掃ローラ1834をこする。ローラスクレーパ1940は、清掃ローラ1834の繊維(例えば毛髪)をはがすために清掃ローラ1834と接触するエッジまたはへり1942を規定する。エッジ1942は、実質的に第1清掃ローラ1834と並行で、実質的に第1清掃ローラ1834に渡って配置される、実質的に直線状のエッジである。図19Fに示される実施例を参照すると、ローラスクレーパ1940のエッジ1942は、第1清掃ローラ1834の外形φから内側約0.25mmから約3mmの間の干渉距離Dに配置される。ローラスクレーパ1940は、通常、繊維が清掃ローラ1834の周りにきつく巻きつく前に(例えば、繊維がローラの小径(芯または軸)に巻きつく前に)、接触された清掃ローラ1834の繊維をこする、またははがす。繊維やゴミが清掃ローラ1834から持ち上げられ叩き出されると、空気移動装置1920によって(空気の流れを介して)清掃ビン1900の保持部1914に引き込まれる。
【0102】
いくつかの実施態様において、清掃ローラ1834および1836の少なくとも一つが、清掃ビン1900を通って吸気口1912(すなわち入口)内への空気の流れを作る(例えば、空気移動装置1920を使用しないで)。清掃ローラ1834および1836の少なくとも一つは、埃を撹拌するだけでなく、清掃ビン1900内に蓄積するために、清掃ビン1900の吸気口1912および/または保持部1914の内部または近傍に陰圧区域を作ることによって、空気中にある埃をも捕える。清掃ビン1900内に全体として陰圧を作ることは、撹拌され捕えられた埃を清掃ビン1900内に落ち着かせることを助ける。図18に示される実施例において、清掃アセンブリ1830は、ロボット本体1810の後ろから第1および第2の清掃ローラ1834および1836を越えて清掃ビン1900の吸気口1912内までの空気経路1842を提供するため、実質的に清掃ローラ1834および1836の上に配置される空気ガイド1840(例えばダクト)を備える。空気移動装置1920および/または清掃ローラ1834および1836の少なくとも一つは、空気およびデブリ(例えば、清掃ローラ1834、1836によって撹拌された)を保持するために、ロボット本体の下から空気経路1842を通って清掃ビン1900の保持部1914へ引き込むために、清掃ビン1900の内部に陰圧を作る。陰圧は、ローラスクレーパ1940によって第1清掃ローラ1834からこすりとられた繊維およびデブリを、同様に保持するために清掃ビンの保持部1914に引き込む。空気ガイド1840は、第1および第2清掃ローラ1834および1836を超えて流れる空気および/またはデブリを、清掃ローラ1834および1836の一つの実質的な接線であって、清掃ローラ1834および1836の中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置される。そのように配置することは、繊維(例えば毛髪)が清掃ローラ1834および1836の一つの周りを付いていくのではなく、清掃ビン1900に供給することを助けることができる。
【0103】
図18から図19Cを参照すると、いくつかの実施態様において、清掃ビン1900は、清掃ビン1900をロボット1800に固定するためのラッチ1950を備える。ラッチ1950は、バネにより付勢される作動可能なボタンであっても良い。清掃ビン1900は、清掃ビン1900とロボット1800との電気的接続を確立するための(例えば、ロボットの対応する電気コネクタを介して)、少なくとも一つの電気コネクタ1960を備える。電気コネクタ1960は、空気移動装置1920に電力を供給する。いくつかの実施例において、電気コネクタ1960は、ロボット1800の制御装置との通信(例えばネットワーク通信)を提供する。清掃ビン1900は、清掃ビン本体1910の出口1918に受け入れられ、それを通る空気の流れのための開口(例えばスロット)1929を有する、空気移動装置本体カバー1928を備えても良い。空気移動装置本体カバー1928は、空気移動装置1920にアクセスしメンテナンスするためのアクセス手段を提供する。
【0104】
図20を参照すると、いくつかの実施態様において、清掃ビン2000は、清掃ビン本体2010の保持部2014と空気が流通可能に接続される(空気連通される)デブリ入口2012を有する清掃ビン本体2010を備える。清掃ビン本体2010は、清掃ビン本体2010の前方部2011から後方部2013まで延びる空気管路2020を備える。空気管路2020は、清掃ビン2000がロボット1800に受け入れられている場合、ロボット1800の空気移動装置と空気が流通可能に連結している。空気移動装置は、清掃ビン2000の外側に対して、清掃ビン本体2010の保持部2014内に陰圧を作ることにより、空気(およびデブリ)を清掃ビン本体2010の保持部2014内に引き込む。いくつかの実施例において、空気移動装置は清掃ローラ1834、1836であるが、他の実施例においては、ファンまたは送風機である。清掃ビン2000は、清掃アセンブリ1830の清掃ローラ1834、1836に捕えられた繊維やデブリを取り除くために、清掃ローラ1834、1836と接触するまたはこれらをこするローラスクレーパ2040を備える。ここで示される例においては、ローラスクレーパ2040は、第1清掃ローラ1834に接触する、または第1清掃ローラ1834をこする。ローラスクレーパ2040は、清掃ローラ1834の繊維(例えば毛髪)をはがすために清掃ローラ1834と接触するエッジまたはへり2042を規定する。エッジ2042は、実質的に第1清掃ローラ1834と並行で、実質的に第1清掃ローラ1834にわたって配置される、実質的に直線状のエッジである。ローラスクレーパ2040は、図19Fにおいて述べた清掃ビン1900のローラスクレーパ1920として構成されても良い。
【0105】
本明細書に記載される事項に組み合わせ得る他のロボットの詳細や特徴は、ここで参照によりその内容全体が組み込まれる以下の米国特許出願、すなわち出願番号11/633,869の「AUTNOMOUS COVERAGE ROBOT NAVIGATION SYSTEM」、出願番号11/633,886の「MODULAR ROBOT」、および出願番号11/633,883の「ROBOT SYSTEM」により見出すことができる。
【0106】
幾つかの実施態様が説明されたが、様々な変更形態が以下の特許請求の趣旨および範囲から逸脱することなく実施され得ることが理解される。したがって、他の実施態様は以下の特許請求の範囲内にある。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律型カバレッジロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
本米国特許出願は、2007年6月5日出願の米国出願11/758,289に対し、米国特許法第120条に基づく優先権を主張する一部継続出願である。なお、米国出願11/758,289は、2005年12月2日出願の米国仮特許出願60/741,442に対し米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する、2006年12月4日出願の米国出願11/633,855(2008年10月28日に発行された米国特許第7,441,298)に対し、米国特許法第120条に基づく優先権を主張する、継続出願である。これらの先行する出願の開示は、本出願の開示の一部分とみなされ、参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれるものとする。
【0003】
自律型ロボットは、体系化されていない環境において、人による継続的な誘導なしに所望のタスクを実行できるロボットである。多くの種類のロボットが、ある程度において自律的である。様々なロボットが様々な方法において自律的であり得る。自律型カバレッジロボットは、一つ以上の仕事を実行するために、人による継続的な誘導無しに作業表面を行き来する。住宅、事務所、および/または消費者指向のロボット工学の分野において、真空清掃、床面洗浄、パトロール、芝刈りなどの家庭における機能を実行する可動式のロボットが広く導入されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律型カバレッジロボットは、動作中に多くの障害物に遭遇する。ロボットは、動作を続行するために、絶えず障害物を回避する必要があるとともに、布地、紐、または他の絡み付く柔らかい媒体によって捕らわれた場合には、自力で脱出する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの態様において、自律型カバレッジロボットは、本体と、本体に配置され、ロボットを動かすよう構成される駆動システムと、本体に配置され、ロボットが床面を動かされている間に、床面と接触する清掃アセンブリと、を備える。また、清掃アセンブリは、被駆動清掃ローラと、清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、本体に配置される清掃ビンと、空気移動装置とを備える。また、清掃ビンは、清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口と、清掃ローラと接触するように、清掃ビン本体に配置されるローラスクレーパとを含む、清掃ビン本体を備える。清掃ビン本体はさらに、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部を備え、空気移動装置は、空気を清掃ビン入口に移動させるよう動作する。また、ローラスクレーパは、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは、清掃ローラに実質的に並行に配置され、実質的に清掃ローラの全長に渡る。いくつかの実施態様において、清掃アセンブリは、空気移動装置の空気の流れを、清掃ローラを超えて清掃ビン入口内へと方向づけるよう構成される空気ガイドを備える。当該空気ガイドは、空気の流れを清掃ローラの実質的な接線であって、該清掃ローラの中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置される。
【0006】
別の態様において、自律型カバレッジロボットは、本体と、本体に配置され、ロボットを動かすよう構成される駆動システムと、本体に配置され、ロボットが床面を動かされている間に、床面に接触する清掃アセンブリと、を備える。また、清掃アセンブリは、被駆動清掃ローラと、清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、本体に配置される清掃ビンと、空気移動装置とを備える。また、清掃ビンは、清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口と、清掃ローラと接触するように、清掃ビン本体に配置されるローラスクレーパとを含む、清掃ビン本体を備える。さらに、清掃ビン本体は、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部を備え、空気移動装置は、空気を清掃ビン入口に移動させるよう構成される。また、清掃アセンブリハウジングは、空気移動装置の空気の流れを、清掃ローラを超えて清掃ビン入口内へと方向づけるよう構成される空気ガイドを備える。当該空気ガイドは、空気の流れを清掃ローラの実質的な接線であって、該清掃ローラの中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置される。
【0007】
上記に開示される二つの態様における実施態様には、以下のいずれかの特徴が含まれ得る。いくつかの実施態様では、ローラスクレーパは、清掃ローラの外径から内側に約0.25mmから3mmの間(好ましくは0.75mm)の干渉距離Dに配置される。また、ローラスクレーパは、清掃ビン入口に配置される(例えば、清掃ローラからこすりとられたデブリが、清掃ビンに入るように)。いくつかの例において、空気移動装置が、清掃ビン本体の内部であって、清掃ビン本体の上後方部の実質的に近くに配置される。また、空気移動装置が、清掃ビン本体における縦軸に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸を規定する。いくつかの実施態様において、ロボットは、清掃ビンの空気移動装置と保持部との間に配置される空気移動装置ガードをさらに備える。また、空気移動装置ガードは、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備える。さらに、空気移動装置ガードは、取り外し可能に清掃ビン本体に取り付け可能であり、単一の方向で清掃ビン本体に受け入れられるように、非対称な形状を有している。いくつかの実施態様において、清掃アセンブリは、清掃アセンブリハウジングと、清掃アセンブリハウジングに回転可能に連結される第1および第2の清掃ローラと、を備える。第1の清掃ローラは剛毛を備え、第2の清掃ローラは柔軟なフラップを備える。また、ローラスクレーパは、第1の清掃ローラと接触するよう配置される。空気ガイドを備える実施態様において、空気ガイドは、空気移動装置の空気の流れを、清掃ローラを超えて清掃ビン入口内へと方向づけるよう構成される。また、第1および第2の清掃ローラは、撹拌したデブリを第1および第2の清掃ローラの間に上げて、空気移動装置の空気の流れにのせるように、異なる方向に駆動され得る。いくつかの例において、被駆動清掃ローラが空気移動装置であり、清掃ビン入口および/または清掃ビンの保持部への空気の流れを作る。
【0008】
さらに、別の実施態様において、カバレッジロボットのための清掃ビンは、清掃ビン入口を有する清掃ビン本体と、清掃ビン本体に配置され、空気を清掃ビン入口に引き込むよう構成される空気移動装置と、カバレッジロボットの清掃ローラと接触するように、清掃ビン本体に配置されるローラスクレーパと、を備える。また、清掃ビン本体はさらに、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部を備える。ローラスクレーパは、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは、清掃ローラに実質的に並行に配置され、実質的に清掃ローラの全長に渡る。
【0009】
本態様における実施態様には、以下のいずれかの特徴が含まれ得る。いくつかの実施態様では、ローラスクレーパは、清掃ビン入口に配置される。また、空気移動装置は、清掃ビン本体の内部であって、清掃ビン本体の上後方部の実質的に近くに配置される。いくつかの例において、空気移動装置が、清掃ビン本体における縦軸に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸を規定する。また、清掃ビンは、清掃ビンの空気移動装置と保持部との間に配置される空気移動装置ガードをさらに備えても良い。また、空気移動装置ガードは、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備える。さらに、空気移動装置ガードは、取り外し可能に清掃ビン本体に取り付け可能であり、単一の方向で清掃ビン本体に受け入れられるように、非対称な形状を有している。
【0010】
別の態様において、カバレッジロボットのための清掃ビンは、清掃ビン入口と、デブリを受け入れるために清掃ビン入口と空気連通する保持部と、保持部と空気連通する空気管路と、カバレッジロボットの清掃ローラと接触するように、清掃ビン入り口に配置されるローラスクレーパと、を備える。また、空気管路は、カバレッジロボットに受け入れられている場合に、ロボットの空気移動装置との空気連通を確立する。ローラスクレーパは、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは、清掃ローラに実質的に並行に配置され、実質的に清掃ローラの全長に渡る。
【0011】
