蓋付き物品
【課題】蓋の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生が抑えられた蓋付き物品を提供する。
【解決手段】本体装置110と表示装置120とを有したノートPC100が、ロック用部品113を備えた。ロック用部品113は、本体装置110に組み込まれた、決まった経路で移動が自在な部品である。このロック用部品113は、ロック部114を有する。ロック部114は、表示装置120の被係合部122と係合して表示装置120を閉状態に保つ。また、ロック用部品113は、上記経路の一端側から他端側へと移動操作されることで、被係合部122から離れる方向へと移動させて係合を解く。さらに、ロック用部品113は、移動操作の後段で表示装置120に斜面115によって表示装置120を押し上げる。
【解決手段】本体装置110と表示装置120とを有したノートPC100が、ロック用部品113を備えた。ロック用部品113は、本体装置110に組み込まれた、決まった経路で移動が自在な部品である。このロック用部品113は、ロック部114を有する。ロック部114は、表示装置120の被係合部122と係合して表示装置120を閉状態に保つ。また、ロック用部品113は、上記経路の一端側から他端側へと移動操作されることで、被係合部122から離れる方向へと移動させて係合を解く。さらに、ロック用部品113は、移動操作の後段で表示装置120に斜面115によって表示装置120を押し上げる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、本体と蓋とを備えた蓋付き物品に関する。
【背景技術】
【0002】
本体と蓋とを備えた蓋付き物品の一例として、ノート型のパーソナルコンピュータ(ノートPC)が挙げられる。ノートPCでは、液晶パネル等が収納された表示装置と、CPUやメモリ等が収納された本体装置とがヒンジによって連結されている。これにより、表示装置が本体装置に対して回動自在となり、ノートPCは、液晶パネルがユーザ側を向くように本体装置に対して表示装置が開いた開状態と、その液晶パネルが本体装置に重なった閉状態とを自在に取り得ることとなる。このようなノートPCでは、表示装置を上記の蓋付き物品の蓋と捉え、本体装置を蓋付き物品の本体と捉えることができる。
【0003】
ここで、ノートPCの多くでは、閉状態にある表示装置が不用意に開かないようにロックするロック機構(例えば、特許文献1参照。)を有している。このようなロック機構では、表示装置と本体装置とのいずれか一方に組み込まれた可動部品が、閉状態において他方の一部分に係合することでロックが行われる。また、ロック解除の際には、この可動部品が動かされて係合が解かれることとなる。そして、ユーザは、ロックを解除した後に、表示装置や本体装置を掴んでノートPCを開く。
【0004】
近年、ノートPCを含む様々な物品について筐体のデザイン性が重視されている。例えばノートPCの好ましいデザインとして、閉状態に置かれた表示装置と本体装置との間で外観上の段差を無くしたデザインが増えている。また、薄型化の進展が著しいノートPCでは、ユーザの指のサイズに対して表示装置等の厚みが非常に薄くなってきている。このようなデザインでは、ロック解除後にユーザがノートPCを開くときの手掛りが少ないため、ノートPCは開き難くなっている。
【0005】
ここで、ノートPCに限らず一般的な蓋付き物品で採用されているロック機構の中には、上記の蓋を押上げながら可動部品の係合を解く構造を有しているものがある(例えば、特許文献2〜5参照。)。このような構造のロック機構を、上記のようなノートPCに適用すれば、ロック解除時に、表示装置と本体装置との間に隙間が生じる。このため、ロック解除後には、ユーザは、その隙間をノートPCを開くときの手掛りとして利用することができるので、ノートPCを容易に開くことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−241854号公報
【特許文献2】実公平7−10541号公報
【特許文献3】特開平7−274321号公報
【特許文献4】特開平9−121931号公報
【特許文献5】特開平9−267853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように蓋を押上げながら可動部品の係合を解くロック機構では、可動部品や、その可動部品が係合している相手側の部分等に無理な負荷が掛かり、ロック解除を繰り返す内にそれらの箇所に摩滅や破損が生じる恐れがある。また、そのような摩滅や破損の結果として、蓋が不用意に開いてしまう恐れもある。
【0008】
尚、ここまで、蓋付き物品の一例として主にノートPCを例に挙げて、蓋の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生について説明した。しかし、このような事情は、ノートPCに限らず、例えば化粧品等を収容する蓋付き容器等についても同様に生じ得る。
【0009】
本件は上記事情に鑑み、蓋の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生が抑えられた蓋付き物品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する蓋付き物品の基本形態は、本体と、その本体に対して開閉自在な蓋と、可動部品と、操作部品とを備えている。
【0011】
可動部品は、上記本体および上記蓋の少なくとも一方である被組込体に組み込まれた、その被組込体に対して決まった経路で移動が自在なものである。さらに、この可動部品は、その経路の一端側に向かうにつれて、上記本体および上記蓋のうちその被組込体に対する他方である他体の一部分に接近する。そして、この可動部品は、その一部分に最接近することでその一部分と係合して上記蓋を閉状態に保つ。
【0012】
操作部品は、上記被組込体に組み込まれた、その被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、その経路の一端側から他端側へと移動操作されるものである。
【0013】
この操作部品は、そのように移動操作されることで、その移動操作の前段で上記可動部品に操作力を伝達してその可動部品を上記一部分から離れる方向へと上記経路上で移動させてその可動部品とその一部分との係合を解く。さらに、この操作部品は、その移動操作の後段で上記蓋に操作力を伝達してその蓋を上記本体に対して押し上げる。
【発明の効果】
【0014】
本件によれば、蓋付き物品について、蓋の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】蓋付き物品に対する具体的な第1実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【図2】閉状態から開状態への移行途中にある図1のノートPCを示す斜視図である。
【図3】図1の閉状態にあるノートPCの、図2に示す被係合部周辺についての拡大断面図である。
【図4】ロック用部品を示す斜視図である。
【図5】ロック部が被係合部から外れた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【図6】ロック解除ボタンが本体装置奥側に更に押し込まれた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【図7】ロック状態にある比較例のロック機構の、図3と同様の拡大断面図である。
【図8】比較例のロック機構が備えたロック用部品の斜視図である。
【図9】比較例のロック機構においてロックが解除された状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【図10】比較例のロック機構を備えるノートPCが開かれる様子を模式的に示す図である。
【図11】比較例のロック機構を備えるノートPCについて、ユーザの指のサイズと表示筐体の厚みとを比較した比較図である。
【図12】蓋付き物品に対する具体的な第2実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【図13】第2実施形態におけるロック解除ボタンの拡大斜視図である。
【図14】図12の閉状態にあるノートPCの、ロック機構周辺についての、このノートPCにおける幅方向の拡大断面図である。
【図15】ロック部が本体装置側ロック用穴の左側の縁から外れた状態を示す、図14と同様の拡大断面図である。
【図16】ロック解除ボタンが更にスライドされた状態を示す、図13と同様の拡大断面図である。
【図17】限界までスライドされたロック解除ボタンの周辺を示す拡大斜視図である。
【図18】第3実施形態のノートPCにおける本体装置を、バッテリパックが装着された裏面を上に向けて裏返した状態で示した斜視図である。
【図19】バッテリ筐体の縁の係止爪が見えるように、バッテリパックを装置部分から外した状態を示す斜視図である。
【図20】ロック状態にある係止爪の周辺を示す拡大図である。
【図21】ロック解除ボタンが限界までスライドされて、バッテリパックが装置部分から押し上げられた様子を示す図である。
【図22】バッテリパックが装置部分に装着されてロックされた本体装置を示す図である。
【図23】ロックが解除された状態の本体装置を示す図である。
【図24】ロックの解除後にバッテリパックが装置部分から押し上げられた状態の本体装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、上記に基本形態について説明した筐体および電子機器の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、蓋付き物品に対する具体的な第1実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【0018】
このノートPC100は、本体装置110と表示装置120とを備えている。本体装置110は、本体筐体111内に、CPUやメモリ等が収納されたものである。また、表示装置120は、表示筐体121に液晶パネルや光源等が収納されたものである。そして、本体装置110と表示装置120は、表示装置120が本体装置110に対し矢印A方向に開閉自在となるようにヒンジ130で連結されている。この図1には、表示装置120が本体装置110に対し閉じた閉状態にあるノートPC100の外観図が示されている。
【0019】
本実施形態では、本体装置110が、上述の基本形態における本体の一例に相当し、表示装置120が、この基本形態における蓋の一例に相当する。
【0020】
この図1に示すノートPC100では、本体装置110や表示装置120が薄型に設計されている。さらに、閉状態に置かれた本体装置110と表示装置120との間で外観上の段差が極力無くされたデザインとなっている。
【0021】
ここで、このノートPC100には、図1に示す閉状態を保つ(ノートPC100をロックする)後述のロック機構が備えられている。そして、本体装置110における、図1における手前側の側面に、ロック解除時に操作されるロック解除ボタン112が配備されている。
【0022】
本実施形態では、ロック解除時には、ユーザによって、このロック解除ボタン112が図1中の矢印Bが示す奥行き方向に押し込まれる。そして、ロック解除後に、ユーザが、本体筐体111や表示筐体121を掴んで開くことで、ノートPC100は、不図示の液晶パネルがユーザ側を向いた開状態に移行することとなる。
【0023】
図2は、閉状態から開状態への移行途中にある図1のノートPCを示す斜視図である。
【0024】
この図2に示すように、表示装置120では、表示筐体121の、ヒンジ130と対向する手前側の縁の中央から被係合部122が突出している。この被係合部122は、本体装置110の内部に配備されている後述のロック部が閉状態の際に係合するものである。
【0025】
また、本体筐体111の上面には、図1の閉状態の際に被係合部122が入り込むロック用穴111aが、ロック解除ボタン112の近傍に設けられている。閉状態の際には、このロック用穴111aから被係合部122が本体筐体111の内部に進入する。そして、被係合部122が、ロック解除ボタン112と一体の後述するロック用部品と係合することでノートPC100がロックされる。
【0026】
図3は、図1の閉状態にあるノートPCの、図2に示す被係合部周辺についての拡大断面図である。この拡大断面図は、ノートPC100が奥行き方向に切られた断面を表している。
【0027】
この図3に示すように、閉状態では、ロック用穴111aから被係合部122が本体筐体111の内部に進入している。本体筐体111の内部には、この被係合部122が進入してくる箇所にロック用部品113が配置されている。
【0028】
図4は、ロック用部品を示す斜視図である。
【0029】
以下、このロック用部品113について、図3と図4とを参照して説明する。
【0030】
ロック用部品113の、図4の右側は本体装置110の前方側に突き出している。この突き出した箇所が、図1や図2にも示したロック解除ボタン112となっている。そして、このロック用部品113は、概ね四角筒形状を有しており、ロック解除ボタン112は、この四角筒形状における4つの側壁のうちの1つに相当している。このロック解除ボタン112と対向する壁面からは、本体装置110前方側に向かって、上記の被係合部122に係合するロック部114が突出している。さらに、このロック部114と対向するロック解除ボタン112の裏側の壁面には、本体装置110前方側に向かって高さが増す斜面115が形成されている。
【0031】
このロック用部品113は、図3中の矢印Cが示す方向に沿った移動経路で進退自在に本体筐体111内に取り付けられている。この矢印Cが示す方向は、ノートPC100の奥行き方向に相当する。
【0032】
