説明

自給式マイクロメカニカル人工呼吸器

本発明の携帯可能な人工呼吸器(V)は、救急治療、緊急環境、および補給が限られ
ている環境において、ハンドフリーで呼吸を補助する装置を提供する。携帯可能な人工呼吸器(V)は、患者に安定して空気を供給するために周囲の空気を用い、2つのデュ
アルヘッド圧縮機システムを含んでいる。人工呼吸装置はバッテリで動作し、最大60分間の治療を行うことができる。好ましい実施態様において、本発明の携帯可能な人工呼吸器(V)は、空気圧サブシステム(N)、制御サブシステム(C2)、電力サブシ
ステム(P)、警報サブシステム(A2)も含んでいる。好ましい実施態様の携帯可能な人工呼吸器(V)は、安定して連続的に吸気/呼気サイクルを生じさせるために、交
互に動作するデュアルヘッド圧縮機システムとシングルヘッド圧縮機システム(101,102)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2002年8月26日に出願された10/228,166の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
迅速な医療措置によって無数の事故犠牲者や軍人の生命を救うことができる。救急医療サービスの領域においては、長い間、患者が確実な医療処置を受けなくてはならないゴールデンアワーが強調されてきた。しかしながら、確実な医療処置は、必要な機器がないために制限されることが少なくない。医療施設には人工的な医療機器があるが、緊急事態や戦場では、そうではない。特に、人工呼吸器の分野において、このことがあてはまる。
【0003】
吸気のみの人工呼吸器が公知であり、それによって、患者の治療中に使われる酸素量を最小限に抑えながら、有効な呼吸回路を得られるため、病院において広く使用されている。
【0004】
最新の人工呼吸器は、一般に、据置き型で、医療施設用に構成されている。これらは、重く、動かしにくく、携帯可能の用途には向いていない。ほとんどの人工呼吸器は、医療等級の空気、すなわち可燃性の高い、圧縮された酸素の容器を酸素源として用いている。これらの空気/酸素タンクは重く、動かしにくく、搬送には適さない。従来技術の人工呼吸器は、大きな電源も必要とするため、これによって、迅速な、現場での使用にはさらに適さないものとなっている。最後に、公知の大部分の人工呼吸器は、追加の機器や補給を容易に利用可能な治療環境における、訓練された人員による操作を必要としている。
【0005】
例えば、Schroederらによる特許文献1には、二重ベンチュリ式駆動装置と、使い捨て可能な呼吸回路を含む、コンピュータ制御された空気圧式人工呼吸器システムが開示されている。二重ベンチュリ式駆動装置によって、呼気期の完了が迅速化され、それによって全体として改善された呼吸回路が得られる。使い捨て可能な呼吸回路によって、汚染の危険を生じることなく、多数の患者に人工呼吸器を使用することが可能になる。この装置には、容器に収容された酸素源が用いられている。この装置も、本発明で想定する状況下では使用不能である。
【0006】
したがって、現存する据置き型の人工呼吸器の欠点を克服する携帯可能な人工呼吸器が必要とされている。
【0007】
以下の携帯可能な人工呼吸器は、上述した必要性のいくらかに対応するものである。DeVriesらによる特許文献2、3、および4には、フィルタおよび圧縮機システムを介して周囲の空気を用いる携帯可能な人工呼吸装置が開示されている。圧縮機は、吸気中にのみ空気を供給するために連続的に動作する。DeVriesらの装置は病院において用いられ、人工呼吸器の使用中に患者を移動できるようにすることを意図している。これらの装置は、現場で緊急に使用することを目的としているものではないため、閉ループ制御、複雑な弁システムおよび回路を形成しており、本発明で想定する種の緊急状況下では使用不能である。
【特許文献1】米国特許第5,664,563号明細書
【特許文献2】米国特許第6,152,135号明細書
【特許文献3】米国特許第5,881,722号明細書
【特許文献4】米国特許第5,868,133号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上で引用した文献から、安定した呼吸回路を形成する携帯可能な人工呼吸器が必要なことが分かる。ほとんどの携帯可能な人工呼吸器においてそうであるように、それらは、弁システムと酸素源を含む呼吸回路を形成している。しかしながら、これらの装置には、据置き型の電源が無い緊急状況の時に、当該装置を迅速に動作できるようにする手段が欠けている。第2に、これらの装置のほとんどは、動かしにくい容器型の酸素源に依存しており、人工呼吸器の、本当に携帯可能とする能力が低くなっている。第3に、従来技術の人工呼吸器は、据置き型の電源無しで連続的に使用可能な呼吸回路を形成していない。これらおよび他の欠点が、以下に説明するように、本発明によって克服される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の目的は、短期間の呼吸補助を行う携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、空気圧サブシステムと、電力サブシステムと、センササブシステムとを含む携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、空気圧サブシステムが、エア出力を高めるために2つのデュアルヘッド圧縮機を含んでいる、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、空気圧サブシステムが蓄圧器を含んでいる、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、使い捨て可能で使い切り型で、使用期限が限られない携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、空気