一つの態様において、自律カバレッジロボットは、シャーシと、このシャーシに搭載され、ロボットを動かすように構成された駆動システムと、シャーシによって担持された縁部清掃ヘッドと、シャーシによって担持された制御装置とを備える。縁部清掃ヘッドは、縁部清掃ヘッドモータによって駆動され、非水平軸回りに回転することができる。縁部清掃ヘッドは、ロボットが床を横切って動かされる間に床表面に接触するように、シャーシの横方向長さを越えて延びる。縁部清掃ヘッドは、ロボットの周縁上にまたは周縁付近に配置され得る。ロボット動作を制御する制御装置によるブラシ制御プロセスは、駆動プロセスとは別個に、縁部清掃ヘッドに関連するモータ電流を監視するように構成される。また制御装置によるブラシ制御プロセスは、スパイク(例えば、モータ電流の過渡的なまたは急速な増大)または一般に高いモータ電流モータの検出後に(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)縁部清掃ヘッドモータを以前の清掃方向とは反対の方向へ逆バイアスするように構成され、他方では床を横切ってロボットを操縦し続けて、中断することなく床の網羅もしくは清掃を実行するか、または他の動作行動を実行する。一つの実施態様では、制御装置によるブラシ制御プロセスは、高い縁部清掃ヘッドモータ電流に続いて、(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)縁部清掃ヘッドモータを逆バイアスし、かつ引き続いてまたは並行して、直接的にまたは監督プロセスを介して間接的に、ロボットが実質的に後進し、駆動方向を変更し、かつロボットを前進させるのと同時に巻き戻しが行われ得るように、信号を駆動モータ制御プロセスに送信する。
【0012】
一つの実施態様では、縁部清掃ヘッドは、シャーシの周縁を越えて延びる剛毛を有するブラシを含む。一つの実施例では、縁部清掃ヘッドが、第1および第2の端部を有する少なくとも一つのブラシ要素を含み、このブラシ要素は、第1の端部の回りに作業表面に垂直な回転軸を規定する。縁部清掃ヘッドは、実質的に垂直な軸回りに回転可能である。一つの場合では、縁部清掃ヘッドは3つのブラシ要素を具備し、各ブラシ要素が、隣接するブラシ要素と約120度の角度を形成する。別の場合では、縁部清掃ヘッドは6つのブラシ要素を備え、各ブラシ要素が、隣接するブラシ要素と約60度の角度を形成する。
【0013】
別の実施態様では、縁部清掃ヘッドは、シャーシの周縁を越えて延びる回転可能なスキージを備える。この回転可能なスキージは、水洗い、表面処理などに使用可能である。
【0014】
さらに別の実施態様では、縁部清掃ヘッドは、この清掃ヘッドが回転すると、シャーシの周縁を越えて広がる複数の吸水性のある繊維を含む。複数の吸水性のある繊維は、こぼれを拭き取り、床を清掃し、表面処理を施す等々のためにモップのように使用可能である。
【0015】
ロボットは、シャーシによって担持された複数の清掃ヘッド(例えば、2つまたは3つ)を備える。一つの例では、ロボットは、シャーシによって担持された主清掃ヘッドをさらに具備し、清掃ヘッドは、ロボットによって網羅されるスワズ(それはロボットの主作業幅を形成する)を横切って延び、かつ清掃ヘッドは、ロボットが床を横切って動かされている間に床表面に接触するように、水平軸回りに回転するように駆動され得る。主清掃ヘッドは、作業表面に平行な長手回転軸を規定する円筒本体と、円筒本体上に配置された剛毛と、円筒本体に沿って長手方向に配置された柔軟フラップとを含むことができる。制御装置によるブラシ制御プロセスは、高い主清掃ヘッドモータ電流に応答して、(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)主清掃ヘッドの回転を逆バイアスするように構成され、他方で動作制御プロセスは、別個に床を横切ってロボットを操縦し続ける。別の例では、ロボットは、シャーシによって担持され、ロボットが床を横切って動かされる間に床表面に接触するように、水平軸回りに回転するように駆動される2つの主清掃ブラシを備える。2つの主清掃ブラシは、同じかまたは逆の方向へ回転するように駆動され得る。
【0016】
別の態様において、自律カバレッジロボットの絡まりを解除する方法は、ロボットを床表面の上に配置するステップを含み、ロボットは、シャーシによって担持され、縁部清掃ヘッドモータによって駆動される縁部清掃ヘッドを非水平軸回りに回転させながら、ロボットの前方向へ床表面を自律的に横断する。縁部清掃ヘッドは、シャーシの横方向長さを超えて延び、かつ床表面に接触する。ロボットは、床表面を横切って操縦し続ける間に、高い縁部清掃ヘッドモータ電流に応答して、(巻き戻るコード、紐、または他の絡まった媒体と同じ速度で、実質的にニュートラルで回転し、かつ/または回転するように駆動されるように)、別個に縁部清掃ヘッドモータに逆バイアスを与える。
【0017】
一つの実施態様では、ロボットの制御装置によるブラシ制御プロセスは、高い清掃ヘッドモータ電流に応答して縁部清掃ヘッドの回転を逆転する前に(ロボット動作制御とは別個に)、前方向へのロボットの移動を決定する。ロボットのブラシ制御プロセスは、ある一定の時間の間における高い縁部清掃ヘッドモータ電流に応答して、(ロボット動作制御とは別個に)縁部清掃ヘッドの回転を逆転し得る。一つの例では、ブラシ制御プロセスが縁部清掃ヘッドの回転を逆転する後で、ブラシ制御プロセスは、直接的にまたは監督プロセスを介して、逆方向へ移動し、駆動方向を変更し、かつその駆動方向へ移動するように、信号をロボットの動作制御プロセスに送ることができる。
【0018】
別の実施態様において、ロボットはまた、シャーシによって担持された主清掃ブラシを備え、このブラシは、ロボットが床を横切って動かされる間に床表面に接触するように、水平軸回りに回転するように駆動され得る。ロボットは、床表面を横切って操縦し続ける間に、高い主清掃ヘッドモータ電流に応答して、別個に主清掃ブラシの回転を逆転する。ロボットのブラシ清掃プロセスはまた、高い主清掃ブラシモータ電流に応答して、別個に主清掃ブラシの回転を逆転する前に、前方向へのロボットの移動を決定することができる。さらに、ロボットのブラシ清掃プロセスはまた、一定の時間の間または時間間隔の間、主清掃ブラシの回転を逆転することができる。
【0019】
別の態様では、自律カバレッジロボットが、駆動システム、衝突センサ、および近接センサを備える。駆動システムは、方位(旋回)設定および速度設定に従ってロボットを動かすように構成される。衝突センサは、前方向における障害物とのロボットの衝突に応答する。近接センサは、近接しているが、ロボットに接触していない距離に、例えば、1〜10インチ、好ましくは1〜4インチにある、ロボット前方の障害物に応答する。駆動システムの動作制御プロセスはまた、方位設定に従ってロボットを前進させることを含めて、清掃またはカバレッジプロセスの続行中に、潜在的な障害物の検出を示す近接センサからの信号に応答して速度設定を低減するように構成され得る。さらに、駆動システムの動作制御プロセスはまた、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、方位(旋回)設定を変更するように構成され得る。
【0020】
幾つかの場合では、駆動システムの動作制御プロセスは、障害物の周囲を追従するために、衝突センサおよび一つまたは複数の側部近接センサから受け取った信号に応答して、方位設定を変更するように構成され得る。他の場合では、駆動システムは、ロボットを障害物から遠ざけて誘導するために、衝突センサおよび近接センサから受け取った信号に応答して、方位(旋回)設定を変更するように構成され得る。一つの実施例では、駆動システムは、ロボットをトルク(例えば、モータ電流またはモータ抵抗)設定で動かすように構成され、駆動システムは、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、モータ電流またはモータ抵抗設定を変更するように構成される。駆動システムは、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、モータ電流またはモータ抵抗設定を増大することができる。
【0021】
近接センサは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許6594844号、「Robot obstacle detection system」で実質的に開示されたように、相互から固定距離に集束するように相互に向けられた赤外線発光器および受光器の少なくとも一つの対の複数の組を備えることができる。別法として、近接センサは音波探知器装置を含み得る。衝突センサは、スイッチ、容量性センサ、または他の接触感知装置を含み得る。
【0022】
ロボットは床の上に配置され得る。さらに別の態様では、自律カバレッジロボットを床の上の物体に対して動かす方法は、ロボットが清掃モードにおいて全速清掃速度で床を自律的に横断するステップを含む。ロボット前方に物体の近接を感知すると、ロボットが物体との接触を検出するまで物体に向かい続ける間に、ロボットは、清掃速度を減速清掃速度まで落とす。物体との接触を感知すると、ロボットは、随意選択的には実質的に減速清掃速度で、物体に対して旋回し、他方で物体の近傍で清掃を行う。ロボットは物体の周囲を追従し、他方で物体の近傍で清掃を行うことができる。ロボットが周囲を離れると、ロボットは速度を全速清掃速度まで上げることができる。ロボットは、物体からの実質的に一定の追従距離を維持し得るか、ロボット本体の追従側面を越えて延びる縁部清掃ヘッドまたはブラシの長さよりも小さい追従距離を維持し得るか、または物体との最初の減速清掃速度における接触に応答して、実質的に物体に接触し、他方で物体の近傍で清掃を行うことができる。一つの例では、物体からの追従距離は実質的に、物体と実質的に接触した直後におけるロボットと物体との間の距離である。別の例では、物体からの追従距離は約0から2インチの間である。
【0023】
一つの場合では、ロボットは、物体との接触に応答して、物体の周囲を移動するように操縦を実行する。この操縦には、ロボットが物体の周囲を実質的に半円形の経路で、または連続した交互する部分螺旋(例えば、漸減する半径を有する円弧)で移動することを含み得る。別法として、この操縦は、ロボットが物体から遠ざかり、次いで物体に実質的に正接する方向へ移動することを含み得る。
【0024】
ロボットの前方に物体の近接を感知すると、ロボットは、定率で、指数関数的な率で、非線形的な率で、または何らかの他の率で、全速清掃速度から減速清掃速度まで減速することができる。さらに、ロボットは、物体との接触を感知すると、駆動モータ、主ブラシモータ、またはサイドブラシモータのトルク(例えば、モータ電流)設定を低減することができる。
【0025】
さらに別の態様では、自律型ロボットが、シャーシと、シャーシに搭載され、ロボットを動かすように構成された駆動システムと、シャーシによって担持され、ロボットの下方の床表面を検出するように構成された床近接センサとを備える。床近接センサは、ビームを床表面に向かって誘導するように構成されたビーム発光器と、誘導されたビームの床表面からの反射に応答し、シャーシの下向き受口の中に取り付けられたビーム受光器とを備える。床近接センサは、実質的に封止されたユニット(例えば、下方向で)でよく、受口の内部に堆積物、「カーペット毛羽」、毛髪、または家庭の埃が蓄積するのを防止するために、受口の下端を横切って配置された前方および後方縁部を有するビーム透過カバーも備え得る。このカバーは、帯電防止材料から作製されたレンズを含んでも良い。ロボットの前縁におけるカバーの前方縁部、すなわち、ロボットの動作方向におけるカバーの縁部は、後方縁部よりも高くなっている。受口の下方表面は楔形に形作られ得る。一つの例では、床近接センサは、米国特許第6594844号、「Robot obstacle detection system」に実質的に開示されたように、赤外線発光器および受光器の少なくとも一つの対を含む。
【0026】
一つの実施態様では、ロボットの駆動システムは、シャーシから懸架された少なくとも一つの被駆動輪と、シャーシによって担持され、車輪の一つに隣接して収納された少なくとも一つの床−輪近接センサとを備え、この床−輪近接センサは、車輪に隣接する床表面を検出するように構成される。また駆動システムは、床近接センサから受け取った信号に応答して、ロボットを感知されたクリフから遠ざけて動かすように構成された制御装置も備え得る。幾つかの場合では、駆動システムは、車輪の一つに近接して収納され、シャーシに対する車輪の実質的な下向き変位に応答する脱輪センサを備える。駆動システムは、すべての車輪が脱輪するときに、床近接センサの動作可能性を検証する検証システムを含み得る。この検証は、すべての車輪が脱輪したのは、ロボットが人間によって床から持ち上げられている結果である公算が高いという推断に基づいており、必ずしもすべての床近接センサが床表面に整合しないわけではないこと(反射が測定されないかまたは強すぎる反射)を確認するために点検するものである。床表面または過剰に強い反射(例えば、遮断されたセンサを示す)に整合するセンサは、いずれも妨害されていると見なされる。この検出に応答して、ロボットは、標示または光によって床近接センサが掃除されるべきであることを示す保守報告セッションを開始することができる。この検出に応答して、ロボットは、すべての床近接センサが掃除されかつ機能していることを検証手順によって判定するまで、前進動作を禁止する。それぞれの輪−床近接センサおよび脱輪近接センサは、赤外線発光器および受光器の少なくとも一つの対を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、自律型カバレッジロボットの一例の上方斜視図を示す。
【図2】図2は、自律型カバレッジロボットの一例の下方斜視図を示す。
【図3】図3は、自律型カバレッジロボットの一例の分解図を示す。
【図4】図4は、自律型カバレッジロボットの中に組み込まれ得る主清掃ヘッドの一例の正面斜視図を示す。
【図5】図5は、自律型カバレッジロボットに使用され得る主清掃ヘッドの一例の分解図を示す。
【図6A】図6Aは、清掃ビンの一例を示す分解図である。
【図6B】図6Bは、図6Aに示される清掃ビンの一例を示す断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Aに示される清掃ビンの一例を示す断面図である。
【図6D】図6Dは、主清掃ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図6E】図6Eは、図6Dに示される主清掃ヘッドの一例を示す底面斜視図である。
【図7A】図7Aは、回転可能なブラシを使用する縁部清掃ヘッドの一例の上方斜視図を示す。
【図7B】図7Bは、縁部清掃ヘッドの一例の分解図を示す。
【図7C】図7Cは、縁部清掃ヘッドの一例における傾きの模式図を示す。
【図7D】図7Dは、回転可能なスキージを備える縁部清掃ヘッドの一例を示す。
【図8A】図8Aは、自律型カバレッジロボットに使用され得るバンパを示す。
【図8B】図8Bは、動的な衝突センサおよび近接センサを示す。
【図9A】図9Aは、自律型カバレッジロボットの一例のブロック図を示す。
【図9B】図9Bは、動作制御を説明するフローチャートを示す。
【図9C】図9Cは、ブラシ動作を説明するフローチャートを示す。
【図10】図10は、隣接する床の検出に使用され得る床近接センサおよび取付留め具を示す。
【図11】図11は、床近接センサの側面図を示す。
【図12】図12は、床近接センサの分解図を示す。
【図13】図13は、図11および12に示される床近接センサに使用されるカバーの分解図を示す。
【図14】図14は、脚輪アセンブリの一例を示す分解図である。
【図15】図15は、脱輪センサの一例を示す分解図である。
【図16】図16は、脚輪アセンブリの一例を示す断面図である。
【図17A】図17A〜Hは、様々な構成の清掃ヘッドを有する自律型カバレッジロボットにおける絡まりを解除する方法の例を示す。図17Aは、撹拌ローラを有する自律型カバレッジロボットに使用され得る絡まりの解除方法を示す。
【図17B】図17Bは、撹拌ローラおよびブラシローラを有する自律型カバレッジロボットに使用され得る絡まりの解除方法を示す。
【図17C】図17Cは、二重撹拌ローラを備える自律型カバレッジロボットにおける絡まりの解除方法を示す側面図および底面図である。
