説明

航空機用の空調装置およびその運転方法

【課題】 圧力回収を行う空気圧縮機を備えた空調装置を提供する。
【解決手段】 航空機用の空調装置の運転方法が、モータおよびタービンと連通するシャフトによって駆動される圧縮機により、外気を圧縮することを含む。この方法は、圧縮空気を循環させるように航空機キャビンに送り、航空機キャビンから循環圧縮空気を除去することを含む。この方法はまた、循環圧縮空気をタービンへと送り、タービン内でその循環圧縮空気を減圧し、その循環圧縮空気を減圧することによって生成されるエネルギーを取り込むことを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用の空調および加圧装置に関し、特に航空機用の空調および加圧装置の動作に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の空調装置は、外気とともに作動する圧縮機を含む。これらの装置は航空機の機外から外気を受け入れ、圧縮機を利用して航空機のキャビンに空気を送る前に気圧を調節する。外気圧およびその他の条件は、飛行高度に応じて著しく異なる。こうした変動は圧縮機の性能や効率に影響を及ぼす可能性がある。動作条件の変動に起因する需要の大きい動作範囲は一つの圧縮機では効率的に完全にカバーすることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、2つ以上の圧縮機を利用した航空機用の空調装置が発達している。それらのマルチコンプレッサ航空機空調装置は、種々の圧縮機の種々の組合せが用いられる様々な動作モードを含む。それらのマルチコンプレッサ航空機空調装置の一つの欠点は、航空機に対する装置の電力需要が増大することである。さらに、現行のマルチコンプレッサ航空機空調装置は、航空機空調装置の動作モードを決定するために、外気圧などの外部条件に依存する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施例では、航空機用の空調装置の運転方法が、モータおよびタービンと連通するシャフトによって駆動される圧縮機により、外気を圧縮することを含む。この方法はまた、圧縮空気を循環させるように航空機キャビンに送り、航空機キャビンから循環圧縮空気を除去することを含む。さらにこの方法は、循環圧縮空気をタービンへと送り、タービン内でその循環圧縮空気を減圧し、その循環圧縮空気を減圧することによって生成されるエネルギーを取り込むことを含む。
【0005】
別の実施例では、航空機用の空調装置が、外気が充填されるとともに、モータおよびタービンによって駆動され、かつ、そのアウトレットが航空機キャビンと直接または間接的に連通した、第1の圧縮機によって形成された第1の圧縮空気源を含む。この装置はまた、航空機キャビンから循環圧縮空気を除去するように動作可能な排出装置と、第1の圧縮空気源および排出装置の動作を制御するコントローラと、を含む。外気圧がキャビン空気圧よりも低い場合、コントローラは、排出装置に対し、循環圧縮空気を航空機キャビンからタービンへと送るように指示し、かつ、外気圧がキャビン空気圧と等しい場合に、コントローラは、排出装置に対し、循環圧縮空気を航空機キャビンから航空機の機外へと送るように指示する。タービンは、航空機キャビンから受け入れた循環圧縮空気を減圧し、その減圧によって生成されるエネルギーを取り込む。
【0006】
さらに別の実施例では、航空機用の空調装置が、外気が充填されるとともに、モータおよびタービンによって駆動され、かつ、そのアウトレットが航空機キャビンと直接または間接的に連通した、第1の圧縮機によって形成された第1の圧縮空気源を含む。この装置はまた、航空機キャビンから循環圧縮空気を除去するように動作可能な排出装置と、第1の圧縮空気源および排出装置の動作を制御するコントローラと、を含む。外気圧とキャビン空気圧との差が閾値を超える場合、コントローラは、排出装置に対し、循環圧縮空気を航空機キャビンからタービンへと送るように指示し、かつ、外気圧とキャビン空気圧との差が閾値を下回る場合に、コントローラは、排出装置に対し、循環圧縮空気を航空機キャビンから航空機の機外へと送るように指示する。タービンは、航空機キャビンから受け入れた循環圧縮空気を減圧し、その減圧によって生成されるエネルギーを取り込む。