このロック用部品113は、本体筐体111内で、バネ116によって、本体装置110前方側に付勢されることで、この移動経路の一端に押し付けられている。
【0033】
本実施形態では、このロック用部品113が、上述の基本形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例に相当する。
【0034】
ノートPC100が閉じられて本体筐体111の内部に被係合部122が進入する際には、被係合部122の先端がロック部114の前面に当接して、ロック用部品113をバネ116の付勢力に反して本体装置110奥側に後退させる。そして、被係合部122の先端がロック部114の前面を通過すると、バネ116の付勢力によってロック用部品113が本体装置110前方側に移動する。その結果、ロック部114が被係合部122に係合して、ノートPC100が閉状態にロックされることとなる。以上に説明した被係合部122と、ロック用部品113と、バネ116との集合体がロック機構である。
【0035】
本実施形態では、ロック用部品113が組み込まれている本体装置110が、上述の基本形態における被組込体の一例に相当する。そして、ロック部114が係合する被係合部122が突出している表示装置120が、この基本形態における他体の一例に相当する。また、被係合部122が、この基本形態における「他体の一部分」の一例に相当する。
【0036】
ロック解除時には、ユーザによって、ロック解除ボタン112が本体装置110奥側に押し込まれる。このようにロック解除ボタンが112押し込まれることで、ロック用部品113が、バネ116の付勢力に反して本体装置110奥側に移動操作されることとなる。そして、この移動操作の前段において、ロック部114が被係合部122から外れることでロックが解除される。
【0037】
図5は、ロック部が被係合部から外れた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【0038】
ロック解除ボタン112が本体装置110奥側に押し込まれると、上記のように移動操作の前段においてロック部114が被係合部122から外れる。そして、このときには、ロック用部品113の斜面115が被係合部122の先端に達する。
【0039】
この移動操作の前段に続く後段では、ロック解除ボタン112が本体装置110奥側に更に押し込まれる。すると、以下に説明するように、この移動操作の後段で、表示装置120が押し上げられる。
【0040】
図6は、ロック解除ボタンが本体装置奥側に更に押し込まれた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【0041】
ロック解除ボタン112が、図5に示すロック解除状態を経て、移動操作の後段で本体装置110奥側に更に押し込まれると、ロック用部品113は、斜面115に被係合部122の先端が乗り上げたまま移動する。すると、被係合部122の先端が、斜面115に沿って押し上げられる。その結果、この被係合部122が突出している表示装置120が、図中の矢印Dが示す方向に、本体装置110から押し上げられる。
【0042】
本実施形態では、ロック解除ボタン112が限界まで押し込まれて、ロック用部品113が移動経路の端に達すると、表示装置120は本体装置110から約4mm上方まで押し上げられる。
【0043】
ここで、ここまでに説明した本実施形態のノートPC100におけるロック機構と比較するための比較例のロック機構について説明する。
【0044】
図7は、ロック状態にある比較例のロック機構の、図3と同様の拡大断面図である。また、図8は、比較例のロック機構が備えたロック用部品の斜視図である。
【0045】
尚、比較例のロック機構は、ロック用部品113’のみが本実施形態のロック用部品113と異なっている。そのため、図7では、ロック用部品113’以外の構成要素については、図3に示す本実施形態の構成要素と同じ符号が付されて示されている。また、このことは、比較例のロック機構に関する後述の他の図面についても同様である。
【0046】
比較例のロック用部品113’は、本実施形態のロック用部品113と同様に、本体装置110前方側にロック解除ボタン112’が設けられ、このロック解除ボタン112’に対向する壁から本体装置110前方側にロック部114’が突出している。ただし、この比較例のロック用部品113’では、本実施形態のロック用部品113と異なり、ロック解除ボタン112’の裏側が単なる平面状の壁115’となっている。
【0047】
図7に示すロック状態では、比較例のロック用部品113’におけるロック部114’が、バネ116の付勢力によって被係合部122に係合している。そして、比較例のロック機構では、ユーザによってロック解除ボタン112’が本体装置110奥側に押し込まれると、ロック用部品113’が次のように移動してロックが解除される。
【0048】
図9は、比較例のロック機構においてロックが解除された状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【0049】
ロック解除ボタン112’が押し込まれると、本実施形態のロック機構と同様に、バネ116の付勢力に反してロック用部品113’が本体装置110奥に移動することで、ロック部114’が被係合部122から外れる。その結果、ロックが解除される。ただし、この比較例のロック用部品113’では、上述したようにロック解除ボタン112’の裏側が単なる平面状の壁115’である。そのため、ロック解除ボタン112’が限界まで押し込まれても、被係合部122の位置、延いては表示筐体121の位置はロック時の位置のままである。
【0050】
このようにロックが解除された後、ユーザは次のようにノートPCを開く。
【0051】
図10は、比較例のロック機構を備えるノートPCが開かれる様子を模式的に示す図である。
【0052】
この図10に示すように、比較例のロック機構を備えるノートPCでは、ユーザは、例えば、上記のようにロック時の位置のままにある表示筐体121に指を掛けて、図中の矢印Eが示す方向に表示筐体121を動かしてノートPCを開くこととなる。
【0053】
ここで、近年では、ノートPCについてデザイン性が重視されている。そして、好ましいデザインとして、例えば、図7、9に示すように閉状態に置かれた表示筐体121と本体筐体111との間で外観上の段差を無くしたデザインが増えている。また、薄型化の進展が著しいノートPCでは、ユーザの指のサイズに対して表示筐体121の厚みが非常に薄くなっている。
【0054】
図11は、比較例のロック機構を備えるノートPCについて、ユーザの指のサイズと表示筐体の厚みとを比較した比較図である。
【0055】
この図11では、ロック解除後にノートPCを開く際に表示筐体121に掛けられる指のサイズが、点線の楕円によって模式的に示されている。この図11に示すように、近年の好ましいデザインでは、ユーザの指のサイズに対して表示筐体121の厚みが非常に薄くなっている。そして、上記のように、閉状態に置かれた表示筐体121と本体筐体111との間で外観上の段差が極力無くされたデザインとなっていることから、ロック解除後にユーザがノートPCを開くときの手掛りが少なく、ノートPCは開き難くなっている。
【0056】
以上、図7から図11までを参照して説明した比較例のロック機構に対し、上述の本実施形態のロック機構によれば、ロック解除ボタン112が限界まで押し込まれると、図6に示すように表示筐体121が約4mm程度押し上げられる。その結果、この表示筐体121と本体筐体111との間に隙間が生じる。本実施形態によれば、この隙間を手掛りとして利用することができるので、上記比較例に比べて表示筐体121にユーザの指が係り易く、延いてはノートPCが開き易くなっている。
【0057】
さらに、本実施形態のロック機構では、図5に示すように、ロックが解除されて始めて、被係合部122は斜面115に乗り上げる。その結果、ロック解除中でまだロック部114が被係合部122に係合している段階では被係合部122の位置が変わらない。そのため、この段階のロック部114や被係合部122に余分な負荷が掛かってしまう事態が回避される。従って、本実施形態では、このようなロック解除を繰り返しても、ロック部114や被係合部122に摩滅や破損等が生じる恐れが抑えられる。
【0058】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ノートPC100について、表示装置120の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【0059】
ここで、上述の基本形態に対し、上記可動部品と上記操作部品が一体の可動操作部品であるという応用形態は好適である。
【0060】
この好適な応用形態によれば、部品点数が削減されて、延いては製造コストの低減が図られることとなる。
【0061】
本実施形態のロック用部品113は、この応用形態における可動操作部品の一例に相当する。
【0062】
また、上述の基本形態に対し、以下に説明する応用形態も好適である。この応用形態では、上記他体が、上記被組込体側に突出して上記操作部品の移動経路上に達した突出部を有するものとなっている。そして、上記操作部品が、上記移動操作の後段で上記突出部に当接することで上記蓋を上記本体に対して押し上げるものとなっている。
【0063】
この応用形態によれば、上記蓋の押上げを、上記操作部品の上記突出部への当接という簡単な動作で行うことができる。
【0064】
本実施形態における被係合部122は、この応用形態における突出部の一例にも相当している。そして、本実施形態におけるロック用部品113は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。
【0065】
また、上述の基本形態に対し、以下に説明する応用形態も好適である。この応用形態では、上記他体が、上記一部分として、上記被組込体側に突出して上記可動部品の移動経路上に達した突出部を有するものとなっている。そして、上記可動部品が上記突出部と係合するものとなっている。
【0066】
この応用形態によれば、上記蓋を閉状態に保つロック機構を被組込体側にまとめて作りこむことができる。このため、上記他体のシンプル化を図ることが出来る。
【0067】
本実施形態における被係合部122は、この応用形態における突出部の一例にも相当している。そして、本実施形態におけるロック用部品113は、この応用形態における可動部品の一例にも相当している。
【0068】
また、上述の基本形態に対し、上記操作部品が、上記被組込体に出入りする方向の経路で移動が自在なものであって、その被組込体に押し込まれる操作を受けて上記係合を解くものであるという応用形態も好適である。
【0069】
この応用形態によれば、押し操作という非常に簡単な1操作によって係合を解くことが出来る。
【0070】
本実施形態におけるロック用部品113は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。
【0071】
次に、第2実施形態について説明する。
【0072】
図12は、蓋付き物品に対する具体的な第2実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【0073】
この図12のノートPC200も、上述の第1実施形態のノートPC100と同様に、CPUやメモリ等が本体筐体211内に収納された本体装置210と、液晶パネル等が表示筐体221に収納された表示装置220を備えている。そして、本体装置210と表示装置220は、上述の第1実施形態のノートPC100と同様に、ヒンジ230で連結されている。この図12には、閉状態にあるノートPC200の外観図が示されている。
【0074】
本実施形態でも、本体装置210が、上述の基本形態における本体の一例に相当する。また、表示装置220が、この基本形態における蓋の一例に相当する。
【0075】
この図12に示すノートPC200でも、上述の第1実施形態のノートPC100と同様に、本体装置210や表示装置220について、外観上、薄型化や段差の排除等が行われている。
【0076】
また、本実施形態では、このノートPC200の表示装置220における、図中手前側の側面にロック解除ボタン222が配備されている。
【0077】
本実施形態では、ロック解除時には、ユーザによって、このロック解除ボタン222が次のように操作される。
【0078】
図13は、第2実施形態におけるロック解除ボタンの拡大斜視図である。
【0079】
本実施形態のロック解除ボタン222は、上述の第1実施形態におけるロック解除ボタン112が押しボタンであったのとは異なり、図中の矢印Fが示すように、ロック解除時には表示筐体221の縁に沿ってスライドされるスライドボタンとなっている。
【0080】
本実施形態では、このロック解除ボタン222が、上述の基本形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例に相当する。
【0081】
次に、このようなロック解除ボタン222によってロックが解除される、本実施形態のロック機構について説明する。
【0082】
図14は、図12の閉状態にあるノートPCの、ロック機構周辺についての、このノートPCにおける幅方向の拡大断面図である。
【0083】
この図14には、図12中の切断線P−Pに沿った拡大断面図が示されている。
【0084】
この図14に示すように、本実施形態では、ロック解除ボタン222に、表示装置220内部から、閉状態にある本体装置210側に向かって表示装置220外部に突出する詳細については後述するロック部223が設けられている。このロック部223の先端は、図中左側にフック状に曲がっている。また、この先端における左側は、図中で右下がりの斜辺となるように成形されている。
【0085】