【図17D】図17Dは、図17Cに示したロボットの絡まりを解除する別の方法を示す。
【図17E】図17Eは、2つの撹拌ローラおよび一つのブラシローラを有する自律型カバレッジロボットにおける絡まりの解除方法を示す。
【図17F】図17Fは、自律型カバレッジロボットの絡まりを解除する別の方法を示す。
【図17G】図17Gは、2つの撹拌ローラおよび2つの空気ダクトを有する自律型カバレッジロボット300における絡まりの解除方法を示す側面図および底面図である。
【図17H】図17Hは、2つの撹拌ローラ、一つのブラシローラ、および2つの空気ダクトを有する自律型カバレッジロボット300における絡まりの解除方法を示す側面図および底面図である。
【図18】図18は、清掃ビンを含む自律型カバレッジロボットの一例の断面図である。
【図19A】図19Aは、清掃ビンの一例の正面斜視図である。
【図19B】図19Bは、図19Aの清掃ビンの分解図である。
【図19C】図19Cは、図19Aの清掃ビンの後方斜視図である。
【図19D】図19Dは、図19Aの清掃ビンの後方斜視図である。
【図19E】図19Eは、図19Aの清掃ビンの正面図である。
【図19F】図19Fは、図19Aの清掃ビンの側面図である。
【図19G】図19Gは、図19Eの清掃ビンの線19G−19Gに沿った断面図である。
【図20】図20は、清掃ビンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
異なる図面中の同様の番号は、同様の要素を示す。
【0029】
図1〜3は、例示的な自律型カバレッジロボット100の上方斜視図、下方斜視図、および分解図を示す。ロボット100は、シャーシ102、駆動システム104、縁部清掃ヘッド106a、および制御装置108を有する。駆動システム104は、シャーシ102に搭載され、ロボット100を動かすように構成された差動式駆動装置(ロボットの中心直径に近接するかまたは中心直径上にあり、別個に速度制御可能な左輪および右輪)である。縁部清掃ヘッド106aは、ロボット100の下方およびその直近の汚れおよびゴミ(デブリ)を除去するために、さらに具体的にはロボットが前方に向かって清掃する際に汚れおよびゴミを主清掃ヘッド106bの清掃経路の中へ掃き込むために、シャーシ102の側縁を越えて延びるように取り付けられる。幾つかの実施態様では、主清掃ヘッド106bまたは縁部清掃ヘッド106aは、表面処理を施すためにも使用可能である。制御装置108(図9Aにも図示される)は、シャーシ102によって担持され、自律的様態で床を清掃または処理するため、以下に説明するように、センサの読取り値または指示に基づいてロボット100の構成要素に指令を供給する、行動に基づくロボット工学(behavior based robotics)によって制御される。バッテリ109がロボット100およびそのサブシステム用の電源となり得る。下カバー110は、ロボット100の内側部分を保護しかつ汚れおよびゴミの侵入を防ぐ。
【0030】
駆動システム104は、左駆動輪アセンブリ112、右駆動輪アセンブリ114、および脚輪アセンブリ116を含む。駆動輪アセンブリ112、114および脚輪アセンブリ116は、シャーシ102に連結されて、ロボット100を支える。制御装置108は、ロボット100を動かすために駆動輪アセンブリ112および114を前方または後方に駆動するように駆動システムに指令を供給することができる。例えば、両方の駆動輪アセンブリを前方向に係合させるように制御装置によって指令が発行され、ロボット100の前進動作をもたらす。別の場合では、左駆動輪アセンブリ112を前方向に駆動させ、他方では右駆動輪アセンブリ114を後方向へ駆動させる左旋回のための指令が発行可能であり、結果として、上方から眺めたときにロボット100は時計回りに旋回する。
【0031】
図4および5は、シャーシ102に取り付けることによってロボット100の主清掃ヘッド106bに組み込まれ得る主清掃ブラシ111の前方斜視図および分解図を示す。本明細書に開示されるロボットおよび清掃ヘッドの一般的な構造は、別様に言及される場合を除き、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許6883201号に開示されたものと同様である。一般に、ロボットのブラシが、コード、紐、毛髪、縁飾り、飾り房に絡まると、ブラシモータが過電流または温度上昇に直面し、ブラシのエネルギー消費の増大、清掃不良、減速、または故障を引き起こす恐れがある。ロボットがそのように制御されているか、または絡まる物が重かったりもしくは固定されたりしている場合、ロボットはその場に拘束される恐れがある。また、センサが静止状態を検出するために利用可能である場合、ロボットは動作を停止し、それによって清掃ができない恐れがある。作業工程中に立ち往生したロボットは、自律的機能を続行するために「救助」されかつ清掃されねばならない。理論的には、駆動輪、脚輪、ビン・スキージ、および清掃ヘッド駆動系(逆駆動装置)における静的または動的摩擦に対抗するために追加的なエネルギー消費が発生する。縁飾り/飾り房/コードは、清掃ブラシの最小巻付き径(例えば、ブラシ111が剛毛しか具備していなければ、通常はブラシ111の芯)の回りに緊密に巻き付き得る。清掃ブラシ111の最小径部が硬質の場合(弾性がない場合)、例えば、ブラシが縁飾り/飾り房/コードを巻き戻すために清掃ヘッドの内部で逆回転されるとき、清掃ヘッドの歯車系および床と接触しているブラシにおける静的または動的摩擦に打ち勝つために、追加的なエネルギーが必要とされ得る。飾り房または紐がブラシの回りに絡まり続けるままにされる場合、絡まりを除去するためにブラシ111を清掃ヘッド106bから取り外す必要があり得る。主清掃ブラシ111は、清掃ヘッド本体117に沿って配置されたバッフルまたは柔らかいフラップ113および剛毛115を有する。清掃ヘッド本体117の長さに沿って配置された柔らかいフラップ113は、静的摩擦を最小化し得る。清掃ヘッド本体117は、ロボット100が床全体を移動し、バッフル113および剛毛115に床の表面上に存在し得る汚れおよびゴミを撹拌させながら、清掃ヘッド本体が床表面に接触(engage)するように、その水平軸回りに回転可能である。制御装置108は、主清掃ヘッドモータ電流の急上昇または増大を受けて、主清掃ブラシ111の回転を逆バイアスし(すなわち、ロボットが前方向へ遠ざかることにより絡まりを引き出しかつ巻き戻す際に、清掃ブラシの自由回転を許容するのに十分な逆電流を供給し)、他方では、制御装置108がロボット100を床全体に移動させるために個々の動作制御行動を実行するときに、清掃サイクルまたは他のサイクルの実行を続行するように構成可能である。この場合に、柔らかいフラップ113のへり113aは、主清掃ブラシ111の最小径になり得る。へり113aは、変形に殆どエネルギーの必要がないように柔軟であり(しなやかで、柔らかく)、潜在的にはエネルギーをロボット100の移動を開始するのに必要とされるエネルギーからそらす。静的摩擦に遭遇するブラシ歯車系の一時的な遅延は、ロボット100が移動を再開する機会を与え、それによってブラシの絡まりを容易に解除することを可能にする。同様に、ブラシ111は、絡まったコードまたは飾り房の単位長さ当たりの巻きを単にそれほど多く完成しないという理由で、コードまたは飾り房は、へり113aのより大きな直径(芯117のような芯またはさらに細い芯に比べて)回りに絡まり難くなり得る。さらには、フラップ113の長さ方向にえぐられる(湾曲される)性質が、運転されているロボットと、絡まった主清掃ブラシ111の逆駆動をバイアスする逆バイアスとの間の一時的な遅延の間に、飾り房/縁飾りを強制的にほどき/解除するばねの役割をさらに果たす。剛毛115は、主として清掃するために使用され得るが、他方でフラップ113は、主として絡まりの解除目的に使用され得る。これは、絡まった紐が主清掃ブラシ111の中でフラップ113によって保持される場合に、ロボット100が清掃(カーペットの撹拌)を続行することを可能にする。本明細書で説明されたものと組合せ可能な他のロボットの細部および特徴構造が、ここで参照によりその内容全体が組み込まれる以下の米国特許仮出願第60/747791号に見いだすことができる。
【0032】
図6Aは、清掃ビン600の一例を示す分解図である。清掃ビン600は、底部ハウジング602と、中間ハウジング604と、上部ハウジング606と、デブリ空洞607と、フィルタ空洞608と、フィルタ空洞カバー609と、第1部分610aおよび第2部分610bを有するデブリスキージ610と、真空ファン612とを含む。図2を参照すると、シャーシ102はビン受け溝601を有しており、そこに清掃ビン600が収容される。
【0033】
上部ハウジング606と中間ハウジング604とは共に、デブリ空洞607を形成する。デブリ空洞607は、主清掃アセンブリ112に隣接するその前側に、少なくとも一つの開口部617を有する。デブリ空洞607は、開口部を通して、縁部清掃ヘッド106aおよび/または主清掃ヘッド106bからデブリを収集することができる。
【0034】
また、底部ハウジング602と中間ハウジング604とは共に、作業面から真空清掃されたデブリを蓄えるフィルタ空洞608を形成することができる。デブリスキージ610は、作業面を磨いて、デブリをデブリ空洞608内へ向かわせる。真空ファン612は、中間ハウジング604の上側に取り付けられる。真空ファン612は、デブリスキージ610がある作業面からフィルタ空洞608を通る吸引路を作り出す。真空ファン612の下のフィルタは、デブリがフィルタ空洞608を出て真空ファン612に入ることを防止する。
【0035】
フィルタ空洞カバー609は、中間ハウジング604に回転可能に取り付けられており、閉位置と、アフターサービス用にフィルタ空洞608およびフィルタを剥き出しにする開位置との間で移動するように構成されている。
【0036】
また、清掃ビン600は、開位置でフィルタ空洞カバー609を付勢するフィルタ空洞カバーばねアクチュエータ611を含むことができる。清掃ビン600がシャーシ102に固定される場合、フィルタ空洞カバー609は閉位置におかれる。フィルタ空洞カバー609がシャーシ102から取外されると、フィルタ空洞カバーばね611はフィルタ空洞カバー609を回転して開放させ、デブリの除去用にフィルタ空洞608を剥き出しにする。一例において、清掃ビン600は、使用者が掛け金を解放するまで、付勢されたフィルタ空洞カバー609を閉位置におく掛け金も含むことができ、これによって、フィルタ空洞カバーばね611は、カバーを回転して開放させることができる。
【0037】
真空ファン612は、電源コネクタ614を含む。電源コネクタ614は、電気バッテリ302から真空ファン612へ電力を提供する。電源コネクタ614は、上部ハウジング606内の開口部616から突出している。このことにより、電源コネクタ614は、清掃ビン600がシャーシ102内部のレセプタクル内に置かれる場合に、シャーシ102内の電源コネクタと咬合することができる。
【0038】
図6Bおよび6Cは、清掃ビンカバーを含む清掃ビン600の一例を示す断面図である。図6Bは、ビンハウジング606にてヒンジで留められた清掃ビンカバー702を有する清掃ビン600の例を示す。ビンカバー702は、清掃ビン600のロボット側を囲う。ビンカバー702は、清掃ビン600、特にフィルタ空洞608内のデブリを空にするために開放される。真空ファン612の下のビンフィルタ704は、吸引路に沿ってフィルタ空洞608内へと真空清掃されたデブリを保持する。ビンカバー702は、開位置でビンカバー702を付勢する付属のばね706、または別の装置を有することができる。
【0039】
特定の実施態様において、清掃ビン600がカバレッジロボット100から取外されると、ビンカバー702は開放される(図6Bおよび6Cに示す)。別法として、ビンカバーの掛け金を解放するとビンカバー702を開放することができる。掛け金は、例えばカバレッジロボット100の作動中、ビンカバー702を閉位置で保持する。掛け金は、ビンカバー702を開放し、清掃ビン600を空にするために開放される。
【0040】
いくつかの例において、図6Bに示されるように、真空ファン612は、フィルタ空洞608およびデブリ空洞607に空気を吸い込む。中間ハウジング604および/または上部ハウジング606は、空気の流通が可能なようにデブリ空洞607と真空ファン612を連結するための空気口613Aおよび613Bをそれぞれ有する。真空ファン612が空気(およびデブリ)を清掃ビン600に移動すると、清掃ビン600の外側に対し清掃ビン600の内部で生じた陰圧によって、空気はデブリスキージ610を通ってフィルタ空洞608に、および清掃ヘッド111を超えてデブリ空洞607に吸い込まれる。毛髪などの繊維を清掃ヘッド111から取り去り、それらをデブリ空洞607に吸い込むために充分な空気が、清掃ヘッドを超えて移動することができる。
【0041】
図6Dは、主清掃ヘッド106bの一例を示す斜視図である。主清掃ヘッド106bは、清掃ヘッドアセンブリ1064を支持する清掃ヘッドアセンブリハウジング1062を含む。清掃ヘッドアセンブリ1064は、清掃ヘッドアセンブリハウジング1062およびカバレッジロボット100に対して移動可能である。清掃ヘッドアセンブリ1604は、主清掃ブラシ111と、清掃駆動モータ1066とを支持する(図からわかるように、ブラシ111上には非常に複数の剛毛群が提供されるが、明確にするために少量のみ図示される)。
【0042】
図6Eは、清掃ヘッドアセンブリ1604の一例を示す、主清掃ヘッド106bの底面斜視図である。清掃ヘッドアセンブリ1604は、主清掃ブラシ111aと、補助清掃ブラシ111bとを含む。主清掃ブラシ111aは、清掃ヘッドアセンブリハウジング1062に回転可能に連結されている。補助清掃ブラシ111bは、可撓性のフラップを含む。補助ブラシ111bは、主清掃ブラシ111aにより押しやられたデブリが捕えられ、補助ブラシ111bを越えて上方へ向けられるように、主清掃ブラシ111aとは反対方向に回転する。さらに、補助ブラシ111bが回転すると、可撓性のフラップは、作業面を清潔にブラシ掛けすることができる。
【0043】
図7Aおよび7Bは、縁部清掃ヘッド106aの上方斜視図および分解図を示す。縁部清掃ヘッド106aは、シャーシ102によって支持され、ブラシ120を非水平軸回りに回転するために、縁部清掃ヘッドモータ118および駆動力伝達装置119によって駆動される。ブラシ120は、シャーシ102の周縁を越えて延びるブラシ要素122A〜Fを有する。各ブラシ要素122A〜Fは、隣接するブラシ要素と約60度の角度を形成し、これらの要素の軸に沿って延びる剛毛が先端に付けられる。ブラシ120は、ブラシ要素122A〜Fの端部が作業表面に対して直角に移動するように、垂直軸回りに回転可能である。縁部清掃ヘッド106aは、ブラシ120がシャーシ102の縁部を越える汚れおよびゴミを掃き取りできるように、ロボット100の縁部に近接して配置される。幾つかの実施態様において、縁部清掃ヘッド106aは、ロボットの垂直軸からずれた(傾斜した)軸回りに動作する。図7Cに模式的に示されるように、縁部清掃ヘッド106aは、ゴミをロボット周囲の外側から主作業幅に向かって集めつつ、このように一旦作業幅に集められたゴミを妨害したり、ゴミをロボットの作業幅からはじき出したりしないように、前方向および左右方向へ傾斜し得る(すなわち、車輪接触平面内において移動方向から約45度の線回りに、その平面に対して下向きに傾斜する)。この軸ずれは、シャグのような様々なカーペットの種類に適するように、縁部清掃ヘッド106aの傾きを個別修正するために随意選択的に調節可能である。
【0044】
他の構成の縁部清掃ヘッドについてもロボット100において使用可能である。例えば、縁部清掃ヘッドは、120度の等間隔に分離された3つのブラシ要素を有してもよい。図7Dは、ブラシの代わりに回転可能なスキージ126が使用される別の実施例である縁部清掃ヘッド124を示す。他の構成において、縁部清掃ヘッドは、シャーシ102の周縁を越えて広がる一つまたは複数の吸水性のある繊維を有しても良い。
【0045】
