苗のせ台の摺動部構造
【課題】摺動レールと摺動レール上を機体左右方向に摺動する苗のせ台側の部材との間に保持される潤滑剤の漏れを抑制できる苗のせ台の摺動部構造を提供する。
【解決手段】苗のせ台12を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レール27と、摺動レール27の延出方向に沿って苗のせ台12の裏面に設けた支持部材44と、延出方向に沿って散点的となるよう支持部材44に取り付けられ、摺動レール27に対して摺動可能な摺動部材とを備え、少なくとも隣接する摺動部材どうしの間の領域に配置され、摺動レール27との間に潤滑剤を保持する空間Vを形成するカバー体49を備えると共に、カバー体49を摺動レール27に押し付ける押圧手段50を備えた。
【解決手段】苗のせ台12を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レール27と、摺動レール27の延出方向に沿って苗のせ台12の裏面に設けた支持部材44と、延出方向に沿って散点的となるよう支持部材44に取り付けられ、摺動レール27に対して摺動可能な摺動部材とを備え、少なくとも隣接する摺動部材どうしの間の領域に配置され、摺動レール27との間に潤滑剤を保持する空間Vを形成するカバー体49を備えると共に、カバー体49を摺動レール27に押し付ける押圧手段50を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗のせ台を左右往復移動可能に支持する摺動レール面に潤滑剤を供給する給油構造を備える苗のせ台の摺動部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
田植機には、苗のせ台を左右方向に案内移動する摺動レールが設けられ、苗のせ台の裏面に取り付けた支持部材に摺動レールの延出方向に沿って複数の摺動部材を取り付け、摺動部材を摺動レールに対して摺動移動可能にして、苗のせ台を左右往復移動可能に構成している。複数の摺動部材の間には、カバー体が摺動部材の端面に当接する状態で配置されており、苗のせ台の摺動レールに対する摺動移動を円滑にするために、カバー体と摺動レールとの間に形成された空間に潤滑剤(グリス)が充填されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−176698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摺動レールとカバー体との間に形成された空間に充填された潤滑剤は、機体の振動等の影響により、カバー体と摺動レールとの間の隙間から外部に漏れてしまうことがあった。
【0005】
本発明の目的は、摺動レールと摺動レール上を機体左右方向に摺動する苗のせ台側の部材との間に保持される潤滑剤の漏れを抑制できる苗のせ台の摺動部構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、苗のせ台を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レールと、前記摺動レールの延出方向に沿って前記苗のせ台の裏面に設けた支持部材と、前記延出方向に沿って散点的となるよう前記支持部材に取り付けられ、前記摺動レールに対して摺動可能な摺動部材とを備え、少なくとも隣接する前記摺動部材どうしの間の領域に配置され、前記摺動レールとの間に潤滑剤を保持する空間を形成するカバー体を備えると共に、前記カバー体を前記摺動レールに押し付ける押圧手段を備えている点にある。
【0007】
〔作用効果〕苗のせ台の裏面側の支持部材に摺動部材が取り付けられ、この摺動部材が摺動レール上を摺動することで、苗のせ台は左右方向に往復移動する。摺動レールの延出方向に沿って散点的に取り付けられる摺動部材どうしの間の領域にはカバー体が配置され、カバー体と摺動レールとの間に潤滑剤が保持される空間が存在するので、カバー体と摺動レールとの間の空間に潤滑剤を充填することができる。
カバー体と摺動レールとの間の空間に潤滑剤が保持された状態で摺動部材が摺動レールの延出方向に沿って摺動すると、摺動部材と摺動レールとの間にも潤滑剤が位置するようになる。このため、摺動部材がスムーズに摺動レール上を摺動し、苗のせ台の左右方向への移動が円滑に行われる。
本構成では、さらに、カバー体を摺動レールに押し付ける押圧手段を備えるので、この押圧手段によりカバー体は摺動レールに押し付けられ摺動レールに密接する。その結果、カバー体と摺動レールとの間の空間に保持される潤滑剤の外部への漏れを抑制することができる。
このように、本構成の摺動部構造であれば、苗のせ台の摺動部において保持される潤滑剤が無駄なく使用でき、苗のせ台の摺動部への潤滑剤の充填頻度を低減できる。その結果、苗のせ台の摺動部の耐久性が向上するとともに、メンテナンス作業が軽減される。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記カバー体と前記支持部材とが重ねて配置してあり、前記押圧手段としての板バネを前記カバー体と前記支持部材との間に設けてある点にある。
【0009】
〔作用効果〕本構成の如く、カバー体と支持部材とが重ねて配置してあり、押圧手段としての板バネをカバー本体と支持部材との間に設けると、押圧手段としての板バネは、苗のせ台の裏面に設けられた支持部材から反力を受け、カバー体を摺動レールに押し付けることとなる。つまり、板バネをカバー体と支持部材との間に配置するだけで、カバー体を摺動レールに押し付けることができる。また、板バネは全体的な厚みを比較的容易に小さくできるため、カバー体と支持部材との間の狭い領域にも配置し易い。このため、板バネを用いると押圧手段を簡易に実現することができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記板バネに貫通孔を設け、前記カバー体に取付けられる潤滑剤の注入用プラグを前記貫通孔に挿入して配置した点にある。
【0011】
〔作用効果〕摺動部材及びカバー体とは摺動レール上を左右に往復移動するため、板バネがカバー体又は支持部材に固着されていない場合、板バネの位置が当初設置した位置からずれてしまうおそれがある。このため、板バネはカバー体又は支持部材に固定されていることが好ましい。
本構成では、板バネに貫通孔を設け、カバー体に取付けられる潤滑剤の注入用プラグを貫通孔に挿入して配置した。つまり、カバー体に取り付けられる潤滑剤の注入用プラグを用いて、板バネをカバー体に固定した。このため、板バネ用の固定手段を別途設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができた。カバー体と摺動レールとの間において潤滑剤の注入用プラグに近い位置は潤滑剤が溜まりやすい位置であり、カバー体と摺動レールとの間から潤滑剤が漏れ易い位置でもある。しかし、こうした位置に板バネが配置されているので、カバー体が確実に摺動レールに押し付けられて、カバー体と摺動レールとの間からの潤滑剤の漏れを抑制することができる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、前記摺動部材において前記カバー体が隣接する側及び前記カバー体において前記摺動部材が隣接する側のうち少なくとも一方に他方と係合する係合部を設けた点にある。
【0013】
〔作用効果〕苗のせ台の裏側の支持部材に取り付けられた摺動部材が摺動レール上を左右方向に摺動するため、隣接する摺動部材との間に配置されるカバー体は、摺動部材の摺動に追随して摺動レール上を移動さえすれば、支持部材に取り付けられていなくてもよい。
