説明

蓄電システム

【課題】 複数の単電池を含む電池モジュールに対して電圧センサを接続すると、単電池の電圧を監視することができず、複数の単電池において電圧のバラツキが発生してしまうことがある。
【解決手段】 電解質中にレドックスシャトルを含む複数の蓄電素子(11)が電気的に直列に接続された蓄電モジュール(10)と、蓄電モジュールにおける端子間の電圧を検出するための電圧センサ(20)と、電圧センサの出力に基づいて、蓄電モジュールの充放電を制御するコントローラ(30)と、を有する。コントローラは、少なくとも1つの蓄電素子の電圧をレドックスシャトルの反応電位に到達させながら、蓄電モジュールの充電を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子が電気的に直列に接続された蓄電モジュールにおいて、複数の蓄電素子における電圧のバラツキを低減させる制御に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の単電池が電気的に直列に接続された組電池では、各単電池に電圧センサを接続して単電池の電圧を検出したり、幾つかの単電池で構成された電池モジュールに電圧センサを接続して電池モジュールの電圧を検出したりしている。ここで、複数の単電池が電気的に直列に接続されることにより、電池モジュールが構成され、複数の電池モジュールが電気的に直列に接続されることにより、組電池が構成される。
【0003】
電池モジュール毎に電圧センサを設ければ、単電池毎に電圧センサを設ける場合に比べて、電圧センサの数を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−531970号公報
【特許文献2】特開2006−254535号公報
【特許文献3】特開2005−108543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池モジュールに対して電圧センサを接続した構成では、電池モジュールの電圧を検出することはできるが、電池モジュールを構成する各単電池の電圧を検出することはできない。ここで、電池モジュールを構成する複数の単電池において、電圧のバラツキが発生している場合には、電池モジュールの電圧が、充電制御の上限電圧に到達していないにもかかわらず、電池モジュールに含まれる特定の単電池の電圧だけが高い状態となり、劣化が進んでしまうおそれがある。
【0006】
このため、電池モジュールの電圧を検出する構成においては、電池モジュールを構成する複数の単電池は、電圧のバラツキが低減された状態であることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1の発明である蓄電システムは、電解質中にレドックスシャトルを含む複数の蓄電素子が電気的に直列に接続された蓄電モジュールと、蓄電モジュールにおける端子間の電圧を検出するための電圧センサと、電圧センサの出力に基づいて、蓄電モジュールの充放電を制御するコントローラと、を有する。ここで、コントローラは、少なくとも1つの蓄電素子の電圧をレドックスシャトルの反応電位に到達させながら、蓄電モジュールの充電を行うことを特徴とする。
【0008】
ここで、所定レートを維持しながら、蓄電モジュールの充電を行うことができる。この場合において、蓄電モジュールにおける電圧の変化率が減少方向に変化したときには、少なくとも1つの蓄電素子の電圧が反応電位に到達したと判別することができる。
【0009】
また、蓄電モジュールにおける電圧の変化率が減少方向に変化した後に増加方向に変化したときには、蓄電モジュールの充電を停止することができる。これにより、蓄電素子の過充電を阻止することができる。さらに、蓄電モジュールの充電を停止した後に、放電を行うことができる。これにより、蓄電モジュールの電圧(又は容量)を目標値に到達させることができる。また、反応電位は、各蓄電素子の充電制御に用いられる上限電圧よりも低くすることができる。
【0010】
本願第2の発明である蓄電モジュールの制御方法は、電解質中にレドックスシャトルを含む複数の蓄電素子が電気的に直列に接続された蓄電モジュールにおける端子間の電圧を検出する検出ステップと、検出ステップでの検出結果に基づいて、蓄電モジュールの充放電を制御する制御ステップと、を有する。そして、制御ステップにおいて、少なくとも1つの蓄電素子の電圧をレドックスシャトルの反応電位に到達させながら、蓄電モジュールの充電を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、少なくとも1つの蓄電素子の電圧をレドックスシャトルの反応電位に到達させながら、蓄電モジュールの充電を行うことにより、蓄電モジュールを構成する、すべての蓄電素子の電圧を反応電位に近づけることができる。これにより、蓄電モジュールを構成する複数の蓄電素子において、電圧のバラツキが生じていても、このバラツキを低減させることができる。