図8Aは、自律型カバレッジロボット100に使用され得るバンパ130を示す。図8Bは、バンパ130の内部に収容され得る近接センサ134を示す。駆動システム104は、方位設定および速度設定にしたがってロボット100を動かすように構成され得る。近接センサ134は、ロボットの前方の潜在的な障害物を感知することができる。
【0046】
図9Aは、ロボット100の電子機器の模式図である。ロボット100は、全方向受信器、指向性受信器、近接センサ134、および衝突スイッチ132を同時に制御するバンパ用マイクロコントローラ107Aと通信する制御装置108を備える。制御装置108は、クリフセンサ140および各モータ用のモータ電流センサを含み、その他のすべてのセンサ入力を監視する。
【0047】
ロボット100の方向および速度の制御は、近接センサ134が潜在的な障害物を検出する場合にロボット100の速度を低減するために、カバレッジおよび制限に関する行動に基づくロボット工学の原理に従って(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6809490号および同第6781338号に一般的に開示される)、アービタによって選択される(かつ制御装置108によって実行される)、動作制御行動によって対処され得る。制御装置108によって実行される動作行動は、動的な衝突センサ132が障害物とロボット100の衝突を検出するときに、ロボット100の速度を変更することも可能である。したがって、図9Aを参照すると、ロボット100は、クルージングまたは直線行動900を実行することによって床表面を横断する。ロボット100が、近接センサ134によって、近接しているがまだ障害物に接触していないことを検出するとき、ロボット100は、減速ルーチン902(これは一つの行動でもよいし、一つの行動の一部でもよいし、または2つ以上の行動によって形成されてもよい)を実行する。減速ルーチン902において、ロボット100は、全速清掃速度で障害物に突進することはない。衝突が実際に発生した場合に、衝突の騒音がより小さくかつ衝突が表面を傷つける恐れがより少ないように、制御装置108によって、潜在的な障害物に向かうロボットの接近速度が、約300mm/秒の全速清掃速度から約100mm/秒の減速清掃速度まで落とされる。これにより、全体的な騒音、ロボット100、またはロボットが衝突する物体に対する潜在的な損傷が軽減される。ロボット100が、動的な衝突センサ132によって物体との接触を検出するとき、ロボット100は、以下のルーチン、すなわち、弾む910、障害物の周囲を追従する912、進行方向を変更しかつ物体から遠ざかる914、または物体(例えば、壁)に近接しかつそれに沿って追従するように進行方向を変更して曲がる914といったルーチンの一つを実行する。弾む910は、物体に沿って弾むようにロボット100を移動させる。物体の周囲に追従する912は、ロボット100が、例えば、物体の近傍を清掃するためにかつ/または壁際まで清掃するために、物体の周囲に沿って所定の距離をおいて追従するように、近接センサ134を使用させる。ロボット100は、継続的に部屋を清掃し、前方向に近接する物体(それは壁、テーブル、椅子、ソファー、または他の障害物であり得る)を検出した場合、減速されるが、中断されることなく同じ方向において清掃を続ける。所定のおよび/または無作為の場合に、ロボット100は、縁部清掃ヘッド106aが床と壁または障害物との間のコーナからゴミまたは汚れを集めるように、物体に衝突し、主清掃ヘッド106bの縁部が可能な限り壁に近接するように所定の位置で旋回し、本質的に減速清掃速度で、ロボットの側面に接する物体を緊密に追従する。一旦ロボット100が壁を離れると、所定の制限範囲内において所定のおよび/または無作為な距離を隔てた後で、ロボット100は、その速度を全速清掃速度まで上げる。他の場合では、ロボット100は、物体に衝突し、物体または壁から離れる方向にくるまで所定の位置で旋回し、かつ直ちに全速清掃速度で物体または壁から遠ざかる。
【0048】
ロボット100は、制御装置108の内部の行動ソフトウェアアーキテクチャを採用する。本明細書で論じるロボット100の実施形態は行動に基づく制御の一部しか使用できないか、または全く使用できないが、行動に基づく制御は、ロボットが堅牢である(すなわち、立ち往生したりまたは故障したりしない)ばかりでなく、安全でもあるように制御する際に効果的である。ロボット100は、制御装置108内のアービタによって実行される幾つかの行動を有するソフトウェアアーキテクチャおよび制御を使用する。行動は、センサ事象に応答してアービタに入力される。一つの実施形態において、すべての行動が相互に対して固定された相対優先順位を有する。アービタ(この場合では)は許可条件を認識し(行動は許可条件一式を有している)、アービタは許可条件を満たした行動の中で最高の優先順位を有する行動を選択する。優先順位の降順では、行動は、一般に、脱出および/または回避行動(クリフを回避したりまたはコーナから脱出したりするような)、ならびに作業行動(例えば、壁追従、弾み、または直線駆動)として分類される。行動には、様々な脱出(コーナ、アンチキャニオ二ング(anti-canyoning)、立ち往生状況、例えば、米国特許第6809490号で開示されたような幾つかの回避行動を抑止する「弾道学的な」一時的ファイアアンドフォーゲット移動の脱出を含む)、クリフ回避、仮想壁回避(仮想壁はゲートウェイビームによるビーコンであり得る)、スポットカバレッジ(螺旋または犂耕書式パッチのような限定的なパターンでカバーする)、位置合わせ(障害物追従中に遭遇する前方障害物、例えば、内側コーナと位置合わせするために側部近接センサを使用して、定位置で旋回する)、追従(側部近接センサまたはロボットの側面に延びるバンパを使用する、障害物に沿った実質的に平行な追従または衝突追従のいずれか一方または両方を表す)、「弾む」(ロボットが物体に衝突した後に生起する行動)ために衝突に応答すること、および運転(クルージング)が含まれ得る。行動の優先順位を決定する間に何らかのロボットの動作が(もしあれば)行われる。2つ以上の行動がアービタの中に存在すれば、任意の対応する必要条件が満足される限り、より高い優先順位を有する行動が実行される。例えば、クリフ回避行動は、クリフ検出センサによってクリフが検出されなければ実行されることはないが、クリフ回避行動の実行は、許可条件を同様に満たしている他の行動の実行よりも常に優先順位が高い。
【0049】
反応型行動は、その許可条件またはトリガとして、様々なセンサおよび現象の検出を含む。これらには、前方近接検出(複式)、前方衝突検出(複式)、クリフセンサ(複式)、仮想壁信号(これは、むしろカバレッジトリガと考えてもよい)の検出のような、障害物の回避および検出用のセンサが含まれる。これらの種類のセンサは、フィルタ、条件付け、およびそれらのドライバによって監視および条件付けられるが、これらのセンサは、許可条件を生成するばかりでなく、行動が予測可能に働くことを助け、かつすべての利用可能な情報(例えば、1ビット「正/誤」信号への変換、センサ群からの強度または時間差に基づいて衝突または出来事の見込み角度の記録、または履歴、平均、頻度、もしくは変動情報)に関するデータを記録することもできる。
【0050】
実際の物理的センサは、アーキテクチャ内では、条件付けおよびドライバから合成された「仮想」センサによって代替され得る。追加的な「仮想」センサは、モータの過電流、ロボット100の静止または立ち往生状況(車輪エンコーダまたはカウンタからの走行距離計読取り値の欠如を監視することによって)、電量分析による蓄電池充電状態のようなロボット100に関して固有受容的なもしくは解釈された、検出可能なまたは解釈された物理的特性から合成されたもの、および他の仮想センサである。
【0051】
さらに、反応型行動は、追尾または追従されるべき検出現象を表す許可条件に従って実行可能である。ビームまたは無線(RF、音響)信号が、指示なしでまたは幾つかの場合では指示されて検出可能である。指示を与える遠隔ビームまたは標識(バーコード、逆反射目印、特徴的目印、基準目印、または視覚によって認識される自然の目印)が、ホーミングまたは相対移動を可能にする。しかしながら、指示なしでも、ロボット100は、検出信号の存在、非存在、および/または相対的な強度に基づいてサーボ機構制御に移行することができる。ロボット100、縁、または線からのビームの反射も同様に検出可能であり、追従行動(ロボット100による障害物追従のような)が、このような信号に基づいてサーボ機構制御によって実行される。デブリ信号またはアーティファクト信号が、ロボットが集めたゴミまたは横切った物体を監視することによって収集可能であり、この信号は、スポットカバレッジパターンを制御する反応型行動のための許可条件であり得る。
【0052】
ロボット100は、一般に反応型行動とは考えられていない同時発生プロセス、すなわち、「並行」プロセスを維持する。協働的または他の多重タスク様態でプロセッサ時間を他のプロセス(例えば、アービタおよび行動を含む)のほとんどに割り当てるために、スケジューラが必要であり得る。より多くのスレッディングが利用可能であれば、スケジューラによって管理され得るプロセスがより少なくなる。留意したように、フィルタおよび条件付けならびにドライバは、生の信号を解釈および翻訳することができる。これらのプロセスは反応型行動とは見なされず、モータ駆動装置または他のアクチュエータに対する直接的な制御を行わない。さらに、本実施形態では、主ブラシおよびサイドブラシは専用のブラシ行動およびブラシ制御アービタによって他に制御可能であるが、一つまたは複数のブラシモータ制御装置が、これらのブラシを制御する。
【0053】
別の例によれば、減速ルーチン902が、約1から10インチ(好ましくは1から4インチ)で作動するべき赤外線の近接センサ134を使用する(すなわち、受光器が、相互に向かって角度を成す発光器および受光器の重なり空間の中で生じる反射光から受け取る場合)。この距離は、IR近接センサ134または交差ビームセンサの有効範囲内であり、かつ検出された障害物と衝突する前にロボット100を減速するのに十分な時間がある範囲内となるように選択される。従来の近接センサは、障害物のアルベドに応じた信号強度を反射する。交差ビームセンサ134は、受光器および発光器のビーム/領域が交差する、センサから特定の距離の中に侵入する様々なアルベドに関して閾制限され得る。さらに、検出された壁の近接に基づく減速は、衝突センサ132とは別個に、使用者によって抑制または中断され得る。制御装置108は、ロボットの下降を実質的に安定的に減速し、次いでゆっくりとクルーズさせることができる。制御装置108は、約3インチを超えてゆっくりとS字カーブを実行することが可能であり、安定的に、しかし約3インチを超える加速または減速率で速度を落とすことができる。脱出行動、例えば、パニック、静止、立ち往生、アンチキャニオニングの間に、ロボットは、任意の脱出行動または幾つかの回避行動に関する許可条件として、通常は近接センサ134を使用しないことによって、本質的に近接センサ134の切断が可能である。
【0054】
駆動システム104は、前方障害物の検出を示す近接センサ134からの信号に応答して速度設定を低減し、他方では、現状の方位設定に従ってロボット100を前進させて床または表面に対する作業を続行するように構成可能である。駆動システム104は、障害物との接触を示す衝突センサ132から受け取った信号に応答して方位設定を変更するように構成可能である。例えば、駆動システム104は、ロボット100が障害物の周囲を追従するように、衝突センサ132および近接センサ134から受け取った信号に応答して方位設定を変更するように構成可能である。別の実施例では、駆動システム104は、ロボット100を障害物から遠ざけて誘導するために方位を変更するように構成可能である。
【0055】
近接センサ134は、赤外線発光器および受光器の一つまたは複数の対を含み得る。例えば、変調された発光器および標準的な受光器が使用可能である。ライトパイプ(図示せず)、コリメーティングもしくは拡散光学系、フレネルもしくは回折光学系が、直前方向のような高確率/高衝突区域において、より均一な光パターンまたはより集中的なもしくはより検出可能性が高い光パターンを供給することによって、盲点を排除するために幾つかの実施態様で使用され得る。別法として、幾つかの実施態様は、音波探知器または他の種類の近接センサを利用し得る。
【0056】
幾つかの実施態様では、動的な衝突センサ132が機械式スイッチ130を含み得る。幾つかの実施態様では、衝突センサ132が容量性センサを含み得る。他の種類の接触センサも同様に使用可能である。
【0057】
駆動システム104は、障害物との接触を示す衝突センサ132から受け取った信号に応答して、ロボット100をトルク(またはモータ電流)設定で動かすように構成可能である。例えば、駆動システム104は、障害物との接触を示す衝突センサから受け取った信号に応答して、トルク(またはモータ電流)を増大することができる。
【0058】
自律型カバレッジロボットを床の上の物体に対して動かす方法の別の実施例では、ロボット100が最初に床の上に配置され(または、例えば、ロボットが充電ドックから出発する場合には既に床の上に存在し得る)、ロボット100は、清掃モードにおいて全速清掃速度で床を自律的に横断する。ロボット100がロボット100の前方に近接する物体を検出した場合、ロボットは清掃速度を減速し(例えば、減速清掃速度まで)、この物体(の可能性が高いが)または別の物体との衝突を検出するまで、物体に向かって移動し続け、かつ床の作業/清掃を続行する。物体との衝突を検出した場合、ロボット100は、衝突した物体に対して旋回し、それに隣接して、すなわち、該物体に沿って清掃を行う。例えば、ロボット100は、物体の周囲を追従し、他方で物体に沿ってまたは隣接して清掃を行うことができる。別の場合では、ロボット100は、物体との接触に応答して、物体に隣接して清掃を行いながら、物体からある一定の追従距離を維持することができる。物体からの追従距離は、物体との接触直後のロボット100と物体との間の距離、例えば、0から2インチであり得る。この距離は、随意選択的に、サイドまたは縁部清掃ヘッド106aがロボットの側面を越えて延びる距離よりも小さい。
【0059】
幾つかの場合では、ロボット100が、物体との接触に応答して物体の周囲を巡るように操縦を行う。例えば、ロボット100は、物体の回りで幾分半円の経路を描いて、または連続した交互する部分螺旋(例えば、漸減する半径を有する円弧)で移動することができる。別の場合では、ロボット100は、物体から遠ざかり、次いで物体に対して幾分正接する方向へ移動することができる。
【0060】
ロボット100は、定率で、例えば、非線形的または指数関数的な率で減速速度まで清掃速度を落とすことができる。ロボット100の全速清掃速度は約300mm/秒であっても良く、ロボット100の減速清掃速度は約100mm/秒であっても良い。
【0061】
図10は、隣接する床を検出するためにロボット100に使用可能である、動的な衝突センサ132、床近接センサ140、および取付け留め具142である。動的な衝突センサ132は、ロボット100とロボットの前方経路中の物体との間の衝突を検出することができる。床近接センサ140は、シャーシ102によって支持され、ロボット100が1組の階段のような「クリフ」に近接する場合を感知するために使用可能である。床近接センサ140は、クリフが検出されるか否かを示す信号を制御装置108に送ることができる。床近接センサ140からの信号に基づいて、制御装置108は、クリフを回避するために、速力または速度を変更するように駆動システム104に指示することができる。
【0062】
図11および12は、床近接センサ140の側面図および分解図を示す。床近接センサ140は、前方部分144、後方部分146、発光器148、受光器150、およびカバー152を備える本体を有する。発光器148および受光器150は、赤外光を放出しかつ受け取ることが可能である。発光器148および受光器150は、これらの軸が、ほぼ床距離にあるロボット100の直下の点で位置が合うように、角度を成して前方および後方本体部分144、146の内部に配置される。
