説明

自走式イオン発生機及び掃除ロボット

【課題】イオンを必要としている場所に対して効果的にイオンを散布することが可能な自走式イオン発生機を提供する。
【解決手段】自走式イオン発生機である掃除ロボット1は吸込口と排気口とを開口して床面上を自走する本体筐体と、本体筐体内に配置した電動送風機22と、電動送風機22と排気口との間の第2排気路内にイオンを放出するイオン発生装置25と、本体筐体の周辺環境を検知する環境検知装置(臭いセンサー52、湿度センサー53、人感センサー54及び走行マップ18a)と、を備え、環境検知装置が検知した本体筐体の周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、イオン発生装置25及び電動送風機22の駆動によって排気口からイオンを含む気流を送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面上を自走しながらイオンを送出する自走式イオン発生機に関する。また、本発明は、床面上を自走して掃除を実行しながらイオンを送出する掃除ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自走式イオン発生機が掃除ロボットとして特許文献1に開示されている。この掃除ロボットは平面視略円形の本体筐体に駆動輪が設けられて床面上を自走する。このとき、テーブル等の下方を掃除するために本体筐体は高さの低い薄型に形成される。
【0003】
上記従来の掃除ロボットにはイオンを発生するイオン発生装置が本体筐体内に配置されている。イオン発生装置は本体筐体の周面に開口する吐出口に連通したダクト内にイオンを放出する。このダクト内に配置したイオン送風機の駆動によって吐出口からイオンが送出される。
【0004】
また、掃除ロボットは床面の掃除を行うこともできる。本体筐体の下面には吸込口が開口し、本体筐体の周面には掃除時の進行方向に対して後方に排気口が開口する。本体筐体内には電動送風機及び集塵部が設けられる。
【0005】
上記構成の掃除ロボットにおいて、イオン送出運転が開始されると駆動輪、イオン発生装置及びイオン送風機が駆動される。本体筐体は駆動輪の回転によって室内の床面上を自走し、イオン発生装置及びイオン送風機により吐出口からイオンが送出される。これにより、室内の脱臭や除菌を行うことができる。
【0006】
そして、掃除運転が開始されると電動送風機により吸込口から塵埃を含む気流が吸い込まれる。気流に含まれた塵埃は集塵部で集塵され、塵埃を除去された気流が電動送風機を通過して周面の排気口から後方に排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−46616号公報(第4頁−第8頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の自走式イオン発生機は走行中の周辺一帯にイオンを送出している。これにより、所望の場所に対して効果的にイオンを散布することができず、脱臭や除菌といったイオンの効能が期待できないという問題があった。
【0009】
また、上記従来の掃除ロボットはユーザーの操作により停止した状態でもイオンを送出できるが、イオン散布を必要としている場所を自動的に特定して停止しているわけではない。これにより、脱臭や除菌といったイオンの効能を必要としている場所に対して効果的にイオンを散布することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、イオンを必要としている場所に対して効果的にイオンを散布することが可能な自走式イオン発生機及び掃除ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の自走式イオン発生機は、吸込口と排気口とを開口して床面上を自走する本体筐体と、前記本体筐体内に配置した電動送風機と、前記電動送風機と前記排気口との間の排気流路内にイオンを放出するイオン発生装置と、前記本体筐体の周辺環境を検知する環境検知装置と、を備え、前記環境検知装置が検知した前記本体筐体の周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、前記イオン発生装置及び前記電動送風機の駆動によって前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、自走式イオン発生機の本体筐体は床面上を自走し、電動送風機が駆動されると本体筐体に開口する吸込口から気流が吸い込まれる。本体筐体内に吸い込まれた気流は電動送風機を通過し、排気流路でイオン発生装置によってイオンが放出される。イオンを含む気流は本体筐体に開口する排気口から室内に送出される。なお、本体筐体は環境検知装置が検知した周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、排気口からイオンを含む気流を送出する。
【0013】
なお、ここで述べた「特定箇所」とは、環境検知装置が検知した本体筐体の周辺環境、例えば周辺の空気の状態に基づいて定められた箇所とすることができる。この特定箇所としては後述するように、例えば臭いセンサーが検知した臭気が漂う箇所や湿度センサーが検知した湿気が高い箇所などとすることができるが、これらに限定されるわけではない。また、「一定時間」は予め設定した本体筐体の任意の滞留時間である。
