蒸気生成器
水の入口端管(62,63,64)から過熱蒸気の出口端管(68,69,610)までの間に接続されて蒸気生成器を通過する水/蒸気チューブを備え、前記水/蒸気チューブは、ヒューム(61)によって直角に横切られる複数のチューブ群、好ましくは複数の平坦なチューブ群を形成するように水平に配列され、前記チューブは、蒸気生成器の軸に沿って1つのチューブ群から他のチューブ群へ斜めの道を登り、各チューブ群における異なる位置でヒュームの流れ(61)にチューブをさらし、前記チューブは、2つ以上の分離ブランチ(65,66,67)に分割され、各ブランチには他と異なる入口端管から水が供給され、蒸気発生器は、垂直又は水平に設置されて、ヒュームと水/蒸気が互いに逆方向に流れ、出口の過熱蒸気のヘッダー(61,69,610)は、互いに直接接触するように一束に集められ、その束は外部から熱的に絶縁される、蒸気生成器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、従来の蒸気生成器に用いられる材料に匹敵する材料で作られた、適応性の高い蒸気生成器に関する。この発明の蒸気生成器は、一定の温度プロファイル制御条件で、夜間の割安条件の限界(少なくとも10%より低く、好ましくは5%以上)までの低い負荷(<30%)まで適応性を実質的に広げることができ、歴史的に連続的な(適応性のない)生産の使用に限られてきた石炭のような燃料によってでさえ、必要に応じて最大の負荷まで急上昇することができるようになっている。
【0002】
熱電力(thermal-electrical power)の産出は、使用される多様なタイプの燃料と種々の熱力学サイクルによって技術的に非常に多様化していることは、当該技術において周知である。
【0003】
しかしながら、すべての技術的な解決策、つまり、すでに周知の解決策およびまだ発展段階にある解決策の両者は、機械的な仕事をするのに適さない燃料ガス/ヒューム(gas/fumes)から、熱源を利用することによって機械的な仕事をすることができるクローズドサイクル(closed cycle)の処理流体まで、熱の形のもとで、熱的な回収処理によって代表される機器において、構造的に異なっているとしても、概念的に共通の特徴を有する。一般的に、最も普及している流体は水/蒸気であり、それは、タービン内の蒸気の等エントロピーの(isoentropic)膨張が行われるランキン(Rankine)サイクル(現在今日の特徴)を作動させる。その熱的回収機器が、蒸気生成器(SG)と呼ばれる。
【0004】
熱回収蒸気生成器の発展は、いくつかのガイド基準によりなされてきた。
【0005】
最近、化石燃料のコストの連続的な上昇と、有害放出物の量を極端に減じる必要性とが、作られる電力の単位当たりの「グリーンハウス」ガスを含み、それらは、実際に、より複雑で高価な技術やプラントの欠点を受入れてでも、熱エネルギーから電力への変換をより高くもたらす方向に押し進められてきた。
【0006】
よく知られているように、より高いサイクルの生産高は、高圧力で、特に高温で作動する水/蒸気サイクルに関係している。参考として、圧力および温度蒸気臨界値、つまり、22.1MPa(221bar)で647K(374℃)を仮定すると、準臨界サイクルから超臨界(SC)サイクルまでの、さらに最近のウルトラ超臨界サイクル(USC)までの手段が経験されてきた。従って、生産高を最大にするために、今日では、過熱蒸気の240-280barの圧力と600-620℃の温度で作動するUSCサイクルが使用され、そこでは、熱的な回収が、通常の2相転移状態を経ることなく、液状の水と蒸気を同時に存在させて、液状の水を加熱することにより行われる。液状の水は、準臨界状態のもとで作動する蒸気生成器を代表する液体と蒸気の2相を介しての中間工程なしに、液相から蒸気相へ、連続する方法で通過する。USCにおいて、液状の水と蒸気状の水が同時に存在する相の存在なしに、1つは(水のような)高密度相から(蒸気のような)低密度相へ通過する。
【0007】
熱交換水/蒸気側の取扱いが著しく複雑なことは、準臨界蒸気生成器に対する技術的な選択のキーポイントを示してきた。実際、蒸気生成器は、
−ヒューム(fume)側において、大気圧においてガスから熱を除去し、除去される熱(敏感な熱)対温度の準直線性に近い条件下で、熱の関数としての、温度特性(特定の熱)および輸送特性(粘度、特定の熱、熱伝導率)の準直線性により、解決策の処理を容易にし、
−水/蒸気側において、熱的および輸送特性の、物理的状態の、蒸発の適当なエンタルピーの、準臨界状態下における、液体と蒸気相間の強く変化し得る比による状態転移に沿った混合相の、実質的な変化によって、熱を少し複雑なシステムへ搬送する、
ということに注意することが、重要である。
【0008】
従って、熱交換は、液体と水の予備加熱区域で低く、蒸発と蒸気の過熱区域では高い、ヒュームと水の液体/蒸気との間の非常に異なる温度勾配によって行われ、予熱区域と蒸発区域との間の境界における熱交換が零に近い値に限定される「ピンチ(pinch)」という問題(ヒューム−水/蒸気のデルタT)を有する。
【0009】
従って、システムは、効率と取扱いによる設計と操作が非常に複雑で、物理的に単一の装置に組込まれたとしても、液体予備加熱(ECO)、蒸発(混合された液体と蒸気相、EVA)、蒸気過熱(SH)の、3つの全く異なる区域によって表され、各区域は特定の基準によって最適化され、特定の基準によって制御される。これらの区域の各々は、異なる独立した装置、制御ユニットおよび付属回路で装備される、つまり、蒸気生成器は概念的にも実際的にも、3つの異なる作用/装置に分離される。
【0010】
特に、確立された解決策は、相分離器によって限定される蒸発相(EVA)と、作られた飽和蒸気から水を完全に分離する大きな蒸気ドラムとを備え、わずかに変化する熱交換および混合相の流体動的状態によって安定化する、つまり、限られた量の蒸気が多量の再循環水の中に形成される。
【0011】
この解決策は、多く使用されることにより、制御における大きい安定性の適切な特性により最も好まれ、固められ、蒸気ドラム(高温高圧の大きな容器)に収容される多量の水により与えられる慣性により好まれ、大きい熱能力施設のために評価され、分配ネットワークへのエネルギーの連続貯蔵(つまり、EP消費の夜間の最小)の重要要素の歴史的な部分になってきた。
【0012】
SC蒸気生成器およびUSC蒸気生成器への準臨界の展開は、3つの分離した異なる区域と、大きい水/蒸気分離器システムの意味を、1つの側から部分的に奪ってきた。しかしながら、3つの区域(ECO、EVA、SH)における区別の基準は、依然として維持されているが、それは、スライドする圧力の概念(蒸気圧力の減少)により、熱−電力変換機(タービン)において電力負荷の区分が行われるからである。実際、USC蒸気生成器は、蒸気生成圧力が臨界圧力より低く減少するとき、準臨界状態に戻る(加熱曲線に沿って出現する2相の水と蒸気)。換言すれば、電力の生産量は、公称値から一定の公称の電力に対して約30%の限度まで連続した方法(ほとんど一定の温度プロファイル制御)で調整可能である。その代わりに、30%負荷のもとで、様々な採用された解決策に依存して、使用される始動システムが使用される。
【0013】
最後に、電力の生成は一日全体の電力消費の傾向に注意しなければならなかった。産業的な消費者システムの需要の発展は、昼間の電力消費の敏感な増加において、3より大きい昼間時間/夜間時間の電力需要の比および連続的な基本消費(夜間時間)に対する要求の異常なピークによりもたらされた。これは(日々の)「サイクリング(cycling)」として知られている。
【0014】
生産側において全負荷における連続的な電力の生成は、歴史的に、低い様々なコストの大きいプラント、つまり、原子力、および主に石炭火力の熱的プラントの特権であり、ターボ・ガス・サイクルに基づく技術のような公称負荷に関する始動と電力負荷の増減のための本質的に速い応答技術に対して昼間の需要とピーク(サイクリング)の吸収をそのままにしてきた。この計画は少なくともつい先ごろまでに、そのサイクリングを吸収することができた。
【0015】
しかしながら、注目すべきことは、他の発展する要因がアンバランスを作るということである。つまり、
−昼夜の電力消費の逸脱した傾向は、連続的な基礎消費(夜間時間)の減少をさらに増大することを予期させる、
−同じ連続的な基礎消費を主張する原子力の増大によって、化石燃料(石炭)を使用する熱電力技術への可能性がこわされる、
−高い生産性を必要とすることも、単純なターボ・ガスから結合サイクルのターボ・ガスへ(ターボ・エキスパンダーにより放出される高温のヒュームから熱を回収する蒸気生成器の追加)、および、将来、USCタイプの高回収産出蒸気生成器による結合サイクルへ発展させる。
【0016】
そのサイクリングの要求は、負荷の変化に遅すぎる従来の「蒸気ドラム」蒸気生成器の結合サイクルを排除し、少なくとも、いわゆる高速応答プラントを根拠とする新しい解決策を与えた。
【0017】
新しい解決策に向かって強く押し動かされたこれらの発展の要因のすべては、化石燃料からの零に近い放出目標に対して開発された新しい技術と結びついて考え出された。上述のように、今日すでに明らかな新しい解決策は、結合(高速)サイクルの熱回収蒸気生成器に関連する。
【0018】
日々のサイクリングおよび負荷変動に対する高速応答は、蒸気ドラム、つまり3相機構の使用を退け、「ワンス・スルー(once through)」として知られる、文字通りシングル・パス(single-pass)水/蒸気側の、さらに適応性のある機構に切換えることを要求してきた。
【0019】
例えば、純粋な逆流(countercurrent)機構、つまり、予備加熱される低温水に接触する低温ヒュームを通して、つまり最小限の熱交換デルタTにおいて、高温ヒュームと高温蒸気間の、壁を介しての接触/交換と共に流体が装置を反対方向に通過することが、確立された。装置は垂直であり、ヒュームは底から水平な水/蒸気チューブのチューブ群を横切って上昇し、水は上から「ワンス・スルー」で下降する。
【0020】
適応性は次によって得られる。つまり、
−供給される水に敏感な熱の追加の熱的慣性を除去するために、乾燥チューブ(水なし)を有する蒸気生成器を起動すること、
−負荷変動(摺動圧力(sliding pressure)における負荷変動)による調整慣性を最小にするための蓄積水(蒸気ドラム、水/蒸気分離器)が存在しないこと、
−重い(高い特定の重力の)流体(準飽和状態における水と水/蒸気の混合相、および超臨界状態における臨界温度より低い温度における水)が、低密度流体区域(蒸気、臨界温度(Tcr)より高い温度における低密度水)へ下る、文字通り落下すること。
【0021】
このようにして、スラグ・フロー(slug flow)(プラグ・フロー(plug flow))の問題は、克服される。実際、これらの問題は、蒸発区域に沿った全ての高い水/蒸気の比に対して、全蒸気生成器を妨害なしに通過する単純なチューブを有する構造に対して、上の方への水/蒸気の流れの場合に提起される。
【0022】
準臨界状態におけて適用された、純粋逆流構造の例は、AECONグループのISTである。特に、チューブシーリング(スラグフロー、プラグフロー)における水の発射および後に続く金属壁のはがれによって従われる、チューブシーリングの過熱によって階層化され波動する流れとなる水の低い比率において、静かで低速の水流からの泡に流れが分離する問題を、高い中間の水/蒸気の比の流れにおいて解決する。
【0023】
しかしながら、負荷変動により、とくに低負荷、特に約30%より低い負荷において、最大負荷とは著しく異なる水路に沿った温度プロファイルによる問題は克服されず、特に、入って来る高温ヒュームの温度に近い温度のチューブ長さの大部分まで拡張することは、克服されない。交換表面のほとんどに対して、チューブは高価な合金材料(ニッケル高含有合金、および他の高価な材料)で作られ、結果的に高いコストのものになる。交換表面における高価な合金材料の使用は、先行技術のカーボン燃料リアクタを下流に挿入したこのタイプの装置の場合に明らかになる。
【0024】
さらに、「下降する(down coming)」水による「ワンス・スルー(once-through)」構造は、プラントの垂直設置を要求する。これは、特に大きいパワーユニットのためのカペックス(capex)の関連性の限界である。最後に注目に値するのは、パイプから離れた上述の高温の拡張において、負荷を迅速に上下に動かすために、一定の温度プロファイル制御によって動作を行うことが必要であるということ(つまり、蒸気生成器が蒸気生成器における同じ配列と幾何学的位置においてヒュームと水/蒸気の温度プロファイル、先行技術で知られた一定の温度プロファイル制御状態と同じ状態、又は「プロファイル制御」を維持すること)であり、広い負荷の間隔にわたるISTボイラ用の場合ではないということである。
【0025】
従って、一定の温度プロファイル制御において、迅速に上下する負荷変動であるこの実施形態の確かな適応性は、30%より低い負荷において消滅するまで減じられる。実際、様々な蒸気/水の比率と低い蒸気流速において、低負荷による蒸気生成器の注目すべき部分の管理/制御は、底の水の流れによって支持されず、非常に異なる制御計画を要求するので、リアルタイムでは実行可能ではない。
【0026】
重力による水の流れは一時的な状態(起動/停止)および低負荷状態(<30%)において、水/蒸気の流れの定常状態(水/蒸気の比率)からの容認できない逸脱によってタービンの損傷という容認できない危険を引き起こすこと、および蒸気生成器の低いデルタTs(前述の理由による)の実質的な部分をともかく維持することは、米国特許第5,159,897号の発明に明らかである。この特許において、底からの高温ヒュームと先端からの水による「ワンス・スルー(once through)」構造は、中間区域に結合され、そこでは、2層の水/蒸気の流体(気化する水)がヒュームと共通の流れにおいて(重力にさからって)上昇するために戻り、蒸発する水が好ましく含まれる区域を定め、その水は低負荷において、非定常状態で出口へ移動する。さらに、水/蒸気相転移(準臨界状態における)は等温現象であるので、共通の流れの熱交換のエントロピーの非効率性は結果的に無視できる。しかしながら、USCの全負荷状態においては、エントロピーの非効率性は関連性に帰り、低負荷における適応性は、高合金材料で作られた交換表面部分を拡張することによってのみ入手可能である。
【0027】
高いデルタT(材料、はがれ)および高速負荷変動期間の熱衝撃に関することは、米国特許第7,383,791号に明らかであり、そこでは「ワンス・スルー(once through)」機構(入口から出口まで無妨害単一チューブ)によって水路が設計され、蒸気生成区域SH(加熱される流体温度の最大)においてデルタTを限定するために、高温ヒュームの上昇流が予熱される水に最初に接触し、蒸発区域において熱衝撃の危険にさらされる。従って、水は底から入り、高温のヒュームで予熱され、頂上で下向きの流れになって流出し、水/蒸気の蒸発相と過熱相のための上昇ヒュームと逆流する。
【0028】
確かに、デルタTのヒュームでは、水/蒸気は前の場合(IST)に対してより限定され、熱交換表面のより大きい部分に低価格の材料を使用できる。しかしながら、これは、予熱工程における高温のヒューム・水熱交換に関連するエントロピー形成を与えるサイクルの全体的な産出量の費用におけるものであることは明白である。
【0029】
上述の場合は、操作において、効率の損失や高価な高合金材料を多く使用する費用における適応性の改善(負荷変動速度)を導くけれども、それらのためおよび他の固まった解決策のために、30%より低い負荷に対して蒸気生成器は全負荷の最適な温度プロファイル(チューブ群温度、水/蒸気およびヒューム温度プロファイル)から著しく離れている(高負荷用に確立された最適温度プロファイル制御から逸脱している)。そこに起因して、30%までの負荷で起動して運転するために、高負荷制御状態を中止し、一連の動作を様々な論理と、付属回路/ハードウェアの使用とによって実行することが必要であるということになる。これは、起動速度の点から、30%まで上昇する負荷に対して、制御条件の複雑さの点から明らかに不利であることを意味する。高速起動および高速上昇負荷能力に特徴のある結合サイクルのターボ・ガスのようなエネルギープラントのタイプに対して不利なことは、著しい経済上の衝撃である。特に、結合サイクルの蒸気生成器は、起動及び負荷上昇速度を決定すると共に、数十分から1時間を越えるまでの遅れを生じさせる要素である。
【0030】
様々な構成が、その負の影響を制限することを試みるために研究されてきた。蒸気生成器を通過することなしに煙突へ直接送られる高温ヒュームのバイパスを形成することによってターボガスから蒸気生成器を切り離すことが提案されている。他の計画は、循環の数と燃料を介してや、蒸気生成器へ全ヒュームを送ることにより、また、起動手順および蒸気生成器の負荷上昇能力に基づく(ヒューム流速およびヒューム温度)を調整することにより、ターボガスのエネルギーを(減少によって)調整することを提案している。温度プロファイル制御状態から強制的に離れることが実行されるが、それは、高温における熱交換の流れが単一の既知のメカニズム(強制対流)に基づかず、次の2つに基づくからである。
−負荷により、つまりヒュームの流速とヒュームの温度(デルタT)により、安定的に(ほとんど直線的に)昇降する、強制対流による交換、
−第4エネルギーつまり(T4)における温度(T)のみに従属するヒュームからの放射による交換、
ここで、第2メカニズムは高温において無視できない。
【0031】
上流ヒューム生成プラント(燃焼、高温ヒューム生成器)に依存して、次の点を有する。
−低負荷における適応性が重要ではなく、その代わりに起動速度と負荷上昇速度が卓越し、理想的な場合に、一定のヒューム流速で作動し温度を調整することによって負荷を調整する上流ターボガスに対して、下降(上昇)負荷変動は、それが第2メカニズム(放射による交換)の衝撃を回避又は最小にすることができないので、負荷の直線性からの熱流交換の著しい逸脱を意味する。
−上流に対して、油又は石炭の燃焼放射チャンバーは、一定温度において流速のみによって負荷を調整し、ヒュームからの放射による熱の流れに対する貢献は不変であり、放射ヒュームよりも低い熱の流れは許されない。
【0032】