【0063】
図13は、カバー152の分解図を示す。カバー152は、レンズ154およびカバー本体156から成る。レンズ152は、赤外光に透明でよく、カバー本体156は発光器148から送られた光線を合焦し易くするために不透明でよい。カバー152の前方縁部158は、埃の蓄積を低減するのを助け、かつ、主としてセンサ140が床の上方に正確に位置決めされるときに、光が受光器150によって受け取られ、センサ140が「クリフ」上方にあるときに、低減した量が受け取られることを保証するために、このカバーの後方縁部159よりも高くなっている。幾つかの実施態様では、カバー152は、帯電防止ポリカーボネート、酸化銅ドープまたは被覆ポリカーボネート、General Electric,Inc.から入手可能な帯電防止Lexan「LNP」、帯電防止ポリエチレン、帯電防止ABS/ポリカーボネート合金、または他の同様な材料のような、帯電防止(散逸性または導電性)特性を有する材料を使用して作製される。一つの実施例が、帯電防止粉体と混合されたABS747およびPC114Rまたは1250Yを含む。好ましくは、ロボット外殻、シャーシ、および他の部品も、少なくとも一部が、静電防止カバー152を接地するために、帯電防止(例えば、帯電防止ABS)、散逸性、および/または導電性である。また、カバー152は任意の導電経路によって接地され得る。カバレッジロボット100が床を横断するとき、帯電防止特性を備えないカバー152は静電気で帯電される恐れがあり(例えば、摩擦によって)、それによって、毛羽のような反対の極性に帯電したゴミを蓄積する傾向を有するが、それは、発光器148および受光器150の感知視野を妨害し得る。
【0064】
床近接センサ140が床の上に適切に配置されるとき、発光器148から放出された光は、床から反射して受光器150に戻り、制御装置108によって読取り可能な信号となる。床近接センサ140が床の上方にない場合には、受光器150によって受け取られる光の量が減少し、制御装置108によってクリフとして解釈され得る信号となる。
【0065】
図14は、脚輪アセンブリ116の実施例を示す分解図である。脚輪アセンブリ116は、シャーシ102およびロボット100から個別に独立して取り外し可能である。脚輪アセンブリ116は、脚輪ハウジング162、脚輪164、脱輪センサ166、および車輪−床近接センサ168を含む。
【0066】
脚輪ハウジング162は、脚輪164、脱輪センサ166、および車輪−床近接センサ168を担持する。脚輪164は、脚輪ハウジング162内において、垂直軸回りに旋回し、水平軸回りに回転する。
【0067】
脱輪センサ166は、シャーシ102に対する脚輪164の下向き変位を検出する。脱輪センサ166は、脚輪164が作業表面と接触しているかどうかを判定する。
【0068】
車輪−床近接センサ168は、脚輪164に隣接して収納される。車輪−床近接センサ168は、シャーシ102に対する床の近接度を検出する。車輪−床近接センサ168は、赤外線(IR)発光器およびIR受光器を含む。IR発光器はIR信号を生成する。IR信号は作業表面に反射する。IR受光器は反射されたIR信号を検出して、作業表面の近接度を判定する。別法として、車輪−床近接センサ168が、可視光センサのような別の種類のセンサを使用してもよい。車輪−床近接センサ168は、ロボット100が階段または棚部のような作業表面中のクリフから落下するのを防止する。幾つかの実施態様では、駆動輪アセンブリ112、114は、それぞれが車輪−床近接センサを含む。
【0069】
図15は、脱輪センサ166の実施例を示す分解図である。脱輪センサ166は、IR発光器170およびIR受光器172をハウジング173の中に含む。IR発光器170はIR信号を生成する。IR信号は脚輪164から反射する。IR受光器172は反射されたIR信号を検出し、脚輪164の垂直位置を判定する。
【0070】
図16は、脚輪アセンブリ116の実施例を示す断面図である。本図は、IR信号が反射される脚輪164の上表面174を示す。IR受光器172は、反射されたIR信号を使用して脚輪164の垂直位置を判定する。
【0071】
幾つかの場合では、駆動システム104が、すべての車輪が脱輪する場合に床近接センサの動作可能性を検証する検証システムをさらに含み得る。この検証は、すべての車輪が脱輪したのは、ロボットが人間によって床から持ち上げられている結果である公算が高いという推断に基づいており、必ずしもすべての床近接センサが床表面を検出しないわけではないこと(反射が測定されないかまたは強すぎる反射)を確認するために検査するものである。床表面または過剰に強い反射(例えば、遮断されたセンサを示す)を検出するセンサは、いずれも妨害されていると見なされる。この検出に応答して、ロボットは、床近接センサが掃除されるべきであることを標示または光によって示す保守報告セッションを開始することができる。この検出に応答して、ロボットは、すべての床近接センサが掃除されかつ機能していることを検証手順によって判定するまで、前進動作を禁止する。例えば、機械式スイッチセンサが脚輪164の上方の箇所176に位置決めされ得るが、この箇所は、脚輪が押し込まれるときに(例えば、それが床によって押し上げられるときに)センサを閉鎖させ、よって脚輪164が床の上にあるという代替信号を制御装置108に供給する。
【0072】
場合によって、自律型カバレッジロボットは、敷物の端の縁飾りまたは結び目が解けた靴から垂れ下がる靴ひものような、外部物体が絡まった状態になり得る。自律型カバレッジロボットシステム(ロボット100のような)の絡まりを解除する方法は、最初にロボット100を床表面に配置することを含み得るが、それは、ロボットがドックから出発する場合(例えば、かなりの遅延の後であるが、しかし床の上に配置されている)を含むものと考えられるべきである。ロボット100は、清掃ヘッド106a、106bを動作させながら自律的に床表面を横切って前進する。ロボット100は、方向を変更せずに床表面を横切って運行し続け、中断することなく床作業および/または床清掃を行いながら、測定されたモータ電流の増大(例えば、閾値を超えるスパイクまたは増大、所定の勾配の急激な増大)に応答して、縁部清掃ヘッドモータ118を逆バイアスすることができる。
【0073】
幾つかの場合では、ロボット100は、高い清掃ヘッドモータ電流に応答して縁部清掃ヘッド106aの回転を逆バイアスする前に(動作行動による前進動作制御とは別個に)、前進することができる。ロボット100は、一定時間の間、増大した縁部清掃ヘッド106aモータ電流に応答して、別個に、縁部清掃ヘッド106aの回転を逆転し得る。増大した電流に関する時間は、例えば、秒単位で指定可能である。縁部清掃ヘッド106aの回転を逆バイアスした後で、ロボット100は、逆方向へ進み、その移動方向を変更し、かつ新たな方向へ移動することができる。
【0074】
特定の組合せでは、ロボットは、このロボットの中心を横切って、例えば、ロボット作業経路を横断する方向または主駆動輪に平行な方向へ延びる主清掃ヘッド106b、およびロボットの脇(ロボットの本体直下だけではなく)を清掃するように、ロボットの横側に配置される縁部清掃ヘッドを、側面方向のロボットの周囲を越えて縁部清掃ヘッドを繰り出す位置に備える。主清掃ヘッ106bは、少なくとも一つの回転駆動式ブラシ111を含み、縁部清掃ヘッド106aは、少なくとも一つの回転駆動式ブラシ120を含む。
【0075】
図9Cに示したように、主清掃ヘッド106bは、例えば、ブラシモータ制御プロセス930によって制御される。ブラシモータ制御プロセスは、主清掃ヘッドモータの電流センサを監視し、急激な電流上昇(例えば、閾値、所定量の積分されたまたは別様に求められた勾配を超えるスパイクもしくは上昇)が生じるとき、ロボットが前進中であるかどうかを随意選択的にチェックする(例えば、プロセス、前進動作を示すフラグ、または直接的に主駆動モータを監視することによって)。ロボット100が前進中の場合、このような前進を中断せずに(ロボット動作が行動によって制御された別個の駆動装置によって制御されるとき、そのような前進動作を行う能力から随意選択的に切り離されて)、ブラシモータ制御プロセス930は、ブラシモータに逆バイアスを掛ける。
【0076】
逆バイアスは、絡まった同じコード、紐、または飾り房をブラシ回りに逆方向へ巻き付けることを防ぐために、モータを急激に逆方向へ回転させることはない。そうではなく、ブラシモータ制御プロセス930は、ブラシの回転を殆どニュートラルに維持するのに十分な程度の僅かなバイアスを掛ける。ロボット100が前進するとき、絡まりを巻き戻すようにブラシを引っ張るコード、紐、または飾り房は、逆方向の減衰したトルクをモータに伝達するだけであるが(例えば、モータとブラシとの間の減速歯車箱が、逆の機械効率で歯車箱の逆駆動を可能にするので)、逆バイアスと組み合わさって、この減衰したトルクは、例えば、ロボットが、コードもしくは紐または飾り房が取り付いた場所からさらに遠ざかるときより多くの張力がコードまたは紐によって印加されるにつれて、絡まったブラシの、補助されているがゆっくりとした次第に速度が上昇する巻戻しをもたらす。
【0077】
逆バイアスは、時間が切れるまで、または引っ張りもしくはロック負荷がモータで検出されなくなる(例えば、絡まりがなくなる)まで続行し、その時点で、本プロセスが終了し、清掃ヘッドは表面を清掃する方向で通常の回転を再開する。
【0078】
縁部清掃ヘッド106aの縁部清掃ブラシ120は、縁部ブラシモータ制御プロセス960において実質的に同じ制御を受ける。この制御プロセスでは、縁部ブラシ120の回転が、同様の様態で逆バイアスされる(962)(図9Bにも示されている)。
【0079】
したがって、主清掃ヘッド106bおよび縁部清掃ヘッド106aは共に、相互に別々にかつロボット動作とは別個に制御され、それぞれが他方を監視または妨害することなく絡まりから抜け出すことが可能である。幾つかの場合では、それぞれが同時に絡まり、別個であるが同時に制御することで、両方が同時に巻戻されるかまたは自己を解放することを可能にする。さらに、ブラシモータを反応型制御下に置くことによって(駆動モータの状態または他の全体的なロボット状態を待つことなく)、ブラシは、急激な電流上昇が少しでも検出され、絡まりをいち早く把握すると、ほんの僅かな逆バイアスで直ちに巻戻しのために使用可能になるが、いずれにしても同様の絡まり問題を逆方向で引き起こすほど十分な量まで逆転することはない。
【0080】
幾つかの場合では、動作制御はブラシの状態とは独立しており、かつそれを監視することはないので、ロボット100は前進し続け、縁部清掃ヘッド106bは、ロボット100がある程度の量だけ前進した後で、主清掃ヘッド106bの回転を逆バイアスし始める。幾つかの場合では、ロボット100が、ある一定の時間の間の高い清掃ヘッドモータ電流に応答して、主清掃ヘッド106bの回転を逆転し始めることができる。主清掃ヘッド106bの回転を逆転した後、ロボット100は、逆方向に移動し、駆動方向を変更し、かつその駆動方向へ移動することができる。
【0081】
図17A〜Hは、様々な構成の清掃ヘッドを備える自律型カバレッジロボットの絡まりを解除する方法の実施例を示す。一般に、清掃ヘッドは、電気モータによって駆動され得るローラを有する。汚れおよびゴミが、清掃ヘッドによって拾い上げられ、後で手動または自動的に廃棄するために容器の中に堆積される。自律型カバレッジロボットの方向を変更するための駆動モータの制御および撹拌ブラシローラの制御のために、電子制御装置を設けることができる。このような方法は、自律型カバレッジロボットが絡まり状況に遭遇した後も、無人で自律型カバレッジロボットに清掃を再開させることができる。
【0082】
図17Aは、撹拌ローラ202が作業表面と正接して接触する自律型カバレッジロボット200の清掃ヘッド201の側面図を示す。ローラ202は、ブラシ室206の内部に組み込まれる吸引ダクト204に向かって、汚れ203を掃き取る。空気吸引流の利用によって、集められたゴミ210は容器212に搬送される。
【0083】
ローラ202の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、清掃ヘッド201は停止可能であり、ロボット200は、ローラ202が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、方向を逆転することが可能になる。例えば、コードがローラ202回りに巻き付けられた場合に、ローラ202は、ロボット200が後退するときにコードが巻き戻るように、切り離されて回転可能になる。次いで、ロボット200は、元の回転方向でローラ202の動作を再開し、元の方向でロボットの動作を再開する。
【0084】
図17Bは、ブラシローラ214が追加されたロボット200を使用して絡まりを解除する別の実施例を示す。ブラシローラ214は、同じかまたは異なるモータによって駆動され、作業表面に対して垂直に回転することができる。ブラシローラ214は、ロボット200の縁部からローラ202の集塵区域218まで汚れ216を送る。
【0085】
本実施例では、ローラ202または214が所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、清掃ヘッド201は停止可能であり、ロボット200は、ローラ202、214が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、方向を逆転することが可能になる。例えば、コードがローラ202または214の回りに巻き付けられた場合に、ローラ202もしくは214または両方は、ロボット200が後退するときにコードが巻き戻るように、切り離されて回転可能になる。次いで、ロボット200は、元の回転方向でローラ202、214の動作を再開し、元の方向でロボットの動作を再開する。
【0086】
図17Cは、自律型カバレッジロボット240の下面図およびこのロボットの内部の清掃ヘッドの側面図を示す。第1のブラシローラ244および第2のブラシローラ246は、作業表面と正接して接触している。ローラ244および246は、作業表面を撹拌し、これらのローラの間に捕らわれたゴミ248をブラシ室252の内部に組み込まれる吸引ダクト250に向かって動的に持ち上げる。空気吸引流254の利用によって、集められたゴミ256は容器258に搬送され得る。
【0087】
ローラ244、246の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、ローラ244、246は停止可能であり、ロボット240は、ローラ244、246が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、矢印260によって示したように前進し、元の回転方向でローラモータの動作を再開することが可能である。
【0088】
図17Dは、絡まりを解除する別法を実行するロボット240を示す。撹拌ローラ244、246の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、ローラ244、246は切り離され得る(すなわち、能動的に駆動されない)。次いで、ロボット240は、ローラ244、246が障害を解除する程度に十分な最小限の動力を逆方向へ受けた状態で、矢印262によって示したように方向を逆転する。その時点で、ローラ244、246はそれらの元の回転方向で再係合されることが可能であり、ロボット240はその元の方向で運転を再開する(矢印264によって示される)。
【0089】
図17Eは、3つのローラを備える自律型カバレッジロボット270の側面図を示す。ロボット270は、清掃ヘッド272およびサイドブラシ274を有する。清掃ヘッド272は、通常撹拌ローラ276および逆回転撹拌ローラ278を有する。撹拌ローラ276および278は、相互に対してかつ作業表面に対して平行に回転駆動可能であり、ブラシローラ274は、一つまたは複数の電気モータ(図示せず)によって作業表面に対して垂直に駆動可能である。ブラシローラ274は、予め作業表面を掃き取り、矢印279によって示されるように、汚れおよびゴミを撹拌ローラ276、278に向かって押し込む。撹拌ローラ276、278は、ブラシ室284の内部に組み込まれる吸引ダクト282に向かって汚れ280を押し込むことができる。空気吸引流の利用によって、集められたゴミ288は容器290に搬送され得る。