【0012】
そして、複数の蓄電素子における電圧のバラツキを低減させておけば、蓄電モジュールに接続された電圧センサの出力に基づいて、蓄電モジュールの充放電制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1における電池システムの構成を示す図である。
【図2】単電池に含まれる発電要素の一部の構成を示す概略図である。
【図3】実施例1の構成を、複数の電池モジュールを備えた組電池に適用した図である。
【図4】実施例1における均等化制御を示すフローチャートである。
【図5】実施例1の均等化制御において、電池モジュールを構成する各単電池の電圧変化を示す図である。
【図6】実施例1の均等化制御において、電池モジュールの電圧変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1における電池システム(蓄電システム)について、図1を用いて説明する。図1は、本実施例における電池システムの構成を示す概略図である。
【0016】
電池モジュール10は、電気的に直列に接続された2つの単電池11を有している。単電池11としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタを用いることができる。本実施例では、2つの単電池11によって、電池モジュール10を構成しているが、これに限るものではなく、3つ以上の単電池11を電気的に直列に接続することによって、電池モジュール10を構成することもできる。
【0017】
電池モジュール10の正極端子および負極端子には、電圧センサ20が接続されており、電圧センサ20は、電池モジュール10の端子間電圧を検出するために用いられる。電圧センサ20の出力信号は、コントローラ30に入力され、コントローラ30は、電圧センサ20からの信号に基づいて、電池モジュール10の電圧を検出する。図1に示す構成では、電池モジュール10に対して電圧センサ20を設けているため、各単電池11に対して電圧センサ20を設ける場合に比べて、電圧センサ20の数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
【0018】
コントローラ30は、電池モジュール10の充放電を制御する。具体的には、電圧センサ20を用いて検出された電池モジュール10の電圧が、充電制御で用いられる上限電圧を超えないように、コントローラ30は、電池モジュール10の充電を制御する。また、電圧センサ20を用いて検出された電池モジュール10の電圧が、放電制御で用いられる下限電圧を下回らないように、コントローラ30は、電池モジュール10の放電を制御する。電池モジュール10は、負荷に接続されており、負荷に対して電力を供給したり、負荷からの電力を受けたりする。
【0019】
図2は、単電池11に含まれる発電要素の一部の構成を示す。発電要素12は、充放電を行うことができる要素であり、発電要素12を電池ケース(不図示)に収容することにより、単電池11が構成される。以下に説明する発電要素12の構成部材の材料は、公知の材料を適宜選択することができる。
【0020】
発電要素12は、正極素子13と、負極素子14と、正極素子13および負極素子14の間に配置される電解質層15とを有する。具体的には、正極素子13、負極素子14および電解質層15を積層して積層体を構成し、この積層体を巻くことにより、発電要素12を構成することができる。また、正極素子13、電解質層15および負極素子14を、この順で複数積層するだけで、発電要素12を構成することもできる。
【0021】
正極素子13は、集電板13aの表面に正極活物質層13bを形成したものである。正極活物質層13bは、電解質層15に接触しており、正極活物質層13bには、正極活物質の他に、導電剤やバインダー等が含まれる。負極素子14は、集電板14aの表面に負極活物質層14bを形成したものである。負極活物質層14bは、電解質層15に接触しており、負極活物質層14bには、負極活物質の他に、導電剤やバインダー等が含まれる。
【0022】
正極素子13(集電板13a)は、電池ケースに固定された正極端子(不図示)と電気的および機械的に接続されている。また、負極素子14(集電板14a)は、電池ケースに固定された負極端子(不図示)と電気的および機械的に接続されている。
【0023】
電解質層15としては、液体電解質又はポリマー電解質を用いることができる。液体電解質では、正極素子13および負極素子14の間に配置されるセパレータに、電解液を含ませたものを用いることができる。ポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーから構成されており、例えば、真性ポリマー電解質やゲルポリマー電解質を用いることができる。
