説明

蓄電装置と発電装置を備えた電源システム及び電源システムの制御方法

【課題】単独運転中の電源回路において、蓄電装置の運転中に、後から電源回路に並列する発電装置の出力電圧に蓄電装置の出力電圧を合わせた後に、電源回路に発電装置を並列する。
【解決手段】電源システムは、電力系統101と負荷13に接続された電源回路102と、負荷13に並列に接続される蓄電装置11と、負荷13に並列に接続される発電装置12からなる。電源回路102には、電源回路102の電圧、蓄電装置11の出力電圧及び発電装置12の出力電圧を検出する電圧検出部31〜33がある。電圧検出部31〜33の検出結果は、蓄電装置11の出力電圧を設定する制御部21に入力される。蓄電装置11により電力が供給されている電源回路102に発電装置12を接続する場合、制御部21により蓄電装置11の出力電圧を発電装置12の出力電圧に追従させた後に、発電装置12を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統が停電となっても、電力を供給し続けなければならない負荷に対し、電力を供給するための蓄電装置と発電装置を備えた電源システム及び電源システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、瞬低・停電時に電力を補償し負荷に安定的に供給する電源装置として、原動機などのエネルギー発生手段を有さず、電力貯蔵手段(電気二重層キャパシタ、SMES、二次電池、フライホイールなど)に蓄えたエネルギーを放出することにより、短時間(数秒〜数時間)運転の継続が可能な蓄電装置がある。また、蓄電装置に比較して長時間の運転継続が可能な電源装置として、ディーゼルエンジン、ガスエンジンなどの原動機と回転式の発電機を有し、燃料がある限り、継続運転が可能な発電装置がある。また、回転機がない燃料電池も長時間の運転継続が可能な発電装置に含まれる。
【0003】
蓄電装置や発電装置などの電源装置は、補償できる電力に限りがあり、停電した全電力系統の電力全てを補償するのは効率的でない。そのため、ライフライン等の重要負荷に電力を供給するときには、電力系統と重要負荷及び電源装置が含まれる電源回路の間に設けられた開閉装置を開き、電力系統から電源回路を切り離す。そして、切り離した電源回路に対しては、蓄電装置または発電装置あるいは蓄電装置・発電装置双方から電力を供給する。発電装置が発電を開始するまでの間は、蓄電装置から電力を供給する(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
【0004】
このような従来技術の一例を、図6を用いて説明する。図6において、符号101は電力系統、102は電源回路であり、1、3、4、5は、これら電力系統101、電源回路102に設けられた開閉装置、2、6、7、8は同じく変圧器である。11は、電源回路102に接続された蓄電装置、12は同じく発電装置、13は同じく負荷、21は蓄電装置11の制御部である。制御部21は、電源回路102の電圧を電圧検出部31より入力すると共に、蓄電装置11の出力電圧を検出部32より入力して、これら電圧検出部31、32の検出値に基づいて蓄電装置11の出力電圧を制御する。
【0005】
このような構成のシステムにおいて、電力系統101が正常な場合には、電源回路102に負荷13と蓄電装置11のみが並列されている。発電装置12は解列され、停止している。負荷13は電力系統101から電力供給を受けている。蓄電装置11は、蓄電部(例えば二次電池)の蓄電量を計測し、蓄電量が基準値未満であれば電力系統101から充電し、蓄電量を基準範囲に維持する。
【0006】
電力系統101で瞬低または短時間停電が起きた場合について説明する。ここで、瞬低または短時間停電とは、蓄電装置11から負荷13へ電力供給を継続できる時間よりも短い時間の瞬時電圧低下または停電を指す。電力供給を継続できる時間は、蓄電部の種類、蓄電部の容量によって異なるが、キャパシタの場合は、数秒程度、NAS電池の場合は、数時間である。
【0007】
瞬低または短時間停電が発生する前、電源回路102は、電力系統101に接続されており、電源回路102には、負荷13と蓄電装置11のみが並列されている。発電装置12は解列され、停止している。負荷13は電力系統から電力供給を受けている。
【0008】
電力系統101で瞬低または停電が起きると、制御部21は、電源回路102の電圧低下を検出し、開閉装置1を開く。そして、電源回路102の電圧を基準値近傍に保つために、蓄電装置11に放電の指令を出し、負荷13に電力を供給する。この時、蓄電装置11からの出力電圧は、電力系統101が停電していないときに検出部31より検出した電源回路102の電圧である。
【0009】
瞬低または短時間停電の場合、蓄電量の方が放電量よりも多いので、電力系統101の電圧が復帰し開閉装置1が閉入されるまで、電源回路102に対する電力供給は、蓄電装置11により継続することが可能である。電力系統101の電圧が復帰し、開閉装置1が閉入されると負荷13は電力系統101から電力供給を受ける。瞬低または短時間停電の場合、発電装置12を始動する必要はない。
【0010】
次に、電力系統101で長時間停電が起きた場合について説明する。ここで、長時間停電とは、蓄電装置11から負荷13へ電力供給を継続できる時間よりも長い時間の停電を指す。長時間停電の場合、蓄電装置11から負荷13へ電力供給を継続することができないので、負荷13へ電力供給を継続するためには、電源12を始動し、電源回路102に並列する必要がある。
