説明

芝の競技場表面の通気及び排水システム

競技場表面の下の穴空きパイプ管路網である。管路網に連結された送風機が、真空を作るために、管路網を通して空気流を吸引する。排水パイプは管路網に連結している。空気/水分離装置が送風機の上流に連結され、空気流が送風機に入るより前に空気流から水を分離し、この水を排出するために排水パイプ内に流す。流れ制御ユニットは、空気/水分離装置の下流で排水パイプに連結されたユニット入り口及び水を排水出口に排出するユニット出口を持つ。流れ制御ユニットは、送風機が真空モードにあるときユニット入り口を通って排水パイプ内に空気流が入ることを阻止し、そしてユニット入り口におけるウオーターヘッドの立ち上がりが送風機により確立された真空レベルを越えたときユニット入り口を開き、排水出口を通って水を排出する。

【発明の詳細な説明】
【関連特許とのクロスレフェレンス】
【0001】
本願は2005年3月17日付け米国特願第60/662,913号及び2005年3月31日付け米国特願第11/094,995号からの優先権を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に地表下の通気及び排水システムに関し、特に地表下システムの大気の隔離を維持し、同時に空気から水を分離しかつこの水をシステム外に排水するための組み合わせられた圧力及び真空弁の組立体に関する。
【0003】
地表下システムは、運動場及びゴルフ場の芝の排水及び通気をするために開発されて来た。典型的なシステムは、芝の区域の下に置かれた相互に連結された排水パイプの管路網及び排水パイプ管路網内に部分真空又は差圧を作るような方法で連結された送風機を備える。水は、外部の排水場所に水を送る1個又は複数個の「落ち口」パイプを通して管路網から排水される。例えば、多くのグリーンは、グリーンの下の排水管の位置により定められた幾つかの落ち口を持つ。例えば、リッジから傾斜し離れていく傾斜面が幾つかあるグリーンは、各傾斜区域に対して各一つの落ち口があるように配管されることが多い。
【0004】
真空モードの運転においては、芝の区域を通って空気が吸引されるときに水が除去され、水は空気流の中の捕捉され、空気と水の混合物が送風機に向かって動く。通常は、排水管網と送風機との間に「水分離装置」と呼ばれる装置が置かれ、これが、空気/水の混合物を、送風機に至る空気流及び排水落ち口内への水の流れの二つの分離した流れに分けるように作用する。水が送風機に達しないようにすることが望ましい幾つかの理由がある。第1に、送風機は、通常は、重い水滴ではなくて空気を動かすように設計される。空気流の中に多くの水分が混合されると効率及び効果がともに低下する。第2に、水は、パイプ内の低い所又は「鞍部」に集まる傾向が有り、これがパイプの有効断面積を小さくし、このためパイプを通る空気量、最終的には芝を通る空気量を減らす。
【0005】
送風機システムは部分真空ではなくて第2の圧力モードがあり、この場合は、部分真空ではなくて圧力がグリーンの下に加えられて空気が芝を通って上向きに流れ、これにより根元に通気し、かつグリーン下の地表下により調整された空気流により表面温度を和らげる。
【0006】
真空モード又は圧力モードのいずれにおいても、処理される区域の下の管路網は大気圧から隔離される。かかる隔離なしでは、圧力差は僅かしか無く又は無く、空気の通路は、芝を通って送風機へではなくて落ち口と送風機との間に行こうとするであろう。
【0007】
空気−水の混合物を二つの流れに分けかつ同時に送風機及び排水落ち口により作られた真空又は圧力との間の気圧の隔離を提供する種々の形式の分離装置及び弁が開発されてきた。通常のかかる分離装置の一つは、室に入った水/空気流がバッファに出会い、これにより、水を重力によって底部に落下させ、一方、空気は、水面上を、送風機に連結された室の頂部に近い部分に動き続けるように構成された円筒の室より構成される。通常の分離装置の重要な特徴は、円筒の底部に連結されかつ円筒から落ち口パイプ内に排出される水が通過する「Jトラップ」パイプの構成である。Jトラップは、分離装置内の圧力又は真空を落ち口パイプから隔離するように作用する。地下貯水室内及びJトラップの下方に水がたまり、この水の圧力ヘッドが送風機により作られる真空に打ち勝つ大きさになると水はJトラップから流出し、排水管路を通って排水落ち口に行く。かかるシステムの一例を特許文献1において見いだすことができる。
【0008】