【0014】
また、上記構成の自走式イオン発生機において、前記環境検知装置が前記本体筐体の周辺の臭いを検知する臭いセンサーであって、前記臭いセンサーが所定閾値以上の臭いを検知したことに基づいてその検知箇所を前記特定箇所として一定時間留まり、前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、自走式イオン発生機は所定閾値以上の臭いを有する特定箇所に留まってイオンを含む気流を送出する。これにより、自走式イオン発生機は、例えば臭気が漂う箇所に対して重点的にイオンを散布する。
【0016】
また、上記構成の自走式イオン発生機において、前記環境検知装置が前記本体筐体の周辺の湿度を検知する湿度センサーであって、前記湿度センサーが所定閾値以上の湿度を検知したことに基づいてその検知箇所を前記特定箇所として一定時間留まり、前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、自走式イオン発生機は所定閾値以上の湿度を有する特定箇所に留まってイオンを含む気流を送出する。これにより、自走式イオン発生機は、例えば湿気が高い箇所に対して重点的にイオンを散布する。
【0018】
また、上記構成の自走式イオン発生機において、前記環境検知装置が自走式イオン発生機の設置場所周辺の前記特定箇所を記したマップであって、前記マップに記された前記特定箇所で一定時間留まり、前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、自走式イオン発生機は予めマップに記されたイオンを必要としている特定箇所に留まってイオンを含む気流を送出する。これにより、自走式イオン発生機は予めマップに記載された、例えば臭気が漂う箇所や湿気が高い箇所に対して重点的にイオンを散布する。
【0020】
また、上記構成の自走式イオン発生機において、人の存在を検知する人感センサーを備え、前記人感センサーからの検知情報に基づいて人の存在方向と前記排気口からの空気の排気方向とが異なるように前記本体筐体を変位させることを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、自走式イオン発生機は人の存在を検知すると、人が存在しない方向に向かって排気する。これにより、排気口から排気される空気が直接人に当たることが回避される。
【0022】
また、上記構成の自走式イオン発生機において、前記排気口から排気される空気の排気方向を変更可能な可動式ルーバーを備え、前記可動式ルーバーを変位させることにより、前記本体筐体の自走時の走行速度に応じて前記排気口から排気される空気の排気方向を異ならせることを特徴としている。
【0023】
この構成によれば、自走式イオン発生機は本体筐体の自走時の走行速度に応じて異なる方向に向かって空気を排気する。これにより、自走式イオン発生機は走行速度に応じて異なる領域に対してイオンを散布する。
【0024】
また、上記構成の自走式イオン発生機において、前記本体筐体の停止時より走行時のほうが上方に向かって空気を排気できるように前記可動式ルーバーを変位させることを特徴としている。
【0025】
この構成によれば、自走式イオン発生機は本体筐体の走行速度が高速になるに従ってより広い領域に対してイオンを散布する。
【0026】
また、本発明は、上記構成の自走式イオン発生機に、前記電動送風機の駆動によって前記吸込口から吸い込まれた気流の塵埃を集塵する集塵部を設けたことを特徴とする掃除ロボットである。
【0027】
この構成によれば、掃除ロボットの本体筐体は床面上を自走し、電動送風機が駆動されると本体筐体に開口する吸込口から塵埃を含む気流が吸い込まれる。気流に含まれる塵埃は集塵部で集塵される。集塵部で塵埃を除去された気流は電動送風機を通過し、排気流路でイオン発生装置によってイオンが放出される。イオンを含む気流は本体筐体に開口する排気口から室内に送出される。なお、本体筐体は環境検知装置が検知した周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、排気口からイオンを含む気流を送出する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の構成によれば、自走式イオン発生機及び掃除ロボットはその周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、排気口からイオンを含む気流を送出する。これにより、特定箇所、例えば臭気が漂う箇所や湿気が高い箇所に対して重点的にイオンを散布することができる。したがって、イオンを必要としている場所に対して効果的にイオンを散布することが可能な自走式イオン発生機及び掃除ロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る掃除ロボット(自走式イオン発生機)の斜視図である。
【図2】図1に示す掃除ロボットの垂直断面側面図である。
【図3】図2に示す掃除ロボットの前部の拡大垂直断面側面図である。
【図4】図2の掃除ロボットの集塵部を取り外した状態を示す垂直断面側面図である。
【図5】図2に示す掃除ロボットのモータユニットの斜視図である。
【図6】図1の掃除ロボットの構成を示すブロック図である。
【図7】図1の掃除ロボットの臭い検知に係る動作を示すフローチャートである。