【0011】
長時間停電が発生する前、電源回路102は、電力系統101に接続されており、電源回路102には、負荷13と蓄電装置11のみが並列されている。発電装置12は解列され、停止している。負荷13は電力系統101から電力供給を受けている。
【0012】
電力系統101で停電が起きると、制御部21は、電源回路102の電圧低下を検出し、開閉装置1を開く。そして、電源回路102の電圧を基準値近傍に保つために、蓄電装置11に放電の指令を出し、負荷13に電力を供給する。この時、蓄電装置11からの出力電圧は、電力系統101が停電していないときに検出部31より検出した電源回路102の電圧とする。
【0013】
停電時間が基準時間以上になると、発電装置12に始動指令が出され、発電装置12が始動する。発電装置12の始動時間は、一般的に、普通形非常用発電装置で40秒以下、即時形非常用発電装置で10秒以下である。発電装置12の回転速度が定格回転速度近傍になり、電圧が定格電圧近傍になると、開閉装置4を閉入し、発電装置12を電源回路102に並列する。発電装置12を並列に接続させることにより、発電装置12により負荷13に対して長時間にわたって電力を供給することが可能になる。
【0014】
【特許文献1】特開平8−103037
【特許文献2】特開2001−61238
【特許文献3】特開2005−229701
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述のような従来の電源システムでは、蓄電装置11によって電力を供給されている電源回路102に発電装置12を並列する際に、発電装置12の出力電圧と蓄電装置11の出力電圧の位相、振幅及び周波数が合致していれば、発電装置12と蓄電装置11の間で電力の授受は無く、電流が流れない。しかし、発電装置12の出力電圧と蓄電装置11の出力電圧の位相、電圧振幅、周波数に差があると、発電装置12と蓄電装置11の間で電力を授受し、電流が流れる。発電装置12と蓄電装置11の出力電圧の位相差、振幅差、周波数差が大きい場合には、この電流値が大きくなり、この電流値が発電装置12や蓄電装置11が装備している保護装置の保護レベルを超えると、発電装置12や蓄電装置11が保護停止し、運転を継続できなくなり、負荷13への電力供給を継続できなくなる。
【0016】
すなわち、蓄電装置11から電源回路102を介して負荷13に電力を供給している状態で、後から発電装置12を電源回路102に並列する場合、蓄電装置11の出力電圧と発電装置13の出力電圧との位相差、振幅差、周波数差によって、蓄電装置11と発電装置12の少なくとも一方が過電流となり、蓄電装置11と発電装置12の少なくとも一方が保護停止して、運転を継続できなくなる問題点がある。このような問題点は特許文献1〜3に記載されている発明においても同様である。
【0017】
例えば、図6の従来技術において、蓄電装置11から電源回路102を介して負荷13に電力を供給している場合、蓄電装置11の出力電圧は、電力系統101が停電し、開閉装置1が開放される前に電圧検出部31より検出した電源回路102の電圧である。一方、後から発電装置12を電源回路102に並列する場合、発電装置12の出力電圧は、発電装置12の定格電圧に設定されている。電源回路102の電圧は、電力系統101の電圧と負荷13の状態により決まり、一定とは限らないので、発電装置12の出力電圧と電源回路102に電力を供給する蓄電装置11の出力電圧には差が生じ、電源装置12と蓄電装置11との間で横流が流れ、電圧差が大きい場合には、過電流となり運転を継続できないことになる。
【0018】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するため、蓄電装置の運転時において、後から電源回路に並列する発電装置の出力電圧に蓄電装置の出力電圧を合わせた後に、電源回路に発電装置を並列することにより、過電流を抑制し、蓄電装置と発電装置が保護停止することを防ぐことができる電源システム及び電源システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記の目的を達成するために、本発明に係る蓄電装置と発電装置を備えた電源システムでは、電力系統及び負荷に接続された電源回路と、前記電源回路に対して前記負荷と並列に接続される蓄電装置と、前記電源回路に対して前記負荷及び蓄電装置と並列に接続される発電装置と、前記電源回路の前記蓄電装置の出力電圧及び前記発電装置の出力電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部の検出結果から、前記蓄電装置の出力電圧を設定する制御部を備え、前記電源回路が前記電力系統から切り離された後、前記蓄電装置により電力が供給されている前記電源回路に前記発電装置を接続する場合、前記制御部により前記蓄電装置の出力電圧を前記発電装置の出力電圧に追従させた後に、前記発電装置を接続することを特徴とする。
【0020】
