説明

薄片状物質及び製法

【課題】薄片状物質の表面形状由来の光輝感は、薄片状物質上に被覆される材料だけなく、当該被覆層の表面形状に影響される。高い光輝感を得られるようにするためには、光が反射する面の平坦性が良いことが好ましい。本発明は、被覆層表面を平坦なものとしやすい薄片状物質を提供することを課題とする。
【解決手段】微粒子の集合体からなる薄片状物質であり、前記集合体は微粒子と微粒子とが固結して形成され、前記微粒子は有効(OH)を3×10−5〜1×10−6mol/l有する溶媒に分散された無機酸化物の微粒子由来のものであり、薄片状物質の表面は、平坦度が0.5μm以下とすること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗料、インキ、化粧料、プラスチック、フィルム等に粒子として含有される薄片状物質及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属化合物ゾルを基材に塗布し、乾燥させて薄膜化し、その後、それを基材から剥離、焼成して、薄片状物質を得る方法が知られている。例えば、特許文献1乃至4では、酸性コロイド溶液、又はアルカリ性コロイド溶液から薄片状物質が得られており、コロイド溶液の具体例としてpH9.8のシリカゾル、pH2〜4のシリカゾル、pH2.5〜4.5のアルミナゾル等が開示されている。
【0003】
適切な大きさに制御された薄片状物質は、塗料、インキ、化粧料、プラスチック、フィルム等に粒子として含有される。当該薄片状物質は、表面が平坦性を有することから、当該表面を反射する光により、薄片状物質からなる粒子を分散してなる物品に、独特のキラキラ感(光輝感)を付与せしめる。
【0004】
この光輝感を種々の用途に向け制御するために、薄片状物質の表面に他の材料が被覆される。例えば、表面がニッケル合金や鉄合金等の金属で被覆されたフレーク(薄片状物質)を含有する塗料は、強い光輝感のある塗装面を形成することができるとされている(例えば、特許文献5、6)
【特許文献1】特開昭62−213833号公報
【特許文献2】特開昭62−237936公報
【特許文献3】特開昭62−247834号公報
【特許文献4】特開2004−26614号公報
【特許文献5】特開平5−1248号公報
【特許文献6】特開平5−179174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薄片状物質の表面形状由来の光輝感は、薄片状物質上に被覆される材料だけなく、当該被覆層の表面形状に影響される。高い光輝感を得られるようにするためには、光が反射する面の平坦性が良いことが好ましい。被覆層表面の平坦性は、被覆層の基体の表面形状に影響される。本発明は、被覆層表面を平坦なものとしやすい薄片状物質を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の薄片状物質は、微粒子の集合体からなる薄片状物質であり、前記集合体は微粒子と微粒子とが固結して形成され、前記微粒子は有効(OH)を3×10−5〜1×10−6mol/l有する溶媒に分散された無機酸化物の微粒子由来のものであり、薄片状物質の表面は、平坦度が0.5μm以下であることを特徴とする。
【0007】
前記薄片状物質の表面に被覆層を形成する際、当該被覆層の表面を平坦なものとしやすくするために、本発明では該薄片表面の平坦度を0.5μm、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.2μm以下とした。0.5μm超では、薄片表面の凹凸により、薄片に金属等を被覆した場合に被覆面が凹凸になり、高い光輝感を得にくくなる。
【0008】
平坦性は良いことが好ましいので、平坦度は低いことが好ましいが、薄片状物質の表面に被覆層を形成する際、アンカー効果による当該被覆層の薄片状物質への付着力向上を考慮すると、平坦度の下限は0.05μmとしてもよい。尚、本発明では、平坦度は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて薄片断面の任意の箇所において、薄片断面と水平に10μmのスケールバーを接して、スケールバーと薄片表面の凹凸によるひずみの最大値で表した。