また、表示筐体221には、このロック部223が表示装置220外部に突出するための表示装置側ロック用穴221aが設けられている。さらに、本体筐体211には、閉状態のときにロック部223が後述のように進入するための本体装置側ロック用穴211aが設けられている。
【0086】
また、ロック解除ボタン222は、表示筐体221に、図中の矢印Gが示す表示装置220の幅方向に沿った移動経路で進退自在に取り付けられている。
【0087】
このロック解除ボタン222は、表示筐体221内部において、バネ224によって図中左側に付勢されている。そして、その付勢により、ロック解除ボタン222は移動係路の一端に押し付けられている。
【0088】
本実施形態のノートPC200が閉じられると、まず、表示装置220外部に突出しているロック部223の先端左側の斜辺が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に当接する。続いて、ノートPC200が閉じられるにつれて、ロック部223の先端左側の斜辺が、この左側の縁211a_1によって図中右側に押される。その結果、ノートPC200が閉じられるにつれて、ロック部223の先端は、バネ224の付勢力に反して図中右側に移動する。やがて、このロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1を越えて本体装置210内に進入する。すると、バネ224の付勢力によってロック部223が図中左側に戻る。その結果、ロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に係合することとなる。この係合により、ノートPC200が閉状態にロックされる。
【0089】
本実施形態では、ロック解除ボタン222が組み込まれている表示装置220が、上述の基本形態における被組込体の一例に相当する。そして、ロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が左側の縁211a_1に係合する本体装置側ロック用穴211aが設けられている本体装置210が、その基本形態における他体の一例に相当する。また、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1が、その基本形態にいう「他体の一部分」の一例に相当する。
【0090】
ロック解除時には、ユーザによって、ロック解除ボタン222が図13の矢印Fが示すように図中右方向にスライドされる。すると、ロック部223が、ロック解除ボタン222へのバネ224の付勢力に反して図中右方向に移動操作されることとなる。そして、この移動操作の前段において、ロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1から外れる。本実施形態では、ロック部223のこの動きによりロックが解除される。
【0091】
図15は、ロック部が本体装置側ロック用穴の左側の縁から外れた状態を示す、図14と同様の拡大断面図である。
【0092】
本実施形態では、本体筐体211内に、閉状態で本体装置210内に進入したロック部223の図中右側に位置するように、右側に進むにつれて高くなる斜面212が形成されている。
【0093】
上記のようにロック解除ボタン223が図中右側にスライドされると、上記のように移動操作の前段においてロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1から外れる。そして、このときには、ロック部223の先端における図中右側の角が上記の斜面212に達する。
【0094】
この移動操作の前段に続く後段では、ロック解除ボタン222は図中右側に更にスライドされることとなる。すると、以下に説明するように、この移動操作の後段で、表示装置220が押し上げられる。
【0095】
図16は、ロック解除ボタンが更にスライドされた状態を示す、図13と同様の拡大断面図である。
【0096】
ロック解除ボタン222が、図15に示すロック解除状態を経て、移動操作の後段で図中右側に更に押し込まれると、ロック部223の先端の図中右側の角が斜面212に乗り上げたまま図中右側に進む。すると、ロック部223がこの斜面212に沿って押し上げられる。その結果、このロック部223が取り付けられている表示装置220が、図中の矢印Hが示す方向に、本体装置210から押し上げられる。
【0097】
本実施形態では、ロック解除ボタン222が、限界までスライドされると、表示装置220は本体装置210から約5mm上方まで押し上げられる。
【0098】
図17は、限界までスライドされたロック解除ボタンの周辺を示す拡大斜視図である。
【0099】
この図17に示すように、ロック解除ボタン222が、限界までスライドされると、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1から外れたロック部223と共に、表示装置220が本体装置210から押し上げられる。その結果、上記のように表示装置221と本体装置210との約5mmの隙間Jが開くこととなる。
【0100】
以上、図12から図17までを参照して説明した第2実施形態によれば、ロック解除ボタン222が限界まで押し込まれると、上述したように表示装置220と本体装置210との間に隙間が生じる。本実施形態によれば、この隙間を手掛りとして利用することができるので、上述の第1実施形態と同様に、表示装置220に指が掛かり易く、延いてはノートPC200が開き易くなっている。
【0101】
さらに、本実施形態のロック機構でも、図15に示すように、ロックが解除されて始めて、ロック部223の図中右側の角は斜面212に乗り上げる。このため、ロック解除中でまだロック部223が本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に係合している段階ではロック部223の図中上下方向の位置が変わらない。その結果、この段階のロック部223や本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に余分な負荷が掛かってしまう事態が回避される。つまり、本実施形態では、このようなロック解除を繰り返しても、ロック部223や本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に摩滅や破損等が生じる恐れが抑えられる。
【0102】
以上、説明したように、本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様に、ノートPC200について、表示装置220の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【0103】
ここで、上述の基本形態に対し、上記操作部品が、上記被組込体から上記他体側に突出した突出部分を有する、上記移動操作の後段でその突出部分が上記他体に当接することで上記蓋を上記本体に対して押し上げるものであるという応用形態は好適である。
【0104】
この応用形態によれば、上記蓋の押上げを、上記操作部品が有する突出部分の上記他体への当接という簡単な動作で行うことができる。
【0105】
本実施形態におけるロック解除ボタン222は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。また、本実施形態におけるロック部223が、この応用形態における突出部分の一例に相当する。
【0106】
また、上述の基本形態に対し、上記可動部品が、上記被組込体から上記他体側に突出した突出部分を有する、その突出部分が上記他体の上記一部分に係合するものであるという応用形態も好適である。
【0107】
この応用形態によれば、係合に要する内部空間が上記被組込体と上記他体側とで分担されることとなる。これにより、上記被組込体と上記他体側とのそれぞれについては、係合に要する内部空間を少なくすることができる。
【0108】
本実施形態におけるロック解除ボタン222は、この応用形態における可動部品の一例にも相当している。また、本実施形態におけるロック部223は、この応用形態における突出部分の一例にも相当している。
【0109】
また、上述の基本形態に対し、上記操作部品が、上記被組込体の表面に沿う方向の経路で移動が自在なものであるという応用形態も好適である。
【0110】
この応用形態によれば、上記操作部品を上記被組込体の表面近傍に寄せて組み込むことができ、被組込体の省スペース化を図ることができる。
【0111】
本実施形態におけるロック解除ボタン222は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。
【0112】
また、上述の基本形態に対し、以下に説明する応用形態も好適である。この応用形態は、上記蓋の一部を上記本体に連結した、その本体に対してその蓋が回動自在な連結構造の連結部を備えている。そして、上記可動部品および上記操作部品が、上記蓋が上記本体に連結されている上記一部とはその蓋の逆側の部分に組み込まれたものとなっている。
【0113】
この応用形態によれば、上記可動部品および上記操作部品を、上記逆側の部分に少なくとも1組だけ組み込むことで、閉状態でのロックやそのロックの解除を簡単に行うことができる。
【0114】
ここまでに説明した第1および第2の2つの実施形態それぞれにおけるヒンジ130,230が、この応用形態における連結部の一例に相当する。また、第1実施形態におけるロック用部品113および第2実施形態におけるロック解除ボタン222それぞれは、この応用形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例にも相当している。
【0115】
次に、第3実施形態について説明する。
【0116】
この第3実施形態では、ノートPCの本体装置の裏面に着脱自在に装着されるバッテリパックに、後述のロック機構が適用されている。尚、この第3実施形態の表示装置と本体装置とのロックにもロック機構が使われている。しかし、この第3実施形態については、バッテリパックに適用されたロック機構に注目して説明し、表示装置と本体装置とに適用されているロック機構については説明を割愛する。また、バッテリパックの装着とは無縁である表示装置についても、図示および説明を割愛する。
【0117】
図18は、第3実施形態のノートPCにおける本体装置を、バッテリパックが装着された裏面を上に向けて裏返した状態で示した斜視図である。
【0118】
尚、この図18では、上記のように図示および説明を割愛する表示装置が取り外された状態で、本体装置300が図示されている。
【0119】
この図18に示すように、この本体装置300では、筐体内にCPUやメモリ等が収納された装置部分310に、この装置部分310に電力を供給するバッテリパック320が着脱自在に装着されるようになっている。バッテリパック320は、装置部分310の裏面側に設けられた凹部に着脱自在に装着される。また、本実施形態では、このバッテリパック320の図中上面が、装置部分310の裏面を兼ねている。さらに、本実施形態では、装着状態にあるバッテリパック320のバッテリ筐体321と装置部分310との間で、外観上の段差が極力無くされたデザインとなっている。
【0120】
本実施形態では、装置部分310が、上述の基本形態における本体の一例に相当する。また、バッテリパック320が、この基本形態における蓋の一例に相当する。
【0121】
また、本実施形態では、バッテリパック320は、バッテリ筐体321の縁に設けられた後述する複数の係止爪によって、装置部分310に支持される構造となっている。
【0122】
図19は、バッテリ筐体の縁の係止爪が見えるように、バッテリパックを装置部分から外した状態を示す斜視図である。
【0123】
この図19では、バッテリ筐体321における、本体装置300と不図示の表示装置とを連結するヒンジ330とは反対側の縁が装置部分310から外された状態が示されている。そして、図19では、バッテリ筐体321の縁に設けられた複数の係止爪322のうち、ヒンジ330とは反対側の縁に設けられた3つの係止爪322が示されている。
【0124】
ここで、本実施形態では、これら3つの係止爪322のうち、図中左側の1つの係止爪322が、後述するように解除自在にロックされる。そして、装置部分310には、この図中左側の係止爪322の近傍に、ロック状態を解除するロック解除ボタン311が装置部分310の幅方向に移動自在に取り付けられている。
【0125】
図20は、ロック状態にある係止爪の周辺を示す拡大図である。
【0126】
この図20では、係止爪322を含む、バッテリ筐体321側の要素が点線で示されている。係止爪322は、この図20に示すように、バッテリ筐体321の角側の側面に、斜面322aが形成されている。
【0127】
また、バッテリ筐体321には、係止爪322から見て、バッテリ筐体321の角に近い位置に後述の突起部323が設けられている。
【0128】
また、装置部分310の内部には、ロック状態において係止爪322に径合するロック部312が、図中の矢印Kが示す装置部分310の幅方向に沿った移動経路で進退自在に取り付けられている。このロック部312の、装置部分310の角とは反対側の側面には、係止爪322の斜面322aと対応した第1斜面312aが形成されている。また、このロック部312の、装置部分310の角側の側面には、上記の突起部323が後述するように乗り上げる第2斜面312bが形成されている。
【0129】
このロック部312は、後述するようにバネによって装置部分310の角とは反対側に付勢されている。
【0130】
バッテリパック320が装置部分310に装着される際には、係止爪322が、ロック部312の図中上方から装置部分310に押し込まれる。その際には、係止爪322の斜面322aが、ロック部312の第1斜面312aに当接する。そして、それら両斜面322a,312aの傾きに従って、ロック部312が、バネの付勢力に反して装置部分310の角側にスライドする。やがて、係止爪322が、ロック部312の側方を通過して装置部分310の奥まで押し込まれると、ロック部312が、バネの付勢力によって装置部分310の角とは反対側にスライドする。これによって、ロック部312が係止爪322に係合することとなる。