【図8】図1の掃除ロボットの湿度検知に係る動作を示すフローチャートである。
【図9】図1の掃除ロボットの走行マップに係る動作を示すフローチャートである。
【図10】図1の掃除ロボットの人検知に係る動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図1〜図10に基づき説明する。なお、ここでは自走式イオン発生機の一例として掃除ロボットを掲げて説明するものとする。
【0031】
最初に、本発明の実施形態に係る自走式イオン発生機の一例としての掃除ロボットについて、図1〜図6を用いてその構造を説明しつつ集塵動作を説明する。図1は掃除ロボットの斜視図、図2は掃除ロボットの垂直断面側面図、図3は掃除ロボットの前部の拡大垂直断面側面図、図4は掃除ロボットの集塵部を取り外した状態を示す垂直断面側面図、図5は掃除ロボットのモータユニットの斜視図、図6は掃除ロボットの構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、掃除ロボット1はバッテリー13により駆動輪5(いずれも図2参照)を駆動して自走する平面視円形の本体筐体2を有している。本体筐体2の上面には集塵部30(図2参照)を出し入れする際に開閉する蓋部3が設けられている。
【0033】
図2に示すように、本体筐体2には底面から突出する一対の駆動輪5が配置されている。駆動輪5の回転軸は本体筐体2の中心線C上に配置されている。駆動輪5の両輪が同一方向に回転すると本体筐体2が進退し、逆方向に回転すると本体筐体2が移動することなくその場で中心線Cの回りに回転、すなわち旋回する。駆動輪5は走行モータ51(図6参照)によって駆動される。
【0034】
掃除を行う際に移動方向の前方となる本体筐体2の前部には吸込口6が下面に設けられている。吸込口6は本体筐体2の底面に凹設した凹部8の開放面によって床面Fに面して形成されている。凹部8内には水平な回転軸で回転する回転ブラシ9が配置され、凹部8の両側方には垂直な回転軸で回転するサイドブラシ10が配置されている。
【0035】
凹部8の前方にはローラー形状の前輪15が設けられている。本体筐体2の後端には自在車輪から成る後輪16が設けられている。前輪15は通常床面Fから離れ、回転ブラシ9、駆動輪5及び後輪16が床面Fに接地して掃除が行われる。前輪15は進路上に現れた段差に接地し、本体筐体2が段差を容易に乗り越えられるようになっている。
【0036】
本体筐体2の周面の後端にはバッテリー13の充電を行う充電端子4が設けられている。本体筐体2は自走して室内に設置される充電台40に帰還し、充電台40に設けた端子部41に充電端子4が接してバッテリー13を充電する。商用電源に接続される充電台40は通常、室内の側壁Sに沿って設置されている。
【0037】
本体筐体2内には塵埃を集塵する集塵部30が配置されている。集塵部30は本体筐体2に設けた集塵室39内に収納されている。集塵室39は四方の周面及び底面が覆われた隔離室として形成され、前壁を除く各壁面は閉塞されている。集塵室39の前壁には凹部8に連通する第1吸気路11及び凹部8の上方に配置され後述するモータユニット20に連通する第2吸気路12が導出されている。
【0038】
集塵部30は本体筐体2の中心線C上に配置され、図4に示すように本体筐体2の蓋部3を開いて出し入れすることができる。集塵部30は有底筒状の集塵容器31の上面にフィルタ33を有する上部カバー32が取り付けられている。上部カバー32は可動の係止部32aにより集塵容器31に係止され、係止部32aの操作によって集塵容器31から取り外すことができる。これにより、集塵容器31に堆積した塵埃を廃棄することができる。
【0039】
集塵容器31の周面には先端に流入口34aを開口して第1吸気路11に連通する流入路34が導出されている。集塵容器31内には流入路34に連続して屈曲により下方に気流を導く流入部34bが設けられている。上部カバー32の周面には先端に流出口35aを開口して第2吸気路12に連通する流出路35が導出されている。
【0040】
流入口34a及び流出口35aの周囲には集塵室39の前壁に密接するパッキン(不図示)が設けられている。これにより、集塵部30を収納した集塵室39内が密閉される。集塵室39の前壁は傾斜面に形成され、集塵部30の出し入れ時の摺動によるパッキンの劣化を防止することができる。
【0041】
本体筐体2内の集塵室39の後方上部には後述するCPU14a(図6参照)を擁する制御基板14が配置されている。制御基板14には掃除ロボット1の各部を制御するCPU14aを含む制御回路が設けられている。集塵室39の後方の下部には着脱自在のバッテリー13が配置されている。バッテリー13は充電端子4を介して充電台40から充電され、制御基板14に電力を供給し、駆動輪5、回転ブラシ9、サイドブラシ10及び電動送風機22等の各モータ部に電力を供給する。
【0042】
本体筐体2の前部にはモータユニット20が配置されている。モータユニット20は、図5に示すように樹脂成形品のハウジング21とハウジング21内に収納される電動送風機22とを備えている。電動送風機22はモータケース22aで覆われたターボファンにより形成される。
【0043】