【0009】
微粒子は、そのサイズが小さいと表面エネルギーが大きくなるので、微粒子同士が集合しやすくなる。本発明は、この現象を応用したものであり、集合した微粒子を固結させることで薄片状物質とせしめる。この現象を有効に活用するために微粒子は球状とすることが好ましい。
【0010】
この微粒子として、有効(OH)を3×10−5〜1×10−6mol/l有する溶媒に分散された無機酸化物の微粒子を使用することで、思いがけずに前記薄片状物質の表面の平坦度が高くなることを見出し、本発明をなすに至っている。尚、本発明では、分散された無機酸化物の微粒子と、分散媒となる溶媒とからなるものをコロイド溶液と呼ぶことがある。
【0011】
有効(OH)とは、溶液に塩基性の性状をもたらす成分と同一視してよく、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アンモニアの水酸化物等が溶液中で解離して得られるものである。
【0012】
無機酸化物の微粒子の表面にはOH基が存在する。有効(OH)が、3×10−5〜1×10−6mol/l、好ましくは2×10−5〜2×10−6mol/lより好ましくは1×10−5〜1×10−6mol/lと適切量存在させることで、無機酸化物の微粒子の表面にはOH基と、有効(OH)とが作用し、微粒子の部分的な集合や特異的な集合形態を減少させる。それが結果的に、微粒子が集合して固結した際に薄片状物質の表面を平坦化させるものと考えられる。
【0013】
1×10−6mol/l未満では、微粒子の部分的な集合や特異的な集合形態(例えば、線状の集合形態)が生じやすく、薄片状物質の表面の平坦度が大きいものとなりやすい。他方、3×10−5mol/l超では、コロイド溶液に分散している無機酸化物の微粒子が凝固しやすくなり、容易に沈殿が生じやすくなる。
【0014】
前記微粒子はSiO、または、チタニア、または、シリカとチタニアの複合酸化物であることが好ましい。SiO、または、チタニア、または、シリカとチタニアの複合酸化物微粒子は球状の微粒子のものとしやすいため、微粒子が固結して得られた薄片表面は高い平坦度を得やすい。さらに有効(OH)が、3×10−5〜1×10−6mol/lでは微粒子は部分的に溶解するので、薄片状物質の表面では溶解と再析出が起こり、薄片表面は平滑になる。さらに微粒子と微粒子の接点部においても溶解と再析出が起こるため、粒子間の結合が強くなり、薄片状物質の剛性も高くなる。SiO微粒子からなるコロイド溶液は保存安定性に優れており、薄片状物質を製造する上では好適である。また、チタニア、または、シリカとチタニアの複合酸化物微粒子からなるコロイド溶液は、得られる薄片状物質の屈折率が高くなり、より優れた光輝感を付与することができるため好適である。
【0015】
また、微粒子の平均粒径が3〜100nm、さらには3〜50nmであることが好ましい。尚、本発明では、平均粒径は、薄片状物質を構成する微粒子のものであり、JIS H7803に準拠して得られたもので定義される。
【0016】
薄片状物質の厚さは0.1〜5μm、さらには0.2〜2μmであることが好ましい。5μmより厚いと薄片の断面にクラックが入りやすく、0.1μmより薄いと薄片が脆くなりやすい。尚、薄片の両主面(端面でない部分)は、略平行であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の薄片状物質では、薄片表面の平坦度が0.5μm以下の前記薄片表面に金属が被覆されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の薄片状物質は、表面の平坦性に優れるので、当該表面を反射する光により、薄片状物質からなる粒子を分散してなる物品に、独特のキラキラ感(光輝感)を付与せしめる。また、当該薄片状物質は、微粒子同士が固結して形成される微粒子の集合体であるので、微粒子の界面で破断させやすく、適切な大きさに制御された薄片状物質を提供しやすい等の効果を奏す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の薄片状物質は、微粒子の集合体からなるものであり、前記集合体は微粒子と微粒子とが固結して形成され、前記微粒子は有効(OH)を3×10−5〜1×10−6mol/l有する溶媒に分散された無機酸化物の微粒子由来のものである。そして、該薄片状物質は、好ましくは、無機酸化物の微粒子(好ましくは平均粒径が3〜50nm)が分散しているコロイド溶液が分散しているコロイド溶液から作製される。