【0024】
電解質層15には、レドックスシャトル(酸化還元試薬)が添加されている。レドックスシャトルは、酸化還元反応を介して正負極間の電位差(電池電圧)が、レドックスシャトルの反応電位以上となることを抑制する機能を有する化合物である。還元型(非イオン型)であるレドックスシャトルは、充電時に電池電圧が、レドックスシャトルの反応電位を超えると、正極において酸化されて酸化型(カチオン型)となり、この酸化型は負極において還元されて再度、還元型(非イオン型)に戻る。このサイクルが繰り返されることで、過充電電流を消費して、過充電を防止することができる。
【0025】
レドックスシャトルの具体的な化合物については特に制限はなく、上述した作用を発揮できる化合物を適宜選択することができる。例えば、レドックスシャトルとして、ヘキサエチルベンゼン、Li1212、Li12などが挙げられる。また、電解質層15に添加するレドックスシャトルとしては、1種の化合物だけを用いることもできるし、複数種類の化合物を併用することもできる。
【0026】
図3には、複数の電池モジュール10が電気的に直列に接続された組電池40の構成を示している。図3に示す構成は、図1に示す構成を複数備えたものである。
【0027】
組電池40は、負荷に接続されており、負荷に対して電力を供給したり、負荷からの電力を受けたりする。組電池40は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両に搭載することができる。ここで、組電池40と接続される負荷としては、モータ・ジェネレータがある。モータ・ジェネレータは、組電池40から供給された電気エネルギを、車両の走行に用いられる運動エネルギに変換する。また、モータ・ジェネレータは、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換して、組電池40に供給する。なお、組電池40およびモータ・ジェネレータの間に、昇圧回路やインバータを接続することもできる。
【0028】
次に、本実施例における均等化制御について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。本実施例の均等化制御は、電池モジュール10を構成する2つの単電池11における充放電を制御することにより、2つの単電池11における電圧のバラツキを低減させるものである。図4に示す処理は、コントローラ30によって実行される。
【0029】
ステップS101では、所定レートにおいて電池モジュール10の充電を開始する。充電レートは、適宜設定することができるが、高レートでの充電は、単電池11が劣化し易くなるため、好ましくない。例えば、0.5Cのレートで充電を行うことができる。
【0030】
電池モジュール10の充電を開始すると、図5の期間T1に示すように、2つの単電池11A,11Bの電圧は、略一定の変化率で上昇する。また、図6の期間T1に示すように、電池モジュール10の電圧は、略一定の変化率で上昇する。
【0031】
図5は、電池モジュール10を構成する2つの単電池11A,11Bにおける電圧の挙動(一例)を示している。図5の実線は、単電池11Aにおける電圧の推移を示し、点線は、単電池11Bにおける電圧の推移を示している。一方、図6は、電池モジュール10における電圧の推移を示している。ここで、図5に示す期間T1〜T5は、図6に示す期間T1〜T5に対応している。
【0032】
均等化制御を行う前の状態において、単電池11Aの電圧はVA1であり、単電池11Bの電圧はVB1(<VA1)であり、2つの単電池11A,11Bの電圧差はΔV1となっている。
【0033】
ステップS102において、コントローラ30は、電池モジュール10の電圧の上昇率が低下したか否かを確認する。ここで、電池モジュール10の電圧の上昇率が低下したときには、ステップS103に進み、そうでなければ、ステップS102の処理を続ける。
【0034】
電池モジュール10を充電し続けると、期間T1が経過したときに、単電池11Aの電圧がレドックスシャトルの反応電位VRSに到達する。これにより、電池モジュール10の充電を続けても、単電池11Aの電圧は、反応電位VRSに維持される。反応電位VRSは、上限電圧VMAXよりも低い値に設定されており、この設定された反応電位VRSが得られるレドックスシャトルを選択すればよい。上限電圧VMAXは、単電池11A,11Bの充電制御で用いられる上限の電圧値であり、予め設定された値である。
【0035】
上限電圧VMAXおよび反応電位VRSの差は、後述するように、レドックスシャトルが反応し難くなったときに、単電池11の電圧上昇を許容できる範囲に設定しておくことが好ましい。また、反応電位VRSを上限電圧VMAXよりも低くしすぎると、単電池11の充放電を効率良く行うことができなくなってしまう。これらの点を考慮して、反応電位VRSを設定することができる。