Jトラップの適正な機能は、分離装置の送風機により作られる圧力又は部分真空に逆らうように保持されている十分な水に依存する。例えば、システムが圧力モードにありかつ圧力の大きさが水柱508mm(20インチ)である場合は、Jトラップのアウトレッグ(out leg)は、送風機の圧力に逆らうために508mm(20インチ)以上でなければならない。真空モードの場合は、分離装置の円筒を満たすことなしに水が外行きの脚から逃げることを許す十分な圧力を発生させるために、長い下降脚は、外行きの脚より約508mm(20インチ)長くしなければならない。圧力及び真空の二つの運転モードを考えたとき、トラップは、芝の下の送風機真空を排水管路内の大気圧から適切に隔離するために1219mm(48インチ)以上大きく無ければならない。分離装置とJトラップと設置し覆うために要する穴の全深さは約2.78m(8フィート)である。
【0009】
グリーンの下の落ち口が多い排水管路網のたった1個の落ち口が分離装置を経て送風機に連結される。同じ管路網の追加の落ち口又は多数の落ち口も、芝の下の排水管路網内に適正な圧力又は真空を確立するために大気圧から隔離させねばならない。通常は、この目的のためにもJトラップが使用され、そして、例えば3個の落ち口のあるゴルフグリーンは、典型的に3個のJトラップ、即ち、分離装置ユニットに置かれた1個及び残りの2個の落ち口の各に1個ずつが使用されるであろう。
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,507,595号 明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、この形式の配列に伴う幾つかの問題がある。より特別には、設置の際、Jトラップ付きの分離装置又は落ち口が複数あるグリーンにおけるJトラップの設置は深い掘削が要求される。設置をする人達は、深い掘削を必要としない場合は、より迅速にパイプを置きそして信頼し得る接続をすることができる。深い掘削は、浅い掘削には不必要なバックホウ及び同様な機器のような特別の設備及び設備の運転者が必要である。深い掘削が必要な場合は、設置に要する費用と時間とが増大する。
【0012】
更に、信頼性に関して、Jトラップは、デザインにより、排水落ち口に水が移動する深くかつ曲がった通路を持っている。これらの深い区域は沈殿物が堆積し、そして流路を狭くし又は詰まらせる傾向がある。Jトラップは、特に「微細物]のため芝の洗い落としが多くなる新しいグリーンを置いた後及びJトラップの設置後は、しばしば検査をする必要がある。別の問題は、Jトラップが設置され分離装置の円筒と接続された後、周囲の土が移動したときに生ずる。2者の相対移動がJトラップの継手を破損させ又はヒビを入らせる傾向が有り、これにより、余計な堆積物及び微細物がトラップに入ること又はJトラップを作動させなくすることを許す。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、設置のための深い掘削を必要とせずかつシステムと大気との隔離を維持しつつ空気から水を分離し、この水をシステム外に排水する芝の競技面の通気及び排水システムを提供することが本発明の目的である。
【0014】
上の目的は、表面の下に設置された穴空きパイプの管路網、及び管路網における空気流を確立するために管路網と機能的に組み立てられた送風機を備えた芝の競技面の通気及び排水システムを提供する本発明の実施例により達成される。排水パイプが、管路網から通路を通して水を流すために穴空きパイプ管路網に連結される。送風機は、空気流が管路網内の真空を作る真空モードを持つ。真空モードにおいて空気流が送風機に入るより前にこれから水を分離するため、及びこの水を排水出口を通して排出するように排水パイプ内に通路を通して流すために、空気/水分離装置が送風機の上流に連結される。ユニット入り口を有する流れ制御ユニットが、空気/水分離装置の下流で排水パイプに連結され、そしてユニット出口が排水出口に水を排出する。流れ制御ユニットは、送風機が真空モードにあるとき、空気流がユニット入り口を通って排水パイプに入ることを阻止する真空運転モードを有し、そして真空モードにおいて、ユニット出口における排水パイプ内のウオーターヘッドの立ち上がりが空気/水分離装置における送風機により確立された真空レベルを越えたときユニット入り口を開き、排水出口を通して水を排出する。
【0015】
本発明の好ましい実施例においては、流れ制御ユニットは、真空モードにおいて空気と水とがユニット入り口を通って流れることを阻止する第1の位置、及び規定のウオーターヘッド立ち上がりにおいて排水出口への水の排出を許す第2の位置の間を動き得る第1の弁部材を有する真空部を備える。更なる有利な実施例においては、第1の弁部材は、真空モードにおいてユニット入り口を閉鎖し更にユニット出口を通して水を排出するために規定のウオーターヘッド立ち上がり高さにおいて開口するために、ユニット入り口において支持されるフラッパーを備える。