【0020】
前記無機酸化物の微粒子は、表面にOH基を存在せしめるものが好適な例として挙げられ、例えば、SiO微粒子、Al微粒子、ZrO微粒子、TiO微粒子、ZnO微粒子、SnO微粒子等が例として挙げられる。
【0021】
コロイド溶液に含まれる無機酸化物の微粒子の濃度は、50質量%以下が好ましい。この濃度より高い濃度になるとコロイド溶液の急激な粘度上昇やゲル化が起こりやすくなる。好ましくは、1質量%以上、より好ましくは2〜40質量%、さらに好ましくは5〜20質量%とされる。
【0022】
無機酸化物の微粒子の分散媒、すなわちコロイド溶液の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、アセトニトリル、水等の極性溶媒が好ましい。中でも、水は有効(OH)濃度を制御しやすいので特に好ましい。極性溶媒は無機酸化物の微粒子と親和性が良く好ましい。
【0023】
薄片状物質を作製方法は、基材にコロイド溶液を塗布して、薄膜を形成し、この薄膜を加熱することで、微粒子と微粒子とが固結した薄片状物質を得る。薄膜は加熱すると収縮するため、薄片状物質の厚さが0.1〜5μmになるように、薄膜の厚みを調製して塗布する。
【0024】
上記基材は、基材表面が平坦なもので、加熱温度に耐えられる材質であればよく、また、剛直な基材でもフレキシブルなフィルム状の基材でもよい。具体的には自動車用ならびに建築用、産業用ガラス等に通常用いられている板ガラス、ステンレス鋼ならびにアルミニウム板、ニッケル板等の金属基板、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、塩化ビニル等の樹脂基板ならびに樹脂フィルム等を用いることができる。
【0025】
また、該コロイド溶液の基材への塗布手段としては、スピンコート、ディップコート、フローコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知手段を採用できる。塗布後は、約20℃の室温で放置又は800℃までの加熱で基材に薄膜を形成する。薄膜は加熱中に収縮することで剥離している部分があるが、薄片状物質を得るために基材からの剥離を促す方法として、ブラシや布、スクレーパーで剥ぎ取ったり、基材に振動を与えたり、吸引して収集してもよい。さらに基材から剥離した薄片状物質を再加熱して、微粒子と微粒子との固結を強固にすることが望ましく、300℃〜1200℃で5分〜3時間加熱する。
【0026】
また、上記薄片状物質を基材として、その薄片表面に金属を被覆することができる。被覆する金属としては、銀、金、銅、白金、ニッケル、コバルト、クロム等を用いることができる。中でも、銀は、金属の中で一番反射率が高く好適である。被覆の方法としては、一般的に知られている方法であればどのような方法を用いてもよく、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法または無電解メッキ法のようなに析出させる金属を含む溶液に薄片状物質をその液に浸漬させた後に還元剤を混合させて薄片表面に金属を析出させる方法など、公知の方法を利用することができる。
【0027】
また、コロイド溶液に添加する界面活性剤としては、一般的な陰イオン系および非イオン系の界面活性剤を利用できる。
【実施例】
【0028】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例および比較例で得られた薄片状物質に対し、以下に示す方法により品質評価を行った。
【0029】
[平坦度の評価]:薄片表面の平坦度は、走査型電子顕微鏡(S−4500;日立製作所製)を用いて薄片断面の任意の箇所において、薄片と水平に10μmのスケールバーを接して、スケールバーと薄片表面の凹凸によるひずみの最大値で表し、10箇所測定して得られた各値の平均値として定義した。薄片表面の平坦度が0.5μm以下のものを合格とした。
【0030】
