説明

薄膜磁気書込みヘッド及びその製造方法

【目的】 2つの磁極層の1つの上部に配置されたノッチ構造体を有する薄膜磁気書込みヘッドを提供する。
【構成】 ノッチ構造体は、通常、U形状の薄膜層であって、ヘッドの磁極端領域の1つ以上の磁極端層を抑制するためにU字型内にトレンチを形成する。ノッチ構造体は、エア・ベアリング面の一部を形成する平面に置かれた、U形状の脚の先端において前面部を有する。ノッチ層の厚さは、トレンチ内に配置された1つ以上の磁極端層の厚さと実質的に等しい。書込みヘッドの製造方法には、ノッチ構造体を画定するための、非常に薄いフォトレジスト層を形成する方法が含まれる。ノッチ構造体はよく画定されるので、1つ以上の磁極端層がよく画定され、トレンチ内に非常に狭いトラック幅を設定できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜磁気書込みヘッドに関し、特にサブミクロンのトラック幅を有する薄膜磁気書込みヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置では、データは"ヘッド"と呼ばれる磁気トランスデューサによって読み書きされる。ヘッドは高速で回転するディスク上方に置かれる。磁気ヘッドはディスクの高速回転によって作り出される空気の薄いクッションである"エア・ベアリング"によってディスク表面上に保持されるスライダ上に取り付けられる。ディスク表面の単位面積当たり(面密度)に記憶されるデータ量を増すには、ディスク表面の狭いトラックにより多くのデータを書込まなければならない。
【0003】磁気記録の面密度を改良する1つの主要な手段は、書込みヘッドがディスクに記録できるデータ・トラック数を改良することである。関連する特質を表す言葉は、"1インチ当たりのトラック数"すなわち"TPI"である。書込みヘッドのTPI能力は、データ・トラックの幅を決めるヘッドの大きさを小さくさせることによって増すことができる。通常、この大きさはヘッドの"トラック幅"と呼ばれる。
【0004】磁気記録においては、薄膜の読み書きヘッドが望まれる。これは、幅の狭いトラック幅を与え且つ高面密度をサポートするからである。また、薄膜の読み書きヘッドは製作が容易である。様々な薄膜製造技術によってこのような薄膜読み書きヘッドは基板上に1つの群として製作後、個々のヘッドに個別化される。
【0005】薄膜書込みヘッドは、磁気材料の薄膜"層"から形成される磁極片を有する。これらの層は"磁極層"と呼ばれる。磁極端領域において磁極層は、通常、"スロート高さ"と呼ばれる高さを持つ。完成した書込みヘッドにおけるスロート高さは、磁極層の先端"磁極端"の研磨によって形成されるエア・ベアリング面"ABS"と、下部磁極層(P1)及び上部磁極層(P2)が磁気記録ギャップで互いに交わるゼロ・スロート高さレベル(ゼロ・スロート・レベル)との間で測定される。
【0006】薄膜磁気書込みヘッドは、エア・ベアリング面とゼロ・スロート・レベル間に位置する磁極端領域と、ゼロ・スロート・レベルから後部ギャップまで延び、且つ後部ギャップを含む後部領域とを有する。書込みヘッドはまた、各々が磁極端領域に磁極端及び後部領域に後面部を持つ上部磁極層及び下部磁極層を含むヨークを有する。磁極層は後部ギャップで一緒に接続される。製作上の重要な目的は、書込みヘッドの磁極端を正確に画定することであり、これにより面密度を最大にできる。周知のように面密度は、磁極端の間のギャップの長さ(ギャップ長)に依存する、トラックの長さ1ミリメータ当たりの磁束反転数によってある程度決まる。このギャップ長を短くすることによって、トラック内のビット密度は増加する。ギャップ長の縮小化は、磁極端の磁束の強さの低下によって制限される。従って、ABSにおける磁極端領域の磁極層の幅によって決まる書込みヘッドのトラック幅を狭くする努力が行われた。
【0007】従来技術における薄膜磁気書込みヘッドの製作手順は、一般にコイル層の上部に1つ以上の絶縁層を形成後、上部磁極層を形成していた。絶縁層は、通常、適当にベーキングして固めたレジスト材料を有する。ベーキング中、レジスト層は磁極端領域に対して前方に流れ及び後方に収縮する。上部の絶縁層の最終的な構成は、磁極端領域の方へ下側に傾斜する形態を持つ。シード層を付着後、厚いレジスト層が付着される。この層の厚みは一般に10μm以上である。レジスト層は上部の絶縁層に続き、相当な厚さで磁極端領域で構成される。次にレジスト層は、上部磁極層の形態に対して写真製版技術によってパターン化される。写真製版のステップにおけるパターン化のために光がレジスト層を貫通する。レジスト層が厚いほど、光は横方向に散乱し、パターン化されるフォトレジストのエッジの画定がぼやける。このぼやけた画定のために磁極端領域の第2の磁極片を画定する磁極層P2で得られる最も狭いパターン幅は、厚さ4μmのめっきされた磁極端において約2μmである。次のステップでは、磁極層P2をめっきし、フォトレジストを除去する。結果として、書込みヘッドのトラック幅を画定する磁極端の幅は約2μmである。トラック幅を更に縮小し、トラック密度(TPI)を増すことが望ましい。
【0008】ヘッドを薄いギャップ層と狭いトラック幅で組立てる挑戦は、ギャップの長さが短いほど効果があり、磁束漏洩を最小にし、且つ狭い磁極端で低い磁束レベルで生じる磁束飽和を回避させることができる。第1の問題は、ABSとゼロ・スロート・レベル間の磁極端領域の長さの縮小によって軽減される。本発明は狭いトラック幅を提供し、磁束飽和を回避することによって第2の問題を解決する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、サブミクロンのトラック幅と、エア・ベアリング面に平行な面にあるゼロ・スロート・レベルとを有する薄膜磁気書込みヘッドを提供することである。
【0010】本発明の別の目的は、薄膜磁気書込みヘッドの磁極端領域において所要の1つ以上の磁極端層を有するトレンチ(trench)を提供することである。
【0011】本発明の別の目的は、前述の目的達成の他に、薄膜磁気書込みヘッドの働きと両立できるトレンチを形成するノッチ構造体の材料を提供することである。
【0012】本発明の別の目的は、上記目的の1つ或いは何れの組合わせにおいて前述の薄膜磁気書込みヘッドの製造方法を提供することである。
【0013】本発明の別の目的は、ノッチがサブミクロンのフォトレジスト層によって構成される、磁極端領域の構造体を画定する薄膜磁気書込みヘッドの製造方法を提供することである。上記フォトレジスト層は狭くパターン化されているのでサブミクロンのトラック幅を与え、エア・ベアリング面に平行な面に置かれたゼロ・スロート・レベルを正確に位置づけする。
【0014】本発明の他の目的が本発明の以下の説明から明白になる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は磁束飽和を回避する狭いトラック幅を有する薄膜磁気書込みヘッドを提供する。本発明によってサブミクロンのトラック幅を得ることができる。
【0016】本発明は、書込みヘッドの製造中に磁極端領域に適切に置かれるノッチ構造体を用いる。ノッチ構造体はU字型構造が好ましい。U字型構造は、ベースと1対の脚を有するノッチ構造体を与える。脚の前面は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通プレーンにある。ベースの前面及び脚の内部側面は、ノッチ構造体のU形状の内側で磁極端領域に位置するトレンチを形成する。狭い磁極端層はP2などの、少なくとも1つの磁極層の磁極端部を形成し、ノッチ内に配置される。各磁極層は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面にある前面部を有する。本発明の1つの実施例では、磁極層P2の磁極端層だけがノッチ内に位置する。他の実施例では磁極層及びギャップ層の磁極端層はトレンチ内に位置する。ABSの面から後方のゼロ・スロート・レベルまでの磁極層は、磁極端層よりも広く且つ平行であり、磁極端領域との磁束のやりとりのために平行経路を与え、磁束伝達能力を高める。この構造体は磁束飽和を回避し、データ記憶のための高磁束密度を与える。