【0007】
追加の特徴および利点は本発明の開示の技術を通して実現される。本明細書のその他の実施例および態様は本明細書中に詳述されるとともに、請求の範囲に記載の開示の一部とみなされる。本発明を利点および特徴とともにより良く理解するために、明細書および図面を参照されたい。
【0008】
本発明と見なされる対象は、明細書の末尾にある請求項に特定して指摘されるとともに明確に記載される。本発明の上記のおよびその他の特徴、利点は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例の航空機空調装置のブロック図。
【図2】本発明の別の実施例の航空機空調装置の概略図。
【図3】本発明の一実施例の圧力回収装置を含む航空機空調装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、航空機空調装置10のブロック図を示す。航空機空調装置10は、航空機キャビンに直接または間接的に連結された第1の圧縮空気源12を含む。第1の圧縮空気源12は、圧縮機14と、モータ16と、タービン18と、を含む。圧縮機14、モータ16、およびタービン18は、シャフト28を介して互いに連通する。シャフト28は一体型でも複数の部品から形成されてもよい。圧縮機14は、外気15を受け入れ、モータ16およびタービン18のいずれかまたは両方から供給される動力を用いて外気を圧縮し、圧縮された外気を航空機キャビン20へと送る。航空機空調装置10はまた、航空機キャビン20に直接または間接的に連結された、一つ以上のモータおよび圧縮機を含んだ二次圧縮空気源22を含む。航空機空調装置10に用いられる圧縮機は、例えば、単段圧縮機でも多段圧縮機でもよい。第1および第2の圧縮空気源12,22で用いられる圧縮機は、動作させるための実質的な動力が必要となる。
【0011】
一実施例では、航空機空調装置10は、航空機における有能電力(available power)に応じて様々なモードで作動するように設計される。航空機空調装置10は航空機制御装置(図示せず)から、航空機内の有能電力を示す信号25を受信するコントローラ24を含む。コントローラ24は、信号25によって示された航空機の有能電力に基づいて第1および第2の圧縮空気源12,22の動作を制御する。
【0012】
第1の動作モードでは、航空機の有能電力が閾値を下回る場合、航空機キャビン20に供給される空気は第1の圧縮空気源12のみから供給される。この第1の圧縮空気源12は、航空機の地上運転中にキャビンの必要な与圧と、温度制御と、外気供給とを提供することができるように設計される。第2の動作モードでは、航空機の有能電力が閾値を上回る場合、航空機キャビン20に供給される空気は第1および第2の圧縮空気源12,22の両方から供給される。一実施例では、2つの圧縮空気源は混合され、次いでその混合空気が航空機キャビンに送られる前に、冷却、加湿、または除湿などの処理がさらに行われる。別の実施例では、航空機内の有能電力が第2の閾値を上回るとき、3つ以上の圧縮空気源が利用され、航空機キャビン20に供給される空気が第1、第2および第3の圧縮空気源から供給される。
【0013】
一実施例では、航空機キャビン20への流入前に圧縮空気が冷却される。航空機のラムエアダクトに配置されたラムエア熱交換器(図示せず)および/またはタービン18によって冷却が行われる。第1の動作モードでは、ラムエア熱交換器と、シャフト上で圧縮機14およびモータ16に連結された、冷却プロセスに組み込まれたタービン18と、の両方によって冷却が行われる。1つ以上のタービン18が圧縮機14を有するシャフト28上に配置される。
【0014】
図2は本発明の実施例の航空機空調装置100の概略図を示す。空調装置100は、外気が充填された圧縮機102を含む、第1の圧縮空気源101を含む。圧縮機102は、シャフト108上でモータ104およびタービン106と連通する。航空機空調装置100はまた、装置が作動する動作モードに応じてスイッチが入れられる第2の圧縮空気源103を含む。一実施例では、第2の圧縮空気源103は、調節弁110によりスイッチがオン・オフされまたは部分的にオンにされる。別の実施例では、また調節弁110の代わりに逆止弁が配置される。第2の圧縮空気源は、例えば、外気および/または航空機の制御装置からの抽気が充填される第2の電動式の圧縮機128でもよい。圧縮機102のアウトレットラインは逆止弁112を有し、そのアウトレットラインを通る流れが圧縮機102に向かって導かれないようにする。
