説明

航空機用内装材

【課題】 軽量かつ形状を維持するのに充分な力学特性を兼ね備え、かつ火災時の延焼と有毒ガスの発生を抑制する航空機用内装材を提供する。
【解決手段】 不連続の強化繊維10〜60重量%と熱可塑性樹脂40〜90重量%で構成され、強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が融着配置された格子構造を有する航空機用内装材であって、ASTM E662で測定される20分燃焼時の発生ガス量が100以下であり、空隙率が20〜90体積%であり、曲げ弾性率が1GPa以上である航空機用内装材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の内装材に関し、さらに詳しくは軽量でありながら、形状を保持する力学特性を備え、かつキャビン内での火災時に可燃ガスや有毒ガスの発生を抑える航空機用内装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車、二輪車および航空機などの移動体において、その軽量化が強く要望されるようになった。この背景には、燃費向上による排ガス量の緩和、燃料コスト削減および航続距離の増進などがあり、今後もこの動向は加速されると予測される。そこで、これら移動体の材料も、金属材料から繊維強化樹脂材料が採用されるようになり、とりわけ軽量で力学特性に優れた炭素繊維複合材料の使用が高まっている。例えば、航空機の構造材にはアルミニウム合金から、連続した炭素繊維で強化された熱硬化性樹脂材料への代替が進んでいる。
【0003】
一方、航空機の軽量性という観点では、構造材だけでなく、キャビン部分においても同様に軽量化が重要である。特に、キャビン全体を保護する内装材は、使用量も多く軽量材料が要望される。
【0004】
これらの点に鑑み従来、ポリオレフィン樹脂シートとポリエステル不織布とを、中空部を形成するように積層した内装材が開示されている(特許文献1参照)。一般的に、発泡材に代表される軽量材料は、それ自体では剛性が低いため、形状を維持することが困難であるが、上記のような構造とすることにより力学特性と軽量性の両立を図っている。しかしながら、航空機用材料を考慮する場合、最優先されるべきは安全性である。特に旅客用航空機では、キャビン内部での防火・難燃対策は十分に講じられている。しかしながら、前記の提案の内装材は、発煙性の熱可塑性樹脂を多量に使用しているために、火災時の発熱による可燃ガスや有毒ガス発生が問題となる。
【0005】
また別に、火災時の延焼や有毒ガス発生を防ぐため、セラミック繊維を含むシートと金属箔を積層した内装用積層体が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この内装用積層体では、金属材料を使用しているため軽量性を満足することが困難である。
【特許文献1】特開2000−289101号公報(第2頁、第2行)
【特許文献2】特開平8−276536号公報(第2頁、第2行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明の課題は、かかる従来技術に鑑み、軽量かつ形状を維持するのに十分な力学特性を兼ね備え、かつ火災時の延焼と有毒ガスの発生を抑制する航空機用内装材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決せんとするものであり、本発明に係る航空機用内装材は、不連続の強化繊維と熱可塑性樹脂から構成され、ASTM E662で測定される20分燃焼時の発生ガス量が0〜100の範囲内であることを特徴とする航空機用内装材である。
【0008】
また、本発明の航空機用内装材の好ましい態様のひとつは、前記の強化繊維の交叉位置に前記熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有することであり、そして、その強化繊維の交叉位置において、強化繊維が熱可塑性樹脂で融着されてなることである。
【0009】
また、本発明の航空機用内装材の好ましい態様のひとつは、本発明の航空機用内装材が空隙を有することであり、その空隙率が20〜90体積%の範囲内であることである。
【0010】
また、本発明の航空機用内装材の好ましい態様のひとつは、前記の強化繊維の割合が10〜60重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂の割合が40〜90重量%の範囲内であることである。
【0011】
また、本発明の航空機用内装材の好ましい態様のひとつは、前記の不連続の強化繊維の繊維長が2〜100mmの範囲内であることであり、強化繊維が炭素繊維であることである。また、本発明の航空機用内装材の好ましい態様のひとつは、前記の熱可塑性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂およびポリエーテルスルホン樹脂から選択された少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることである。