従って、30%より低い負荷の動作においては、温度プロファイル制御は維持されず、異なる制御論理は、異なるほど負荷がより減少するが単一チューブ流路を妨害する付属回路(外部再循環、蒸気への注入調整)の使用により、前進的に採用される。つまり、蒸気生成器は、自動温度プロファイル制御を、30%負荷より小さい全範囲まで、および起動/停止相において拡張して作動することはできない。
【0033】
従って、次の特徴の組合せを有する利用可能な蒸気生成器を有する必要性が感じられた。
−高い適応性を有し、確立された蒸気生成器に用いられる材料に匹敵する材料で作られる、
−適応性を、低負荷(<30%)まで、夜間の準備状態の限界(少なくとも10%より低く、好ましくは5%以上の負荷)まで、実質的に拡張でき、一定の温度プロファイル制御で働き、
−安定した高負荷生産の使用に歴史的に限定されてきた石炭のような燃料によってさえ、要求に応じて最大負荷まで高速で戻れる準備ができている。
【0034】
実際、忘れないようにすべきことは、タービンの特性に対して、燃料単位(キロジュールの燃焼熱に対する生産されたキロワットアワー)に対してエネルギーを生産する特定の産出高が、負荷の減少に伴って、30%のプラント負荷、つまり、温度プロファイル制御に適した低負荷限界において容認できない値(約15%)まで、著しく減少する。
【0035】
出願人は、上述の技術的問題を解決し、高効率とサイクリング(cycling)の要求を満足させることができ、低コスト(先行技術の従来の材料)の蒸気生成器を思いがけなく驚きをもって見出した。
【0036】
この発明の目的は、
−水の入口端管から過熱蒸気の出口端管までの間に接続されて蒸気生成器を通過する水/蒸気チューブを備え、
−前記水/蒸気チューブは、ヒュームによって直角に横切られる複数の重なったチューブ群(tube banks)、好ましくは複数の重なった平坦なチューブ群を形成するように水平に配列され、
−前記チューブは、蒸気生成器の軸に沿って1つのチューブ群から他のチューブ群へ斜めに進み、各チューブ群に対して異なる位置でヒュームの流れにさらされ(図1参照)、
−前記チューブは、2つ以上の分離ブランチに分割され、各ブランチには他と異なる入口端管(header)から水が供給され(図5参照)、
−蒸気発生器は、純粋な逆方向の流れ(countercurrent)の中でワンス・スルー(once-through)であり、頂上からヒューム入口と底からの水入口を有して垂直又は水平であるが、常に反対の流れの中にあり、
−過熱蒸気の出口の端管は、直接接触するように一束に集められ、その束は外部から熱的に絶縁され、
−随意に、端管(headers)の始点は、ヒュームが過熱蒸気温度に近い温度にあるような位置で、ヒュームの流れの中に配置され(図6参照)、
−随意に、熱回収後の低温ヒュームをリサイクルすること(recycling)により、入口の高温ヒュームを温度調整し、
−随意に、タービンから中間圧力のこぼれを引出す1つ以上の再加熱部が存在し、
−随意に、再加熱用1つ以上の蒸気圧力レベルが存在し得る、
蒸気生成器を提供することである。
【0037】
水/蒸気チューブは、水入口から過熱蒸気出口まで、好ましくは中間の入口と出口なしに、さらに好ましくは障害物なしに、蒸気生成器を貫通することが好ましい。水/蒸気チューブは、通常のUSC蒸気生成器に通常的に用いられる材料によって作ることができる。
【0038】
一般的に、使用される材料は、蒸気生成器の軸に沿ってさらされる作動温度によって変わる。この発明の蒸気生成器においては、高価な合金材料部分は、最終の蒸気過熱が行われる最後の部分に対応する部分のみである。例えば、蒸気の出口が605℃で240-280barの圧力の場合には、この部分の長さは、チューブ長さの約10%に対応する。高合金材料の第1部分の後には、好ましくはクロム鋼を含む材料のカスケードが次々と存在し、チューブ長さのほとんど(約60%)は、好ましくはカーボン鋼で作られる。
【0039】
平坦なバンクに配列された水/蒸気チューブは、ヒュームによって直角に横切られ、好ましくは、比較的制限された直線の水平チューブ長さを有し、一般的に好ましくは12メートルより短く、さらに好ましくは6メートルより短い。これらの寸法は、直線水平部分が長すぎることを避けるために用いられ、周期的な水の蓄積やプラグフロー(又はスラグフロー)の伝播の出現にふさわしい。従って、チューブの最小作動負荷は約30%であるけれども、この発明の蒸気生成器では、前述のように、より短い長さが好ましく、プラグフロー現象やその伝播を避けるために、再混合(曲線、よく頻発する上昇)によって従われる。うね状のチューブが用いられるとき、以下に述べるように、チューブ長さはさらに長く、例えば20メートルにすることができる。
【0040】
1つのチューブ群と他のチューブ群との間を斜めに登るチューブについては、後で詳述する。水/蒸気チューブは、ここに詳述するように、個々に供給される2つ以上の分離ブランチに分割される。
【0041】
ヘッダーは、好ましくは、後に詳述する基準によって配置される。
【0042】
この発明の蒸気生成器は、好ましくは、頂上からのヒュームの入口と底からの水の入口とを備えた、純粋な逆流(countercurrent)の垂直のワンス・スルー(once through)である。
【0043】
この発明の純粋な逆流蒸気生成器は水平であることが好ましい。このように、工業の設置が単純化されるので、設置費用の実質的な低減が達成される。この点は、後でより広く説明される。
【0044】
入って来る高温ヒュームの温度調整は、後で、過熱蒸気の制御と危機的情況の排除に関する効果が説明されるときに述べられるように、回収後の低温ヒュームをリサイクルすることによって行われることが、好ましい。
【0045】
この発明のさらなる目的は、水/蒸気が100%負荷において常に超臨界状態にあり(図7A)、圧力が減少する負荷により低下するときに(50%負荷に対する図7B)、目標の負荷で駆動するタービンに噴射するために必要な圧力状態を有する蒸気生成器において蒸気を得る、摺動圧力様式のこの発明の蒸気生成器を作動する方法を提供することである。
【0046】
蒸気生成器の水/蒸気がすべての負荷(100%から30%負荷)とタービンへの噴射前の最終積層(lamination)に対して常に超臨界状態にあるように、随意に、蒸気生成器は、一定の圧力様式で作動できる。
【0047】
この発明のさらなる目的は、次の工程を備え、5−10%から100%の負荷に対してこの発明の蒸気生成器を作動させる方法を提供することである。
−蒸気生成器の同じ配列と同じ幾何学的位置においてヒュームと水/蒸気の温度プロファイルを維持し、
−1つ以上のブランチ(branches)を除外し、その後唯一の作動ブランチを有する限界まで乾燥状態に維持することによって、約30%より低い、低負荷において熱交換表面が閉塞(choking)する。
【0048】
好ましくは、蒸気生成器に沿った同じ配列と同じ幾何学的位置におけるヒュームと水/蒸気の温度プロファイルのメンテナンスが、次の処理の2つ以上によって行われる。
a)1つ以上のブランチを除外し、その後、唯一の作動ブランチの限界まで乾燥状態を維持することによって、最小摺動圧力負荷(minimum sliding pressure load)(30%)よりも低い負荷に対して熱交換表面を閉塞すること、
b)蒸気生成器に沿って位置を維持することによる、すべての負荷における供給水の流速の(定常状態からの逸脱に対するシフトコントロール)、超臨界状態を要求する負荷に対する臨界状態を横切るときの温度屈曲点の、および準臨界圧力状態(摺動圧力における)を必要とする負荷に対して一定温度で起こる蒸発のフィードバック制御、
c)固体燃料燃焼ユニットの下流で作動するボイラーに対して処理される低温ヒュームの再生を介して変化する高温ヒューム温度による、すべての負荷における生成蒸気の温度のフィードバック制御(定常状態からの逸脱に対するシフト制御)、
d)供給される水を予備加熱する処理による、蒸気生成器の出口におけるヒューム温度のフィードバック制御。
【0049】
温度プロファイルの維持のための好ましい解決策は、上記処理b)とc)を使用することである。
【0050】
この発明の方法は、選択的に次の処理e)を備える。
e)流体のエンタルピーが、積層工程(lamination step)の下流で、2相水/蒸気流体領域(図7c)を横切ることなく、超臨界流体を蒸気層に直接転移させるとき、積層(lamination)によって従われる、超臨界圧力状態における蒸気生成器の第1部分を、生成された蒸気の全ての圧力状態のもとで維持すること。
【0051】
高温のヒューム温度を調整することによる、すべての負荷における生成蒸気の温度の処理c)のフィードバック制御は、さらに、過熱蒸気温度を維持し、ピンチ現象を回避する方法が示されるところにおいて扱われる。
【0052】
超臨界状態における、又は準臨界状態(摺動圧力において)で一定温度で起こる蒸発の、温度の屈曲を維持することによる、すべての負荷における供給水の流速のフィードバック制御の処理b)が、後に詳述するように扱われる。
【0053】
随意に、この発明の方法は、高容量結合サイクルプラントの場合に水平設置に対して興味のある選択的積層処理e)を備える。
【0054】
この発明の蒸気生成器は、上記の方法で作動され、予期せぬことに、驚くべきことに、コストをさほど増加させずに上記の高い性能を提供することができる。この発明の蒸気生成器は、5−10%から100%の負荷のサイクリングに適合し、高効率を有し、ほとんどの熱交換(壁)表面に対して高合金材料を必ずしも必要とすることなしに働く。
【0055】
従って、この発明は、高い適応性を有し、従来の蒸気生成器に匹敵する品質の材料で作られ、5−10%のオーダーの非常に低い負荷で作動でき、一定の作動と温度プロファイル条件のもとで働き、石炭のような固形燃料を使用した時でも最大負荷まで迅速に立上ることができる、有役な蒸気生成器を作る。
【0056】
上記特性を有する、この発明の蒸気生成器は、さらに、次の特徴を示す。
−最小の約5−10%から100%負荷までのすべての負荷状態において、蒸気生成器の構造に沿ったヒューム温度減少プロファイルを安定して維持すること、
−超臨界および準臨界蒸気生成の両方に対して、すべての負荷状態において、蒸気生成器の水/蒸気側に沿って、温度プロファイルをほぼ一定に維持すること(換言すれば、移動してもその形状を変えない)
−単一のブランチのチューブにおける水の流速の良好な分布を単純な流れのオリフィスによって常に維持すること(作動ブランチの最小負荷が30%以上)、
−ヒュームの流れ(ヒュームの流れるチャンネルが全ヒューム流の間で異なる交換「履歴」を有する)の不規則な分布に関するすべての問題を、チューブの斜めの方向により、固定すること、
−最小の水/蒸気対SG沿ったデルタT、つまり良好なデルタTを維持すること、
−例えば、1つ以上のブランチを次第に排除する(水の供給を停止して乾燥状態にする)ことによって、熱交換表面を(1/2,1/3,1/4など)閉塞し、単一のブランチの30%の負荷、つまり、6ブランチの場合には約5%の全負荷、3ブランチの場合には10%の負荷、まで下げて設定され、ほぼ5〜10%の値がプラントの準備負荷に等しい温度プロファイル制御を維持すること、
−同じ全負荷値における高温ヒュームの流速−温度調整によりデルタTのピンチ(pinch)問題を解決すること。
【0057】
従って、この発明は、次の点を利用可能にする。
−全負荷に対して決定され、全ての負荷状態における、最適なものに近いヒューム/水熱交換のデルタTのプロファイル、および蒸気生成器の軸と、蒸気生成軸に直交するすべての平面の両方に沿った最適なものに常に近い熱の流れ、
−全負荷状態に対して確立された、(蒸気生成器軸に沿った)幾何学的位置におけるヒューム温度減少プロファイルのすべての負荷状態における維持による、熱交換デルタTのみに対するサービス作動温度から、サービス外の(乾燥した)チューブの温度が(高く)逸脱すること、
−5−10%から100%までの全負荷範囲における一定温度プロファイル制御用の1つの新しい論理が、全負荷範囲において1つの新しいオートメーション論理を生み出すこと、
−一定温度プロファイル制御論理において作動する、従来の装置/機器の特徴のある応答時間によってのみ制限される、フィードフォワード制御下の負荷増大又は減少の非常に速い速度。
【0058】
上記の特性により、次の所望の性能が得られる。
−高速起動(乾燥チューブによる)、
−熱的負荷の約5−10%の制限値まで低下する温度プロファイル制御条件(常温準備条件)下における非常に広い負荷適応性、
−非適応性プラントに現在用いられている規格に適合するチューブの材料。
【0059】
この発明の原理的な構成は単純であり、図6に示すように、単純な逆流式の熱交換器と類似する。そこには一例として、3つの分離ブランチにおける水/蒸気の区分(熱交換表面の3区分)が示されている。
【0060】
低負荷における温度プロファイルの維持、および規格材料の使用に関して、流入ヒューム温度調整をブランチになった複数の区分と組合せる効果は、区分がない場合(図9)における、水/蒸気の、および蒸気生成器の軸に沿ったヒュームの温度プロファイルを、3つの区分を有し3つのブランチの2つを排除した(図10)ときのこの発明の方法と比較する(同じ境界条件で)ことによって明らかである。
【0061】
好ましくは、水入口から過熱蒸気出口までの遮断のない単一の熱交換チューブと多くのブランチへの区分の発展によって、単純なオリフィス(集中するヘッド損失)による各単一チューブの完全な流速分布が可能となり、全容量において負荷損失が超過することによってエネルギーが不利になることや、低負荷(5−10%)において不十分なヘッド損失によって分布が不均一になることがなく、作動ブランチの最小負荷が30%となり、5−10%の所望の全負荷を達成する。
【0062】
すでに述べたとおり、水/蒸気は、少なくとも2ブランチ、好ましくは3ブランチ、さらに好ましくは4〜6ブランチのブランチに分割される。1つ以上のチューブが作動しないときに所望の温度プロファイル(ヒューム側および/蒸気側)を維持するために、1つのチューブが各ブランチのヘッダーから選ばれ、ブランチチューブが常にグループ化されるように、カップルや3つ組や4つ組(など)を形成する。3つ組のブランチの場合として図5を参照のこと。
【0063】
常に上述の結果を得るために、チューブは、水平チューブ群(tube bank)を通過した後、次のチューブ群へ斜めに上昇して不平衡なヒュームと水/蒸気流路の形成を回避すると共に、ヒュームの一様でない分布を改善する。これはすべての幾何学的形態および蒸気生成器のデザインにおいて見られる(図1,2,3および4)。斜めに上昇して次のチューブ群において連続するチューブの位置を占めることは、チューブ群の端(最も外側の位置)に到達したチューブが全チューブ群の前を横切って他のチューブ群の端へ戻ることを意味する(図1〜4、特に図2)。
【0064】
すでに述べたように、表面の閉塞(choking)は、ヒューム温度減少プロファイルを一定に維持することを可能にし、例えば、水の供給を排除すること、および/又は高圧過熱蒸気への出口を閉じることにより、1つ以上のブランチが動作から除外されるということに感謝する。ヒューム温度プロファイルを適所に保持することによって、非作動ブランチが、多くとも軸の位置に付随するヒューム温度まで、蒸気生成器の軸に沿って至らされるということが、さらに得られる。さらに、リサイクルされた低温ヒュームの混合と、入口温度に結合した過熱蒸気温度制御とを介する高温ヒューム温度に対して感謝して、得られたプロファイルのデルタT(ヒュームと水/蒸気間の)は常に非常に小さく、高温区域を含む。従って、作動しないチューブの設計作動条件に対する極端な過熱は、除外される。従って、USCボイラーに使用されている材料の伝統的に確立された順序に比較して、材料のランクを上げることは必要ない。
【0065】
図8において、ヒューム、水/蒸気および機械的設計温度は、100%負荷において、従来の蒸気生成器とこの発明の蒸気生成器の両方(蒸気生成器の沿ったカスケード(cascade)において)に使用される様々な材料に対して示されている。図9において、図8の同じ特徴が、従来の蒸気生成器、つまり、異なるブランチへの表面閉塞のない蒸気生成器における低負荷(<30%)に対して示されている。図9から、チューブ温度プロファイルは低負荷における計画温度を越えており、材料のランクを上げる必要があることは明らかである。
【0066】
反対に、1つのブランチによる動作により(例えば、図10の提案例における3つのものではなく)得られるヒューム温度プロファイルは、蒸気生成器の各点において、非作動ブランチが動作においてUSCのために通常的に課せられた設計温度を越えないようにする。
【0067】
この発明の蒸気生成器において、圧力減少により低負荷へ下る最大負荷においてUSC状態から、1つのブランチ又はより多くのブランチにおける30%の限界までの準臨界状態(摺動圧力)までの水/蒸気側の温度プロファイルの維持/制御は、超臨界状態における温度屈曲点の、又は準臨界状態における同一の熱的蒸発温度の、蒸気生成器の軸に沿った幾何学的位置を維持することによって行われる。その位置は水/蒸気の流れの温度測定により検出される。その測定は、屈曲位置又は同一熱的蒸発位置、および正確には屈曲から又は同一熱的蒸発からの正および負の温度シフトが行われる平坦部分の上流と下流を検出する。実際、注目されたのは、超臨界状態は、2層の同一熱的蒸発はないけれども、特徴のある温度屈曲点(準同一熱的な)および公称密度とエンタルピー変化を対応して示している。より正確には、準臨界から超臨界までの温度プロファイルの連続性の、上記パラメータ用の「形」がある。従って、入口の水の流速に作動する単一の論理のフィードバック調整は、同一の熱的な位置又は準同一の熱的な位置を適所に維持し、必然的に所望の温度プロファイルを維持する。つまり、熱交換特性およびタイポロジー(typology)を維持する。
【0068】
この発明の蒸気生成器を設置する場合に、固定燃料で作動する燃焼器の下流で、好ましくは、過熱蒸気温度制御が入口のヒューム温度を調整することにより、蒸気生成器を出る低温ヒュームをリサイクルすることにより行われる。予期することなく、驚きと共に見出されたことであるが、この制御処理によって、上述のピンチの問題は回避できる。実際、すでに述べたように、いずれの蒸気生成器においても、非常に大きいデルタT(ヒュームおよび水/蒸気間)の変化、つまり水予熱区域において非常に低くEVAとSH区域において非常に高いデルタTにより、熱交換が行われ、ピンチの問題(熱の流れをほとんど無効にする値まで小さくなるデルタT)をECOとEVA区域の間の境界に備え、常に、限定された変動(振動)が(明らかに一定の負荷において)行われるが、これはECOと他の区域との間の不平衡を意味する。反対に、この発明の蒸気生成器においては、低温ヒュームのリサイクル/追加が高温ヒュームに対して適用された時(注:高温/低温のリサイクルされたヒュームの混合は熱的回復のエンタルピー平衡を変えない)、次の状態が達成される。