【0016】
更なる実施例においては、送風機は、空気流を穴空きパイプ管路網内に向け、更に芝の競技面まで向ける圧力運転モードを有するように構成し配列することができる。流れ制御ユニットは、圧力モードにおいて、空気流が排水出口を通って出ることを防ぐために空気流がユニット出口を通ることを阻止する第1の位置に動き得る第2の弁部材を有する圧力部を備え、更に第2の弁部材は、真空モードにおいて、水がユニット出口を通って出ることを許す第2の位置に動き得ることが有利である。好ましい実施例においては、第2の弁部材は、圧力モードにおいてユニット出口を通る空気流を阻止するために空気流によりユニット出口内に向けられるフロートボールを備え、フロートボールは、真空モード中、水が流れ制御ユニットに入ることによりフロートボールがユニット出口の外に浮上され、そして水が前記ユニット出口を通りそして排水出口を通って出ることを許す。
【0017】
更なる有利な実施例においては、圧力モード中、第2の弁部材が第1の位置にあるとき、水を排水出口に排出させるためにユニット出口に水のバイパス通路が備えられる。
【0018】
更に、本発明は、排水出口への排水を促進しかつ規定のウオーターヘッドの立ち上がりを確立するために空気/水分離装置から分離装置より低い高さにある流れ制御ユニットの位置に排出パイプが下り勾配にされることを含む。好ましい実施例においては、空気/水分離装置と流れ制御ユニットとの間の排水パイプの傾斜度は、排水パイプの長さに応じて一般に5%と40%との間である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実行するように設計された構成が、そのその他の特徴とともに以下説明されるであろう。本発明は、以下の説明及び本発明の部分を形成する付属図面を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
【0020】
本発明は、図面を参照し、より詳細に説明されるであろう。図1を参照すれば、競技場の表面からの排水を制御し、同時に芝の成長と維持とを促進するために競技場の表面を通気する一般に12で示された芝の通気及び排水システムを有する一般に10で示された芝の競技場の表面が示される。
【0021】
通気及び排水システム12は、一般に14で示された流路網を備え、この流路網は、競技面10の下に設置された複数の穴空きパイプ16及びマニホルドパイプ17を有し、通気のため及び競技面から水を取り除くために空気がこれを通過する。流路網14は、更に、水を排水落ち口20に流すための排水パイプ18を備える。落ち口は、典型的に、水を貯水池内に排出することができる。
【0022】
流路網、特に穴空きパイプを通る空気流30を作るために、送風機22が液体流路網14と機能的に連通して接続される。これは、選択的に真空の空気流30a、又は圧力空気流30bを作ることができる。送風機22は、流体流路網14を通して空気流30aを吸引し、次いで上方の地上通気口24を通って噴気させる真空運転モードを持つ。空気流30aは流体流路網14内で真空を作り、競技場の表面及び穴空きパイプを通して空気と水とを吸引し、芝の競技場表面における希望の排水又は通気を提供する。更なる実施例においては、送風機22は圧力モード運転用に構成し配列することができる。この運転モードにおいては、空気流30aが逆にされ、圧力空気流30bが流体流路網14内に向けられ、そしてこれは穴空きパイプ16から出て芝の競技面10まで移動する。これは、芝の根元の通気及び芝の温度管理のために有用である。あるいは、システムは、二重モードの実施例が最も有利ではあるが、圧力モード専用に、又は真空モード専用に、更に真空及び圧力の両モードで運転可能であるように限定されずに構成し配置することができる。
【0023】
図2に最もよく示されるように、真空モードにおいて空気が送風機22に流れ込むより前に空気流30から矢印28で示されるように水を分離するために、空気/水分離装置26が、送風機22の上流で流体流路網14に連結される。水は、以下詳細に説明されるように、排水出口20を通って排出するために、排水パイプ18内に注がれる。送風機への空気流から水を取り除くことは、送風機の構成要素の摩耗と破損とを減らし、システム内のより効率的な空気流をもたらす。送風機22が圧力モードで運転しているときは、空気流は排水パイプ18に向けられ、更に穴空きパイプ16に向けられる。真空モード又は圧力モードのいずれにおいても、空気流は最小抵抗の経路を通って移動するであろう。従って、排水パイプ18端部が開かれた場合は、送風機が真空を引いたとき、空気を排水パイプ18から吸引し、これを通気口24から吐き出すであろう。空気が穴空きパイプを通って流れたとしても非常に少量である。また、圧力モードにおいては、空気を穴空きパイプ16に向けるように制御しないならば、空気はまず排水パイプから出るであろう。