【0012】
また、本発明の航空機用内装材の好ましい態様のひとつは、本発明の航空機用内装材のASTM D790で測定される曲げ弾性率が1GPa以上であることである。
【0013】
また、本発明の航空機用内装材の好ましい態様のひとつは、さらに表皮材が一体化されてなり、その表皮材が幾何学的または非幾何学的な模様を有することである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る航空機用内装材は、不連続の強化繊維と熱可塑性樹脂で構成されることで、複雑な積層構造を必要とせず、安価に、軽量性と形状維持に十分な力学特性を兼ね備えることができる。また、航空機の内装材として使用した場合、キャビン内外での火災において、延焼を抑え、可燃性ガスおよび有毒性のガスによる災害を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る航空機用内装材は、不連続の強化繊維と熱可塑性樹脂とで基本的に構成される。ここで不連続な強化繊維とは、航空機用内装材の長さや幅よりも短い繊維長を有する強化繊維のことである。一般的に、不連続な強化繊維は、連続した強化繊維と比較して力学特性には劣るものの、内装材に要求される力学特性を満足し、さらに軽量性を確保するための形態を形成することができる。不連続な強化繊維の具体的な形態としては、例えば、チョップドストランド、ミルドファイバー、不織布、ウェブおよびマットなどが挙げられる。とりわけ軽量性を高めるためには、低密度な形態とすることが好ましく、チョップドストランドを開繊させて得られるウェブやマットが好適である。また、これらの形態を成形用基材に固定し、さらに内装材に成形する目的で、前記不連続な強化繊維に熱可塑性樹脂を付与する必要がある。
【0016】
さらに不連続な強化繊維が熱可塑性樹脂で固定された航空機用内装材となっていることで、航空機用内装材内部で熱伝導経路となる強化繊維がとぎれとぎれに配置された状態となり、航空機内装材の温度が上がりにくく、火災時の延焼、および発生ガス量を少なくすることができる。
【0017】
本発明に係る航空機用内装材は、ASTM E662で測定される20分燃焼時の発生ガス量が100以下である。ここで発生ガス量とは、航空機用内装材の成形体から長さ76.2mmと幅76.2mmの直方体を切り出し、発煙箱内で20分燃焼したときの発煙量を、煙の透過率から光学的に評価した指標である。発生ガス量が100を超えると、キャビン内外での火災発生時、初期消火時および延焼時に、可燃ガスによる火災の二次延焼、有毒ガスによる乗客、乗員への被害が生じる場合がある。従って、発生ガス量は低い方が望ましく、発生ガス量は好ましくは80以下であり、とりわけ好ましくは60以下である。また、発生ガス量を0にすることで、火災時の発生ガスによる災害をなくすことができる。
【0018】
本発明の航空機用内装材は、その軽量性と力学特性を両立する観点から、不連続の強化繊維の交叉位置(交点)に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有することが好ましい。図1は、本発明の航空機用内装材の好ましい形態である格子構造を例示説明するための概念斜視図である。格子構造の格子とは、図1に示すように、熱可塑性樹脂1により固定された強化繊維2の交叉位置3を格子点として組まれた枠のことである。航空機用内装材を、該格子の集合体とすることで、好適に強化繊維量および熱可塑性樹脂量の低減することができる。すなわち、軽量でありながら、キャビン内で人が内装材にもたれかかったとしても、十分に内装材の形状を保持するだけの剛性を得ることができ、同時に発生ガス量をより少なくすることにも有効である。また、強化繊維2の交叉位置3に配置された熱可塑性樹脂1が融着されていることで、交叉位置3の接着性を高め、内装材の力学特性、とりわけ曲げ弾性率を高めることができ、好ましい態様である。
【0019】
さらに、航空機用内装材の軽量性と力学特性を両立させる観点から、航空機用内装材の成形体において、交叉位置の配置点の割合が1%以上であると好ましく、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは20%以上である。交叉位置の配置点の割合の上限は特に限定はないが、90%以下で本発明の目的を達成することができる。ここで、交叉位置の配置点の割合とは、次のように測定される割合のことである。まず、航空機用内装材の成形体から、不連続の強化繊維と熱可塑性樹脂を含む成形体部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし、長さ3mm、幅3mmの範囲を断面観察し、続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。画像処理で得られる強化繊維の交叉位置の個数Xを測定する。続いて断面写真より強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置されている交叉位置の個数Yを測定する。これらの値を使い、交叉位置の配置点の割合は、以下の式で定義される
