説明

葯の裂開に関与する遺伝子

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DAD1(DEFECTIVE IN ANTHER DEHISCENCE 1)遺伝子、及び該遺伝子の発現を抑制した植物に関する。DAD1遺伝子は葯の裂開及び花粉の成熟を制御する遺伝子であり、DAD1遺伝子の発現を抑制することで、野生型に限りなく近い花器構造を有する雄性不稔植物の作出を可能にする。作出された雄性不稔植物はジャスモン酸、リノレン酸処理により稔性を回復し、自殖種子を得ることができる。そのため、維持系統を必要とせず、一代雑種品種育成が可能となる。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの作物で雑種強勢(ヘテロシス)を利用した一代雑種(F1)品種の育成が進められている。このF1品種のメリットは、雑種強勢の発現により収量性、耐病性などの農業形質が優れたものとなること、単因子優性の農業形質の付与が容易なこと、均一性が高いこと、また、次世代で遺伝形質の分離が起こるため育成者の権利が守られることなどが挙げられる。
【0003】F1品種においては、雑種第1代目の種子を多量に確保する必要があり、そのための技術として、遺伝的雄性不稔性を持つものを母親に使用することが行われてきた。この他に自家不和合性を利用する方法、雄花を人為的に除去する方法、人為的に交配する方法、などがあるが、これらの方法は利用できる植物種が限られている。遺伝的雄性不稔性を利用する方法が、最も汎用性に富んでいるため、F1種子を確保するために広く用いられてきた。
【0004】遺伝的な雄性不稔性には核内遺伝子によって支配される雄性不稔性(GMS)と核遺伝子と細胞質因子の両者が関与する細胞質雄性不稔性(CMS)の2種類がある。F1品種育成の際の採種においては、以下の理由からCMSが利用されてきた。GMSの場合、雄性不稔性を示すのは、その遺伝子についてホモ接合性の個体だけであり、ヘテロ接合性の個体は通常稔性を持つ。効率的なF1種子の生産を行うためには、母親に用いる個体すべてが雄性不稔であることが求められるが、このことは、GMSを利用してF1種子を生産する場合には、母親に用いる個体すべてを雄性不稔性に関する遺伝子についてホモ接合性の個体にしなければならないということを意味する。しかし、GMSにおいては、それ自身の花粉が利用できないので自殖によるホモ接合性の個体を作出・維持出来ない。ヘテロ接合性の個体を自家受粉することにより、ホモ接合性の個体を作出することはできるが、この場合にはホモ接合性個体が1/4しか得られず、実用化できない。
【0005】しかし、GMSにおいても、その遺伝子に関してホモ接合性の集団が得られる技術が開発されれば、これを利用してF1種子の生産も可能になる。実際、雄性不稔性のホモ接合性の個体を選抜する方法などが考案され、一部では利用されているが、ホモ接合性の集団を育成する方法がなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、葯の裂開と花粉の成熟を制御する核遺伝子を提供すると共に、その遺伝子発現を制御することによって、雄性不稔性と雄性可稔性を制御して、母親に使用する植物集団の個体全てが雄性不稔性となる技術を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、T-DNAタギング法により、開花後も葯の裂開が起こらないシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の突然変異体(dad1)の作出に成功した。この変異体の花粉は、発芽能を失っており、雄性不稔性であった。dad1突然変異体の蕾をジャスモン酸あるいはリノレン酸で処理すると、その後開花した花では葯の裂開が見られ、自殖種子を形成した。このdad1突然変異体より、T-DNA配列をもとにして、DAD1遺伝子のゲノミッククローンとcDNAクローンを単離した。単離したゲノミッククローンを植物導入ベクターに連結して、dad1変異体に形質転換したところ、再生植物体では葯の裂開、自殖種子の形成が見られ、野生型表現型に回復していた。この結果は、単離した遺伝子がDAD1遺伝子であることを示すものである。さらに、DAD1のプロモーターに逆向きに連結したアンチセンスDAD1遺伝子を植物ゲノムDNA中に組み込むことによって、dad1突然変異体同様に、葯の裂開の起こらない植物体を作出できることを見いだした。以上の知見に基づき、本発明は完成されたものである。
【0008】即ち、本発明の第一は、以下の(a)又は(b)の塩基配列により表され、プロモーター活性を有するDNAに関するものである。