【0090】
撹拌ローラ276、278の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合、一つまたは複数のローラモータは停止されるか、または障害物もしくは妨害物を除去しようと逆方向へ一時的に駆動され得る。次いで、これらの一つまたは複数のローラモータは、元の回転方向で動作を再開することができる。
【0091】
図17Fは、カバレッジロボット270の絡まりを解除する方法の別の実施例を示す。撹拌ローラ276、278の動きが所定のまたは設定可能な程度にまで阻止もしくは妨害される場合に、一つまたは複数のローラモータは停止されるか、または逆方向へ一時的に駆動され得る。次いで、これらの一つまたは複数のローラモータは、元の回転方向でローラ276、278の駆動を再開することが可能であり、他方で同時に、ロボット270の移動方向を逆転するか、またはその軸回りに捻り動作を与える。次いで、ロボット270は元の方向で動作を再開することができる。
【0092】
図17Gは、2つのローラおよび2つの空気ダクトを備える自律型カバレッジロボット300の側面図および底面図を示す。ロボット300は、清掃ヘッド302、通常撹拌ローラ304、および逆回転撹拌ローラ306を有する。撹拌ローラ304および306は、一つまたは複数の電気モータ(図示せず)によって、相互にかつ作業表面に対して平行に回転駆動され得る。
【0093】
ローラ304、306は、ブラシ室312の内部に組み込まれる主空気ダクト308に向かって汚れおよびゴミ307を動的に持ち上げかつ押し込む。ローラ304、306によって受け渡される汚れおよびゴミは、ローラの背後に配置された副空気ダクト310に遭遇し得る。空気吸引モータ(図示せず)によって生成された吸引流は、集められた汚れおよびゴミをダクト308、310経由で容器314に搬送し得る。関連する電子制御装置は、ロボット300を旋回および方向転換し、かつ撹拌ローラ304、306の方向制御をするために、駆動モータを制御する。
【0094】
撹拌ローラ304、306の動きが阻止または妨害される場合には、制御装置は、一つまたは複数のローラモータを停止すること、またはこのモータに最小限の動力を逆方向へ与えることの一つまたは両方を実行し、次いで元の回転方向でローラモータの動作を再開する。同時に、ロボット300は、その方向を少なくとも一時的に逆転するか、またはその軸回りに捻り動作を与え、次いでその元の方向で動作を再開することができる。
【0095】
図17Hは、ブラシローラ316が追加されたロボット300における絡まりを解除する方法の別の実施例を示す。ブラシローラ316は、垂直の回転軸を有し、既存のまたは専用の電気モータによって駆動され得る。ブラシローラ316は、作業表面を予め掃き取り、汚れおよびゴミ318を撹拌ローラ304、306に向かって押し込む(矢印318によって示される)。次いで、汚れおよびゴミは、上で説明したように除去され得る。
【0096】
撹拌ローラ304、306の動きが阻止または妨害される場合には、制御装置は、一つまたは複数のローラモータを停止するか、またはこのモータに最小限の動力を逆方向逆へ与え、次いで元の回転方向でローラモータの動作を再開することができる。同時に、ロボット300は、その方向を少なくとも一時的に逆転するか、またはその軸回りに捻り動作を与え、次いでその元の方向で動作を再開することができる。
【0097】
図18を参照すると、自律型カバレッジロボット1800は、本体1810、および本体18010に搭載され、ロボット1800を床面上で動かす駆動システム1820を備える。ロボット1800は、本体1810に配置される清掃アセンブリ1830を備える。清掃アセンブリ1830は、清掃アセンブリハウジング1832、清掃アセンブリハウジング1832に回転可能に連結される第1清掃ローラ1834(例えば、剛毛1834aおよび/またはフラップ1834bを備えるブラシ)、清掃アセンブリハウジング1832に回転可能に取り付けられる第2清掃ローラ1836(例えば、柔軟なフラップ1836bを備えるブラシ)、および第1および第2清掃ローラ1834、1836を駆動する清掃駆動モータ1838を備える。第1および第2清掃ローラ1834、1836は、デブリを清掃ローラ1834、1836の間、上、およびそれらを超えて清掃ビン1900に移動させるために、同じ回転方向または異なる方向に駆動され得る。清掃ビン1900は、ロボット1800の本体1810に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施例において、ロボットは、脚輪アセンブリ116(例えば図14−16について前述したように)および/または衝突スイッチ132および/または近接センサ134を有するバンパ130(例えば、図8Aおよび8Bについて前述したように)を備える。
【0098】
図19Aから19Gを参照すると、清掃ビン1900は、清掃ビン本体1910を備える。清掃ビン本体1910は、上方部1910a、下方部1910b(図19B)、および前方部1910cおよび後方部1910d(図19G)を有する。清掃ビン本体1910は、清掃アセンブリ1830によって収集されたデブリを保持部1914に蓄積するために、受け入れるよう構成される吸気口1912を有する。保持部1914は、清掃ビン本体1910の吸気口1912と空気が流通可能なように連結される。いくつかの実施例において、清掃ビン1900は、清掃ビン本体1910に移動可能に取り付けられたアクセス扉1916を備える(例えば、ヒンジやスライドするための溝)。アクセス扉1916は、集められたデブリを除去するために、保持部1914へのアクセスを可能にする開放位置の間で枢動可能またはスライド可能である。
【0099】
清掃ビン1900は、空気移動装置1920(バキュームまたはファン)を備える。空気移動装置1920は、空気移動装置アセンブリ1922の空気経路1926を通って空気を移動するための、羽根車1924と結合するモータ1922を備える。ここに示される実施例においては、空気移動装置1920は、清掃ビン本体1910内部に配置されるが、清掃ビン本体1910の外側にも配置され得る。空気移動装置1920を清掃ビン1910の内部に配置することは、清掃ビン1910の様々な外形または形状因子を、例えば全体的な円形またはパック形状などのロボット本体1810の外形または形状因子と適合させることを可能にする。いくつかの実施例において、空気移動装置1920は、実質的に清掃ビン本体の上方部1910a内で、かつ後方部1910d内に配置され、それによって、実質的に清掃ビン本体の下方部1910bおよび前方部1910c内の保持部1914を開放する。空気移動装置1920は、清掃ビン本体1910が規定する縦軸1911に対して約15度から約75度(好ましくは約60度)の間の角度βにおいて配置される縦軸1921を規定する。いくつかの実施例において、空気経路1926の入り口は縦軸1921に沿って配置され、少なくとも部分的に縦軸1921に沿った空気の流れを作る。図19Gを参照すると、いくつかの実施例において、清掃ビン1900の動作中、空気移動装置1920は、清掃ビン本体の下方部1910bに向かっておよび/または下方部1910b内へと下げられ(デブリを堆積するために)、空気経路1926内へと上げられる、継続した空気の流れ1905を清掃ビン本体1910の吸気口1914に引き入れる。結果として、デブリは最初に清掃ビン本体の下方部1910bにたまり、清掃ビン本体の上方部1910a内へ上方に向かって蓄積される。空気経路1926は、清掃ビン本体1910の出口1918と空気の流通が可能なように連結され得る。いくつかの実施例において、出口1918は、清掃ビン本体の後方部1910dおよび/または上方部1910aに配置される。
【0100】
空気移動装置ガード1930が空気移動装置1920上または、空気移動装置1920と保持部1914の間に配置される。空気移動装置ガード1930は、空気を通しつつ、デブリの通過を防ぐよう構成されるフィルタ1932(例えば、フィルタ紙、ワイヤースクリーンなど)を備える。ここで示される実施例において、空気移動装置ガード1930はアーチ形状であるが、平面形状やその他の形状であっても良い。アーチ形状の空気移動装置ガード1930は、完全に満たされるまで上方および前方に進んで、下後方部内を実質的に満たすように、保持部1914内へデブリが直接蓄積されることを助ける。さらに、空気移動装置ガード1930は、空気移動装置ガード1930が清掃ビン本体内1910に単一の方向で受け入れられるように非対称(例えば、弓形で幅が先細に)に形作られる。例えば、ユーザがフィルタ1932の清掃のために空気移動装置ガード1930を取り外す際、ユーザは空気移動装置ガード1930を清掃ビン1900に戻すために単一の方向に位置させることを強制される。これにより、ユーザが空気移動装置ガード1930を逆さに取り付けることを防ぎ、フィルタ1932上に残っているデブリを空気移動装置1920に対して露出される。
【0101】
いくつかの実施態様において、清掃ビン1900は、清掃アセンブリ1830の清掃ローラ1834および1836に付いた繊維やデブリを取り除くために、清掃ローラ1834および1836に接触する、またはこれらをこするよう構成されるローラスクレーパ1940を備える。ここで示される例においては、ローラスクレーパ1940は、第1清掃ローラ1834に接触するまたは第1清掃ローラ1834をこする。ローラスクレーパ1940は、清掃ローラ1834の繊維(例えば毛髪)をはがすために清掃ローラ1834と接触するエッジまたはへり1942を規定する。エッジ1942は、実質的に第1清掃ローラ1834と並行で、実質的に第1清掃ローラ1834に渡って配置される、実質的に直線状のエッジである。図19Fに示される実施例を参照すると、ローラスクレーパ1940のエッジ1942は、第1清掃ローラ1834の外形φから内側約0.25mmから約3mmの間の干渉距離Dに配置される。ローラスクレーパ1940は、通常、繊維が清掃ローラ1834の周りにきつく巻きつく前に(例えば、繊維がローラの小径(芯または軸)に巻きつく前に)、接触された清掃ローラ1834の繊維をこする、またははがす。繊維やゴミが清掃ローラ1834から持ち上げられ叩き出されると、空気移動装置1920によって(空気の流れを介して)清掃ビン1900の保持部1914に引き込まれる。
【0102】
いくつかの実施態様において、清掃ローラ1834および1836の少なくとも一つが、清掃ビン1900を通って吸気口1912(すなわち入口)内への空気の流れを作る(例えば、空気移動装置1920を使用しないで)。清掃ローラ1834および1836の少なくとも一つは、埃を撹拌するだけでなく、清掃ビン1900内に蓄積するために、清掃ビン1900の吸気口1912および/または保持部1914の内部または近傍に陰圧区域を作ることによって、空気中にある埃をも捕える。清掃ビン1900内に全体として陰圧を作ることは、撹拌され捕えられた埃を清掃ビン1900内に落ち着かせることを助ける。図18に示される実施例において、清掃アセンブリ1830は、ロボット本体1810の後ろから第1および第2の清掃ローラ1834および1836を越えて清掃ビン1900の吸気口1912内までの空気経路1842を提供するため、実質的に清掃ローラ1834および1836の上に配置される空気ガイド1840(例えばダクト)を備える。空気移動装置1920および/または清掃ローラ1834および1836の少なくとも一つは、空気およびデブリ(例えば、清掃ローラ1834、1836によって撹拌された)を保持するために、ロボット本体の下から空気経路1842を通って清掃ビン1900の保持部1914へ引き込むために、清掃ビン1900の内部に陰圧を作る。陰圧は、ローラスクレーパ1940によって第1清掃ローラ1834からこすりとられた繊維およびデブリを、同様に保持するために清掃ビンの保持部1914に引き込む。空気ガイド1840は、第1および第2清掃ローラ1834および1836を超えて流れる空気および/またはデブリを、清掃ローラ1834および1836の一つの実質的な接線であって、清掃ローラ1834および1836の中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置される。そのように配置することは、繊維(例えば毛髪)が清掃ローラ1834および1836の一つの周りを付いていくのではなく、清掃ビン1900に供給することを助けることができる。
【0103】
図18から図19Cを参照すると、いくつかの実施態様において、清掃ビン1900は、清掃ビン1900をロボット1800に固定するためのラッチ1950を備える。ラッチ1950は、バネにより付勢される作動可能なボタンであっても良い。清掃ビン1900は、清掃ビン1900とロボット1800との電気的接続を確立するための(例えば、ロボットの対応する電気コネクタを介して)、少なくとも一つの電気コネクタ1960を備える。電気コネクタ1960は、空気移動装置1920に電力を供給する。いくつかの実施例において、電気コネクタ1960は、ロボット1800の制御装置との通信(例えばネットワーク通信)を提供する。清掃ビン1900は、清掃ビン本体1910の出口1918に受け入れられ、それを通る空気の流れのための開口(例えばスロット)1929を有する、空気移動装置本体カバー1928を備えても良い。空気移動装置本体カバー1928は、空気移動装置1920にアクセスしメンテナンスするためのアクセス手段を提供する。
【0104】
図20を参照すると、いくつかの実施態様において、清掃ビン2000は、清掃ビン本体2010の保持部2014と空気が流通可能に接続される(空気連通される)デブリ入口2012を有する清掃ビン本体2010を備える。清掃ビン本体2010は、清掃ビン本体2010の前方部2011から後方部2013まで延びる空気管路2020を備える。空気管路2020は、清掃ビン2000がロボット1800に受け入れられている場合、ロボット1800の空気移動装置と空気が流通可能に連結している。空気移動装置は、清掃ビン2000の外側に対して、清掃ビン本体2010の保持部2014内に陰圧を作ることにより、空気(およびデブリ)を清掃ビン本体2010の保持部2014内に引き込む。いくつかの実施例において、空気移動装置は清掃ローラ1834、1836であるが、他の実施例においては、ファンまたは送風機である。清掃ビン2000は、清掃アセンブリ1830の清掃ローラ1834、1836に捕えられた繊維やデブリを取り除くために、清掃ローラ1834、1836と接触するまたはこれらをこするローラスクレーパ2040を備える。ここで示される例においては、ローラスクレーパ2040は、第1清掃ローラ1834に接触する、または第1清掃ローラ1834をこする。ローラスクレーパ2040は、清掃ローラ1834の繊維(例えば毛髪)をはがすために清掃ローラ1834と接触するエッジまたはへり2042を規定する。エッジ2042は、実質的に第1清掃ローラ1834と並行で、実質的に第1清掃ローラ1834にわたって配置される、実質的に直線状のエッジである。ローラスクレーパ2040は、図19Fにおいて述べた清掃ビン1900のローラスクレーパ1920として構成されても良い。
【0105】
本明細書に記載される事項に組み合わせ得る他のロボットの詳細や特徴は、ここで参照によりその内容全体が組み込まれる以下の米国特許出願、すなわち出願番号11/633,869の「AUTNOMOUS COVERAGE ROBOT NAVIGATION SYSTEM」、出願番号11/633,886の「MODULAR ROBOT」、および出願番号11/633,883の「ROBOT SYSTEM」により見出すことができる。
【0106】
幾つかの実施態様が説明されたが、様々な変更形態が以下の特許請求の趣旨および範囲から逸脱することなく実施され得ることが理解される。したがって、他の実施態様は以下の特許請求の範囲内にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型カバレッジロボット(1800)であって、