圧サブシステム、電力サブシステム、制御サブシステム、および警報サブシステムを含む、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、空気圧サブシステムが、エア出力を高めるための1つのデュアルヘッド圧縮機と、シングルヘッド圧縮機によって空気マニホールドの圧力を下げる手段とを含み、これによって蓄圧器が不要になった、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、電力サブシステムがバッテリ電源と、人工呼吸器に外部電源を利用できるようにするジャックとを含み、バッテリまたは外部電源が、空気圧サブシステム、制御サブシステム、および警報サブシステムを動作させるのに用いられる、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、電力サブシステムが、制御サブシステムへの電圧の変動を除去する電圧調整回路も含んでいる、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、制御サブシステムが、デュアルヘッド圧縮機とシングルヘッド圧縮機のオン/オフサイクルを制御するためのタイミング回路と、リレースイッチとを含んでいる、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、警報サブシステムが、修理可能な問題、修理不能な問題、および患者の問題を視覚的に示すことができ、また、可聴警報も可能である、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、使用期限が限られない、使い捨て可能な使い切りの装置、または再利用可能にされる装置である、携帯可能な人工呼吸器を提供することにある。
【0021】
これらおよび他の目的が、下記の詳細な説明において説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、外傷性障害または呼吸麻痺の処置のために1人以上の患者の呼吸を短期間の間補助する携帯可能な人工呼吸器である。図1に示すように、携帯可能な人工呼吸器Vは、呼吸気量および呼吸速度に確実に調和し、ハンドフリーで操作できる機能を有している。携帯可能な人工呼吸器Vは、完全に実用的なマルチモード装置であり、熟練した人員がこの装置特有のマルチモード機能を活用することができる野戦病院や前線の外科部隊に適している。携帯可能な人工呼吸器Vは、訓練を受けていない人員による使用にも適しており、また、特に、補給が限られている環境下において有用である。さらに、携帯可能な人工呼吸器Vを、使用期限が限られない、使い捨て可能な使い切りの装置として構成することができる。
【0023】
さらに、図1において、本発明の携帯可能な人工呼吸器Vは、空気圧サブシステムN、電力サブシステムP、センササブシステムSを含んでいる。これらの各システムについて以下に説明する。
【0024】
空気圧サブシステム
図2に示すように、空気圧サブシステムNは、エア出力を高める、デュアルヘッドの2つの空気圧縮機1aおよび1bを含んでいる。周囲の空気またはNVCろ過された空気がデュアルヘッドの空気圧縮機1aおよび1bに引き込まれ、圧縮される。圧縮された空気は1aおよび1bを出て蓄圧タンク2に入る。蓄圧タンク2は、空気圧縮機1aおよび1bのそれぞれに接続され、空気圧縮機1aおよび1bの、組み合わされた(合計4つの)出力の空気圧保持領域として働く。蓄圧タンク2によって、両デュアルヘッド空気圧縮機に固有の両圧力波の位相の不調和が緩和され、空気圧縮機1aおよび1bの出力が互いに打ち消し合うのが防止される。蓄圧タンク2は、コネクタシステム3にさらに接続されている。空気圧縮機1aおよび1bが、生理学的圧力の広い範囲にわたって一定の流速で機能するので、コネクタシステム3によって、必要な時間の間、蓄圧器、すなわち蓄圧タンク2を介してユーザに一定の全流量の空気流が供給される。この時間は、論理回路基板Bの一部であるタイミング回路Tによって制御される。
【0025】
論理回路基板
論理回路基板Bはタイミング回路Tを含み、電力サブシステムPに接続されている。論理回路基板Bによって、1aおよび1bをオンとオフに切り替えるために、空気圧縮機1aおよび1bへの電力が制御される。ユーザに送られる空気の量が、圧縮機1aおよび1bのオン時間の長さによって決められる。論理回路基板Bは、アナログ論理を用いており、マイクロプロセッサの制御を必要としない。論理回路基板BはセンササブシステムSにも接続されている。
【0026】
センササブシステム
図3に示すように、携帯可能な人工呼吸器Vは、緊急時に、重要な要監視事項の監視を行い、危険な状態の患者を補助するセンササブシステムSを含んでいる。センササブシステムSは、携帯可能な人工呼吸器Vが患者のフェイスマスクまたは気管内チューブとの接続から外れているのを検出する空気流量センサ4を含んでいる。センササブシステムSは、気道圧力センサ5も含んでいる。気道圧力センサ5は、ユーザの、前の呼吸(吸気)の終わりを検出する好ましい機能を備え、それによって、空気の供給を、前の呼吸が完了するまで遅らせることができる。空気流量センサ6が、次の呼吸の予定開始時間に達していない場合に、前の呼吸の呼気の停止を検出するのに用いられている。センササブシステムSは、人工呼吸器Vの内部に位置していてもよいし、または人工呼吸器Vの外部に位置していてもよい。
【0027】
電力サブシステム
図4に示すように、携帯可能な人工呼吸器Vの電力サブシステムPは、使い捨て可能な、または再充電可能なバッテリ7を含んでおり、このバッテリ7は、大容量で、広範囲の温度の下で動作可能であり、かつ空気圧サブシステムNおよびセンササブシステムSに適合したものである。好ましい実施形態において、本発明の携帯可能な人工呼吸器Vには、再充電可能な在来の鉛蓄電池7が用いられる。バッテリ7は、少なくとも30分から60分の動作時間を得られるものである必要がある。