−同等の負荷において、様々なヒューム温度/流速のカップルが作動可能であり、より高い温度が零に等しいヒュームリサイクルの限界までのより低い流速に関連し、より低い温度が徐々に大きくなるリサイクルの流速に関連する、
−低温/高流速のカップルは、SHおよびEVA区域において交換された熱を低減させ、ヒュームはより高い流速およびより高い温度でECO区域に到達する、
−逆もまた同様に、高温/低流速のカップルは、SHおよびEVA区域において交換された熱を、より高いデルタTとより高い放射の合計によって増加させ、ヒュームは低い流速およびより低いTでECO区域に到達する。
【0069】
従って、明らかなことであるが、流速/温度のカップルは、様々な区域間における負荷のシフトを可能にし、ECO区域とEVA区域において必要なデルタTを常に提供する(デルタTは容認できない値まで決して減少しない)。様々な区域に対する通常の熱交換表面は、前述の屈曲点の位置を調整することによって保証される。予期することなく驚きと共に観察されたことであるが、上記ピンチの調整は、作られた過熱蒸気の温度の温度調整により、収束する。
【0070】
この発明の蒸気生成器において、非常に広い範囲の温度プロファイルの安定性は、過熱蒸気の集合端管(header)に対しても良好な解決策に到達できる。
【0071】
当該技術分野においてよく知られたことであるが、チューブ集合端管は、大きい直径と高い設計温度により、大きい厚さを有する。それらが突然の温度衝撃にさらされるとき、それらは壁の厚さにおいて、半径方向の特異な熱膨張ストレスもうける。その熱膨張ストレスは、連続作動状態のストレスに加えられ、低周期(低サイクル数)の相応する疲労を生む。これは、負荷の増加速度の限界とサイクリング能力の必然的な限界を意味する。
【0072】
従って、避けなければならない熱的衝撃のリスクは、負荷変動に対する高速応答を限定する付加的要素の1つを示す。
【0073】
この発明の蒸気生成器において、広い作動範囲(5−10%から100%負荷まで)に渡る温度プロファイルを維持することによって、ヒュームの通路に沿った軸の位置を決定することができ、その軸位置ではヒュームの温度が加熱蒸気の温度(例えば約600℃)にほぼ保たれる。交換流路の端におけるチューブを、チューブ群のそばで前述の点まで下へ曲げることにより、好ましくはヒュームの流れの中(図6のチューブ群の妨害物の中)に蒸気出口の端管を配置することにより、ヘッダーの金属壁温度と、生成された蒸気の温度との間のデルタTは無視可能となり、それはすべての状態において約100℃より低くなり、ストレス/温度衝撃の問題を解消することが見出された。さらに証明されたことは、ヒューム収容容器の出口の複数の区分ヘッダーの配管を互いに直接接触するように一束に集めて、その束全体の周りにのみ熱絶縁体を設置することにより、配管の間の接触/放射によって分散した熱は、蒸気流の内部で作動するパイプの温度の近くへ、非作動パイプの温度を至らせるに十分であるということである。同じことは、蒸気生成器の外部の配管の束の部分でも生じる。
【0074】
この発明の蒸気生成器の好ましい実施形態の1つは、図11、12,13,14に示されるような、水平配置である。実際、その単純さに加えるとすれば、水平配置によって得られる(メンテナンスや点検のための)アクセスの容易さと減少した鋼鉄の支持部材も役立つことであり、この発明の蒸気生成器の魅力をさらに知ることができる。
【0075】
米国特許第7,406,928号では、蒸気生成器の水平配置が、真直ぐの上下するチューブ(直列の昇水管と降水管)を有する水平コイルを配置することによって得られている。さらにまた、入ってくる水を高温ヒュームにより(高熱の流れにより)予熱する区域が、高速熱転移速度を保証するために設定され、最初の降水管において、蒸発する蒸気の泡の水のキャリィオーバーを高めることが可能な、十分な2相流体流速が存在する。チューブの昇水/降水管は、水/蒸気側の不安定な状態(水が蒸気生成器に沿って遠く前方に存在する)の確立を防止し、十分な2相容量流体流速が初期の蒸発の部分で、できるかぎり保証され、流れからの水の分離とプラグフロー(plug flow)を回避する。
【0076】
しかしながら、水平配置の装置は、米国特許第5,159,897号と第7,383,791号に対しても、上で観察されたことを変えるものではなく、多くとも、低負荷で作動したときに、さらなるプラントの臨界要素を導入する。
【0077】
この発明の蒸気生成器は、水平配置であり、上記利点(アクセスのし易さと減少した鉄鋼部材)を導入するのみならず、5−10%から100%までの負荷に対する垂直設置についての上記に引用された利点も変わることなく維持される。
【0078】
チューブを斜めに上昇させるという概念が水平配置に対しても効果的であるということが、驚きをもって、予期することなく見出された。実際、バンクチューブを水平に維持することによって作られた水平位置において90°の回転の蒸気生成器では、90°だけ回転した各チューブの斜めの上昇が、とにかく斜めであることを見出す。所望の斜めの角度を維持して蒸気生成器の軸に直交する方向にこの時点で上昇を与え、すべての観点において、蒸気生成器の軸に沿って左から右へ(逆の場合も同じ)横切ることによって垂直配置で得られる上昇に対応する実施形態が実施される。
【0079】
側面図から見られるように、水平部品の間の接続屈曲部における単一チューブの開発は、蒸気生成器の軸に沿って、のこ歯流路に従う(それは、ヒュームの封じ込めの端に斜めに上昇し、その封じ込めの他の端において最も低い位置を再び取ることによって落下する。図14参照)。部分におけるこの上昇流路は、不安定な2相動作を防止して、5−10%から100%の負荷までの水/蒸気プロファイル制御における最も広い適応性を有するための引き揚げにおいて垂直配置の所望の性能を維持する水/蒸気流路の制限を、全体的に実行する。さらに、水平配置は、表面の平方メートル当たりの良好な熱交換効率を得るための最も広い自由度をプロジェクト技術者に提供する。例えば、チューブ群を通る様々なヒューム速度は、ピッチとチューブ長さを変えることによって調整でき、水/蒸気の速度はチューブの直径を調整することによって調整でき、チューブの内部に見られる特別な流体力学的な要求によって制限されない。この発明の蒸気生成器のさらに好ましい形態は、高温ヒュームが圧力下にあり、交換が圧力容器内に含まれるヒュームによって行われなければならないときに実施される。
【0080】
処理e)に関する場合、それは、流体エンタルピーが2相液体領域(図7D)を横切ることなく、蒸気相への超臨界流体の直接の転移を、積層の下流で許すときに、積層によって従われる超臨界圧力状態の最初の部分、又はすべての、生成される蒸気のすべての圧力状態における維持である。なお、処理e)は、蒸気生成器の標準の処理のために、つまり5−10%より高い負荷のために、随意に用いられる。予期することなく驚きをもって出願人により見出されたことであるが、処理e)の処理は、中間のものに代わる最終の積層により、乾燥チューブによる最初の加熱の直後に、蒸気生成器の始動相において好ましく使用できる。図15を参照すると、始動は作動圧力を選択することにより実行され、蒸発領域(2相混合区域)の外側で蒸気生成器の出口の状態を維持し、第1相において蒸気生成器の水出口が不十分に冷却され(作動圧力における飽和温度より低い温度で)、超臨界圧力区域の蒸発区域を超過した後で、蒸気が過熱される(作動圧力における飽和温度より高い温度で)。初期相において、水は積層されたフラッシュタンク(flash tank)へ運ばれる。蒸気生成器のヘッドの出口における水が、飽和蒸気エンタルピー(タービンへ入る圧力において)よりも高い、約150kJ/kgのエンタルピーを有するとき、その水はタービンの始動回路に注入される。
【0081】
特に、予期することなく驚きをもって出願人によって見出されたことであるが、処理e)の様式は、蒸気生成器の始動相においても好ましく用いることができる。実際、工業的な見地から迅速で高く所望される手順が見出された。その始動手順は次の処理工程を備える。
−すべてのブランチの乾燥チューブ、つまり水なしのチューブを最初に加熱すること、
−1つのブランチのみのチューブに、超臨界圧力下で、好ましくは240-280barの圧力下で、水を供給すること、
−蒸気生成器ヘッドの出口における水が、タービンの入口の圧力において、又は流体を加熱することによって、飽和蒸気エンタルピーより高い約150kJ/kgのエンタルピー(つまり、図16の蒸発領域の外側である、蒸気ラインより上の)を有し、積層が常に過熱蒸気(図16)のみを生成し、過熱蒸気が図16の蒸気領域157の水/蒸気2相区域の外にあるとき、高温ヒュームと積層による加熱を行い、
−使用されるブランチが30%負荷に等しい負荷状態になると、この発明の蒸気生成器で述べたように、フィードバック制御が作動し、業務におけるブランチのための温度プロファイル制御構成を設定することができる。
【0082】
この起動処理の利点は、非常に速い負荷供給、蒸気のみの生成、(温度プロファイル制御と)異なるが非常に単純な調整論理による、つまり最終積層バルブを制御する蒸気温度によるブランチの0から30%負荷の間隔の制御であり、フィードバック調整制御装置の予想される構成である。プロファイル制御状態は、きわめて速い。上記の図は、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、この発明の垂直蒸気生成器におけるチューブコース(tube course)の上から見た斜視図である。
【図2】図2は、この発明の垂直蒸気生成器におけるチューブのコースを示す。
【図3】図3は、図1の蒸気生成器の正面図である。
【図4】図4は、図2に示すチューブの正面図である。
【図5】図5は、この発明の蒸気生成器の実施形態における独立したブランチの供給を示す。図に示す例では、3つの独立した回路が示されている。
【図6】図6は、頂上から入るヒュームと底から供給される水による純粋な逆流熱交換を有する、この発明による蒸気生成器を概略的に示す。
【図7】図7Aは、100%負荷における水/蒸気流体の超臨界状態における加熱を示す、圧力−温度−エンタルピーのグラフである。 図7Bは、蒸気生成器の部分的負荷を表す50%負荷における水/蒸気流体の準臨界状態における加熱を、圧力−温度−エンタルピーのグラフに示す。 図7Cは、(蒸気生成器の部分的負荷を表す)50%負荷における水/蒸気流体の超臨界状態における加熱および蒸気タービンの入口における次の積層を、圧力−温度−エンタルピーのグラフに示す。 図7Dは、水/蒸気液体の超臨界状態における加熱、2相の水/蒸気混合体を形成することのない、液体自体の積層による次の圧力の減少、および超臨界蒸気の過熱を、圧力−温度−エンタルピーのグラフに示す。
【図8】図8は、蒸気生成器の熱交換表面の関数としての、ヒュームと100%負荷にける水/蒸気流体の温度の図を示す。
【図9】図9は、熱交換表面の閉塞および部分的排除のない先行技術の場合に減少した負荷における熱交換表面の関数としての、ヒュームと水/蒸気流体の温度の図を比較のために示す。
【図10】図10は、表面の3つの区分による閉塞と作動ブランチのみによる減少負荷における熱交換表面の関数としての、ヒュームと100%負荷における水/蒸気液体の温度の、この発明の蒸気生成器における図を示す。
【図11】図11は、この発明による水平蒸気生成器におけるチューブのコースを示す斜視図である。
【図12】図12は、この発明による水平蒸気生成器におけるチューブのコースを示す。
【図13】図13は、図11の蒸気生成器の正面図である。
【図14】図14は、図12のチューブの正面図である。
【0084】
以下、図面を用いて詳細を説明する。
図1はこの発明の、垂直に配置した蒸気生成器の複数のチューブ群(tube banks)(2)の斜視図であり、水が底から供給され、ヒューム16が頂上から入る(ガス出口16A)。単一の交換チューブ(例えば、チューブ13参照)は、水平な直線部分の後で屈曲することによって、1つの平面からその上の平面まで、例えば図の平面11からその上の平面12までシフトするだけでなく、それらはすぐに左の方へ横にシフトする。図の最も左においてヒューム収容容器(図示しない)の境界に達すると、チューブは位置14において屈曲し、チューブ群を横切って容器の右端において場所15に位置する。
【0085】
図2は、図1の要部を示し、チューブ13のみを表している。17はチューブ群の底部の水入口であり、18はチューブ群の上部の流体出口である。
【0086】
図3は垂直の蒸気生成器のチューブ群の正面を示し、水は図1に示したように底から供給される。単一の熱交換チューブ、例えばチューブ13は、屈曲して一平面からその上の平面(例えば、平面11からその上の平面12)へシフトするだけでなく、左の方へ横にシフトする(図2)。図の最も左に置いてヒューム収容容器(図示しない)の境界に達すると、そのチューブは位置4で屈曲し、チューブ群を横切って容器の右端において付着する
【0087】
図4は、図3の同じ正面図において、図1と図2に示されるチューブ群の残りの部分から分離したチューブ13のみを示す。熱交換チューブは、屈曲によって、1つの平面からその上の平面へシフトし、また左へ横にシフトする。図の最も左においてヒューム収容容器(図示しない)の境界に達すると、チューブは位置14で屈曲し、チューブ群を横切って容器の右端において位置15をとる。
【0088】
図5は、水平平面に30本のチューブから形成された図1に示すタイプの1つのチューブ群を図3のように正面から見た図である。30本のチューブは、3つの分離ヘッダーによりバルブ531,532,533の開口を介して交互に供給される。従って、3つの分離回路があり、各々は(並列に供給される)10本のチューブから形成される。チューブ51,54,57,510,513,516,519,522,525,528は、バルブ531が開いたときに水/蒸気を通し、第1回路に属する。第2回路には、チューブ52,55,58,511,514,517,520,523,526,529があり、バルブ532が開いたときに水/蒸気を通す。第3回路には、残りのブランチ(branch)の、チューブ53,56,59,512,515,518,521,524,527,530があり、関連するバルブ533が水/蒸気の流れを調整する。図において、各回路の流量計測バルブを有する各回路用分離供給システムが図示されている。一例として、バルブ531が開き、バルブ532と533が閉じていると、第1回路(チューブ51,54,57,510,513,516,519,522,525,528)のチューブのみにおいて、水/蒸気が流れる。異なる回路のチューブが一緒に組合せられてチューブ群を斜めに上昇するように配置され、すべての回路が供給されるとき、種々の回路において熱の流れが均一に吸収される。1つ以上のブランチが供給されないとき、それらのチューブによって到達する温度は、(1つ以上の)作動中の回路の近くのチューブによって平均ヒューム温度に制限される。実際、供給される回路は局部的にヒュームを保持し、そのヒュームは、最適設計温度プロファイルにおいて非作動回路のチューブに接触する。
【0089】
図6は、垂直に設置され、ヒューム61が頂上(および出口61A)から入り、水が底から(ヘッダー62,63,64を介して)入る、この発明の蒸気生成器の1つのタイプを示す。熱交換機構は、純粋な逆流(countercurrent)の機構である。従って、3つの分離した回路65,66,67が示され、各々は、1つの入口端管(header)(図中、端管62は回路65に供給し、ヘッダー63は回路66に供給し、ヘッダー64は回路67に供給する)、熱交換チューブ(図中、1つの回路に対して1つの熱交換であると示されている)、および蒸気出口端管(図中、回路65からの蒸気抽出用端管68、回路66用端管69、回路67用端管610)から構成される。ヘッダー68,69,610はガス収容容器611の両外側(オプションは図に示されていない)、およびヒューム温度が蒸気の温度に近い位置(好ましいオプションが図に示されている)におけるヒューム自体の中に位置することができる。
【0090】
なお、チューブは、入口端管から出口端管まで連続している。また、(図に示されない実施形態である)中間の端管は(蒸発又はみかけの蒸発領域の前後に適当に配置され)、利用可能に作られる。また(図示されない実施形態では)、タービンからこぼれる中間圧力蒸気の再加熱段階、又は異なる圧力での蒸気再加熱段階が利用可能に作られる。また(図示されない実施形態では)、非過熱段階を準備することができる。
【0091】
図7Aは、超臨界状態における水に対する圧力−温度−エンタルピーのグラフにおいて、過熱超臨界と呼ばれる、100%負荷時の(水のような)高密度の水から(スチームのような)低密度のような流体までの加熱過程を示す。この変遷は、この発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実施される。そのグラフにおいて、図の中に、71,72,73,74で示される4つの区域(又は領域)を認めることができる。区域71は、準冷却水を表し、それは、圧力が臨界圧力(約221bar)より小さい時、蒸発領域(区域72)の下の領域によって示される。蒸発区域と呼ばれる区域72は、臨界値より低い圧力の領域であり、そこには、液体の水と蒸気の両方が存在する。区域72の上(臨界圧力より常に低い)には、蒸気のみ(区域73)が存在する。区域74は臨界圧力より高い状態の水を備える。ポイント75によって示される状態の(水のように)低エンタルピーで高密度の水は、ポイント75と76との間を結ぶ線上の点によって示されるみかけの蒸発(液体/蒸気の混合体を形成しない状態の変遷)を経験する。ポイント76において、水は高エンタルピーと低密度(蒸気のような)を有し、タービンへ供給される。
【0092】