交叉位置の配置点の割合(%)=Y/X×100。
【0020】
交叉位置の配置点の割合は、長さ3mm、幅3mmの範囲を10カ所以上測定し、測定値の和を測定カ所数で除した値のことである。
【0021】
本発明の航空機用内装材は、軽量性を高める上で、空隙を内包していることが好ましい。ここで空隙とは、航空機用内装材内部における、強化繊維同士の間に存在する隙間、あるいは熱可塑性樹脂同士の間に存在する隙間、あるいは強化繊維と熱可塑性樹脂の間に存在する隙間部分のことである。空隙率とは、航空機用内装材の体積に対する、強化繊維および熱可塑性樹脂の体積を排除した空間体積の割合であり、以下の式で定義される。
【0022】
空隙率(%)=100×{V−(Wf/ρf+Wr/ρr)}/V
ここで、航空機用内装材の体積をV(cm)、強化繊維の重量をWf(g)、強化繊維の比重をρf(g/cm)、熱可塑性樹脂の重量をWr(g)、熱可塑性樹脂の比重をρr(g/cm)とする。
【0023】
好ましい空隙率は、20〜90%の範囲内であり、より好ましくは25〜85%の範囲内であり、さらに好ましくは30〜80%である。
【0024】
本発明の航空機用内装材における、強化繊維2と熱可塑性樹脂1の成分割合は、航空機用内装材の発生ガス量および力学特性の観点から、強化繊維が10〜60重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が40〜90重量%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、強化繊維が15〜50重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が50〜85重量%の範囲内である。強化繊維が20〜45重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が55〜80重量%の範囲内であるとさらに好ましい。
【0025】
航空機用内装材の軽量性と剛性の観点から、本発明の航空機用内装材における密度dは、0.05〜1.5g/cmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.08〜1.2g/cmの範囲内であり、さらに好ましくは0.1〜0.8g/cmでの範囲内である。
【0026】
本発明に使用される不連続の強化繊維の繊維長は、航空機用内装材の軽量性と力学特性の観点から、2〜100mmの範囲内が好ましく、より好ましくは3〜80mmの範囲内であり、さらに好ましくは3〜50mmの範囲内である。なお繊維長は、航空機用内装材から400本以上の繊維を取り出し、それぞれ繊維長を測定し、測定した繊維長の和を測定本数で除した平均値である。
【0027】
本発明に使用される不連続の強化繊維の単繊維直径は、航空機用内装材の力学特性の観点から、1〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜70μmの範囲内であり、さらに好ましくは3〜50μmでの範囲内である。
【0028】
同様に、本発明に使用される強化繊維の引張弾性率は50〜700GPaの範囲内が好ましく、より好ましくは150〜700GPaの範囲内であり、さらに好ましくは200〜700GPaの範囲内である。ここで言う強化繊維の引張弾性率とは、JIS R 7601に基づいた樹脂含浸ストランド法で測定した弾性率である。
【0029】
本発明で用いられるこれら強化繊維としては、例えば、アルミニウム、鉄、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金などの金属繊維や、SiCを主成分とする繊維、ガラス繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、石英繊維、ポリアクリロニトリル系や、ピッチ系の炭素繊維や活性炭素繊維などの無機繊維や、アラミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維などの有機繊維、およびニッケルや銅をガラス繊維や炭素繊維などの表面にコーティングした金属被覆繊維が挙げられる。これらは、単独または2種以上併用して用いても良い。強化繊維には、繊維の比重が小さく、繊維の引張強度および引張弾性率が高く、発生ガス量を抑制できる炭素繊維が特に好ましく用いられる。中でも繊維の引張強度と引張弾性率のバランスの観点から、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維がさらに好ましく用いられる。