[厚みの評価]:走査型電子顕微鏡(S−4500;日立製作所製)によって倍率5000倍で薄片の断面を10箇所測定して得られた各値の平均値として定義した。
【0031】
実施例1
コロイド溶液は、SiO微粒子からなるシリカゾルより調製した。シリカゾル(スノーテックスN、粒子径13nm、pH9.5、日産化学工業製)をコロイド溶液中のシリカゾルの含有量を10%になるように水で希釈して塗布液を調製した。結果、コロイド溶液中の有効(OH)濃度は1.6×10−5mol/lとなった。
【0032】
上記塗布液を塗布する基板としては、200mm×200mm×5mm(厚)サイズのフロートガラスの表面を研磨液(ガラス用研摩剤ミレークA(T)、三井金属鉱業製)で研磨し、ガラス洗浄機にて水洗および乾燥した。次に、上記塗布液をスピンコート法により上記ガラス基板上に塗布した。
【0033】
先ず、スピンコーター上に上記ガラス基板を設置し、回転速度が700rpmの速度で回転させながら約20mlの塗布液を滴下し、15秒間回転速度を維持して塗膜を形成した。次いで、100℃で10分間熱処理を行うことで、体積収縮を起こしてひび割れが生じた薄膜を得た。冷却後、この薄膜をブラシで剥ぎ取り、この薄膜を600℃で30分間熱処理することにより、薄片状物質を得た。
【0034】
上記方法で得られた薄片状物質の膜厚は1μmであった。また、薄片表面の平坦度が0.2μmであった。図1に、この薄片状物質の走査型電子顕微鏡の観察結果を示す。写真中、写真の右側辺の中央部あたりから写真の左側辺の下方に展開している物体が得られた薄片状物質を表している。顕微鏡の観察結果より、薄片状物質の薄片表面は平坦度が高いことが分かった。
【0035】
実施例2
シリカゾルにスノーテックスC(粒子径13nm、pH8.7、日産化学工業製)を用いた以外はすべて実施例1と同様の操作を行い、膜厚1.2μm、薄片表面の平坦度が0.3μmの薄片状物質を得た。尚、コロイド溶液中の有効(OH)濃度は2.5×10−6mol/lであった。
【0036】
実施例3
実施例1でのコロイド溶液に界面活性剤として非イオン性界面活性剤のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−333、ビックケミージャパン製)をコロイド溶液に対して0.2重量%添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、膜厚0.6μm、薄片表面の平坦度が0.1μmの薄片状物質を得た。
尚、コロイド溶液中の有効(OH)濃度は1.6×10−5mol/lであった。
【0037】
実施例4
コロイド溶液は、チタニア微粒子を含有する薬液より調製した。チタニア微粒子を含有する薬液(TKC−304、粒子径6nm、pH8、テイカ株式会社製)をコロイド溶液中のチタニア微粒子の含有量を8%になるように水で希釈して塗布液を調製した。結果、コロイド溶液中の有効(OH)濃度は1.0×10−6mol/lとなった。
【0038】
上記塗布液を塗布する基板としては、200mm×200mm×5mm(厚)サイズのフロートガラスの表面を研磨液(ガラス用研摩剤ミレークA(T)、三井金属鉱業製)で研磨し、ガラス洗浄機にて水洗および乾燥した。次に、上記塗布液をスピンコート法により上記ガラス基板上に塗布した。
【0039】
先ず、スピンコーター上に上記ガラス基板を設置し、回転速度が700rpmの速度で回転させながら約20mlの塗布液を滴下し、15秒間回転速度を維持して塗膜を形成した。次いで、100℃で10分間熱処理を行うことで、体積収縮を起こしてひび割れが生じた薄膜を得た。冷却後、この薄膜をブラシで剥ぎ取り、この薄膜を600℃で30分間熱処理することにより、薄片状物質を得た。
【0040】
上記方法で得られた薄片状物質の膜厚は1.1μmであった。また、薄片表面の平坦度が0.4μmであった。顕微鏡の観察結果より、薄片状物質の薄片表面は平坦度が高いことが分かった。
【0041】
実施例5
シリカとチタニアの複合酸化物微粒子を含有する薬液QUEEN TITANIC(粒子径8nm、pH8.5、日揮触媒化成製)を用いた以外はすべて実施例4と同様の操作を行い、膜厚0.8μm、薄片表面の平坦度が0.3μmの薄片状物質を得た。尚、コロイド溶液中の有効(OH)濃度は1.0×10−5mol/lであった。