【0015】
図2の装置は航空機の有能電力に基づいて少なくとも2つの動作モードで作動する。第1の動作モードでは、キャビンへの全給気が圧縮機102によって供給される。モータ104からの動力に加えて、タービン106からの動力が、圧縮機102の推進力である。圧縮機102は、与圧、温度調節、および外気供給に関するキャビンの給気需要を満たすことができるように設計される。圧縮機102からの空気出力は混合チャンバ116を通流したのちにラムエアダクト熱交換器114内で冷却される。続いてこの空気が水抽出回路を通流し、その後タービン106で第2の冷却を受ける。水抽出回路は、水抽出器118、再熱器138、および凝縮器120を含む。水抽出器118内で分離された水は水噴射装置WIを介してラムエアダクトに供給される。
【0016】
第2の動作モードでは、調節弁110または逆止弁が開にされ、キャビンに供給される空気が圧縮機102のアウトレット空気と、圧縮機128のアウトレット空気と、によって形成される。第2の動作モードでは、その混合空気流が第1の動作モードにおける圧縮機102のアウトレット空気と同じコンポーネントを通流する。
【0017】
単段圧縮に基づく個別の圧縮機段の高需要の圧力比により、それらの圧縮機段では修正流量(corrected mass flow)の限られた動作範囲しか達成できない。修正流量を供給することができるように、追加の圧縮機段または圧縮空気源が並列に切り替わる。利用される外気圧縮機の数は、全適用範囲を網羅するように空調装置当たり少なくとも二つの圧縮空気源の並列接続が行われるこの接続に固定されない。
【0018】
図2に示すように、ジェットポンプ124を作動させるように第2の圧縮空気源103が開放弁122とともに用いられる。これにより単一または複数のラムエア熱交換器を介して、第1の動作モードにおける冷却空気流が保証されるという結果がもたらされる。圧縮機102の圧縮機アウトレット空気が弁126を介してジェットポンプ124に供給される。こうした手順は圧縮機102の安全かつ安定した動作を保証する。それにより追加の流量(mass flow)がジェットポンプ124を介してラムエアダクトへと導かれ、または更なる需要部に代替的に供給される。ラムエアダクトインレットバルブはラムエアダクトのインレット側に配置されるとともにラムエアインレットアクチュエータ(RAIA)によって制御される。
【0019】
一実施例では、第2の圧縮空気源103はモータ130により駆動される圧縮機128によって形成される。当業者にとって理解されるように、装置100内に1つ以上のこれらのユニットを設けてもよい。一実施例では、アンチサージ弁132,134によって閉じられる再循環ラインが、それぞれ、圧縮機102,128に導かれる。さらに、混合チャンバ116からラムエアダクト熱交換器114へと延在するラインに更なる圧縮機負荷弁136が設けられる。アンチサージ弁132,134を開けることにより圧縮機102,128を介した再循環空気が増え、それにより圧縮機102,128の安定した動作が可能となる。上述したように、ジェットポンプ調節弁122,126を介して圧縮機流量の増加が実現される。圧縮機102,128を制限し、圧縮機102,128の出口温度を上昇させるように圧縮機負荷弁136が用いられる。
【0020】
図3を参照すると、航空機空調装置10のブロック図を示す。航空機空調装置10は航空機キャビン20に直接または間接的に接続された第1の圧縮空気源12を含む。第1の圧縮空気源12は、圧縮機14と、モータ16と、タービン18と、を含む。圧縮機14、モータ16、およびタービン18は互いにシャフト28を介して連通する。圧縮機14は外気を受け入れ、モータ16およびタービン18から供給される動力を利用して外気を圧縮して、その外気を航空機キャビン20へと送る。航空機空調装置10はまた、航空機キャビン20に直接または間接的に連結された、一つ以上のモータまたは圧縮機を含んだ二次空気源22を含む。コントローラ24は航空機制御装置から、航空機の有能電力を示す信号を受け取り、その航空機の有能電力に基づいて第1および第2の圧縮空気源12,22の動作を応答可能なように制御する。