(a) 配列番号3に記載の塩基配列(b) 配列番号3に記載の塩基配列において、1若しくは複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列
【0009】本発明の第二は、以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードするDNAに関するものである。
(a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列により表されるタンパク質(b) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列により表され、葯の裂開を制御する機能を有するタンパク質
【0010】本発明の第三は、上記第二発明のDNAと相補的な塩基配列により表されるDNAに関するものである。本発明の第四は、上記第二発明のDNAの発現が抑制されていることを特徴とする雄性不稔植物に関するものである。本発明の第五は、上記第二発明のDNAの発現を抑制することを特徴とする雄性不稔植物の作出方法に関するものである。本発明の第六は、上記第四の発明の雄性不稔植物をジャスモン酸、リノレン酸、又はそれらの誘導体で処理することを特徴とする稔性回復方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
(1)第一発明第一発明のDNAは、プロモーター活性を有するDNAであって、配列番号3に記載の塩基配列又は配列番号3に記載の塩基配列において、1若しくは複数の塩基が欠失若しくは付加された塩基配列により表される。このような配列番号3とは異なる塩基配列により表されるDNAとしては、本願の出願時において常用される技術、例えば、部位特異的突然変異誘発法(Zoller et al., Nucleic Acid Res. 10:6487-6500, 1982)によって変異を生じさせたDNAや配列番号3に記載の塩基配列により表されるDNAと異なる遺伝子源から単離されたDNAなどを例示することができる。
【0012】第一発明のDNAは、実施例記載の方法によっても得ることが出来るが、その塩基配列は既に決定されているので、この配列に基づきプライマーを合成し、この遺伝子を含むDNAを鋳型にPCRを行うことによっても得ることが出来る。使用するプライマーは、特に限定されない。鋳型として用いるDNAとしては、プラスミドpGDAD1-HS(このプラスミドを含む菌株は、工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P-17299として寄託されている)を挙げることが出来る。
【0013】(2)第二発明第二発明のDNAは、配列番号2に記載のアミノ酸配列により表されるタンパク質、又は配列番号2に記載のアミノ酸配列において、一若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列により表され、葯の裂開を制御する機能を有するタンパク質をコードする。このような配列番号2とは異なるアミノ酸配列をコードするDNAとしては、本願の出願時において常用される技術、例えば、部位特異的突然変異誘発法(Zoller et al., Nucleic Acid Res. 10:6487-6500, 1982)によって変異を生じさせたDNAや配列番号2に記載のアミノ酸配列をコードするDNAと異なる遺伝子源から単離されたDNAなどを例示することができる。なお、配列番号2に記載のアミノ酸配列により表されるタンパク質をコードするDNAは、WSエコタイプのシロイヌナズナのゲノミックライブラリーから単離されたものであるが、LerエコタイプのシロイヌナズナのcDNAライブラリーから単離されたDNAは、配列番号2の13〜15番目のVal-Val-Valに更にもう一つのValが付加された配列をコードするものであった。上記の趣旨より、このようなDNAも第二発明のDNAに含まれるのはいうまでもない。
【0014】あるDNAが葯の裂開を制御する機能を持つかどうかは、そのDNAを、内在のDAD1の発現が抑制された植物(例えば、実施例2に記載した「dad1」)に導入し、それにより葯の裂開が回復するかどうかを調べることにより判断できる。第二発明のDNAは、実施例記載の方法によっても得ることが出来るが、その塩基配列は既に決定されているので、この配列に基づきプライマーを合成し、この遺伝子を含むDNAを鋳型にPCRを行うことによっても得ることが出来る。使用するプライマーは、特に限定されない。鋳型として用いるDNAとしては、上記のプラスミドpGDAD1-HSを挙げることが出来る。