【0030】
本発明に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などを用いることができるが、本発明の目的である発生ガス量を抑制する観点から、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)およびポリエーテルスルホン(PES)が好適に用いられる。
【0031】
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、特に制限はないが、航空機用内装材の力学特性の観点から、2,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜150,000であり、更に好ましくは10,000〜100,000である。
【0032】
熱可塑性樹脂には、機能性を高める観点から、充填材や添加剤が添加されていてもよい。例えば、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防 止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤である。とりわけ、無機物を添加する場合には、その分散サイズが小さい方が、強化繊維への接着性の観点からより好ましい。特にナノオーダーの分散サイズを有するものは、少量添加で機能向上効果を発現できる点からさらに好ましい態様である。
【0033】
本発明の航空機用内装材には、本発明の効果を妨げない範囲で、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂およびフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金等、またこれらの金属に接着性の表面処理を施した金属材料等の他の成分を付与することができる。航空機用内装材の力学特性として、ASTM D790で測定される航空機用内装材の曲げ弾性率が1GPa以上であることが好ましく、より好ましくは1.3GPa以上であり、さらに好ましくは1.5GPa以上であり、さらに好ましくは2GPa以上である。内装材の曲げ弾性率を上記範囲内とすることで、組み立て時に撓むことなく把持できるため作業性の点で好ましく、かつキャビン内で人が内装材にもたれかかったとしても、十分に内装材の形状を保持するだけの剛性が得ることができる点でも好ましい。また、曲げ弾性率の上限は特に限定はないが、40GPa以下で本発明の目的を達成することができる。
【0034】
航空機内装材の厚みは、航空機内装材の剛性の観点から、0.5〜150mmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜100mmの範囲内であり、さらに好ましくは2〜80mmの範囲内であり、さらに好ましくは3〜50mmの範囲内である。
【0035】
航空機用内装材を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予め強化繊維と熱可塑性樹脂を混練(コンパウンド)した材料をペレット形状にして後、射出成形する方法、予め強化繊維と熱可塑性樹脂を乾式法あるいは湿式法にてシート状物にして後、熱成形あるいは圧縮成形する方法等が挙げられる。
【0036】
本発明の航空機用内装材は、乗客や乗員が航空機内で触れることが出来るものであり、手触りの観点から、航空機用内装材には表皮材が配置されていることが好ましい。
図2は、本発明の航空機用内装材の内装材および表皮材の構造を例示説明するための断面図である。図2に示すように表皮材5は、内装材4の外側に配置されている部分のことであり、航空機用内装材の実質的表面を構成する部分となる。
【0037】
表皮材5の配置構成は、内装材4の片側には配置されていても、両側に配置されていても構わない。また、航空機用内装材の組立作業時に強化繊維や熱可塑性樹脂の脱落が生じることがあり、作業性を著しく低下させることがあるため表皮材5は内装材4の両側に配置されていることがより好ましい。
【0038】
表皮材5の形態には特に限定はなく、例えば、フィルム状、板状、不織布、織布、メッシュ等や、これら2種以上積層した形態を用いることができる。 表皮材5の厚みは、特に制限はないが、航空機用内装材の軽量性を阻害しない範囲として、10mm以下が好ましく、より好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.5mm以下である。
【0039】
