説明

自電車(自力発電機付電車装置車)

【課題】電車の走行中に発電し、その余剰電力を用いて電車の発進時や室内灯や夜間灯等の電力に使用する。
【解決手段】電車に走行用車輪の他に、発電用車輪を設け車輪9の横軸8にその回転を縦回転に変換する縦回転伝達ギヤ1を介して縦回転に変換する。その縦回転をプロペラシャフト等の縦軸2を介して発電機5の横回転伝達ギヤ3へ伝達し、電車の走行中に車輪9の回転を発電機5に伝達して発電する。さらに、走行中に発電した電力を蓄電池7に貯蔵する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電車が送電線及び架線からの送電を受けず、電車自体(自電車)で発電しながら走行する方法の考えである。走行中の車輪の輪軸回転をデファレンシャルギア(自動車のエンジン回転をタイヤに伝達する装置)又はWormGear.ギヤ等を利用してプロペラシャフト(これも自動車と同じ装置)により縦軸方向に回転変化させる、その動力を発電機(ダイナモ)に伝達して発電する、発電した電気でモ−タ−を稼動して電車を走行させる、その走行中に発電し発生した余剰電気を備え付けバッテリ−に貯電して置き、電車の発進時(始動時)に最大電力を必要とするので、またそれ以外の余剰電気は室内灯、夜間灯、駅の照明等に使用する。
【背景技術】
【0002】
「電車の欠点」
電車は送電線及び架線から電気を受けて走行している、その電気は火力発電所、又は原子力発電所で発電したものである、火力発電は化石燃料を主体に燃焼させて高温水蒸気を発生させ、それをタ−ビンに噴射し羽根車を高速回転させて発電している、原子力発電も燃焼させるもの違いがあるが高温水蒸気でタ−ビンを回転させて発電している。電車の電気使用量は全国の発電所総発電力の何割を消費して電車を運行(他力本願)し発電所に多大の負荷を負わせている。
「火力発電所の欠点」
火力発電は化石燃料(石油、石炭、ガス等)を燃焼させたエネルキ−により発電する、将来的には資源の枯渇が懸念されており、未来永劫その確保が保障されたものではない、その上、化石燃料が枯渇してくれば国家同士の紛争等に発展する可能性を秘めた危険極まりない事態になる。
現状では産油国自身の都合による原油の生産調整等に伴い安定的に供給されていないことや、投機グル−プによるマネ−ゲ−ムの影響等で原油価格が安定せずに日々ガソリン単価が変化しているのが現状で、世界経済及び日本経済は不安定な状態で国民の生活をも脅かすような情勢になっている。
その中でも最も大問題は大量に排出される煤煙によるCO2、硫黄酸化物等の大気汚染物の排出による地球規模での環境汚染破壊、温暖化の問題で地球に対して多大なる負荷を掛けている。
火力発電は現在社会では最大の発電能力を有し世界的にも普及しているが、グロ−バル的な見地でみれば地球に対して最大級の温暖化、環境汚染等の問題を拡大させており、大きなリスクを負った発電方法であり、他に変わる発電が開発されれば即刻中止するべき発電である。
【原子力発電の欠点】
東京電力福島第1原子炉の爆発事故1〜4号建屋が地震及び津波を受けて電気が停電し、また予備の発電装置も津波により破壊され可動しなかった、ために冷却水を送水できない事態になり原子炉冷却ができず高温になりメルトダウンをして水素爆発を起しレベル7の最大危険値で放射能を放出したままである。
この事故で日本中が悲劇のドン底へ突き落とされた、ソ連、米国の原発事故は20数年経過しているが収束の目処は立っていない、これからも収束はあり得ない、福島原発事故も収束する様子は見受けられない、こんな危険な発電方法はない、世界の人々は驚き悲しみ脱原発宣言をした国もでてきている、今日の科学では原子を速やかに停止する技術を確立しないで原子を利用している事態を冷静に考えると、非常に非科学的なことであり異常である、即刻に停止、廃炉、撤去することが望ましい。
【電気自動車の欠点】
今現在において自動車の全てが電気自動車に変貌しつつ時代に突入してきているが、今はまだ一部である、全ての自動車が電気化することも夢ではなくなる可能性がある、それでCO2の減少及び地球温暖化の減少に拍車かける。
しかし冷静に考えると自動車の電気は全て火力発電所で発電したものであり益々の火力発電所の大型化もしくは発電所施設の新設増設によりCO2が大幅に増えて電気自動車に変えた利点はなにも無い。