【0015】(3)第三発明第三発明のDNAは、上記第二発明のDNAと相補的な塩基配列により表される。第三発明のDNAは、実施例記載の方法によっても得ることが出来るが、その塩基配列は配列表に記載した配列から容易に求めることができるので、この配列に基づきプライマーを合成し、この遺伝子を含むDNAを鋳型にPCRを行うことによっても得ることが出来る。使用するプライマーは、特に限定されない。鋳型として用いるDNAとしては、上記のプラスミドpGDAD1-HSを挙げることが出来る。
【0016】(4)第四発明第四発明の雄性不稔植物は、第二発明のDNAの発現が抑制されていることを特徴とするものである。植物の種類は、第二発明のDNAを有するものであれば特に限定されず、例えば、アブラナ科、イネ科、キク科、アカザ科の植物などを挙げることができる。
【0017】この雄性不稔の植物の特徴点としては、以下の2点を挙げることができる。一つは、葯が裂開しない他は、その形質は野生型のそれとほとんど変わりがない点である。雄性不稔性を利用したF1採種は、例えば、アブラナ科野菜では数例しか報告がない。これは、従来の雄性不稔系統の多くに花器の異常が見られるため、送粉昆虫が訪花せず採種量が少ないためである。本発明の雄性不稔植物は、その花器官が野生型に限りなく近いために、ハチやアブ等の送粉昆虫の訪花を容易にし、採種量の増大を図ることができる。この植物の他の一つの特徴点は、リノレン酸やジャスモン酸などで処理することによってその稔性を回復させることができる点である。本発明の雄性不稔植物は、このような性質から容易に自殖種子が得られ、雄性不稔遺伝子ホモ接合性の集団を容易に作製することが出来る。この雄性不稔植物は、例えば、後述する第五発明の作出方法に従って作出することができる。
【0018】(5)第五発明第五発明の作出方法は、第二発明のDNAの発現を抑制することを特徴とするものである。第二発明のDNAの発現を抑制する方法は、特に限定されないが、好ましい方法として、以下のアンチセンス法、コ・サプレッション法、遺伝子破壊型タギング法、ジーンターゲティング法、突然変異誘発源を利用する方法などを例示することができる。
【0019】i) アンチセンス法この方法は、適当なプロモータとその下流に配置された第三発明のDNA(アンチセンスDNA)とを含むベクターを構築し、それを植物に導入することにより、第二発明のDNAの発現を抑制する方法である。ここで使用するプロモーターとしては、第一発明のDNA(プロモーター)が好ましいが、他のプロモーターを用いても良い。他のプロモーターとしては、CaMV35Sプロモーターなどの公知の植物発現プロモーターを用いることができる。
【0020】ベクターの植物への導入は、植物細胞へ外来遺伝子を導入する際に常用する方法、例えば、アグロバクテリウムを用いた方法により行うことが出来る。アグロバクテリウムとしては、植物の外来遺伝子導入に常用されるものであれば特に限定されないが、例えば、Agrobacterium tumefacience EHA101株(Hood et al.,J. Bacteriol. 168:1291-1301 1986)を用いることができる。
【0021】プロモーターと共に導入された第三発明のDNAは、植物内で第二発明のDNAに対するアンチセンス遺伝子としてはたらく。即ち、第三発明のDNAの転写産物が、植物内にもともと存在する第二発明のDNAの転写産物と対合し、その翻訳を阻害し、その結果、第二発明のDNAの発現が抑制される。植物体に第三発明のDNAが導入されているかどうかは、植物体よりゲノムDNAを抽出し、サザンハイブリダイゼーションを行うことにより確認できる。
【0022】ii) コ・サプレッション法この方法は、第一発明のDNA(プロモーター)の下流に任意の遺伝子を配置したベクターを構築し、これを植物に導入することにより、コ・サプレッションを起こさせ、これにより第二発明のDNAの発現を抑制する方法である。第一発明のDNAの下流に連結する遺伝子は、特に限定されず、例えば、GUSレポーター遺伝子、第二発明のDNA等を使用することが出来る。ベクターの植物への導入は、上記のアンチセンス法と同様に行うことができる。
【0023】iii) 遺伝子破壊型タギング法この方法は、T-DNAまたはトランスポゾンを第二発明のDNAに挿入することにより、第二発明のDNAの発現を抑制する方法である。T-DNAやトランスポゾンを含むベクターを植物に導入することにより、T-DNAやトランスポゾンがゲノム中にランダムに挿入した突然変異系統群を作製する。これら系統群の植物体からゲノムDNAを調製し、PCR法を利用してDAD1の遺伝子破壊株をスクリーニングすることができる。あるいはこれらの系統群の植物体の表現形を観察して葯の裂開していない変異体を選抜し、蕾にリノレン酸やジャスモン酸を処理することにより、DAD1遺伝子破壊株を選抜することができる。