表皮材5と内装材4の一体化方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予め内装用基材に表皮材を付与した成形用基材を熱成形あるいは圧縮成形する方法、航空機用内装材成形型内で内装材と表皮材を射出成形、熱成形あるいは圧縮成形にて一体化する方法、航空機用内装材成形品の表面に表皮材を接着する方法、航空機用内装材成形品の表面にメッキ、塗装、融着被覆および蒸着等をする方法が挙げられる。
【0040】
また、意匠性の観点から、航空機用内装材の表面、すなわち表皮材部分が幾何学的または非幾何学的な模様を有していても良い。幾何学的な模様とは、三角形、方形、菱形、多角形、円形等、およびこれらを組み合わせた形状からなる模様のことである。非幾何学的な模様とは、文字、数字、絵、マーク等、およびこれらを組み合わせた形状からなる模様のことである。
【0041】
航空機用内装材の表皮材5に幾何学的または非幾何学的な模様を付与する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予め模様がプリントされた表皮材を使用する方法、成形型の製品面に模様を型どりしておく方法、航空機用内装材成形型の製品面に模様となる部品をインサートし、予め内装用基材に表皮材を付与した成形用基材と一体化する方法、航空機用内装材成形型の製品面に模様となる部品をインサートし、射出成形する方法、航空機用内装材の成形品を穴あけ、削り等の2次加工し模様を付与する方法、航空機用内装材の成形品にメッキ、塗装、蒸着およびレーザー照射等することで模様を付与する方法等が挙げられる。
【0042】
表皮材5の素材としては、航空機内装材の使用環境に合わせて選択すれば良く、特に制限はない。表皮材5の素材としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属およびセラミック等が挙げられる。
【0043】
表皮材5は、航空機内装材の成形性の観点から、熱可塑性樹脂で構成されてことが好ましい。表皮材5に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂を用いることができる。好ましくは、耐熱性および難燃性に優れたPEEK、PEI、PPS、PPO、PVCおよびポリエーテルスルホン等が好適である。
【0044】
熱可塑性樹脂には、機能性を高める観点から、充填材や添加剤が添加されていてもよい。添加される成分としては、例えば、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防 止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤である。とりわけ、無機物を添加する場合には、その分散サイズが小さい方が、強化繊維への塗れ性の観点からより好ましい。特にナノオーダーの分散サイズを有するものは、少量添加で効果を発現できる点からさらに好ましい態様である。
【0045】
表皮材5が熱硬化性樹脂で構成されている場合は、力学特性の観点から好ましい様態である。表皮材5として、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂およびフェノール樹脂等を用いることができる。耐熱性の観点から、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂およびフェノール樹脂が好適に用いられる。
【0046】
表皮材5が金属で構成されている場合は、軽量性は損なわれるものの剛性を高められる観点から好ましい態様である。表皮材5として、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金等、またこれらの金属材料に接着性の表面処理を施した金属材料等を用いることができる。
【0047】
表皮材5がセラミックスで構成されている場合は、発煙ガス量の観点から好ましい様態である。表皮材5として、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化クロム、粘土等を用いることができる。
なお、本発明の航空機用内装材の空隙率、密度、組成分割合、繊維長および力学特性などの測定には、該表皮材を除外しておくことが必要である。
【0048】
本発明の航空機用内装材は、内装材および表皮材以外に、さらに補強材が形成されていてもよい。補強材とは、航空機用内装材の強度や剛性を補強するためのものであり、内装材の外側、あるいは内装材および表皮材の間に配置される。補強材の素材は、航空機用内装材の剛性補強の観点から、引張弾性率の高い繊維強化熱硬化性樹脂、繊維強化熱可塑性樹脂、金属材料から構成されていることが好ましい。 また補強材の厚みは、航空機用内装材の軽量性の観点から、航空機用内装材の軽量性の観点から、15mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下である、さらに好ましくは2mm以下である。