しかしながら、苗植付装置のメンテナンスに際し、苗のせ台を例えば後方に退避させ、摺動部材を摺動レールから離間させる場合がある。こういった場合には、カバー体が摺動部材から離れて落下することにもなるので、カバー体についても摺動部材と同様に支持部材に予め取り付けておく必要があった。
【0014】
本構成では、カバー体を支持部材に取り付けるのではなく、摺動部材においてカバー体が隣接する側及びカバー体において摺動部材が隣接する側のうち少なくとも一方に他方と係合する係合部を設け、当該係合部によりカバー体を左右両側から支持する。これにより、苗植付装置のメンテナンスに際し、苗のせ台を例えば後方に退避させ、摺動部材を摺動レールから離間させる場合にも、係合部による摺動部材との係合によりカバー体は摺動部材に保持される。したがって、カバー体の支持構造を簡易に実現できる。また、カバー体を支持部材に取付ける部材が不要なことから、部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置の平面図
【図3】苗のせ台及び摺動レールの付近の正面図
【図4】苗植付装置(作業姿勢)の全体側面図
【図5】苗植付装置(非作業姿勢)の全体側面図
【図6】苗のせ台、摺動レール、カバー体、プラグ部材及びホースの付近の縦断側面図
【図7】苗のせ台、プラグ部材及びホースの付近の横断平面図
【図8】摺動レール、摺動部材及び係合部材の付近の縦断側面図
【図9】苗のせ台、摺動部材、係合部材、カバー体、摺動レールの分解斜視図
【図10】整地ロータを装備した苗植付装置の側面図
【図11】整地ロータを装備した苗植付装置の前方正面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の前部にエンジン3及びミッションケース4が備えられ、機体の後部にリンク機構6が油圧シリンダ14によって昇降自在に支持され、リンク機構6の後部に苗植付装置7が搭載されて、乗用型田植機が構成されている。
【0018】
図1及び図2に示すように、苗植付装置7は6条植型式に構成されており、フィードケース15と、3個の伝動ケース8とを有する。伝動ケース8の右側及び左側には回転駆動自在に回転ケース9が設けられ、回転ケース9の両端には一対の植付アーム10が装着されている。また、苗植付装置7には、接地フロート11や、苗のせ面12aを有する苗のせ台12が備えられている。フィードケース15は、リンク機構6の後部下方に前後軸芯周りにローリング自在に支持されている。エンジン3の動力は、植付クラッチ(図示せず)及びPTO軸18を介してフィードケース15に伝達される。フィードケース15から左右横向きに支持フレーム16が固定されており、支持フレーム16に3個の伝動ケース8が後向きに片持ち状に固定されている。フィードケース15と3個の伝動ケース8とは左右横向きの伝動軸17によって接続されている。
【0019】
エンジン3の動力はPTO軸18からフィードケース15に伝達され、フィードケース15から伝動軸17、伝動ケース8、伝動ケース8の内部に配置された伝動チェーン(図示せず)を介して回転ケース9に伝達される。回転ケース9が回転駆動されると、植付アーム10が交互に苗のせ台12から苗を取り出して田面に植え付ける。
【0020】
図1に示すように、肥料を貯留するホッパー20の下方に繰り出し機構19が運転座席5の後側に固定されている。植付アーム10によって植え付けられた苗(植付条)の横側に溝を形成する作溝器21が、植付条の各々に対応して設けられている。運転座席5の下側にホース22に高圧の風を供給するブロア23が備えられている。ブロア23から高圧の風により肥料がホース22を通って作溝器21に供給され、作溝器21により田面に形成された溝に肥料が送り込まれる。
【0021】
苗のせ台12の横送り機構について説明する。図2,図3,図4に示すように、苗のせ台12を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レール27が3個の伝動ケース8に亘って支持されており、苗のせ台12の下部は摺動レール27に支持されている。伝動ケース8の前側に位置する支持フレーム16の左右の側部から上方に左右の支持フレーム28、28が延出されて、左右の支持フレーム28、28の上部に亘って支持フレーム29が取り付けられている。支持フレーム29の複数箇所に固定されたロッド30にローラ31が上下向き軸芯周りに回転自在に支持されている。断面コ字状の支持フレーム32が苗のせ台12の上部の裏面に沿って固定されており、ローラ31が支持フレーム32の内側に挿入されている。こうして、苗のせ台12が摺動レール27に沿って左右方向に往復移動自在に支持されている。
【0022】
図2及び図4に示すように、フィードケース15から一側方に横送り用の螺旋軸33を延出するとともに、その延出端を支持フレーム16より立設したブラケット35に回転自在に支持している。螺旋軸33には送り部材34が外嵌されている。苗のせ台12の下方付近の裏面において、苗のせ台12の全幅に亘って支持フレーム36が固定されている(図3参照)。支持フレーム36に固定された連結部材37に螺旋軸33に外嵌された送り部材34が接続部材38を介して接続されている。螺旋軸33の回転駆動によって送り部材34が螺旋軸33に沿って横送りされ、支持フレーム36が送り部材34と同方向に移動する。これにより、支持フレーム36に支持された苗のせ台12は、摺動レール27に沿って左右方向に往復移動する。
【0023】
縦送り機構について説明する。図3及び図4に示すように、縦送り機構は幅広の送りベルト13を回転駆動する構成であり、苗のせ台12の苗のせ面12aの各々に送りベルト13が配置されている。送りベルト13の下部に駆動軸40が架設され、苗のせ台12の裏面に固定された複数の支持部材41によって駆動軸40が回転自在に支持されている。駆動軸40の所定箇所には、入力アーム40aがワンウェイクラッチ(図示せず)を介して外嵌されている。図2に示すように、フィードケース15から横方向に縦送り軸43が延出されている。縦送り軸43の端部は支持ブラケット42を介して支持フレーム16に回転自在に支持されており、縦送り軸43に2個の駆動アーム43aが固定されている。縦送り軸43の2個の駆動アーム43aの間に駆動軸40の入力アーム40aが位置しており、フィードケース15の動力によって縦送り軸43が回転駆動されている。
【0024】
苗のせ台12が摺動レール27に沿って往復横送り駆動され、往復横送り駆動のストロークエンドに達すると、駆動軸40の入力アーム40aが縦送り軸43の一方の駆動アーム43aの位置に達する。このとき、駆動アーム43aによって駆動軸40の入力アーム40aが回転駆動され、送りベルト13は下方に回転移動し、苗のせ台12に載置された苗が摺動レール27の苗取り出し口27eに送られる。
【0025】
次に、摺動レール27の付近の構造について説明する。
図4に示すように、伝動ケース8の横側面に固定されたブラケット24に、支持ロッド25が上下スライド自在に支持され、支持ロッド25の上部にコ字状の係合部25aが固定されている。伝動ケース8の横軸芯P1周りに上下揺動及び固定自在な支持アーム26が支持ロッド25の係合部25aに係合しており、支持アーム26により支持ロッド25の位置が決められている。
【0026】
図8及び図9に示すように、摺動レール27は、断面四角形状のパイプ部27aと、パイプ部27aから延出されて摺動レール27の全長に亘って形成された受け部27bとを備える。パイプ部27aの上部の苗のせ台12側には、摺動レール27の全長に亘って段部27cが形成され、パイプ部27aの上部の苗のせ台12の反対側には、摺動レール27の全長に亘ってリブ27d形成されている。受け部27bには植付条数分の苗取り出し口27eが形成されている。