【0024】T-DNAタギングに用いるベクターは、特に限定されず、例えば、pBIH1-IGを使用することができる。また、トランスポゾンタギングに使用するトランスポゾンについては、特に限定されず、例えば、Ac-Ds系等のDNA型トランスポゾンや、レトロトランスポゾンを使用することができる。
【0025】iv) ジーンターゲティング法この方法は、相同組換えにより第二発明のDNAの一部に他のDNAを挿入し、第二発明のDNAをノックアウトすることにより第二発明のDNAの発現を抑制する方法である。このような第二発明のDNAをノックアウトする方法としては、例えば、Kempinらの方法(Kempin et al. Nature 389: 802-803. 1997)に従って行うことができる。即ち、第二発明のDNA内にカナマイシン遺伝子等を挿入したターゲティングベクターを作製し、これを植物に導入し、相同組換えを起こさせ、第二発明のDNAをノックアウトする。相同組換えが起こったかどうかは、PCRやサザンハイブリダイゼーションにより確認することができる。
【0026】v) 突然変異誘発源を利用した方法この方法は、突然変異誘発源を処理し、第二発明のDNAに突然変異を起こすことにより、第二発明のDNAの発現を抑制する方法である。対象植物の種子もしくは植物体に誘発源を処理し、処理当代(M1)を自殖した世代(M2)の植物体からDAD1遺伝子破壊株を選抜することができる。例えば、数千の個体を突然変異誘発源で処理した後、これらの自殖種子を採種する。M1世代1個体あたり数粒の種子を圃場に植えて観察して葯の裂開していない変異体を選抜する。選抜した個体の蕾にリノレン酸やジャスモン酸を処理することにより、DAD1遺伝子破壊株を選抜することができる。
【0027】用いる突然変異誘発源は、突然変異率を高める誘発源としてよく用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、X線およびγ線、メタンスルホン酸エチル(EMS)、N−ニトロソ−N−メチルウレア(NMU)を使用することができる。上記のiii)、iv)、v)の方法により雄性不稔化させた植物は、第二発明のDNAを正常に発現する植物との交配により次代(F1)で稔性を回復するので、F1植物の種子を農産物として利用する植物、例えば、ナタネ、イネ、オオムギ、コムギ等一般作物のF1採種に有効である。
【0028】(6)第六発明第六の発明の稔性回復方法は、上記第四発明の雄性不稔植物をジャスモン酸、リノレン酸、又はそれらの誘導体で処理することを特徴とするものである。ジャスモン酸及びリノレン酸の誘導体としては、例えば、ジャスモン酸メチル、リノレン酸ナトリウム、12-オキソ‐フィトジェン酸、コロナチン等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
【0029】処理方法としては、蕾をジャスモン酸等を含む溶液に浸漬する方法を例示することができるが、これ以外にも例えば、筆、スプレーなどを使用して処理してもよい。ジャスモン酸等を含む溶液の濃度及び浸漬時間は、特に限定されないが、ジャスモン酸メチルの場合、0.05〜0.5mMの溶液に数秒間浸漬するのが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明するが、この実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1] dad1変異体の作出(1)シロイヌナズナ・ゲノムDNAへの T-DNAの挿入T-DNAタギングを行うため、タギングベクターpBIH1-IG(名古屋大学・中村研三教授より供与、図1)をアグロバクテリウム用いて、シロイヌナズナへ導入した。シロイヌナズナへの遺伝子導入はモデル植物の実験プロトコール(秀潤社 p99-104)に従い、以下のように行った。シロイヌナズナ(WSエコタイプ、京都大学大学院理学研究科 植物学教室)の芽ばえから胚軸部分を切り取り、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(0.5mg/L)とカイネチン(0.05mg/L)を含むCIM培地で培養し、胚軸の切り口にカルスを誘導した。このカルスに、pBIH1-IGを含むアグロバクテリウム EHA101 株を感染させ、pBIH1-IGの T-DNAをカルス細胞のゲノムに導入した。