図7Bは、水のための圧力−温度−エンタルピーのグラフにおいて、準臨界状態の準冷却水から50%負荷(部分負荷)の過熱された準臨界圧力蒸気までの加熱を示す。この変遷は、この発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実行されるが、それは、摺動圧力様式において実施される負荷変化である。図において71,72,73および74で示され図7Aに記載された4つの区域(又は領域)が、グラフに示されている。ポイント77で示される状態の準冷却水は、ポイント77と78を結ぶ線上のポイントによって示される蒸発(液体/蒸気混合体の形成による状態の変遷)を経験する。78において、準臨界圧力における過熱蒸気は、タービンへ供給される状態にある。
【0093】
図7Cは、水の圧力−温度−エンタルピーのグラフにおいて、超臨界状態の準冷却水から50%負荷(部分負荷)の過熱超臨界蒸気に至るまでの加熱を示す。この変遷は、一定圧力様式において実施されるこの発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実行される。図において71,72,73および74で示され図7Aに記載された4つの区域(又は領域)が、グラフに示されている。ポイント79で示される状態の準冷却水は、ポイント79と710を結ぶ線上のポイントによって示されるみかけの蒸発(それは、上記の状態の変遷に対応するが、液体/蒸気混合体の形成はない)を経験する。710において、超臨界圧力における過熱蒸気は、蒸気生成器を出て、タービンに入るのに適した圧力状態を711で有するように、積層される(点710から点711までの積層)。
【0094】
図7Dは、水の圧力−温度−エンタルピー(H−T−p)のグラフにおいて、超臨界状態の(水のような)高密度の水から(蒸気のような)過熱された準臨界蒸気と呼ばれる低密度の流体までの、加熱過程および水/蒸気2層混合体の形成のない蒸気の積層による連続圧力減少を示す。これらの変遷(加熱と積層)は、この発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実行される。図において71,72,73および74で示され図7Aに記載された4つの区域が、グラフに示されている。ポイント712で示される状態の(水のような)低エンタルピーで高密度な水は、ポイント712と713の間の領域によって示される見かけの蒸発(液体/蒸気混合体を形成しない状態の変遷)を経験する。713において、水は(蒸気のように)高エンタルピーと低密度を有する。713と714との間に存在するポイントによって示される積層の変遷を介して、1つ以上のバルブによって水圧は、区域72を代表する液体/蒸気の混合体を有することなしに減少するが、過熱された蒸気の区域73に属する。714と715との間の領域によって示される転移は、蒸気生成器の終端部分(水/蒸気通路に沿った終端部分)で実行される、準臨界蒸気の過熱である。
【0095】
図8に、蒸気生成器の100%負荷において、かつ、水/蒸気流体の超臨界状態において、熱交換表面の関数として、ガス(曲線81)と水/蒸気(曲線82)の温度の図が示される。その図において、3つの区域が示される。最初の1つは、左から流体の過熱が行われる熱交換表面(区域83)を備える。区域84はみかけの蒸発が行われる熱交換表面である。区域85は、流体予備加熱用の交換表面(ECO)が存在する区域を示す。「直線−破線」曲線86は、蒸気生成器の熱交換表面の種々の部位の設計温度の包絡線である。
【0096】
図9に、準臨界状態にある蒸気生成器の部分負荷(最大負荷の約10%)において、交換表面の関数として、ヒューム(曲線91)と水/蒸気(曲線92)の温度の図が示される。蒸気生成器は、図5に示すように、ブランチの除外による交換表面区分によって作動しない。図において、図8に示す3つの区域(83,84,85)が示される。水/蒸気温度(曲線91)が、ほとんどの熱交換表面に対する同じ量のヒューム温度(曲線92)にどのように到達するかが重要である。さらに、水/蒸気曲線91は、この技術の材料のための設計温度の曲線86に接近したり行き過ぎたりしている。
【0097】
図10に、準臨界状態での蒸気生成器の部分的負荷(図9と同様に最大負荷の約10%)において、利用可能な熱交換表面の、ヒューム温度(曲線101)の、作動中の回路の水/蒸気(曲線102)の、および2つの乾燥回路における水/蒸気(曲線103)の関数として、図が示される。蒸気生成器は、いくつかの回路又はブランチを除外することによって、表面区分で、実際、作動される。図の例において、3つの回路(図5にも示される)が存在し、それらの1つのみが供給される。図には、図8で示された3つの区域(83,84,85)が存在する。表面の一部の除外(この例では全表面の3分の2が除外された)が、全負荷においてみかけの蒸発を行う区域84に、部分的負荷において、移動中の回路の2相転移区域を、いかにとどまらせるかということは注目に値する。図8の破線の曲線86に、熱交換表面の種々の部分の機械的に許容される(設計)温度の「包絡線」が存在する。2つの除外された(非作動)回路の温度は、ヒューム温度に接近し、状態は曲線101(ヒューム)と103(水/蒸気)の重なりによって図中に示されている。ヒューム温度(曲線101)と3つの回路の水/蒸気の温度(曲線102と103)は、曲線86の設計温度よりも低い。換言すれば、稼働中の回路は、ヒューム温度プロファイルを適正に保持し、設計温度より高い金属の過熱から非作動回路を保護する。ヒューム温度の図と、水/蒸気の温度の図は、図8に示された同じパラメータの図に類似している。
【0098】
図11は、底面から見上げた3次元の図によって、水平配置されたチューブ群のチューブの流路を示す。ガス116は、右から左(ガス出口116A)へチューブ群を介して流れる。チューブ(例えば、流路にうまく従う黒色チューブ113)が、水平の直線部分の後、連続する平面においてチューブ群の上端方向へそれらをシフトする曲線に伴って上昇するということは、注目に値する。それらのチューブは、のこ歯状の流路を示す。
【0099】
図12は図11の詳細を示し、図12ではチューブ113のみが示されている。水入口117と、水/蒸気出口118が示されている。
【0100】
図13において、図11に示される蒸気生成器の正面図が示されている。単一の熱変換チューブ、例えば、前述のチューブ113(明白に示すための黒色の)は、屈曲によって、1つの平面から次の平面(例えば平面111から平面112)へシフトするのみならず、蒸気生成器の上部へもシフトする。ヒューム収容容器(図示しない)の境界まで到達すると、チューブは位置114でチューブ群を横切ることによって、本体の下端において対向位置115を取る。
【0101】
図14は、図13と同じ正面図において、図12のチューブ113のみを示し、他のチューブをすべて隠している。
図15は、図7にすでに示したH−T−Pのグラフにおいて、ポイント151,152,153,154,155,156を通る直線破線曲線を示す。これらのポイントのグラフ上の位置は、一例として意図されたものであり、それらを横切る破線曲線の限界を正確に示すものではない。この曲線のポイント(2層混合体157の蒸発領域を包絡する)、曲線の右のポイント、および曲線の上のポイント155と156は、前述の起動様式が蒸気生成器の出口において単相流体を予知するように蒸気生成器が起動するとき、回路を出る水/蒸気の受入れ可能条件を表す。
【0102】
図16は、H−T−Pグラフ(図7参照)において、図15のポイント151,152,153,154,155,156を通る破線の曲線によって示される起動区域と共に、この発明の蒸気生成器の好ましい起動様式の1つを、流体を常にエンタルピーレベルまでの超臨界状態に維持して流体の層構造がタービンへの直接の供給に適した特性を有する蒸気のみを生成することによって表している。低温(ポイント158)で超臨界状態にある水は、ポイント159まで加熱される。159において、水はエンタルピーを有し、積層(ポイント159と156の間の移転)後、蒸発区域157が回避される。
【0103】
この発明の蒸気生成器は、起動が非常に速く、かつ、出力負荷がごくわずかの容量内で増減するので、「循環運動(cycling)」の問題を解決することができる。
【0104】
この発明の蒸気生成器は、負荷、特に低負荷、特に約30%より低い負荷の変動に迅速に反応する。それは、蒸気生成器が水/蒸気通路に沿った広い温度プロファイルや最大負荷からの逸脱による問題を克服するからである。この発明の蒸気生成器は、入ってくる高温ヒュームの温度に近い温度のチューブ通路の非常に大きい部分への拡張に耐えることができる。この理由のために、熱交換表面の大部分に対して、チューブ用の高合金材料(ニッケルを多く含む合金および他の高価な材料)を使用する必要はない。このようにして、この発明の蒸気生成器のコストは、他の先行技術の蒸気生成器に比べて低い。
【0105】
実際、この発明の蒸気生成器において、負荷は、一定の制御論理で実行される動作によって広い負荷間隔で、迅速に上方又は下方に移動されることが可能であり、蒸気生成器手段は、ヒューム又は水/蒸気の温度プロファイルを、一定の温度プロファイル制御状態として、又は「プロファイル制御」として、先行技術で知られる状態の蒸気生成器における同じ配列および幾何学的位置に維持する。迅速な負荷の上下移動を意味するこの実施形態の適応性は、一定の調整論理で作動する調整システムにより、30%より低い負荷のために実行される。
【0106】
この発明の蒸気生成器における約30%負荷の限度のもとでの動作において、プロファイル制御が継続され、蒸気生成器は、30%負荷より低い全範囲にわたって一定で、急速起動に加えて、増加と減少の両方において、自動温度プロファイル制御で作動できる。
【0107】
従って、この発明の蒸気生成器は、高い適応性を示し、従来のUSC蒸気生成器に使用される材料に匹敵する品質の材料で作ることができる。つまり、高合金材料の部分のチューブ長さが非常に限定される。その上、この発明の蒸気生成器は、最大容量の近くまで連続的に生産を行うエネルギー施設に歴史的に限定されてきた石炭のような燃料による、要求に応じて最大負荷まで迅速に上昇できる一定温度「プロファイル」制御様式において、経済的に受入れ可能な夜間の準備状態(少なくとも10%より低い負荷、好ましくは5%以上の負荷)に近い限界まで低下する低い負荷(<30%)へその適応性を拡張することができる。
【技術分野】
【0001】
この発明は、従来の蒸気生成器に用いられる材料に匹敵する材料で作られた、適応性の高い蒸気生成器に関する。この発明の蒸気生成器は、一定の温度プロファイル制御条件で、夜間の割安条件の限界(少なくとも10%より低く、好ましくは5%以上)までの低い負荷(<30%)まで適応性を実質的に広げることができ、歴史的に連続的な(適応性のない)生産の使用に限られてきた石炭のような燃料によってでさえ、必要に応じて最大の負荷まで急上昇することができるようになっている。
【0002】
熱電力(thermal-electrical power)の産出は、使用される多様なタイプの燃料と種々の熱力学サイクルによって技術的に非常に多様化していることは、当該技術において周知である。
【0003】
しかしながら、すべての技術的な解決策、つまり、すでに周知の解決策およびまだ発展段階にある解決策の両者は、機械的な仕事をするのに適さない燃料ガス/ヒューム(gas/fumes)から、熱源を利用することによって機械的な仕事をすることができるクローズドサイクル(closed cycle)の処理流体まで、熱の形のもとで、熱的な回収処理によって代表される機器において、構造的に異なっているとしても、概念的に共通の特徴を有する。一般的に、最も普及している流体は水/蒸気であり、それは、タービン内の蒸気の等エントロピーの(isoentropic)膨張が行われるランキン(Rankine)サイクル(現在今日の特徴)を作動させる。その熱的回収機器が、蒸気生成器(SG)と呼ばれる。
【0004】
熱回収蒸気生成器の発展は、いくつかのガイド基準によりなされてきた。
【0005】
最近、化石燃料のコストの連続的な上昇と、有害放出物の量を極端に減じる必要性とが、作られる電力の単位当たりの「グリーンハウス」ガスを含み、それらは、実際に、より複雑で高価な技術やプラントの欠点を受入れてでも、熱エネルギーから電力への変換をより高くもたらす方向に押し進められてきた。
【0006】
よく知られているように、より高いサイクルの生産高は、高圧力で、特に高温で作動する水/蒸気サイクルに関係している。参考として、圧力および温度蒸気臨界値、つまり、22.1MPa(221bar)で647K(374℃)を仮定すると、準臨界サイクルから超臨界(SC)サイクルまでの、さらに最近のウルトラ超臨界サイクル(USC)までの手段が経験されてきた。従って、生産高を最大にするために、今日では、過熱蒸気の240-280barの圧力と600-620℃の温度で作動するUSCサイクルが使用され、そこでは、熱的な回収が、通常の2相転移状態を経ることなく、液状の水と蒸気を同時に存在させて、液状の水を加熱することにより行われる。液状の水は、準臨界状態のもとで作動する蒸気生成器を代表する液体と蒸気の2相を介しての中間工程なしに、液相から蒸気相へ、連続する方法で通過する。USCにおいて、液状の水と蒸気状の水が同時に存在する相の存在なしに、1つは(水のような)高密度相から(蒸気のような)低密度相へ通過する。
【0007】
熱交換水/蒸気側の取扱いが著しく複雑なことは、準臨界蒸気生成器に対する技術的な選択のキーポイントを示してきた。実際、蒸気生成器は、
−ヒューム(fume)側において、大気圧においてガスから熱を除去し、除去される熱(敏感な熱)対温度の準直線性に近い条件下で、熱の関数としての、温度特性(特定の熱)および輸送特性(粘度、特定の熱、熱伝導率)の準直線性により、解決策の処理を容易にし、
−水/蒸気側において、熱的および輸送特性の、物理的状態の、蒸発の適当なエンタルピーの、準臨界状態下における、液体と蒸気相間の強く変化し得る比による状態転移に沿った混合相の、実質的な変化によって、熱を少し複雑なシステムへ搬送する、
ということに注意することが、重要である。
【0008】
従って、熱交換は、液体と水の予備加熱区域で低く、蒸発と蒸気の過熱区域では高い、ヒュームと水の液体/蒸気との間の非常に異なる温度勾配によって行われ、予熱区域と蒸発区域との間の境界における熱交換が零に近い値に限定される「ピンチ(pinch)」という問題(ヒューム−水/蒸気のデルタT)を有する。
【0009】
従って、システムは、効率と取扱いによる設計と操作が非常に複雑で、物理的に単一の装置に組込まれたとしても、液体予備加熱(ECO)、蒸発(混合された液体と蒸気相、EVA)、蒸気過熱(SH)の、3つの全く異なる区域によって表され、各区域は特定の基準によって最適化され、特定の基準によって制御される。これらの区域の各々は、異なる独立した装置、制御ユニットおよび付属回路で装備される、つまり、蒸気生成器は概念的にも実際的にも、3つの異なる作用/装置に分離される。
【0010】
特に、確立された解決策は、相分離器によって限定される蒸発相(EVA)と、作られた飽和蒸気から水を完全に分離する大きな蒸気ドラムとを備え、わずかに変化する熱交換および混合相の流体動的状態によって安定化する、つまり、限られた量の蒸気が多量の再循環水の中に形成される。
【0011】
この解決策は、多く使用されることにより、制御における大きい安定性の適切な特性により最も好まれ、固められ、蒸気ドラム(高温高圧の大きな容器)に収容される多量の水により与えられる慣性により好まれ、大きい熱能力施設のために評価され、分配ネットワークへのエネルギーの連続貯蔵(つまり、EP消費の夜間の最小)の重要要素の歴史的な部分になってきた。
【0012】
SC蒸気生成器およびUSC蒸気生成器への準臨界の展開は、3つの分離した異なる区域と、大きい水/蒸気分離器システムの意味を、1つの側から部分的に奪ってきた。しかしながら、3つの区域(ECO、EVA、SH)における区別の基準は、依然として維持されているが、それは、スライドする圧力の概念(蒸気圧力の減少)により、熱−電力変換機(タービン)において電力負荷の区分が行われるからである。実際、USC蒸気生成器は、蒸気生成圧力が臨界圧力より低く減少するとき、準臨界状態に戻る(加熱曲線に沿って出現する2相の水と蒸気)。換言すれば、電力の生産量は、公称値から一定の公称の電力に対して約30%の限度まで連続した方法(ほとんど一定の温度プロファイル制御)で調整可能である。その代わりに、30%負荷のもとで、様々な採用された解決策に依存して、使用される始動システムが使用される。
【0013】
最後に、電力の生成は一日全体の電力消費の傾向に注意しなければならなかった。産業的な消費者システムの需要の発展は、昼間の電力消費の敏感な増加において、3より大きい昼間時間/夜間時間の電力需要の比および連続的な基本消費(夜間時間)に対する要求の異常なピークによりもたらされた。これは(日々の)「サイクリング(cycling)」として知られている。
【0014】
生産側において全負荷における連続的な電力の生成は、歴史的に、低い様々なコストの大きいプラント、つまり、原子力、および主に石炭火力の熱的プラントの特権であり、ターボ・ガス・サイクルに基づく技術のような公称負荷に関する始動と電力負荷の増減のための本質的に速い応答技術に対して昼間の需要とピーク(サイクリング)の吸収をそのままにしてきた。この計画は少なくともつい先ごろまでに、そのサイクリングを吸収することができた。
【0015】
しかしながら、注目すべきことは、他の発展する要因がアンバランスを作るということである。つまり、
−昼夜の電力消費の逸脱した傾向は、連続的な基礎消費(夜間時間)の減少をさらに増大することを予期させる、
−同じ連続的な基礎消費を主張する原子力の増大によって、化石燃料(石炭)を使用する熱電力技術への可能性がこわされる、
−高い生産性を必要とすることも、単純なターボ・ガスから結合サイクルのターボ・ガスへ(ターボ・エキスパンダーにより放出される高温のヒュームから熱を回収する蒸気生成器の追加)、および、将来、USCタイプの高回収産出蒸気生成器による結合サイクルへ発展させる。
【0016】
そのサイクリングの要求は、負荷の変化に遅すぎる従来の「蒸気ドラム」蒸気生成器の結合サイクルを排除し、少なくとも、いわゆる高速応答プラントを根拠とする新しい解決策を与えた。
【0017】
新しい解決策に向かって強く押し動かされたこれらの発展の要因のすべては、化石燃料からの零に近い放出目標に対して開発された新しい技術と結びついて考え出された。上述のように、今日すでに明らかな新しい解決策は、結合(高速)サイクルの熱回収蒸気生成器に関連する。