【0024】
図2を参照すれば、排水パイプ18を通る空気の出入を防止し、一方では排水出口20を通る水の排出を許すことにより流体流路網の大気に対する隔離を維持するために、一般に32で示された流れ制御ユニットが提供される。流れ制御ユニット32は、空気/水分離装置26の下流で排水パイプ18に連結されたユニット入り口34を備える。排水パイプ18から排水するために、追加の排水パイプ又は排水出口20への連結のためにユニット出口36が設けられる。
【0025】
図3a及び3bを参照すれば、流れ制御ユニット32は、送風機22が真空モードで運転しているとき、空気流30aが、ユニット入り口34を通して排水パイプ18内に内向きの追加の空気を吸引することを阻止する真空モード運転を持つ。ユニット入り口34は、真空モード運転中、図3aに最もよく示されるように、一般に38で示されたウオーターヘッドを作るように水37の嵩が増えたときに開くだけである。ウオーターヘッドが、送風機22により確立された流体流路網内、特に空気/水分離装置26内の真空の力より大きくなると、図3bに最もよく示されるように、流れ制御ユニット32がユニット入り口34を開き、水37は制御ユニットを通過して排水出口20を経て排出される。ウオーターヘッドの立ち上がりが除かれた後、流れ制御ユニット32がユニット入り口34を閉鎖して空気の流入を防ぐ。ユニット入り口32は、ユニット入り口32におけるウオーターヘッド圧力の結果としてユニット入り口32を通るようにこれを押す水の力によってのみ開く。従って、空気はユニット入り口32を通って流体流路網には僅かしか入らず又は入ることができず、これにより送風機22により確立された真空が維持される。
【0026】
本発明の好ましい実施例においては、流れ制御ユニット32は、一般に40で示された真空部40を備える。この真空部は、ユニット入り口34を閉鎖しかつ真空モードにおいてはユニット入り口34を閉鎖して空気と水とのユニット入り口34の通過を阻止している一般に44で示されかつ図3aに図示された第1の位置の間を動き得る第1の弁部材42を持つ。図3bを参照すれば、第1の弁部材42は、更に一般に46で示された第2の位置を持ち、この位置においては、入り口34が開かれ規定のウオーターヘッド立ち上がりの水の排水出口への排出を許す。ウオーターヘッドの立ち上がり38が部分的に下がると、空気流30aの真空の力により第1の弁部材42がユニット入り口34を再び閉鎖し、流体流路網14と周囲に大気との間の圧力差の結果として空気が排水パイプ18内に入ることを自動的に防止する。好ましい実施例においては、第1の弁部材42は、ユニット入り口34に旋回可能に支持され42で示されたフラッパーを備え、このフラッパーは、真空モードにおいてウオーターヘッド38を作るようにユニット入り口を閉鎖し、そして規定のウオーターヘッドの立ち上がりの高さにおいてユニット出口36を通して水を排出するために開く。保守のために清掃及び保守のための接近ができるように、流れ制御ユニット32の真空部40に、着脱自在の蓋48が支持される。
【0027】
更なる有利な実施例においては、図3cを参照し、流れ制御ユニット32は、一般に50で示された圧力部を備える。送風機22が圧力モードで運転されているとき、空気流30bは排水パイプ18を通って下に向けられる。空気流が出ることを防ぐために、第2の弁部材52が設けられる。これは、圧力モードにおいては一般に54で示された第1の位置に動くことができ、空気流が排水出口20を通って出ることを防ぐように、ユニット出口36を通って出る空気流30bを阻止する。第2の弁部材52も、一般に56で示されかつ図3a及び3bの両者において図示された第2の位置に動くことができる。第2の弁部材52は、送風機22及び流れ制御ユニット32の真空モードの運転の際は第2の位置56に動かされる。流れ制御ユニットは、水37がユニット出口36を通って出ることを許す。図示実施例においては、第2の弁部材52は、同じく52で示されたフロートボールを備える。フロートボール52は、圧力モードの空気流によりユニット出口36内に向けられ、ユニット出口を通る空気流を阻止する。しかし、送風機22が真空モードに切り替えられたときは、図3bに最もよく示されるように、フロートボールは、流れ制御ユニットに入ってくる水により浮上してユニット出口36から離され、水がユニット出口36を通って出て排水出口を通って排出されることを許す。保守のために、清掃及び保守のための接近ができるように流れ制御ユニット32の圧力部50に着脱自在の蓋58が支持される。
【0028】