なお、前記のような構成を有する蓄電装置と発電装置を備えた電源システムにおいて、蓄電装置の出力電圧の位相、振幅、周波数の少なくとも1つを発電装置の出力電圧の位相、振幅、周波数の少なくとも1つに追従させた後に、発電装置を接続することを特徴とする蓄電装置と発電装置を備えた電源システムも本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、蓄電装置及び発電装置の電圧が合った状態で電源回路に発電装置を並列するので、過電流を抑制し、蓄電装置と発電装置が保護停止することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る蓄電装置と発電装置を備えた電源システムの各実施形態について、図1〜5を参照して説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
[構成]
図1は、第1の実施形態における蓄電装置と発電装置を備えた電源システムの基本的な構成を示す構成図である。図1において、符号101は電力系統、102は電源回路であり、1、3、4、5は、これら電力系統101、電源回路102に設けられた開閉装置、2、6、7、8は同じく変圧器である。11は電源回路102に接続された蓄電装置、12は同じく発電装置、13は同じく負荷、21は蓄電装置11の制御部である。この制御部21は、電源回路102の電圧を電圧検出部31より入力すると共に、蓄電装置11の出力電圧を検出部32より入力して、さらに発電装置12の出力電圧を検出部33より検出して、これら電圧検出部31〜33の検出値に基づいて蓄電装置11の出力電圧を制御する。
【0024】
[作用]
前記のような構成を有する第1の実施形態では、電力系統101が正常な場合には、負荷13は、電力系統101から開閉装置1と変圧器2を介して電源回路102から電力供給を受けている。このとき、開閉装置3は投入された状態であり、開閉装置4は開放された状態である。電源回路102には、負荷13と蓄電装置11のみが並列されている。発電装置12は、停止している。蓄電装置11は、制御装置からの指令値に応じて、電源回路102から充電、または、放電している。
【0025】
電力系統101で停電が起きた場合について説明する。電力系統101で、停電が発生すると、電源回路102の電圧が低下する。この電源回路102の電圧低下を制御部21で検出し、電力系統101と電源回路102を切り離すため制御部21が開閉装置1を開放する。開閉装置1を開放した後に、制御部21が蓄電装置11の出力電圧を制御し、低下した電源回路102の電圧を回復させる。蓄電装置11からは、変圧器6、開閉装置3、開閉装置5、変圧器8を介して負荷13に電力が供給される。電源回路102が電力系統101から切り離され、単独運転に移行すると、電力系統101の電圧が喪失するため、電源回路102の電圧を蓄電装置11の出力電圧の制御目標値とすることができなくなくなる。そのため、制御部21は、制御部21の内部で設定された自走用出力電圧指令値を制御目標値として、蓄電装置11の出力電圧を制御する。
【0026】
さらに、停電時間が基準時間以上になると、発電装置12に始動指令が出され、発電装置12が始動し、発電を開始する。発電装置12が発電を開始するまでの時間は、一般的に、普通形非常用発電装置で40秒以下、即時形非常用発電装置で10秒以下である。発電装置12の回転速度が定格回転速度近傍、電圧が定格電圧近傍に達し、発電装置12を電源回路102に並列する条件が成立すると、制御部21は、蓄電装置11の出力電圧の制御目標値を自走用出力電圧指令値から電圧検出部33で検出した発電装置12の出力電圧値に切替える。
【0027】
蓄電装置11の出力電圧は、発電装置12の出力電圧に追従するので、電源回路102の電圧も発電装置12の出力電圧に追従する。すなわち、開閉装置4の電源回路102側の電圧と、発電装置12側の電圧が一致することになる。蓄電装置11の出力電圧が発電装置12の出力電圧に一致した後、開閉装置4を投入し、蓄電装置11と発電装置12の並列運転を開始する。
【0028】
[効果]
以上のように、蓄電装置11の出力電圧及び電源回路102の電圧を発電装置12の出力電圧に一致させた後に、開閉装置4を投入するので、開閉装置4の投入時に蓄電装置11と発電装置12の間の電圧差によって、過電流が流れることが無い。このため、蓄電装置11または発電装置12の保護装置が作動することが無く、負荷13に対して蓄電装置11と発電装置12の並列運転による給電を継続して行うことが可能になる。
【0029】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、制御部21が蓄電装置11の出力電圧の位相を発電装置12の位相に合わせる手段を有するものである。
【0030】
図2は、第2の実施形態における電源システムの制御部21の構成を示す図である。
符号21は蓄電装置11の制御部であり、電圧検出部32からの蓄電装置11の出力電圧、電圧検出部33からの発電装置12の出力電圧及び電圧検出部31からの電源回路102の電圧を入力する。制御部21に入力された蓄電装置11の出力電圧は、制御部21に設けられた振幅演算部21aに入力される。振幅演算部21aの出力側には加算部21hが設けられ、この加算部21hには、制御部21に設けられた電圧指令発生部21cの出力が入力される。加算部21hの出力は、電圧振幅制御部21fを介して、三相電圧指令発生部21gに入力される。
【0031】
一方、制御部21に入力された電圧回路102の電圧及び発電装置12の出力電圧は、内部に切替部21dを有する入力電圧切替部21rを介して、位相基準PLL21eに入力される。また、位相基準PLL21eには後述するPLL自走運転指令も入力される。PLL自走運転指令が入力されると、位相基準PLL21eは、自走運転モードに切替わり、自走用位相基準値を出力する。位相基準PLL21eの出力は、前記三相電圧指令発生部21gに入力される。三相電圧指令発生部21gの出力は、蓄電装置11の出力電圧指令として、制御部21より出力される。