【0017】前述の新規な磁気ヘッドを提供する重要な点は、ノッチ構造体製造の新規なプロセスにある。このプロセスは、ヘッドの下部磁極層の上部に、二酸化ケイ素などの異方性的にエッチング可能な層を最初に形成することが含まれる。次に0.7乃至0.8μmの厚さの非常に薄いレジスト層が、二酸化ケイ素層の上部に付着される。薄いレジスト層はフォト・マスクでパターン化される。レジスト層が薄いために、レジスト層において実質的に横方向の光の散乱はない。その結果、よく画定されたエッジを有するフォトレジスト・パターンが作られる。フォトレジスト・マスクは、二酸化ケイ素層の上面部を残して露出させ、露出部分は磁極端領域周辺でU形状となる。金属層がフォトレジスト層の上部及び二酸化ケイ素層の露出されたU字型表面上部に形成される。フォトレジスト層上部の金属層と共にフォトレジスト層が除去され、所望のノッチの位置の二酸化ケイ素層の上部にU形状の金属層を残す。反応性イオン・エッチング(RIE)を用い、U形状の金属層で覆われたところを除いた二酸化ケイ素層を除去し、磁極端領域周辺において金属層で被覆されたU形状の二酸化ケイ素のノッチ構造体を残す。このノッチ構造体は、その後のプロセス・ステップにおいて適当に残され、書込みヘッドの一部となる。ノッチ構造体の材料は、書込みヘッドのオペレーションには影響を及ぼさない。実際にノッチ構造体の材料は、その後のプロセス・ステップにおいて、材料の平面化を助け、並びに磁極層P2をゼロ・スロート・レベルから離隔し、磁極層及び磁極端領域の後部との間の望ましくない磁束漏洩を防ぐ。
【0018】
【実施例】ここで諸図を参照すると、各図は構造をよく説明するために実寸法ではなく誇張されており、及び同一の参照番号は類似または同一の部品を表す。図1は回転可能な磁気ディスク44を有するディスク駆動装置40を示す。磁気ディスク44は、駆動装置制御源(図示なし)からの制御信号に応答するモータ46によって回転させられる。磁気ディスク44がモータ46によって回転されるとき、スライダ48に取り付けられた複合ヘッドは、エア・ベアリングによって磁気ディスク表面49に対して保持される。複合ヘッドは、読取りヘッド50と書込みヘッド52を有する。スライダ48の下部面と複合ヘッド(50と52)は組立て中に磨かれ、エア・ベアリング面(ABS)54と呼ばれる共通の平面を形成する。磁気ディスクが回転しているとき、ABS54は磁気ディスク44の上部面より上に間隔dだけ離隔されている。スライダ48は、複合ヘッドと駆動電子部品59間で読取り/書込み信号を伝達するための手段(図示なし)を有するヘッド・サスペンション・アセンブリ56(HSA)に接続されている。駆動装置の上述の部品は、駆動装置のハウジング58内に取り付けられている。
【0019】図2の60では書込みヘッドが、回転している磁気ディスクのトラック62との関連において概略的に示されている。磁気ディスクのトラック上で誘発された磁束反転形式のデジタル情報が64で概略的に示されている。トラックの1ミリメータ(mm)当たりのこれらの磁束反転数は、書込みヘッドの線密度すなわちビット密度である。書込みヘッド・ギャップ(図示なし)の長さが縮小されるとビット密度は増加する。これまで実現できる最適のビット密度は、約0.3μmのギャップの長さである。ギャップの長さが前記値よりも縮小されると磁極端の磁束密度が減り、書込みに必要な量に不足する。他の重要な測定数値は書込みヘッド60のTPIである。書込みヘッドの磁極端素子の幅が狭いほどTPIは大きくなる。それゆえに本発明の主な目的は幅が1μmより狭く、約0.3μmの最適のギャップの長さを持つ書込みヘッドの磁極端素子を提供することである。
【0020】図3と図4は、薄膜磁気抵抗読取りヘッド及び薄膜磁気書込みヘッドを有する複合ヘッドの一部の概略図である。読取りヘッドは参照番号50によって、書込みヘッドは52によって示されている。複合ヘッドはスライダ48上に取り付けられる。図3で示す読取りヘッド50は、第1のギャップ層68と第2のギャップ層70とで挟まれた磁気抵抗素子66を有し、これらのギャップ層は第1のシールド層72と第2のシールド層74とで挟まれている。複合ヘッドの構成は、読取りヘッドの第2のシールド層74がまた、書込みヘッドの下部磁極層として機能することが望ましく、これに関しては後で詳細に説明される。
【0021】図5と図6は、エア・ベアリング面(ABS)とゼロ・スロート・レベルを有する薄膜磁気書込みヘッドの従来技術での磁極端領域を示す。従来技術での上部磁極層は、通常、下部に絶縁層I1を形成後に、並びにコイル層80に、或いはコイル層80上部に1つ以上の絶縁層I2を形成してから形成される。磁極端領域84の磁極端部を含む磁極層P2を構成するために厚いフォトレジスト層82が使用される。磁極端領域84のフォトレジスト層82の厚さは、よく画定されたマスクの形成を妨げる。レジスト層が薄いほどよいマスクを形成する。これは写真製版ステップ中において光の散乱が少ないからである。従来技術で得られる最も狭いトラック幅は、厚さ4μmの磁極層において約2μmである。図6でわかるように最終的に形成される上部磁極層86は、ゼロ・スロート・レベルの後方位置で磁極端領域84の方へ首が細くなっている。従って、この層の磁極端は、ゼロ・スロート・レベルと上部磁極層86のフレア部との間に首部分を有し、かなり低い書込み電流レベルにおいて磁極端を磁束飽和させる。
【0022】図7は本発明の薄膜磁気書込みヘッドの1つの実施例100を示す。書込みヘッドは、エア・ベアリング面(ABS)とゼロ・スロート・レベル及び後部領域との間に位置される磁極端領域107を有する。後部領域はゼロ・スロート・レベルから後方へ後部ギャップ(BG)まで延び、後部ギャップを含む。書込みヘッドは、磁極端領域107に伝達する手段である磁性材料の下部磁極層102及び上部磁極層104を有する。下部磁極層102及び上部磁極層104は、後部ギャップ(BG)で一緒に接続される。下部磁極層102と上部磁極層104の間には、第1の絶縁層I1、巻かれているコイル110及び1つ以上の絶縁層I2がある。図3と図4からわかるように第1のリード線112は113においてコイル110の一方に接続され、第2のリード線114はコイル110の他方(図示なし)に接続されている。変動電流がリード線112、114を通してコイル110に送られると、磁束反転が下部磁極層102及び上部磁極層104に誘発される。これらの磁束反転は、図7で示されるようにギャップ層106によって形成される磁極端領域107のギャップGを横切ってABSを通り、データ書込みのために走行中の磁気媒体まで延びる。磁気媒体のトラックの長さ1ミリメータ当たりの磁束反転数により、ヘッドの線密度すなわちビット密度が決まる。これはギャップGの厚さに依存する。磁気媒体の幅当たりのトラック数(TPI)は、磁極端領域107の幅に依存する。本発明はユニークな薄膜磁気書込みヘッドとその製造方法を提供し、サブミクロンのトラック幅を与える。
【0023】図7乃至図10で示されるように、薄膜磁気書込みヘッド100の第1の実施例は、ギャップ層106上にノッチ構造体120を有する。このノッチ構造体は、その製作中に書込みヘッド100に残される。ノッチ構造体は、通常、上部面120Tと下部面120Bとを有するU形状の層が好ましい。この層の厚さは、1つ以上の磁極端層の全体の厚さを決め、これは後で詳細に説明される。この厚さは、通常、2μm乃至3μmの範囲である。