【0036】
単電池11Bの初期電圧VB1は、単電池11Aの初期電圧VA1よりも低いため、期間T1が経過しても、単電池11Bの電圧は、反応電位VRSに到達していない。
【0037】
単電池11Aの電圧が反応電位VRSに到達した後は、単電池11Bの電圧だけが上昇するため(図5の期間T2)、電池モジュール10の電圧の上昇率は低下する。具体的には、期間T2における電池モジュール10の電圧の上昇率は、期間T1における電池モジュール10の電圧の上昇率よりも小さくなる。図4のステップS102では、電池モジュール10の電圧の上昇率が低下することを確認することにより、単電池11Aの電圧が反応電位VRSに到達したことを確認している。
【0038】
期間T2が経過すると、単電池11Bの電圧が反応電位VRSに到達する。この後は、電池モジュール10の充電を行っても、単電池11Bの電圧は、反応電位VRSに維持される。したがって、期間T3では、単電池11A,11Bの電圧が反応電位VRSに維持され、電池モジュール10の電圧も一定に維持される。
【0039】
単電池11A,11Bの電圧が反応電位VRSに到達した後も、電池モジュール10の充電を続けると、レドックスシャトルが反応しにくくなり、単電池11A,11Bの電圧が上昇し始める。ここで、単電池11Aにおけるレドックスシャトルの反応は、単電池11Bにおけるレドックスシャトルの反応よりも早いタイミングで発生しているため、単電池11Aにおけるレドックスシャトルが反応しにくくなり、単電池11Aの電圧が上昇し始める。
【0040】
レドックスシャトルが反応しにくくなるまで、電池モジュール10の充電を行うことにより、複数の単電池11における電圧を互いに近づけることができる。例えば、単電池11Aにおけるレドックスシャトルが反応し難くなったときに、単電池11Bの電圧が反応電位VRSに到達しないことがあっても、電池モジュール10の充電を続けることにより、単電池11Bの電圧を上昇させて、反応電位VRSに近づけることができる。すなわち、単電池11A,11Bにおける電圧のバラツキを小さくすることができる。
【0041】
図5の期間T4において、単電池11Aの電圧は上昇しており、単電池11Bの電圧は、反応電位VRSに維持されている。単電池11Aの電圧が上昇すれば、電池モジュール10の電圧も上昇する(図6の期間T4)。図4のステップS103の処理では、この電池モジュール10の電圧上昇を確認するようにしている。具体的には、期間T4における電池モジュール10の電圧の上昇率は、期間T3における電池モジュール10の電圧の上昇率(=ゼロ)よりも大きくなる。このため、ステップS103において、コントローラ30は、電池モジュール10の電圧の上昇率が増加したか否かを判別する。
【0042】
ステップS103において、コントローラ30は、電池モジュール10の電圧の上昇率が増加したと判別したときには、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS103の処理を続ける。
【0043】
ステップS104において、コントローラ30は、電池モジュール10の充電を停止する。ステップS105において、コントローラ30は、電池モジュール10の放電を開始する。これにより、図5の期間T5に示すように、2つの単電池11A,11Bの電圧は低下し、図6の期間T5に示すように、電池モジュール10の電圧も低下する。
【0044】
ステップS106において、コントローラ30は、電圧センサ20の出力に基づいて、電池モジュール10のSOC(State Of Charge)を監視し、電池モジュール10のSOCが基準SOCに到達したか否かを判別する。基準SOCの値は、電池モジュール10の使用環境等に応じて、適宜設定することができる。電池モジュール10のSOCが基準SOCに到達したときには、ステップS107に進み、電池モジュール10の放電を停止する。
【0045】
電池モジュール10の放電を停止させたときに、単電池11Aの電圧はVA2となっており、単電池11Bの電圧はVB2となっている。また、単電池11A,11Bにおける電圧の差ΔV2は、初期状態における電圧差ΔV1よりも小さい。本実施例では、単電池11A,11Bの電圧を反応電位VRSに揃えた後に、放電を行っているため、電圧差ΔV2は、電圧差ΔV1よりも小さくなる。
【0046】
本実施例で説明した均等化制御を行えば、電池モジュール10を構成する複数の単電池11における電圧のバラツキを低減させることができる。そして、単電池11の電圧のバラツキを低減させた状態において、電池モジュール10の充放電制御を行うことができる。
【0047】
