説明

芳名録カード

【目的】 葬儀や結婚式やパーティー等において、参列者一人一人に一枚ずつ渡して別々に記入するカード形式とすることにより、参列者に対する受付業務の簡素化及び迅速化が図れるとともに、受付の混雑を解消でき、また式後における各種の事務処理を能率的に行え、特にコンピュータ管理とする場合、式場において即時に必要事項の入力が可能になるとともに、入力ミスの発生も少なくできる芳名録カードを提供する。
【構成】 カード表面に、少なくとも、氏名を記入するための氏名記入欄5と、住所又は会社名等の居所を記入するための居所記入欄7とを区分けして設けるとともに、これら記入欄を識別する文字を印刷し、また金額を追記するための金額追記欄10を設ける。更に、名刺を添付できる切込み12を設けても良い。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、葬儀や結婚式やパーティー等において、参列者に氏名や住所などを記入してもらうための芳名録カードに関する。
【0002】
【従来の技術】
葬儀や結婚式やパーティー等において従来使用されている芳名録は、所要枚数の用紙を予め綴じ込んだ冊子となっており、受付のテーブル上に筆記具と共に置き、参列者が並んで順番に列記していく使用形態であった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
そのため、参列者が多い場合には、受付を通るまでの待ち時間が長くなるばかりでなく、受付が混雑し、式典の進行が遅れるとか、参列者に迷惑をかけるようなことがあった。また、記帳された芳名録は、多数の参列者を単に列記した冊子となるため、式後に主催者において参列者の氏名や住所や会社名等を整理・転記したり、頂戴した金品などを記帳・集計したりする場合、その事務処理を能率的に行えず、特にそれをコンピュータ管理で行おうとした場合、定式化されていないため、コンピュータ入力に手間がかかるとともに、入力ミスを起こし易いという問題があった。
【0004】
本考案の目的は、従来のこのような問題点に鑑み、葬儀や結婚式やパーティー等において、参列者一人一人に一枚ずつ渡して別々に記入するカード形式とすることにより、参列者に対する受付業務の簡素化及び迅速化が図れるとともに、受付の混雑を解消でき、また式後における各種の事務処理を能率的に行え、特にコンピュータ管理とする場合、式場において即時に必要事項の入力が可能になるとともに、入力ミスの発生も少なくできる芳名録カードを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案による芳名録カードは、基本的構成として、カード表面に、少なくとも、氏名を記入するための氏名記入欄と、住所又は会社名等の居所を記入するための居所記入欄とを区分けして設けるとともに、これら記入欄を識別する文字を印刷し、また金額を追記するための金額追記欄を設けたものである。
【0006】
このような基本的構成に加えて、名刺を着脱自在に添付することができる名刺保持部を設けると良い。この名刺保持部としては、例えば、名刺の角部を差し込んで保持できる複数の切込みで良い。
また、綴じ具で綴じ込んで整理できるように綴込孔を設けても良い。
この芳名録カードを葬儀用とする場合には、カード表面の周辺縁部に黒枠を印刷し、祝儀用とする場合には、カード表面の周辺縁部に装飾図形を印刷する。
更に、カード裏面にメッセージ欄を設けることもできる。
【0007】
【作用】
この芳名録カードを使用するに当たっては、葬儀や結婚式やパーティー等の受付において、参列者一人一人に一枚ずつ渡し、氏名と居所(住所又は会社名等)
とをそれぞれの記入欄に各人別々に記入してもらい、名刺で代用できる場合には名刺を添付してもらう。金額追記欄には、本カードを回収してから、頂戴した金員の額を式後又は式進行中に主催者側で追記する。
【0008】