【0018】
日々のサイクリングおよび負荷変動に対する高速応答は、蒸気ドラム、つまり3相機構の使用を退け、「ワンス・スルー(once through)」として知られる、文字通りシングル・パス(single-pass)水/蒸気側の、さらに適応性のある機構に切換えることを要求してきた。
【0019】
例えば、純粋な逆流(countercurrent)機構、つまり、予備加熱される低温水に接触する低温ヒュームを通して、つまり最小限の熱交換デルタTにおいて、高温ヒュームと高温蒸気間の、壁を介しての接触/交換と共に流体が装置を反対方向に通過することが、確立された。装置は垂直であり、ヒュームは底から水平な水/蒸気チューブのチューブ群を横切って上昇し、水は上から「ワンス・スルー」で下降する。
【0020】
適応性は次によって得られる。つまり、
−供給される水に敏感な熱の追加の熱的慣性を除去するために、乾燥チューブ(水なし)を有する蒸気生成器を起動すること、
−負荷変動(摺動圧力(sliding pressure)における負荷変動)による調整慣性を最小にするための蓄積水(蒸気ドラム、水/蒸気分離器)が存在しないこと、
−重い(高い特定の重力の)流体(準飽和状態における水と水/蒸気の混合相、および超臨界状態における臨界温度より低い温度における水)が、低密度流体区域(蒸気、臨界温度(Tcr)より高い温度における低密度水)へ下る、文字通り落下すること。
【0021】
このようにして、スラグ・フロー(slug flow)(プラグ・フロー(plug flow))の問題は、克服される。実際、これらの問題は、蒸発区域に沿った全ての高い水/蒸気の比に対して、全蒸気生成器を妨害なしに通過する単純なチューブを有する構造に対して、上の方への水/蒸気の流れの場合に提起される。
【0022】
準臨界状態におけて適用された、純粋逆流構造の例は、AECONグループのISTである。特に、チューブシーリング(スラグフロー、プラグフロー)における水の発射および後に続く金属壁のはがれによって従われる、チューブシーリングの過熱によって階層化され波動する流れとなる水の低い比率において、静かで低速の水流からの泡に流れが分離する問題を、高い中間の水/蒸気の比の流れにおいて解決する。
【0023】
しかしながら、負荷変動により、とくに低負荷、特に約30%より低い負荷において、最大負荷とは著しく異なる水路に沿った温度プロファイルによる問題は克服されず、特に、入って来る高温ヒュームの温度に近い温度のチューブ長さの大部分まで拡張することは、克服されない。交換表面のほとんどに対して、チューブは高価な合金材料(ニッケル高含有合金、および他の高価な材料)で作られ、結果的に高いコストのものになる。交換表面における高価な合金材料の使用は、先行技術のカーボン燃料リアクタを下流に挿入したこのタイプの装置の場合に明らかになる。
【0024】
さらに、「下降する(down coming)」水による「ワンス・スルー(once-through)」構造は、プラントの垂直設置を要求する。これは、特に大きいパワーユニットのためのカペックス(capex)の関連性の限界である。最後に注目に値するのは、パイプから離れた上述の高温の拡張において、負荷を迅速に上下に動かすために、一定の温度プロファイル制御によって動作を行うことが必要であるということ(つまり、蒸気生成器が蒸気生成器における同じ配列と幾何学的位置においてヒュームと水/蒸気の温度プロファイル、先行技術で知られた一定の温度プロファイル制御状態と同じ状態、又は「プロファイル制御」を維持すること)であり、広い負荷の間隔にわたるISTボイラ用の場合ではないということである。
【0025】
従って、一定の温度プロファイル制御において、迅速に上下する負荷変動であるこの実施形態の確かな適応性は、30%より低い負荷において消滅するまで減じられる。実際、様々な蒸気/水の比率と低い蒸気流速において、低負荷による蒸気生成器の注目すべき部分の管理/制御は、底の水の流れによって支持されず、非常に異なる制御計画を要求するので、リアルタイムでは実行可能ではない。
【0026】
重力による水の流れは一時的な状態(起動/停止)および低負荷状態(<30%)において、水/蒸気の流れの定常状態(水/蒸気の比率)からの容認できない逸脱によってタービンの損傷という容認できない危険を引き起こすこと、および蒸気生成器の低いデルタTs(前述の理由による)の実質的な部分をともかく維持することは、米国特許第5,159,897号の発明に明らかである。この特許において、底からの高温ヒュームと先端からの水による「ワンス・スルー(once through)」構造は、中間区域に結合され、そこでは、2層の水/蒸気の流体(気化する水)がヒュームと共通の流れにおいて(重力にさからって)上昇するために戻り、蒸発する水が好ましく含まれる区域を定め、その水は低負荷において、非定常状態で出口へ移動する。さらに、水/蒸気相転移(準臨界状態における)は等温現象であるので、共通の流れの熱交換のエントロピーの非効率性は結果的に無視できる。しかしながら、USCの全負荷状態においては、エントロピーの非効率性は関連性に帰り、低負荷における適応性は、高合金材料で作られた交換表面部分を拡張することによってのみ入手可能である。
【0027】
高いデルタT(材料、はがれ)および高速負荷変動期間の熱衝撃に関することは、米国特許第7,383,791号に明らかであり、そこでは「ワンス・スルー(once through)」機構(入口から出口まで無妨害単一チューブ)によって水路が設計され、蒸気生成区域SH(加熱される流体温度の最大)においてデルタTを限定するために、高温ヒュームの上昇流が予熱される水に最初に接触し、蒸発区域において熱衝撃の危険にさらされる。従って、水は底から入り、高温のヒュームで予熱され、頂上で下向きの流れになって流出し、水/蒸気の蒸発相と過熱相のための上昇ヒュームと逆流する。
【0028】
確かに、デルタTのヒュームでは、水/蒸気は前の場合(IST)に対してより限定され、熱交換表面のより大きい部分に低価格の材料を使用できる。しかしながら、これは、予熱工程における高温のヒューム・水熱交換に関連するエントロピー形成を与えるサイクルの全体的な産出量の費用におけるものであることは明白である。
【0029】
上述の場合は、操作において、効率の損失や高価な高合金材料を多く使用する費用における適応性の改善(負荷変動速度)を導くけれども、それらのためおよび他の固まった解決策のために、30%より低い負荷に対して蒸気生成器は全負荷の最適な温度プロファイル(チューブ群温度、水/蒸気およびヒューム温度プロファイル)から著しく離れている(高負荷用に確立された最適温度プロファイル制御から逸脱している)。そこに起因して、30%までの負荷で起動して運転するために、高負荷制御状態を中止し、一連の動作を様々な論理と、付属回路/ハードウェアの使用とによって実行することが必要であるということになる。これは、起動速度の点から、30%まで上昇する負荷に対して、制御条件の複雑さの点から明らかに不利であることを意味する。高速起動および高速上昇負荷能力に特徴のある結合サイクルのターボ・ガスのようなエネルギープラントのタイプに対して不利なことは、著しい経済上の衝撃である。特に、結合サイクルの蒸気生成器は、起動及び負荷上昇速度を決定すると共に、数十分から1時間を越えるまでの遅れを生じさせる要素である。
【0030】
様々な構成が、その負の影響を制限することを試みるために研究されてきた。蒸気生成器を通過することなしに煙突へ直接送られる高温ヒュームのバイパスを形成することによってターボガスから蒸気生成器を切り離すことが提案されている。他の計画は、循環の数と燃料を介してや、蒸気生成器へ全ヒュームを送ることにより、また、起動手順および蒸気生成器の負荷上昇能力に基づく(ヒューム流速およびヒューム温度)を調整することにより、ターボガスのエネルギーを(減少によって)調整することを提案している。温度プロファイル制御状態から強制的に離れることが実行されるが、それは、高温における熱交換の流れが単一の既知のメカニズム(強制対流)に基づかず、次の2つに基づくからである。
−負荷により、つまりヒュームの流速とヒュームの温度(デルタT)により、安定的に(ほとんど直線的に)昇降する、強制対流による交換、
−第4エネルギーつまり(T4)における温度(T)のみに従属するヒュームからの放射による交換、
ここで、第2メカニズムは高温において無視できない。
【0031】
上流ヒューム生成プラント(燃焼、高温ヒューム生成器)に依存して、次の点を有する。
−低負荷における適応性が重要ではなく、その代わりに起動速度と負荷上昇速度が卓越し、理想的な場合に、一定のヒューム流速で作動し温度を調整することによって負荷を調整する上流ターボガスに対して、下降(上昇)負荷変動は、それが第2メカニズム(放射による交換)の衝撃を回避又は最小にすることができないので、負荷の直線性からの熱流交換の著しい逸脱を意味する。
−上流に対して、油又は石炭の燃焼放射チャンバーは、一定温度において流速のみによって負荷を調整し、ヒュームからの放射による熱の流れに対する貢献は不変であり、放射ヒュームよりも低い熱の流れは許されない。
【0032】
従って、30%より低い負荷の動作においては、温度プロファイル制御は維持されず、異なる制御論理は、異なるほど負荷がより減少するが単一チューブ流路を妨害する付属回路(外部再循環、蒸気への注入調整)の使用により、前進的に採用される。つまり、蒸気生成器は、自動温度プロファイル制御を、30%負荷より小さい全範囲まで、および起動/停止相において拡張して作動することはできない。
【0033】
従って、次の特徴の組合せを有する利用可能な蒸気生成器を有する必要性が感じられた。
−高い適応性を有し、確立された蒸気生成器に用いられる材料に匹敵する材料で作られる、
−適応性を、低負荷(<30%)まで、夜間の準備状態の限界(少なくとも10%より低く、好ましくは5%以上の負荷)まで、実質的に拡張でき、一定の温度プロファイル制御で働き、
−安定した高負荷生産の使用に歴史的に限定されてきた石炭のような燃料によってさえ、要求に応じて最大負荷まで高速で戻れる準備ができている。
【0034】
実際、忘れないようにすべきことは、タービンの特性に対して、燃料単位(キロジュールの燃焼熱に対する生産されたキロワットアワー)に対してエネルギーを生産する特定の産出高が、負荷の減少に伴って、30%のプラント負荷、つまり、温度プロファイル制御に適した低負荷限界において容認できない値(約15%)まで、著しく減少する。
【0035】
出願人は、上述の技術的問題を解決し、高効率とサイクリング(cycling)の要求を満足させることができ、低コスト(先行技術の従来の材料)の蒸気生成器を思いがけなく驚きをもって見出した。
【0036】
この発明の目的は、
−水の入口端管から過熱蒸気の出口端管までの間に接続されて蒸気生成器を通過する水/蒸気チューブを備え、
−前記水/蒸気チューブは、ヒュームによって直角に横切られる複数の重なったチューブ群(tube banks)、好ましくは複数の重なった平坦なチューブ群を形成するように水平に配列され、
−前記チューブは、蒸気生成器の軸に沿って1つのチューブ群から他のチューブ群へ斜めに進み、各チューブ群に対して異なる位置でヒュームの流れにさらされ(図1参照)、
−前記チューブは、2つ以上の分離ブランチに分割され、各ブランチには他と異なる入口端管(header)から水が供給され(図5参照)、
−蒸気発生器は、純粋な逆方向の流れ(countercurrent)の中でワンス・スルー(once-through)であり、頂上からヒューム入口と底からの水入口を有して垂直又は水平であるが、常に反対の流れの中にあり、
−過熱蒸気の出口の端管は、直接接触するように一束に集められ、その束は外部から熱的に絶縁され、
−随意に、端管(headers)の始点は、ヒュームが過熱蒸気温度に近い温度にあるような位置で、ヒュームの流れの中に配置され(図6参照)、
−随意に、熱回収後の低温ヒュームをリサイクルすること(recycling)により、入口の高温ヒュームを温度調整し、
−随意に、タービンから中間圧力のこぼれを引出す1つ以上の再加熱部が存在し、
−随意に、再加熱用1つ以上の蒸気圧力レベルが存在し得る、
蒸気生成器を提供することである。
【0037】
水/蒸気チューブは、水入口から過熱蒸気出口まで、好ましくは中間の入口と出口なしに、さらに好ましくは障害物なしに、蒸気生成器を貫通することが好ましい。水/蒸気チューブは、通常のUSC蒸気生成器に通常的に用いられる材料によって作ることができる。
【0038】
一般的に、使用される材料は、蒸気生成器の軸に沿ってさらされる作動温度によって変わる。この発明の蒸気生成器においては、高価な合金材料部分は、最終の蒸気過熱が行われる最後の部分に対応する部分のみである。例えば、蒸気の出口が605℃で240-280barの圧力の場合には、この部分の長さは、チューブ長さの約10%に対応する。高合金材料の第1部分の後には、好ましくはクロム鋼を含む材料のカスケードが次々と存在し、チューブ長さのほとんど(約60%)は、好ましくはカーボン鋼で作られる。
【0039】
平坦なバンクに配列された水/蒸気チューブは、ヒュームによって直角に横切られ、好ましくは、比較的制限された直線の水平チューブ長さを有し、一般的に好ましくは12メートルより短く、さらに好ましくは6メートルより短い。これらの寸法は、直線水平部分が長すぎることを避けるために用いられ、周期的な水の蓄積やプラグフロー(又はスラグフロー)の伝播の出現にふさわしい。従って、チューブの最小作動負荷は約30%であるけれども、この発明の蒸気生成器では、前述のように、より短い長さが好ましく、プラグフロー現象やその伝播を避けるために、再混合(曲線、よく頻発する上昇)によって従われる。うね状のチューブが用いられるとき、以下に述べるように、チューブ長さはさらに長く、例えば20メートルにすることができる。
【0040】
1つのチューブ群と他のチューブ群との間を斜めに登るチューブについては、後で詳述する。水/蒸気チューブは、ここに詳述するように、個々に供給される2つ以上の分離ブランチに分割される。
【0041】
ヘッダーは、好ましくは、後に詳述する基準によって配置される。
【0042】
この発明の蒸気生成器は、好ましくは、頂上からのヒュームの入口と底からの水の入口とを備えた、純粋な逆流(countercurrent)の垂直のワンス・スルー(once through)である。
【0043】
この発明の純粋な逆流蒸気生成器は水平であることが好ましい。このように、工業の設置が単純化されるので、設置費用の実質的な低減が達成される。この点は、後でより広く説明される。
【0044】
入って来る高温ヒュームの温度調整は、後で、過熱蒸気の制御と危機的情況の排除に関する効果が説明されるときに述べられるように、回収後の低温ヒュームをリサイクルすることによって行われることが、好ましい。
【0045】
この発明のさらなる目的は、水/蒸気が100%負荷において常に超臨界状態にあり(図7A)、圧力が減少する負荷により低下するときに(50%負荷に対する図7B)、目標の負荷で駆動するタービンに噴射するために必要な圧力状態を有する蒸気生成器において蒸気を得る、摺動圧力様式のこの発明の蒸気生成器を作動する方法を提供することである。
【0046】
蒸気生成器の水/蒸気がすべての負荷(100%から30%負荷)とタービンへの噴射前の最終積層(lamination)に対して常に超臨界状態にあるように、随意に、蒸気生成器は、一定の圧力様式で作動できる。
【0047】
この発明のさらなる目的は、次の工程を備え、5−10%から100%の負荷に対してこの発明の蒸気生成器を作動させる方法を提供することである。
−蒸気生成器の同じ配列と同じ幾何学的位置においてヒュームと水/蒸気の温度プロファイルを維持し、
−1つ以上のブランチ(branches)を除外し、その後唯一の作動ブランチを有する限界まで乾燥状態に維持することによって、約30%より低い、低負荷において熱交換表面が閉塞(choking)する。
【0048】
好ましくは、蒸気生成器に沿った同じ配列と同じ幾何学的位置におけるヒュームと水/蒸気の温度プロファイルのメンテナンスが、次の処理の2つ以上によって行われる。
a)1つ以上のブランチを除外し、その後、唯一の作動ブランチの限界まで乾燥状態を維持することによって、最小摺動圧力負荷(minimum sliding pressure load)(30%)よりも低い負荷に対して熱交換表面を閉塞すること、
b)蒸気生成器に沿って位置を維持することによる、すべての負荷における供給水の流速の(定常状態からの逸脱に対するシフトコントロール)、超臨界状態を要求する負荷に対する臨界状態を横切るときの温度屈曲点の、および準臨界圧力状態(摺動圧力における)を必要とする負荷に対して一定温度で起こる蒸発のフィードバック制御、
c)固体燃料燃焼ユニットの下流で作動するボイラーに対して処理される低温ヒュームの再生を介して変化する高温ヒューム温度による、すべての負荷における生成蒸気の温度のフィードバック制御(定常状態からの逸脱に対するシフト制御)、
d)供給される水を予備加熱する処理による、蒸気生成器の出口におけるヒューム温度のフィードバック制御。
【0049】
温度プロファイルの維持のための好ましい解決策は、上記処理b)とc)を使用することである。
【0050】
この発明の方法は、選択的に次の処理e)を備える。
e)流体のエンタルピーが、積層工程(lamination step)の下流で、2相水/蒸気流体領域(図7c)を横切ることなく、超臨界流体を蒸気層に直接転移させるとき、積層(lamination)によって従われる、超臨界圧力状態における蒸気生成器の第1部分を、生成された蒸気の全ての圧力状態のもとで維持すること。
【0051】
高温のヒューム温度を調整することによる、すべての負荷における生成蒸気の温度の処理c)のフィードバック制御は、さらに、過熱蒸気温度を維持し、ピンチ現象を回避する方法が示されるところにおいて扱われる。
【0052】
超臨界状態における、又は準臨界状態(摺動圧力において)で一定温度で起こる蒸発の、温度の屈曲を維持することによる、すべての負荷における供給水の流速のフィードバック制御の処理b)が、後に詳述するように扱われる。
【0053】
随意に、この発明の方法は、高容量結合サイクルプラントの場合に水平設置に対して興味のある選択的積層処理e)を備える。
【0054】