図3cを参照すれば、更なる有利な実施例においては、圧力モード中、水を排水出口に排出するためにユニット出口に水のバイパス通路60が設けられ、第2の弁部材52が第1の位置にあるとき、空気流がユニット出口36から出ることを防止する。残った水は、圧力モード運転中、流体流路網14に入ることがあるので、堆積物の堆積及びその他の保守排出物を防ぐために水をシステムから排出できることが有利である。しかし、第2の弁部材52が第1の位置54にあるときは、これにより、空気及び水の両者がユニット出口36に入ることが阻止される。水バイパス通路60は、排水のために少量の水を第2の弁部材52を迂回して誘導することを許すが、流体流路網14内の圧力を維持するために多量の空気が出ることは許さない。
【0029】
図1及び2を参照すれば、排水パイプ18は、空気/水分離装置26から空気/水分離装置よりも低い高さの流れ制御ユニット32の位置に下向きの傾斜し、排水出口20への排水及び第1の弁部材42と組み合ったウオーターヘッドの規定された立ち上がりの確立を支援する。好ましい実施例においては、空気/水分離装置26と流れ制御ユニット32との間の排水パイプ18の傾きの角度Aとして示された傾斜度は、表1に示されうように一般に5%から40%の間である。
【0030】
表1: 水柱609,6mm(24インチ)を作る送風機に対する
空気/水分路装置と流れ制御ユニットとの間のパイプの長さ
傾斜度(%斜面) パイプの長さ
5% 30.48m(100フィート)
10% 15.24m(50フィート)
20% 7.62m(25フィート)
30% 5.18m(17フィート)
40% 3.96m(13フィート)
【0031】
従って、本発明の通気及び排水システム12は、真空部40及び圧力部50の組み合わせを備え、その各は、機械的に作動させることなく一緒に選択的にかつ自動的に流体流路網14内に空気流及び水が入ることを防ぐ弁部材42、52を持つ。このシステムは、深い掘削、外部制御の必要がなく、かつ上述されたJトラップのような通常の排水システムよりも詰まる傾向が小さい。
【0032】
真空部40は水と空気が一方向にのみ流れることを許す逆止め弁を備えることができる。上述のように、好ましい実施例は、排水パイプ18からの空気流又は水の圧力が排水出口20の圧力より大きいときに一方向に開くフラッパー42を使用する。圧力差が、バネ又はその他の機械的手段の支援なしにフラッパーを開閉させる。
【0033】
圧力部50に関して、これは、フロートボール52を収容しているT字形継手として構成し配置することができる。ユニット出口36は、圧力モードにおいて、フロートボール52が空気圧により、ある例においては水により、強制されて排出開口を塞ぐような規定された開閉をする。送風機22の真空運転モードにおいては、装置に入ってくる水37がボールを浮上させて開口から離し、これにより水流は制限されずにユニット出口36を通ることができる。
【0034】
圧力部50における第2の弁部材52の重要な特徴は、ユニット出口36の寸法及び形状である。第2の弁部材52としてフロートボールが使用されるときは、これは、その背後の空気圧と水圧との組み合わせにより開口内に押される。フロートボール52に加わる正常な浮力が開口内の水圧の欠如のためになくなり、ボールはその背後の空気と水の圧力の組み合わせにより開口内に押し込まれる傾向を持つ。従って、開口は、圧力モードの際の圧力差による詰まりの傾向を減らすに十分に小さく、しかも真空モードにおいて全流量を許すに十分に大きくなければならない。好ましい実施例においては、直径76.2mm(3インチ)のユニット出口の開口に対する直径149.9mm(5.9インチ)のボールの使用が、水柱228.6mm(9インチ)の圧力に打ち勝つに十分な浮力を提供する。最良の適合を確保するために、開口の中心線がボールの中心と適合することが好ましい。
【0035】
別の考察は、システムが圧力モードにある間、排水システム内に流れ込むかもしれない水を除去することであった。上述のように、このために、ユニット出口36に小さい水のバイパス通路が設けられる。半径12.5mm(0.5インチ)のバイパス開口が圧力部におけるバックアップを排除するに十分な流量で排水し、一方、同時に流れ制御ユニット32内に水がないときの空気流の大きい損失を防ぐことが試験された。試験はバイパスの流れが主流の15%より典型的に少ない結果をもたらした。
【0036】
二つの部分40と50とが直列に連結されたとき、水と空気は一方向に自由に通過できるが、他の方向には流れない。この二つの部分は互いに隣接し、又はパイプの相互連結部分により分離することができる。或いは、両方の部分を、第1及び第2の弁部材42及び52を収容する単体に一緒に形成することができる。
【0037】