電動送風機22のモータケース22aには軸方向の一端に吸気口(不図示)が開口し、周面の2箇所に排気口(不図示)が開口している。ハウジング21の前面にはモータケース22aの吸気口に対向するとともに第2吸気路12に連通する開口部23が設けられている。ハウジング21の電動送風機22の両側方にはモータケース22aの各排気口にそれぞれ連通する第1排気路24a及び第2排気路24bが設けられている。第1、第2排気路24a、24bは本体筐体2の上面に設けた排気口7(図2及び図3参照)に連通している。排気口7は本体筐体2の前後方向に対して直角をなす横方向に延びている。
【0044】
第1排気路24aには一対の電極(不図示)を有したイオン発生装置25が配置されている。イオン発生装置25の電極には交流波形またはインパルス波形から成る電圧が印加され、電極のコロナ放電により生成されたイオンが第1排気路24a、すなわち電動送風機22と排気口7との間の排気流路に放出される。
【0045】
一方の電極には正電圧が印加され、コロナ放電による水素イオンが空気中の水分と結合して主としてH+(H2O)mから成るプラスイオンを発生する。他方の電極には負電圧が印加され、コロナ放電による酸素イオンが空気中の水分と結合して主としてO2-(H2O)nから成るマイナスイオンを発生する。ここで、m、nは任意の自然数である。H+(H2O)m及びO2-(H2O)nは空気中の浮遊菌や臭い成分の表面で凝集してこれらを取り囲む。
【0046】
そして、式(1)〜(3)に示すように、衝突により活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH22(過酸化水素)を微生物等の表面上で凝集生成して浮遊菌や臭い成分を破壊する。ここで、m’、n’は任意の自然数である。従って、プラスイオン及びマイナスイオンを発生して排気口7から送出することにより室内の除菌及び脱臭を行うことができる。
【0047】
+(H2O)m+O2-(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2-(H2O)n+O2-(H2O)n’
→ 2・OH+O2+(m+m'+n+n')H2O ・・・(2)
+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2-(H2O)n+O2-(H2O)n’
→ H22+O2+(m+m'+n+n')H2O ・・・(3)
【0048】
排気口7の外側であって空気流通方向下流には可動式のルーバー17が配置されている。ルーバー17は排気口7同様、本体筐体2の前後方向に対して直角をなす横方向に延びている。ルーバー17は本体筐体2の前後方向に対して直角をなす横方向に延びる軸線を中心として搖動して角度変更することができる。ルーバー17は制御基板14からの制御信号を受けて、排気口7から排気される空気の排気方向を上下方向に変更可能である。
【0049】
そして、掃除ロボット1はルーバー17を変位させることにより、本体筐体2の自走時の走行速度に応じて排気口7から排気される空気の排気方向を異ならせることができる。例えば、掃除ロボット1は本体筐体2の停止時より走行時のほうが上方に向かって空気を排気できるようにルーバー17を上方に向けて変位させる。また、予め定められた低速走行、高速走行各々の状態に応じてルーバー17を変位させ、低速走行時及び高速走行時各々において排気口7から排気される空気の排気方向を異ならせることも可能である。
【0050】
ここで、制御基板14は掃除ロボット1全体の動作制御のため、図6に示すCPU14aやその他の図示しない電子部品で構成されている。CPU14aは中央演算処理装置であって、記憶部18等に記憶、入力されたプログラム、データに基づき電動送風機22、イオン発生装置25、走行モータ51、ルーバー17などといった構成要素を制御して一連の掃除運転やイオン送出運転を実現する。
【0051】
なお、掃除ロボット1は電動送風機22を駆動するためのモータドライバ22aや走行モータ51を駆動するためのモータドライバ51a、ルーバー17を駆動するための制御ユニット17aをそれぞれ備えている。CPU14aはモータドライバ22a、モータドライバ51a及び制御ユニット17a各々に制御信号を送信し、電動送風機22、走行モータ51及びルーバー17を駆動させる。
【0052】
また、CPU14aはユーザーによる掃除ロボット1の動作に係る条件設定を操作パネル(不図示)から受け付け、記憶部18等に記憶させる。さらに、記憶部18は掃除ロボット1の設置場所周辺の走行マップ18aを記憶することができる。走行マップ18aには掃除ロボット1の走行経路や走行速度などといった走行に係る情報を予めユーザーが、或いは掃除ロボット1自身が自動的に記録することができる。
【0053】
また、掃除ロボット1は本体筐体2の周辺環境を検知する環境検知装置として臭いセンサー52と湿度センサー53とを備えている。
【0054】
臭いセンサー52は本体筐体2の周辺の臭いを検知する。臭いセンサー52は、例えば半導体式や接触燃焼式の臭いセンサーで構成され、掃除ロボット1の外部の臭いを検知するために装置外装の近傍に配置されている。CPU14aは制御ユニット52aを介して臭いセンサー52と接続され、臭いセンサー52から得られる出力に基づいて本体筐体2の外部周辺の臭い情報を得る。
【0055】