【0024】図10で示されるようにノッチ構造体120は、ベース122と1対の脚124と126を有する。ベースは内部前面部128、外部後面部130、1対の外部側面部132及び134を有する。各脚124と126は、外部前面部136と138、内部側面部140と142及び外部側面部144と146をそれぞれ持つ。ベースの外部側面部132と134は、脚の外部側面部144と146に対してそれぞれ隣接する。脚の外部前面部136と138は、スライダ面(図示なし)を有する共通平面に置かれ、エア・ベアリング面の一部を形成する。
【0025】ベースの内部前面部128及び脚の内部側面部140と142は、U形状のマスクの内側にトレンチ148を形成する。トレンチ148は1つ以上の磁極端部が配置される場所を与える。
【0026】図7乃至図10に示される実施例では、唯一1つの磁極端層P2(T)だけがトレンチ148内に配置される。磁極端層P2(T)は、エア・ベアリング面の一部を形成する平面に置かれた前面部150(図8参照)を有する。磁極端層P2(T)は、磁極端領域107における上部磁極層104の一部108の下に位置決めされる。この実施例ではギャップ層106は、下部磁極層102の上部に直接形成される。好ましくは全ての実施例においてギャップ層106は非磁性の導電性材料であり、1つ以上の磁極端層をめっきするためのシード層として働く。適切なギャップ/シード層の材料は、ニッケル・リン、ニッケル・モリブデン、ニッケル・クロム、ニッケル・タングステン、金及び銅である。ギャップ/シード層は、マスク120の外部後面部130で終了でき、或いは図7で示すように後部ギャップまで後方へ続けることができる。図からもわかるように読取りヘッドの第2のシールド層74(図3参照)は、下部磁極層102と同じ構成である。
【0027】本発明の第2の実施例が図11乃至図13で示されている。この実施例のノッチ構造体120は、トレンチ148内の複数の磁極端層に適応するために高く(より厚い層)なっている以外は第1の実施例のノッチ構造体と同じである。この実施例では磁極端層P1(T)が、下部磁極層102との磁気的接触のために与えられている。次に、導電性のギャップ層Gが電着によってトレンチに付着される。最終的に上部磁極層104の下の磁性体の薄膜層がトレンチ148内に配置され、磁極端層P2(T)を形成する。
【0028】図7乃至図10で示された第1の実施例は、図11乃至図13で示された第2の実施例よりも製作がより簡単にできる利点がある。第1の実施例は、第2の実施例よりも層を1つ少なくして製作できる。しかしながら、図9からわかるように下部磁極層102の広がりのために、磁極端層P2(T)と下部磁極層102間においてトラックを外れたある磁束漏洩が存在し、ヘッドによる側面の書込み原因となる。対照的に図11乃至図13で示される第2の実施例は、ギャップ層Gに対して左右対称に配置された2つの磁極端層P1(T)とP2(T)を有する。第2の実施例の磁束伝達は側面の書込みが少なく、真っすぐに横切る。
【0029】図7乃至図9で示されるように、磁極端層P2(T)は、116において上部磁極層104(P2)と磁気的に接続されている。磁極端層P2(T)の前面部と上部磁極層104の磁極端部108の前面部とは、エア・ベアリング面を形成する平面に置かれる。この実施例における下部磁極層102の前面部はまた、エア・ベアリング面の平面にある。
【0030】図11乃至図13での第2の実施例では、前方延長部108の前面部、磁極端層P2(T)の前面部、ギャップ層106の前面部、磁極端層P1(T)の前面部、及び下部磁極層102の前面部は全てエア・ベアリング面の平面にある。
【0031】本発明の重要な特徴は、狭いトレンチ内の磁極端領域にあり、幅の狭いトラックを提供する。しかしながら、磁極層P2における広い部分108は、ABSからゼロ・スロート・レベルまでの磁極端層に対して磁気的に平行且つ接触し、付加の磁束的接触能力を与え、高書込み電流におけるヘッドの磁束飽和を防いでいる。更にノッチ構造体の高さはヘッドの構造体を平面化し、上部磁極層104と書込みギャップを分離しているので上部磁極層からABSの下部磁極層への磁束漏洩を最小にする。
【0032】ノッチ構造体120の材料が異方性的にエッチング可能であることは、重要である。この目的に適する材料は、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンである。ノッチ構造体120のエッチングを改良するために、上部U形状の層152が使われている(図7参照)。この上部U形状の層152の材料は、非異方性的にエッチング可能である。この目的に適する材料は、フォトレジスト、金属及び酸化アルミニウムが含まれる。上部U形状の層152は、ノッチ構造体120と共に処理ステップの間、ヘッドに残り、最終的なヘッドの一部を形成する。
【0033】薄膜磁気ヘッドの製造方法:図14乃至図2424は、図7乃至図10で示された第1の実施例の薄膜磁気ヘッドの製造プロセスにおけるステップ順序を示す。図14及び図15からわかるように下部磁極層102は、既知の磁性材料から形成され、下部磁極層は磁極端領域に磁極端部並びに後部領域BGに後面部を有する。前述で説明したように、複合ヘッドにおいて下部磁極層102は、図3で示すように磁気抵抗読取りヘッドの第2のシールド層74を有する。図16では、非磁性の導電性のギャップ/シード層106が下部磁極層102の上部に形成される。ギャップ/シード層に適切な材料は既に説明されている。ギャップ/シード層は2つの目的のために働く。ギャップ/シード層は、続いて形成される磁極端のギャップGを与え、また、磁極端領域における磁極端層P2(T)のめっきのためのシード層として使用される。
【0034】図17で示されるように、二酸化ケイ素などの異方性的にエッチング可能な層がギャップ/シード層の上部に形成される。この層の厚みは、続いて形成される磁極端層の厚さに等しいか、或いは1つ以上の磁極端層の複合の厚さに等しい。図18で示されるようにフォトレジスト層は、二酸化ケイ素層の上部に形成される。このフォトレジスト層は、サブミクロンすなわち0.7μm乃至0.8μm程度の厚さである。この薄さのためにフォトマスキング中におけるレジスト層へ導かれる光は散乱が少なく、図19の160でよく画定されたフォトレジスト・マスクを与える。フォトレジスト・マスクは、露光する二酸化ケイ素層の上部面164にU形状の部分を残す。このU形状の部分は、磁極端領域を囲むために構成される。磁極端領域は薄いフォトレジスト層166によって覆われる。フォトレジスト層166は1つ以上の磁極端層が形成されるボリュームの上部に直接置かれ、且つフォトレジスト・マスク168のU形状の一部内に左右対称に置かれる。
【0035】図20で示される非常に薄い非異方性的にエッチング可能な層170は、ウエハ全体を覆う。この層の厚さは約0.1μmである。この層に適する材料は既に説明されている。以後、このエッチング可能な層170は金属層と称する。金属層170の大部分はフォトレジスト層166及びフォトレジスト・マスク168の上部に形成される点に留意されたい。しかしながら、この金属層の非常に重要な部分は、二酸化ケイ素層の上部のU形状の層172に形成される。図21は、図18のフォトレジスト層が溶液によって現像され、除去後における、部分的に完成されたヘッドの構成を例示する。この後、続いて形成される磁極端ボリューム周辺に位置するU形状の金属層172が残る。
【0036】図22に示されるように、次にウエハに対して反応イオン・エッチング(RIE)が行われ、所望のノッチ構造体120を形成するU形状の二酸化ケイ素層176を除く、ギャップ/シード層に対して二酸化ケイ素層が下方に除去される。このノッチ構造体はまた、非常に薄い上部U形状の金属層172を有する。二酸化ケイ素層176と金属層172を含む全体のノッチ構造体がヘッドに残され、最終製品の一部を形成する。U字型構造のノッチ構造体120は、続く1つ以上の磁極端層の形成においてトレンチ148を与える。
