説明

蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体、及び発光体から構成される発光体群

【課題】含有する材料による輝度の相違、及び照明の点灯や消滅による輝度の変化を活用して装飾的な効果を生じさせる蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体、及び発光体から構成される発光体群を提供する。
【解決手段】第1樹脂5に蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有させた第1発光体2、第2樹脂6に蓄光剤8のみを含有させた第2発光体3、及び第3樹脂7に粉体状の蛍光顔料9のみを含有させた第3発光体4が集合して発光体群1を構成し、暗所においてブラックライト11により照射すると、ブラックライト11の点灯時には、第1発光体2が第2発光体3よりも高い輝度で発光し、第3発光体4が第1発光体2と第2発光体3との中間の輝度で発光し、ブラックライト11の消灯により、第1発光体2と第2発光体3との輝度が略同じとなり第3発光体4の発光が消滅する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体、及び発光体から構成される発光体群に係り、特に、蓄光剤の蓄光性、及び蛍光顔料の蛍光性を利用した蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体、及び発光体から構成される発光体群に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄光とは、物質に対して紫外線や可視光線などの励起光が消滅した後も一定時間物質が発光を続ける特性をいう。また、蓄光性を有する蓄光剤とは、光源からの紫外線を吸収して暗所において徐々に燐光を放出する材料をいう。蓄光剤としては、例えば、アルミナ系酸化物などの無機顔料が知られている。この蓄光剤を含有する物体はこの蓄光性により燐光輝度(cd/m2)を有する。
【0003】
また、蛍光とは、物質にX線、紫外線、可視光線が照射されるとそのエネルギを吸収することで電子が励起され、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギを放出する特性をいう。従って、蛍光顔料の蛍光は照射が絶たれると発光も消滅する。この蛍光顔料を含有する物体は蛍光顔料が有する蛍光性により輝度(cd/m2)を有する。
【0004】
さらに、ブラックライトとは、長波長の紫外線を放射するライトをいう。すなわち、一般的な蛍光灯の蛍光管に波長400nm以上の可視光線をカットする深い青紫のガラスを使用したライトである。蓄光剤はこのブラックライトが照射するとその紫外線により蓄光性を発揮する。また、蛍光顔料もこのブラックライトが照射する紫外線により蛍光性を発揮する。
【0005】
特許文献1には、キャンドルスタンドが開示されている。ここでは、キャンドルスタンド本体に蓄光剤と蛍光顔料を混入させ、蓄光剤が太陽や照明光を蓄え、暗所で長時間発光し続けると共に、蛍光顔料によって色彩が鮮やかな光を放つことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−162251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
蓄光剤又は蛍光顔料を含有した発光体は、蓄光剤や蛍光顔料が有する蓄光性や蛍光性といった特性を有効に生かして装飾的な効果が期待できるが、それらの特性を生かした発光体あるいは発光体群が創出されていないという問題がある。
【0008】
また、蓄光剤又は蛍光顔料が照明の点灯や消滅によりそれらの輝度が変化する特性を生かした発光体あるいは発光体群が創出されていないという問題がある。
【0009】
本願の目的は、かかる課題を解決し、含有する材料による輝度の相違、及び照明の点灯や消滅による輝度の変化を活用して装飾的な効果を生じさせる蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体、及び発光体から構成される発光体群を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群は、第1の樹脂に蓄光剤及び蛍光顔料を含有させた第1の発光体と、第2の樹脂に蓄光剤のみを含有させた第2の発光体と、を含み、各発光体が集合して発光体群を構成し、暗所において、発光体群は、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体が第2の発光体よりも高い輝度で発光し、ブラックライトが消灯されると、第1の発光体と第2の発光体との輝度が略同じとなることを特徴とする。
【0011】
上記構成により、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群は、ブラックライトが点灯している際には、輝度の異なる発光体から構成され、ブラックライトが消灯されると、略同じ輝度で発光する発光体から構成され、この輝度の相違により発光体群に装飾的な効果を生じさせることができる。
【0012】