湿度センサー53は本体筐体2の周辺の湿度を検知する。湿度センサー53は、例えば高分子感湿材料を用いた静電容量式や電気抵抗式の湿度センサーで構成され、掃除ロボット1の外部の相対湿度を検知するために装置外装の近傍に配置されている。CPU14aは制御ユニット53aを介して湿度センサー53と接続され、湿度センサー53から得られる出力に基づいて本体筐体2の外部周辺の湿度情報を得る。
【0056】
なお、走行マップ18aには所定の閾値以上の臭気が漂う箇所や所定の閾値以上に湿気が高い箇所が掃除ロボット1の設置場所周辺の環境に係る特定箇所として予め記されている。CPU14aがこの特定箇所を本体筐体の周辺環境に基づいて定めた箇所であると判断するので、走行マップ18aは臭いセンサー52や湿度センサー53同様、本体筐体2の周辺環境を検知する環境検知装置としての役割を果たす。
【0057】
また、掃除ロボット1は本体筐体2周辺の人の存在を検知するための人感センサー54を備えている。人感センサー54は、例えば赤外線や超音波、可視光によって人の存在を検知する人感センサーで構成され、掃除ロボット1外部の人の存在を検知するために装置外装の近傍に配置されている。CPU14aは制御ユニット54aを介して人感センサー54と接続され、人感センサー54から得られる出力に基づいて本体筐体2の外部周辺の人の存在情報を得る。
【0058】
上記構成の掃除ロボット1において、掃除運転が指示されると、電動送風機22、イオン発生装置25、駆動輪5、回転ブラシ9及びサイドブラシ10が駆動される。これにより、本体筐体2は回転ブラシ9、駆動輪5及び後輪16が床面Fに接地して所定の範囲を自走し、吸込口6から床面Fの塵埃を含む気流を吸い込む。このとき、回転ブラシ9の回転によって床面F上の塵埃が掻き上げられて凹部8内に導かれる。また、サイドブラシ10の回転によって吸込口6の側方の塵埃が吸込口6に導かれる。
【0059】
吸込口6から吸い込まれた気流は矢印A1に示すように第1吸気路11を後方に流通し、流入口34aを介して集塵部30に流入する。集塵部30に流入した気流はフィルタ33により塵埃が捕集され、流出口35aを介して集塵部30から流出する。これにより、集塵容器31内に塵埃が集塵して堆積する。集塵部30から流出した気流は矢印A2に示すように第2吸気路12を前方に流通し、開口部23を介してモータユニット20の電動送風機22に流入する。
【0060】
電動送風機22を通過した気流は第1排気路24a及び第2排気路24bを流通する。第1排気路24aを流通する気流にはイオン発生装置25が放出するイオンが含まれる。そして、本体筐体2の上面に設けた排気口7から矢印A3に示すように上方後方に向けて斜め方向にイオンを含む気流が排気される。これにより、室内の掃除が行われるとともに、自走する本体筐体2の排気に含まれるイオンが室内に行き渡って室内の除菌や脱臭が行われる。このとき、排気口7から上方に向けて排気するので、床面Fの塵埃の巻き上げを防止して室内の清浄度を向上することができる。
【0061】
なお、掃除ロボット1は上記のように掃除運転とイオン送出運転とを同時に実行できるほか、掃除運転とイオン送出運転とを各々単独で実行することも可能である。
【0062】
また、駆動輪5の両輪を互いに逆方向に回転すると本体筐体2が中心線Cを中心に回転して向きを変え、旋回する。これにより、所望の範囲全体に本体筐体2を自走させるとともに障害物を避けて自走させることができる。なお、駆動輪5の両輪を前進時に対して反転して本体筐体2を後退させても良い。
【0063】
掃除が終了すると、本体筐体2は自走して充電台40に帰還する。これにより、充電端子4が端子部41に接してバッテリー13が充電される。
【0064】
そして、掃除ロボット1は環境検知装置である臭いセンサー52、湿度センサー53及び走行マップ18aや人感センサー54から得られる情報に基づいて独特の動作を実行する。例えば、本体筐体2は環境検知装置が検知した周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、排気口7からイオンを含む気流を送出する。それらの動作について以下、図7〜図10に示す動作フローを用いて説明する。
【0065】
まず、掃除ロボット1の臭い検知に係る動作について、図7に示すフローに沿って説明する。図7は掃除ロボット1の臭い検知に係る動作を示すフローチャートである。
【0066】
掃除ロボット1の運転が開始されると(図7のスタート)、CPU14aは本体筐体2を走行させて掃除及びイオン送出を実行しながら、制御ユニット52aを介して臭いセンサー52を作動させる(図7のステップ#101)。そして、臭いセンサー52が所定の閾値以上の臭いを検知したか否かを判定する(ステップ#102)。なお、臭いについての閾値は予め定められて記憶部18などに記憶されている。臭いセンサー52が所定の閾値以上の臭いを検知していない場合(ステップ#102のNo)、ステップ#101に戻って臭いセンサー52による臭い検知が継続される。
【0067】
臭いセンサー52が所定の閾値以上の臭いを検知した場合(ステップ#102のYes)、CPU14aはモータドライバ51aを介して走行モータ51を制御し、本体筐体2の走行を停止させる(ステップ#103)。続いて、計時部(不図示)を用いた時間の計測が開始される(ステップ#104)。
【0068】