【0037】図7乃至図10で示される第1の実施例において、単一の磁極端層P2(T)は、トレンチ148内に形成される。これは図23で示される。この磁極端層P2(T)は、図7で示される上部磁極層104に対して磁気的に連続する実質的な磁性体の薄膜層である。この実施例ではギャップ/シード層106は、磁極端のギャップGとして働く。
【0038】図7からわかるように、上部磁極層104が形成される前に、第1の絶縁層I1、コイル層及び1つ以上の絶縁層I2がゼロ・スロート・レベルと後部ギャップの間の領域に形成される。ノッチ構造体120は、これらの層をゼロ・スロート・レベルから離隔し、ヘッドの平面化を助ける役目がある。
【0039】図24で示されるように、上部磁極層104は磁極端領域の部分108への変換点である。この部分の幅はノッチ構造体120の幅より狭くすべきであり、これにより正しいサポートが得られる。上部磁極層104の形成は、図7と図24で示される116において上部層の前面部108を磁極端層P2(T)に合わせる。上部磁極層104が形成されると、上部磁極層104は後部ギャップにおいて下部磁極層102に磁気的に接続される。この接続を得るには、1つ以上のエッチング・ステップによって後部ギャップにバイア(via)を形成するのが望ましい。読取りヘッドの第2のシールド層74の形成は、下部磁極層102の形成ステップと同じである。適切な磁性材料は例えば、ニッケル鉄などである。図24は本発明の第1の実施例のABSを示し、エア・ベアリング面を形成する平面に置かれた前面部を有する、全ての磁極端構成要素であるP1、ギャップ、P2及びP2(T)を示す。
【0040】図11乃至図13で示される本発明の第2の実施例は、図25で示されるように組立てられる。この実施例では複数の層がトレンチ148内で組立てられる。例えば、磁性体の薄膜層がトレンチ内で形成され、磁極端層P1(T)を形成し、非磁性体の薄膜層がトレンチ内で形成され、ギャップ層Gを形成し、並びに磁性体の薄膜層がトレンチ内で形成され、磁極端層P2(T)を形成する。
【0041】本発明の他の実施例200が図26で例示されている。この実施例は磁気書込みヘッドの製造を簡略化する構造上の素子を有する以外は、図7で示された本発明の第1の実施例100に類似する。図26で示すように磁気ヘッドの実施例200の主要な構造上の相違は、非磁性体の導電層202が、磁極端領域の第1の下部磁極層102の上部にあるGに形成され、並びにゼロ・スロート・レベルと後部ギャップ間の後部領域における1つ以上の絶縁層I2/I3の上部に形成されることである。この導電層202は磁極端領域と、ABSから後部ギャップまでの全シード層とにおいてギャップGとして働く。このようなギャップ/シード層に適する材料は既に説明されている。実施例200はまた、図7の実施例100のノッチ構造体120と同じノッチ構造体204を有する。ノッチ構造体204における相違は、ノッチ構造体204が絶縁層I1/I2/I3の前方にて形成されることである。ノッチ構造体204が後部領域に延ばされた理由は、前述の絶縁層の前方接合部の不均等を平滑化するためであり、このため第2の上部磁極層104は磁極端領域から磁気ヘッド構造体の後部領域に容易に変換できる。図26からわかるようにノッチ構造体204が絶縁層I2/I3の上部平面に一度到達すると206で終了される。図26で示される磁気書込みヘッド200のABS図は、P2とP2(T)間の短い線116が取り払われた以外は図9で示されたABS図と同じである。
【0042】図26の磁気書込みヘッド200の典型的な製造方法は、図27乃至図32で説明される。従来技術同様、第1の下部磁極層102は図27の通りに形成される。次のステップは、第1の下部磁極層102の上部にI1層を形成し、第1の絶縁層I1の上部にコイル110を付着し、更にコイル110の上部に1つ以上の絶縁層I2/I3を付着することである。これらの層の形成は、第1の下部磁極層102の付着後に付着される点で、図7に示される実施例100の製作方法とは異なる。従来技術では、I1、コイル110及びI2/I3のこれらの層は、図22で例示されたノッチ構造体176の形成後に付着された。I1、コイル110及びI2/I3のこれらの層の付着後、ギャップ/シード層202は、磁極端領域の第1の下部磁極層102の上部、並びに図27で示されるようにI1、コイル110及びI2/I3の各層の上部に付着される。ギャップ/シード層202は、ゼロ・スロート・レベルと後部ギャップの間のI1、コイル110及びI2/I3の各層の上部、並びに図27で示されるように選択的に後部ギャップ、或いは後部ギャップを越えて延長することができる。次のステップは、図27で示すように二酸化ケイ素などの異方性的にエッチング可能な層204をギャップ/シード層202上に付着することである。これは、第1の実施例方法の図17で示された二酸化ケイ素層の形成と同じステップである。
【0043】次のステップでは、二酸化ケイ素層206の上部に非異方性的にエッチング可能な薄いU形状の層208を形成する。このU形状は図29に例示されている。このU形状の層208の形成は、図18乃至図21における第1の方法で説明された前述のステップによって形成される。U形状の層208に適する材料は、既に説明されている。次のステップでは二酸化ケイ素層204においてトレンチ210を形成するためのマスクとしてU形状の層208を使用する。このステップは、図30R>0で示されている。このトレンチ210を形成するための好ましい方法は、ウエハに対して反応性イオン・エッチング(RIE)を行うことである。二酸化ケイ素層204で形成されたトレンチ210は、第1の実施例における図22のトレンチ148と同じである。反応性イオン・エッチングはまた、二酸化ケイ素層をU形状の層208の前方、後方及び両側で除去し、図30で示された構成を与える。
【0044】次のステップは、図31、図32で示されるように第2の上部磁極層104をフレームめっきする。フォトレジスト・フレーム212が第2の上部磁極層104の横方向の構成を制御するために用いられる。図31は、シード層部214、216によって得られる第2の上部磁極層104の部分めっきを示す。電気めっきがシード層208の高さまでに到達すると、電気めっきはシード層208の上部をめっきし、図32に示されるように第2の上部磁極層104の構成を完成させる。前述したようにこの実施例の利点は、磁極端P2Tと第2の上部磁極層104が1回のフレームめっきステップで付着でき、1つの層を生むことである。これは第2の磁極層が図32で示されるように磁極端P2Tに合体される代わりに磁極端P2Tと接合する点で、前の実施例とは異なる。ステップ完了後、図32で示される構造体は、次にABSに重ねられる。
【0045】図26乃至図32で例示された第3の実施例の変更例では、ノッチ構造体のトレンチにおける磁極端素子P1T、G及びP2Tの組立てのために第1の実施例における図12及び図25で示された教示を用いる。この教示は、図30で例示されたノッチ構造体210の形成後、複数のステップを加える。図12及び図25R>5並びに上記の教示により、磁極端P1Tは、ギャップ層106の形成前にノッチ構造体210のトレンチにフレームめっきされる。この後のステップは図31及び図3232で説明されたステップと同じである。最終的な構造体のABS図は、磁極端P2(T)と第2の磁極層P2間の短い水平線が排除された以外は、図12のABS図と同じであり、これらの素子は互いに合体することになる。
【0046】全実施例において酸化アルミニウム層がウエハ全体の上に置かれ、ノッチ構造体と磁極端層の両面を覆い、エア・ベアリング面の一部を形成する。このステップは図示されていないが、しかし、当業者は理解できよう。しかしながら、この層は図3の112で指摘されている。