【0021】
現行の航空機空調装置では、圧縮空気がキャビンを通して循環した後、圧縮空気がキャビンから除去、廃棄される(すなわち、「機外」に送られる)。航空機の高度に応じて、航空機の外側の気圧は廃棄される空気よりも著しく低い。一実施例では、キャビン20から廃棄される圧縮空気をタービン18へと送り、ここで圧縮空気を外気圧に減圧するときに生じるエネルギーを取り込む(回収する)。タービン18の通過後、キャビンからの減圧された空気が機外へと送られる。一例では、タービン18は、キャビンから廃棄される空気を減圧することにより取り込んだエネルギーを、モータおよび圧縮機14に連結されたシャフト28に供給する。このエネルギーは、航空機空調装置10を作動させるために航空機に要求されるエネルギーを低下させるように用いられる。
【0022】
一実施例では、航空機空調装置10はまた、航空機キャビン20に配置された排出装置26を含む。排出装置26はコントローラ24によって制御されており、それにより排出装置26に対し、循環空気を航空機キャビン20から、タービン18または航空機機外のいずれかへと送るように指示することができる。一実施例では、外気圧がキャビン空気圧よりも低い場合には、コントローラ24が排出装置26に対し、循環空気を航空機キャビン20からタービン18へと送るように指示し、外気圧がキャビン空気圧と等しいまたはほぼ等しい場合には、循環空気を航空機キャビン20から航空機の外に送るように指示する。別の実施例では、外気圧とキャビン空気圧との差が閾値を超える場合には、コントローラ24が排出装置26に対し、循環空気を航空機キャビン20からタービン18へと送るように指示し、外気圧とキャビン空気圧との差が閾値を下回る場合には、循環空気を航空機キャビン20から航空機の外に送るように指示する。
【0023】
一つの動作モードでは航空機は約3Psi、または約20.6kPaの外気圧の環境にあり、約12Psi、または約82.7kPaのキャビン圧力を有する。航空機空調装置10は、外気を3Psiから12Psiに加圧するのに約100kWの電力を必要とする。現在利用可能な航空機空調装置では、外気の加圧に必要な全ての動力はモータ16から供給される。一実施例では、タービン18はキャビンから廃棄される空気を減圧することによって生じるエネルギーを取り込み、その空気が発生させた電力をモータ16および圧縮機14に供給する。約3Psiの外気圧、および約12Psiのキャビン圧力の動作モードでは、タービン18は約20kWの電力を発生する。したがって、航空機の動作条件に応じて、キャビンから廃棄される空気を減圧することによって生じたエネルギーを取り込むことにより、結果的に航空機空調装置の消費電力を20%まで低下させることができる。
【0024】
ここで用いた用語は特定の実施例のみの説明を目的とするものであり、開示されたものの限定を意図するものではない。ここで用いられるように、単数形の形態「a」、「an」および「the」は、文脈において特に指示がない限り、同様に複数のものも含むことを意図するものである。さらに留意すべきは、本明細書で用いられる場合の語句「備える」は、記載した特徴部、整数値、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を明らかにするものであり、一つ以上のその他の特徴部、整数値、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらの群の存在または追加を妨げるものではない。
【0025】
全ての手段またはステップの対応する構造、材料、行為、およびそれらと同等のものに加えて以下の請求項の機能要素は、特に請求の範囲に記載のその他の請求項に記載された要素と組み合わされて機能を実施するためのあらゆる構造、材料、または行為を含むことを意図するものである。例示および説明を目的として本発明の明細書を開示するが、本明細書を開示の形態に包括的に限定することを意図するものではない。本発明の範囲および真意を逸脱することなく種々の修正および変形例が当業者にとって明らかとなるであろう。この実施例は、本明細書の本質、および実際の応用例を最もよく説明するために、そして当業者以外の人が、種々の修正を有する種々の実施例の開示を、検討された特定の用途に適したものとして認識できるようにするために、選択され、記載されたものである。