次に、掃除ロボット1は駆動輪5の両輪を逆方向に回転して本体筐体2が移動することなくその場で中心線Cの回りに旋回する(ステップ#105)。そして、ステップ#104で開始した計時に関して一定時間、例えば30秒が経過したか否かを判定する(ステップ#106)。この予め30秒と設定した一定時間は本体筐体2の任意の滞留時間であって適宜任意に設定することができ、記憶部18などに記憶しておく。
【0069】
30秒が経過するまで(ステップ#106のNo)、掃除ロボット1はステップ#105の旋回動作を繰り返す。これにより、掃除ロボット1は臭いセンサー52が所定閾値以上の臭いを検知したことに基づいてその検知箇所を特定箇所として一定時間留まり、排気口7からイオンを含む気流を送出する。
【0070】
30秒が経過すると(ステップ#106のYes)、掃除ロボット1は計時と旋回動作とを終了する(ステップ#107)。そして、掃除ロボット1は通常の走行を再開し(ステップ#108)、ステップ#101に戻って臭いセンサー52による臭い検知が継続される。
【0071】
続いて、掃除ロボット1の湿度検知に係る動作について、図8に示すフローに沿って説明する。図8は掃除ロボット1の湿度検知に係る動作を示すフローチャートである。
【0072】
掃除ロボット1の運転が開始されると(図8のスタート)、CPU14aは本体筐体2を走行させて掃除及びイオン送出を実行しながら、制御ユニット53aを介して湿度センサー53を作動させる(図8のステップ#201)。そして、湿度センサー53が所定の閾値以上の湿度を検知したか否かを判定する(ステップ#202)。なお、湿度についての閾値は予め定められて記憶部18などに記憶されている。湿度センサー53が所定の閾値以上の湿度を検知していない場合(ステップ#202のNo)、ステップ#201に戻って湿度センサー53による湿度検知が継続される。
【0073】
湿度センサー53が所定の閾値以上の湿度を検知した場合(ステップ#202のYes)、CPU14aはモータドライバ51aを介して走行モータ51を制御し、本体筐体2の走行を停止させる(ステップ#203)。続いて、計時部(不図示)を用いた時間の計測が開始される(ステップ#204)。
【0074】
次に、掃除ロボット1は駆動輪5の両輪を逆方向に回転して本体筐体2が移動することなくその場で中心線Cの回りに旋回する(ステップ#205)。そして、ステップ#204で開始した計時に関して一定時間、例えば30秒が経過したか否かを判定する(ステップ#206)。この予め30秒と設定した一定時間は本体筐体2の任意の滞留時間であって適宜任意に設定することができ、記憶部18などに記憶しておく。
【0075】
30秒が経過するまで(ステップ#206のNo)、掃除ロボット1はステップ#205の旋回動作を繰り返す。これにより、掃除ロボット1は湿度センサー53が所定閾値以上の湿度を検知したことに基づいてその検知箇所を特定箇所として一定時間留まり、排気口7からイオンを含む気流を送出する。
【0076】
30秒が経過すると(ステップ#206のYes)、掃除ロボット1は計時と旋回動作とを終了する(ステップ#207)。そして、掃除ロボット1は通常の走行を再開し(ステップ#208)、ステップ#201に戻って湿度センサー53による湿度検知が継続される。
【0077】
続いて、掃除ロボット1の走行マップ18aに係る動作について、図9に示すフローに沿って説明する。図9は掃除ロボット1の走行マップ18aに係る動作を示すフローチャートである。
【0078】
掃除ロボット1の運転が開始されると(図9のスタート)、CPU14aは本体筐体2を走行させて掃除及びイオン送出を実行しながら、走行マップ18aのチェックを実行する(図9のステップ#301)。そして、本体筐体2の現在地と走行マップ18aに記された情報とに基づいて所定の閾値以上の臭気が漂う箇所、或いは所定の閾値以上に湿気が高い箇所に到達したが否かを判定する(ステップ#302)。なお、走行マップ18aは所定の閾値以上の臭気が漂う箇所や所定の閾値以上に湿気が高い箇所が掃除ロボット1の設置場所周辺の環境に係る特定箇所として予め記され、記憶部18などに記憶されている。本体筐体2がその周辺環境に係る特定箇所に到達していない場合(ステップ#302のNo)、ステップ#301に戻って走行マップ18aのチェックを実行しながら走行が継続される。
【0079】
本体筐体2がその周辺環境に係る特定箇所に到達した場合(ステップ#302のYes)、CPU14aはモータドライバ51aを介して走行モータ51を制御し、本体筐体2の走行を停止させる(ステップ#303)。続いて、計時部(不図示)を用いた時間の計測が開始される(ステップ#304)。
【0080】
次に、掃除ロボット1は駆動輪5の両輪を逆方向に回転して本体筐体2が移動することなくその場で中心線Cの回りに旋回する(ステップ#305)。そして、ステップ#304で開始した計時に関して一定時間、例えば30秒が経過したか否かを判定する(ステップ#306)。この予め30秒と設定した一定時間は本体筐体2の任意の滞留時間であって適宜任意に設定することができ、記憶部18などに記憶しておく。
【0081】
30秒が経過するまで(ステップ#306のNo)、掃除ロボット1はステップ#305の旋回動作を繰り返す。これにより、掃除ロボット1は走行マップ18aに記された所定の閾値以上の臭気が漂う箇所や所定の閾値以上に湿気が高い箇所としての特定箇所で一定時間留まり、排気口7からイオンを含む気流を送出する。
【0082】