【0047】明らかに上記教示に関して、本発明では多くの修正と変更が可能である。従って、添付の請求項の範囲内で本発明は上述に限定されずに実施される。
【0048】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0049】(1)磁極端領域に磁極端部並びに後部領域に後面部を有する第1の磁極層と、前記磁極端領域の前記第1の磁極層上に形成され、前記磁極端領域にトレンチを形成するノッチ構造体と、前記磁極端領域に前記磁極端部並びに前記後部領域に前記後面部を有し、前記第1の磁極層上に形成された第2の磁極層と、後部領域において前記第1の磁極層に接続され、前記ノッチ構造体上に形成された前記第2の磁極層の磁極端部と、前記第1の磁極層と前記第2の磁極層との間に形成されたギャップ層と、前記第1の磁極層或いは前記磁極端領域の前記第2の磁極端層に接続され、且つ前記トレンチに形成された少なくとも1つの磁極端層と、を有する、多層磁極端領域と後部領域を持つ薄膜磁気書込みヘッド。
(2)前記ノッチ構造体の上部に導電層を有する、前記(1)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(3)前記磁極端領域と前記後部ギャップ間に配置され、前記第1の磁極層の上部に形成された少なくとも1つのコイル構造体と、前記磁極端領域と前記後部ギャップ間に配置され、前記少なくとも1つのコイル構造体の上部に形成された絶縁層と、前記第1の磁極層と前記第2の磁極層間に形成され、且つ前記絶縁層の上部に形成されたギャップ層と、非磁性体のギャップ層と、を有する、前記(2)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(4)前記トレンチに形成された前記少なくとも1つの磁極端層と、単一の層である第1の磁極層と、を有する、前記(3)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(5)前記ノッチ構造体は、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料で組立てられた、前記(4)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(6)ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有し、ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部側面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、前記ベースの前面部と前記脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、前記(5)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(7)U形状のマスクのベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、前記(6)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(8)前記ギャップ層は、前記第1の磁極層及び前記ノッチ構造体の上部に形成され、少なくとも1つの磁極端層はギャップ層上に直接形成される、前記(7)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(9)トレンチ内で形成され、磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続された第1の磁極端層と、トレンチ内で形成され、磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続された第2の磁極端層と、前記第1の磁極端層と前記第2の磁極端層間のトレンチ内で全体的に形成されたギャップ層と、を有する、前記(7)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(10)前記ギャップ層は、前記第1の磁極層及び前記ノッチ構造体の上部に形成され、少なくとも1つの磁極端層はギャップ層上に直接形成される、前記(1)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(11)前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の前記第1の磁極層に磁気的に接続された第1の磁極端層と、前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の前記第2の磁極層に磁気的に接続された第2の磁極端層と、前記第1の磁極端層と前記第2の磁極端層間の前記トレンチ内に全体的に置かれたギャップ層と、を有する、前記(1)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(12)ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有するのであって、ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部前面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、前記ベースの前面部と脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、前記(1)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(13)前記ギャップ層は、前記第1の磁極層及び前記ノッチ構造体の上部に形成され、少なくとも1つの磁極端層はギャップ層上に直接形成される、前記(12)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(14)前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続された第1の磁極端層と、前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続された第2の磁極端層と、前記第1の磁極端層と前記第2の磁極端層間のトレンチ内で全体的に形成されたギャップ層と、を有する、前記(12)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(15)U形状のマスクのベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、前記(12)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(16)前記ゼロ・スロート・レベルから後方へ離隔した後部ギャップと、前記ゼロ・スロート・レベルと前記後部ギャップ間に配置された第1の絶縁層、コイル層及び第2の絶縁層と、エア・ベアリング面から後部ギャップに延びる第1の磁極層と、エア・ベアリング面から後部ギャップに延びる第2の磁極層と、を有し、第1の絶縁層、コイル層及び第2の絶縁層は第1の磁極層と第2の磁極層との間に位置し、第1の磁極層と第2の磁極層は後部ギャップで磁気的に接続された、前記(15)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(17)請求項1の薄膜磁気書込みヘッドを有し、読取りヘッド・シールド層並びに読取りヘッド・シールド層を有する第1の磁極層を更に有する、読取り/書込み磁気ヘッド。