【0049】
航空機内装材の成形品には、航空機用内装材の剛性の観点から、成形品に凸凹形状が形成されていても良い。凹凸形状としては、例えば、山型、丸型、波型、角型、W型、M型、I型、H型および台形型などが挙げられる。凹凸の高さは、70mm以下が好ましく、より好ましくは50mm以下であり、さらに好ましくは30mm以下である。
【0050】
航空機内装材の成形品には、軽量化の観点から、成形品に複数個の貫通穴が形成されていても良い。ここで貫通穴とは、表皮材を含む航空機用内装材の厚み方向に貫通した穴のことである。航空機用内装材に形成する貫通穴の大きさは、3000cm以下が好ましく、より好ましくは2000cm以下であり、更に好ましくは1500cm以下である。また、航空機用内装材に形成する貫通穴の形状は、例えば、円形、楕円形、多角形、角Rのある多角形であっても、2種類以上の形状が併用されていても良い。これらの貫通穴は航空機用内装材の接合穴や窓枠などとして使用することが出来る。
【0051】
本発明の航空機としては、例えば、固定翼機、飛行機、グライダー、回転翼機、ヘリコプター、オートジャイロ等の重航空機、飛行船および気球等の軽航空機などが挙げられる。
【0052】
本発明の航空機用内装材は、例えば、機長席、副操縦士席、客室乗務員用座席、乗客座席、クローゼット、調理ユニット、化粧室壁、手荷物ロッカー壁、収納ロッカー壁、ドア内張、キャビン天井パネル、キャビン内装パネル、キャビン床面、床下貨物室天井パネル、床下貨物室内装パネル、貨物室床面、エンジン室内装パネル、エンジン室天井パネル、エンジン室床面、コックピット天井パネル、コックピット内装パネル、コックピット床面、機内用食器および機内用トレイなどに適用可能である。
【実施例】
【0053】
以下、実施例により本発明の航空機用内装材についてさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではない。本発明の説明で用いられた航空機用内装材の諸特性の測定手法は、以下のとおりである。
【0054】
(1)航空機用内装材の発生ガス量評価
成形体から長さ76.2mmと幅76.2mmの直方体を切り出し試験片とした。試験片の厚みtを測定し、試験片の表面積A(cm)を算出する。発生ガス量の試験は、ASTM E662に従い、発煙箱の容積V(m)、光路長L(m)のNBS発煙性試験装置にて煙の透過率T(%)を測定し、次式に従い発生ガス量を算出した。
発生ガス量=(V/(A×L))×log(100/T)
発生ガス量測定時のサンプル燃焼時間は20分とした。発生ガス量は6回以上測定し、測定値の和を測定回数で除した平均値とする。
【0055】
(2)航空機用内装材の空隙率評価
成形体から直方体を切り出し試験片とした。ここで、成形体に表皮材や補強材が一体化している場合は、表皮材や補強材を除去し試験片とした。まず、試験片の長さL(cm)、幅B(cm)、厚みT(cm)、および重量W(g)を測定する。次に試験片を粉砕片の最大長さが50μm以下となるように凍結粉砕し、粉砕片を収集する。この粉砕片を50℃の温度の空気中で、24時間乾燥させ、JIS R 1620のピクノメーター法に従い粉砕片の密度ρ粉砕を測定した。これらの測定値を使い、内装材の空隙率(%)を次式により算出する。空隙率は5回以上測定し、測定値の和を測定回数で除した平均値とする
空隙率=(ρ粉砕×L×B×T−W)/(L×B×T×ρ粉砕)×100。
【0056】
(3)航空機用内装材の成分割合評価
成形体から直方体を切り出し試験片とした。ここで、成形体に表皮材や補強材が一体化している場合は、表皮材や補強材を除去し試験片とした。まず、試験片の重量W(g)を測定する。続いて、強化繊維を溶解せず、熱可塑性樹脂を膨潤あるいは溶解可能な有機溶媒を選定し、試験片を選定した有機溶媒中に6時間浸積して、強化繊維のみを取り出す。取り出した強化繊維を50℃の温度の空気中で、24時間乾燥させ、重量W(g)を測定し、内装材の繊維および熱可塑性樹脂の重量分率(重量%)を次式により求める
繊維の重量分率 =W/W×100
熱可塑性樹脂の重量分=(1−W/W)×100。
【0057】
(4)航空機用内装材の繊維長評価
成形体から長さ10cmと幅10cmの直方体を切り出し試験片とした。ここで、成形体に表皮材や補強材が一体化している場合は、表皮材や補強材を除去し試験片とした。まず、強化繊維を溶解せず、熱可塑性樹脂を膨潤あるいは溶解可能な有機溶媒を選定し、試験片を選定した有機溶媒中に6時間浸積して、強化繊維のみを取り出す。取り出した強化繊維を顕微鏡観察し内装材の繊維長(mm)を測定する。繊維長は400本以上測定し、測定値の和を測定本数で除した平均値とする。
【0058】
(5)航空機用内装材の曲げ弾性率評価