【0032】
前記位相基準PLL21eに入力されるPLL自走運転指令は、本実施形態では、図中の論理図に示すように、発電装置並列条件成立のNOTと、発電装置並列運転中のNOTと、電源回路単独運転(開閉装置1の開)とのAND条件が成立した場合に出力される。すなわち、図1の開閉装置1が開になって電源回路102が電力系統101から切り離された状態において、発電装置並列の条件が不成立で、且つ、発電装置が並列運転していない状態(発電装置の投入前)においては、位相基準PLL21eにPLL自走運転指令が入力される。なお、その他の状態においては、位相基準PLL21eは、前記入力電圧切替部21rからの発電装置12の出力電圧の位相に追従した位相基準値を出力する。
【0033】
このような構成の制御部21を有する第2の実施形態では、電力系統101が健全で、電源回路102が電力系統101に連系されているときは、位相基準PLL21eは、追従運転モードであり、電源回路102の電圧の位相に追従した位相基準値を三相電圧指令発生部21gに出力する。一方、電力系統101が停電し、開閉装置1が開放され、電源回路102が単独運転になり、蓄電装置11のみで電源回路102に電力を供給する場合は、位相基準PLL21eは、追従運転モードから自走運転モードに切替えられ、自走用位相基準値を出力する。すなわち、電力系統101が停電する直前の電源回路102の電圧の周波数で変化する自走用位相基準値を三相電圧指令発生部21gに出力する。三相電圧指令発生部21gでは、位相と振幅から求められる極座標から三相の交流波形を算出する。位相基準PLL21eの出力である位相基準値と、電圧振幅制御21fの出力である蓄電装置11の出力電圧の振幅指令値を入力し、三相の出力電圧指令値に変換する。
【0034】
電力系統101が停電し、開閉装置1が開放され、蓄電装置11のみで電力を供給している電源回路102に発電装置12を並列する場合には、入力電圧切替部21rの切替部21dで、位相基準PLL21eに入力する電圧を、電源回路102の電圧から検出部33で検出した発電装置12の出力電圧に切替える。
【0035】
このような構成の制御部21を有する第2の実施形態では、発電装置12の回転速度が定格回転速度近傍になり、電圧が定格電圧近傍に達し、発電装置12を電源回路102に並列する条件が成立すると、位相基準PLL21eは、自走運転モードから追従運転モードに切替えられ、発電装置12の出力電圧位相に追従した位相基準値を出力する。その結果、蓄電装置11の出力電圧の位相は、発電装置12の出力電圧の位相に追従し、電源回路102の電圧位相と、発電装置12の電圧位相を合わせた状態で開閉装置4を投入することができるので、開閉装置4の投入時に蓄電装置11と発電装置12との間で過電流が流れることが無い。このため、蓄電装置11または発電装置12の保護装置が作動することが無く、負荷13に対して蓄電装置11と発電装置12の並列運転による給電を継続して行うことが可能になる。発電装置12が並列運転を開始した後も、位相基準PLL21eは、追従運転モードを継続するので、蓄電装置11の出力電圧の位相は、発電装置12の出力電圧の位相に追従する。
【0036】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態は、制御部21が蓄電装置11の出力電圧の振幅を発電装置の出力電圧の振幅に合わせる手段を有するものである。
【0037】
図3は、第3の実施形態における電源システムの制御部21の構成を示す図である。
符号21は制御部であり、電圧検出部32からの蓄電装置11の出力電圧、電圧検出部33からの発電装置12の出力電圧及び電圧検出部31からの電源回路102の電圧を入力する。制御部21に入力された蓄電装置11の出力電圧は、制御部21に設けられた振幅演算部21aに入力される。振幅演算部21aの出力側には加算部21hが設けられ、加算部21hの出力は、電圧振幅制御部21fを介して、三相電圧指令発生部21gに入力される。
【0038】
一方、制御部21に入力された発電装置12の出力電圧は、制御部21に設けられた振幅演算部21aに入力される。振幅演算部21aの出力は、内部切替部21dを有する振幅指令切替部21qに入力される。この振幅指令切替部21qには、制御部21に設けられた電圧指令発生部21cの出力も入力される。振幅指令切替部21qの出力側には前記加算部21hが設けられ、加算部21hの出力は、電圧振幅制御部21fを介して、三相電圧指令発生部21gに入力される。
【0039】
また、制御部21に入力された電圧回路102の電圧は、制御部21に設けられた位相基準PLL21eに入力される。位相基準PLL21eにはPLL自走運転指令も入力され、PLL自走運転指令が入力されると、位相基準PLL21eは、追従運転モードから自走運転モードに切替り、自走用位相基準値を出力する。また、本実施形態においては、第2の実施形態として図2中に論理図として示した上述の論理条件が整った場合に、位相基準PLL21eにPLL自走運転指令を出力すると同時に、振幅指令切替部21qの内部切替部21dを前記電圧指令発生部21c側に切り替える切替指令も出力する。また、位相基準PLL21eの出力は、前記三相電圧指令発生部21gに入力される。三相電圧指令発生部21gの出力は、蓄電装置11に対する出力電圧指令として、制御部21より出力される。