(18)ノッチ構造体は、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料で組立てられた、前記(1)記載の薄膜磁気書込みヘッド。
(19)ハウジングと、ハウジング内に取り付けられた回転可能な磁気ディスクと、磁気ディスクを回転させるための手段と、磁気ディスクの回転に対応し、磁気ディスクと変換関係のある読取り/書込みヘッドをサポートするハウジング内に取り付けられたスライダを持つサポート手段と、を有する、前記(18)記載の読取り/書込みヘッドを有するディスク駆動装置。
(20)エア・ベアリング面とゼロ・スロート・レベル間に配置された磁極端領域と、ゼロ・スロート・レベルから後方へ後部ギャップまで延び且つ後部ギャップを含む後部領域とを有する薄膜磁気書込みヘッドの製造方法であって、磁極端領域に磁極端部並びに後部領域に後面部を持つ第1の磁極層を形成するステップと、磁極端領域においてトレンチを与えるノッチ構造体を磁極端領域の第1の磁極層の上に形成するステップと、トレンチ構造体のノッチの内側に少なくとも1つの磁極端層を形成するステップと、ノッチ構造体と後部領域の後面部によってサポートされた磁極端領域の磁極端部を有する第1の磁極層の上に第2の磁極層を形成するステップと、少なくとも1つの磁極端層を第1の磁極層または第2の磁極層の何れかに磁気的に接続するステップと、を有する製造方法。
(21)前記ノッチ構造体を形成するステップが上部導電層を有する前記ノッチ構造体を形成するステップを更に有する、前記(20)記載の製造方法。
(22)前記磁極端領域と前記後部ギャップの間の第1の磁極層の上部に少なくとも1つのコイル構造体を形成するステップと、前記磁極端領域と前記後部ギャップの間の少なくとも1つのコイル構造体の上部に絶縁層を形成するステップと、後部領域での非磁性体の導電性のギャップ層の形成が磁極端領域と後部ギャップ間の前記絶縁層の上部に形成される、磁極端領域と後部領域に非磁性体の導電性のギャップ層を形成するステップと、を有し、これらのステップがノッチ構造体の形成前に行われる、前記(21)記載の製造方法。
(23)トレンチの第2の磁極端層の形成、並びに第1の磁極層の上部への第2の磁極層の形成は、磁極端領域、並びに磁極端領域と後部ギャップ間の後部領域に位置する非磁性体の導電性のギャップ層と、ノッチ構造体の上部導電層とをシード層として使用し、1ステップのフレーム・プレーティングで行う、前記(22)記載の製造方法。
(24)前記ノッチ構造体の形成ステップは、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料でノッチ構造体を形成することを含む、前記(23)記載の製造方法。
(25)前記ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有するのであって、前記ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部側面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、前記ベースの前面部と脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、前記(24)記載の製造方法。
(26)U形状のノッチ構造体のベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、前記(25)記載の製造方法。
(27)第1の磁極層とノッチ構造体の上部への非磁性体のギャップ層の形成、並びに少なくとも1つの磁極端層をギャップ層上に直接形成させるステップを更に有する、前記(26)記載の製造方法。
(28)少なくとも1つの磁極端層を形成するステップが、第1の磁極端層をトレンチの内側に形成し、第1の磁極端層を磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続するステップと、ギャップ層を第1の磁極端層の上部のトレンチ内に形成するステップと、第2の磁極端層をギャップ層の上部のトレンチ内に形成し、第2の磁極端層を磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続するステップと、を有する、前記(26)記載の製造方法。
(29)非導電性の磁気ギャップ層を第1の磁極層及びノッチ構造体の上部に形成し、少なくとも1つの磁極端層がギャップ層の上部に直接形成されるステップを更に有する、前記(20)記載の製造方法。
(30)少なくとも1つの磁極端層を形成するステップが、第1の磁極端層をトレンチの内側に形成し、第1の磁極端層を磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続するステップと、ギャップ層を第1の磁極端層の上部のトレンチ内に形成するステップと、第2の磁極端層をギャップ層の上部のトレンチ内に形成し、第2の磁極端層を磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続するステップと、を有する、前記(20)記載の製造方法。
(31)ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有し、ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部側面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、ベースの前面部と脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、前記(20)記載の製造方法。
(32)第1の磁極層とノッチ構造体の上部への非磁性体のギャップ層の形成、並びに少なくとも1つの磁極端層をギャップ層上に直接に形成させるステップを更に有する、前記(31)記載の製造方法。
(33)少なくとも1つの磁極端層を形成するステップが、第1の磁極端層をトレンチの内側に形成し、第1の磁極端層を磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続するステップと、ギャップ層を第1の磁極端層の上部のトレンチ内に形成するステップと、第2の磁極端層をギャップ層の上部のトレンチ内に形成し、第2の磁極端層を磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続するステップと、を有する、前記(31)記載の製造方法。
(34)前記U形状のノッチ構造体のベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、前記(31)記載の製造方法。
(35)前記ノッチ構造体の形成ステップは、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料でノッチ構造体を形成することを含む、前記(31)記載の製造方法。
(36)前記ノッチ構造体の形成ステップは、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料でノッチ構造体を形成することを含む、前記(20)記載の製造方法。
【0050】
【発明の効果】本発明の実施により、磁束飽和を回避する、サブミクロンの狭いトラック幅を有する薄膜磁気書込みヘッド及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気書込みヘッドを使用する、実寸法でない、磁気ディスク駆動装置の概略図である。
【図2】磁気ディスクのトラック上に位置決めされた磁気ヘッドの概略図である。
【図3】様々な詳細を例示するために一部が取り除かれた、薄膜複合ヘッドの等角図である。
【図4】様々な詳細を例示するために一部が取り除かれた、薄膜磁気書込みヘッドの平らな概略図である。