このような使用形態とすることにより、受付業務の簡素化・迅速化が図れるとともに、受付での混雑を解消できる。また、この芳名録カードを使用してコンピュータ入力及び管理する代行業務システムを構築することにより、式後又は式進行中に、参列者に関する所要事項を能率的にコンピュータに即時入力できるとともに、氏名別の芳名録や会社名別の芳名録やお返しを要する参列者別の芳名録などに分けて管理することができ、参列者が多いほど大きなメリットがある。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、葬儀用とした第1実施例の一枚の芳名録カード1Aの表面を示す。この芳名録カード1Aは、横書きとするため横長の矩形をなし、その表面の周辺縁部に黒枠2を印刷し、その枠内の白地面に、上から順番に、通し番号を記入するための番号記入欄3、ふりがなを記入するためのふりがな記入欄4、氏名を記入するための氏名記入欄5、郵便番号を記入するための郵便番号記入欄6、住所又は会社名を記入するための居所記入欄7、電話番号を記入するための電話番号記入欄8を、点線で区切って段階的に設けてある。更に、電話番号記入欄8の下側の最下段に、左から順番に通夜・告別式識別欄9、金額追記欄10、予備追記欄11をそれぞれ枠線で囲んで設けてある。
【0010】
そして、各記入欄の項目名として、番号記入欄3には「No.」、ふりがな記入欄4には「ふりがな」、氏名記入欄5には「ご芳名」、郵便番号記入欄6には「郵便番号」、居所記入欄7には「住所又は会社名」、電話番号記入欄8には「電話番号」の文字を、各記入欄の左端に印刷してある。また、ふりがな記入欄4の上側中央に、表題として「ご芳名録」の文字を印刷してある。郵便番号記入欄6には、郵便番号を桁毎に分けて記入するように方形枠を印刷してある。通夜・告別式識別欄9の枠内には、通夜か告別式かに従い例えば丸印を付けて識別するために「通夜」と「告別」の文字が並べて印刷してある。金額追記欄10は、主催者側において金額を追記するもので、文字は印刷されていない。予備追記欄11は、主催者側において所要の事項を追記するもので、これにも文字は印刷されていない。
【0011】
また、この芳名録カード1Aには、円弧状の切込み12が2箇所に設けてあり、これら切込み12に、図2に示すように名刺13の対角位置の2つの角部を抜き差し自在に差し込んで挟むことにより、名刺13を着脱自在に添付できるようになっている。2つの切込み12の位置は、通常サイズの名刺13に合わせ、しかも名刺13を図2のように添付したとき、最下段の通夜・告別式識別欄9、金額追記欄10及び予備追記欄11が名刺13によって覆われることがないようになっている。このように名刺13を添付することの注記として、表題の「ご芳名録」の下に、「(名刺をお持ちの方は、切込みに挟んで受け付けにお出し下さい。)」という文章が印刷してある。
【0012】
更に、黒枠2よりやや内側の左側の両角部に、バインダー14の綴じ具15を貫通させて綴じ込んでおけるように2つの綴込孔16を設けてあり、この芳名録カード1Aは、使用前及び使用後に所定枚数単位(例えば100枚単位)でバインダー14に綴じ込んで保管及び携行する。
【0013】
一方、この芳名録カード1Aの裏面には、参列者が所望によりメッセージを記入できるように、図3に示すように点線を印刷したメッセージ欄17を設けてある。
【0014】
図5は、結婚式やパーティー等の祝儀用とした第2実施例の芳名録カード1Bを示す。この芳名録カード1Bは、第1実施例の芳名録カード1Aの黒枠2に代えて装飾模様18を周辺縁部に印刷し、また通夜・告別式識別欄9に代えて、本人・代理人識別欄19を設けたことが第1実施例と相違するが、その他は同じである。本人・代理人識別欄19の枠内には、参列者が招待者本人であるか代理人であるかに従い例えば丸印を付けて識別するために、「本人」と「代理人」の文字を並べて印刷してある。
【0015】
なお、上記の実施例では、横書きとするため横長矩形としたが、縦書きにする場合には縦長矩形とすれば良い。また、各記入欄の項目名は上記のような文字に限られるものではなく、各記入欄及び追記欄の形態も図示のようなものに限られるものではない。例えば、個人の住所記入欄と会社名記入欄と会社の住所記入欄とを別々に設けるなど、実施例に示した以外の記入欄や追記欄を別に設けても良い。図の例では、カード裏面にメッセージ欄17を設けたが、裏面は単なる白紙としても良く、またメッセージ欄17に代え又はそれに加えて、儀式に関する心得や会場の案内などを印刷しておいても良い。更に、名刺を保持する名刺保持部としては、上記のような切込み12が製作上容易であるが、カード上に別の部材を付設することにより名刺を保持できるようにすることも可能である。
【0016】
【考案の効果】
本考案によれば次のような効果がある。