また、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群は、第3の樹脂に蛍光顔料のみを含有させた第3の発光体を含み、第3の発光体が、暗所において、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体と第2の発光体との中間の輝度で発光し、ブラックライトが消灯されると発光が消滅することが好ましい。これにより、上述した発光体の輝度のバリエーションを増すことができ、より発光体群に装飾的な効果を生じさせることができる。
【0013】
また、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群は、発光体群を構成する発光体が、それぞれブロックとして平面的又は立体的に組み立てられることが好ましい。これにより、異なる輝度で発光する発光体をブロックとして幾何学的に組み合わされた発光体群を構成することができる。
【0014】
また、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群は、第1の発光体が、第1の樹脂に蓄光剤を略均一に混入させた後に蛍光顔料を添加し、紫外線を放射するブラックライトを照射した際に、輝度の差異による模様を現出させることが好ましい。これにより、例えば、渦状に形成された模様を有する第1の発光体が、他の発光体と異なる輝度で発光し、発光体群に多様な装飾的な効果を生じさせることができる。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体は、第1の樹脂に蓄光剤及び蛍光顔料を含有させた第1の発光体要素と、第2の樹脂に蓄光剤のみを含有させた第2の発光体要素と、を含み、各発光体要素が一体として1つの発光体を形成し、暗所において、発光体は、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体要素が第2の発光体要素よりも高い輝度で発光し、ブラックライトが消灯されると、第1の発光体要素と第2の発光体要素との輝度が略同じとなることを特徴とする。
【0016】
上記構成により、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体は、ブラックライトが点灯している際には、輝度の異なる発光体要素から構成され、ブラックライトが消灯されると、略同じ輝度で発光する発光体要素から構成され、この輝度の相違により発光体に装飾的な効果を生じさせることができる。
【0017】
また、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体は,第3の樹脂に蛍光顔料のみを含有させた第3の発光体要素を含み、第3の発光体要素が、暗所において、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体要素と第2の発光体要素との中間の輝度で発光し、ブラックライトが消灯されると発光が消滅することが好ましい。これにより、上述した発光体要素の輝度のバリエーションを増すことができ、より発光体に装飾的な効果を生じさせることができる。
【0018】
また、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体は,各発光体要素が、層状に積重ねられ、一体として1つの発光体を形成することが好ましい。これにより、層状に積重ねられた発光体要素が異なる輝度で発光し、発光体に幾何学的な装飾的効果を生じさせることができる。
【0019】
また、蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体は,第1の発光体要素が、第1の樹脂に蓄光剤を略均一に混入させた後に蛍光顔料を添加し、紫外線を放射するブラックライトを照射した際に、第1の発光体要素に輝度の差異による模様を現出させることが好ましい。これにより、例えば、渦状に形成された第1の発光体要素が、他の発光体要素と異なる輝度で発光し、発光体に多様な装飾的な効果を生じさせることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明に係る蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体、及び発光体から構成される発光体群によれば、含有する材料による輝度の相違、及び照明の点灯や消滅による輝度の変化を活用して装飾的な効果を生じさせる蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体、及び発光体から構成される発光体群を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群の1つの実施形態の概略構成を示す平面図及び説明図である。
【図2】第1発光体において輝度の差異により模様を現出させた発光体群の実施例を示す透視図である。
【図3】本発明に係る蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体の1つの実施形態の概略構成を示す平面図及び説明図である。