では火力発電所を減じて原子炉発電所を多く作れば益々の原発事故の危険が増すだけで如何しても両刃の剣である。
【発明の効果】
【0003】
現在社会においても未来においても電気は必要不可欠であり、あらゆる手段を駆使して発電しようとしているが、危険性、温暖化、環境悪化、不安定供給、地域限定等々の長短がある発電方法であり問題が数多くある発電でも、今時点では火力発電、原子力発電の2大発電が群を抜いて電力の供給をしていて総電力シェア−約90%を占めているのが現状である。
爆発の危険性と環境悪化、温暖化等の問題を抱えている発電ではあるが2大発電に頼らなければ成らない、現実に人類は矛盾を感じながら目を覆っている。
本発明は2大発電での電気発電を必要としない考えからの発想である。
電気がなければ走れない電車(新幹線、JR線、私鉄等々)が車輪の回転軸を利用して自ら発電しながら走る自電車に成り、原子炉全部を廃炉にして失った電力シェアー約30%以上の電力をカバ−しても社会貢献できる発想である。
【0004】
電気需要は今後益々拡大して行くなかで、その利便性とは裏腹に発電にかかる資源の消耗及び排出物の問題がグロ−バル的な規模で進展していることは明白である、先の福島第1原子炉爆発事故はソ連、米国、についで日本での事故により改めて原発事故の怖さ恐怖を世界の人々に知らしめた、ソ連、米国の事故は20数年経過しているが収束の目処は立っていないし収束は望めない。
福島原発事故により国民、企業等々に電気需要の15%以上の節電を電力会社が強いているため、日本中の産業経済に暗雲を立ち込めさせている。
日本中の原子力発電所を全部廃炉にした場合30%以上の電気需要が落ち込む、その落ち込み分を火力発電で補うと大気汚染原因CO2排出の増大につながり、温暖化大気汚染に益々の拍車がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
福島原発事故に伴う電気需要不足15%以上の削減と同等以上の電気を生み出す解決策として、全国の電車(新幹線、JR、私鉄、地下鉄等)が走りながら電車自体の車輪で発電しながら走行すればよい。
電車1台にいくつもの輪軸(2輪)が輪軸で回転している、その輪軸(横回転)にデファレンシャルギア(デフ)等により縦回転プロペラシャフトで変換して、その先に発電機(ダイナモ)を取り付けて置き発電する、例えば自動車はエンジンの回転を利用して車輪(タイヤ)で走行しながら別に発電機(ダイナモ)を回転して発電してバッテリ−貯電して置き始動時に使用する、またライトにも使用する、この自動車の原理の発想を逆転して考え、電車車輪の回転エネルギ−を利用して電車か発電しながら走行するものである。
なお、発電しての余剰電気はバッテリ−に接続して貯電しておいて発進時(始動時)に使用する、発進時には最大の電力出力が必要になるので使用する。
【0006】
電車での問題点は事故であり火災、脱線等の大事故がある、今回の考案で想定できそうな事は車軸の中央に縦軸回転させるデフ、又はGear等を取り付けるために輪軸の強度が減ずるのではないかの危険が危惧(軸が折れる等)される。
そこで走行用車輪(外側取付従来のまま)と発電用車輪(内部取付新規車輌)とに使い分けて走行することを考える必要がある、発電用車輌には電車自体の加重をかけない用にして発電用車軸には回転を与えるだけとすることが可能でありそのために安全が確保される。
電気漏電等による火災事故が考えられるが従来にあった火災事故ではなく、今回の考案では貯電用バッテリ−を搭載しているので考えた、第1が現在10両編成車(新幹線等)を1車輌は発電用(窓は少ない車両)の車輌として内部は耐火用素材で製作する、また第2は全体車輌総数を11両編成(1両増)にして最後尾、又は最前列(蒸気機関車と同じ原理)に連結して走行すれば現在の駅ホ−ムを改良延長する必要はない。
【0007】
現在の電車では停車する、又は減速ブレ−キをかける時に摩擦が起きるエネルギ−を利してブレ−キ発電機装置が考えられ実用化が進んでいる、しかしその電気が自電車に使用できる電力は発電できないために、他の電車が走行するのに使用している変則的な発電で非常に効率が悪い発電方法である、全電車がブレ−キ摩擦エネルキ−発電して走行利用できるようになる可能性は少ない。