この発明の蒸気生成器は、上記の方法で作動され、予期せぬことに、驚くべきことに、コストをさほど増加させずに上記の高い性能を提供することができる。この発明の蒸気生成器は、5−10%から100%の負荷のサイクリングに適合し、高効率を有し、ほとんどの熱交換(壁)表面に対して高合金材料を必ずしも必要とすることなしに働く。
【0055】
従って、この発明は、高い適応性を有し、従来の蒸気生成器に匹敵する品質の材料で作られ、5−10%のオーダーの非常に低い負荷で作動でき、一定の作動と温度プロファイル条件のもとで働き、石炭のような固形燃料を使用した時でも最大負荷まで迅速に立上ることができる、有役な蒸気生成器を作る。
【0056】
上記特性を有する、この発明の蒸気生成器は、さらに、次の特徴を示す。
−最小の約5−10%から100%負荷までのすべての負荷状態において、蒸気生成器の構造に沿ったヒューム温度減少プロファイルを安定して維持すること、
−超臨界および準臨界蒸気生成の両方に対して、すべての負荷状態において、蒸気生成器の水/蒸気側に沿って、温度プロファイルをほぼ一定に維持すること(換言すれば、移動してもその形状を変えない)
−単一のブランチのチューブにおける水の流速の良好な分布を単純な流れのオリフィスによって常に維持すること(作動ブランチの最小負荷が30%以上)、
−ヒュームの流れ(ヒュームの流れるチャンネルが全ヒューム流の間で異なる交換「履歴」を有する)の不規則な分布に関するすべての問題を、チューブの斜めの方向により、固定すること、
−最小の水/蒸気対SG沿ったデルタT、つまり良好なデルタTを維持すること、
−例えば、1つ以上のブランチを次第に排除する(水の供給を停止して乾燥状態にする)ことによって、熱交換表面を(1/2,1/3,1/4など)閉塞し、単一のブランチの30%の負荷、つまり、6ブランチの場合には約5%の全負荷、3ブランチの場合には10%の負荷、まで下げて設定され、ほぼ5〜10%の値がプラントの準備負荷に等しい温度プロファイル制御を維持すること、
−同じ全負荷値における高温ヒュームの流速−温度調整によりデルタTのピンチ(pinch)問題を解決すること。
【0057】
従って、この発明は、次の点を利用可能にする。
−全負荷に対して決定され、全ての負荷状態における、最適なものに近いヒューム/水熱交換のデルタTのプロファイル、および蒸気生成器の軸と、蒸気生成軸に直交するすべての平面の両方に沿った最適なものに常に近い熱の流れ、
−全負荷状態に対して確立された、(蒸気生成器軸に沿った)幾何学的位置におけるヒューム温度減少プロファイルのすべての負荷状態における維持による、熱交換デルタTのみに対するサービス作動温度から、サービス外の(乾燥した)チューブの温度が(高く)逸脱すること、
−5−10%から100%までの全負荷範囲における一定温度プロファイル制御用の1つの新しい論理が、全負荷範囲において1つの新しいオートメーション論理を生み出すこと、
−一定温度プロファイル制御論理において作動する、従来の装置/機器の特徴のある応答時間によってのみ制限される、フィードフォワード制御下の負荷増大又は減少の非常に速い速度。
【0058】
上記の特性により、次の所望の性能が得られる。
−高速起動(乾燥チューブによる)、
−熱的負荷の約5−10%の制限値まで低下する温度プロファイル制御条件(常温準備条件)下における非常に広い負荷適応性、
−非適応性プラントに現在用いられている規格に適合するチューブの材料。
【0059】
この発明の原理的な構成は単純であり、図6に示すように、単純な逆流式の熱交換器と類似する。そこには一例として、3つの分離ブランチにおける水/蒸気の区分(熱交換表面の3区分)が示されている。
【0060】
低負荷における温度プロファイルの維持、および規格材料の使用に関して、流入ヒューム温度調整をブランチになった複数の区分と組合せる効果は、区分がない場合(図9)における、水/蒸気の、および蒸気生成器の軸に沿ったヒュームの温度プロファイルを、3つの区分を有し3つのブランチの2つを排除した(図10)ときのこの発明の方法と比較する(同じ境界条件で)ことによって明らかである。
【0061】
好ましくは、水入口から過熱蒸気出口までの遮断のない単一の熱交換チューブと多くのブランチへの区分の発展によって、単純なオリフィス(集中するヘッド損失)による各単一チューブの完全な流速分布が可能となり、全容量において負荷損失が超過することによってエネルギーが不利になることや、低負荷(5−10%)において不十分なヘッド損失によって分布が不均一になることがなく、作動ブランチの最小負荷が30%となり、5−10%の所望の全負荷を達成する。
【0062】
すでに述べたとおり、水/蒸気は、少なくとも2ブランチ、好ましくは3ブランチ、さらに好ましくは4〜6ブランチのブランチに分割される。1つ以上のチューブが作動しないときに所望の温度プロファイル(ヒューム側および/蒸気側)を維持するために、1つのチューブが各ブランチのヘッダーから選ばれ、ブランチチューブが常にグループ化されるように、カップルや3つ組や4つ組(など)を形成する。3つ組のブランチの場合として図5を参照のこと。
【0063】
常に上述の結果を得るために、チューブは、水平チューブ群(tube bank)を通過した後、次のチューブ群へ斜めに上昇して不平衡なヒュームと水/蒸気流路の形成を回避すると共に、ヒュームの一様でない分布を改善する。これはすべての幾何学的形態および蒸気生成器のデザインにおいて見られる(図1,2,3および4)。斜めに上昇して次のチューブ群において連続するチューブの位置を占めることは、チューブ群の端(最も外側の位置)に到達したチューブが全チューブ群の前を横切って他のチューブ群の端へ戻ることを意味する(図1〜4、特に図2)。
【0064】
すでに述べたように、表面の閉塞(choking)は、ヒューム温度減少プロファイルを一定に維持することを可能にし、例えば、水の供給を排除すること、および/又は高圧過熱蒸気への出口を閉じることにより、1つ以上のブランチが動作から除外されるということに感謝する。ヒューム温度プロファイルを適所に保持することによって、非作動ブランチが、多くとも軸の位置に付随するヒューム温度まで、蒸気生成器の軸に沿って至らされるということが、さらに得られる。さらに、リサイクルされた低温ヒュームの混合と、入口温度に結合した過熱蒸気温度制御とを介する高温ヒューム温度に対して感謝して、得られたプロファイルのデルタT(ヒュームと水/蒸気間の)は常に非常に小さく、高温区域を含む。従って、作動しないチューブの設計作動条件に対する極端な過熱は、除外される。従って、USCボイラーに使用されている材料の伝統的に確立された順序に比較して、材料のランクを上げることは必要ない。
【0065】
図8において、ヒューム、水/蒸気および機械的設計温度は、100%負荷において、従来の蒸気生成器とこの発明の蒸気生成器の両方(蒸気生成器の沿ったカスケード(cascade)において)に使用される様々な材料に対して示されている。図9において、図8の同じ特徴が、従来の蒸気生成器、つまり、異なるブランチへの表面閉塞のない蒸気生成器における低負荷(<30%)に対して示されている。図9から、チューブ温度プロファイルは低負荷における計画温度を越えており、材料のランクを上げる必要があることは明らかである。
【0066】
反対に、1つのブランチによる動作により(例えば、図10の提案例における3つのものではなく)得られるヒューム温度プロファイルは、蒸気生成器の各点において、非作動ブランチが動作においてUSCのために通常的に課せられた設計温度を越えないようにする。
【0067】
この発明の蒸気生成器において、圧力減少により低負荷へ下る最大負荷においてUSC状態から、1つのブランチ又はより多くのブランチにおける30%の限界までの準臨界状態(摺動圧力)までの水/蒸気側の温度プロファイルの維持/制御は、超臨界状態における温度屈曲点の、又は準臨界状態における同一の熱的蒸発温度の、蒸気生成器の軸に沿った幾何学的位置を維持することによって行われる。その位置は水/蒸気の流れの温度測定により検出される。その測定は、屈曲位置又は同一熱的蒸発位置、および正確には屈曲から又は同一熱的蒸発からの正および負の温度シフトが行われる平坦部分の上流と下流を検出する。実際、注目されたのは、超臨界状態は、2層の同一熱的蒸発はないけれども、特徴のある温度屈曲点(準同一熱的な)および公称密度とエンタルピー変化を対応して示している。より正確には、準臨界から超臨界までの温度プロファイルの連続性の、上記パラメータ用の「形」がある。従って、入口の水の流速に作動する単一の論理のフィードバック調整は、同一の熱的な位置又は準同一の熱的な位置を適所に維持し、必然的に所望の温度プロファイルを維持する。つまり、熱交換特性およびタイポロジー(typology)を維持する。
【0068】
この発明の蒸気生成器を設置する場合に、固定燃料で作動する燃焼器の下流で、好ましくは、過熱蒸気温度制御が入口のヒューム温度を調整することにより、蒸気生成器を出る低温ヒュームをリサイクルすることにより行われる。予期することなく、驚きと共に見出されたことであるが、この制御処理によって、上述のピンチの問題は回避できる。実際、すでに述べたように、いずれの蒸気生成器においても、非常に大きいデルタT(ヒュームおよび水/蒸気間)の変化、つまり水予熱区域において非常に低くEVAとSH区域において非常に高いデルタTにより、熱交換が行われ、ピンチの問題(熱の流れをほとんど無効にする値まで小さくなるデルタT)をECOとEVA区域の間の境界に備え、常に、限定された変動(振動)が(明らかに一定の負荷において)行われるが、これはECOと他の区域との間の不平衡を意味する。反対に、この発明の蒸気生成器においては、低温ヒュームのリサイクル/追加が高温ヒュームに対して適用された時(注:高温/低温のリサイクルされたヒュームの混合は熱的回復のエンタルピー平衡を変えない)、次の状態が達成される。
−同等の負荷において、様々なヒューム温度/流速のカップルが作動可能であり、より高い温度が零に等しいヒュームリサイクルの限界までのより低い流速に関連し、より低い温度が徐々に大きくなるリサイクルの流速に関連する、
−低温/高流速のカップルは、SHおよびEVA区域において交換された熱を低減させ、ヒュームはより高い流速およびより高い温度でECO区域に到達する、
−逆もまた同様に、高温/低流速のカップルは、SHおよびEVA区域において交換された熱を、より高いデルタTとより高い放射の合計によって増加させ、ヒュームは低い流速およびより低いTでECO区域に到達する。
【0069】
従って、明らかなことであるが、流速/温度のカップルは、様々な区域間における負荷のシフトを可能にし、ECO区域とEVA区域において必要なデルタTを常に提供する(デルタTは容認できない値まで決して減少しない)。様々な区域に対する通常の熱交換表面は、前述の屈曲点の位置を調整することによって保証される。予期することなく驚きと共に観察されたことであるが、上記ピンチの調整は、作られた過熱蒸気の温度の温度調整により、収束する。
【0070】
この発明の蒸気生成器において、非常に広い範囲の温度プロファイルの安定性は、過熱蒸気の集合端管(header)に対しても良好な解決策に到達できる。
【0071】
当該技術分野においてよく知られたことであるが、チューブ集合端管は、大きい直径と高い設計温度により、大きい厚さを有する。それらが突然の温度衝撃にさらされるとき、それらは壁の厚さにおいて、半径方向の特異な熱膨張ストレスもうける。その熱膨張ストレスは、連続作動状態のストレスに加えられ、低周期(低サイクル数)の相応する疲労を生む。これは、負荷の増加速度の限界とサイクリング能力の必然的な限界を意味する。
【0072】
従って、避けなければならない熱的衝撃のリスクは、負荷変動に対する高速応答を限定する付加的要素の1つを示す。
【0073】
この発明の蒸気生成器において、広い作動範囲(5−10%から100%負荷まで)に渡る温度プロファイルを維持することによって、ヒュームの通路に沿った軸の位置を決定することができ、その軸位置ではヒュームの温度が加熱蒸気の温度(例えば約600℃)にほぼ保たれる。交換流路の端におけるチューブを、チューブ群のそばで前述の点まで下へ曲げることにより、好ましくはヒュームの流れの中(図6のチューブ群の妨害物の中)に蒸気出口の端管を配置することにより、ヘッダーの金属壁温度と、生成された蒸気の温度との間のデルタTは無視可能となり、それはすべての状態において約100℃より低くなり、ストレス/温度衝撃の問題を解消することが見出された。さらに証明されたことは、ヒューム収容容器の出口の複数の区分ヘッダーの配管を互いに直接接触するように一束に集めて、その束全体の周りにのみ熱絶縁体を設置することにより、配管の間の接触/放射によって分散した熱は、蒸気流の内部で作動するパイプの温度の近くへ、非作動パイプの温度を至らせるに十分であるということである。同じことは、蒸気生成器の外部の配管の束の部分でも生じる。
【0074】
この発明の蒸気生成器の好ましい実施形態の1つは、図11、12,13,14に示されるような、水平配置である。実際、その単純さに加えるとすれば、水平配置によって得られる(メンテナンスや点検のための)アクセスの容易さと減少した鋼鉄の支持部材も役立つことであり、この発明の蒸気生成器の魅力をさらに知ることができる。
【0075】
米国特許第7,406,928号では、蒸気生成器の水平配置が、真直ぐの上下するチューブ(直列の昇水管と降水管)を有する水平コイルを配置することによって得られている。さらにまた、入ってくる水を高温ヒュームにより(高熱の流れにより)予熱する区域が、高速熱転移速度を保証するために設定され、最初の降水管において、蒸発する蒸気の泡の水のキャリィオーバーを高めることが可能な、十分な2相流体流速が存在する。チューブの昇水/降水管は、水/蒸気側の不安定な状態(水が蒸気生成器に沿って遠く前方に存在する)の確立を防止し、十分な2相容量流体流速が初期の蒸発の部分で、できるかぎり保証され、流れからの水の分離とプラグフロー(plug flow)を回避する。
【0076】
しかしながら、水平配置の装置は、米国特許第5,159,897号と第7,383,791号に対しても、上で観察されたことを変えるものではなく、多くとも、低負荷で作動したときに、さらなるプラントの臨界要素を導入する。
【0077】
この発明の蒸気生成器は、水平配置であり、上記利点(アクセスのし易さと減少した鉄鋼部材)を導入するのみならず、5−10%から100%までの負荷に対する垂直設置についての上記に引用された利点も変わることなく維持される。
【0078】
チューブを斜めに上昇させるという概念が水平配置に対しても効果的であるということが、驚きをもって、予期することなく見出された。実際、バンクチューブを水平に維持することによって作られた水平位置において90°の回転の蒸気生成器では、90°だけ回転した各チューブの斜めの上昇が、とにかく斜めであることを見出す。所望の斜めの角度を維持して蒸気生成器の軸に直交する方向にこの時点で上昇を与え、すべての観点において、蒸気生成器の軸に沿って左から右へ(逆の場合も同じ)横切ることによって垂直配置で得られる上昇に対応する実施形態が実施される。
【0079】
側面図から見られるように、水平部品の間の接続屈曲部における単一チューブの開発は、蒸気生成器の軸に沿って、のこ歯流路に従う(それは、ヒュームの封じ込めの端に斜めに上昇し、その封じ込めの他の端において最も低い位置を再び取ることによって落下する。図14参照)。部分におけるこの上昇流路は、不安定な2相動作を防止して、5−10%から100%の負荷までの水/蒸気プロファイル制御における最も広い適応性を有するための引き揚げにおいて垂直配置の所望の性能を維持する水/蒸気流路の制限を、全体的に実行する。さらに、水平配置は、表面の平方メートル当たりの良好な熱交換効率を得るための最も広い自由度をプロジェクト技術者に提供する。例えば、チューブ群を通る様々なヒューム速度は、ピッチとチューブ長さを変えることによって調整でき、水/蒸気の速度はチューブの直径を調整することによって調整でき、チューブの内部に見られる特別な流体力学的な要求によって制限されない。この発明の蒸気生成器のさらに好ましい形態は、高温ヒュームが圧力下にあり、交換が圧力容器内に含まれるヒュームによって行われなければならないときに実施される。
【0080】
処理e)に関する場合、それは、流体エンタルピーが2相液体領域(図7D)を横切ることなく、蒸気相への超臨界流体の直接の転移を、積層の下流で許すときに、積層によって従われる超臨界圧力状態の最初の部分、又はすべての、生成される蒸気のすべての圧力状態における維持である。なお、処理e)は、蒸気生成器の標準の処理のために、つまり5−10%より高い負荷のために、随意に用いられる。予期することなく驚きをもって出願人により見出されたことであるが、処理e)の処理は、中間のものに代わる最終の積層により、乾燥チューブによる最初の加熱の直後に、蒸気生成器の始動相において好ましく使用できる。図15を参照すると、始動は作動圧力を選択することにより実行され、蒸発領域(2相混合区域)の外側で蒸気生成器の出口の状態を維持し、第1相において蒸気生成器の水出口が不十分に冷却され(作動圧力における飽和温度より低い温度で)、超臨界圧力区域の蒸発区域を超過した後で、蒸気が過熱される(作動圧力における飽和温度より高い温度で)。初期相において、水は積層されたフラッシュタンク(flash tank)へ運ばれる。蒸気生成器のヘッドの出口における水が、飽和蒸気エンタルピー(タービンへ入る圧力において)よりも高い、約150kJ/kgのエンタルピーを有するとき、その水はタービンの始動回路に注入される。
【0081】
特に、予期することなく驚きをもって出願人によって見出されたことであるが、処理e)の様式は、蒸気生成器の始動相においても好ましく用いることができる。実際、工業的な見地から迅速で高く所望される手順が見出された。その始動手順は次の処理工程を備える。
−すべてのブランチの乾燥チューブ、つまり水なしのチューブを最初に加熱すること、
−1つのブランチのみのチューブに、超臨界圧力下で、好ましくは240-280barの圧力下で、水を供給すること、
−蒸気生成器ヘッドの出口における水が、タービンの入口の圧力において、又は流体を加熱することによって、飽和蒸気エンタルピーより高い約150kJ/kgのエンタルピー(つまり、図16の蒸発領域の外側である、蒸気ラインより上の)を有し、積層が常に過熱蒸気(図16)のみを生成し、過熱蒸気が図16の蒸気領域157の水/蒸気2相区域の外にあるとき、高温ヒュームと積層による加熱を行い、