成形体の平坦な部分を選び、試験片の長さ100mm、幅10mmの板状物を切り出し試験片とした。ここで、成形体に表皮材や補強材が一体化している場合は、表皮材や補強材を除去し試験片とした。曲げ試験はASTM D790に従い試験をし、内装材の曲げ弾性率(GPa)を測定した。曲げ試験の支店間距離Lは試験片の厚みTの16倍とした。なお評価にはINSTRON5565を用いた。曲げ弾性率は5回以上測定し、測定値の和を測定回数で除した平均値とする。
【0059】
(6)繊維強化樹脂の密度評価
成形体の平坦な部分を選び、直方体の試験片Aを切り出し、長さL(cm)と幅B(cm)と厚みT(cm)と重量W(g)を測定し、密度(g/cm)を次式により求める。ここで、成形体に表皮材や補強材が一体化している場合は、表皮材や補強材を除去し試験片とした。厚みは同一の試験片内で5点測定し、その平均値とする。密度は、測定回数5回の平均値とする
密度=W/(L×B×T)。
【0060】
(7)交叉位置の配置点の割合評価
航空機用内装材の成形体から、不連続の強化繊維と熱可塑性樹脂を含む成形体部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし、長さ3mm、幅3mmの範囲を断面観察し、続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。画像処理で得られる強化繊維の交叉位置の個数Xを測定する。続いて断面写真より強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置されている交叉位置の個数Yを測定する。これらの値を使い、交叉位置の配置点の割合を次式により求める。
交叉位置の配置点の割合(%)=Y/X×100
交叉位置の配置点の割合は、長さ3mm、幅3mmの範囲を10カ所以上測定し、測定値の和を測定カ所数で除した平均値とする。
【0061】
(参考例1)
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体を紡糸し焼成処理を行い、総フィラメント数24000本の炭素繊維連続束Aを得た。この炭素繊維連続束Aの特性は、次のとおりであった。
単繊維直径 7μm
単位長さ当たりの質量 1.7g/m
比重 1.8g/cm
引張強度 5GPa
引張弾性率 235GPa
炭素繊維表面の表面比炭素濃度O/C 0.1
サイジング付着量 1.5wt%。
【0062】
(参考例2)
ポリエーテルイミド樹脂(GEプラスチック社製、「URTEM1000」(登録商標))を凍結粉砕し、平均粒子径300μmのポリエーテルイミド樹脂粒子を得た。
【0063】
(参考例3)
ポリエーテルスルホン樹脂(住友化学工業(株)社製、「スミカエクセルPES4100G」(登録商標))を凍結粉砕し、平均粒子径300μmのポリエーテルスルホン樹脂粒子を得た。
【0064】
(実施例1)
参考例1で得られた炭素繊維連続束Aを、カートリッジカッターでカットし、繊維長6.4mmのチョップド糸を得た。得られたチョップド糸2340gと参考例2で得られたポリエーテルイミド樹脂粒子7760gを抄紙法によりウェブとし、続いて表皮材として厚み0.175mmのポリエーテルイミドフィルム(東レ(株)製、「カプトン」(登録商標))を前記ウェブの上下に配置し、390℃の温度の電気炉中で8分間加熱した後、室温プレスで加圧・冷却し、長さ2000mm、幅1000mm、厚み9mmの成形用基材を得た。
【0065】
得られた成形用基材を390℃の温度の電気炉中で8分間加熱し熱可塑性樹脂層を膨張させた後、金型の製品面にTORAYというロゴ入っている航空機用内装材成形用金型内に配置後、室温で冷却プレスした。プレス内で樹脂が十分固化した後に脱型し成形体を得た。さらに、図3に示すように、成形体をパンチング加工にて窓枠7等を所定形状に加工し、TORAYのロゴ入り(表皮材の非幾何学的な模様6)航空機用内装材を得た。 得られた航空機用内装材は、重量7kg、長さ1900mm、幅900mm、厚み10mmであった。表皮材以外の航空機用内装材部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察したところ、強化繊維の交叉位置(交点)に熱可塑性樹脂が融着して配置された格子構造を有しており、交叉位置の配置点の割合が10%であった。また、上述した測定手法にて、航空機用内装材の諸特性を測定したところ、発生ガス量は40であり、空隙率は65%であり、炭素繊維の重量分率は23重量%であり、密度は0.4g/cmであり、曲げ弾性率は1.8GPaであった。
【0066】
(実施例2)
実施例1と同じチョップド糸2340gと参考例3で得られたポリエーテルスルホン樹脂粒子8360gを抄紙法によりウェブとし、350℃の温度の電気炉中で8分間加熱した後、室温プレスで加圧・冷却し、長さ2000mm、幅1000mm、厚み9mmの成形用基材を得た。