【0028】
携帯可能な人工呼吸器
空気圧サブシステムNは、センササブシステムSおよび電力サブシステムPに接続され、図5に示すように、携帯可能な人工呼吸器Vのハウジング8内に収容されている。ハウジング8は、プラスチックまたは金属のいずれかで作られており、物理的および機械的な圧力に耐えることができる堅固なフレーム構造部8aを含んでいる。携帯可能な人工呼吸器Vは、再充電可能なバッテリ7に外部電源またはAC電源を用いて電力を供給できるようにする入口ポート8bを含んでいる。あるいは、バッテリ7は、使い捨て可能なバッテリを含んでいてもよい。
【0029】
ハウジング8は、くぼんだ制御パネル8cも含んでいる。制御パネル8cは、公知のやり方でユーザに空気を送るための複数のポートを含んでいる。制御パネル8cは、所望の空気流速を選択するためのスイッチと、オン/オフスイッチも含んでおり、バッテリ7を再充電するスイッチも含むことができる。制御パネル8cは、パネル上に配置されるどの手段も損傷しないようにくぼまされている。
【0030】
本発明の携帯可能な人工呼吸器Vは、制御された人工呼吸を行い、患者に対する呼吸制御の役に立つ。上記のような携帯可能な2つの人工呼吸器Vの機能および性能を下記の例1によって示す。
【0031】
例1
Sekos2および3の人工呼吸器を試験した。全呼吸気量、呼吸速度、および他のパラメータは、人工呼吸器V上の設定の±10%以内であった。
【0032】
【表1】

【0033】
上述の試験された携帯可能な人工呼吸器の性能が、在来の「ambu−bags」よりも優れていることが示された。上述の特徴を有するこれらおよび他の携帯可能な人工呼吸器が、本発明の範囲内にある。
【0034】
本発明は、図6に示す好ましい実施形態を含んでいる。携帯可能な人工呼吸器V2は、図6に示すように、空気圧サブシステムN2、電力サブシステムP2、制御サブシステムC2、および警報サブシステムA2を含んでいる。
【0035】
携帯可能な人工呼吸器V2は、図6(a)に示すように、外面100aと内面100bを有するハードシェルのハウジング100を含んでいる。
【0036】
空気圧サブシステムN2
図7に示すように、空気圧サブシステムN2は、エア出力を高める、デュアルヘッドの少なくとも1つの空気圧縮機101と、フラッター弁103を閉じるためのシングルヘッドの空気圧縮機102を含んでいる。空気圧サブシステムN2は、携帯可能な人工呼吸器V2の吸気と呼気のサイクルを生じさせる。吸気サイクル中、周囲の空気aが空気入口ポート104を通ってデュアルヘッドの空気圧縮機101内に引き込まれる。周囲の空気aを、空気入口ポート104を通す前に、汚染物質を除去するためにNBCろ過器NBCを通過させてもよい。あるいは、浄化された空気源(図示せず)から空気を引き込むことによって人工呼吸器V2を動作させることができるように、小型のアダプタ(図示せず)を空気入口ポート104に接続してもよい。周囲の空気aは、携帯可能な人工呼吸器V2に入る時に、Y字型の医療用等級の管105によって2つの空気流路に分けられる。管105は、予め製造されたプラスチックまたは金属であってもよい。当業者によって理解されるように、管105は、必要な全ての合わせ部および取り付け部を含んでいる。さらに、管105は、図6aに示したハードシェルのハウジング100の内部100bの一体部分であってもよい。周囲の空気aは、管105から、デュアルヘッド圧縮機の入口ポート101aおよび101bを通ってデュアルヘッドの空気圧縮機101に入る。周囲の空気aはデュアルヘッドの空気圧縮機101によって圧縮される。デュアルヘッドの空気圧縮機101をシングルヘッドの空気圧縮機102と組合せて用いるのが、図6から図10に示した本発明の好ましい実施形態の携帯可能な人工呼吸器V2にとって重要であることに留意するのが重要である。図6から図10の好ましい実施形態に示すようなデュアルヘッドの空気圧縮機101の代わりに複数のシングルヘッド圧縮機を用いるのは、本発明の範囲外であることに留意するのも重要である。これは、デュアルヘッド圧縮機によって、効率が高められ、大きさが小さくなるためである。この要素は、携帯可能な人工呼吸器V2の適切な構成および機能にとって必要不可欠である。
【0037】
例2
等価呼吸気量出力の場合:
デュアルヘッド圧縮機:重量−14.2オンス、大きさ−28.9立方インチ
2シングルヘッド圧縮機:重量−20.4オンス、サイズ−32.0立方インチ
デュアルヘッド圧縮機は、適切な呼吸気量の空気を、小さな空間を通して押し出すことができるように、周囲の空気を引込み、内部の圧力を高める。(P)=圧力、(V)=体積、(n)=分子数、(R)=気体定数、(T)=温度として、理想気体の法則PV=nRTを用いると、デュアルヘッドの空気圧縮機101が運転中の時、nRTの値を一定にしなければならない。したがって、人工呼吸器V2の適切な動作によって必要とされるように、周囲から人工呼吸器V2の小さな一定の体積部分内に特定の体積(V)の空気を取り込むには、nRTの値を同じに保つように空気aの圧力(P)を高める必要がある。空気aの圧力が高められることによって、空気aは、人工呼吸器V2を通って患者Hの肺の中に送られる。これは、流体、ここでは、圧縮された空気aが、人工呼吸器V2の比較的大きな圧力の領域から患者Hの肺の比較的低い圧力の領域に流れるという傾向によるものであり、それによって空気aが肺を満たす。
【0038】