【0040】
このような構成の制御部21を有する第3の実施形態では、電力系統101が健全で、電源回路102が電力系統101に連系されているときは、位相基準PLL21eは、追従運転モードであり、電源回路102の電圧の位相に追従した位相基準値を三相電圧指令発生部21gに出力する。一方、電力系統101が停電し、開閉装置1が開放され、電源回路102が単独運転になり、蓄電装置11のみで電源回路102に電力を供給する場合は、位相基準PLL21eは、自走運転モードに切替えられ、自走用位相基準値を出力する。すなわち、電力系統101が停電する直前の電源回路102の電圧の周波数で変化する自走用位相基準値を三相電圧指令発生部21gに出力する。三相電圧指令発生部21gでは、位相と振幅から求められる極座標から三相の交流波形を算出する。位相基準PLL21eの出力である位相基準値と、電圧振幅制御21fの出力である蓄電装置11の出力電圧の振幅指令値を入力し、三相の電圧指令信号に変換する。
【0041】
電力系統101が停電し、開閉装置1が開放され、蓄電装置11のみで電力を供給している電源回路102に発電装置12を並列する場合には、振幅指令切替部21qからの出力を振幅指令切替部21qの内部の切替部21dで、電圧指令発生部21cの出力から発電装置12の出力電圧の振幅を演算する振幅演算21aの出力に切替えて出力する。
【0042】
電圧振幅制御21fは、電圧指令発生部21cで設定された電圧指令または発電装置12の出力電圧の振幅を演算する振幅演算21aの出力と、蓄電装置11の出力電圧から振幅演算21aで算出した蓄電装置の出力電圧の振幅の差分をとった値を入力し、差分を0にするよう蓄電装置11の出力電圧指令を操作する。三相電圧指令発生部21gは、位相と振幅で示される極座標から三相の交流波形を算出する。位相基準PLL21eの出力である位相基準値と、電圧振幅制御21fの出力である蓄電装置11の出力電圧の振幅指令値を入力し、三相の出力電圧指令値に変換する。
【0043】
このような構成の制御部21を有する第3の実施形態では、発電装置12の回転速度が定格回転速度近傍になり、電圧が定格電圧近傍に達し、発電装置12を電源回路102に並列する条件が成立すると、電圧振幅制御部21fで、蓄電装置11の出力電圧の振幅の値と比較する値を、電圧指令発生部21cの出力から発電装置12の出力電圧が入力される振幅演算部21aからの出力に切替えることにより、蓄電装置11の出力電圧の振幅を電圧指令発生部21cで設定された振幅でなく、発電装置12の出力電圧の振幅に追従させることができる。
【0044】
その結果、開閉装置4の投入時に電源回路102の電圧の振幅と、発電装置12の出力電圧の振幅を合わせることができ、開閉装置4の投入時に蓄電装置11または発電装置12との間で過電流が流れることが無い。このため、蓄電装置11または発電装置12の保護装置が作動することが無く、負荷13に対して蓄電装置11と発電装置12の複数台による給電を継続して行うことが可能になる。
【0045】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態は、前記第2と第3の実施形態を組合せたもので、制御部21が蓄電装置11の出力電圧の位相及び振幅を発電装置12の出力電圧の位相及び振幅に合わせる方法を有するものである。本発明の第4の実施形態の電源システムの構成を図4に示す。なお、前記第2と第3の実施形態と同一の部分の構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0046】
この第4の実施形態において、電力系統101が健全で、電源回路102が電力系統101に連系されているときは、位相基準PLL21eは、追従運転モードであり、電源回路102の電圧の位相に追従した位相基準値を三相電圧指令発生部21gに出力する。一方、電力系統101が停電し、蓄電装置11のみで電源回路102に電力を供給する場合は、位相基準PLL21eは、自走運転モードに切替えられ、電力系統101が停電する直前の電源回路102の電圧の周波数で変化する自走用位相基準値を三相電圧指令発生部21gに出力する。
【0047】
電力系統101が停電し、蓄電装置11により電力を供給している電源回路102に発電装置12を並列させる場合には、入力電圧切替部21rの切替部21dで、位相基準PLL21eに入力する電圧を、電源回路102の電圧から発電装置12の出力電圧に切替える。同時に、振幅指令切替部21qの切替部21dで、加算部21hに出力する電圧の振幅を、電圧指令発生部21cの出力から、発電装置12の出力電圧の振幅を演算する振幅演算部21aの出力へ切替える。
【0048】
このような構成の第4の実施形態では、発電装置12の回転速度が定格回転速度近傍になり、電圧が定格電圧近傍に達し、発電装置12を電源回路102に並列条件が成立すると、位相基準PLL21eは、自走運転モードから追従運転モードに切替えられ、発電装置12の出力電圧位相に追従した位相基準値を出力する。また、制御部21が出力する蓄電装置11に対する電圧振幅指令値は、電圧指令発生部21cの出力に基づいて演算された電圧振幅指令値から、振幅演算部21aで演算した電源装置12の出力電圧の振幅に追従した電圧振幅指令値に切替わる。これにより、蓄電装置11の出力電圧の位相と振幅を発電装置12の出力電圧の位相と振幅に追従させることができる。