【0042】
比較例1
シリカゾルに酸性コロイド溶液であるスノーテックスO(粒子径14nm、pH2.6、日産化学工業製)を用いた以外はすべて実施例1と同様の操作を行い、膜厚1.3μmの薄片状物質を得た。得られた薄片状物質の平坦度は0.8μmの薄片状物質を得た。尚、コロイド溶液中の有効(OH)濃度は7.9×10−12mol/lであった。
【0043】
比較例2
シリカゾルに有効(OH)が高いスノーテックス40(粒子径15nm、pH=10.1、日産化学工業製)を用いて、シリカゾルの含有量を30%になるように水で希釈して塗布液を調製した。塗布は、スピンコーターの回転速度を1400rpmの速度とした以外は、すべて実施例1と同様の操作を行い、膜厚0.9μmの薄片状物質を得た。得られた薄片状物質の表面には微粒子が部分的に集合した凝固物が析出し、平坦度は0.7μmの薄片状物質であった。尚、コロイド溶液中の有効(OH)濃度は1.0×10−4mol/lであった。
【0044】
比較例3
シリカゾルにスノーテックスN(pH=9.5)を用いて、コロイド溶液中の有効(OH)濃度を3.2×10−3mol/lとなるように水酸化ナトリウムを加えて塗布液を調製した。結果、コロイド溶液がゲル化し、さらに経時するとSiO微粒子が完全に溶解して、珪酸ナトリウム(水ガラス)になり、フレークを作製することができなかった。
【0045】
比較例4
チタニア微粒子を含有する薬液としてTKC−303(粒子径6nm、pH3、テイカ株式会社製)をコロイド溶液中のチタニア微粒子の含有量を8%になるように水で希釈して塗布液を調製した。塗布は実施例4と同様の操作を行ったが、微粒子が部分的に集合した凝固物が得られ、フレークを作製することができなかった。尚、コロイド溶液中の有効(OH)濃度を1.0×10−12mol/lであった。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】薄片状物質の走査型電子顕微鏡の観察結果(図面代用写真)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子の集合体からなる薄片状物質であり、前記集合体は微粒子と微粒子とが固結して形成され、前記微粒子は有効(OH)を3×10−5〜1×10−6mol/l有する溶媒に分散された無機酸化物の微粒子由来のものであり、薄片状物質の表面は、平坦度が0.5μm以下であることを特徴とする薄片状物質。
【請求項2】
微粒子がSiO、または、チタニア、または、シリカとチタニアの複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の薄片状物質。
【請求項3】
微粒子の平均粒径が3〜100nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄片状物質。
【請求項4】
厚さが0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薄片状物質。
【請求項5】
薄片表面の平坦度が0.5μm以下の前記薄片表面に金属が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薄片状物質。
【請求項6】
平均粒径が3〜100nmである無機酸化物の微粒子が分散しているコロイド溶液を基材に塗布する塗布工程、塗布された前記溶液を乾燥させる乾燥工程、該乾燥工程を経て得られた薄片状物質の前駆体を前記基材から剥離させる剥離工程、基材から剥離された薄片状物質の前駆体の加熱する工程を有し、前記コロイド溶液が有効(OH)を3×10−5〜1×10−6mol/l有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薄片状物質の製法。
【請求項7】
コロイド溶液中の無機酸化物の含有量を1〜50質量%とすることを特徴とする請求項6に記載の薄片状物質の製法。
【請求項8】
コロイド溶液に界面活性剤を含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の薄片状物質の製法。

【図1】
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