図7に示すように、圧縮された空気aは、空気圧縮機101を出て、圧縮機の出口ポート101cおよび101dを通って、空気マニホールド106に入る。空気マニホールド106はプラスチックまたは金属から作られている。空気マニホールド106は、内部100bの一体部分であってもよい。当業者によって理解されるように、空気マニホールド106は、必要な全ての合わせ部および取り付け部を含んでいる。圧力センサ107が、患者Hに送られる空気aの圧力を監視するために空気マニホールド106に接続されている。空気マニホールド106内の圧縮された空気aの空気圧が圧力センサ107によって測定される。空気aが公知の閾値を超えると、デュアルヘッドの空気圧縮機101が停止させられ、シングルヘッドの空気圧縮機102が始動され、以下に説明するように、空気はもはや患者Hに送られない。図7に示すように、空気マニホールド106は、フラッター弁103にも接続されている。フラッター弁103によって、圧縮された空気aを、入口ポート103aを通して入れ、双方向ポート103bを通して患者Hに送ることができる。圧縮された空気aが双方向ポート103bを通して患者Hに送られている時、呼気ポート103cは閉じたままである。しかし、患者Hが息を吐くと、入口ポート103aが閉じられ、吐き出された空気を、携帯可能な人工呼吸器V2から除去することができるように呼気ポート103cが開かれる。呼気サイクルを以下に説明する。患者Hに送られる圧縮された空気aは、医療用等級の管108、フラッター弁103、さらに、患者弁ポート110を介して、患者Hに接続された医療用等級の管109を通過する。管108は、空気マニホールド106に一体化されているが、図7では説明のために別個の要素として示されていることに留意することが重要である。医療用等級の管108および109は、予め製造されたプラスチックまたは金属であってもよい。当業者によって理解されるように、管108および109は、必要な全ての合わせ部および取り付け部を含んでいる。管108および109は内部100bと一体化されていてもよい。標準的な医療用等級の、患者の気管内チューブ(図示せず)または、呼吸マスク(図示せず)への管が、携帯可能な人工呼吸器V2と患者Hとの間で、患者弁ポート110の所に接続される。
【0039】
呼気サイクル中、呼気空気aeが、患者Hから患者弁ポート110、管109、双方向ポート103bを通って戻される。シングルヘッドの空気圧縮機102によって、フラッター弁103は入口ポート103aを閉じられ、それによって、呼気空気aが排気ポート、すなわち呼気ポート103cに導かれる。呼気空気aeは、排気ポート、すなわち呼気ポート103cから医療用等級の管111内に流れる。管111は、予め製造されたプラスチックまたは金属であってもよく、内部100bと一体化されていてもよい。当業者によって理解されるように、管111は、必要な全ての合わせ部および取り付け部を含んでいる。管111は、呼気空気aeを第2の圧力センサ112に導くT字型接続部111aを含んでいる。患者Hが息を吐き出したかどうかが第2の圧力センサ112によって確認される。他の実施形態では、T字型接続部111aと圧力センサ112を、インライン型の流量センサ(図示せず)によって置き換えることができる。呼気空気aeは、人工呼吸器のハウジング100上に配置された患者呼気ポート115に導かれる。呼気空気aeは、患者呼気ポート115に到達する前にインライン型のカプノグラフ室113に導かれる。カプノグラフ室113は、呼気空気ae内に呼気CO2が存在するのを検知するのに用いられる。呼気空気aeは、カプノグラフ室113から、医療用等級の管114を通って流れる。管114は、予め製造されたプラスチックまたは金属であってよく、内部100bと一体化されていてもよい。当業者によって理解されるように、管114は、必要な全ての合わせ部および取り付け部を含んでいる。人口呼吸の有効性をさらに監視するために、比色式または化学式の追加のカプノグラフセンサCSを、携帯可能な人工呼吸器V2の外側で患者呼気ポート115の所に接続してもよい。図7に示すように、シングルヘッドの空気圧縮機102は、医療用等級の管116を介してフラッター弁103および空気マニホールド106に接続されている。管116は、空気マニホールド106と一体化されているが、図7には説明のために別個の要素として示されていることに留意するのが重要である。管116は、予め製造されたプラスチックまたは金属であってもよく、内部100bと一体化されていてもよい。当業者によって理解されるように、管116は、必要な全ての合わせ部および取り付け部を含んでいる。シングルヘッドの空気圧縮機102は、デュアルヘッドの空気圧縮機101が運転していない時にのみ動作する。呼気サイクル時に、フラッター弁の入口ポート103aが完全に閉じられたままとなり、排気ポート、すなわち呼気ポート103cが完全に開かれるのが、このようにして、シングルヘッドの空気圧縮機102によって保障される。デュアルヘッドの空気圧縮機101とシングルヘッドの空気圧縮機102のこのような交互の動作によって、空気マニホールド106内に位置するよどみ空間の空気を、複数回の吸気サイクルの間に、管116、医療用等級の管117、および排気ポート118を通して排気することができる。管117は、予め製造されたプラスチックまたは金属であってもよく、内部100bと一体化されていてもよい。当業者によって理解されるように、管117は必要な全ての合わせ部および取り付け部を含んでいる。シングルヘッドの空気圧縮機102は、フラッター弁103を機械的に閉じる働きをすることに留意するのが重要である。電気制御される弁は圧力損失を引き起こすので、この機構は、電気制御される弁より好ましい。この機構は、吸気された空気および圧力勾配の損失を低減するのに、他の排出システムおよび圧力逃がし弁より好ましい。第2に、シングルヘッドの空気圧縮機102の使用によって、空気aが空気マニホールド106から強制的に引き出され、それによって、空気マニホールド106内のよどみ空気に妨げられることなく、次の吸気サイクルを開始することができる。第3に、シングルヘッドの空気圧縮機102は、入口ポート103aが閉じられる時に、ごく短時間の間負の圧力を発生し、それが患者Hの呼気の助けになる。さらに、このデュアルヘッドの空気圧縮機101およびシングルヘッドの空気圧縮機102の動作によって、上述した図1の実施形態で説明したような蓄圧器、すなわち蓄圧タンク2の使用が不要になる。他の実施形態において、シングルヘッドの空気圧縮機102、管117、および排気ポート118を、携帯可能な人工呼吸器V2内に蓄積される圧力および/または熱を軽減するのに用いることもできる。また、排気ポート118によって、極度の環境危険因子や、水、埃、泥などによる汚染から携帯可能な人工呼吸器V2が保護される。