30秒が経過すると(ステップ#306のYes)、掃除ロボット1は計時と旋回動作とを終了する(ステップ#307)。そして、掃除ロボット1は通常の走行を再開し(ステップ#308)、ステップ#301に戻って走行マップ18aのチェックを実行しながら走行が継続される。
【0083】
なお、上記のように掃除ロボット1の設置場所全体に対する運転の途中で走行マップ18aに記された特定箇所に到達したときに一定時間留まる方法のほか、掃除ロボット1の運転の開始時または終了時に特定箇所に移動させ一定時間留まるようにしても良い。
【0084】
続いて、掃除ロボット1の人検知に係る動作について、図10に示すフローに沿って説明する。図10は掃除ロボット1の人検知に係る動作を示すフローチャートである。
【0085】
掃除ロボット1の運転が開始されると(図10のスタート)、CPU14aは本体筐体2を走行させて掃除及びイオン送出を実行しながら、制御ユニット54aを介して人感センサー54を作動させる(図10のステップ#401)。そして、人感センサー54が排気口7からの空気の排気方向に人の存在を検知したか否かを判定する(ステップ#402)。人感センサー54が排気口7からの排気方向に人の存在を検知していない場合(ステップ#402のNo)、ステップ#401に戻って人感センサー54による人の存在の検知が継続される。
【0086】
人感センサー54が排気口7からの排気方向に人の存在を検知した場合(ステップ#402のYes)、掃除ロボット1は駆動輪5の両輪の回転速度を異ならせて本体筐体2が回転しながら移動するようにする(ステップ#403)。そして、人感センサー54が検知した人の存在する方向と排気口7からの排気方向とが一致するか否かを判定する(ステップ#404)。
【0087】
人の存在する方向と排気口7からの排気方向とが一致している間(ステップ#404のYes)、掃除ロボット1はステップ#403の回転移動動作を繰り返す。これにより、掃除ロボット1は人感センサー54からの検知情報に基づいて人の存在方向と排気口7からの空気の排気方向とが異なるように本体筐体2を変位させる。
【0088】
人の存在する方向と排気口7からの排気方向とが一致しなくなると(ステップ#404のNo)、掃除ロボット1は回転移動動作を終了する(ステップ#405)。そして、掃除ロボット1は通常の走行を再開し(ステップ#406)、ステップ#401に戻って人感センサー54による人の存在の検知が継続される。
【0089】
上記のように、掃除ロボット1は本体筐体2内の第1排気路24aにイオンを放出するイオン発生装置25と、本体筐体2の周辺環境を検知する環境検知装置(例えば臭いセンサー52、湿度センサー53及び走行マップ18a)と、を備え、環境検知装置が検知した本体筐体2の周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、排気口7からイオンを含む気流を送出する。これにより、掃除ロボット1はイオン散布を必要としている場所を自動的に特定して留まることができ、特定された所望の場所に対して効果的にイオンを散布することが可能である。
【0090】
また、掃除ロボット1は上記環境検知装置が本体筐体2の周辺の臭いを検知する臭いセンサー52であって、所定閾値以上の臭いを有する特定箇所に留まってイオンを含む気流を送出する。したがって、掃除ロボット1は臭気が漂う箇所に対して重点的にイオンを散布することが可能である。
【0091】
また、掃除ロボット1は上記環境検知装置が本体筐体2の周辺の湿度を検知する湿度センサー53であって、所定閾値以上の湿度を有する特定箇所に留まってイオンを含む気流を送出する。したがって、掃除ロボット1は湿気が高い箇所に対して重点的にイオンを散布することが可能である。
【0092】
また、掃除ロボット1は上記環境検知装置が掃除ロボット1の設置場所周辺の特定箇所を記した走行マップ18aであって、予め走行マップ18aに記されたイオンを必要としている特定箇所に留まってイオンを含む気流を送出する。したがって、掃除ロボット1は予め走行マップ18aに記載された臭気が漂う箇所や湿気が高い箇所に対して重点的にイオンを散布することが可能である。
【0093】
なお、上記「特定箇所」は、環境検知装置が検知した本体筐体2の周辺環境、例えば周辺の空気の状態に基づいて定められた箇所とすることができる。この特定箇所としては、例えば上記のように臭いセンサー52が検知した臭気が漂う箇所や湿度センサー53が検知した湿気が高い箇所などとすることができるが、これらに限定されるわけではない。
【0094】
また、掃除ロボット1は人感センサー54からの検知情報に基づいて人の存在方向と排気口7からの空気の排気方向とが異なるように本体筐体2を変位させるので、人の存在を検知すると人が存在しない方向に向かって排気する。したがって、排気口7から排気される空気が直接人に当たることが回避され、人が不快感を覚えることを抑制することが可能である。
【0095】
また、掃除ロボット1は可動式のルーバー17を変位させることにより、本体筐体2の自走時の走行速度に応じて排気口7から排気される空気の排気方向を異ならせるので、走行速度に応じて異なる領域に対してイオンを散布する。特に、掃除ロボット1は本体筐体2の停止時より走行時のほうが上方に向かって空気を排気できるようにルーバー17を変位させる。これにより、掃除ロボット1は本体筐体2の走行速度が高速になるに従ってより広い領域に対してイオンを散布する。したがって、より広い領域において、脱臭や除菌といったイオンの効能を期待することができる。