この二重弁システムは、通常の空気/水分離装置及びJトラップ構成を無くすために適切な排水管路に関連して使用することができる。この二重弁配列は、真空下で排水するように、真空モードの負圧に逆らうに十分にウオーターヘッドを立ち上げるように、芝の競技面10と排水出口20との間の領域の傾斜又は坂道を使用する分布された空気/水分路装置の構成を可能にする。
【0038】
本質的に、このシステムは、穴空きパイプ16の端部から排水出口20に向かって走っている比較的浅い壕の中で互いに連結された三つの機能部分より構成される。芝の競技面から排水出口に向かって次の三つの部分がある。1)空気/水分離装置26、2)排水パイプ18、及び3)流れ制御ユニット32。
【0039】
空気/水分離装置26は、一つの脚61を一般に垂直位置に向けた状態で下り線(又は下り坂)に沿って向けられたY字形の継手を備える。垂直方向の脚は空気管路62により送風機22に連結され、他方の脚64は上の入り口66において穴空きパイプ16に連結され、更に下方の出口68において排水パイプ18に連結される。
【0040】
ウオーターヘッドは空気/水分離装置26と流れ制御ユニット32との間で発達させねばならないので、必要なパイプの長さは、上の表1において説明されたように、排水パイプ18が設置される土地の傾斜に依存する。与えられた送風機により作られる負圧に打ち勝つように規定のウオーターヘッドを作るには、急な斜面は少ないパイプを必要とし、緩い斜面はより多くのパイプが必要である。
【0041】
一般に、サウスカロライナ州エイコンのサブエアー・インク(SubAir,Inc.,)により製造されたサブエアー7.5馬力(SubAir 7.5HP)送風機については、真空のレベルは水柱508から609.6mm(20から24インチ)の範囲内であり、従って空気/水分離装置26から流れ制御ユニット32までの高低差は609.6mm(24インチ)より大きくなければならない。しかし、この場合は、流れ制御ユニット32の適正な作動を確保するためには914.4mm(36インチ)が提供されることが好ましい。サブエアー・ポータブル・エア・フォース−1(SubAir Portable Air Force−1)送風機ユニットに対しては、真空レベルは水柱1143mm(45インチ)までであり、対応した推奨高低差は1542mm(60インチ(5フィート))である。
【0042】
圧力モードにおいては、圧力モードにある間に競技場の面から水が排水される場合、水を流すために小さいバイパス60が設けられるが、流れ制御ユニット32の圧力部50は送風機22から来る空気流を全流量の一部に制限する。
【0043】
本発明のシステムは、多数の排水出口を大気圧から隔離するための独立型の装置として使用し、これにより排水パイプ内の真空/圧力を送風機により制御することもできる。ゴルフのグリーンのような芝の競技面は、グリーン上の与えられた傾斜に対して、グリーン下の排水パイプ(穴空きパイプ16)の位置により定められる幾つかの排水出口を持つことがある。例えば、リッジから遠ざかる数個の斜面を有するグリーンは、各傾斜領域について排水出口のある排水パイプを有して配管されることが多い。このような場合は、システムは、特別な排水の形態を考慮するような方法で設置する必要がある。幾つかの可能性、即ち、1個の排水出口における真空又は圧力が管路網全体にわたる真空及び圧力を発生せるグリーン下の連続して相互に連結された通気及び排水システムがある。この場合、空気/水分離装置26及び送風機22は、排出出口20の一つ又はシステム用に設けられた掃除穴にさえ連結することができる。その他のいかなる排水出口も送風機22により作られた真空又は圧力を、ここに説明されたように、流体流路網の周囲の大気から隔離するために穴空きパイプ16と排水出口位置との間に連結された流れ制御ユニット32を持つことが必要である。
【0044】
本発明の好ましい実施例が特定の用語を用いて説明されたが、かかる記述は説明の目的のためであり、特許請求の精神又は範囲から離れることなく変更及び変化をなし得ることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による芝の競技面のための通気及び排水システムを示す平面図である。
【図2】本発明により配置された空気/水の分離装置及び流れ制御ユニットの拡大図である。
【図3a】本発明によるウオーターヘッド立ち上がりを作る真空モードで作動している流れ制御ユニットの詳細図である。
【図3b】本発明によりウオーターヘッドの立ち上がりが除去される真空モード運転における図3aの流れ制御ユニットの詳細図である。