本体(1810)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットを動かすよう構成される駆動システム(1820)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットが床面を動かされている間に、床面に接触する清掃アセンブリ(1830)と、を備え、
前記清掃アセンブリが、
被駆動清掃ローラ(1834、1836)と、
前記清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、前記本体に配置される清掃ビン(1900)と、
を備え、
前記清掃ビンが、
清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口(1912)と、デブリを受け入れるために前記清掃ビン入口(1912)と空気連通する保持部(1914)と、を有する清掃ビン本体(1910)と、
前記清掃ローラと接触するように、前記清掃ビン本体(1910)に配置されるローラスクレーパ(1940)と、
空気を清掃ビン入口(1912)に移動させるよう動作する空気移動装置(1920)と、を備え、
前記ローラスクレーパ(1940)は、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは前記清掃ローラ(1834、1836)に実質的に並行に配置され、実質的に前記清掃ローラ(1834、1836)の全長に渡ることを特徴とする、自律型カバレッジロボット。
【請求項2】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834、1836)の外径から内側に約0.25mmから3mmの間の干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項3】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834、1836)の外径から内側に約0.75mmの干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項2に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項4】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ビン入口(1912)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項5】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)の内部であって、前記清掃ビン本体(1910)の上後方部の実質的に近くに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項6】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)における縦軸(1911)に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸(1921)を規定することを特徴とする、請求項5に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項7】
前記清掃ビン(1900)の前記空気移動装置(1920)と保持部(1914)との間に配置され、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備える空気移動装置ガード(1930)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項8】
前記空気移動装置ガード(1930)は、取り外し可能に前記清掃ビン本体(1910)に取り付けられ、非対称な形状を有しており、単一の方向で前記清掃ビン本体(1910)に受け入れられることを特徴とする、請求項7に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項9】
前記空気移動装置(1920)は、少なくとも一つの清掃ローラ(1834、1836)からなることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項10】
前記清掃アセンブリ(1830)は、
清掃アセンブリハウジング(1832)と、
前記清掃アセンブリハウジング(1832)に回転可能に連結される第1および第2の清掃ローラ(1834;1836)と、を備え、
前記第1の清掃ローラ(1834)は剛毛(1834a)を備え、前記第2の清掃ローラ(1836)は柔軟なフラップ(183b)を備えており、
前記ローラスクレーパ(1940)は、前記第1の清掃ローラと接触するよう配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項11】
前記清掃アセンブリ(1830)は、更に、空気移動装置(1920)の空気の流れを、清掃ローラ(1834、1836)を超えて清掃ビン入口(1912)内へと方向づけるよう構成される空気ガイド(1840)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項12】
前記空気ガイド(1840)は、空気の流れを前記清掃ローラ(1834、1836)の実質的な接線であって、該清掃ローラ(1834、1836)の中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置されることを特徴とする、請求項11に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項13】
自律型カバレッジロボット(1800)であって、
本体(1810)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットを動かすよう構成される駆動システム(1820)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットが床面を動かされている間に、床面に接触する清掃アセンブリ(1830)と、を備え、
前記清掃アセンブリが、
被駆動清掃ローラ(1834、1836)と、
前記清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、前記本体に配置される清掃ビン(1900)と、を備え、
前記清掃ビンが、
清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口(1912)と、デブリを受け入れるために前記清掃ビン入り口(1912)と空気連通する保持部(1914)と、を有する清掃ビン本体(1910)と、
前記清掃ローラと接触するように、前記清掃ビン本体(1910)に配置されるローラスクレーパ(1940)と、
空気を清掃ビン入口(1912)に移動させるよう動作する空気移動装置(1920)と、を備え、
前記清掃アセンブリ(1830)は、前記空気移動装置(1920)の空気の流れを、前記清掃ローラ(1834、1836)を超えて前記清掃ビン入口(1912)内へと方向づけるよう構成される空気ガイド(1840)を備えることを特徴とする、自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項14】
前記空気ガイド(1840)は、空気の流れを前記清掃ローラ(1834、1836)の実質的な接線であって、該清掃ローラ(1834、1836)の中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項15】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834;1836)の外径から内側に約0.25mmから3mmの間の干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項16】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834;1836)の外径から内側に約0.75mmの干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項15に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項17】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ビン入口(1912)に配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項18】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)の内部であって、前記清掃ビン本体(1910)の上後方部(1910a、1910d)の実質的に近くに配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項19】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)における縦軸(1911)に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸(1921)を規定することを特徴とする、請求項18に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項20】
前記清掃ビン(1900)の前記空気移動装置(1920)と保持部(1914)との間に配置され、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備えた空気移動装置ガード(1930)をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項21】
前記空気移動装置ガード(1930)は、取り外し可能に前記清掃ビン本体(1910)に取り付けられ、非対称な形状を有しており、単一の方向で前記清掃ビン本体(1910)に受け入れられることを特徴とする、請求項20に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項22】
前記清掃アセンブリ(1830)は、
清掃アセンブリハウジング(1832)と、
前記清掃アセンブリハウジング(1832)に回転可能に連結される第1および第2の清掃ローラ(1834;1836)と、を備え、
前記第1の清掃ローラ(1834)は剛毛(1834a)を備え、前記第2の清掃ローラ(1836)は柔軟なフラップ(183b)を備えており、
前記ローラスクレーパ(1940)は、前記第1の清掃ローラと接触するよう配置され、
前記空気ガイド(1840)は、前記空気移動装置(1920)の空気の流れを、前記清掃ローラ(1834、1836)を超えて前記清掃ビン入口(1912)内へと方向づけるよう構成されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項23】
前記第1および第2の清掃ローラ(1834、1836)は、撹拌したデブリを前記第1および第2の清掃ローラの間に上げて、前記空気移動装置(1920)の空気の流れにのせるように、異なる方向に駆動されることを特徴とする、請求項22に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項24】
前記空気移動装置(1920)は、少なくとも一つの清掃ローラ(1834、1836)からなることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項25】
カバレッジロボット(1800)のための清掃ビン(1900)であって、
清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口(1912)と、デブリを受け入れるために前記清掃ビン入り口(1912)と空気連通する保持部(1914)と、を有する清掃ビン本体(1910)と、
前記清掃ビン本体(1910)に配置され、空気を清掃ビン入口(1912)に引き込むよう構成される空気移動装置(1920)と、
前記カバレッジロボットの清掃ローラと接触するように、前記清掃ビン本体(1910)に配置されるローラスクレーパ(1940)と、を備え、
前記ローラスクレーパ(1940)は、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは前記清掃ローラ(1834、1836)に実質的に並行に配置され、実質的に前記清掃ローラ(1834、1836)の全長に渡ることを特徴とする、清掃ビン(1900)。
【請求項26】
前記ローラスクレーパ(1940)は、前記清掃ビン入口(1912)に配置されることを特徴とする、請求項25に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項27】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)の内部であって、前記清掃ビン本体(1910)の上後方部(1910a、1910d)の実質的に近くに配置されることを特徴とする、請求項25に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項28】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)における縦軸(1911)に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸(1921)を規定することを特徴とする、請求項27に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項29】
前記清掃ビン(1900)の前記空気移動装置(1920)と保持部(1914)との間に配置され、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備えた空気移動装置ガード(1930)をさらに備えることを特徴とする、請求項25に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項30】
前記空気移動装置ガード(1930)は、取り外し可能に前記清掃ビン本体(1910)に取り付けられ、非対称な形状を有しており、単一の方向で前記清掃ビン本体(1910)に受け入れられることを特徴とする、請求項29に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項31】
カバレッジロボット(1800)のための清掃ビン(2000)であって、
清掃ビン入口(2012)と、
デブリを受け入れるために前記清掃ビン(2000)入口と空気連通する保持部(2014)と、
前記保持部(2014)と空気連通するとともに、前記カバレッジロボット(1800)に受け入れられている場合に、前記ロボット(1800)の空気移動装置との空気連通を確立する空気管路(2020)と、
前記カバレッジロボット(1800)の清掃ローラ(1834、1836)と接触するように、前記清掃ビン入り口(2012)に配置されるローラスクレーパ(2040)と、を備え、
前記ローラスクレーパ(2040)は、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは前記清掃ローラ(1834)に実質的に並行に配置され、実質的に前記清掃ローラ(1834)の全長に渡ることを特徴とする、清掃ビン(2000)。
【請求項1】
自律型カバレッジロボット(1800)であって、
本体(1810)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットを動かすよう構成される駆動システム(1820)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットが床面を動かされている間に、床面に接触する清掃アセンブリ(1830)と、を備え、
前記清掃アセンブリが、