【0040】
排気ポート118は、カプノグラフセンサ、すなわちカプノグラフ室113およびカプノグラフセンサCSから得られるカプノグラフ測定値を変化させないように、排気ポート、すなわち患者呼気ポート115から離れて配置されていることに留意するのが重要である。
【0041】
電力サブシステムP2
図8に示す電力サブシステムP2を以下に説明する。電力サブシステムP2によって、電力が、携帯可能な人工呼吸器V2に供給される。電力サブシステムP2は、バッテリ電源201と、外部電源EPを受け入れる電源ジャック202を有している。12から14ボルトの再充電可能なバッテリがバッテリ電源201として好ましい。ただし、交換可能なバッテリを用いてもよい。電源ジャック202は電子回路203に接続されており、さらに、この電子回路203はバッテリ電源201に接続されている。電子回路203は、外部電源EPから電源ジャック202を介して電力を受け取り、バッテリ電源201を再充電し、および/またはバッテリ電源201をバイパスさせるのに必要な電圧に調整する。外部電源EPが電源ジャック202に接続されると、バッテリ201が無い場合、動作不能である場合、または再充電中の場合、携帯可能な人工呼吸器V2は、電子回路203からのバイパスによって動作することができる。電力は、バッテリ電源201または電子回路203のいずれかから電源スイッチ204に導かれる。電力は、オンされると、電源スイッチ204から電圧調整回路205に導かれ、電圧調整回路205によって、人工呼吸器V2内のサブシステムに電力が供給される。
【0042】
電力サブシステムP2は、制御サブシステムC2への電圧の変動を除去するのに電圧調整回路205を用いている。より低い電圧を必要とする制御サブシステムC2および警報サブシステムA2の素子のために、第2の電圧調整回路206が用いられている。さらに、電力サブシステムP2は、駆動電圧を、制御サブシステムC2を介して空気圧サブシステムN2のデュアルヘッドの空気圧縮機101およびシングルヘッドの空気圧縮機102に供給する。
【0043】
制御サブシステムC2
空気圧サブシステムN2について上記したように、デュアルヘッドの空気圧縮機101とシングルヘッドの空気圧縮機102の間でのオン/オフサイクルは、図6に示す好ましい実施形態の動作にとって重要である。図9に示すように、制御サブシステムC2はタイミング回路401を含んでおり、タイミング回路401は、機械式リレースイッチ402を制御するのに用いられ、デュアルヘッドの空気圧縮機101とシングルヘッドの空気圧縮機102の間でのオン/オフサイクルは、機械式のリレースイッチ402によって決められる。このリレーは、電子制御される単極双投スイッチ402として構成されている。好ましい実施形態において、タイミング回路401は「555」回路である。リレースイッチ402は、リレースイッチバー402aおよび第1のコネクタ位置402bを介して空気圧サブシステムN2のシングルヘッドの空気圧縮機102に接続される。リレースイッチ402、すなわちリレースイッチバー402aは、機械式であるのが好ましい。リレースイッチ402は、スイッチバー402aおよび第2のコネクタ位置402cを介してデュアルヘッドの空気圧縮機101にも接続される。タイミング回路401はリレー制御回路402dに接続されており、リレー制御回路402dは、リレースイッチバー402aを、タイミング回路によって生成される呼吸タイミングサイクルに基づいて第1のコネクタ位置402bと第2のコネクタ位置402cとの間で動かすのに用いられている。呼吸タイミングサイクルを以下に説明する。タイミング回路401は、コンデンサ403、第1の抵抗器404、および第2の抵抗器405にも接続されている。第2の抵抗器405は、電力サブシステムP2に接続されている。電力サブシステムP2と空気圧サブシステムN2の間の接続は、図9には示されていない。
【0044】
呼吸タイミングサイクルは、呼吸速度および呼吸気量によって決められ、これらの値は、米国医師会のガイドラインに従って選択される。
【0045】
図9aに示すように、t1は空気圧縮機101の好ましいオンタイムを表しており、吸気時間と相関しており、t2は空気圧縮機101の好ましいオフタイムを表しており、呼気時間と相関している。吸気時間と呼気時間の合計(t1+t2)が1回の全呼吸タイミングサイクルとなる。
【0046】
呼吸速度は、1分間当たりの全呼吸タイミングサイクルの回数である。呼吸気量は、1回の呼吸タイミングサイクルの吸気期中に供給される空気量によって決められる。呼吸気量は、空気圧縮機101の流速に空気圧縮機101のオンタイムt1を乗じた積である。したがって、
(1)t1=TV/f
ここで、TV=呼吸気量、f=空気圧縮機101の流速
(2)t1+t2=60秒/RR
ここで、RR=呼吸速度、1分間当たりの呼吸回数
(3)t2=60/RR−t1=60/RR−TV/f
このように、t1およびt2の値は、呼吸速度および呼吸気量の米国医師会のガイドラインと、空気圧縮機101の流速を用いて決められる。t1がt2より小さくなることができるようにするのにダイオード406が用いられている。
【0047】
当業者によって理解されるように、コンデンサ403、第1の抵抗器404、および第2の抵抗器405は、充放電タイミング回路を形成している。本発明では、図9bに示すように、充電サイクル時間が、望ましい吸気時間t1と等しくなるように選択されている。放電タイミングサイクルは、求められた呼気時間t2と等しくなるように選択されている。したがって、
(4)t1=.693(r1+r2)c1
および
(5)t2=.693(r2)c1
となり、ここで、r1は第1の抵抗器404の抵抗値、r2は第2の抵抗器405の抵抗値、c1はコンデンサ403の容量値である。