【0031】(2)形質転換シロイヌナズナ植物体の再生T-DNA が導入されたカルスをカナマイシン(50mg/L)、ハイグロマイシン B(20mg/L)、バンコマイシン(500mg/L)およびクラフォラン(200mg/L)を含むSIM培地(5mg/L 2-イソペンテニルアデニンと0.15mg/Lインドール酢酸)上で選抜しながらシュートを誘導した。シュートを切り取り、0.02mg/Lインドール酪酸を含むRIM培地に移し、発根を誘導した。このようにしてできた再生植物体(T1世代)をバーミキュライトに植えかえ、蛍光灯下で栽培した。自家受粉によって種子(T2世代)を形成させ、採種した。
【0032】[実施例2] dad1変異体の同定と解析(1)dad1突然変異体の同定T2世代の種子をバーミキュライトに播種し、蛍光灯下で栽培した。開花後も葯が裂開しない個体を見いだし、dad1と命名した(図2)。dad1個体の花の雌しべに非形質転換体シロイヌナズナ(WSエコタイプ)の花粉を1回目戻し交配を行い、 F1 種子を得た。育成した植物の表現型は野生型であり、dad1突然変異体は劣性突然変異であることが分かった。F1植物から自殖種子(F2)を採種した後、F2植物集団の中に現れた dad1 変異体に対し、同様の方法で2回目の戻し交配を行い、F2種子を得た。この F2 集団の中からdad1表現型を示す個体を選び、以下の解析に用いた。
【0033】(2)リノレン酸およびジャスモン酸による変異の回復dad1変異体の花序のうち、まだ開花していないつぼみが付いている部分を0.05%リノレン酸ナトリウム水溶液または 0.5 mM ジャスモン酸メチル水溶液(0.05% Tween 20 を含む)に浸したところ、その後開花した 10個程度の花で葯の裂開が見られ(図2)、自殖種子が形成された。この種子を取って土に播き、育てたところ、すべての個体が dad1 表現型を示した。
【0034】[実施例3] DAD1遺伝子のクローニング(1)IPCR(inverse PCR)によるT-DNA 隣接領域の単離dad1突然変異体から調製したゲノミックDNAをEcoRIで切断し、T4リガーゼで環状化した。ゲノム中に挿入されている T-DNA(バイナリーベクター pBIH1-IG 由来の T-DNA)のレフトボーダー側に対応する2個のプライマー HPH-R(5'-TTTGCCCTCGGACGAGTGCT-3')および L6(5'-CAGCACATCCCCCTTTCGCCAG-3')を用いてPCRを行い、T-DNA のレフトボーダーに隣接した遺伝子 Aの一部(0.5 kbの DNA断片)を単離した。
【0035】(2)ゲノミッククローンの単離(1)で単離したDNA断片(遺伝子 Aの一部)を32P で標識してプローブに用い、lambda DASH II(Stratagene社)をベクターに用いて作製したシロイヌナズナ(WSエコタイプ)のゲノミックライブラリをスクリーニングし、遺伝子 Aを含むゲノミッククローン lambda 2-1a-1を単離した(図3)。
【0036】(3)ゲノミッククローンのプラスミドへのサブクローニングと塩基配列の決定(図3)
lambda 2-1a-1 を HindIIIで切断して得た 3.9 kb の遺伝子断片と EcoRIで切断して得た 5.8 kb の遺伝子断片をそれぞれプラスミドベクター pBluescript SK+(Stratagene社)につなぎ、遺伝子 Aの 5' 側部分のサブクローン pAKH3.9と3' 側部分のサブクローン pAKE5.8を作製した。次に pAKH3.9を HindIIIと EcoRIで切断して得た断片と pAKE5.8を EcoRIと SplI で切断して得た断片を連結してプラスミドベクター pBluescript SK+(Stratagene社)につなぎ、遺伝子 AのHindIIIから SplI までの領域をプラスミド上に再構築した。このプラスミドをpGDAD1-HSと名付けた。このプラスミドを用いて、遺伝子 Aの HindIIIから SplI までの領域の塩基配列を決定した。なお、遺伝子Aを含むプラスミドpGDAD1-HSは、大腸菌に導入された状態で工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERN P-17299として寄託されている(寄託日:平成11年3月12日)。