【0027】
図3,図8,図9に示すように、断面T字状の支持部材44が苗のせ台12の下部の裏面に苗のせ台12の全幅に亘って固定されている。支持部材44には、左右方向に散点的に摺動部材45及び係合部材46が固定されている。摺動部材45は基板部45a、縦壁部45b、2個のボルト孔45c及び1個の係合突起45d等を備えて、合成樹脂により一体的に構成されている。摺動部材45には、カバー体49が隣接する側に係合部45eがさらに設けられている。係合部材46は合成樹脂により断面L字状に形成されており、切欠き部46a及び切欠き部46aの周囲の浅い凹部46bを備えて構成されている。
【0028】
図9に示すように、支持部材44の開口部44aに摺動部材45の係合突起45dが挿入され、摺動部材45の一方のボルト孔45cと支持部材44の開口部44bとにボルト47が下側から挿入されている。延出部41bは、送りベルト13の支持部材41の下方に延出され下部が直角に折り曲げられている。この延出部41bの直角に折り曲げられた部分の開口部41cが支持部材44の開口部44bに上方に重なる位置になるよう、延出部41bが支持部材44の上面に乗せ付けられ、ボルト47が支持部材41の開口部41cに下側から挿入されている。
【0029】
図8及び図9に示すように、摺動レール27の全長に亘り、対磨耗性の高い金属製の摺動プレート59が摺動レール27のパイプ部27aの上面にビスによって固定されている。摺動部材45の基板部45aが摺動レール27のパイプ部27a(摺動プレート59)に乗せ付けられた状態で、係合部材46の切欠き部46aにボルト47が挿入されて、係合部材46が支持部材44の上面に取り付けられる。ナット48がボルト47に締め付けられ、摺動部材45及び係合部材46が支持部材41の延出部41b及び支持部材44に固定される。
【0030】
摺動部材45の基板部45aが摺動レール27のパイプ部27a(摺動プレート59)に乗せ付けられ、摺動部材45の基板部45aが摺動レール27のリブ27dに接当し(又は摺動レール27のリブ27dから少し離れ)、摺動部材45の縦壁部45bが摺動レール27の段部27cに接当する。係合部材46は摺動レール27のリブ27dの横面部及び下端部に接当している。これにより、摺動レール27に対して苗のせ台12の下部(摺動部材45及び係合部材46)が図8の紙面上方、紙面右方及び左方に移動する状態が防止される。こうして、苗のせ台12の下部が摺動部材45を介して摺動レール27に往復移動自在に支持される。
【0031】
図3及び図9に示すように、摺動レール27の延出方向に沿って配置した複数個の摺動部材45の間には、隣接する摺動部材45の間の空間を埋めるように(隣接する摺動部材45に亘るように)カバー体49が配設されている。カバー体49の両端部は隣接する摺動部材45の端部に当接し、摺動部材45の係合部45eがカバー体49の端部に係合する。これにより、カバー体49は、後述する苗のせ台12の非作業姿勢時においても、摺動部材45の係合部45eによって支持されることとなる。カバー体49は下向きに垂下し摺動レール27の延出方向に沿う側面部49A、49Bと上面部49Cとで構成されており、側面部49A、49Bは摺動レール27のパイプ部27a(摺動プレート59)に摺接する状態で設けられている。このように、カバー体49は側面部49A,49Bと上面部49Cとでチャンネル状に形成されているので、摺動レール27上にカバー体49を配置すると、カバー体49と摺動レール27との間にグリス(潤滑剤に相当)の保持が可能な空間Vが形成される。
【0032】
カバー体49の上面部49cと支持部材44との間には、カバー体49を摺動レール27に押し付ける押圧手段として、板バネ50が配置されている。板バネ50には位置固定用の貫通孔50aが形成されている。図6,図7,図9に示すように、カバー体49の略中央の位置(苗のせ台12において、隣接する苗のせ面12aの間に位置する仕切り部12b)において、筒状の注入用プラグ51がカバー体49の開口部49a、板バネ50の貫通孔50a、及び支持部材44の開口部44cに下側から順に挿入されており、注入用プラグ51の下端部はカバー体49の下面に位置している。苗のせ台12の苗のせ面12a側において、苗のせ台12の仕切り部12bに注入用プラグ52(注入口に相当)が固定されている。注入用プラグ51,52に亘ってホース53及びパイプ54(供給路に相当)が接続されている。注入用プラグ52に接続されるパイプ54はL状に曲げられ、その屈曲部が苗のせ台12の裏側に取り付けられたブラケット54aに固着されている。
【0033】
注入用プラグ52にはキャップが取り付けられており、キャップを取り外すことにより、苗のせ台12の苗のせ面12a側からグリス(潤滑剤に相当)を供給することができる。グリスは注入用プラグ52からパイプ54、ホース53及び注入用プラグ51を介してカバー体49と摺動レール27との間の空間Vに供給される。
【0034】
こうして、カバー体49と摺動レール27との間の空間Vにグリスが供給されると、苗のせ台12が摺動レール27に沿って往復横移動する際に、空間Vに供給されたグリスが摺動レール27(摺動プレート59)に塗布されることとなる。摺動レール27上のグリスが塗布された範囲に摺動部材45が達すると(グリスが塗布された範囲に摺動部材45の往復横移動の範囲が重複すると)、摺動部材45にもグリスが塗布されることとなり、摺動部材45(基板部45a)と摺動レール27(摺動プレート59)との間の摺接面にグリスが入り込む状態となる。このグリスにより、摺動部材45が摺動レール27上をスムーズに摺動し、苗のせ台12の左右方向への移動が円滑に行われる。
【0035】
カバー体49の上面部49Cと苗のせ台12の裏面の支持部材44との間に板バネ50を配置したので、板バネ50は、苗のせ台12の裏面に設けられた支持部材44から反力を受け、カバー体49を摺動レール27に押し付けることとなる。つまり、板バネ50をカバー体49と支持部材44との間に配置するだけで、カバー体49を摺動レール27に押し付けることができる。板バネ50によりカバー体49が摺動レール27に押し付けられて、カバー体49が摺動レール27に密接することとなり、カバー体49と摺動レール27との間の空間Vに保持されるグリスの外部への漏れを抑制することができる。その結果、苗のせ台12の摺動部において保持されるグリスを無駄なく使用でき、苗のせ台12の摺動部へのグリスの充填頻度を低減できた。
【0036】
また、板バネ50には貫通孔50aが設けられ、カバー体49に取付けられるグリスの注入用プラグ51を貫通孔50aに挿入して配置した。つまり、カバー体49に取り付けられるグリスの注入用プラグ51を用いて、板バネ50をカバー体49に固定している。このため、板バネ50用の固定手段を別途設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができた。
カバー体49と摺動レール27との間においてグリスの注入用プラグ51に近い位置はグリスが溜まりやすい位置であり、カバー体49と摺動レール27との間からグリスが漏れ易い位置でもある。しかし、こうした位置に押圧手段である板バネ50が配置されているので、カバー体49が確実に摺動レール27に押し付けられて、カバー体49と摺動レール27との間からのグリスの漏れを抑制することができる。
【0037】
苗のせ台12を摺動レール27に往復横移動自在に支持した作業姿勢から、苗のせ台12の下部を摺動レール27から後方上方に移動させた非作業姿勢に、苗のせ台12を姿勢変更する構造について説明する。