【図5】従来技術における薄膜磁気書込みヘッドの前面部の概略図である。
【図6】従来技術における薄膜磁気書込みヘッドの前面部の概略図である。
【図7】本発明に従って組立てられた薄膜磁気書込みヘッドの第1の実施例の水平方向の断面図である。
【図8】図7で例示された第1の実施例の磁極端部の拡大図である。
【図9】図8の磁極端領域を90度回転させて示した図である。
【図10】図8で例示された磁極端領域の平面図である。
【図11】本発明に従って組立てられた薄膜磁気書込みヘッドの第2の実施例における磁極端領域の概略断面図である。
【図12】エア・ベアリング面を形成する、図11で例示された磁極端領域の部分図である。
【図13】図11で例示された磁極端領域の平面図である。
【図14】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図15】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図でる。
【図16】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図17】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図18】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図19】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図20】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図21】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図22】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図23】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図24】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図25】本発明の薄膜磁気書込みヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図26】本発明に従って組立てられた薄膜磁気書込みヘッドの他の実施例の水平方向の断面図である。
【図27】図26で示された薄膜ヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図28】図26で示された薄膜ヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図29】図26で示された薄膜ヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図30】図26で示された薄膜ヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図31】図26で示された薄膜ヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【図32】図26で示された薄膜ヘッドの組立てにおけるプロセス・ステップを表す概略図である。
【符号の説明】
40 ディスク駆動装置
44 磁気ディスク
46 モータ
48 スライダ
49 磁気ディスク表面
50 読取りヘッド
52 書込みヘッド
54 エア・ベアリング面(ABS)
56 ヘッド・サスペンション・アセンブリ(HSA)
58 ハウジング
59 駆動電子部品
60 書込みヘッド
62 トラック
64 デジタル情報
66 磁気抵抗素子
68 第1のギャップ層
70 第2のギャップ層
72 第1のシールド層
74 第2のシールド層
80 コイル層
82 フォトレジスト層
84 磁極端領域
86 上部磁極層
100 薄膜磁気書込みヘッド
102 下部磁極層
104 上部磁極層
106 ギャップ層
107 磁極端領域
110 コイル
112 第1のリード線
114 第2のリード線
120 マスク
120、204、210 ノッチ構造体
122 ベース
124、126 脚
128 内部前面部
130 外部後面部
132、134 外部側面部
136、138 外部前面部
148、210 トレンチ
152、172、208 U形状の層
164 二酸化ケイ素層の上部面
166 フォトレジスト層
168 フォトレジスト・マスク
170 エッチング可能な層(金属層)
176 二酸化ケイ素層
200 磁気書込みヘッド
202 ギャップ/シード層
204 ノッチ構造体
206 二酸化ケイ素層
208 シード層
212 フォトレジスト・フレーム
214、216 シード層部

【特許請求の範囲】
【請求項1】磁極端領域に磁極端部並びに後部領域に後面部を有する第1の磁極層と、前記磁極端領域の前記第1の磁極層上に形成され、前記磁極端領域にトレンチを形成するノッチ構造体と、前記磁極端領域に前記磁極端部並びに前記後部領域に前記後面部を有し、前記第1の磁極層上に形成された第2の磁極層と、後部領域において前記第1の磁極層に接続され、前記ノッチ構造体上に形成された前記第2の磁極層の磁極端部と、前記第1の磁極層と前記第2の磁極層との間に形成されたギャップ層と、前記第1の磁極層或いは前記磁極端領域の前記第2の磁極端層に接続され、且つ前記トレンチに形成された少なくとも1つの磁極端層と、を有する、多層磁極端領域と後部領域を持つ薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項2】前記ノッチ構造体の上部に導電層を有する、請求項1記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項3】前記磁極端領域と前記後部ギャップ間に配置され、前記第1の磁極層の上部に形成された少なくとも1つのコイル構造体と、前記磁極端領域と前記後部ギャップ間に配置され、前記少なくとも1つのコイル構造体の上部に形成された絶縁層と、前記第1の磁極層と前記第2の磁極層間に形成され、且つ前記絶縁層の上部に形成されたギャップ層と、非磁性体のギャップ層と、を有する、請求項2記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項4】前記トレンチに形成された前記少なくとも1つの磁極端層と、単一の層である第1の磁極層と、を有する、請求項3記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項5】前記ノッチ構造体は、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料で組立てられた、請求項4記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項6】ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有し、ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部側面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、前記ベースの前面部と前記脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、請求項5記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項7】U形状のマスクのベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、請求項6記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