【0131】
ここで、ロック部312は、装置部分310内で、ロック解除ボタン311と連結されている。また、上記のようにロック部312は、バネによって装置部分310の角とは反対側に付勢されている。そのため、ロック解除ボタン311もその角とは反対側に付勢され、このロック解除ボタン311の移動範囲における、装置部分310の角とは反対側に押し付けられた状態となっている。
【0132】
本実施形態では、ロック解除ボタン311とロック部312とを合わせたものが、上述の基本形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例に相当する。また、ロック解除ボタン311とロック部312とが組み込まれている装置部分310が、上述の基本形態における被組込体の一例に相当する。そして、ロック部312が係合する係止爪322を有するバッテリパック320が、この基本形態における他体の一例に相当する。また、係止爪322が、この基本形態における「他体の一部分」の一例に相当する。
【0133】
ロック解除時には、ユーザによって、ロック解除ボタン311が装置部分310の角側にスライドされる。すると、ロック部312が、バネの付勢力に反して装置部分310の角側に移動操作されることとなる。そして、この移動操作の前段において、ロック部312が係止爪322から外れてロックが解除される。
【0134】
また、本実施形態では、この移動操作の前段に続く後段において、ロック解除ボタン311は、上記のようにロックが解除される位置よりも更に装置部分310の角側にスライドされる。すると、以下に説明するように、この移動操作の後段で、バッテリパック320が装置部分310から図中上方に押し上げられる。
【0135】
図21は、ロック解除ボタンが限界までスライドされて、バッテリパックが装置部分から押し上げられた様子を示す図である。
【0136】
この図21に示すように、ロック解除ボタン311が限界までスライドされると、ロック部312も移動経路における装置部分310の角側の端までスライドされる。そして、このときには、バッテリ筐体321の突起部323が、ロック部312の第2斜面312bに乗り上げる。その結果、バッテリ筐体321、即ちバッテリパック320が装置部分310から図中上方に押し上げられることとなる。
【0137】
また、上記の図19に点線で示すように、装置部分310のロック解除ボタン311側の内部には、フレキシブルプリント基板313が配置されている。このフレキシブルプリント基板313は、バッテリ筐体321側に若干撓んだ形状を有している。このため、バッテリパック320が装置部分310に装着された状態では、このフレキシブルプリント基板313は、バッテリパック320を押し上げる方向に付勢する。そして、このフレキシブルプリント基板313による付勢力が、上記の突起部323の第2斜面312bへの乗上げによるバッテリパック320の押上げを助けることとなっている。
【0138】
以下、若干説明が重複するが、上記のロック状態から、移動操作前段でのロックの解除を経て、移動操作後段でバッテリパック320が装置部分310から押し上げられるまでの動きを別図を用いて説明する。
【0139】
図22は、バッテリパックが装置部分に装着されてロックされた本体装置を示す図である。また、図23は、ロックが解除された状態の本体装置を示す図である。また、図24は、ロックの解除後にバッテリパックが装置部分から押し上げられた状態の本体装置を示す図である。
【0140】
各図のパート(A)には、本体装置300の裏面から見た平面図が示されている。パート(B)には、パート(A)中の切断線L−Lに沿った断面図が示されている。パート(C)には、パート(B)中のエリアMの拡大断面図が示されている。
【0141】
図22に示すように、ロック状態では、上記のロック部312が、装置部分310内のバネ314の付勢力によって、装置部分310の角とは反対側に押し付けられている。その結果、このロック部312が、バッテリパック320の係止爪322に係合することなっている。
【0142】
そして、ユーザによってロック解除ボタン311が、ロック部312に対するバネ314の付勢力に反して装置部分310の角側にスライドされると、図23に示すようにロック部312が係止爪322から外れてロックが解除される。
【0143】
また、この図23に示すようにロック部312が係止爪322から外れた段階で、ロック部312の第2斜面312bが、バッテリパック320の突起部323に達する。
【0144】
続いて、ロック解除ボタン311が装置部分310の角側に更に限界までスライドされると、図24に示すように第2斜面312bに突起部323が乗り上げ、図中の矢印Nが示す方向にバッテリパック320が装置部分310から押し上げられる。また、この際には、上述したフレキシブルプリント基板313による付勢力が、このバッテリパック320の押上げを助けることとなる。
【0145】
以上、説明したように、本実施形態では、ロック解除ボタン311のスライドにより、バッテリ筐体321の係止爪322についてのロックが解除されると共に、バッテリ筐体321が装置部分310から押し上げられる。ここで、上述したように、本実施形態では、装着状態にあるバッテリパック320のバッテリ筐体321と装置部分310との間で、外観上の段差が極力無くされたデザインとなっている。しかし、ロック解除時にバッテリ筐体321が押し上げられるので、そのときのバッテリ筐体321と装置部分310との隙間が手掛りとなってバッテリパック320が取り出し易くなっている。
【0146】
さらに、バッテリ筐体321の押し上げは、ロックが解除された後の、移動操作後段で行われるので、ロック部312や係止爪322に余分な負荷が掛からず、これらの箇所に摩滅や破損等が生じる恐れが抑えられる。
【0147】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ノートPCの本体装置300について、バッテリパック320の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【0148】
ここで、上述の基本形態に対し、上記本体は、内部に電子機器が組み込まれたものであるという応用形態は好適である。
【0149】
この応用形態によれば、上記可動部品と上記操作部品とを有するロック機構を備えた、例えばノートPC等といった電子機器を得ることができる。
【0150】
上述した第1および第2の2つの実施形態それぞれにおける本体装置110,210と、第3実施形態における装置部分310とのそれぞれは、この応用形態における本体の一例にも相当している。
【0151】
尚、以上に説明した3つの実施形態では、基本形態について説明した蓋付き物品の具体的な実施形態として、ノートPCや、ノートPCにおいてバッテリパックと装置部分とからなる本体装置を例示した。しかしながら、基本形態について説明した蓋付き物品はこれらに限るものではなく、例えば、何らかの内容物が収容される蓋付きの容器等であっても良い。
【0152】
また、上述の第3実施形態は、バッテリパック320の複数の係止爪322のうち1つの係止爪322のみに解除自在のロック機構が設けられた形態となっている。しかしながら、このような複数の係止爪についてのロック機構は、それら複数の係止爪のうちの2つ以上あるいは全ての係止爪それぞれについて設けられても良い。
【0153】
以下、上述した基本形態を含む種々の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0154】
(付記1)
本体と、
前記本体に対して開閉自在な蓋と、
前記本体および前記蓋の少なくとも一方である被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側に向かうにつれて、前記本体および前記蓋のうち該被組込体に対する他方である他体の一部分に接近する、該一部分に最接近することで該一部分と係合して前記蓋を閉状態に保つ可動部品と、
前記被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側から他端側へと移動操作されることで、その移動操作の前段で前記可動部品に操作力を伝達して該可動部品を前記一部分から離れる方向へと前記経路上で移動させて該可動部品と該一部分との係合を解き、該移動操作の後段で前記蓋に操作力を伝達して該蓋を前記本体に対して押し上げる操作部品とを備えたことを特徴とする蓋付き物品。
【0155】
(付記2)
前記可動部品と前記操作部品が一体の可動操作部品であることを特徴とする付記1記載の蓋付き物品。
【0156】
(付記3)
前記他体が、前記被組込体側に突出して前記操作部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記操作部品が、前記移動操作の後段で前記突出部に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする付記1または2記載の蓋付き物品。
【0157】
(付記4)
前記他体が、前記一部分として、前記被組込体側に突出して前記可動部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記可動部品が前記突出部と係合するものであることを特徴とする付記1から3のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0158】
(付記5)
前記操作部品が、前記被組込体から前記他体側に突出した突出部分を有する、前記移動操作の後段で該突出部分が前記他体に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする付記1または2記載の蓋付き物品。
【0159】
(付記6)
前記可動部品が、前記被組込体から前記他体側に突出した突出部分を有する、該突出部分が前記他体の前記一部分に係合するものであることを特徴とする付記1、2、および5のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0160】
(付記7)
前記操作部品が、前記被組込体に出入りする方向の経路で移動が自在なものであって、該被組込体に押し込まれる操作を受けて前記係合を解くものであることを特徴とする付記1から6のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0161】
(付記8)
前記操作部品が、前記被組込体の表面に沿う方向の経路で移動が自在なものであることを特徴とする付記1から6のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0162】
(付記9)
前記蓋の一部を前記本体に連結した、該本体に対して該蓋が回動自在な連結構造の連結部を備え、
前記可動部品および前記操作部品が、前記蓋が前記本体に連結されている前記一部とは該蓋の逆側の部分に組み込まれたものであることを特徴とする付記1から8のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0163】
(付記10)
前記本体は、内部に電子機器が組み込まれたものであることを特徴とする付記1から9のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【符号の説明】
【0164】
100,200 ノートPC
110,210,300 本体装置
111,211 本体筐体
111a ロック用穴
112,112’,222,311 ロック解除ボタン
113,113’ ロック用部品
114,114’,223,312 ロック部
115,212,322a 斜面
115’ 壁
116,224,314 バネ
120,220 表示装置
121,221 表示筐体
122 被係合部
130,230,330 ヒンジ
211a 本体装置側ロック用穴
211a_1 左側の縁
221a 表示装置側ロック用穴
310 装置部分
312a 第1斜面
312b 第2斜面
313 フレキシブルプリント基板
320 バッテリパック
321 バッテリ筐体
322 係止爪
323 突起部
【技術分野】
【0001】
本件は、本体と蓋とを備えた蓋付き物品に関する。
【背景技術】
【0002】
本体と蓋とを備えた蓋付き物品の一例として、ノート型のパーソナルコンピュータ(ノートPC)が挙げられる。ノートPCでは、液晶パネル等が収納された表示装置と、CPUやメモリ等が収納された本体装置とがヒンジによって連結されている。これにより、表示装置が本体装置に対して回動自在となり、ノートPCは、液晶パネルがユーザ側を向くように本体装置に対して表示装置が開いた開状態と、その液晶パネルが本体装置に重なった閉状態とを自在に取り得ることとなる。このようなノートPCでは、表示装置を上記の蓋付き物品の蓋と捉え、本体装置を蓋付き物品の本体と捉えることができる。
【0003】
ここで、ノートPCの多くでは、閉状態にある表示装置が不用意に開かないようにロックするロック機構(例えば、特許文献1参照。)を有している。このようなロック機構では、表示装置と本体装置とのいずれか一方に組み込まれた可動部品が、閉状態において他方の一部分に係合することでロックが行われる。また、ロック解除の際には、この可動部品が動かされて係合が解かれることとなる。そして、ユーザは、ロックを解除した後に、表示装置や本体装置を掴んでノートPCを開く。
【0004】