図4は苗のせ台12を作業姿勢に設定した状態を示している。この状態から苗のせ台12を非作業姿勢にするには、苗のせ台12の裏面のコ字状の左右の保持部材58を、支持フレーム36に設けられた保持部材57と支持部材41の取付孔41aから取り外し、ナット48(図9参照)をボルト47から充分に緩めて係合部材46を取り外し、ボルト56(図4参照)を取り外し、横送り機構を構成するボルト39を緩める。
【0038】
その後、図5に示すように、螺旋軸33に対して送り部材34及び接続部材38を苗のせ台12側に少し回転させながら、苗のせ台12の下部をピン55周りに上方に持ち上げ、ボルト39を連結部材37の長孔37aの下端部に移動させる。このとき、支持部材44に摺動部材45が固定されており、カバー体49は摺動部材45の係合部45eに支持されているので、苗のせ台12の下部と共に摺動部材45及びカバー体49が摺動レール27から後方上方に移動する。この状態で左右の保持部材58を摺動レール27と支持部材44とに亘って取り付けて、苗のせ台12を非作業姿勢に保持する。
【0039】
このように、カバー体49を支持部材44に取り付けず、摺動部材45においてカバー体49が隣接する側にカバー体49と係合する係合部45eを設けて、当該係合部45eによりカバー体49を左右両側から支持する。これにより、苗植付装置7のメンテナンスに際し、苗のせ台12を後方に退避させ、摺動部材45を摺動レール27から離間させる場合にも、摺動部材45の係合部45eとの係合によりカバー体49は摺動部材45から離れずに保持される。したがって、カバー体49の支持構造を簡易に実現できる。また、カバー体49を支持部材44に取付けるための部材も不要であることから、部品点数も少なくすることができる。
【0040】
[別実施形態]
図10及び図11に示すように、苗植付装置7の下方前方に、植付箇所前方の田面Tに砕土処理を施す整地ロータ60が配備されていてもよい。整地ロータ60は、横長の籠形に構成されており、伝動ケース8の基端に挿通される伝動軸17の軸心dを中心に上下揺動可能に配備されたチェーンケース61と、支持アーム62の前端部とに亘って横架軸支されている。伝動軸17から取り出された動力がチェーンケース61に伝達されて、整地ロータ60がダウンカット方向(図10の紙面反時計方向)に回転駆動されるようになっている。チェーンケース61と支持アーム62が左右のバランスバネ63によって軽く引き上げ付勢されている。接地フロート11の高さを検知する図示されていないポテンショメータからの検出情報と、整地ロータ60の高さを検知する図示されていないポテンショメータからのフィードバック情報に基づき、整地ロータ60を田面Tに対して常に所定の深さで作用させるよう制御されている。
【0041】
図11に示すように、リンク機構6の後端上方には、ローリング駆動装置70が設けられている。ローリング駆動装置70から左右横方向に導出される操作ワイヤ71と、支持フレーム29の左右箇所とに亘ってローリング用バネ72が架設されている。電動モータによって左右の操作ワイヤ71を相反的に出し入れ操作することで、苗植付装置7の全体が前後向き支点p周りに駆動揺動されるようになっている。ローリング駆動装置70は、苗植付装置7の左右傾斜を検知する図示されていない傾斜センサに連係されている。走行機体が耕盤の起伏や凹凸によって左右傾斜して苗植付装置7が追従傾斜すると、傾斜センサによって検知されて電動モータが作動制御され、苗植付装置7が左右水平姿勢まで復帰制御される。ローリング駆動装置70と苗植付装置7との間にはローリング用バネ72が架設されているので、ローリング駆動装置70が作動休止状態でも苗植付装置7はローリング用バネ72を変形させながら自由ローリング作動することが可能であり、走行機体が多少の左右傾斜をしても苗植付装置7は田面Tに接地追従する。
【0042】
リンク機構6の後端上部と苗のせ台12の背部の支持フレーム32の左右箇所に亘って、バランスバネ73が張設されている。苗のせ台12が横移動すると、その移動方向と反対側のバランスバネ73が伸ばされて、バネ張力によるローリング力が苗植付装置7に付加され、苗のせ台12の横移動による重量バランスの変化で苗植付装置7が傾斜することが自動的に防止されるようになっている。
【0043】
上述のように、ローリング用バネ72及び、バランスバネ73を用いて、苗植付装置7の左右バランスは調整されている。しかしながら、チェーンケース61は整地ロータ60への伝動機構を備えるため、支持アーム62に比べて重量が増すこととなる。このため、苗植付装置7はチェーンケース61が位置する機体左側に傾きがちとなる。そこで、本実施形態では、整地ロータ60を備えた苗植付装置7の左右の重量バランスを調整するために、図11に示すように、ローリング用バネ72及びバランスバネ73とは別に、ローリング駆動装置70と支持フレーム29の一側方(機体左側)とに亘ってバランスバネ74を架設している。
【0044】
[他の実施形態]
(1)上記の実施形態では、摺動レール27の上面に摺動プレート59を取付ける例を示したが、摺動プレート59を取り付けずに摺動部材45の基板部45aを摺動レール27のパイプ部27aに直接乗せ付けるように構成してもよい。
【0045】
(2)上記の実施形態では板バネ50に貫通孔50aを設け、注入用プラグ51を貫通孔50aに挿入して板バネ50をカバー体49に固定する例を示したが、板バネ50を別部材にてカバー体49又は支持部材44に固着するよう構成してもよい。
【0046】
(3)カバー体49を摺動部材45との係合により支持する構成において、摺動部材45に係合部45eを設ける構成に代えて、カバー体49に係合部を設ける構成にしてもよい。また、カバー体49を支持部材44に別途固着するよう構成してもよい。
【0047】
(4)上記の実施形態では、苗のせ台12の裏面に取り付けられる支持部材44を苗のせ台12の左右方向の全幅に延出する構成を示したが、支持部材44は摺動部材45の上方位置にのみ設け、カバー体49の上方位置には設けないように構成してもよい。この場合は、カバー体49の押圧手段は、例えばカバー体49の斜め上方に位置する支持部材44に設けてカバー体49を摺動レール27に向けて押し付ける。
【0048】
(5)押圧手段としては、板バネに以外にも、拡張スプリング、引張スプリング、ゴム等の各種弾性体を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、苗のせ台を左右方向に移動可能に構成された各種田植機に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
7 苗植付装置
12 苗のせ台
12a 苗のせ台の苗のせ面
27 摺動レール
44 支持部材
45 摺動部材
45e 係合部
49 カバー体
50 板バネ(押圧手段)
50a 貫通孔
51 注入用プラグ
52 注入用プラグ
53 ホース
54 パイプ
V 空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗のせ台を左右往復移動可能に支持する摺動レール面に潤滑剤を供給する給油構造を備える苗のせ台の摺動部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
田植機には、苗のせ台を左右方向に案内移動する摺動レールが設けられ、苗のせ台の裏面に取り付けた支持部材に摺動レールの延出方向に沿って複数の摺動部材を取り付け、摺動部材を摺動レールに対して摺動移動可能にして、苗のせ台を左右往復移動可能に構成している。複数の摺動部材の間には、カバー体が摺動部材の端面に当接する状態で配置されており、苗のせ台の摺動レールに対する摺動移動を円滑にするために、カバー体と摺動レールとの間に形成された空間に潤滑剤(グリス)が充填されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−176698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摺動レールとカバー体との間に形成された空間に充填された潤滑剤は、機体の振動等の影響により、カバー体と摺動レールとの間の隙間から外部に漏れてしまうことがあった。