【0037】(4)cDNAクローンの単離と塩基配列の決定lambda 2-1a-1 を SpeI で切断して得られる3.6 kbの DNA断片を32P で標識してプローブに用い、lambda ZAP II(Stratagene社)をベクターに用いて作製したシロイヌナズナ(Ler エコタイプ)の花芽の cDNA ライブラリーをスクリーニングし、遺伝子 Aの cDNAクローン lambda 5a3 を単離した。その塩基配列解析したところ、このクローンは 3' 側を欠いていることが明らかになったので、プライマーDAD1-FP3(5'-CTCCTTGAGAAGCAAGGCACGAAG-3')を用いて 3'-RACE法を行い、欠けていた部分を単離した。得られた全長のcDNAクローンは、448アミノ酸残基よりなるタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含んでいた。ゲノミッククローンの塩基配列とcDNAクローンの塩基配列の比較より、遺伝子Aはイントロンを含まないことが明らかになった。また、cDNAクローンのオープンリーディングフレームはゲノミッククローンのオープンリーディングフレームより3bp長く、コードするタンパク質のN末端付近に余分に1アミノ酸残基が挿入されていることがわかったが、この差はクローンがそれぞれ由来するLerとWSのエコタイプの違いに起因するものであり、コードするタンパク質の活性には関係がないと推定した。
【0038】[実施例4] 相補性実験(遺伝子 Aが DAD1 遺伝子であることの確認)
pGDAD1-HS を SpeI で切断し、切り出した 3651 bpの DNA断片(配列番号1の一部)を pBI101 由来のバイナリーベクター pARK5-MCS(明治製菓(株)より供与されたプラスミド pARK5を一部改変)の SmaI 部位に連結して、バイナリープラスミド pTDAD1-SS(図4)を作製した。このプラスミドを Agrobacterium tumefacience C58C1 (pGV2260) 株に導入した。リノレン酸処理によって得た dad1突然変異体の自殖種子から実施例1−(1)と同様の方法でカルスを調製し、pTDAD1-SS を含む上記アグロバクテリウムを感染させて、遺伝子 Aを含む SpeI 断片を挿入した T-DNAをdad1変異体由来のカルスのゲノムに導入した。このカルスをビアラホス(10 mg/L)(明治製菓(株)より供与)で選抜しながら実施例1−(2)と同様の方法で培養し、再生植物体を形成させた。この再生植物体を土に移して栽培し、開花させたところ、葯の裂開と、自殖種子の形成が見られ、野生型表現型に回復していることが確認できた。この結果より、最終的に遺伝子 Aが DAD1 遺伝子であると同定した。
【0039】[実施例5] 雄性不稔植物の作出(その1、アンチセンスDAD1遺伝子を用いた方法)
(1)アンチセンスDAD1遺伝子導入ベクターの構築pGDAD1-HS を SpeI で切断し、切り出した 3651 bpの DNA断片をpBluescriptII SK+(Stratagene社)に連結したプラスミドpGDAD1-SSを作製した。このプラスミドを鋳型に、ClaI部位を挿入してあるプライマーDAD-p1(5'-GGATCGATAGTGTCCCACGTGGGTAAC-3')とBamHI部位を挿入してあるプライマーDAD-p2(5'-CGCGGATCCGTTGTATATAGAGAATGG-3')を用いてプロモーター領域をPCRによって増幅した。さらに、BamHI部位を挿入してある2個のプライマーDAD-c1(5'-CGCGGATCCACACACACTTTCTCAAC-3')とDAD-c2(5'-CGCGGATCCACAAACCCGTCTACC-3')を用いてDAD1翻訳領域部分をPCRによって増幅した。これらの増幅した断片をpBluescriptII SK-(Stratagene社)に挿入し、プロモーター配列の後ろにDAD1翻訳領域部分を逆向きに連結したアンチセンスDAD1遺伝子を作製した。
【0040】次に、アンチセンスDAD1遺伝子をプラスミドベクターから切り出し、バイナリベクターpGAH(Onouchi et al. Nucleic Acids Res. 19: 6373-6378. 1991、名古屋大学・町田泰則教授より供与)のCla IとSac Iの部位に挿入してバイナリープラスミドpADAD1(図5R>5)を作製した。
【0041】(2)シロイヌナズナの形質転換上記のバイナリープラスミドpADAD1をAgrobacterium tumefacience EHA101株に導入し、減圧浸潤(vacuum infiltration)法によってシロイヌナズナ(Columbiaエコタイプ、東北大学大学院農学研究科 植物遺伝育種学研究室)に形質転換した。減圧浸潤法によるシロイヌナズナへの形質転換は、モデル植物の実験プロトコール(秀潤社 pp. 109-113.)に従って行った。