【0049】
以上のような第4の実施形態によれば、開閉装置4の投入時に電源回路102の電圧の位相及び振幅と、発電装置12の出力電圧の位相及び振幅を合わせることができる。よって、開閉装置4の投入時に蓄電装置11または発電装置12との間で過電流が流れることが無い。このため、蓄電装置11または発電装置12の保護装置が作動することが無く、負荷13に対して蓄電装置11と発電装置12の並列運転による給電を継続して行うことが可能になる。
【0050】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態は、第4の実施形態と同様に制御部21が蓄電装置11の出力電圧の位相及び振幅を発電装置の位相及び振幅に合わせる方法を有するものである。第4の実施形態との差異は、第4の実施形態が三相電圧指令発生部21gで、位相と振幅で示される極座標から三相の交流波形を算出していたのに対し、第5の実施形態では、電圧をd軸成分及びq軸成分に変換した直交座標より三相の交流波形を算出することである。
【0051】
本発明の第5の実施形態の構成を図5に示す。
符号21は制御部であり、電圧検出部32からの蓄電装置11の出力電圧、電圧検出部33からの発電装置12の出力電圧及び電圧検出部31からの電源回路102の電圧を入力する。制御部21に入力された蓄電装置11の出力電圧は、制御部21に設けられたdq軸電圧制御部21tのdq軸電圧演算部21jに入力される。dq軸電圧演算部21jから出力されるd軸電圧及びq軸電圧の演算結果の出力側には、それぞれ加算部21hが設けられる。加算部21hの出力は、d軸電圧振幅制御部21m及びq軸電圧振幅制御部21nを介して、三相電圧指令発生部21pに入力される。
【0052】
一方、制御部21に入力された電源回路102の電圧は、制御部21に設けられた内部に切替部21dを有する入力電圧切替部21rを介して、位相基準PLL21eに入力される。位相基準PLL21eにはPLL自走運転指令も入力され、PLL自走運転指令が入力されると、位相基準PLL21eは、追従運転モードから自走運転モードに切替り、自走用位相基準値を出力する。位相基準PLL21eの出力は、前記dq軸電圧制御部内部のdq軸電圧演算部21jと三相電圧指令発生部21pに入力される。
【0053】
さらに、制御部21に入力された発電装置12の出力電圧は、前記入力電圧切替部21rとdq軸電圧指令切替部21sに入力される。dq軸電圧指令切替部21sの内部には、dq軸電圧演算部21jが設けられており、dq軸電圧演算部21jから出力されるd軸電圧及びq軸電圧の演算結果の出力側には、dq軸電圧制御部21tの内部にある加算部21hが設けられる。dq軸電圧制御部21tの内部にある加算部21hの出力は、d軸電圧振幅制御部21m及びq軸電圧振幅制御部21nを介して、三相電圧指令発生部21pに入力される。
【0054】
この第5の実施形態において、電力系統101が健全で、電源回路102が電力系統101に連系されているときは、位相基準PLL21eは、追従運転モードであり、電源回路電圧102の位相に追従した位相基準値を三相電圧指令発生部21pに出力する。電力系統101が停電し、開閉装置1が開放され、電源回路102が単独運転になると、位相基準PLL21eは、自走運転モードに切替えられ、電力系統101が停電する直前の電源回路102の電圧の周波数で変化する位相基準値をdq軸電圧制御部21tの内部にあるdq軸電圧演算部21jと三相電圧指令発生部21pに出力する。
【0055】
電力系統101が停電し、開閉装置1が開放され、蓄電装置11のみで電源回路102に電力を供給する場合には、dq軸電圧制御部21tの内部にあるdq軸電圧演算部21jは、位相基準PLL21eから出力される位相基準値と蓄電装置11の出力電圧を入力し、それぞれをd軸電圧とq軸電圧とに変換する。変換されたd軸電圧とq軸電圧は、d軸電圧制御部21mとq軸電圧制御部21nに入力される。d軸電圧制御部21mは、d軸電圧指令発生部21cdで設定されたd軸電圧指令と蓄電装置d軸電圧の差分をとった値を入力し、差分を0にするように蓄電装置11の出力電圧指令を操作する。q軸電圧制御部21nは、q軸電圧指令発生部21cqで設定されたq軸電圧指令と蓄電装置q軸電圧の差分をとった値を入力し、差分を0にするように蓄電装置11の出力電圧指令を操作する。
【0056】
ここで、三相電圧指令発生部21pにより、d軸、q軸で示される直交座標から三相の交流波形を算出することは、振幅及び位相を算出することと同じことになる。三相電圧指令発生部21pは、位相基準PLL21eの出力である位相基準値と、d軸電圧制御部21m及びq軸電圧制御部21nの出力であるd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を入力し、三相の電圧指令値、すなわち、蓄電装置11の出力電圧指令に変換する。
【0057】
以上により、制御部21は電力系統101で停電が発生すると、蓄電装置11の出力電圧を位相基準PLL21eから出力される自走用位相基準値、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値から三相電圧指令発生部21pにより演算された三相交流電圧に制御する。
【0058】