【0005】
本発明の目的は、摺動レールと摺動レール上を機体左右方向に摺動する苗のせ台側の部材との間に保持される潤滑剤の漏れを抑制できる苗のせ台の摺動部構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、苗のせ台を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レールと、前記摺動レールの延出方向に沿って前記苗のせ台の裏面に設けた支持部材と、前記延出方向に沿って散点的となるよう前記支持部材に取り付けられ、前記摺動レールに対して摺動可能な摺動部材とを備え、少なくとも隣接する前記摺動部材どうしの間の領域に配置され、前記摺動レールとの間に潤滑剤を保持する空間を形成するカバー体を備えると共に、前記カバー体を前記摺動レールに押し付ける押圧手段を備えている点にある。
【0007】
〔作用効果〕苗のせ台の裏面側の支持部材に摺動部材が取り付けられ、この摺動部材が摺動レール上を摺動することで、苗のせ台は左右方向に往復移動する。摺動レールの延出方向に沿って散点的に取り付けられる摺動部材どうしの間の領域にはカバー体が配置され、カバー体と摺動レールとの間に潤滑剤が保持される空間が存在するので、カバー体と摺動レールとの間の空間に潤滑剤を充填することができる。
カバー体と摺動レールとの間の空間に潤滑剤が保持された状態で摺動部材が摺動レールの延出方向に沿って摺動すると、摺動部材と摺動レールとの間にも潤滑剤が位置するようになる。このため、摺動部材がスムーズに摺動レール上を摺動し、苗のせ台の左右方向への移動が円滑に行われる。
本構成では、さらに、カバー体を摺動レールに押し付ける押圧手段を備えるので、この押圧手段によりカバー体は摺動レールに押し付けられ摺動レールに密接する。その結果、カバー体と摺動レールとの間の空間に保持される潤滑剤の外部への漏れを抑制することができる。
このように、本構成の摺動部構造であれば、苗のせ台の摺動部において保持される潤滑剤が無駄なく使用でき、苗のせ台の摺動部への潤滑剤の充填頻度を低減できる。その結果、苗のせ台の摺動部の耐久性が向上するとともに、メンテナンス作業が軽減される。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記カバー体と前記支持部材とが重ねて配置してあり、前記押圧手段としての板バネを前記カバー体と前記支持部材との間に設けてある点にある。
【0009】
〔作用効果〕本構成の如く、カバー体と支持部材とが重ねて配置してあり、押圧手段としての板バネをカバー本体と支持部材との間に設けると、押圧手段としての板バネは、苗のせ台の裏面に設けられた支持部材から反力を受け、カバー体を摺動レールに押し付けることとなる。つまり、板バネをカバー体と支持部材との間に配置するだけで、カバー体を摺動レールに押し付けることができる。また、板バネは全体的な厚みを比較的容易に小さくできるため、カバー体と支持部材との間の狭い領域にも配置し易い。このため、板バネを用いると押圧手段を簡易に実現することができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記板バネに貫通孔を設け、前記カバー体に取付けられる潤滑剤の注入用プラグを前記貫通孔に挿入して配置した点にある。
【0011】
〔作用効果〕摺動部材及びカバー体とは摺動レール上を左右に往復移動するため、板バネがカバー体又は支持部材に固着されていない場合、板バネの位置が当初設置した位置からずれてしまうおそれがある。このため、板バネはカバー体又は支持部材に固定されていることが好ましい。
本構成では、板バネに貫通孔を設け、カバー体に取付けられる潤滑剤の注入用プラグを貫通孔に挿入して配置した。つまり、カバー体に取り付けられる潤滑剤の注入用プラグを用いて、板バネをカバー体に固定した。このため、板バネ用の固定手段を別途設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができた。カバー体と摺動レールとの間において潤滑剤の注入用プラグに近い位置は潤滑剤が溜まりやすい位置であり、カバー体と摺動レールとの間から潤滑剤が漏れ易い位置でもある。しかし、こうした位置に板バネが配置されているので、カバー体が確実に摺動レールに押し付けられて、カバー体と摺動レールとの間からの潤滑剤の漏れを抑制することができる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、前記摺動部材において前記カバー体が隣接する側及び前記カバー体において前記摺動部材が隣接する側のうち少なくとも一方に他方と係合する係合部を設けた点にある。
【0013】
〔作用効果〕苗のせ台の裏側の支持部材に取り付けられた摺動部材が摺動レール上を左右方向に摺動するため、隣接する摺動部材との間に配置されるカバー体は、摺動部材の摺動に追随して摺動レール上を移動さえすれば、支持部材に取り付けられていなくてもよい。
しかしながら、苗植付装置のメンテナンスに際し、苗のせ台を例えば後方に退避させ、摺動部材を摺動レールから離間させる場合がある。こういった場合には、カバー体が摺動部材から離れて落下することにもなるので、カバー体についても摺動部材と同様に支持部材に予め取り付けておく必要があった。
【0014】
本構成では、カバー体を支持部材に取り付けるのではなく、摺動部材においてカバー体が隣接する側及びカバー体において摺動部材が隣接する側のうち少なくとも一方に他方と係合する係合部を設け、当該係合部によりカバー体を左右両側から支持する。これにより、苗植付装置のメンテナンスに際し、苗のせ台を例えば後方に退避させ、摺動部材を摺動レールから離間させる場合にも、係合部による摺動部材との係合によりカバー体は摺動部材に保持される。したがって、カバー体の支持構造を簡易に実現できる。また、カバー体を支持部材に取付ける部材が不要なことから、部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置の平面図
【図3】苗のせ台及び摺動レールの付近の正面図
【図4】苗植付装置(作業姿勢)の全体側面図
【図5】苗植付装置(非作業姿勢)の全体側面図
【図6】苗のせ台、摺動レール、カバー体、プラグ部材及びホースの付近の縦断側面図
【図7】苗のせ台、プラグ部材及びホースの付近の横断平面図
【図8】摺動レール、摺動部材及び係合部材の付近の縦断側面図
【図9】苗のせ台、摺動部材、係合部材、カバー体、摺動レールの分解斜視図
【図10】整地ロータを装備した苗植付装置の側面図
【図11】整地ロータを装備した苗植付装置の前方正面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の前部にエンジン3及びミッションケース4が備えられ、機体の後部にリンク機構6が油圧シリンダ14によって昇降自在に支持され、リンク機構6の後部に苗植付装置7が搭載されて、乗用型田植機が構成されている。
【0018】