【図4】第1発光体要素において輝度の差異により模様を現出させた発光体の実施例を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体で構成された発光体群の実施形態)
以下に、図面を用いて本発明に係る蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群の実施形態につき、詳細に説明する。
【0023】
図1には、蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有した発光体20から構成される発光体群1の1つの実施形態の概略構成を平面図及び説明図で示す。図1(a)には、水槽10内に配置された発光体群1を平面図で示し、図1(b)には、第1発光体2,第2発光体3,及び第3発光体4の構成をそれぞれ説明図で示す。なお、図1(b)及び後述する図2では、説明のため各発光体2,3,4内に小丸により蓄光剤8が含有されていることを示し、黒丸により蛍光顔料9が含有されていることを示すが、実際には各発光体2,3,4内には蓄光剤8及び蛍光顔料9は目視できない。
【0024】
本実施形態では、発光体20から構成される発光体群1は、熱帯魚を収納する水槽10内に設置される場合について説明するが、水槽10内への収納に限らず、例えば、室内のインテリアとしての設置、展示場の装飾ディスプレイとしての設置など種々の用途に適用される。また、本実施形態では、発光体群1を構成する発光体20はそれぞれ立方体のブロックとするが、これに限らず、例えば、球形、棒状、平板状など任意の形状であっても良い。さらに、発光体20は接続棒13により相互に接続されて立体的に組み立てられた発光体群1を構成するが、発光体群1の構成はこれに限らず、例えば、接続棒13を使用せずに発光体20を積重ねた構成などであっても良い。
【0025】
本実施形態では、発光体群1は、第1発光体2、第2発光体3、及び第3発光体4から構成される。第1発光体2は、第1樹脂5に蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有させたブロックである。第2発光体3は、第2樹脂6に蓄光剤8のみを含有させたブロックである。また、第3発光体4は、第3樹脂7に粉体状の蛍光顔料9のみを含有させたブロックである。第1発光体2、第2発光体3、及び第3発光体4は、それぞれ独立して発光体群1を構成する。ここで、第1樹脂5、第2樹脂6、及び第3樹脂7は、例えば、エポキシ、ウレタン、シリコンなどの合成樹脂のなかからその特性を生かして選択される。なお、各樹脂5,6,7は同一の合成樹脂であっても良い。蓄光剤8及び蛍光顔料9は、原則として粉体の状態で各樹脂5,6,7に混入され、樹脂5,6,7は、型に流し込まれて成形される。
【0026】
発光体群1は、暗所、例えば夜間で他に照明がない室内において紫外線を放射するブラックライト11により照射される。ブラックライト11が点灯している際には、第1発光体2が第2発光体3よりも高い輝度で発光する。また、第3発光体4は、第1発光体2と第2発光体3との中間の輝度で発光する。これは、蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有する第1発光体2は、ブラックライト11から放射された紫外線に対して双方が発光するため、輝度が累積されて高い値となる。また、第2発光体3は、蓄光剤8のみ含有するため第1発光体2と比較して輝度は低い値となる。さらに、第3発光体4は、蛍光顔料9のみを含有するが、蛍光顔料9のほうが蓄光剤8よりも輝度が高いため第1発光体2と第2発光体3との中間の輝度で発光する。
【0027】
ブラックライト11が消灯されると、第1発光体2と第2発光体3との輝度が略同じとなる。すなわち、第1発光体2に含有された蛍光顔料9はほとんど蓄光性を有さず、ブラックライト11が消灯されると発光も消滅し、第1発光体2と第2発光体3とは、どちらも含有された蓄光剤8によってのみ燐光輝度が生じることによる。また、第3発光体4は、ブラックライト11が消灯されると発光が消滅する。これは、第3発光体4に含有された蛍光顔料9は、ほとんど蓄光性を有さず、ブラックライト11が消灯されると発光も消滅することによる。
【0028】
このように、蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有した発光体20から構成される発光体群1は、ブラックライト11が点灯している際には、輝度の異なる発光体2,3,4から構成される。また、ブラックライト11が消灯されると、略同じ輝度で発光する発光体2と発光体3、及び輝度が消滅する発光体4から構成され、この輝度の違いにより発光体群1に装飾的な効果を生じさせることが可能となる。
【0029】
図2に、第1発光体2において輝度の差異により模様を現出させた実施例を示す。第1発光体2は、第1樹脂5に蓄光剤8を略均一に混入させた後に蛍光顔料9を添加する。このとき、第1樹脂5に蛍光顔料9を略均一に混入させずに添加させると、その添加した形跡が模様となる。そして、紫外線を放射するブラックライト11を照射した際に、輝度の差異による模様が現出される。例えば、図2に示すように、第1樹脂5に蛍光顔料9を渦状に添加すると、その渦の形跡が渦模様14となり、紫外線を放射するブラックライト11を照射した際に、輝度の差異により渦模様14が現出する。この模様は、渦模様14に限らず、例えば、マーブル(大理石)の模様や、木目模様など多様な模様が現出可能である。