近年、ノートPCを含む様々な物品について筐体のデザイン性が重視されている。例えばノートPCの好ましいデザインとして、閉状態に置かれた表示装置と本体装置との間で外観上の段差を無くしたデザインが増えている。また、薄型化の進展が著しいノートPCでは、ユーザの指のサイズに対して表示装置等の厚みが非常に薄くなってきている。このようなデザインでは、ロック解除後にユーザがノートPCを開くときの手掛りが少ないため、ノートPCは開き難くなっている。
【0005】
ここで、ノートPCに限らず一般的な蓋付き物品で採用されているロック機構の中には、上記の蓋を押上げながら可動部品の係合を解く構造を有しているものがある(例えば、特許文献2〜5参照。)。このような構造のロック機構を、上記のようなノートPCに適用すれば、ロック解除時に、表示装置と本体装置との間に隙間が生じる。このため、ロック解除後には、ユーザは、その隙間をノートPCを開くときの手掛りとして利用することができるので、ノートPCを容易に開くことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−241854号公報
【特許文献2】実公平7−10541号公報
【特許文献3】特開平7−274321号公報
【特許文献4】特開平9−121931号公報
【特許文献5】特開平9−267853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように蓋を押上げながら可動部品の係合を解くロック機構では、可動部品や、その可動部品が係合している相手側の部分等に無理な負荷が掛かり、ロック解除を繰り返す内にそれらの箇所に摩滅や破損が生じる恐れがある。また、そのような摩滅や破損の結果として、蓋が不用意に開いてしまう恐れもある。
【0008】
尚、ここまで、蓋付き物品の一例として主にノートPCを例に挙げて、蓋の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生について説明した。しかし、このような事情は、ノートPCに限らず、例えば化粧品等を収容する蓋付き容器等についても同様に生じ得る。
【0009】
本件は上記事情に鑑み、蓋の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生が抑えられた蓋付き物品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する蓋付き物品の基本形態は、本体と、その本体に対して開閉自在な蓋と、可動部品と、操作部品とを備えている。
【0011】
可動部品は、上記本体および上記蓋の少なくとも一方である被組込体に組み込まれた、その被組込体に対して決まった経路で移動が自在なものである。さらに、この可動部品は、その経路の一端側に向かうにつれて、上記本体および上記蓋のうちその被組込体に対する他方である他体の一部分に接近する。そして、この可動部品は、その一部分に最接近することでその一部分と係合して上記蓋を閉状態に保つ。
【0012】
操作部品は、上記被組込体に組み込まれた、その被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、その経路の一端側から他端側へと移動操作されるものである。
【0013】
この操作部品は、そのように移動操作されることで、その移動操作の前段で上記可動部品に操作力を伝達してその可動部品を上記一部分から離れる方向へと上記経路上で移動させてその可動部品とその一部分との係合を解く。さらに、この操作部品は、その移動操作の後段で上記蓋に操作力を伝達してその蓋を上記本体に対して押し上げる。
【発明の効果】
【0014】
本件によれば、蓋付き物品について、蓋の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】蓋付き物品に対する具体的な第1実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【図2】閉状態から開状態への移行途中にある図1のノートPCを示す斜視図である。
【図3】図1の閉状態にあるノートPCの、図2に示す被係合部周辺についての拡大断面図である。
【図4】ロック用部品を示す斜視図である。
【図5】ロック部が被係合部から外れた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【図6】ロック解除ボタンが本体装置奥側に更に押し込まれた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【図7】ロック状態にある比較例のロック機構の、図3と同様の拡大断面図である。
【図8】比較例のロック機構が備えたロック用部品の斜視図である。
【図9】比較例のロック機構においてロックが解除された状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【図10】比較例のロック機構を備えるノートPCが開かれる様子を模式的に示す図である。
【図11】比較例のロック機構を備えるノートPCについて、ユーザの指のサイズと表示筐体の厚みとを比較した比較図である。
【図12】蓋付き物品に対する具体的な第2実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【図13】第2実施形態におけるロック解除ボタンの拡大斜視図である。
【図14】図12の閉状態にあるノートPCの、ロック機構周辺についての、このノートPCにおける幅方向の拡大断面図である。
【図15】ロック部が本体装置側ロック用穴の左側の縁から外れた状態を示す、図14と同様の拡大断面図である。
【図16】ロック解除ボタンが更にスライドされた状態を示す、図13と同様の拡大断面図である。
【図17】限界までスライドされたロック解除ボタンの周辺を示す拡大斜視図である。
【図18】第3実施形態のノートPCにおける本体装置を、バッテリパックが装着された裏面を上に向けて裏返した状態で示した斜視図である。
【図19】バッテリ筐体の縁の係止爪が見えるように、バッテリパックを装置部分から外した状態を示す斜視図である。
【図20】ロック状態にある係止爪の周辺を示す拡大図である。
【図21】ロック解除ボタンが限界までスライドされて、バッテリパックが装置部分から押し上げられた様子を示す図である。
【図22】バッテリパックが装置部分に装着されてロックされた本体装置を示す図である。
【図23】ロックが解除された状態の本体装置を示す図である。
【図24】ロックの解除後にバッテリパックが装置部分から押し上げられた状態の本体装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、上記に基本形態について説明した筐体および電子機器の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、蓋付き物品に対する具体的な第1実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【0018】
このノートPC100は、本体装置110と表示装置120とを備えている。本体装置110は、本体筐体111内に、CPUやメモリ等が収納されたものである。また、表示装置120は、表示筐体121に液晶パネルや光源等が収納されたものである。そして、本体装置110と表示装置120は、表示装置120が本体装置110に対し矢印A方向に開閉自在となるようにヒンジ130で連結されている。この図1には、表示装置120が本体装置110に対し閉じた閉状態にあるノートPC100の外観図が示されている。
【0019】
本実施形態では、本体装置110が、上述の基本形態における本体の一例に相当し、表示装置120が、この基本形態における蓋の一例に相当する。
【0020】
この図1に示すノートPC100では、本体装置110や表示装置120が薄型に設計されている。さらに、閉状態に置かれた本体装置110と表示装置120との間で外観上の段差が極力無くされたデザインとなっている。
【0021】
ここで、このノートPC100には、図1に示す閉状態を保つ(ノートPC100をロックする)後述のロック機構が備えられている。そして、本体装置110における、図1における手前側の側面に、ロック解除時に操作されるロック解除ボタン112が配備されている。
【0022】
本実施形態では、ロック解除時には、ユーザによって、このロック解除ボタン112が図1中の矢印Bが示す奥行き方向に押し込まれる。そして、ロック解除後に、ユーザが、本体筐体111や表示筐体121を掴んで開くことで、ノートPC100は、不図示の液晶パネルがユーザ側を向いた開状態に移行することとなる。
【0023】
図2は、閉状態から開状態への移行途中にある図1のノートPCを示す斜視図である。
【0024】
この図2に示すように、表示装置120では、表示筐体121の、ヒンジ130と対向する手前側の縁の中央から被係合部122が突出している。この被係合部122は、本体装置110の内部に配備されている後述のロック部が閉状態の際に係合するものである。
【0025】
また、本体筐体111の上面には、図1の閉状態の際に被係合部122が入り込むロック用穴111aが、ロック解除ボタン112の近傍に設けられている。閉状態の際には、このロック用穴111aから被係合部122が本体筐体111の内部に進入する。そして、被係合部122が、ロック解除ボタン112と一体の後述するロック用部品と係合することでノートPC100がロックされる。
【0026】
図3は、図1の閉状態にあるノートPCの、図2に示す被係合部周辺についての拡大断面図である。この拡大断面図は、ノートPC100が奥行き方向に切られた断面を表している。
【0027】
この図3に示すように、閉状態では、ロック用穴111aから被係合部122が本体筐体111の内部に進入している。本体筐体111の内部には、この被係合部122が進入してくる箇所にロック用部品113が配置されている。
【0028】
図4は、ロック用部品を示す斜視図である。
【0029】
以下、このロック用部品113について、図3と図4とを参照して説明する。
【0030】
ロック用部品113の、図4の右側は本体装置110の前方側に突き出している。この突き出した箇所が、図1や図2にも示したロック解除ボタン112となっている。そして、このロック用部品113は、概ね四角筒形状を有しており、ロック解除ボタン112は、この四角筒形状における4つの側壁のうちの1つに相当している。このロック解除ボタン112と対向する壁面からは、本体装置110前方側に向かって、上記の被係合部122に係合するロック部114が突出している。さらに、このロック部114と対向するロック解除ボタン112の裏側の壁面には、本体装置110前方側に向かって高さが増す斜面115が形成されている。
【0031】
このロック用部品113は、図3中の矢印Cが示す方向に沿った移動経路で進退自在に本体筐体111内に取り付けられている。この矢印Cが示す方向は、ノートPC100の奥行き方向に相当する。
【0032】
このロック用部品113は、本体筐体111内で、バネ116によって、本体装置110前方側に付勢されることで、この移動経路の一端に押し付けられている。
【0033】
本実施形態では、このロック用部品113が、上述の基本形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例に相当する。
【0034】
ノートPC100が閉じられて本体筐体111の内部に被係合部122が進入する際には、被係合部122の先端がロック部114の前面に当接して、ロック用部品113をバネ116の付勢力に反して本体装置110奥側に後退させる。そして、被係合部122の先端がロック部114の前面を通過すると、バネ116の付勢力によってロック用部品113が本体装置110前方側に移動する。その結果、ロック部114が被係合部122に係合して、ノートPC100が閉状態にロックされることとなる。以上に説明した被係合部122と、ロック用部品113と、バネ116との集合体がロック機構である。
【0035】
本実施形態では、ロック用部品113が組み込まれている本体装置110が、上述の基本形態における被組込体の一例に相当する。そして、ロック部114が係合する被係合部122が突出している表示装置120が、この基本形態における他体の一例に相当する。また、被係合部122が、この基本形態における「他体の一部分」の一例に相当する。
【0036】
ロック解除時には、ユーザによって、ロック解除ボタン112が本体装置110奥側に押し込まれる。このようにロック解除ボタンが112押し込まれることで、ロック用部品113が、バネ116の付勢力に反して本体装置110奥側に移動操作されることとなる。そして、この移動操作の前段において、ロック部114が被係合部122から外れることでロックが解除される。
【0037】
図5は、ロック部が被係合部から外れた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【0038】
ロック解除ボタン112が本体装置110奥側に押し込まれると、上記のように移動操作の前段においてロック部114が被係合部122から外れる。そして、このときには、ロック用部品113の斜面115が被係合部122の先端に達する。
【0039】
この移動操作の前段に続く後段では、ロック解除ボタン112が本体装置110奥側に更に押し込まれる。すると、以下に説明するように、この移動操作の後段で、表示装置120が押し上げられる。
【0040】
図6は、ロック解除ボタンが本体装置奥側に更に押し込まれた状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【0041】
ロック解除ボタン112が、図5に示すロック解除状態を経て、移動操作の後段で本体装置110奥側に更に押し込まれると、ロック用部品113は、斜面115に被係合部122の先端が乗り上げたまま移動する。すると、被係合部122の先端が、斜面115に沿って押し上げられる。その結果、この被係合部122が突出している表示装置120が、図中の矢印Dが示す方向に、本体装置110から押し上げられる。