図1及び図2に示すように、苗植付装置7は6条植型式に構成されており、フィードケース15と、3個の伝動ケース8とを有する。伝動ケース8の右側及び左側には回転駆動自在に回転ケース9が設けられ、回転ケース9の両端には一対の植付アーム10が装着されている。また、苗植付装置7には、接地フロート11や、苗のせ面12aを有する苗のせ台12が備えられている。フィードケース15は、リンク機構6の後部下方に前後軸芯周りにローリング自在に支持されている。エンジン3の動力は、植付クラッチ(図示せず)及びPTO軸18を介してフィードケース15に伝達される。フィードケース15から左右横向きに支持フレーム16が固定されており、支持フレーム16に3個の伝動ケース8が後向きに片持ち状に固定されている。フィードケース15と3個の伝動ケース8とは左右横向きの伝動軸17によって接続されている。
【0019】
エンジン3の動力はPTO軸18からフィードケース15に伝達され、フィードケース15から伝動軸17、伝動ケース8、伝動ケース8の内部に配置された伝動チェーン(図示せず)を介して回転ケース9に伝達される。回転ケース9が回転駆動されると、植付アーム10が交互に苗のせ台12から苗を取り出して田面に植え付ける。
【0020】
図1に示すように、肥料を貯留するホッパー20の下方に繰り出し機構19が運転座席5の後側に固定されている。植付アーム10によって植え付けられた苗(植付条)の横側に溝を形成する作溝器21が、植付条の各々に対応して設けられている。運転座席5の下側にホース22に高圧の風を供給するブロア23が備えられている。ブロア23から高圧の風により肥料がホース22を通って作溝器21に供給され、作溝器21により田面に形成された溝に肥料が送り込まれる。
【0021】
苗のせ台12の横送り機構について説明する。図2,図3,図4に示すように、苗のせ台12を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レール27が3個の伝動ケース8に亘って支持されており、苗のせ台12の下部は摺動レール27に支持されている。伝動ケース8の前側に位置する支持フレーム16の左右の側部から上方に左右の支持フレーム28、28が延出されて、左右の支持フレーム28、28の上部に亘って支持フレーム29が取り付けられている。支持フレーム29の複数箇所に固定されたロッド30にローラ31が上下向き軸芯周りに回転自在に支持されている。断面コ字状の支持フレーム32が苗のせ台12の上部の裏面に沿って固定されており、ローラ31が支持フレーム32の内側に挿入されている。こうして、苗のせ台12が摺動レール27に沿って左右方向に往復移動自在に支持されている。
【0022】
図2及び図4に示すように、フィードケース15から一側方に横送り用の螺旋軸33を延出するとともに、その延出端を支持フレーム16より立設したブラケット35に回転自在に支持している。螺旋軸33には送り部材34が外嵌されている。苗のせ台12の下方付近の裏面において、苗のせ台12の全幅に亘って支持フレーム36が固定されている(図3参照)。支持フレーム36に固定された連結部材37に螺旋軸33に外嵌された送り部材34が接続部材38を介して接続されている。螺旋軸33の回転駆動によって送り部材34が螺旋軸33に沿って横送りされ、支持フレーム36が送り部材34と同方向に移動する。これにより、支持フレーム36に支持された苗のせ台12は、摺動レール27に沿って左右方向に往復移動する。
【0023】
縦送り機構について説明する。図3及び図4に示すように、縦送り機構は幅広の送りベルト13を回転駆動する構成であり、苗のせ台12の苗のせ面12aの各々に送りベルト13が配置されている。送りベルト13の下部に駆動軸40が架設され、苗のせ台12の裏面に固定された複数の支持部材41によって駆動軸40が回転自在に支持されている。駆動軸40の所定箇所には、入力アーム40aがワンウェイクラッチ(図示せず)を介して外嵌されている。図2に示すように、フィードケース15から横方向に縦送り軸43が延出されている。縦送り軸43の端部は支持ブラケット42を介して支持フレーム16に回転自在に支持されており、縦送り軸43に2個の駆動アーム43aが固定されている。縦送り軸43の2個の駆動アーム43aの間に駆動軸40の入力アーム40aが位置しており、フィードケース15の動力によって縦送り軸43が回転駆動されている。
【0024】
苗のせ台12が摺動レール27に沿って往復横送り駆動され、往復横送り駆動のストロークエンドに達すると、駆動軸40の入力アーム40aが縦送り軸43の一方の駆動アーム43aの位置に達する。このとき、駆動アーム43aによって駆動軸40の入力アーム40aが回転駆動され、送りベルト13は下方に回転移動し、苗のせ台12に載置された苗が摺動レール27の苗取り出し口27eに送られる。
【0025】
次に、摺動レール27の付近の構造について説明する。
図4に示すように、伝動ケース8の横側面に固定されたブラケット24に、支持ロッド25が上下スライド自在に支持され、支持ロッド25の上部にコ字状の係合部25aが固定されている。伝動ケース8の横軸芯P1周りに上下揺動及び固定自在な支持アーム26が支持ロッド25の係合部25aに係合しており、支持アーム26により支持ロッド25の位置が決められている。
【0026】
図8及び図9に示すように、摺動レール27は、断面四角形状のパイプ部27aと、パイプ部27aから延出されて摺動レール27の全長に亘って形成された受け部27bとを備える。パイプ部27aの上部の苗のせ台12側には、摺動レール27の全長に亘って段部27cが形成され、パイプ部27aの上部の苗のせ台12の反対側には、摺動レール27の全長に亘ってリブ27d形成されている。受け部27bには植付条数分の苗取り出し口27eが形成されている。
【0027】
図3,図8,図9に示すように、断面T字状の支持部材44が苗のせ台12の下部の裏面に苗のせ台12の全幅に亘って固定されている。支持部材44には、左右方向に散点的に摺動部材45及び係合部材46が固定されている。摺動部材45は基板部45a、縦壁部45b、2個のボルト孔45c及び1個の係合突起45d等を備えて、合成樹脂により一体的に構成されている。摺動部材45には、カバー体49が隣接する側に係合部45eがさらに設けられている。係合部材46は合成樹脂により断面L字状に形成されており、切欠き部46a及び切欠き部46aの周囲の浅い凹部46bを備えて構成されている。
【0028】
図9に示すように、支持部材44の開口部44aに摺動部材45の係合突起45dが挿入され、摺動部材45の一方のボルト孔45cと支持部材44の開口部44bとにボルト47が下側から挿入されている。延出部41bは、送りベルト13の支持部材41の下方に延出され下部が直角に折り曲げられている。この延出部41bの直角に折り曲げられた部分の開口部41cが支持部材44の開口部44bに上方に重なる位置になるよう、延出部41bが支持部材44の上面に乗せ付けられ、ボルト47が支持部材41の開口部41cに下側から挿入されている。
【0029】
図8及び図9に示すように、摺動レール27の全長に亘り、対磨耗性の高い金属製の摺動プレート59が摺動レール27のパイプ部27aの上面にビスによって固定されている。摺動部材45の基板部45aが摺動レール27のパイプ部27a(摺動プレート59)に乗せ付けられた状態で、係合部材46の切欠き部46aにボルト47が挿入されて、係合部材46が支持部材44の上面に取り付けられる。ナット48がボルト47に締め付けられ、摺動部材45及び係合部材46が支持部材41の延出部41b及び支持部材44に固定される。
【0030】
摺動部材45の基板部45aが摺動レール27のパイプ部27a(摺動プレート59)に乗せ付けられ、摺動部材45の基板部45aが摺動レール27のリブ27dに接当し(又は摺動レール27のリブ27dから少し離れ)、摺動部材45の縦壁部45bが摺動レール27の段部27cに接当する。係合部材46は摺動レール27のリブ27dの横面部及び下端部に接当している。これにより、摺動レール27に対して苗のせ台12の下部(摺動部材45及び係合部材46)が図8の紙面上方、紙面右方及び左方に移動する状態が防止される。こうして、苗のせ台12の下部が摺動部材45を介して摺動レール27に往復移動自在に支持される。