【0026】
本発明の好適な実施形態を記載したが、現在および将来の当業者が以下の特許請求の範囲に含まれる種々の改良および強化を行うことが理解されるであろう。これらの請求の範囲は先に述べた本明細書の適切な保護を維持するように解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0027】
10,100…航空機空調装置
28…シャフト
101…第1の圧縮空気源
102…圧縮機
103…第2の圧縮空気源
104,130…モータ
106…タービン
108…シャフト
110…調節弁
112…逆止弁
114…ラムエアダクト熱交換器
116…混合チャンバ
118…水抽出器
120…凝縮器
122…開放弁
124…ジェットポンプ
126…ジェットポンプ調節弁
128…第2の圧縮機
132,134…アンチサージ弁
136…圧縮機負荷弁
138…再熱器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用の空調装置の運転方法であって、
モータおよびタービンと連通するシャフトによって駆動される圧縮機により外気を圧縮し、
圧縮空気を循環させるように航空機キャビンに送り、
前記航空機キャビンから循環圧縮空気を除去し、
前記循環圧縮空気を前記タービンへと送り、
前記タービン内で前記循環圧縮空気を減圧し、
前記循環圧縮空気を減圧することによって生成されるエネルギーを取り込むことを備えた方法。
【請求項2】
前記取り込まれたエネルギーが前記モータに伝達されて、前記圧縮機に動力を供給することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記取り込まれたエネルギーは、前記圧縮機の全所要電力の約20%を供給することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮空気は、前記航空機キャビンへの流入前に冷却されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記航空機の制御装置から有能電力レベルを受信し、
前記有能電力レベルが閾値を上回る場合に、第2の圧縮空気源から前記航空機キャビンへと空気を送ることをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記圧縮空気と、前記第2の圧縮空気源からの空気と、が前記航空機キャビンへの流入前に混合されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の圧縮空気源からの前記空気が、外気、ラム空気、および予め加圧された空気のうちの少なくとも一つが充填された、モータおよびタービンのうちの少なくとも一つによって駆動される第2の圧縮機によって形成されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
航空機用の空調装置であって、
外気が充填されるとともに、モータおよびタービンによって駆動され、かつ、そのアウトレットが航空機キャビンと連通した、第1の圧縮機によって形成された第1の圧縮空気源と、
前記航空機キャビンから循環圧縮空気を除去するように動作可能な排出装置と、
前記第1の圧縮空気源と、前記排出装置と、の動作を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、外気圧がキャビン空気圧よりも低い場合に、前記排出装置に対し、前記循環圧縮空気を前記航空機キャビンから前記タービンへと送るように指示し、かつ、外気圧がキャビン空気圧と等しい場合に、前記排出装置に対し、前記循環圧縮空気を前記航空機キャビンから前記航空機の機外へと送るように指示し、
前記タービンは、前記航空機キャビンから受け入れた前記循環圧縮空気を減圧し、その減圧によって生成されるエネルギーを取り込むことを特徴とする、空調装置。
【請求項9】
前記取り込まれたエネルギーが前記モータに伝達されて、前記圧縮機に動力を供給することを特徴とする請求項8に記載の空調装置。
【請求項10】
前記取り込まれたエネルギーは、前記圧縮機の全所要電力の約20%を供給することが可能であることを特徴とする請求項9に記載の空調装置。
【請求項11】
前記航空機キャビンにアウトレットが直接または間接的に接続された、第2の圧縮空気源をさらに備え、