【0048】
充放電回路の出力が空気圧縮機101のオン/オフ状態に対して確定的でないので、図9cに示すように、充放電回路の出力をトリガとしてオン/オフ状態を明確に区分するのにタイミング回路401が用いられている。
【0049】
タイミング回路401は、空気圧縮機101と102を直接動作させるのに十分なほど出力が高くないことに留意するのが重要である。したがって、リレースイッチ402が用いられており、リレースイッチ402では、図9cに示すように、タイミング回路401の出力がリレー回路402の制御入力となっている。抵抗器407が、タイミング回路401の出力がオンの時、電気的な短絡を防止するのに用いられている。
【0050】
図9dに示すように、タイミング回路401のオンサイクルにより、リレースイッチ402が、オンサイクルで高電力をデュアルヘッドの空気圧縮機101へ供給する経路を形成するように、充放電回路の、タイミング回路401からの出力によってリレースイッチ402が制御される。
【0051】
図9eに示すように、タイミング回路401のオフサイクルによって、リレースイッチ402は、シングルヘッドの空気圧縮機102への経路を形成する。空気圧縮機101のオンサイクルと空気圧縮機102のオフサイクルによって、上述したオン/オフサイクルが構成される。
【0052】
タイミング特性は、図9cおよび9dに示すように、携帯可能な人工呼吸器V2を適正に動作させるための、図9aの望ましいタイミング特性に一致していなくてはならないことに留意するのも重要である。
【0053】
警報サブシステムA2
図10に示すように、警報サブシステムA2は、修理可能を示すLED表示器502、修理不能を示すLED表示器503、および、患者の問題を示すLED表示器504に接続された光警報停止スイッチ501を含んでいる。LED表示器502、503、および504は、それぞれ、修理可能な問題、修理不能な問題、患者に関する問題を、携帯可能な人工呼吸器V2内で示すように構成されている。LED表示器502、503、および504は、携帯可能な人工呼吸器V2のハードシェル、すなわちハウジング100の外面100a上に配置されている。光警報停止スイッチ501は、ユーザUによってアクセス可能であり、必要な時に、LED警報502、503、および504を切り離すのに使用される。可聴警報停止スイッチ505が可聴警報スイッチ506に接続されている。可聴警報スイッチ506はハードシェル、すなわちハウジング100の外面100a上に配置されている。可聴警報停止スイッチ505は、ユーザUによってアクセス可能であり、必要な時に、可聴警報スイッチ506を切り離すのに使用される。
【0054】
低電圧検出回路507が、電圧が低すぎる時にそのことを示すために電力サブシステムP2のバッテリ電源201および電源スイッチ205に接続されている。低電圧検出回路507は、修理可能な問題をユーザUに知らせるために光警報停止スイッチ501および修理可能を示すLED表示器502にも接続されている。低電圧検出回路507は、ユーザUに対して音に基づく警報の報知を行うために可聴警報停止スイッチ505および可聴警報器に接続されている。
【0055】
パルス欠落/装置/構成要素故障検出回路508が制御サブシステムC2に接続されている。パルス欠落/装置/構成要素故障検出回路508は、修理不能な問題、すなわち携帯可能な人工呼吸器V2を交換する必要があることをユーザUに知らせるために光警報停止スイッチ501および修理不能を示すLED表示器503にも接続されている。パルス欠落/装置/構成要素故障検出回路508は、ユーザUに対して音に基づく警報の報知を行うために可聴警報停止スイッチ505および可聴警報器にも接続されている。
【0056】
二酸化炭素検出回路509が、二酸化炭素イベントカウンタ510および二酸化炭素イベントトリガ511に接続されている。二酸化炭素検出回路509、二酸化炭素イベントカウンタ510、および二酸化炭素イベントトリガ511は、呼気空気ae中の二酸化炭素濃度がわずかであるのを示すために空気圧サブシステムN2のカプノグラフセンサ、すなわちカプノグラフ室113に接続されている。二酸化炭素イベントトリガ511は、誤接続または患者の呼吸困難をユーザUに知らせるために光警報停止スイッチ501および患者の問題を示すLED表示器502にさらに接続されている。二酸化炭素検出回路509、二酸化炭素イベントカウンタ510、および二酸化炭素イベントトリガ511は、ユーザUに対して音に基づく警報の報知を行うために可聴警報停止スイッチ505および可聴警報器にも接続されている。
【0057】
呼気流検出回路512が、呼気イベントカウンタ513および呼気イベントトリガ514に接続されている。呼気流検出回路512、呼気イベントカウンタ513、および呼気イベントトリガ514は、空気圧サブシステムN2の圧力センサ112に接続されている。呼気イベントトリガ514は、誤接続または患者の呼吸困難をユーザUに知らせるために光警報停止スイッチ501および患者の異常を示すLED表示器502にさらに接続されている。呼気流検出回路512、呼気イベントカウンタ513、および呼気イベントトリガ514は、ユーザUに対して音に基づく警報の報知を行うために可聴警報停止スイッチ505および可聴警報器にも接続されている。
【0058】
周囲の空気aの圧力が高すぎる場合、または低すぎる場合に警報応答を発生するために、吸気圧力検出回路515が、吸気イベントカウンタ516および吸気イベントトリガ517に接続されている。吸気圧力検出回路515は、空気圧サブシステムN2の圧力センサ107に接続されている。吸気イベントトリガ517は、誤接続または患者の呼吸困難をユーザUに知らせるために光警報停止スイッチ501および患者の問題を示すLED表示器502にさらに接続されている。吸気圧力検出回路515、吸気イベントカウンタ516、および吸気イベントトリガ517は、ユーザUに対して音に基づく警報の報知を行うために可聴警報停止スイッチ505および可聴警報器にも接続されている。この吸気圧力検出回路515によって、予め設定された圧力閾値が超過された時に、患者Hを害するのを防止するために、リレー制御回路402dに、デュアルヘッドの空気圧縮機101の動作からシングルヘッドの空気圧縮機102の動作に即座に切り替えを行わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】携帯可能な人工呼吸器、空気圧サブシステム、電力サブシステム、センササブシステムの模式図である。