【0042】
本実施形態では、ロック解除ボタン112が限界まで押し込まれて、ロック用部品113が移動経路の端に達すると、表示装置120は本体装置110から約4mm上方まで押し上げられる。
【0043】
ここで、ここまでに説明した本実施形態のノートPC100におけるロック機構と比較するための比較例のロック機構について説明する。
【0044】
図7は、ロック状態にある比較例のロック機構の、図3と同様の拡大断面図である。また、図8は、比較例のロック機構が備えたロック用部品の斜視図である。
【0045】
尚、比較例のロック機構は、ロック用部品113’のみが本実施形態のロック用部品113と異なっている。そのため、図7では、ロック用部品113’以外の構成要素については、図3に示す本実施形態の構成要素と同じ符号が付されて示されている。また、このことは、比較例のロック機構に関する後述の他の図面についても同様である。
【0046】
比較例のロック用部品113’は、本実施形態のロック用部品113と同様に、本体装置110前方側にロック解除ボタン112’が設けられ、このロック解除ボタン112’に対向する壁から本体装置110前方側にロック部114’が突出している。ただし、この比較例のロック用部品113’では、本実施形態のロック用部品113と異なり、ロック解除ボタン112’の裏側が単なる平面状の壁115’となっている。
【0047】
図7に示すロック状態では、比較例のロック用部品113’におけるロック部114’が、バネ116の付勢力によって被係合部122に係合している。そして、比較例のロック機構では、ユーザによってロック解除ボタン112’が本体装置110奥側に押し込まれると、ロック用部品113’が次のように移動してロックが解除される。
【0048】
図9は、比較例のロック機構においてロックが解除された状態を示す、図3と同様の拡大断面図である。
【0049】
ロック解除ボタン112’が押し込まれると、本実施形態のロック機構と同様に、バネ116の付勢力に反してロック用部品113’が本体装置110奥に移動することで、ロック部114’が被係合部122から外れる。その結果、ロックが解除される。ただし、この比較例のロック用部品113’では、上述したようにロック解除ボタン112’の裏側が単なる平面状の壁115’である。そのため、ロック解除ボタン112’が限界まで押し込まれても、被係合部122の位置、延いては表示筐体121の位置はロック時の位置のままである。
【0050】
このようにロックが解除された後、ユーザは次のようにノートPCを開く。
【0051】
図10は、比較例のロック機構を備えるノートPCが開かれる様子を模式的に示す図である。
【0052】
この図10に示すように、比較例のロック機構を備えるノートPCでは、ユーザは、例えば、上記のようにロック時の位置のままにある表示筐体121に指を掛けて、図中の矢印Eが示す方向に表示筐体121を動かしてノートPCを開くこととなる。
【0053】
ここで、近年では、ノートPCについてデザイン性が重視されている。そして、好ましいデザインとして、例えば、図7、9に示すように閉状態に置かれた表示筐体121と本体筐体111との間で外観上の段差を無くしたデザインが増えている。また、薄型化の進展が著しいノートPCでは、ユーザの指のサイズに対して表示筐体121の厚みが非常に薄くなっている。
【0054】
図11は、比較例のロック機構を備えるノートPCについて、ユーザの指のサイズと表示筐体の厚みとを比較した比較図である。
【0055】
この図11では、ロック解除後にノートPCを開く際に表示筐体121に掛けられる指のサイズが、点線の楕円によって模式的に示されている。この図11に示すように、近年の好ましいデザインでは、ユーザの指のサイズに対して表示筐体121の厚みが非常に薄くなっている。そして、上記のように、閉状態に置かれた表示筐体121と本体筐体111との間で外観上の段差が極力無くされたデザインとなっていることから、ロック解除後にユーザがノートPCを開くときの手掛りが少なく、ノートPCは開き難くなっている。
【0056】
以上、図7から図11までを参照して説明した比較例のロック機構に対し、上述の本実施形態のロック機構によれば、ロック解除ボタン112が限界まで押し込まれると、図6に示すように表示筐体121が約4mm程度押し上げられる。その結果、この表示筐体121と本体筐体111との間に隙間が生じる。本実施形態によれば、この隙間を手掛りとして利用することができるので、上記比較例に比べて表示筐体121にユーザの指が係り易く、延いてはノートPCが開き易くなっている。
【0057】
さらに、本実施形態のロック機構では、図5に示すように、ロックが解除されて始めて、被係合部122は斜面115に乗り上げる。その結果、ロック解除中でまだロック部114が被係合部122に係合している段階では被係合部122の位置が変わらない。そのため、この段階のロック部114や被係合部122に余分な負荷が掛かってしまう事態が回避される。従って、本実施形態では、このようなロック解除を繰り返しても、ロック部114や被係合部122に摩滅や破損等が生じる恐れが抑えられる。
【0058】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ノートPC100について、表示装置120の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【0059】
ここで、上述の基本形態に対し、上記可動部品と上記操作部品が一体の可動操作部品であるという応用形態は好適である。
【0060】
この好適な応用形態によれば、部品点数が削減されて、延いては製造コストの低減が図られることとなる。
【0061】
本実施形態のロック用部品113は、この応用形態における可動操作部品の一例に相当する。
【0062】
また、上述の基本形態に対し、以下に説明する応用形態も好適である。この応用形態では、上記他体が、上記被組込体側に突出して上記操作部品の移動経路上に達した突出部を有するものとなっている。そして、上記操作部品が、上記移動操作の後段で上記突出部に当接することで上記蓋を上記本体に対して押し上げるものとなっている。
【0063】
この応用形態によれば、上記蓋の押上げを、上記操作部品の上記突出部への当接という簡単な動作で行うことができる。
【0064】
本実施形態における被係合部122は、この応用形態における突出部の一例にも相当している。そして、本実施形態におけるロック用部品113は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。
【0065】
また、上述の基本形態に対し、以下に説明する応用形態も好適である。この応用形態では、上記他体が、上記一部分として、上記被組込体側に突出して上記可動部品の移動経路上に達した突出部を有するものとなっている。そして、上記可動部品が上記突出部と係合するものとなっている。
【0066】
この応用形態によれば、上記蓋を閉状態に保つロック機構を被組込体側にまとめて作りこむことができる。このため、上記他体のシンプル化を図ることが出来る。
【0067】
本実施形態における被係合部122は、この応用形態における突出部の一例にも相当している。そして、本実施形態におけるロック用部品113は、この応用形態における可動部品の一例にも相当している。
【0068】
また、上述の基本形態に対し、上記操作部品が、上記被組込体に出入りする方向の経路で移動が自在なものであって、その被組込体に押し込まれる操作を受けて上記係合を解くものであるという応用形態も好適である。
【0069】
この応用形態によれば、押し操作という非常に簡単な1操作によって係合を解くことが出来る。
【0070】
本実施形態におけるロック用部品113は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。
【0071】
次に、第2実施形態について説明する。
【0072】
図12は、蓋付き物品に対する具体的な第2実施形態であるノートPCを示す斜視図である。
【0073】
この図12のノートPC200も、上述の第1実施形態のノートPC100と同様に、CPUやメモリ等が本体筐体211内に収納された本体装置210と、液晶パネル等が表示筐体221に収納された表示装置220を備えている。そして、本体装置210と表示装置220は、上述の第1実施形態のノートPC100と同様に、ヒンジ230で連結されている。この図12には、閉状態にあるノートPC200の外観図が示されている。
【0074】
本実施形態でも、本体装置210が、上述の基本形態における本体の一例に相当する。また、表示装置220が、この基本形態における蓋の一例に相当する。
【0075】
この図12に示すノートPC200でも、上述の第1実施形態のノートPC100と同様に、本体装置210や表示装置220について、外観上、薄型化や段差の排除等が行われている。
【0076】
また、本実施形態では、このノートPC200の表示装置220における、図中手前側の側面にロック解除ボタン222が配備されている。
【0077】
本実施形態では、ロック解除時には、ユーザによって、このロック解除ボタン222が次のように操作される。
【0078】
図13は、第2実施形態におけるロック解除ボタンの拡大斜視図である。
【0079】
本実施形態のロック解除ボタン222は、上述の第1実施形態におけるロック解除ボタン112が押しボタンであったのとは異なり、図中の矢印Fが示すように、ロック解除時には表示筐体221の縁に沿ってスライドされるスライドボタンとなっている。
【0080】
本実施形態では、このロック解除ボタン222が、上述の基本形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例に相当する。
【0081】
次に、このようなロック解除ボタン222によってロックが解除される、本実施形態のロック機構について説明する。
【0082】
図14は、図12の閉状態にあるノートPCの、ロック機構周辺についての、このノートPCにおける幅方向の拡大断面図である。
【0083】
この図14には、図12中の切断線P−Pに沿った拡大断面図が示されている。
【0084】
この図14に示すように、本実施形態では、ロック解除ボタン222に、表示装置220内部から、閉状態にある本体装置210側に向かって表示装置220外部に突出する詳細については後述するロック部223が設けられている。このロック部223の先端は、図中左側にフック状に曲がっている。また、この先端における左側は、図中で右下がりの斜辺となるように成形されている。
【0085】
また、表示筐体221には、このロック部223が表示装置220外部に突出するための表示装置側ロック用穴221aが設けられている。さらに、本体筐体211には、閉状態のときにロック部223が後述のように進入するための本体装置側ロック用穴211aが設けられている。
【0086】
また、ロック解除ボタン222は、表示筐体221に、図中の矢印Gが示す表示装置220の幅方向に沿った移動経路で進退自在に取り付けられている。
【0087】
このロック解除ボタン222は、表示筐体221内部において、バネ224によって図中左側に付勢されている。そして、その付勢により、ロック解除ボタン222は移動係路の一端に押し付けられている。
【0088】
本実施形態のノートPC200が閉じられると、まず、表示装置220外部に突出しているロック部223の先端左側の斜辺が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に当接する。続いて、ノートPC200が閉じられるにつれて、ロック部223の先端左側の斜辺が、この左側の縁211a_1によって図中右側に押される。その結果、ノートPC200が閉じられるにつれて、ロック部223の先端は、バネ224の付勢力に反して図中右側に移動する。やがて、このロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1を越えて本体装置210内に進入する。すると、バネ224の付勢力によってロック部223が図中左側に戻る。その結果、ロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に係合することとなる。この係合により、ノートPC200が閉状態にロックされる。
【0089】
本実施形態では、ロック解除ボタン222が組み込まれている表示装置220が、上述の基本形態における被組込体の一例に相当する。そして、ロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が左側の縁211a_1に係合する本体装置側ロック用穴211aが設けられている本体装置210が、その基本形態における他体の一例に相当する。また、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1が、その基本形態にいう「他体の一部分」の一例に相当する。
【0090】
ロック解除時には、ユーザによって、ロック解除ボタン222が図13の矢印Fが示すように図中右方向にスライドされる。すると、ロック部223が、ロック解除ボタン222へのバネ224の付勢力に反して図中右方向に移動操作されることとなる。そして、この移動操作の前段において、ロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1から外れる。本実施形態では、ロック部223のこの動きによりロックが解除される。
【0091】
図15は、ロック部が本体装置側ロック用穴の左側の縁から外れた状態を示す、図14と同様の拡大断面図である。
【0092】
本実施形態では、本体筐体211内に、閉状態で本体装置210内に進入したロック部223の図中右側に位置するように、右側に進むにつれて高くなる斜面212が形成されている。