【図3c】圧力モードで作動している図3aの流れ制御ユニットの詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の下に設置された穴空きパイプの管路網、及び管路網内の空気流を確立するために前記管路網と機能的に組み立てられた送風機を備えた芝の競技面の通気及び排水システムであって、
前記管路網から通路を通して水を流すために前記穴空きパイプの管路網に連結された排出パイプ;
前記空気流が前記管理網内の真空を作る真空モードを有する前記送風機;
前記真空モードにおいて空気流が前記送風機に入るより前にこれから水を分離し、そして水を排水出口を通して排出するために前記排水パイプ内に通路を通して流すために、前記送風機の上流に連結された空気/水分離装置;
前記空気/水分離装置の下流で前記排水パイプに連結されたユニット入り口及び水を前記排水出口に排出するユニット出口を有する流れ制御ユニット;
前記送風機が前記真空モードにあるとき、空気流が前記ユニット入り口を通って前記排水パイプに入ることを阻止する真空モード運転を有する前記流れ制御ユニット;及び
前記真空モードにおいて、前記ユニット入り口における前記排水パイプ内のウオーターヘッドの立ち上がりが前記空気/水分離装置における前記送風機により確立された真空レベルを越えたとき、前記排水出口を通して水を排出する前記ユニット入り口を開く前記流れ制御ユニット
を備える前記システム。
【請求項2】
前記流れ制御ユニットが、前記真空モードにおいて空気と水とが前記ユニット入り口を通って流れることを阻止する第1の位置、及び規定のウオーターヘッド立ち上がりにおいて前記排水出口への水の排出を許す第2の位置の間を動き得る第1の弁部材を有する真空部を備える請求項1のシステム。
【請求項3】
前記第1の弁部材は、前記真空モードにおいて、前記ユニット入り口を閉鎖しそして前記ユニット出口を通して水を排出するために規定のウオーターヘッド立ち上がり高さにおいて開くために前記ユニット入り口において支持されるフラッパーを備える請求項2のシステム。
【請求項4】
前記送風機が、前記空気流を穴空きパイプ管路網内に、更に芝の競技場面まで向ける圧力運転モードを有する請求項2のシステム。
【請求項5】
前記流れ制御ユニットが、前記圧力モードにおいて、前記空気流が前記排水出口を通って出ることを防ぐために前記空気流が前記ユニット出口を通ることを阻止する第1の位置に動き得る第2の弁部材であって、かつ前記真空モードにおいて水が前記ユニット出口を通って出ることを許す第2の位置に動き得る前記第2の弁部材を有する圧力部を備える請求項4のシステム。
【請求項6】
前記送風機が、前記空気流を穴空きパイプ管路網内に、更に芝の競技面まで向ける圧力モード運転を有する請求項1のシステム。
【請求項7】
前記流れ制御ユニットは、前記圧力モードにおいて、前記空気流が前記排水出口を通って出ることを防ぐために前記空気流が前記ユニット出口を通ることを阻止する第1の位置に動き得る第2の弁部材であって、かつ前記真空モードにおいて水が前記ユニット出口を通って出ることを許す第2の位置に動き得る前記第2の弁部材を有する圧力部を備える請求項6のシステム。
【請求項8】
前記第2の弁部材が、前記圧力モードにおいて前記ユニット出口を通る空気流を阻止するために空気流により前記ユニット出口内に向けられるフロートボールを備え、真空モード中、水が前記流れ制御ユニットに入ることにより前記フロートボールが前記ユニット出口の外に浮上され、水が前記ユニット出口を通りそして前記排水出口を通って排出されることを許す請求項7のシステム。
【請求項9】
前記圧力モード中、前記第2の弁部材が前記第1の位置にあるとき、水を前記排水出口に排出させるために前記ユニット出口に水のバイパス通路を備える請求項7のシステム。
【請求項10】
前記排水出口への水の排出を促進しかつ規定のウオーターヘッドの立ち上がりを確立するために、前記排出パイプが前記空気/水分離装置から前記分離装置より低い高さにある前記流れ制御ユニットの位置に下り勾配にされる請求項1のシステム。
【請求項11】
前記空気/水分離装置と前記低い流れ制御ユニットとの間の前記排水パイプの傾斜度が、前記排水パイプの長さに応じて一般に5%と40%との間である請求項10のシステム。
【請求項12】
芝の競技面の通気及び排水システムにおいて、競技面の下に設置された複数の穴空きパイプであって、これを通して通気のために空気流が通過しかつ競技面から水を抜く前記穴空きパイプ、及び空気を通すためと排水のための前記穴空きパイプから出た水を通すために穴空きパイプを相互連結するマニホルドパイプ、及び前記マニホルド及び穴空きパイプ内の真空を作るように前記空気流を確立するための真空運転モードを有し前記穴空きパイプと機能的に組み合わせられた送風機を有するシステムであって、