【0031】
図3及び図9に示すように、摺動レール27の延出方向に沿って配置した複数個の摺動部材45の間には、隣接する摺動部材45の間の空間を埋めるように(隣接する摺動部材45に亘るように)カバー体49が配設されている。カバー体49の両端部は隣接する摺動部材45の端部に当接し、摺動部材45の係合部45eがカバー体49の端部に係合する。これにより、カバー体49は、後述する苗のせ台12の非作業姿勢時においても、摺動部材45の係合部45eによって支持されることとなる。カバー体49は下向きに垂下し摺動レール27の延出方向に沿う側面部49A、49Bと上面部49Cとで構成されており、側面部49A、49Bは摺動レール27のパイプ部27a(摺動プレート59)に摺接する状態で設けられている。このように、カバー体49は側面部49A,49Bと上面部49Cとでチャンネル状に形成されているので、摺動レール27上にカバー体49を配置すると、カバー体49と摺動レール27との間にグリス(潤滑剤に相当)の保持が可能な空間Vが形成される。
【0032】
カバー体49の上面部49cと支持部材44との間には、カバー体49を摺動レール27に押し付ける押圧手段として、板バネ50が配置されている。板バネ50には位置固定用の貫通孔50aが形成されている。図6,図7,図9に示すように、カバー体49の略中央の位置(苗のせ台12において、隣接する苗のせ面12aの間に位置する仕切り部12b)において、筒状の注入用プラグ51がカバー体49の開口部49a、板バネ50の貫通孔50a、及び支持部材44の開口部44cに下側から順に挿入されており、注入用プラグ51の下端部はカバー体49の下面に位置している。苗のせ台12の苗のせ面12a側において、苗のせ台12の仕切り部12bに注入用プラグ52(注入口に相当)が固定されている。注入用プラグ51,52に亘ってホース53及びパイプ54(供給路に相当)が接続されている。注入用プラグ52に接続されるパイプ54はL状に曲げられ、その屈曲部が苗のせ台12の裏側に取り付けられたブラケット54aに固着されている。
【0033】
注入用プラグ52にはキャップが取り付けられており、キャップを取り外すことにより、苗のせ台12の苗のせ面12a側からグリス(潤滑剤に相当)を供給することができる。グリスは注入用プラグ52からパイプ54、ホース53及び注入用プラグ51を介してカバー体49と摺動レール27との間の空間Vに供給される。
【0034】
こうして、カバー体49と摺動レール27との間の空間Vにグリスが供給されると、苗のせ台12が摺動レール27に沿って往復横移動する際に、空間Vに供給されたグリスが摺動レール27(摺動プレート59)に塗布されることとなる。摺動レール27上のグリスが塗布された範囲に摺動部材45が達すると(グリスが塗布された範囲に摺動部材45の往復横移動の範囲が重複すると)、摺動部材45にもグリスが塗布されることとなり、摺動部材45(基板部45a)と摺動レール27(摺動プレート59)との間の摺接面にグリスが入り込む状態となる。このグリスにより、摺動部材45が摺動レール27上をスムーズに摺動し、苗のせ台12の左右方向への移動が円滑に行われる。
【0035】
カバー体49の上面部49Cと苗のせ台12の裏面の支持部材44との間に板バネ50を配置したので、板バネ50は、苗のせ台12の裏面に設けられた支持部材44から反力を受け、カバー体49を摺動レール27に押し付けることとなる。つまり、板バネ50をカバー体49と支持部材44との間に配置するだけで、カバー体49を摺動レール27に押し付けることができる。板バネ50によりカバー体49が摺動レール27に押し付けられて、カバー体49が摺動レール27に密接することとなり、カバー体49と摺動レール27との間の空間Vに保持されるグリスの外部への漏れを抑制することができる。その結果、苗のせ台12の摺動部において保持されるグリスを無駄なく使用でき、苗のせ台12の摺動部へのグリスの充填頻度を低減できた。
【0036】
また、板バネ50には貫通孔50aが設けられ、カバー体49に取付けられるグリスの注入用プラグ51を貫通孔50aに挿入して配置した。つまり、カバー体49に取り付けられるグリスの注入用プラグ51を用いて、板バネ50をカバー体49に固定している。このため、板バネ50用の固定手段を別途設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができた。
カバー体49と摺動レール27との間においてグリスの注入用プラグ51に近い位置はグリスが溜まりやすい位置であり、カバー体49と摺動レール27との間からグリスが漏れ易い位置でもある。しかし、こうした位置に押圧手段である板バネ50が配置されているので、カバー体49が確実に摺動レール27に押し付けられて、カバー体49と摺動レール27との間からのグリスの漏れを抑制することができる。
【0037】
苗のせ台12を摺動レール27に往復横移動自在に支持した作業姿勢から、苗のせ台12の下部を摺動レール27から後方上方に移動させた非作業姿勢に、苗のせ台12を姿勢変更する構造について説明する。
図4は苗のせ台12を作業姿勢に設定した状態を示している。この状態から苗のせ台12を非作業姿勢にするには、苗のせ台12の裏面のコ字状の左右の保持部材58を、支持フレーム36に設けられた保持部材57と支持部材41の取付孔41aから取り外し、ナット48(図9参照)をボルト47から充分に緩めて係合部材46を取り外し、ボルト56(図4参照)を取り外し、横送り機構を構成するボルト39を緩める。
【0038】
その後、図5に示すように、螺旋軸33に対して送り部材34及び接続部材38を苗のせ台12側に少し回転させながら、苗のせ台12の下部をピン55周りに上方に持ち上げ、ボルト39を連結部材37の長孔37aの下端部に移動させる。このとき、支持部材44に摺動部材45が固定されており、カバー体49は摺動部材45の係合部45eに支持されているので、苗のせ台12の下部と共に摺動部材45及びカバー体49が摺動レール27から後方上方に移動する。この状態で左右の保持部材58を摺動レール27と支持部材44とに亘って取り付けて、苗のせ台12を非作業姿勢に保持する。
【0039】
このように、カバー体49を支持部材44に取り付けず、摺動部材45においてカバー体49が隣接する側にカバー体49と係合する係合部45eを設けて、当該係合部45eによりカバー体49を左右両側から支持する。これにより、苗植付装置7のメンテナンスに際し、苗のせ台12を後方に退避させ、摺動部材45を摺動レール27から離間させる場合にも、摺動部材45の係合部45eとの係合によりカバー体49は摺動部材45から離れずに保持される。したがって、カバー体49の支持構造を簡易に実現できる。また、カバー体49を支持部材44に取付けるための部材も不要であることから、部品点数も少なくすることができる。
【0040】
[別実施形態]
図10及び図11に示すように、苗植付装置7の下方前方に、植付箇所前方の田面Tに砕土処理を施す整地ロータ60が配備されていてもよい。整地ロータ60は、横長の籠形に構成されており、伝動ケース8の基端に挿通される伝動軸17の軸心dを中心に上下揺動可能に配備されたチェーンケース61と、支持アーム62の前端部とに亘って横架軸支されている。伝動軸17から取り出された動力がチェーンケース61に伝達されて、整地ロータ60がダウンカット方向(図10の紙面反時計方向)に回転駆動されるようになっている。チェーンケース61と支持アーム62が左右のバランスバネ63によって軽く引き上げ付勢されている。接地フロート11の高さを検知する図示されていないポテンショメータからの検出情報と、整地ロータ60の高さを検知する図示されていないポテンショメータからのフィードバック情報に基づき、整地ロータ60を田面Tに対して常に所定の深さで作用させるよう制御されている。