−使用されるブランチが30%負荷に等しい負荷状態になると、この発明の蒸気生成器で述べたように、フィードバック制御が作動し、業務におけるブランチのための温度プロファイル制御構成を設定することができる。
【0082】
この起動処理の利点は、非常に速い負荷供給、蒸気のみの生成、(温度プロファイル制御と)異なるが非常に単純な調整論理による、つまり最終積層バルブを制御する蒸気温度によるブランチの0から30%負荷の間隔の制御であり、フィードバック調整制御装置の予想される構成である。プロファイル制御状態は、きわめて速い。上記の図は、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、この発明の垂直蒸気生成器におけるチューブコース(tube course)の上から見た斜視図である。
【図2】図2は、この発明の垂直蒸気生成器におけるチューブのコースを示す。
【図3】図3は、図1の蒸気生成器の正面図である。
【図4】図4は、図2に示すチューブの正面図である。
【図5】図5は、この発明の蒸気生成器の実施形態における独立したブランチの供給を示す。図に示す例では、3つの独立した回路が示されている。
【図6】図6は、頂上から入るヒュームと底から供給される水による純粋な逆流熱交換を有する、この発明による蒸気生成器を概略的に示す。
【図7】図7Aは、100%負荷における水/蒸気流体の超臨界状態における加熱を示す、圧力−温度−エンタルピーのグラフである。 図7Bは、蒸気生成器の部分的負荷を表す50%負荷における水/蒸気流体の準臨界状態における加熱を、圧力−温度−エンタルピーのグラフに示す。 図7Cは、(蒸気生成器の部分的負荷を表す)50%負荷における水/蒸気流体の超臨界状態における加熱および蒸気タービンの入口における次の積層を、圧力−温度−エンタルピーのグラフに示す。 図7Dは、水/蒸気液体の超臨界状態における加熱、2相の水/蒸気混合体を形成することのない、液体自体の積層による次の圧力の減少、および超臨界蒸気の過熱を、圧力−温度−エンタルピーのグラフに示す。
【図8】図8は、蒸気生成器の熱交換表面の関数としての、ヒュームと100%負荷にける水/蒸気流体の温度の図を示す。
【図9】図9は、熱交換表面の閉塞および部分的排除のない先行技術の場合に減少した負荷における熱交換表面の関数としての、ヒュームと水/蒸気流体の温度の図を比較のために示す。
【図10】図10は、表面の3つの区分による閉塞と作動ブランチのみによる減少負荷における熱交換表面の関数としての、ヒュームと100%負荷における水/蒸気液体の温度の、この発明の蒸気生成器における図を示す。
【図11】図11は、この発明による水平蒸気生成器におけるチューブのコースを示す斜視図である。
【図12】図12は、この発明による水平蒸気生成器におけるチューブのコースを示す。
【図13】図13は、図11の蒸気生成器の正面図である。
【図14】図14は、図12のチューブの正面図である。
【0084】
以下、図面を用いて詳細を説明する。
図1はこの発明の、垂直に配置した蒸気生成器の複数のチューブ群(tube banks)(2)の斜視図であり、水が底から供給され、ヒューム16が頂上から入る(ガス出口16A)。単一の交換チューブ(例えば、チューブ13参照)は、水平な直線部分の後で屈曲することによって、1つの平面からその上の平面まで、例えば図の平面11からその上の平面12までシフトするだけでなく、それらはすぐに左の方へ横にシフトする。図の最も左においてヒューム収容容器(図示しない)の境界に達すると、チューブは位置14において屈曲し、チューブ群を横切って容器の右端において場所15に位置する。
【0085】
図2は、図1の要部を示し、チューブ13のみを表している。17はチューブ群の底部の水入口であり、18はチューブ群の上部の流体出口である。
【0086】
図3は垂直の蒸気生成器のチューブ群の正面を示し、水は図1に示したように底から供給される。単一の熱交換チューブ、例えばチューブ13は、屈曲して一平面からその上の平面(例えば、平面11からその上の平面12)へシフトするだけでなく、左の方へ横にシフトする(図2)。図の最も左に置いてヒューム収容容器(図示しない)の境界に達すると、そのチューブは位置4で屈曲し、チューブ群を横切って容器の右端において付着する
【0087】
図4は、図3の同じ正面図において、図1と図2に示されるチューブ群の残りの部分から分離したチューブ13のみを示す。熱交換チューブは、屈曲によって、1つの平面からその上の平面へシフトし、また左へ横にシフトする。図の最も左においてヒューム収容容器(図示しない)の境界に達すると、チューブは位置14で屈曲し、チューブ群を横切って容器の右端において位置15をとる。
【0088】
図5は、水平平面に30本のチューブから形成された図1に示すタイプの1つのチューブ群を図3のように正面から見た図である。30本のチューブは、3つの分離ヘッダーによりバルブ531,532,533の開口を介して交互に供給される。従って、3つの分離回路があり、各々は(並列に供給される)10本のチューブから形成される。チューブ51,54,57,510,513,516,519,522,525,528は、バルブ531が開いたときに水/蒸気を通し、第1回路に属する。第2回路には、チューブ52,55,58,511,514,517,520,523,526,529があり、バルブ532が開いたときに水/蒸気を通す。第3回路には、残りのブランチ(branch)の、チューブ53,56,59,512,515,518,521,524,527,530があり、関連するバルブ533が水/蒸気の流れを調整する。図において、各回路の流量計測バルブを有する各回路用分離供給システムが図示されている。一例として、バルブ531が開き、バルブ532と533が閉じていると、第1回路(チューブ51,54,57,510,513,516,519,522,525,528)のチューブのみにおいて、水/蒸気が流れる。異なる回路のチューブが一緒に組合せられてチューブ群を斜めに上昇するように配置され、すべての回路が供給されるとき、種々の回路において熱の流れが均一に吸収される。1つ以上のブランチが供給されないとき、それらのチューブによって到達する温度は、(1つ以上の)作動中の回路の近くのチューブによって平均ヒューム温度に制限される。実際、供給される回路は局部的にヒュームを保持し、そのヒュームは、最適設計温度プロファイルにおいて非作動回路のチューブに接触する。
【0089】
図6は、垂直に設置され、ヒューム61が頂上(および出口61A)から入り、水が底から(ヘッダー62,63,64を介して)入る、この発明の蒸気生成器の1つのタイプを示す。熱交換機構は、純粋な逆流(countercurrent)の機構である。従って、3つの分離した回路65,66,67が示され、各々は、1つの入口端管(header)(図中、端管62は回路65に供給し、ヘッダー63は回路66に供給し、ヘッダー64は回路67に供給する)、熱交換チューブ(図中、1つの回路に対して1つの熱交換であると示されている)、および蒸気出口端管(図中、回路65からの蒸気抽出用端管68、回路66用端管69、回路67用端管610)から構成される。ヘッダー68,69,610はガス収容容器611の両外側(オプションは図に示されていない)、およびヒューム温度が蒸気の温度に近い位置(好ましいオプションが図に示されている)におけるヒューム自体の中に位置することができる。
【0090】
なお、チューブは、入口端管から出口端管まで連続している。また、(図に示されない実施形態である)中間の端管は(蒸発又はみかけの蒸発領域の前後に適当に配置され)、利用可能に作られる。また(図示されない実施形態では)、タービンからこぼれる中間圧力蒸気の再加熱段階、又は異なる圧力での蒸気再加熱段階が利用可能に作られる。また(図示されない実施形態では)、非過熱段階を準備することができる。
【0091】
図7Aは、超臨界状態における水に対する圧力−温度−エンタルピーのグラフにおいて、過熱超臨界と呼ばれる、100%負荷時の(水のような)高密度の水から(スチームのような)低密度のような流体までの加熱過程を示す。この変遷は、この発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実施される。そのグラフにおいて、図の中に、71,72,73,74で示される4つの区域(又は領域)を認めることができる。区域71は、準冷却水を表し、それは、圧力が臨界圧力(約221bar)より小さい時、蒸発領域(区域72)の下の領域によって示される。蒸発区域と呼ばれる区域72は、臨界値より低い圧力の領域であり、そこには、液体の水と蒸気の両方が存在する。区域72の上(臨界圧力より常に低い)には、蒸気のみ(区域73)が存在する。区域74は臨界圧力より高い状態の水を備える。ポイント75によって示される状態の(水のように)低エンタルピーで高密度の水は、ポイント75と76との間を結ぶ線上の点によって示されるみかけの蒸発(液体/蒸気の混合体を形成しない状態の変遷)を経験する。ポイント76において、水は高エンタルピーと低密度(蒸気のような)を有し、タービンへ供給される。
【0092】
図7Bは、水のための圧力−温度−エンタルピーのグラフにおいて、準臨界状態の準冷却水から50%負荷(部分負荷)の過熱された準臨界圧力蒸気までの加熱を示す。この変遷は、この発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実行されるが、それは、摺動圧力様式において実施される負荷変化である。図において71,72,73および74で示され図7Aに記載された4つの区域(又は領域)が、グラフに示されている。ポイント77で示される状態の準冷却水は、ポイント77と78を結ぶ線上のポイントによって示される蒸発(液体/蒸気混合体の形成による状態の変遷)を経験する。78において、準臨界圧力における過熱蒸気は、タービンへ供給される状態にある。
【0093】
図7Cは、水の圧力−温度−エンタルピーのグラフにおいて、超臨界状態の準冷却水から50%負荷(部分負荷)の過熱超臨界蒸気に至るまでの加熱を示す。この変遷は、一定圧力様式において実施されるこの発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実行される。図において71,72,73および74で示され図7Aに記載された4つの区域(又は領域)が、グラフに示されている。ポイント79で示される状態の準冷却水は、ポイント79と710を結ぶ線上のポイントによって示されるみかけの蒸発(それは、上記の状態の変遷に対応するが、液体/蒸気混合体の形成はない)を経験する。710において、超臨界圧力における過熱蒸気は、蒸気生成器を出て、タービンに入るのに適した圧力状態を711で有するように、積層される(点710から点711までの積層)。
【0094】
図7Dは、水の圧力−温度−エンタルピー(H−T−p)のグラフにおいて、超臨界状態の(水のような)高密度の水から(蒸気のような)過熱された準臨界蒸気と呼ばれる低密度の流体までの、加熱過程および水/蒸気2層混合体の形成のない蒸気の積層による連続圧力減少を示す。これらの変遷(加熱と積層)は、この発明の蒸気生成器の実施形態の1つにおいて実行される。図において71,72,73および74で示され図7Aに記載された4つの区域が、グラフに示されている。ポイント712で示される状態の(水のような)低エンタルピーで高密度な水は、ポイント712と713の間の領域によって示される見かけの蒸発(液体/蒸気混合体を形成しない状態の変遷)を経験する。713において、水は(蒸気のように)高エンタルピーと低密度を有する。713と714との間に存在するポイントによって示される積層の変遷を介して、1つ以上のバルブによって水圧は、区域72を代表する液体/蒸気の混合体を有することなしに減少するが、過熱された蒸気の区域73に属する。714と715との間の領域によって示される転移は、蒸気生成器の終端部分(水/蒸気通路に沿った終端部分)で実行される、準臨界蒸気の過熱である。
【0095】
図8に、蒸気生成器の100%負荷において、かつ、水/蒸気流体の超臨界状態において、熱交換表面の関数として、ガス(曲線81)と水/蒸気(曲線82)の温度の図が示される。その図において、3つの区域が示される。最初の1つは、左から流体の過熱が行われる熱交換表面(区域83)を備える。区域84はみかけの蒸発が行われる熱交換表面である。区域85は、流体予備加熱用の交換表面(ECO)が存在する区域を示す。「直線−破線」曲線86は、蒸気生成器の熱交換表面の種々の部位の設計温度の包絡線である。
【0096】
図9に、準臨界状態にある蒸気生成器の部分負荷(最大負荷の約10%)において、交換表面の関数として、ヒューム(曲線91)と水/蒸気(曲線92)の温度の図が示される。蒸気生成器は、図5に示すように、ブランチの除外による交換表面区分によって作動しない。図において、図8に示す3つの区域(83,84,85)が示される。水/蒸気温度(曲線91)が、ほとんどの熱交換表面に対する同じ量のヒューム温度(曲線92)にどのように到達するかが重要である。さらに、水/蒸気曲線91は、この技術の材料のための設計温度の曲線86に接近したり行き過ぎたりしている。
【0097】
図10に、準臨界状態での蒸気生成器の部分的負荷(図9と同様に最大負荷の約10%)において、利用可能な熱交換表面の、ヒューム温度(曲線101)の、作動中の回路の水/蒸気(曲線102)の、および2つの乾燥回路における水/蒸気(曲線103)の関数として、図が示される。蒸気生成器は、いくつかの回路又はブランチを除外することによって、表面区分で、実際、作動される。図の例において、3つの回路(図5にも示される)が存在し、それらの1つのみが供給される。図には、図8で示された3つの区域(83,84,85)が存在する。表面の一部の除外(この例では全表面の3分の2が除外された)が、全負荷においてみかけの蒸発を行う区域84に、部分的負荷において、移動中の回路の2相転移区域を、いかにとどまらせるかということは注目に値する。図8の破線の曲線86に、熱交換表面の種々の部分の機械的に許容される(設計)温度の「包絡線」が存在する。2つの除外された(非作動)回路の温度は、ヒューム温度に接近し、状態は曲線101(ヒューム)と103(水/蒸気)の重なりによって図中に示されている。ヒューム温度(曲線101)と3つの回路の水/蒸気の温度(曲線102と103)は、曲線86の設計温度よりも低い。換言すれば、稼働中の回路は、ヒューム温度プロファイルを適正に保持し、設計温度より高い金属の過熱から非作動回路を保護する。ヒューム温度の図と、水/蒸気の温度の図は、図8に示された同じパラメータの図に類似している。
【0098】
図11は、底面から見上げた3次元の図によって、水平配置されたチューブ群のチューブの流路を示す。ガス116は、右から左(ガス出口116A)へチューブ群を介して流れる。チューブ(例えば、流路にうまく従う黒色チューブ113)が、水平の直線部分の後、連続する平面においてチューブ群の上端方向へそれらをシフトする曲線に伴って上昇するということは、注目に値する。それらのチューブは、のこ歯状の流路を示す。
【0099】
図12は図11の詳細を示し、図12ではチューブ113のみが示されている。水入口117と、水/蒸気出口118が示されている。
【0100】
図13において、図11に示される蒸気生成器の正面図が示されている。単一の熱変換チューブ、例えば、前述のチューブ113(明白に示すための黒色の)は、屈曲によって、1つの平面から次の平面(例えば平面111から平面112)へシフトするのみならず、蒸気生成器の上部へもシフトする。ヒューム収容容器(図示しない)の境界まで到達すると、チューブは位置114でチューブ群を横切ることによって、本体の下端において対向位置115を取る。
【0101】
図14は、図13と同じ正面図において、図12のチューブ113のみを示し、他のチューブをすべて隠している。
図15は、図7にすでに示したH−T−Pのグラフにおいて、ポイント151,152,153,154,155,156を通る直線破線曲線を示す。これらのポイントのグラフ上の位置は、一例として意図されたものであり、それらを横切る破線曲線の限界を正確に示すものではない。この曲線のポイント(2層混合体157の蒸発領域を包絡する)、曲線の右のポイント、および曲線の上のポイント155と156は、前述の起動様式が蒸気生成器の出口において単相流体を予知するように蒸気生成器が起動するとき、回路を出る水/蒸気の受入れ可能条件を表す。
【0102】
図16は、H−T−Pグラフ(図7参照)において、図15のポイント151,152,153,154,155,156を通る破線の曲線によって示される起動区域と共に、この発明の蒸気生成器の好ましい起動様式の1つを、流体を常にエンタルピーレベルまでの超臨界状態に維持して流体の層構造がタービンへの直接の供給に適した特性を有する蒸気のみを生成することによって表している。低温(ポイント158)で超臨界状態にある水は、ポイント159まで加熱される。159において、水はエンタルピーを有し、積層(ポイント159と156の間の移転)後、蒸発区域157が回避される。
【0103】
この発明の蒸気生成器は、起動が非常に速く、かつ、出力負荷がごくわずかの容量内で増減するので、「循環運動(cycling)」の問題を解決することができる。
【0104】
この発明の蒸気生成器は、負荷、特に低負荷、特に約30%より低い負荷の変動に迅速に反応する。それは、蒸気生成器が水/蒸気通路に沿った広い温度プロファイルや最大負荷からの逸脱による問題を克服するからである。この発明の蒸気生成器は、入ってくる高温ヒュームの温度に近い温度のチューブ通路の非常に大きい部分への拡張に耐えることができる。この理由のために、熱交換表面の大部分に対して、チューブ用の高合金材料(ニッケルを多く含む合金および他の高価な材料)を使用する必要はない。このようにして、この発明の蒸気生成器のコストは、他の先行技術の蒸気生成器に比べて低い。
【0105】
実際、この発明の蒸気生成器において、負荷は、一定の制御論理で実行される動作によって広い負荷間隔で、迅速に上方又は下方に移動されることが可能であり、蒸気生成器手段は、ヒューム又は水/蒸気の温度プロファイルを、一定の温度プロファイル制御状態として、又は「プロファイル制御」として、先行技術で知られる状態の蒸気生成器における同じ配列および幾何学的位置に維持する。迅速な負荷の上下移動を意味するこの実施形態の適応性は、一定の調整論理で作動する調整システムにより、30%より低い負荷のために実行される。
【0106】