【0096】
そして、本発明の上記実施形態の構成によれば、掃除ロボット1の本体筐体2は環境検知装置が検知した周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、排気口7からイオンを含む気流を送出する。これにより、掃除ロボット1はイオン散布を必要としている場所を自動的に特定して停止することができ、特定された所望の場所に対して効果的にイオンを散布することが可能である。したがって、イオンを必要としている場所に対して効果的にイオンを散布することが可能な自走式イオン発生機である掃除ロボット1を提供することができる。
【0097】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によると、床面上を自走する自走式イオン発生機及び掃除ロボットに利用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 掃除ロボット(自走式イオン発生機)
2 本体筐体
5 駆動輪
6 吸込口
7 排気口
8 凹部
9 回転ブラシ
10 サイドブラシ
11 第1吸気路
12 第2吸気路
13 バッテリー
14 制御基板
14a CPU
17 ルーバー
18 記憶部
18a 走行マップ(環境検知装置、マップ)
20 モータユニット
21 ハウジング
22 電動送風機
23 開口部
24a 第1排気路
24b 第2排気路(排気流路)
25 イオン発生装置
30 集塵部
31 集塵容器
51 走行モータ
52 臭いセンサー(環境検知装置)
53 湿度センサー(環境検知装置)
54 人感センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と排気口とを開口して床面上を自走する本体筐体と、
前記本体筐体内に配置した電動送風機と、
前記電動送風機と前記排気口との間の排気流路内にイオンを放出するイオン発生装置と、
前記本体筐体の周辺環境を検知する環境検知装置と、を備え、
前記環境検知装置が検知した前記本体筐体の周辺環境に基づいて定めた特定箇所に一定時間留まり、前記イオン発生装置及び前記電動送風機の駆動によって前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴とする自走式イオン発生機。
【請求項2】
前記環境検知装置が前記本体筐体の周辺の臭いを検知する臭いセンサーであって、
前記臭いセンサーが所定閾値以上の臭いを検知したことに基づいてその検知箇所を前記特定箇所として一定時間留まり、前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴とする請求項1に記載の自走式イオン発生機。
【請求項3】
前記環境検知装置が前記本体筐体の周辺の湿度を検知する湿度センサーであって、
前記湿度センサーが所定閾値以上の湿度を検知したことに基づいてその検知箇所を前記特定箇所として一定時間留まり、前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴とする請求項1に記載の自走式イオン発生機。
【請求項4】
前記環境検知装置が自走式イオン発生機の設置場所周辺の前記特定箇所を記したマップであって、
前記マップに記された前記特定箇所で一定時間留まり、前記排気口からイオンを含む気流を送出することを特徴とする請求項1に記載の自走式イオン発生機。
【請求項5】
人の存在を検知する人感センサーを備え、
前記人感センサーからの検知情報に基づいて人の存在方向と前記排気口からの空気の排気方向とが異なるように前記本体筐体を変位させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の自走式イオン発生機。
【請求項6】
前記排気口から排気される空気の排気方向を変更可能な可動式ルーバーを備え、
前記可動式ルーバーを変位させることにより、前記本体筐体の自走時の走行速度に応じて前記排気口から排気される空気の排気方向を異ならせることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の自走式イオン発生機。
【請求項7】
前記本体筐体の停止時より走行時のほうが上方に向かって空気を排気できるように前記可動式ルーバーを変位させることを特徴とする請求項6に記載の自走式イオン発生機。
【請求項8】
請求項1〜請求項7に記載の自走式イオン発生機に、前記電動送風機の駆動によって前記吸込口から吸い込まれた気流の塵埃を集塵する集塵部を設けたことを特徴とする掃除ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−81604(P2013−81604A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223149(P2011−223149)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【特許番号】特許第5165784号(P5165784)
【特許公報発行日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】