なお、本実施例で説明した均等化制御は、任意のタイミングで行うことができる。例えば、定期的に均等化制御を行うこともできるし、ユーザ等の指示を受けたときに均等化制御を行うこともできる。また、本実施例では、充電を行った後に、放電(図4のステップS105)を行っているが、これに限るものではない。すなわち、充電を行うだけでもよく、この場合には、単電池11A,11Bの電圧を反応電位VRSに揃えることができる。
【0048】
さらに、本実施例では、1つの電池モジュール10に対する均等化制御について説明したが、図3で説明した組電池40に対しても、本実施例で説明した均等化制御を行うことができる。具体的には、組電池40の全体に対して、均等化制御を行うことができる。また、バイパス回路を用いることにより、組電池40のうち、任意の電池モジュール10に対してだけ、均等化制御を行うことができる。ここで、バイパス回路は、均等化制御の対象とならない電池モジュール10を、充放電の電流経路から外すために用いられる。
【符号の説明】
【0049】
10:電池モジュール(蓄電モジュール) 11:単電池(蓄電素子)
12:発電要素 12:正極素子
13a:集電板 13b:正極活物質層
14:負極素子 14a:集電板
14b:負極活物質層 15:電解質層
20:電圧センサ 30:コントローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質中にレドックスシャトルを含む複数の蓄電素子が電気的に直列に接続された蓄電モジュールと、
前記蓄電モジュールにおける端子間の電圧を検出するための電圧センサと、
前記電圧センサの出力に基づいて、前記蓄電モジュールの充放電を制御するコントローラと、を有し、
前記コントローラは、少なくとも1つの前記蓄電素子の電圧を前記レドックスシャトルの反応電位に到達させながら、前記蓄電モジュールの充電を行うことを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
前記コントローラは、所定レートを維持しながら、前記蓄電モジュールの充電を行うことを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記蓄電モジュールにおける電圧の変化率が減少方向に変化したことに応じて、前記少なくとも1つの蓄電素子の電圧が前記反応電位に到達したことを判別することを特徴とする請求項2に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記蓄電モジュールにおける電圧の変化率が減少方向に変化した後に増加方向に変化したときには、前記蓄電モジュールの充電を停止することを特徴とする請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記蓄電モジュールの充電を停止した後に、放電を行うことを特徴とする請求項4に記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記反応電位は、前記各蓄電素子の充電制御に用いられる上限電圧よりも低いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄電システム。
【請求項7】
電解質中にレドックスシャトルを含む複数の蓄電素子が電気的に直列に接続された蓄電モジュールにおける端子間の電圧を検出する検出ステップと、
前記検出ステップでの検出結果に基づいて、前記蓄電モジュールの充放電を制御する制御ステップと、を有し、
前記制御ステップにおいて、少なくとも1つの前記蓄電素子の電圧を前記レドックスシャトルの反応電位に到達させながら、前記蓄電モジュールの充電を行うことを特徴とする蓄電モジュールの制御方法。
【請求項8】
前記制御ステップにおいて、所定レートを維持しながら、前記蓄電モジュールの充電を行うことを特徴とする請求項7に記載の蓄電モジュールの制御方法。
【請求項9】
前記制御ステップにおいて、前記蓄電モジュールにおける電圧の変化率が減少方向に変化したことに応じて、前記少なくとも1つの蓄電素子の電圧が前記反応電位に到達したことを判別することを特徴とする請求項8に記載の蓄電モジュールの制御方法。
【請求項10】
前記制御ステップにおいて、前記蓄電モジュールにおける電圧の変化率が減少方向に変化した後に増加方向に変化したときには、前記蓄電モジュールの充電を停止することを特徴とする請求項9に記載の蓄電モジュールの制御方法。
【請求項11】
前記制御ステップにおいて、前記蓄電モジュールの充電を停止した後に、放電を行うことを特徴とする請求項10に記載の蓄電モジュールの制御方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−3870(P2012−3870A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135601(P2010−135601)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】