【0008】
現在の乗り物には自転車のように人力により回転して走るものがあり、自動車のようにエンジンの動力により走行するもの、今の電車に成るには時代の遍歴を重ねて来ている、トロッコ、汽車(蒸気機関車)、ジィ−デル機関車、電車と便利な乗り物は時代により改良改善され便利な乗り物に変貌して来ている、自転車、自動車、電車共に100年以上の歴史のある乗り物である。
今現在は電気の便利さは人類繁栄には不可欠のエネルギ−ではあるが反面地球温暖化、原発の暴発に人類の存亡の危機が迫っている中で人々はあらゆる英知を絞り、再生可能エネルギ−次世代エネルギ−問題に躍起になって世界中で取組んでいるが火力発電、原子力発電に勝る発電方法が今日ではないので、そこで電気需要不足分の何割かを(原子力発電分)補うためには電車が自力で発電しながら走行(自電車)することを考えた。
【発明を実施するため形態】
【0009】
本考案が全電車に普及した場合には送電線用の鉄塔が不要なり送電事故が皆無となり鉄塔等のメンテナンス必要がなくなり莫大な経費の削減にもつながるし、毎年度に支払う鉄塔敷地代金、送電線下補償費も民間等に支払わなくて良いし、鉄塔がなくなると野山の町並みの景観も良くなる。
線路上の架線も必要がなくなり架線の垂れ下がり、倒木、風速等による架線の事故がなくなり電車の安定走行が可能になりダイヤ通りの運行ができる。
コストダウンにより電車運賃が大幅に引き下がり、それこそが信の国民の足となり旅行に通勤等に利便性が増し日本経済が活性化する。
なお、原子力発電所の全施設が全てなくなり脱原発宣言ができた場合には、世界から賛美の歓迎を受け、国民生活に安心、安全等の気持ち湧き上がり、今現在の国民の暗黒で不安で恐怖の心配がなくなり気持ちが安定して20数年前の明るく元気で笑顔の国民が蘇る。
【0010】
本考案は特殊、特別な発明ではない、自動車のエンジン動力がプロペラシャフト回転伝動してデフに伝えて車軸を回転させ車輪(タイヤ)を回転させ走行している、本考案の自電車は自動車と逆の発想で車輪の回転から車軸を回しデフにより縦回転変換よりプロペラシャフトから発電機(ダイナモ)を回転させて発電する、それを貯電機(バッテリ−)に貯電して、そこからモ−タ−に送電してモ−タ−を回転して走行する。(逆転の発想である)
電車製造会社、自動車会社、鉄工会社、電気製品会社、精密機械会社等々では個々に世界に誇る高精度の優良製品がありノウハウもあるので日本人の得意の分野でありプロジェクト組んで即製品化できる。
その製品等の優れた部品を改良して上手く組合せるだけである、電車の輪軸に適応した規模に試作し加工改良して実験試験を繰り返して、安全で性能の良い経済的で効率よく回転する車軸(ハブ等)をつくり、選りすぐった製品で発電用車輪にすればよい。
これにより日本国内の製造雇用が増え経済の活性化が促進されるし、世界中の電車にも普及させれば大変な電気の節電になるし利便性が図れる。
世界一の技能性、技術性、英知、勤勉さ、忍耐力、手先の起用さ繊細心根等々まだ日本人にはある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 横断図(概略図)
【図2】 側面図(概略図)
【符号の説明】
〔図1〕
1 縦回転伝達用デフ(デファレンシャルギア)
2 縦軸(プロペラシャフト)
3 横回転伝達ギア等
4 プロペラシャフト等
5 発電機(ダイナモ)
6 送電線
7 貯電池(バッテリ−)
8 車軸(横回転)
9 車輪
10 レ−ル
11 電車(本体)
〔図2〕
1 発電用車輪
2 走行用車輪
3 レ−ル
4 電車(本体)
5 発電機(ダイナモ)
6 貯電機(バッテリ−)

【特許請求の範囲】


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−23201(P2013−23201A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170523(P2011−170523)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(595031557)