■ 葬儀や結婚式やパーティー等において、参列者一人一人に一枚ずつ渡して別々に記入するカード形式であるため、参列者に対する受付業務の簡素化及び迅速化が図れるとともに、受付の混雑を解消できる。
■ 参列者毎に分かれたカード形式で、しかも少なくとも氏名記入欄と居所記入欄と金額追記欄とを設けた定式のものであるため、式後における各種の事務処理も能率的に行うことができる。
■ 特に、この芳名録カードを使用してコンピュータ入力及び管理する代行業務システムを構築することにより、式後又は式進行中に、参列者に関する所要事項を、コンピュータに能率的にかつミス少なく即時入力できるとともに、氏名別の芳名録や会社名別の芳名録やお返しを要する参列者別の芳名録などに分けて管理することができ、参列者が多いほど大きなメリットがある。
【0017】
■ 名刺を着脱自在に添付できる名刺保持部を設けることにより、参列者の記入の手間を省くことができ、受付業務の一層の能率化が図れる。
■ 名刺保持部を切込みとすることにより、その製作を容易に行えるとともに、名刺のサイズが異なっても対応できる。
■ 綴込孔を設けることにより、バインダー等に着脱自在に綴じ込んで所要枚数毎に保管及び携行できる。
【0018】
■ 葬儀用の芳名録カードと祝儀用の芳名録カードとを、部分的な印刷変更により経済的に提供できる。
■ カード裏面にメッセージ欄を設けておくことにより、参列者のメッセージを所望でき、冊子式の芳名録に比べて事務的と見られ勝ちなカード形式の不利面をカバーできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】葬儀用とした本考案の第1実施例の芳名録カードの表面図である。
【図2】同上の芳名録カードに名刺を添付した状態の表面図である。
【図3】同芳名録カードの裏面図である。
【図4】同芳名録カードをバインダーに綴じ込んだ状態の斜視図である。
【図5】祝儀用とした本考案の第2実施例の芳名録カードの表面図である。
【符号の説明】
1A 葬儀用芳名録カード
1B 祝儀用芳名録カード
2 黒枠
3 番号記入欄
4 ふりがな記入欄
5 氏名記入欄
6 郵便番号記入欄
7 居所記入欄
8 電話番号記入欄
9 通夜・告別式識別欄
10 金額追記欄
11 予備追記欄
12 切込み
13 名刺
14 バインダー
15 綴じ具
16 綴込孔
17 メッセージ欄
18 装飾図形
19 本人・代理人識別欄

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】カード表面に、少なくとも、氏名を記入するための氏名記入欄と、住所又は会社名等の居所を記入するための居所記入欄とを区分けして設けるとともに、これら記入欄を識別する文字を印刷し、また金額を追記するための金額追記欄を設けたことを特徴とする芳名録カード。
【請求項2】名刺を着脱自在に添付することができる名刺保持部を設けたことを特徴とする請求項1記載の芳名録カード。
【請求項3】名刺保持部が、名刺の角部を差し込んで保持できる複数の切込みである請求項2記載の芳名録カード。
【請求項4】綴込孔を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の芳名録カード。
【請求項5】カード表面の周辺縁部に黒枠を印刷して葬儀用としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の芳名録カード。
【請求項6】カード表面の周辺縁部に装飾図形を印刷して祝儀用としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の芳名録カード。
【請求項7】カード裏面にメッセージ欄を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の芳名録カード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】第3000771号
【登録日】平成6年(1994)6月1日
【発行日】平成6年(1994)8月16日
【考案の名称】芳名録カード
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−1519
【出願日】平成6年(1994)2月4日
【出願人】(594038405)
【代理人】
【氏名又は名称】原田 信市