地下の比較的浅い深さに配置され水の分離及び排水が効率的に行われる機能的な長さを有する水分離及び排水管路網;
分離及び排水管路網に含まれ、前記送風機より前で前記空気流から水を分離するために前記マニホルドパイプに機能的に連結された空気/水分離装置;
前記分離及び排水管路網に含まれ、水を排水用の排水出口に送りかつ前記排水パイプ内の水圧を確立するために、前記空気/水分離装置に連結され前記空気/水分離装置から下方に傾斜した長い排水パイプ;及び
ユニット入り口及びユニット出口を有する流れ制御ユニットであって、前記ユニット入り口における前記排水パイプ内の水圧の立ち上がりを制御するために前記空気/水分離装置の下流で前記排水パイプに連結された流れ制御ユニット;前記真空運転モードにおいて、第1の方向で前記流れ制御ユニットを通る空気流を阻止しその際に前記ユニット入り口において圧力の増加して行くウオーターヘッドが作られる第1の位置、及び前記水圧が前記排水パイプ内の真空の力を越えたときに前記第1の方向と逆の第2の方向で前記ユニットの入り口及び出口を通って水を排出させる第2の位置の間を動き得る第1の弁部材を有する前記流れ制御ユニット
を備える前記システム。
【請求項13】
前記空気/水分離装置が、前記送風機に連結され上方に傾けられた脚及び前記マニホルドパイプ及び前記排水パイプに連結された他方の脚を有するY字形継手を備える請求項12のシステム。
【請求項14】
前記第1の弁部材が、前記真空モードにおいて前記ユニット入り口を閉鎖するために一般に前記流れ制御ユニットのユニット入り口に支持されたフラッパーを備え、前記フラッパー弁が規定されたウオーターヘッド圧力において開きそして水圧が前記規定された圧力以下に低下したとき閉じる請求項12のシステム。
【請求項15】
前記送風機が、前記空気流を前記穴空きパイプ内に向け更に芝の競技場面を通って上げる圧力運転モードを有する請求項12のシステム。
【請求項16】
前記流れ制御ユニットが、前記圧力モードにおいて前記空気流が前記排水出口を通ることを防ぐために前記ユニットの入り口及び出口を通る前記空気流を阻止する第1の位置、及び前記真空モードにおいて前記ユニットの入り口及び出口を通る水の排出を許す第2の位置を有する第2の弁部材を備える請求項15のシステム。
【請求項17】
前記圧力モードにおいて、前記第2の弁部材が前記ユニット出口の阻止している前記第1の位置にあるとき、前記流れ制御ユニットに入る水を前記排水出口に排出するために前記ユニット出口に水のバイパス通路を備える請求項16のシステム。
【請求項18】
前記排水出口への水の排出を促進しかつ規定されたウオーターヘッド圧力を確立するために、前記排水パイプが前記排水パイプの長さに応じて一般に5%から40%の間の傾斜で前記空気/水分離装置から下向きの傾斜にされる請求項12のシステム。
【請求項19】
芝に通気をしかつ競技場表面の水を除去する方法において、穴空きパイプを有する流体流路網が競技場の表面の下に設置され、そして排水パイプが流路網に連結された前記方法であって:
表面から前記穴空きパイプ内に空気と水とを吸引するために前記流路網に真空を引き;
空気と前記流路網内に引かれる水とを分離し;
排水出口を通して水を運ぶために水を前記排水パイプ内に向け;
前記穴空きパイプ内に前記真空が確立されたとき、空気が前記排水出口を通って前記排水パイプ内に入ることを防ぐために前記排水パイプ内に空気流が入ることを阻止し;更に
前記排水パイプ内のウオーターヘッド圧力が前記流路網における真空力を越したとき、前記排水出口を通して水を排出させるために水が前記排水パイプを通って流れることを許す
諸段階を含んだ方法。
【請求項20】
空気が前記穴空きパイプを通り競技場の表面まで強制するために前記流路網を加圧する段階を含む請求項19の方法。
【請求項21】
前記流路網の加圧を維持するために、空気流が前記排水出口を通って前記排水パイプから出ることを阻止ずる段階を含む請求項20の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公表番号】特表2008−532546(P2008−532546A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501893(P2008−501893)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/006127
【国際公開番号】WO2006/101652
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507311614)スベア・システムズ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】