前記コントローラは、前記航空機の制御装置から有能電力レベルを受信し、それに応答して前記第1および第2の圧縮空気源を制御し、
前記電力レベルが閾値を下回る場合に、前記第1の圧縮空気源のみを前記航空機キャビンと連通させ、
前記電力レベルが閾値を上回る場合に、前記第1および第2の圧縮空気源の両方を前記航空機キャビンと連通させることを特徴とする請求項8に記載の空調装置。
【請求項12】
前記第1の圧縮空気源からの空気と、前記第2の圧縮空気源からの空気と、が前記航空機キャビンへの流入前に混合されることを特徴とする請求項11に記載の空調装置。
【請求項13】
前記第2の圧縮空気源からの前記空気が、外気、ラム空気、および予め加圧された空気のうちの少なくとも一つが充填された、モータおよびタービンのうちの少なくとも一つによって駆動される第2の圧縮機によって形成されることを特徴とする請求項11に記載の空調装置。
【請求項14】
前記圧縮空気は、前記航空機キャビンへの流入前に冷却されることを特徴とする請求項8に記載の空調装置。
【請求項15】
航空機用の空調装置であって、
外気が充填されるとともに、モータおよびタービンによって駆動され、かつ、そのアウトレットが航空機キャビンと連通した、第1の圧縮機によって形成された第1の圧縮空気源と、
前記航空機キャビンから循環圧縮空気を除去するように動作可能な排出装置と、
前記第1の圧縮空気源と、前記排出装置と、の動作を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、外気圧とキャビン空気圧との差が閾値を超える場合に、前記排出装置に対し、前記循環圧縮空気を前記航空機キャビンから前記タービンへと送るように指示し、かつ、外気圧とキャビン空気圧との差が閾値を下回る場合に、前記排出装置に対し、前記循環圧縮空気を前記航空機キャビンから前記航空機の機外へと送るように指示し、
前記タービンは、前記航空機キャビンから受け入れた前記循環圧縮空気を減圧し、その減圧によって生成されるエネルギーを取り込むことを特徴とする、空調装置。
【請求項16】
前記取り込まれたエネルギーが前記モータに伝達されて、前記圧縮機に動力を供給することを特徴とする請求項15に記載の空調装置。
【請求項17】
前記航空機キャビンにアウトレットが直接または間接的に接続された、第2の圧縮空気源をさらに備え、
前記コントローラは、前記航空機の制御装置から有能電力レベルを受信し、それに応答して前記第1および第2の圧縮空気源を制御し、
前記電力レベルが第2の閾値を下回る場合に、前記第1の圧縮空気源のみを前記航空機キャビンと連通させ、
前記電力レベルが前記第2の閾値を上回る場合に、前記第1および第2の圧縮空気源の両方を前記航空機キャビンと連通させることを特徴とする請求項15に記載の空調装置。
【請求項18】
前記第1の圧縮空気源からの空気と、前記第2の圧縮空気源からの空気と、が前記航空機キャビンへの流入前に混合されることを特徴とする請求項17に記載の空調装置。
【請求項19】
前記第2の圧縮空気源からの前記空気が、外気、ラム空気、および予め加圧された空気のうちの少なくとも一つが充填された、モータおよびタービンのうちの少なくとも一つによって駆動される第2の圧縮機によって形成されることを特徴とする請求項17に記載の空調装置。
【請求項20】
前記圧縮空気は、前記航空機キャビンへの流入前に冷却されることを特徴とする請求項15に記載の空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−103715(P2013−103715A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246921(P2012−246921)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【出願人】(500107762)ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション (165)
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Hamilton Road, Windsor Locks, CT 06096−1010, U.S.A.