【0042】形質転換したシロイヌナズナは、dad1同様に開花後も葯の裂開が起こらず(図6左)、自殖種子を形成しなかった。形質転換体のまだ開花していない蕾を0.5mMジャスモン酸メチル水溶液に浸したところ、その後開花した花で葯の裂開が見られ、花粉が葯の表面に露出した(図6右)。また、この花粉を雌しべに受粉した結果、自殖種子の形成が認められた。このことから、実施例5−(1)に記載の遺伝子導入ベクターを導入することによって、dad1突然変異体と同様の雄性不稔性を示す形質転換植物を作出できることが明らかになった。
【0043】[実施例6] 雄性不稔植物の作出(その2,プロモーター−GUS遺伝子導入ベクターを用いた方法)
(1)プロモーター−GUS遺伝子導入ベクターの構築pGDAD1-HSをSplIで切断し、末端をKlenow断片で平滑化した。次にHindIIIで切断し、3512bpのDNA断片を単離した。このDNA断片をバイナリーベクターpBI101.2(Clontec社)のHindIII部位とSmaI部位の間に連結し、DAD1遺伝子のプロモーターにGUSレポーター遺伝子を連結したプラスミドpBIDAD1-H(図7)を作製した。
【0044】(2)シロイヌナズナの形質転換pBIDAD1-HをAgrobacterium tumefaciens GV3101株に導入し、実施例5−(2)と同様に、減圧浸潤(vacuum infiltration)法でシロイヌナズナ(WSエコタイプ、京都大学大学院理学研究科 植物学教室)に形質転換した。形質転換体のシロイヌナズナの大部分では、表現型の異常は見られなかった。これらの植物から花序を取ってX-Gluc(5-bromo-4-chloro-3-indoril-beta-D-glucuronide、和光純薬)溶液で染色したところ、花糸に強い染色が観察された。一方、一部の形質転換体では、開花後も葯の裂開が起こらないというdad1突然変異体と同様の表現型が観察された。ジャスモン酸処理による裂開能の回復も観察された。これらの個体では、X-Glucによる染色も弱くなる傾向が見られた。
【0045】[実施例7]DAD1遺伝子プローブを用いたサザンハイブリダイゼーション(図8)
シロイヌナズナ以外の植物種のゲノムDNA中にもDAD1遺伝子と類似の遺伝子が存在するのかを調査するために、アブラナ科、イネ科、キク科、アカザ科植物のゲノムDNAを用いてサザン分析を行った。コマツナ品種おそめ(タキイ種苗(株))、ブロッコリー品種グリーンコメット(タキイ種苗(株))、イネ(ヤマホウシ、ササニシキ)、オオムギ(大六角一号)、トウモロコシ(スイートム102、(株)藤井農産)、レタス2品種(Vレタス(カネコ(株)、およびサマーレッド(タキイ種苗(株)))、並びにサトウダイコン(北海道大学農学部より供与)の葉からCTAB法(Murray and Thompson Nucleic. Acids Res. 8:4321-4325,1980)によりゲノムDNAを抽出した。ゲノムDNAを制限酵素EcoRIで消化し、0.7%アガロースゲルに電気泳動した。メンブランにDNAを写し取り、DAD1遺伝子をプローブに用いてハイブリダイゼーションを行った後、0.5x SSC, 0.1% SDS, 65℃の条件で洗いを行った。この結果、供試した全ての植物に本遺伝子あるいはそれと配列が近似している遺伝子の存在が確認された。
【0046】
【発明の効果】本発明は、植物の葯の裂開を制御する核遺伝子及びその遺伝子の発現が抑制されている雄性不稔植物を提供する。この雄性不稔植物は、その花器官が野生型に限りなく近く、また、ジャスモン酸等により稔性を回復させることのできるため、F1種子生産のために極めて有用である。
【0047】
【配列表】
SEQUENCE LISTING<110> Research Institute of Seed Production Co., Ltd.<120> YAKU NO REKKAI NI KANYOSURU IDENSHI<130> P99-0082<160> 3<170> PatentIn Ver. 2.0<210> 1<211> 8133<212> DNA<213> Arabidopsis thaliana<220><221> CDS<222> (3487)..