説明

航空機におけるライン交換ユニット用取付装置およびその使用方法

航空機におけるライン交換ユニット用取付装置およびその使用方法である。取付装置は、航空機、特にエアバスにおいて、ライン交換ユニットを頭上取付器具または取付レールに容易に設置し、かつそこから容易に取り外すことを可能にする。取付装置は、少なくとも1つの開口を有する固定ブロックと、その開口を貫通するシャフト部分、締付要素、および向きが締付要素の向きを示す視覚的位置要素を有する少なくとも1つの組立体と、を有する。組立体は、締付要素が、第1位置に配置されたときは機器を輸送手段の一構成要素に固定し、第2位置に配置されたときは機器を解放するように動作可能であり、視覚的位置要素は、締付要素が第1位置にあるかまたは第2位置にあるかを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は、2006年10月30日に出願された米国仮特許出願第60/855,351号明細書からの利益を主張し、その開示内容はすべて参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、航空機におけるライン交換ユニット用取付装置およびその使用方法に関する。より詳細には、本発明は、航空機においてライン交換ユニットを取付器具に容易に設置し、かつそこから容易に取り外すことを可能にする取付装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
エアバス等、航空機によっては、航空機にライン交換ユニット(line replaceable unit)(LRU)を取り付けるための取付レールまたは他の器具が搭載されている。LRUを取付レールまたは取付器具に取り付ける装置によっては、拘束されて、LRUをレールまたは取付器具から容易に取り外せなくする可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的、利点および新規の特徴は、添付図面とともに以下の詳細な説明を読むことにより、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の一実施形態による航空機においてライン交換ユニットを取付器具に取り付ける取付装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示すような取付装置のさらなる詳細を示す組立分解斜視図である。
【図3】図1および図2の取付装置を示す平面斜視図であり、本発明の一実施形態により、取付装置の締付要素がライン交換ユニットを取付器具に固定するように配置されている。
【図4】図1および図2の取付装置を示す平面斜視図であり、本発明の一実施形態により、取付装置の締付要素がライン交換ユニットを取付器具から解放するように配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい実施形態の詳細な説明
以下詳述するように、本発明は、航空機においてライン交換ユニットの頭上取付器具への容易な取付けおよびそこからの容易な取外しを可能にする取付装置に関する。図1は、本発明の一実施形態によるライン交換ユニット(LRU)104をパネル102に取り付ける取付装置100を示している。取付装置100は、たとえば、長さ約3インチ×高さ約1インチ×深さ約0.75インチであってもよく、取付装置100を、ステンレス鋼、金属または他の任意の適切な材料から作製してもよい。
【0007】
図2により詳細に示すように、取付装置100は固定ブロック106を有している。ねじ108が、それぞれの視覚的位置要素110の開口を、さらにはそれぞれのばね112を貫通する。ねじ108はさらに、固定ブロック106のそれぞれの開口114と、それぞれの締付要素116と、を貫通する。それぞれのロックナット118がそれぞれのねじ108の端部に取り付けられることにより、ねじ108、視覚的位置要素110、ばね112および締付要素116を固定ブロック106に固定する。
【0008】
固定ブロック106はさらに、パネル102(図1参照)に取り付けられているピン122を受け入れることにより固定ブロック106をパネル102に固定する、開口120も有している。図1および図2から、締付要素116が各々、視覚的位置要素110のそれぞれのフランジ126に対して垂直にまたは実質的に垂直に延在するフランジ124を有していることを理解することができる。
【0009】
さらに、この例における固定ブロック106を、2つの開口114を有するように示しているが、固定ブロック106はいかなる適切な長さ、サイズおよび形状を有してもよく、いかなる適切な数の開口114および上述したような対応する構成要素を有してもよい。たとえば、図1、図3および図4に示すように、取付装置を、取付装置100−1として構成することができ、それは、1つの締付要素116−1と対応する視覚的位置要素110−1とを収容する単一開口(図示せず)を有する固定ブロック106−1と、締付要素116および視覚的位置要素110に関して上述したものに類似するそれらの関連する構成要素と、を有している。また、固定ブロック(たとえば固定ブロック106−1)を、ワイヤまたは電源コード130が貫通するのを可能にするように、またはライン交換ユニット104で使用することができる他の構成要素を収容するように構成することも可能である。
【0010】
視覚的位置要素110および110−1が、図1〜図3に示すように向けられている場合、締付要素116および116−1は、同様に図1〜図3に示すように向けられる。したがって、フランジ124および124−1は、ライン交換ユニット104の表面の上に延在し、ライン交換ユニット104をパネル102に固定する。ライン交換ユニット104を取り外すためには、たとえばドライバまたはアレンレンチを使用して、視覚的位置要素110および110−1の各々を矢印Aの方向に90度または約90度回転させることができ、それにより、それらのフランジ126および126−1が、図4に示すように固定ブロック106および106−1の溝穴128および128−1から外側に延在する。この場合、締付要素116および116−1もまた90度または約90度回転し、それにより、それらのフランジがライン交換ユニット104の外面を解放し、固定ブロック106および106−1の長さに対して平行にまたは実質的に平行に延在する。このため、ライン交換ユニット104をパネル102から容易に取り外すことができる。
【0011】
本発明のわずかな数の例示的な実施形態のみを上に詳述したが、当業者は、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの変更が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、かかる変更はすべて、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送手段内に機器を取り付ける装置であって、
少なくとも1つの開口を有する固定ブロックと、