【0093】
上記のようにロック解除ボタン223が図中右側にスライドされると、上記のように移動操作の前段においてロック部223の先端におけるフック状に曲がった部分が、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1から外れる。そして、このときには、ロック部223の先端における図中右側の角が上記の斜面212に達する。
【0094】
この移動操作の前段に続く後段では、ロック解除ボタン222は図中右側に更にスライドされることとなる。すると、以下に説明するように、この移動操作の後段で、表示装置220が押し上げられる。
【0095】
図16は、ロック解除ボタンが更にスライドされた状態を示す、図13と同様の拡大断面図である。
【0096】
ロック解除ボタン222が、図15に示すロック解除状態を経て、移動操作の後段で図中右側に更に押し込まれると、ロック部223の先端の図中右側の角が斜面212に乗り上げたまま図中右側に進む。すると、ロック部223がこの斜面212に沿って押し上げられる。その結果、このロック部223が取り付けられている表示装置220が、図中の矢印Hが示す方向に、本体装置210から押し上げられる。
【0097】
本実施形態では、ロック解除ボタン222が、限界までスライドされると、表示装置220は本体装置210から約5mm上方まで押し上げられる。
【0098】
図17は、限界までスライドされたロック解除ボタンの周辺を示す拡大斜視図である。
【0099】
この図17に示すように、ロック解除ボタン222が、限界までスライドされると、本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1から外れたロック部223と共に、表示装置220が本体装置210から押し上げられる。その結果、上記のように表示装置221と本体装置210との約5mmの隙間Jが開くこととなる。
【0100】
以上、図12から図17までを参照して説明した第2実施形態によれば、ロック解除ボタン222が限界まで押し込まれると、上述したように表示装置220と本体装置210との間に隙間が生じる。本実施形態によれば、この隙間を手掛りとして利用することができるので、上述の第1実施形態と同様に、表示装置220に指が掛かり易く、延いてはノートPC200が開き易くなっている。
【0101】
さらに、本実施形態のロック機構でも、図15に示すように、ロックが解除されて始めて、ロック部223の図中右側の角は斜面212に乗り上げる。このため、ロック解除中でまだロック部223が本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に係合している段階ではロック部223の図中上下方向の位置が変わらない。その結果、この段階のロック部223や本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に余分な負荷が掛かってしまう事態が回避される。つまり、本実施形態では、このようなロック解除を繰り返しても、ロック部223や本体装置側ロック用穴211aの左側の縁211a_1に摩滅や破損等が生じる恐れが抑えられる。
【0102】
以上、説明したように、本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様に、ノートPC200について、表示装置220の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【0103】
ここで、上述の基本形態に対し、上記操作部品が、上記被組込体から上記他体側に突出した突出部分を有する、上記移動操作の後段でその突出部分が上記他体に当接することで上記蓋を上記本体に対して押し上げるものであるという応用形態は好適である。
【0104】
この応用形態によれば、上記蓋の押上げを、上記操作部品が有する突出部分の上記他体への当接という簡単な動作で行うことができる。
【0105】
本実施形態におけるロック解除ボタン222は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。また、本実施形態におけるロック部223が、この応用形態における突出部分の一例に相当する。
【0106】
また、上述の基本形態に対し、上記可動部品が、上記被組込体から上記他体側に突出した突出部分を有する、その突出部分が上記他体の上記一部分に係合するものであるという応用形態も好適である。
【0107】
この応用形態によれば、係合に要する内部空間が上記被組込体と上記他体側とで分担されることとなる。これにより、上記被組込体と上記他体側とのそれぞれについては、係合に要する内部空間を少なくすることができる。
【0108】
本実施形態におけるロック解除ボタン222は、この応用形態における可動部品の一例にも相当している。また、本実施形態におけるロック部223は、この応用形態における突出部分の一例にも相当している。
【0109】
また、上述の基本形態に対し、上記操作部品が、上記被組込体の表面に沿う方向の経路で移動が自在なものであるという応用形態も好適である。
【0110】
この応用形態によれば、上記操作部品を上記被組込体の表面近傍に寄せて組み込むことができ、被組込体の省スペース化を図ることができる。
【0111】
本実施形態におけるロック解除ボタン222は、この応用形態における操作部品の一例にも相当している。
【0112】
また、上述の基本形態に対し、以下に説明する応用形態も好適である。この応用形態は、上記蓋の一部を上記本体に連結した、その本体に対してその蓋が回動自在な連結構造の連結部を備えている。そして、上記可動部品および上記操作部品が、上記蓋が上記本体に連結されている上記一部とはその蓋の逆側の部分に組み込まれたものとなっている。
【0113】
この応用形態によれば、上記可動部品および上記操作部品を、上記逆側の部分に少なくとも1組だけ組み込むことで、閉状態でのロックやそのロックの解除を簡単に行うことができる。
【0114】
ここまでに説明した第1および第2の2つの実施形態それぞれにおけるヒンジ130,230が、この応用形態における連結部の一例に相当する。また、第1実施形態におけるロック用部品113および第2実施形態におけるロック解除ボタン222それぞれは、この応用形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例にも相当している。
【0115】
次に、第3実施形態について説明する。
【0116】
この第3実施形態では、ノートPCの本体装置の裏面に着脱自在に装着されるバッテリパックに、後述のロック機構が適用されている。尚、この第3実施形態の表示装置と本体装置とのロックにもロック機構が使われている。しかし、この第3実施形態については、バッテリパックに適用されたロック機構に注目して説明し、表示装置と本体装置とに適用されているロック機構については説明を割愛する。また、バッテリパックの装着とは無縁である表示装置についても、図示および説明を割愛する。
【0117】
図18は、第3実施形態のノートPCにおける本体装置を、バッテリパックが装着された裏面を上に向けて裏返した状態で示した斜視図である。
【0118】
尚、この図18では、上記のように図示および説明を割愛する表示装置が取り外された状態で、本体装置300が図示されている。
【0119】
この図18に示すように、この本体装置300では、筐体内にCPUやメモリ等が収納された装置部分310に、この装置部分310に電力を供給するバッテリパック320が着脱自在に装着されるようになっている。バッテリパック320は、装置部分310の裏面側に設けられた凹部に着脱自在に装着される。また、本実施形態では、このバッテリパック320の図中上面が、装置部分310の裏面を兼ねている。さらに、本実施形態では、装着状態にあるバッテリパック320のバッテリ筐体321と装置部分310との間で、外観上の段差が極力無くされたデザインとなっている。
【0120】
本実施形態では、装置部分310が、上述の基本形態における本体の一例に相当する。また、バッテリパック320が、この基本形態における蓋の一例に相当する。
【0121】
また、本実施形態では、バッテリパック320は、バッテリ筐体321の縁に設けられた後述する複数の係止爪によって、装置部分310に支持される構造となっている。
【0122】
図19は、バッテリ筐体の縁の係止爪が見えるように、バッテリパックを装置部分から外した状態を示す斜視図である。
【0123】
この図19では、バッテリ筐体321における、本体装置300と不図示の表示装置とを連結するヒンジ330とは反対側の縁が装置部分310から外された状態が示されている。そして、図19では、バッテリ筐体321の縁に設けられた複数の係止爪322のうち、ヒンジ330とは反対側の縁に設けられた3つの係止爪322が示されている。
【0124】
ここで、本実施形態では、これら3つの係止爪322のうち、図中左側の1つの係止爪322が、後述するように解除自在にロックされる。そして、装置部分310には、この図中左側の係止爪322の近傍に、ロック状態を解除するロック解除ボタン311が装置部分310の幅方向に移動自在に取り付けられている。
【0125】
図20は、ロック状態にある係止爪の周辺を示す拡大図である。
【0126】
この図20では、係止爪322を含む、バッテリ筐体321側の要素が点線で示されている。係止爪322は、この図20に示すように、バッテリ筐体321の角側の側面に、斜面322aが形成されている。
【0127】
また、バッテリ筐体321には、係止爪322から見て、バッテリ筐体321の角に近い位置に後述の突起部323が設けられている。
【0128】
また、装置部分310の内部には、ロック状態において係止爪322に径合するロック部312が、図中の矢印Kが示す装置部分310の幅方向に沿った移動経路で進退自在に取り付けられている。このロック部312の、装置部分310の角とは反対側の側面には、係止爪322の斜面322aと対応した第1斜面312aが形成されている。また、このロック部312の、装置部分310の角側の側面には、上記の突起部323が後述するように乗り上げる第2斜面312bが形成されている。
【0129】
このロック部312は、後述するようにバネによって装置部分310の角とは反対側に付勢されている。
【0130】
バッテリパック320が装置部分310に装着される際には、係止爪322が、ロック部312の図中上方から装置部分310に押し込まれる。その際には、係止爪322の斜面322aが、ロック部312の第1斜面312aに当接する。そして、それら両斜面322a,312aの傾きに従って、ロック部312が、バネの付勢力に反して装置部分310の角側にスライドする。やがて、係止爪322が、ロック部312の側方を通過して装置部分310の奥まで押し込まれると、ロック部312が、バネの付勢力によって装置部分310の角とは反対側にスライドする。これによって、ロック部312が係止爪322に係合することとなる。
【0131】
ここで、ロック部312は、装置部分310内で、ロック解除ボタン311と連結されている。また、上記のようにロック部312は、バネによって装置部分310の角とは反対側に付勢されている。そのため、ロック解除ボタン311もその角とは反対側に付勢され、このロック解除ボタン311の移動範囲における、装置部分310の角とは反対側に押し付けられた状態となっている。
【0132】
本実施形態では、ロック解除ボタン311とロック部312とを合わせたものが、上述の基本形態における可動部品と操作部品とを兼ねた一例に相当する。また、ロック解除ボタン311とロック部312とが組み込まれている装置部分310が、上述の基本形態における被組込体の一例に相当する。そして、ロック部312が係合する係止爪322を有するバッテリパック320が、この基本形態における他体の一例に相当する。また、係止爪322が、この基本形態における「他体の一部分」の一例に相当する。
【0133】
ロック解除時には、ユーザによって、ロック解除ボタン311が装置部分310の角側にスライドされる。すると、ロック部312が、バネの付勢力に反して装置部分310の角側に移動操作されることとなる。そして、この移動操作の前段において、ロック部312が係止爪322から外れてロックが解除される。
【0134】
また、本実施形態では、この移動操作の前段に続く後段において、ロック解除ボタン311は、上記のようにロックが解除される位置よりも更に装置部分310の角側にスライドされる。すると、以下に説明するように、この移動操作の後段で、バッテリパック320が装置部分310から図中上方に押し上げられる。
【0135】
図21は、ロック解除ボタンが限界までスライドされて、バッテリパックが装置部分から押し上げられた様子を示す図である。
【0136】
この図21に示すように、ロック解除ボタン311が限界までスライドされると、ロック部312も移動経路における装置部分310の角側の端までスライドされる。そして、このときには、バッテリ筐体321の突起部323が、ロック部312の第2斜面312bに乗り上げる。その結果、バッテリ筐体321、即ちバッテリパック320が装置部分310から図中上方に押し上げられることとなる。
【0137】
また、上記の図19に点線で示すように、装置部分310のロック解除ボタン311側の内部には、フレキシブルプリント基板313が配置されている。このフレキシブルプリント基板313は、バッテリ筐体321側に若干撓んだ形状を有している。このため、バッテリパック320が装置部分310に装着された状態では、このフレキシブルプリント基板313は、バッテリパック320を押し上げる方向に付勢する。そして、このフレキシブルプリント基板313による付勢力が、上記の突起部323の第2斜面312bへの乗上げによるバッテリパック320の押上げを助けることとなっている。
【0138】