【0067】
得られた成形用基材を350℃の温度の電気炉中で8分間加熱し熱可塑性樹脂層を膨張させた後、実施例1と同様の方法でTORAYのロゴ入り(表皮材の非幾何学的な模様6)航空機用内装材を得た。得られた航空機用内装材は、重量8kg、長さ1900mm、幅900mm、厚み10mmであった。航空機用内装材部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察したところ、強化繊維の交叉位置(交点)に熱可塑性樹脂が融着して配置された格子構造を有しており、交叉位置の配置点の割合が11%であった。また、上述した測定手法にて、航空機用内装材の諸特性を測定したところ、発生ガス量は50であり、空隙率は65%であり、炭素繊維の重量分率は21重量%であり、密度は0.4g/cmであり、曲げ弾性率は1.5GPaであった。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本発明の内装材の強化繊維により組まれた格子構造を例示説明するための概念斜視図である。
【図2】図2は、本発明の航空機用内装材の内装材および表皮材の構造を例示説明するための断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施態様に係る航空機用内装材の斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1.熱可塑性樹脂
2.強化繊維
3.交叉位置(交点)
4.内装材
5.表皮材
6.表皮材の非幾何学的な模様
7.窓枠
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の航空機用内装材は、固定翼機、飛行機、グライダー、回転翼機、ヘリコプター、オートジャイロ等の重航空機、飛行船、および気球等の軽航空機などの航空機の内装材として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不連続の強化繊維と熱可塑性樹脂から構成され、ASTM E662で測定される20分燃焼時の発生ガス量が0〜100の範囲内であることを特徴とする航空機用内装材。
【請求項2】
強化繊維の交叉位置に前記熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有することを特徴とする請求項1記載の航空機用内装材。
【請求項3】
強化繊維の交叉位置において、前記強化繊維が熱可塑性樹脂で融着されてなることを特徴とする請求項2記載の航空機用内装材。
【請求項4】
空隙率が20〜90体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の航空機用内装材。
【請求項5】
強化繊維が10〜60重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が40〜90重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の航空機用内装材。
【請求項6】
不連続の強化繊維の繊維長が2〜100mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の航空機用内装材。
【請求項7】
強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の航空機用内装材。
【請求項8】
熱可塑性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂およびポリエーテルスルホン樹脂から選択された少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の航空機用内装材。
【請求項9】
ASTM D790で測定される曲げ弾性率が1GPa以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の航空機用内装材。
【請求項10】
さらに表皮材が一体化されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の航空機用内装材。
【請求項11】
表皮材が、幾何学的または非幾何学的な模様を有することを特徴とする請求項10に記載の航空機用内装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−77342(P2006−77342A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260813(P2004−260813)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】