【0041】
図11に示すように、リンク機構6の後端上方には、ローリング駆動装置70が設けられている。ローリング駆動装置70から左右横方向に導出される操作ワイヤ71と、支持フレーム29の左右箇所とに亘ってローリング用バネ72が架設されている。電動モータによって左右の操作ワイヤ71を相反的に出し入れ操作することで、苗植付装置7の全体が前後向き支点p周りに駆動揺動されるようになっている。ローリング駆動装置70は、苗植付装置7の左右傾斜を検知する図示されていない傾斜センサに連係されている。走行機体が耕盤の起伏や凹凸によって左右傾斜して苗植付装置7が追従傾斜すると、傾斜センサによって検知されて電動モータが作動制御され、苗植付装置7が左右水平姿勢まで復帰制御される。ローリング駆動装置70と苗植付装置7との間にはローリング用バネ72が架設されているので、ローリング駆動装置70が作動休止状態でも苗植付装置7はローリング用バネ72を変形させながら自由ローリング作動することが可能であり、走行機体が多少の左右傾斜をしても苗植付装置7は田面Tに接地追従する。
【0042】
リンク機構6の後端上部と苗のせ台12の背部の支持フレーム32の左右箇所に亘って、バランスバネ73が張設されている。苗のせ台12が横移動すると、その移動方向と反対側のバランスバネ73が伸ばされて、バネ張力によるローリング力が苗植付装置7に付加され、苗のせ台12の横移動による重量バランスの変化で苗植付装置7が傾斜することが自動的に防止されるようになっている。
【0043】
上述のように、ローリング用バネ72及び、バランスバネ73を用いて、苗植付装置7の左右バランスは調整されている。しかしながら、チェーンケース61は整地ロータ60への伝動機構を備えるため、支持アーム62に比べて重量が増すこととなる。このため、苗植付装置7はチェーンケース61が位置する機体左側に傾きがちとなる。そこで、本実施形態では、整地ロータ60を備えた苗植付装置7の左右の重量バランスを調整するために、図11に示すように、ローリング用バネ72及びバランスバネ73とは別に、ローリング駆動装置70と支持フレーム29の一側方(機体左側)とに亘ってバランスバネ74を架設している。
【0044】
[他の実施形態]
(1)上記の実施形態では、摺動レール27の上面に摺動プレート59を取付ける例を示したが、摺動プレート59を取り付けずに摺動部材45の基板部45aを摺動レール27のパイプ部27aに直接乗せ付けるように構成してもよい。
【0045】
(2)上記の実施形態では板バネ50に貫通孔50aを設け、注入用プラグ51を貫通孔50aに挿入して板バネ50をカバー体49に固定する例を示したが、板バネ50を別部材にてカバー体49又は支持部材44に固着するよう構成してもよい。
【0046】
(3)カバー体49を摺動部材45との係合により支持する構成において、摺動部材45に係合部45eを設ける構成に代えて、カバー体49に係合部を設ける構成にしてもよい。また、カバー体49を支持部材44に別途固着するよう構成してもよい。
【0047】
(4)上記の実施形態では、苗のせ台12の裏面に取り付けられる支持部材44を苗のせ台12の左右方向の全幅に延出する構成を示したが、支持部材44は摺動部材45の上方位置にのみ設け、カバー体49の上方位置には設けないように構成してもよい。この場合は、カバー体49の押圧手段は、例えばカバー体49の斜め上方に位置する支持部材44に設けてカバー体49を摺動レール27に向けて押し付ける。
【0048】
(5)押圧手段としては、板バネに以外にも、拡張スプリング、引張スプリング、ゴム等の各種弾性体を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、苗のせ台を左右方向に移動可能に構成された各種田植機に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
7 苗植付装置
12 苗のせ台
12a 苗のせ台の苗のせ面
27 摺動レール
44 支持部材
45 摺動部材
45e 係合部
49 カバー体
50 板バネ(押圧手段)
50a 貫通孔
51 注入用プラグ
52 注入用プラグ
53 ホース
54 パイプ
V 空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗のせ台を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レールと
前記摺動レールの延出方向に沿って前記苗のせ台の裏面に設けた支持部材と、
前記延出方向に沿って散点的となるよう前記支持部材に取り付けられ、前記摺動レールに対して摺動可能な摺動部材とを備え、
少なくとも隣接する前記摺動部材どうしの間の領域に配置され、前記摺動レールとの間に潤滑剤を保持する空間を形成するカバー体を備えると共に、
前記カバー体を前記摺動レールに押し付ける押圧手段を備えている苗のせ台の摺動部構造。
【請求項2】
前記カバー体と前記支持部材とが重ねて配置してあり、前記押圧手段としての板バネを前記カバー本体と前記支持部材との間に設けてある請求項1記載の苗のせ台の摺動部構造。
【請求項3】
前記板バネに貫通孔を設け、前記カバー体に取付けられる潤滑剤の注入用プラグを前記貫通孔に挿入して配置した請求項2記載の苗のせ台の摺動部構造。
【請求項4】
前記摺動部材において前記カバー体が隣接する側及び前記カバー体において前記摺動部材が隣接する側のうち少なくとも一方に他方と係合する係合部を設けた請求項1〜3のうち何れか一項に記載の苗のせ台の摺動部構造。
【請求項1】
苗のせ台を左右方向に案内移動する長尺状の摺動レールと
前記摺動レールの延出方向に沿って前記苗のせ台の裏面に設けた支持部材と、
前記延出方向に沿って散点的となるよう前記支持部材に取り付けられ、前記摺動レールに対して摺動可能な摺動部材とを備え、
少なくとも隣接する前記摺動部材どうしの間の領域に配置され、前記摺動レールとの間に潤滑剤を保持する空間を形成するカバー体を備えると共に、
前記カバー体を前記摺動レールに押し付ける押圧手段を備えている苗のせ台の摺動部構造。
【請求項2】
前記カバー体と前記支持部材とが重ねて配置してあり、前記押圧手段としての板バネを前記カバー本体と前記支持部材との間に設けてある請求項1記載の苗のせ台の摺動部構造。
【請求項3】
前記板バネに貫通孔を設け、前記カバー体に取付けられる潤滑剤の注入用プラグを前記貫通孔に挿入して配置した請求項2記載の苗のせ台の摺動部構造。
【請求項4】
前記摺動部材において前記カバー体が隣接する側及び前記カバー体において前記摺動部材が隣接する側のうち少なくとも一方に他方と係合する係合部を設けた請求項1〜3のうち何れか一項に記載の苗のせ台の摺動部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−21963(P2013−21963A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159164(P2011−159164)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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