電力系統101が停電し、蓄電装置11から開閉装置1が開放され、蓄電装置11のみで電力を供給している電源回路102に発電装置12を並列する場合には、発電装置12の出力電圧をdq軸電圧指令切替部21sの内部にあるd、q軸に変換するdq演算部21jにより演算する。dq軸電圧指令切替部21sでは、切替部21dにより、d軸電圧指令発生部21cd及びq軸電圧指令発生部21cqの出力であるd軸電圧指令及びq軸電圧指令からdq電圧演算部21jの演算結果に切替える。また、入力電圧切替部21rの切替部21dで、位相基準PLL21eに入力する電圧を、電源回路102電圧から発電装置12から入力した発電装置の出力電圧に切替えて位相基準PLL21eに出力する。
【0059】
このような構成の制御部21を有する第5の実施形態では、発電装置12の回転速度が定格回転速度近傍になり、電圧が定格電圧近傍に達し、発電装置12を電源回路に並列する条件が成立すると、dq軸電圧指令切替部21sの内部のd軸電圧指令発生部21cd及びq軸電圧指令発生部21cqで設定したd軸電圧指令及びq軸電圧指令から、dq軸電圧指令切替部21sの内部のdq演算部21jで演算した発電装置12の出力電圧のd軸電圧成分及びq軸電圧成分に切替えることにより、蓄電装置11の出力電圧のd、q軸成分を、発電装置12の出力電圧のd、q軸成分に追従させる。
【0060】
ここで、d、q軸成分に変換した直交座標と、振幅及び位相で表される極座標とは、1対1の関係にある。すなわち、d、q軸成分で制御した結果、蓄電装置11の出力電圧のd、q軸成分と発電装置12の出力電圧のd、q軸成分が、それぞれ一致するということは、蓄電装置11の出力電圧の位相及び振幅と発電装置12の出力電圧の位相及び振幅が、それぞれ一致することと等価である。
【0061】
このような制御部21を有する第5の実施形態では、発電装置12の回転速度が定格回転速度近傍になり、電圧が定格電圧近傍に達し、発電装置12を電源回路102に並列する条件が成立すると、蓄電装置11の出力電圧の位相及び振幅は、発電装置12の出力電圧の振幅及び位相に追従する。その結果、電源回路102の電圧の位相及び振幅を発電装置の出力電圧の位相及び振幅に合わせた状態で開閉装置4を投入できるので、開閉装置4の投入時に蓄電装置11と発電装置12との間で過電流が流れることが無い。このため、蓄電装置11または発電装置12の保護装置が作動することが無く、負荷13に対して蓄電装置11と発電装置12の並列運転による給電を継続して行うことが可能になる。
【0062】
[他の実施形態]
また、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も包含する。
(a)蓄電装置11の出力電圧は、各実施形態では、図1に示した開閉装置3と変圧器6の間の電圧を検出しているが、変圧器6と蓄電装置11の間の電圧を用いてもよい。この場合、必要に応じて変圧器6のインピーダンス分による電圧変化分を電圧指令に加味することができる。
【0063】
(b)発電装置11の出力電圧は、各実施形態では、図1に示した開閉装置4と変圧器7の間の電圧を検出しているが、変圧器7と発電装置11の間の電圧を用いてもよい。この場合、必要に応じて変圧器7のインピーダンス分による電圧変化分を電圧指令に加味することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第5の実施形態の構成を示す回路図である。
【図6】従来の電源システムの構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0065】
101…電力系統
102…電源回路
1、3、4、5…開閉装置
2、6、7、8…変圧器
11…蓄電装置
12…発電装置
13…負荷
21…制御部
21a…振幅演算部
21c…電圧指令発生部
21cd…d軸電圧指令発生部
21cq…q軸電圧指令発生部
21d…入力電圧切替部
21e…位相基準PLL
21f…電圧振幅制御部
21g…三相電圧指令発生部(極座標→三相電圧)
21h…加算部
21j…dq演算部
21m…d軸電圧制御部
21n…q軸電圧制御部
21p…三相電圧指令発生部(dq軸→三相電圧)
21q…振幅指令切替部
21r…入力電圧切替部
21s…dq軸電圧指令切替部
21t…dq軸電圧制御部
31、32、33…電圧検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統及び負荷に接続された電源回路と、
前記電源回路に対して前記負荷と並列に接続される蓄電装置と、
前記電源回路に対して前記負荷と並列に接続される発電装置と、
前記電源回路の前記蓄電装置の出力電圧及び前記発電装置の出力電圧を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部の検出結果から、前記蓄電装置の出力電圧を制御する制御部を備えた電源システムにおいて、
前記電源回路が前記電力系統から切離された後、
前記蓄電装置により電力が供給されている前記電源回路に前記発電装置を接続する場合、