以下、若干説明が重複するが、上記のロック状態から、移動操作前段でのロックの解除を経て、移動操作後段でバッテリパック320が装置部分310から押し上げられるまでの動きを別図を用いて説明する。
【0139】
図22は、バッテリパックが装置部分に装着されてロックされた本体装置を示す図である。また、図23は、ロックが解除された状態の本体装置を示す図である。また、図24は、ロックの解除後にバッテリパックが装置部分から押し上げられた状態の本体装置を示す図である。
【0140】
各図のパート(A)には、本体装置300の裏面から見た平面図が示されている。パート(B)には、パート(A)中の切断線L−Lに沿った断面図が示されている。パート(C)には、パート(B)中のエリアMの拡大断面図が示されている。
【0141】
図22に示すように、ロック状態では、上記のロック部312が、装置部分310内のバネ314の付勢力によって、装置部分310の角とは反対側に押し付けられている。その結果、このロック部312が、バッテリパック320の係止爪322に係合することなっている。
【0142】
そして、ユーザによってロック解除ボタン311が、ロック部312に対するバネ314の付勢力に反して装置部分310の角側にスライドされると、図23に示すようにロック部312が係止爪322から外れてロックが解除される。
【0143】
また、この図23に示すようにロック部312が係止爪322から外れた段階で、ロック部312の第2斜面312bが、バッテリパック320の突起部323に達する。
【0144】
続いて、ロック解除ボタン311が装置部分310の角側に更に限界までスライドされると、図24に示すように第2斜面312bに突起部323が乗り上げ、図中の矢印Nが示す方向にバッテリパック320が装置部分310から押し上げられる。また、この際には、上述したフレキシブルプリント基板313による付勢力が、このバッテリパック320の押上げを助けることとなる。
【0145】
以上、説明したように、本実施形態では、ロック解除ボタン311のスライドにより、バッテリ筐体321の係止爪322についてのロックが解除されると共に、バッテリ筐体321が装置部分310から押し上げられる。ここで、上述したように、本実施形態では、装着状態にあるバッテリパック320のバッテリ筐体321と装置部分310との間で、外観上の段差が極力無くされたデザインとなっている。しかし、ロック解除時にバッテリ筐体321が押し上げられるので、そのときのバッテリ筐体321と装置部分310との隙間が手掛りとなってバッテリパック320が取り出し易くなっている。
【0146】
さらに、バッテリ筐体321の押し上げは、ロックが解除された後の、移動操作後段で行われるので、ロック部312や係止爪322に余分な負荷が掛からず、これらの箇所に摩滅や破損等が生じる恐れが抑えられる。
【0147】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ノートPCの本体装置300について、バッテリパック320の開け難さやロック機構での摩滅や破損の発生を抑えることができる。
【0148】
ここで、上述の基本形態に対し、上記本体は、内部に電子機器が組み込まれたものであるという応用形態は好適である。
【0149】
この応用形態によれば、上記可動部品と上記操作部品とを有するロック機構を備えた、例えばノートPC等といった電子機器を得ることができる。
【0150】
上述した第1および第2の2つの実施形態それぞれにおける本体装置110,210と、第3実施形態における装置部分310とのそれぞれは、この応用形態における本体の一例にも相当している。
【0151】
尚、以上に説明した3つの実施形態では、基本形態について説明した蓋付き物品の具体的な実施形態として、ノートPCや、ノートPCにおいてバッテリパックと装置部分とからなる本体装置を例示した。しかしながら、基本形態について説明した蓋付き物品はこれらに限るものではなく、例えば、何らかの内容物が収容される蓋付きの容器等であっても良い。
【0152】
また、上述の第3実施形態は、バッテリパック320の複数の係止爪322のうち1つの係止爪322のみに解除自在のロック機構が設けられた形態となっている。しかしながら、このような複数の係止爪についてのロック機構は、それら複数の係止爪のうちの2つ以上あるいは全ての係止爪それぞれについて設けられても良い。
【0153】
以下、上述した基本形態を含む種々の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0154】
(付記1)
本体と、
前記本体に対して開閉自在な蓋と、
前記本体および前記蓋の少なくとも一方である被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側に向かうにつれて、前記本体および前記蓋のうち該被組込体に対する他方である他体の一部分に接近する、該一部分に最接近することで該一部分と係合して前記蓋を閉状態に保つ可動部品と、
前記被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側から他端側へと移動操作されることで、その移動操作の前段で前記可動部品に操作力を伝達して該可動部品を前記一部分から離れる方向へと前記経路上で移動させて該可動部品と該一部分との係合を解き、該移動操作の後段で前記蓋に操作力を伝達して該蓋を前記本体に対して押し上げる操作部品とを備えたことを特徴とする蓋付き物品。
【0155】
(付記2)
前記可動部品と前記操作部品が一体の可動操作部品であることを特徴とする付記1記載の蓋付き物品。
【0156】
(付記3)
前記他体が、前記被組込体側に突出して前記操作部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記操作部品が、前記移動操作の後段で前記突出部に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする付記1または2記載の蓋付き物品。
【0157】
(付記4)
前記他体が、前記一部分として、前記被組込体側に突出して前記可動部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記可動部品が前記突出部と係合するものであることを特徴とする付記1から3のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0158】
(付記5)
前記操作部品が、前記被組込体から前記他体側に突出した突出部分を有する、前記移動操作の後段で該突出部分が前記他体に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする付記1または2記載の蓋付き物品。
【0159】
(付記6)
前記可動部品が、前記被組込体から前記他体側に突出した突出部分を有する、該突出部分が前記他体の前記一部分に係合するものであることを特徴とする付記1、2、および5のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0160】
(付記7)
前記操作部品が、前記被組込体に出入りする方向の経路で移動が自在なものであって、該被組込体に押し込まれる操作を受けて前記係合を解くものであることを特徴とする付記1から6のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0161】
(付記8)
前記操作部品が、前記被組込体の表面に沿う方向の経路で移動が自在なものであることを特徴とする付記1から6のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0162】
(付記9)
前記蓋の一部を前記本体に連結した、該本体に対して該蓋が回動自在な連結構造の連結部を備え、
前記可動部品および前記操作部品が、前記蓋が前記本体に連結されている前記一部とは該蓋の逆側の部分に組み込まれたものであることを特徴とする付記1から8のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【0163】
(付記10)
前記本体は、内部に電子機器が組み込まれたものであることを特徴とする付記1から9のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【符号の説明】
【0164】
100,200 ノートPC
110,210,300 本体装置
111,211 本体筐体
111a ロック用穴
112,112’,222,311 ロック解除ボタン
113,113’ ロック用部品
114,114’,223,312 ロック部
115,212,322a 斜面
115’ 壁
116,224,314 バネ
120,220 表示装置
121,221 表示筐体
122 被係合部
130,230,330 ヒンジ
211a 本体装置側ロック用穴
211a_1 左側の縁
221a 表示装置側ロック用穴
310 装置部分
312a 第1斜面
312b 第2斜面
313 フレキシブルプリント基板
320 バッテリパック
321 バッテリ筐体
322 係止爪
323 突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に対して開閉自在な蓋と、
前記本体および前記蓋の少なくとも一方である被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側に向かうにつれて、前記本体および前記蓋のうち該被組込体に対する他方である他体の一部分に接近する、該一部分に最接近することで該一部分と係合して前記蓋を閉状態に保つ可動部品と、
前記被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側から他端側へと移動操作されることで、その移動操作の前段で前記可動部品に操作力を伝達して該可動部品を前記一部分から離れる方向へと前記経路上で移動させて該可動部品と該一部分との係合を解き、該移動操作の後段で前記蓋に操作力を伝達して該蓋を前記本体に対して押し上げる操作部品とを備えたことを特徴とする蓋付き物品。
【請求項2】
前記可動部品と前記操作部品が一体の可動操作部品であることを特徴とする請求項1記載の蓋付き物品。
【請求項3】
前記他体が、前記被組込体側に突出して前記操作部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記操作部品が、前記移動操作の後段で前記突出部に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする請求項1または2記載の蓋付き物品。
【請求項4】
前記他体が、前記一部分として、前記被組込体側に突出して前記可動部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記可動部品が前記突出部と係合するものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【請求項5】
前記操作部品が、前記被組込体から前記他体側に突出した突出部分を有する、前記移動操作の後段で該突出部分が前記他体に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする請求項1または2記載の蓋付き物品。
【請求項1】
本体と、
前記本体に対して開閉自在な蓋と、
前記本体および前記蓋の少なくとも一方である被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側に向かうにつれて、前記本体および前記蓋のうち該被組込体に対する他方である他体の一部分に接近する、該一部分に最接近することで該一部分と係合して前記蓋を閉状態に保つ可動部品と、
前記被組込体に組み込まれた、該被組込体に対して決まった経路で移動が自在な、該経路の一端側から他端側へと移動操作されることで、その移動操作の前段で前記可動部品に操作力を伝達して該可動部品を前記一部分から離れる方向へと前記経路上で移動させて該可動部品と該一部分との係合を解き、該移動操作の後段で前記蓋に操作力を伝達して該蓋を前記本体に対して押し上げる操作部品とを備えたことを特徴とする蓋付き物品。
【請求項2】
前記可動部品と前記操作部品が一体の可動操作部品であることを特徴とする請求項1記載の蓋付き物品。
【請求項3】
前記他体が、前記被組込体側に突出して前記操作部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記操作部品が、前記移動操作の後段で前記突出部に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする請求項1または2記載の蓋付き物品。
【請求項4】
前記他体が、前記一部分として、前記被組込体側に突出して前記可動部品の移動経路上に達した突出部を有するものであり、
前記可動部品が前記突出部と係合するものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の蓋付き物品。
【請求項5】
前記操作部品が、前記被組込体から前記他体側に突出した突出部分を有する、前記移動操作の後段で該突出部分が前記他体に当接することで前記蓋を前記本体に対して押し上げるものであることを特徴とする請求項1または2記載の蓋付き物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−108170(P2011−108170A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265179(P2009−265179)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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