【図2】図1に示す空気圧サブシステムの模式図である。
【図3】図1に示す電力サブシステムの模式図である。
【図4】図1に示すセンササブシステムの模式図である。
【図5】図1に示す携帯可能な人工呼吸器の図である。
【図6】携帯可能な人工呼吸器、空気圧サブシステム、電力サブシステム、制御サブシステム、および警報サブシステムの模式図である。
【図6a】図6に示す携帯可能な人工呼吸器の図である。
【図7】図6に示す空気圧サブシステムの模式図である。
【図8】図6に示す電力サブシステムの模式図である。
【図9】図6に示す制御サブシステムの模式図である。
【図9a】デュアルヘッド圧縮機のオン/オフサイクルを示すグラフである。
【図9b】抵抗とコンデンサの充放電のタイミングサイクルのグラフである。
【図9c】タイミング回路の出力のグラフである。
【図9d】リレースイッチからデュアルヘッド圧縮機への、より高い電力のオン/オフサイクルを示すグラフである。
【図9e】リレースイッチからシングルヘッド圧縮機への、より高い電力のオン/オフサイクルを示すグラフである。
【図10】図6に示す警報サブシステムの模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能な人工呼吸器システムであって、
空気圧サブシステムと、電力サブシステムと、センササブシステムと、論理回路基板と、を有し、
さらに、前記論理回路基板はタイミング回路を有し、複数の前記サブシステムのそれぞれに接続されており、
さらに、前記空気圧サブシステム、前記電力サブシステム、および前記論理回路基板は、くぼんだ制御パネルを有するハウジング内に収容されるように構成されている、
携帯可能な人工呼吸器システム。
【請求項2】
携帯可能な人工呼吸器システムであって、
内部および外面を有するハードシェル装置ハウジングを有し、
前記内部は、空気圧サブシステム、制御サブシステム、および警報サブシステムに接続された電力サブシステムを含んでおり、
前記空気圧サブシステムは、シングルヘッド圧縮機に接続されたデュアルヘッド圧縮機を有し、該デュアルヘッド圧縮機と前記シングルヘッド圧縮機は交互に動作するように構成されており、
前記制御サブシステムは、リレーに接続されたタイミング回路を有し、前記リレーは、前記デュアルヘッド圧縮機の間のオン/オフサイクルを制御して、前記デュアルヘッド圧縮機と前記シングルヘッド圧縮機を交互に動作させることができるように、前記シングルヘッド圧縮機および前記デュアルヘッド圧縮機にさらに接続されており、
前記電力サブシステムは、電子回路に接続されたバッテリ電源を有し、前記電子回路は、調整された電力を前記空気圧サブシステム、前記制御サブシステム、および前記警報サブシステムへ供給するように電源ジャックに接続され、前記電子回路および前記電源ジャックは、さらに、外部電源に接続されるように構成されており、
前記電力サブシステムは、前記制御サブシステムへの電圧の変動を除去するために、電圧調整回路をさらに有し、前記電力サブシステムは、より低い電圧を前記制御サブシステムおよび前記警報サブシステムに供給するために第2の電圧調整回路も有しており、
前記警報サブシステムは、前記空気圧サブシステムに接続され、前記空気圧サブシステム内で患者の問題を検出するために、患者の問題を示すLED表示器をさらに有し、前記患者の問題を示す表示器は前記外面上に配置されており、
前記警報サブシステムは、修理不能を示すLED表示器に接続された故障検出回路をさらに有し、前記故障検出回路と前記修理不能を示すLED表示器は、前記制御サブシステム内で修理不能な問題を視覚的に検出するために、前記制御サブシステムに接続され、前記修理不能を示すLED表示器は前記外面上に配置されており、
前記警報サブシステムは、修理可能を示すLED表示器に接続された低電圧検出回路をさらに有し、該低電圧検出回路および前記修理可能を示すLED表示器は、前記電力サブシステム内で修理可能な問題を視覚的に検出するために、前記電力サブシステムに接続され、前記修理可能を示すLED表示器は前記外面上に配置されている、
携帯可能な人工呼吸器システム。
【請求項3】
前記空気圧サブシステムは、
周囲から吸気された空気を前記人工呼吸器内に入れることができるように構成された第1の入口ポートと、
前記周囲から吸気された空気を2つの流路に分けるように構成された医療用等級のY字型管の第1の部分と、
をさらに有し、
前記デュアルヘッド圧縮機は、第1および第2の入口ポートと、第1および第2の出口ポートと、を有し、前記両入口ポートは、前記Y字型管から前記周囲から吸気された空気を受け入れるように構成されており、前記デュアルヘッド圧縮機は、前記周囲から吸気された空気を圧縮するように構成されており、さらに、前記第1および第2の出口ポートは、圧縮された前記周囲から吸気された空気を前記デュアルヘッド圧縮機から発散させるように構成されており、
前記空気圧サブシステムは、前記圧縮された周囲から吸気された空気を受け取り、該圧縮された周囲から吸気された空気を第1の圧力センサおよび双方向型のフラッター弁に発散させるように構成された空気マニホールドをさらに有し、前記第1の圧力センサは、前記周囲から吸気された空気の圧力を検出するように構成されており、
前記フラッター弁は、圧縮された前記吸気された空気を受け入れるための第1の入口ポートと、前記吸気された空気を患者に送るように構成された双方向型の第2のポートとを有するように構成されており、