【0030】
(蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体の実施形態)
以下に、図面を用いて本発明に係る蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有した発光体20の実施形態につき、詳細に説明する。図3には、蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有した発光体20の1つの実施形態の概略構成を平面図及び説明図で示す。図3(a)には、水槽10内に配置された発光体20を平面図で示し、図3(b)には、1つの発光体20を構成する第1発光体要素21,第2発光体要素22,第3発光体要素23をそれぞれ説明図で示す。なお、図3(b)、及び後述する図4では、説明のため各発光体要素21,22,23内に小丸により蓄光剤8が含有されていることを示し、黒丸により蛍光顔料9が含有されていることを示すが、実際には各発光体要素21,22,23内には蓄光剤8及び蛍光顔料9は目視できない。
【0031】
本実施形態では、発光体20は、熱帯魚を収納する水槽10内に設置される場合について説明するが、水槽10内への収納に限らず、例えば、室内のインテリアとしての設置、展示場の装飾ディスプレイとしての設置など種々の用途に適用される。また、本実施形態では、発光体20はそれぞれ立方体のブロックであるが、これに限らず、例えば、球形、棒状、平板状など任意の形状であっても良い。さらに、発光体20は支持棒28により自立する構成であるが、発光体20の構成はこれに限らず、例えば、支持棒28によらず発光体20を積重ねた構成などであっても良い。
【0032】
本実施形態では、発光体20は、第1発光体要素21、第2発光体要素22、及び第3発光体要素23から構成される。第1発光体要素21は、第1樹脂25に蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有させた要素である。第2発光体要素22は、第2樹脂26に蓄光剤8のみを含有させた要素である。また、第3発光体要素23は、第3樹脂27に粉体状の蛍光顔料9のみを含有させた要素である。第1発光体要素21、第2発光体要素22、及び第3発光体要素23は、それぞれ積層されて一体となって発光体20を構成する。ここで、第1樹脂25、第2樹脂26、及び第3樹脂27は、例えば、エポキシ、ウレタン、シリコンなどの合成樹脂のなかからその特性を生かして選択される。なお、各樹脂25,26,27は同一の合成樹脂であっても良い。蓄光剤8及び蛍光顔料9は、原則として粉体の状態で各樹脂25,26,27に混入されて型に流し込まれて発光体20として成形される。
【0033】
発光体20は、暗所、例えば夜間で他に照明がない室内において紫外線を放射するブラックライト11により照射される。ブラックライト11が点灯している際には、第1発光体要素21が第2発光体要素22よりも高い輝度で発光する。また、第3発光体要素23は、第1発光体要素21と第2発光体要素22との中間の輝度で発光する。これは、蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有する第1発光体要素21は、ブラックライト11から放射された紫外線に対して双方が発光するため、輝度が累積されて高い値となる。また、第2発光体要素22は、蓄光剤8のみ含有するため第1発光体要素21と比較して輝度は低い値となる。さらに、第3発光体要素23は、蛍光顔料9のみを含有するが、蛍光顔料9のほうが蓄光剤8よりも輝度が高いため第1発光体要素21と第2発光体要素22との中間の輝度で発光する。
【0034】
ブラックライト11が消灯されると、第1発光体要素21と第2発光体要素22との輝度が略同じとなる。すなわち、第1発光体要素21に含有された蛍光顔料9はほとんど蓄光性を有さず、ブラックライト11が消灯されると発光も消滅し、第1発光体要素21と第2発光体要素22とは、どちらも含有された蓄光剤8によってのみ燐光輝度が生じることによる。また、第3発光体要素23は、ブラックライト11が消灯されると発光が消滅する。これは、第3発光体要素23に含有された蛍光顔料9は、ほとんど蓄光性を有さず、ブラックライト11が消灯されると発光も消滅することによる。
【0035】
図4に、第1発光体要素21において輝度の差異により模様を現出させた実施例を示す。第1発光体要素21は、第1樹脂25に蓄光剤8を略均一に混入させた後に蛍光顔料9を添加する。このとき、第1樹脂25に蛍光顔料9を略均一に混入させずに添加させると、その添加した形跡が模様となる。そして、紫外線を放射するブラックライト11を照射した際に、輝度の差異による模様が現出される。例えば、図4に示すように、第1樹脂25に蛍光顔料9を渦状に添加すると、その渦の形跡が模様となり、紫外線を放射するブラックライト11を照射した際に、輝度の差異により渦模様24が現出する。この模様は、渦模様24に限らず、例えば、マーブル(大理石)の模様や、木目模様など多様な模様が現出可能である。