シャフト部分、締付要素、および向きが前記締付要素の向きを示す視覚的位置要素を備える少なくとも1つの組立体であって、前記シャフト部分が前記固定ブロックの開口を貫通し、前記組立体が、前記締付要素が第1位置に配置されたときは前記機器を前記輸送手段の一構成要素に固定し第2位置に配置されたときは前記機器を解放するように動作可能であり、前記視覚的位置要素が、前記締付要素が前記第1位置にあるかまたは前記第2位置にあるかを示す、組立体と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記固定ブロックが、前記固定ブロックを前記輸送手段の構成要素に取り付ける取付部品を受け入れる別の開口をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記固定ブロックが、前記少なくとも1つの開口と実質的に位置合せされる少なくとも1つの溝穴をさらに含み、それにより、前記締付要素が前記第2位置にあるとき、前記視覚的位置要素の一部が前記溝穴から突出する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記組立体が、前記シャフト部分の軸を中心に回転することにより、前記締付要素を前記第1位置と前記第2位置との間で移動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記固定ブロックが複数の前記開口を有し、
各々がそれぞれのシャフト部分、それぞれの締付要素およびそれぞれの視覚的位置要素を備える複数の前記組立体を有し、前記それぞれのシャフト部分が前記開口のそれぞれ1つを貫通する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記組立体が、前記締付要素と前記視覚的位置要素との間に前記シャフト部分を中心に配置された、前記締付要素および前記視覚的位置要素を互いから離れる方向に付勢する付勢力を提供するばねを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記視覚的位置要素が、前記視覚的位置要素および前記締付要素が前記シャフト部分に結合されたときに前記締付要素の長さが延在する方向に対して実質的に垂直な方向に延在する長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記視覚的位置要素および前記締付要素が、前記締付要素が前記第1位置と前記第2位置との間で移動する時、前記シャフト部分の軸を中心に一体的に回転する、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記シャフト部分が、前記シャフト部分を前記第1位置と前記第2位置との間で回転させるよう動作可能な機器を受け入れる凹部を有する端部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記機器がライン交換ユニット(LRU)を含み、
前記輸送手段が航空機である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
輸送手段内に機器を取り付ける方法であって、
少なくとも1つの開口を有する固定ブロックと、シャフト部分、締付要素、および向きが前記締付要素の向きを示す視覚的位置要素を備える少なくとも1つの組立体と、を提供するステップであって、前記シャフト部分が前記固定ブロックの開口を貫通する、ステップと、
前記組立体を、前記締付要素が第1位置に配置されたときは前記機器を前記輸送手段の一構成要素に固定し第2位置に配置されたときは前記機器を解放するように動作させるステップであって、前記視覚的位置要素が、前記締付要素が前記第1位置にあるかまたは前記第2位置にあるかを示す、ステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記固定ブロックが別の開口をさらに有し、
前記別の開口内に取付部品を挿入することにより前記固定ブロックを前記輸送手段の構成要素に取り付けるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記固定ブロックが、前記少なくとも1つの開口と実質的に位置合せされる少なくとも1つの溝穴をさらに含み、
前記動作させるステップが、前記締付要素が前記第2位置にあるとき、前記視覚的位置要素の一部が前記溝穴から突出するように、前記視覚的位置要素を移動させるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記動作させるステップが、前記組立体を、前記シャフト部分の軸を中心に回転させることにより、前記締付要素を前記第1位置と前記第2位置との間で移動させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記固定ブロックが複数の前記開口を有し、
前記装置が、各々がそれぞれのシャフト部分、それぞれの締付要素およびそれぞれの視覚的位置要素を備える複数の前記組立体を有し、前記それぞれのシャフト部分が前記開口のそれぞれ1つを貫通し、
前記動作させるステップが、前記組立体の各々を、そのそれぞれの締付要素が第1位置にあるときに前記機器を前記輸送手段の一構成要素に固定し第2位置にあるときに前記機器を解放するように動作させるステップを含み、そのそれぞれの視覚的位置要素が、前記それぞれの締付要素が前記第1位置にあるかまたは前記第2位置にあるかを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記組立体が、前記締付要素と前記視覚的位置要素との間に前記シャフト部分を中心に配置された、前記締付要素および前記視覚的位置要素を互いから離れる方向に付勢する付勢力を提供するばねを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記視覚的位置要素が、前記視覚的位置要素および前記締付要素が前記シャフト部分に結合されたときに前記締付要素の長さが延在する方向に対して実質的に垂直な方向に延在する長さを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記視覚的位置要素および前記締付要素が、前記締付要素が前記第1位置と前記第2位置との間で移動するとき、前記シャフト部分の軸を中心に一体的に回転する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記シャフト部分が、凹部を有する端部を有し、
前記動作させるステップが、機器を前記凹部に挿入するステップと、前記シャフト部分を前記第1位置と前記第2位置との間で回転させるよう前記機器を操作するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記機器がライン交換ユニット(LRU)を含み、
前記輸送手段が航空機である、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−508192(P2010−508192A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534699(P2009−534699)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/022898
【国際公開番号】WO2008/079181
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(503202756)タレス アビオニクス インコーポレイテッド (20)