前記シングルヘッド圧縮機は、前記第2のポートが前記患者から呼気を受け取ることも可能とするように構成されており、さらに、前記フラッター弁は、前記呼気を前記第2のポートから第3の出口ポートに送るように構成され、該出口ポートは、前記呼気を第2のセンサによって監視できるようにし、かつ、二酸化炭素検出器に送ることができるように構成され、さらに、前記シングルヘッド圧縮機は、前記人工呼吸器からよどみ空気を除去するように構成されている、
請求項2に記載の携帯可能な人工呼吸器システム。
【請求項4】
前記制御サブシステムは、充放電サイクルを生じさせるために、第2の抵抗器およびコンデンサに接続された第1の抵抗器を有しており、
前記タイミング回路は、前記充放電サイクルに応じたオン/オフ状態を生じさせるために、前記第1の抵抗器、前記第2の抵抗器、および前記コンデンサに接続され、前記タイミング回路は前記リレーにさらに接続され、該リレーは、前記タイミング回路のオン/オフ状態に対応する前記オン/オフ状態に応じて、より高い電力を供給するように構成されており、
前記リレーは、リレー制御部と、スイッチバーと、をさらに有しており、前記リレー制御部は、前記スイッチバーを第2のコネクタ位置と第1のコネクタ位置との間で切り替えるように構成されており、
前記第2のコネクタ位置は、前記オン/オフサイクルで前記シングルヘッド圧縮機を動作させるために該シングルヘッド圧縮機に接続されており、
前記第1のコネクタ位置は、前記より高い電力のオン/オフ状態に対応する前記オン/オフサイクルで前記デュアルヘッド圧縮機を動作させるために該デュアルヘッド圧縮機に接続されている、
請求項3に記載の携帯可能な人工呼吸器システム。
【請求項5】
前記警報サブシステムは、光警報停止スイッチと、可聴警報停止スイッチに接続された可聴警報器と、をさらに有し、
前記光警報停止スイッチは、前記修理不能を示すLED表示器、前記修理可能を示すLED表示器、および前記患者の問題を示すLED表示器を停止させるように構成されており、
前記可聴警報器は、修理可能の表示、修理不能の表示、および患者の問題の表示に対応して音に基づく警報を生じさせるように構成され、前記可聴警報器は、前記外面上に配置され、さらに、前記可聴警報停止スイッチは、必要に応じて、前記可聴警報器をバイパスするように構成されている、
請求項4に記載の携帯可能な人工呼吸器システム。
【請求項6】
前記第2のセンサは圧力センサを有する、請求項5に記載の携帯可能な人工呼吸器システム。
【請求項7】
前記第2のセンサは流量センサを有する、請求項5に記載の携帯可能な人工呼吸器システム。
【請求項8】
携帯可能な人工呼吸器を動作させる方法であって、
(a)周囲から吸気された空気をデュアルヘッド圧縮機に引き込むステップと、
(b)シングルヘッド圧縮機をオフ状態に保持しながら、前記デュアルヘッド圧縮機内で前記周囲から吸気された空気を圧縮し、圧縮された前記空気の圧力を監視するステップと、
(c)圧縮された前記吸気された空気を空気マニホールドに送ってフラッター弁を開かせるステップと、
(d)前記圧縮された吸気された空気を前記空気マニホールドから前記フラッター弁へ入口ポートを通して送るステップと、
(e)前記圧縮された吸気された空気を、前記フラッター弁の双方向型の第2のポートを通して患者に送るステップと、
(f)前記デュアルヘッド圧縮機の動作時に、前記フラッター弁の呼気ポートを閉じた状態に保持するステップと、
(g)前記シングルヘッド圧縮機を動作させて前記入口ポートを閉じて前記呼気ポートを開き、前記シングルヘッド圧縮機をオンにした時に前記デュアルヘッド圧縮機をオフにし、前記患者からの呼気が双方向型の前記ポートに入ることができるようにするステップと、
(h)呼気を前記呼気ポートを通して送り、第2のセンサを用いて呼気の存在を確認するステップと、
(i)呼気を患者呼気ポートを通して前記人工呼吸器から除去するステップと、
を有する、携帯可能な人工呼吸器を動作させる方法。
【請求項9】
カプノグラフセンサを用いて呼気内の二酸化炭素濃度を測定するステップをさらに有する、請求項8に記載の、携帯可能な人工呼吸器を動作させる方法。
【請求項10】
(a)タイミング回路を用いて前記オン/オフサイクルを生じさせるステップと、
(b)リレースイッチを用いて前記デュアルヘッド圧縮機および前記シングルヘッド圧縮機のオン/オフサイクルを制御するステップと、
(c)前記携帯可能な人工呼吸器を用いて、前記デュアルヘッド圧縮機と前記シングルヘッド圧縮機の前記オン/オフサイクルに対応する、患者の吸気/呼気サイクルを生じさせるステップと、
(d)患者に関する問題に対応した視覚的警報および可聴警報を発生するステップと、
(e)人工呼吸器の修理可能な問題なおよび修理不能な問題に対応した視覚的警報および可聴警報を発生するステップと、
をさらに有する、請求項9に記載の、携帯可能な人工呼吸器を動作させる方法。
【請求項11】
圧力センサを前記第2のセンサとして用いることを含む、請求項10に記載の、携帯可能な人工呼吸器を動作させる方法。
【請求項12】
流量センサを前記第2のセンサとして用いることを含む、請求項10に記載の、携帯可能な人工呼吸器を動作させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−525273(P2007−525273A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500732(P2007−500732)
【出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/005717
【国際公開番号】WO2005/092416
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(504317570)セコス、 インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SEKOS, INC.