(4827)<400> 1aagcttcttt attacccaat taagtaaata tcccaaacaa ttccattttg catgtaaact 60taatgtcact attccctaaa ttaaattaca caaaattgca gtgtatgtta tgatgattgt 120ttgatacttt attccctcct agatattatc ttaaagatca acctttgtgt tgagtaattt 180cgttgtatag gcttgtggaa tatatacttc aattcttatc agaccataga gtcagatcat 240ttccacgaat ccttatagaa acatttagtt atgaaataaa acacatccga aataactagc 300tattagatat aagaaaaaat ttaaaaatat tattgctcat cacagatttt ggaaaaatat 360atattcatct aatcatgtta atagtcgcca tatatatacg cacattattg ttaaattgaa 420caatctttgt aaaattatgt ttgttttgaa tattcttata aacatagaga aaattgcata 480ttatctgttt gtaatgaaac gtatatttat tatatataga ccgatataca ataaagtagc 540tagtaatagt attgaacaac aattgatcac caaaagaaag ttgttagctg gcttctgatg 600gtttaacggc tcagttatga cttattcgag ctgcaccaga tactgttagc 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【図面の簡単な説明】
【図1】T-DNAタギングに使用した遺伝子導入ベクターの図。
【図2】野生型(WS)およびdad1突然変異体の花および葯の形態を示す写真。
【図3】DAD1遺伝子クローニングの概要を示す図。
【図4】相補性実験に用いた遺伝子導入ベクターの構造を示す図。
【図5】アンチセンスDAD1遺伝子植物導入ベクターの構造を示す図。
【図6】アンチセンスDAD1を形質転換したシロイヌナズナの花および葯の形態を示す写真。
【図7】プロモーター−GUS遺伝子導入ベクターの構造を示す図。
【図8】DAD1遺伝子をプローブにしたサザンハイブリダイゼーションの結果を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 以下の(a)又は(b)に示すDNA。(a)配列番号3に記載の塩基配列により表されるDNA(b)配列番号3に記載の塩基配列において1もしくは複数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列より表され、プロモーター活性を有するDNAであって、(a)のDNAに、部位特異的変異誘発法によって変異を生じさせることにより得ることのできるDNA
【請求項2】 以下の(a)又は(b)に示すDNA。(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列により表されるタンパク質をコードするDNA(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列により表され、葯の裂開を制御する機能を有するタンパク質をコードするDNAであって、(a)のDNAに、部位特異的変異誘発法によって変異を生じさせることにより得ることのできるDNA
【請求項3】 請求項2記載のDNAと相補的な塩基配列により表されるDNA。
【請求項4】 請求項2記載のDNAの発現が抑制されていることを特徴とする雄性不稔植物。
【請求項5】 請求項2記載のDNAの発現を抑制することを特徴とする雄性不稔植物の作出方法。
【請求項6】 請求項4記載の雄性不稔植物をジャスモン酸、リノレン酸、又はそれらの誘導体で処理することを特徴とする稔性回復方法。

【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【特許番号】特許第3138452号(P3138452)
【登録日】平成12年12月8日(2000.12.8)
【発行日】平成13年2月26日(2001.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−115002
【出願日】平成11年4月22日(1999.4.22)
【公開番号】特開2000−300273(P2000−300273A)
【公開日】平成12年10月31日(2000.10.31)
【審査請求日】平成11年12月2日(1999.12.2)
【微生物の受託番号】 FERM P−17299
【出願人】(595017702)株式会社採種実用技術研究所 (1)
【参考文献】
【文献】特開 平7−59573(JP,A)
【文献】特表 平8−507691(JP,A)
【文献】Plant J.,10(4),679−689(1996)
【文献】Sex.Plant Reprod.,11(6),297−322(1999)