【0036】
このように、蓄光剤8及び蛍光顔料9を含有した発光体20は、ブラックライト11が点灯している際には、輝度の異なる発光体要素21,22,23から構成される。また、ブラックライト11が消灯されると、略同じ輝度で発光する発光体要素21と発光体要素22、及び輝度が消滅する発光体要素23から構成され、この輝度の違いにより発光体20に装飾的な効果を生じさせることが可能となる。
【符号の説明】
【0037】
1 (蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される)発光体群、2 第1発光体、3 第2発光体、4 第3発光体、5,25 第1樹脂、6,26 第2樹脂、7,27 第3樹脂、8 蓄光剤、9 蛍光顔料、10 水槽、11 ブラックライト、13 接続棒、14,24 渦模様、20 (蓄光剤及び蛍光顔料を含有した)発光体、21 第1発光体要素、22 第2発光体要素、23 第3発光体要素、28 支持棒。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の樹脂に蓄光剤及び蛍光顔料を含有させた第1の発光体と、
第2の樹脂に蓄光剤のみを含有させた第2の発光体と、
を含み、各発光体が集合して発光体群を構成し、
暗所において、発光体群は、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、
ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体が第2の発光体よりも高い輝度で発光し、
ブラックライトが消灯されると、第1の発光体と第2の発光体との輝度が略同じとなることを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群であって、第3の樹脂に蛍光顔料のみを含有させた第3の発光体を含み、第3の発光体は、暗所において、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体と第2の発光体との中間の輝度で発光し、ブラックライトが消灯されると発光が消滅することを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群であって、発光体群を構成する発光体は、それぞれブロックとして平面的又は立体的に組み立てられることを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載の蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群であって、第1の発光体は、第1の樹脂に蓄光剤を略均一に混入させた後に蛍光顔料を添加し、紫外線を放射するブラックライトを照射した際に、輝度の差異による模様を現出させることを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体から構成される発光体群。
【請求項5】
第1の樹脂に蓄光剤及び蛍光顔料を含有させた第1の発光体要素と、
第2の樹脂に蓄光剤のみを含有させた第2の発光体要素と、
を含み、各発光体要素が一体として1つの発光体を形成し、
暗所において、発光体は、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、
ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体要素が第2の発光体要素よりも高い輝度で発光し、
ブラックライトが消灯されると、第1の発光体要素と第2の発光体要素との輝度が略同じとなることを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体。
【請求項6】
請求項5に記載の蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体であって、第3の樹脂に蛍光顔料のみを含有させた第3の発光体要素を含み、第3の発光体要素は、暗所において、紫外線を放射するブラックライトにより照射され、ブラックライトが点灯している際には、第1の発光体要素と第2の発光体要素との中間の輝度で発光し、ブラックライトが消灯されると発光が消滅することを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体であって、各発光体要素は、層状に積重ねられ、一体として1つの発光体を形成することを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1に記載の蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体であって、第1の発光体要素は、第1の樹脂に蓄光剤を略均一に混入させた後に蛍光顔料を添加し、紫外線を放射するブラックライトを照射した際に、第1の発光体要素に輝度の差異による模様を現出させることを特徴とする蓄光剤及び蛍光顔料を含有した発光体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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