前記制御部により前記蓄電装置の出力電圧を前記発電装置の出力電圧に追従させた後に、前記発電装置を接続することを特徴とする蓄電装置と発電装置を備えた電源システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記蓄電装置により電力が供給されている前記電源回路に前記発電装置を接続する場合、前記蓄電装置の出力電圧の位相を前記発電装置の出力電圧の位相に追従させることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置と発電装置を備えた電源システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記蓄電装置により電力が供給されている前記電源回路に前記発電装置を接続する場合、前記蓄電装置の出力電圧の振幅を前記発電装置の出力電圧の振幅に追従させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電装置と発電装置を備えた電源システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記蓄電装置により電力が供給されている前記電源回路に前記発電装置を接続する場合、前記蓄電装置の出力電圧の周波数を前記発電装置の出力電圧の周波数に追従させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電装置と発電装置を備えた電源システム。
【請求項5】
前記制御部は、
入力電圧切替部により切り替えられる電源回路電圧または発電装置の出力電圧により前記蓄電装置の出力電圧の位相基準を決定する位相基準PLLと、
前記位相基準PLLの位相基準情報に基づいて、蓄電装置の三相出力電圧の指令値を出力する三相電圧指令発生部を備えることを特徴とする請求項2に記載の蓄電装置と発電装置を備えた電源システム。
【請求項6】
前記制御部は、
蓄電装置の出力電圧の振幅を演算する振幅演算部と、
予め決定された振幅の指令を出力する電圧指令発生部と、
発電装置の出力電圧の振幅を演算する振幅演算部と、
加算部に入力する振幅の情報を前記電圧指令発生部の出力と発電装置の出力電圧の振幅を演算する振幅演算部の出力とで切り替える振幅指令切替部と、
前記蓄電装置の出力電圧の振幅を演算する振幅演算部と前記振幅指令切替部の出力の差分を計算する加算部と、
前記加算部で計算した差分を0にするように前記蓄電装置の出力電圧の振幅を決定する電圧振幅制御部と、
前記電圧振幅制御部の電圧振幅情報により、蓄電装置の三相出力電圧の指令値を出力する三相電圧指令発生部を備えることを特徴とする請求項3または請求項5に記載の蓄電装置と発電装置を備えた電源システム。
【請求項7】
前記制御部は、
蓄電装置の出力電圧のd軸電圧及びq軸電圧を演算するdq軸演算部と、
予め決定されたd軸電圧の指令値を出力するd軸電圧指令発生部と、
予め決定されたq軸電圧の指令値を出力するq軸電圧指令発生部と、
発電装置の出力電圧のd軸電圧及びq軸電圧を演算するdq軸演算部と、
加算部に入力するd軸電圧及びq軸電圧の情報を前記d軸電圧指令発生部及びq軸電圧指令発生部の出力と発電装置の出力電圧のd軸電圧及びq軸電圧を演算するdq軸演算部の出力とで切り替えるdq軸電圧指令切替部と、
前記蓄電装置の出力電圧のd軸電圧及びq軸電圧を演算するdq軸演算部と前記dq軸電圧指令切替部の出力の差分を計算する加算部と、
前記加算部で計算した差分を0にするように蓄電装置の出力電圧のd軸電圧を決定するd軸電圧制御部と、
前記加算部で計算した差分を0にするように蓄電装置の出力電圧のq軸電圧を決定するq軸電圧制御部と、
入力電圧切替部により切り替えられる電源回路電圧または発電装置の出力電圧により前記蓄電装置の出力電圧の位相基準を決定する位相基準PLLと、
前記d軸電圧制御部及びq軸電圧制御部と前記位相基準PLLとの情報により、蓄電装置の出力電圧の指令値を出力する三相電圧指令発生部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置と発電装置を備えた電源システム。
【請求項8】
電力系統及び負荷に接続された電源回路と、
前記電源回路に対して前記負荷と並列に接続される蓄電装置と、
前記電源回路に対して前記負荷と並列に接続される発電装置と、
を備える電源システムの制御方法において、
前記蓄電装置により電力が供給されている前記電源回路に前記発電装置を接続する場合、前記蓄電装置の出力電圧を前記発電装置の出力電圧に追従させた後に、前記発電装置を接続することを特徴とする電源システムの制御方法。
【請求項9】
前記蓄電装置の出力電圧を前記発電装置の出力電圧に追従させるにあたり、前記蓄電装置の出力電圧の位相を前記発電装置の出力電圧の位相に追従させることを特徴とする請求項8に記載の電源システムの制御方法。
【請求項10】
前記蓄電装置の出力電圧を前記発電装置の出力電圧に追従させるにあたり、前記蓄電装置の出力電圧の振幅を前記発電装置の出力電圧の振幅に追従させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電源システムの制御方法。
【請求項11】
前記蓄電装置の出力電圧を前記発電装置の出力電圧に追従させるにあたり、前記蓄電装置の出力電圧の周波数を前記発電装置の出力電圧の周波数に追従させることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の電源システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−115097(P2010−115097A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288164(P2008−288164)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】