この発明の蒸気生成器における約30%負荷の限度のもとでの動作において、プロファイル制御が継続され、蒸気生成器は、30%負荷より低い全範囲にわたって一定で、急速起動に加えて、増加と減少の両方において、自動温度プロファイル制御で作動できる。
【0107】
従って、この発明の蒸気生成器は、高い適応性を示し、従来のUSC蒸気生成器に使用される材料に匹敵する品質の材料で作ることができる。つまり、高合金材料の部分のチューブ長さが非常に限定される。その上、この発明の蒸気生成器は、最大容量の近くまで連続的に生産を行うエネルギー施設に歴史的に限定されてきた石炭のような燃料による、要求に応じて最大負荷まで迅速に上昇できる一定温度「プロファイル」制御様式において、経済的に受入れ可能な夜間の準備状態(少なくとも10%より低い負荷、好ましくは5%以上の負荷)に近い限界まで低下する低い負荷(<30%)へその適応性を拡張することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
−水の入口端管から過熱蒸気の出口端管までの間に接続されて蒸気生成器を通過する複数
の水/蒸気チューブを備え、
−前記水/蒸気チューブは、ヒュームによって直角に横切られる複数の重なったチューブ
群、好ましくは重なった複数の平坦なチューブ群を形成するように水平に配列され、
−前記チューブは、蒸気生成器の軸に沿って1つのチューブ群から他のチューブ群へ斜め
に進み、各チューブ群の異なる位置でヒュームの流れにさらされ(図1参照)、
−前記チューブは、2つ以上の分離ブランチに分割され、各ブランチには他と異なる入口
端管から水が供給され(図5参照)、
−蒸気発生器は垂直又は水平に設置されて、ヒュームと水/蒸気とが互いに逆方向に流さ
れ、
−過熱蒸気の出口端管は、互いに直接接触するように一束に集められ、その束は外部から
熱的に絶縁される、蒸気生成器。
【請求項2】
前記出口端管は、ヒュームが過熱蒸気温度に近い温度である位置において、ヒュームの流れの中に設置される請求項1記載の蒸気生成器(図6)。
【請求項3】
高温ヒュームの入口温度が熱回収後に低温ヒュームを再生処理することによって随意に調整され、タービンから中間圧力で漏洩する蒸気を処理する1つ以上の再加熱部が随意に存在し、1つ以上の圧力レベルおよび再加熱ステージが随意に存在する請求項1および2に記載の蒸気生成器。
【請求項4】
前記水/蒸気チューブは、水入口から過熱蒸気出口まで中間的な出入口なしに、好ましくは障害物なしに蒸気生成器を通過することが好ましく、水/蒸気チューブは従来のUSC(超臨界)蒸気生成器に用いられた材料で作られる請求項1−3記載の蒸気生成器。
【請求項5】
高価な合金材料部分は、最終の蒸気過熱が行われる最後のチューブ部に対応する部分に限定される請求項1−4記載の蒸気生成器。
【請求項6】
蒸気出口が240-280barで605℃であるとき、高価な合金材料部分の長さは、蒸気生成器のチューブの長さの約10%である請求項1−5記載の蒸気生成器。
【請求項7】
ヒュームによって直角に横切られる平坦なチューブ群に配列された水/蒸気チューブは、12m、好ましくは6メートルより短い直線状の水平チューブを備える請求項1−6記載の蒸気生成器。
【請求項8】
蒸気生成器はヒュームと水/蒸気とが互いに純粋に逆方向に流れる垂直蒸気生成器であり、好ましくは頂上からヒュームの入口を、底から水の入口を有する請求項1−7記載の蒸気生成器。
【請求項9】
蒸気生成器はヒュームと水/蒸気とが互いに純粋に逆方向に流れる水平蒸気生成器である請求項1−8記載の蒸気生成器。
【請求項10】
−蒸気生成器の同じ配列および同じ幾何学的位置において、ヒュームおよび水/蒸気の温度プロファイルを維持し、
−熱交換表面を制御して、約30%より低い低負荷における動作が、1つ以上のチューブブランチを除外し、その後唯一の作動ブランチの限界まで乾燥状態を維持する工程を備えた、5−10%から100%の負荷において請求項1−9の蒸気生成器の作動する方法。
【請求項11】
蒸気生成器の軸に沿った同じ配列および同じ幾何学的位置においてヒュームおよび水/蒸気温度プロファイルを維持し、
a)1つ以上のブランチを除外し、その後、唯一の作動ブランチの限界まで乾燥状態を維持することによって、30%の最小摺動圧力負荷よりも低い負荷に対して熱交換表面を閉塞すること、
b)蒸気生成器に沿って位置を維持することによる、すべての負荷における供給水の流速の(定常状態からの逸脱に対するシフトコントロール)、超臨界状態を要求する負荷に対する臨界状態を横切るときの温度屈曲点の、および準臨界圧力状態(摺動圧力)に対する一定温度で起こる蒸発の、フィードバック制御、
c)固体燃料燃焼ユニットを作動させるとき、下流用の低温ヒュームの再生を介して変化する高温ヒューム温度による、すべての負荷における生成蒸気の温度のフィードバック制御、
d)供給される水を予備加熱することによる、蒸気生成器の出口におけるヒューム温度のフィードバック制御、
という処理の2つ以上により実行される請求項10記載の方法。
【請求項12】
温度プロファイルの維持が、工程b)とc)を用いて実行される請求項10−11に記載の方法。
【請求項13】
流体のエンタルピーが、層状構造の下流で、準臨界2相水/蒸気流体混合領域(図7c)を横切ることなく、超臨界流体を蒸気層に直接転移させるとき、積層によって従われる超臨界圧力状態における蒸気生成器の全体又は少なくとも第1部分を、生成された蒸気の全ての圧力状態のもとで維持する、工程(e)をさらに備える請求項10記載の方法。
【請求項14】
負荷比率の増減がフィードフォワード制御によって行われる請求項10−13記載の方法。
【請求項15】
蒸気生成器に対して、温度プロファイル制御条件における準備限界が熱負荷の約5−10%である請求項10−14記載の方法。
【請求項16】
5−10%の所望の全負荷を達成するために、30%が作動ブランチの最小負荷である請求項10−15記載の方法。
【請求項17】
温度プロファイル(ヒューム側と水/蒸気側)の維持が、ブランチチューブの2組、3組、4組などを形成するために、各ブランチの端管から1つのチューブを取ることによって得られ、全ての前記ブランチチューブは常に近接して集まっている(図5は3つのブランチの場合を示す)請求項10−16に記載の方法。
【請求項18】
次のチューブ群において近接するチューブの位置を占めるためのチューブの斜めの上昇は、チューブ群の最も外側の位置に到達したチューブが全チューブ群の前を横切って他のチューブ群の端に戻ることからなる請求項10−17に記載の方法。
【請求項19】
蒸気生成器下流に固体燃料で作動する燃焼器を取り付ける場合に、過熱蒸気温度のフィードバック制御が、蒸気生成器から出るヒュームを再生し、入ってくるヒュームの温度を調整することによって行われる請求項10−18に記載の方法。
【請求項20】
蒸気出口端管がヒュームの流れの中に設置され(図6のチューブ群パッケージの遮断/ギャップ)、さらに互いに直接接触するように任意に1つの束に集めることにより、配管が分離された出口端管を、ヒューム収容容器に導き、束の全体の周りを熱的に絶縁する請求項10−19に記載の方法。
【請求項21】
高温ヒュームが圧力下にある請求項10−20に記載の方法。
【請求項22】
蒸気生成器の始動相が工程e)の手順を採用し、中間積層構造の代わりに最終積層構造が使用される(図15)請求項10−21記載の方法。
【請求項23】
2層の水/蒸気領域の外側の蒸気生成器出口における状態を動作圧力を選択することによって維持するように、始動工程が行われ、最初の相において蒸気生成器を出る水が少し冷却され(作動圧力飽和温度より低く)、2相領域を越えて超臨界圧力領域に入った後、蒸気は過熱され(作動圧力における飽和温度より高く)、初期位相間で水が積層されてフラッシュタンクに運ばれ、水が、蒸気生成器の出口で、タービンの許容圧力における飽和蒸気エンタルピーよりも高い約150kJ/kgのエンタルピーを有し、タービンの始動回路に導入される請求項22記載の方法。
【請求項24】
始動工程が、
−水なしで、全ブランチのチューブを最初に乾燥過熱し、
−唯一のブランチのチューブに、超臨界圧力、好ましくは240-280barの圧力で水を供給し、
−蒸気生成器ヘッドの出口の水は、積層が常に過熱蒸気のみを生成するように、タービンの入口圧力において、又は流体を加熱することによって、飽和蒸気のエンタルピーより高い約150kJ/kgのエンタルピーを有するとき、高温のヒュームと水の積層構造で加熱し(図16)、
−使用される単一ブランチの30%に等しい負荷状態に達したとき、フィードバック制御が、蒸気生成器の温度プロファイル制御を行うために、作動する、工程からなる請求項22−23に記載の方法。
【請求項1】
−水の入口端管から過熱蒸気の出口端管までの間に接続されて蒸気生成器を通過する複数
の水/蒸気チューブを備え、
−前記水/蒸気チューブは、ヒュームによって直角に横切られる複数の重なったチューブ
群、好ましくは重なった複数の平坦なチューブ群を形成するように水平に配列され、
−前記チューブは、蒸気生成器の軸に沿って1つのチューブ群から他のチューブ群へ斜め
に進み、各チューブ群の異なる位置でヒュームの流れにさらされ(図1参照)、
−前記チューブは、2つ以上の分離ブランチに分割され、各ブランチには他と異なる入口
端管から水が供給され(図5参照)、
−蒸気発生器は垂直又は水平に設置されて、ヒュームと水/蒸気とが互いに逆方向に流さ
れ、
−過熱蒸気の出口端管は、互いに直接接触するように一束に集められ、その束は外部から
熱的に絶縁される、蒸気生成器。
【請求項2】
前記出口端管は、ヒュームが過熱蒸気温度に近い温度である位置において、ヒュームの流れの中に設置される請求項1記載の蒸気生成器(図6)。
【請求項3】
高温ヒュームの入口温度が熱回収後に低温ヒュームを再生処理することによって随意に調整され、タービンから中間圧力で漏洩する蒸気を処理する1つ以上の再加熱部が随意に存在し、1つ以上の圧力レベルおよび再加熱ステージが随意に存在する請求項1および2に記載の蒸気生成器。
【請求項4】
前記水/蒸気チューブは、水入口から過熱蒸気出口まで中間的な出入口なしに、好ましくは障害物なしに蒸気生成器を通過することが好ましく、水/蒸気チューブは従来のUSC(超臨界)蒸気生成器に用いられた材料で作られる請求項1−3記載の蒸気生成器。
【請求項5】
高価な合金材料部分は、最終の蒸気過熱が行われる最後のチューブ部に対応する部分に限定される請求項1−4記載の蒸気生成器。
【請求項6】
蒸気出口が240-280barで605℃であるとき、高価な合金材料部分の長さは、蒸気生成器のチューブの長さの約10%である請求項1−5記載の蒸気生成器。
【請求項7】
ヒュームによって直角に横切られる平坦なチューブ群に配列された水/蒸気チューブは、12m、好ましくは6メートルより短い直線状の水平チューブを備える請求項1−6記載の蒸気生成器。
【請求項8】
蒸気生成器はヒュームと水/蒸気とが互いに純粋に逆方向に流れる垂直蒸気生成器であり、好ましくは頂上からヒュームの入口を、底から水の入口を有する請求項1−7記載の蒸気生成器。
【請求項9】
蒸気生成器はヒュームと水/蒸気とが互いに純粋に逆方向に流れる水平蒸気生成器である請求項1−8記載の蒸気生成器。
【請求項10】
−蒸気生成器の同じ配列および同じ幾何学的位置において、ヒュームおよび水/蒸気の温度プロファイルを維持し、
−熱交換表面を制御して、約30%より低い低負荷における動作が、1つ以上のチューブブランチを除外し、その後唯一の作動ブランチの限界まで乾燥状態を維持する工程を備えた、5−10%から100%の負荷において請求項1−9の蒸気生成器の作動する方法。
【請求項11】
蒸気生成器の軸に沿った同じ配列および同じ幾何学的位置においてヒュームおよび水/蒸気温度プロファイルを維持し、
a)1つ以上のブランチを除外し、その後、唯一の作動ブランチの限界まで乾燥状態を維持することによって、30%の最小摺動圧力負荷よりも低い負荷に対して熱交換表面を閉塞すること、
b)蒸気生成器に沿って位置を維持することによる、すべての負荷における供給水の流速の(定常状態からの逸脱に対するシフトコントロール)、超臨界状態を要求する負荷に対する臨界状態を横切るときの温度屈曲点の、および準臨界圧力状態(摺動圧力)に対する一定温度で起こる蒸発の、フィードバック制御、
c)固体燃料燃焼ユニットを作動させるとき、下流用の低温ヒュームの再生を介して変化する高温ヒューム温度による、すべての負荷における生成蒸気の温度のフィードバック制御、
d)供給される水を予備加熱することによる、蒸気生成器の出口におけるヒューム温度のフィードバック制御、
という処理の2つ以上により実行される請求項10記載の方法。
【請求項12】
温度プロファイルの維持が、工程b)とc)を用いて実行される請求項10−11に記載の方法。
【請求項13】
流体のエンタルピーが、層状構造の下流で、準臨界2相水/蒸気流体混合領域(図7c)を横切ることなく、超臨界流体を蒸気層に直接転移させるとき、積層によって従われる超臨界圧力状態における蒸気生成器の全体又は少なくとも第1部分を、生成された蒸気の全ての圧力状態のもとで維持する、工程(e)をさらに備える請求項10記載の方法。
【請求項14】
負荷比率の増減がフィードフォワード制御によって行われる請求項10−13記載の方法。
【請求項15】
蒸気生成器に対して、温度プロファイル制御条件における準備限界が熱負荷の約5−10%である請求項10−14記載の方法。
【請求項16】
5−10%の所望の全負荷を達成するために、30%が作動ブランチの最小負荷である請求項10−15記載の方法。
【請求項17】
温度プロファイル(ヒューム側と水/蒸気側)の維持が、ブランチチューブの2組、3組、4組などを形成するために、各ブランチの端管から1つのチューブを取ることによって得られ、全ての前記ブランチチューブは常に近接して集まっている(図5は3つのブランチの場合を示す)請求項10−16に記載の方法。
【請求項18】
次のチューブ群において近接するチューブの位置を占めるためのチューブの斜めの上昇は、チューブ群の最も外側の位置に到達したチューブが全チューブ群の前を横切って他のチューブ群の端に戻ることからなる請求項10−17に記載の方法。
【請求項19】
蒸気生成器下流に固体燃料で作動する燃焼器を取り付ける場合に、過熱蒸気温度のフィードバック制御が、蒸気生成器から出るヒュームを再生し、入ってくるヒュームの温度を調整することによって行われる請求項10−18に記載の方法。
【請求項20】
蒸気出口端管がヒュームの流れの中に設置され(図6のチューブ群パッケージの遮断/ギャップ)、さらに互いに直接接触するように任意に1つの束に集めることにより、配管が分離された出口端管を、ヒューム収容容器に導き、束の全体の周りを熱的に絶縁する請求項10−19に記載の方法。
【請求項21】
高温ヒュームが圧力下にある請求項10−20に記載の方法。
【請求項22】
蒸気生成器の始動相が工程e)の手順を採用し、中間積層構造の代わりに最終積層構造が使用される(図15)請求項10−21記載の方法。
【請求項23】
2層の水/蒸気領域の外側の蒸気生成器出口における状態を動作圧力を選択することによって維持するように、始動工程が行われ、最初の相において蒸気生成器を出る水が少し冷却され(作動圧力飽和温度より低く)、2相領域を越えて超臨界圧力領域に入った後、蒸気は過熱され(作動圧力における飽和温度より高く)、初期位相間で水が積層されてフラッシュタンクに運ばれ、水が、蒸気生成器の出口で、タービンの許容圧力における飽和蒸気エンタルピーよりも高い約150kJ/kgのエンタルピーを有し、タービンの始動回路に導入される請求項22記載の方法。
【請求項24】
始動工程が、
−水なしで、全ブランチのチューブを最初に乾燥過熱し、
−唯一のブランチのチューブに、超臨界圧力、好ましくは240-280barの圧力で水を供給し、
−蒸気生成器ヘッドの出口の水は、積層が常に過熱蒸気のみを生成するように、タービンの入口圧力において、又は流体を加熱することによって、飽和蒸気のエンタルピーより高い約150kJ/kgのエンタルピーを有するとき、高温のヒュームと水の積層構造で加熱し(図16)、
−使用される単一ブランチの30%に等しい負荷状態に達したとき、フィードバック制御が、蒸気生成器の温度プロファイル制御を行うために、作動する、工程からなる請求項22−23に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−500457(P2013−500457A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522108(P2012−522108)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060558
【国際公開番号】WO2011/012516
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(505394220)
【氏名又は名称原語表記】ITEA S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Pollastri,6,I−40138 Bologna,ITALIA
【出願人】(512023144)
【氏名又は名称原語表記】SOFINTER S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Corso Italia 6, I−20122 Milano, Italy
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060558
【国際公開番号】WO2011/012516
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(505394220)
【氏名又は名称原語表記】ITEA S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Pollastri,6,I−40138 Bologna,ITALIA
【出願人】(512023144)
【氏名又は名称原語表記】SOFINTER S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Corso Italia 6, I−20122 Milano, Italy
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