被駆動清掃ローラ(1834、1836)と、
前記清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、前記本体に配置される清掃ビン(1900)と、
を備え、
前記清掃ビンが、
清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口(1912)と、デブリを受け入れるために前記清掃ビン入口(1912)と空気連通する保持部(1914)と、を有する清掃ビン本体(1910)と、
前記清掃ローラと接触するように、前記清掃ビン本体(1910)に配置されるローラスクレーパ(1940)と、
空気を清掃ビン入口(1912)に移動させるよう動作する空気移動装置(1920)と、を備え、
前記ローラスクレーパ(1940)は、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは前記清掃ローラ(1834、1836)に実質的に並行に配置され、実質的に前記清掃ローラ(1834、1836)の全長に渡ることを特徴とする、自律型カバレッジロボット。
【請求項2】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834、1836)の外径から内側に約0.25mmから3mmの間の干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項3】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834、1836)の外径から内側に約0.75mmの干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項2に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項4】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ビン入口(1912)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項5】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)の内部であって、前記清掃ビン本体(1910)の上後方部の実質的に近くに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項6】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)における縦軸(1911)に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸(1921)を規定することを特徴とする、請求項5に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項7】
前記清掃ビン(1900)の前記空気移動装置(1920)と保持部(1914)との間に配置され、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備える空気移動装置ガード(1930)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項8】
前記空気移動装置ガード(1930)は、取り外し可能に前記清掃ビン本体(1910)に取り付けられ、非対称な形状を有しており、単一の方向で前記清掃ビン本体(1910)に受け入れられることを特徴とする、請求項7に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項9】
前記空気移動装置(1920)は、少なくとも一つの清掃ローラ(1834、1836)からなることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項10】
前記清掃アセンブリ(1830)は、
清掃アセンブリハウジング(1832)と、
前記清掃アセンブリハウジング(1832)に回転可能に連結される第1および第2の清掃ローラ(1834;1836)と、を備え、
前記第1の清掃ローラ(1834)は剛毛(1834a)を備え、前記第2の清掃ローラ(1836)は柔軟なフラップ(183b)を備えており、
前記ローラスクレーパ(1940)は、前記第1の清掃ローラと接触するよう配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項11】
前記清掃アセンブリ(1830)は、更に、空気移動装置(1920)の空気の流れを、清掃ローラ(1834、1836)を超えて清掃ビン入口(1912)内へと方向づけるよう構成される空気ガイド(1840)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項12】
前記空気ガイド(1840)は、空気の流れを前記清掃ローラ(1834、1836)の実質的な接線であって、該清掃ローラ(1834、1836)の中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置されることを特徴とする、請求項11に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項13】
自律型カバレッジロボット(1800)であって、
本体(1810)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットを動かすよう構成される駆動システム(1820)と、
前記本体(1810)に配置され、前記ロボットが床面を動かされている間に、床面に接触する清掃アセンブリ(1830)と、を備え、
前記清掃アセンブリが、
被駆動清掃ローラ(1834、1836)と、
前記清掃ローラによって収集されたデブリを受け入れるために、前記本体に配置される清掃ビン(1900)と、を備え、
前記清掃ビンが、
清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口(1912)と、デブリを受け入れるために前記清掃ビン入り口(1912)と空気連通する保持部(1914)と、を有する清掃ビン本体(1910)と、
前記清掃ローラと接触するように、前記清掃ビン本体(1910)に配置されるローラスクレーパ(1940)と、
空気を清掃ビン入口(1912)に移動させるよう動作する空気移動装置(1920)と、を備え、
前記清掃アセンブリ(1830)は、前記空気移動装置(1920)の空気の流れを、前記清掃ローラ(1834、1836)を超えて前記清掃ビン入口(1912)内へと方向づけるよう構成される空気ガイド(1840)を備えることを特徴とする、自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項14】
前記空気ガイド(1840)は、空気の流れを前記清掃ローラ(1834、1836)の実質的な接線であって、該清掃ローラ(1834、1836)の中心線の若干上の点と一致する経路に沿って方向づけるよう配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項15】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834;1836)の外径から内側に約0.25mmから3mmの間の干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項16】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ローラ(1834;1836)の外径から内側に約0.75mmの干渉距離Dに配置されることを特徴とする、請求項15に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項17】
前記ローラスクレーパ(1940)が、前記清掃ビン入口(1912)に配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項18】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)の内部であって、前記清掃ビン本体(1910)の上後方部(1910a、1910d)の実質的に近くに配置されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項19】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)における縦軸(1911)に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸(1921)を規定することを特徴とする、請求項18に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項20】
前記清掃ビン(1900)の前記空気移動装置(1920)と保持部(1914)との間に配置され、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備えた空気移動装置ガード(1930)をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項21】
前記空気移動装置ガード(1930)は、取り外し可能に前記清掃ビン本体(1910)に取り付けられ、非対称な形状を有しており、単一の方向で前記清掃ビン本体(1910)に受け入れられることを特徴とする、請求項20に記載の自律型カバレッジロボット。
【請求項22】
前記清掃アセンブリ(1830)は、
清掃アセンブリハウジング(1832)と、
前記清掃アセンブリハウジング(1832)に回転可能に連結される第1および第2の清掃ローラ(1834;1836)と、を備え、
前記第1の清掃ローラ(1834)は剛毛(1834a)を備え、前記第2の清掃ローラ(1836)は柔軟なフラップ(183b)を備えており、
前記ローラスクレーパ(1940)は、前記第1の清掃ローラと接触するよう配置され、
前記空気ガイド(1840)は、前記空気移動装置(1920)の空気の流れを、前記清掃ローラ(1834、1836)を超えて前記清掃ビン入口(1912)内へと方向づけるよう構成されることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項23】
前記第1および第2の清掃ローラ(1834、1836)は、撹拌したデブリを前記第1および第2の清掃ローラの間に上げて、前記空気移動装置(1920)の空気の流れにのせるように、異なる方向に駆動されることを特徴とする、請求項22に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項24】
前記空気移動装置(1920)は、少なくとも一つの清掃ローラ(1834、1836)からなることを特徴とする、請求項13に記載の自律型カバレッジロボット(1800)。
【請求項25】
カバレッジロボット(1800)のための清掃ビン(1900)であって、
清掃ローラに隣接して配置される清掃ビン入口(1912)と、デブリを受け入れるために前記清掃ビン入り口(1912)と空気連通する保持部(1914)と、を有する清掃ビン本体(1910)と、
前記清掃ビン本体(1910)に配置され、空気を清掃ビン入口(1912)に引き込むよう構成される空気移動装置(1920)と、
前記カバレッジロボットの清掃ローラと接触するように、前記清掃ビン本体(1910)に配置されるローラスクレーパ(1940)と、を備え、
前記ローラスクレーパ(1940)は、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは前記清掃ローラ(1834、1836)に実質的に並行に配置され、実質的に前記清掃ローラ(1834、1836)の全長に渡ることを特徴とする、清掃ビン(1900)。
【請求項26】
前記ローラスクレーパ(1940)は、前記清掃ビン入口(1912)に配置されることを特徴とする、請求項25に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項27】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)の内部であって、前記清掃ビン本体(1910)の上後方部(1910a、1910d)の実質的に近くに配置されることを特徴とする、請求項25に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項28】
前記空気移動装置(1920)が、前記清掃ビン本体(1910)における縦軸(1911)に対して約15度から約75度の間の角度で配置される縦軸(1921)を規定することを特徴とする、請求項27に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項29】
前記清掃ビン(1900)の前記空気移動装置(1920)と保持部(1914)との間に配置され、自身を通る空気からデブリをフィルタリングするフィルタを備えた空気移動装置ガード(1930)をさらに備えることを特徴とする、請求項25に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項30】
前記空気移動装置ガード(1930)は、取り外し可能に前記清掃ビン本体(1910)に取り付けられ、非対称な形状を有しており、単一の方向で前記清掃ビン本体(1910)に受け入れられることを特徴とする、請求項29に記載の清掃ビン(1900)。
【請求項31】
カバレッジロボット(1800)のための清掃ビン(2000)であって、
清掃ビン入口(2012)と、
デブリを受け入れるために前記清掃ビン(2000)入口と空気連通する保持部(2014)と、
前記保持部(2014)と空気連通するとともに、前記カバレッジロボット(1800)に受け入れられている場合に、前記ロボット(1800)の空気移動装置との空気連通を確立する空気管路(2020)と、
前記カバレッジロボット(1800)の清掃ローラ(1834、1836)と接触するように、前記清掃ビン入り口(2012)に配置されるローラスクレーパ(2040)と、を備え、
前記ローラスクレーパ(2040)は、実質的に直線状のエッジを有し、該エッジは前記清掃ローラ(1834)に実質的に並行に配置され、実質的に前記清掃ローラ(1834)の全長に渡ることを特徴とする、清掃ビン(2000)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図17G】
【図17H】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図19G】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図17G】
【図17H】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図19G】
【図20】
【公表番号】特表2013−501596(P2013−501596A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524907(P2012−524907)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/045502
【国際公開番号】WO2011/020040
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(502432084)アイロボット コーポレイション (40)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/045502
【国際公開番号】WO2011/020040
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(502432084)アイロボット コーポレイション (40)
【Fターム(参考)】
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