項8】前記ギャップ層は、前記第1の磁極層及び前記ノッチ構造体の上部に形成され、少なくとも1つの磁極端層はギャップ層上に直接形成される、請求項7記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項9】トレンチ内で形成され、磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続された第1の磁極端層と、トレンチ内で形成され、磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続された第2の磁極端層と、前記第1の磁極端層と前記第2の磁極端層間のトレンチ内で全体的に形成されたギャップ層と、を有する、請求項7記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項10】前記ギャップ層は、前記第1の磁極層及び前記ノッチ構造体の上部に形成され、少なくとも1つの磁極端層はギャップ層上に直接形成される、請求項1記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項11】前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の前記第1の磁極層に磁気的に接続された第1の磁極端層と、前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の前記第2の磁極層に磁気的に接続された第2の磁極端層と、前記第1の磁極端層と前記第2の磁極端層間の前記トレンチ内に全体的に置かれたギャップ層と、を有する、請求項1記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項12】ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有するのであって、ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部前面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、前記ベースの前面部と脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、請求項1記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項13】前記ギャップ層は、前記第1の磁極層及び前記ノッチ構造体の上部に形成され、少なくとも1つの磁極端層はギャップ層上に直接形成される、請求項12記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項14】前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続された第1の磁極端層と、前記トレンチ内で形成され、磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続された第2の磁極端層と、前記第1の磁極端層と前記第2の磁極端層間のトレンチ内で全体的に形成されたギャップ層と、を有する、請求項12記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項15】U形状のマスクのベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、請求項12記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項16】前記ゼロ・スロート・レベルから後方へ離隔した後部ギャップと、前記ゼロ・スロート・レベルと前記後部ギャップ間に配置された第1の絶縁層、コイル層及び第2の絶縁層と、エア・ベアリング面から後部ギャップに延びる第1の磁極層と、エア・ベアリング面から後部ギャップに延びる第2の磁極層と、を有し、第1の絶縁層、コイル層及び第2の絶縁層は第1の磁極層と第2の磁極層との間に位置し、第1の磁極層と第2の磁極層は後部ギャップで磁気的に接続された、請求項15記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項17】請求項1の薄膜磁気書込みヘッドを有し、読取りヘッド・シールド層並びに読取りヘッド・シールド層を有する第1の磁極層を更に有する、読取り/書込み磁気ヘッド。
【請求項18】ノッチ構造体は、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料で組立てられた、請求項1記載の薄膜磁気書込みヘッド。
【請求項19】ハウジングと、ハウジング内に取り付けられた回転可能な磁気ディスクと、磁気ディスクを回転させるための手段と、磁気ディスクの回転に対応し、磁気ディスクと変換関係のある読取り/書込みヘッドをサポートするハウジング内に取り付けられたスライダを持つサポート手段と、を有する、請求項18記載の読取り/書込みヘッドを有するディスク駆動装置。
【請求項20】エア・ベアリング面とゼロ・スロート・レベル間に配置された磁極端領域と、ゼロ・スロート・レベルから後方へ後部ギャップまで延び且つ後部ギャップを含む後部領域とを有する薄膜磁気書込みヘッドの製造方法であって、磁極端領域に磁極端部並びに後部領域に後面部を持つ第1の磁極層を形成するステップと、磁極端領域においてトレンチを与えるノッチ構造体を磁極端領域の第1の磁極層の上に形成するステップと、トレンチ構造体のノッチの内側に少なくとも1つの磁極端層を形成するステップと、ノッチ構造体と後部領域の後面部によってサポートされた磁極端領域の磁極端部を有する第1の磁極層の上に第2の磁極層を形成するステップと、少なくとも1つの磁極端層を第1の磁極層または第2の磁極層の何れかに磁気的に接続するステップと、を有する製造方法。
【請求項21】前記ノッチ構造体を形成するステップが上部導電層を有する前記ノッチ構造体を形成するステップを更に有する、請求項20記載の製造方法。
【請求項22】前記磁極端領域と前記後部ギャップの間の第1の磁極層の上部に少なくとも1つのコイル構造体を形成するステップと、前記磁極端領域と前記後部ギャップの間の少なくとも1つのコイル構造体の上部に絶縁層を形成するステップと、後部領域での非磁性体の導電性のギャップ層の形成が磁極端領域と後部ギャップ間の前記絶縁層の上部に形成される、磁極端領域と後部領域に非磁性体の導電性のギャップ層を形成するステップと、を有し、これらのステップがノッチ構造体の形成前に行われる、請求項21記載の製造方法。
【請求項23】トレンチの第2の磁極端層の形成、並びに第1の磁極層の上部への第2の磁極層の形成は、磁極端領域、並びに磁極端領域と後部ギャップ間の後部領域に位置する非磁性体の導電性のギャップ層と、ノッチ構造体の上部導電層とをシード層として使用し、1ステップのフレーム・プレーティングで行う、請求項22記載の製造方法。
【請求項24】前記ノッチ構造体の形成ステップは、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料でノッチ構造体を形成することを含む、請求項23記載の製造方法。
【請求項25】前記ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有するのであって、前記ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部側面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、前記ベースの前面部と脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、請求項24記載の製造方法。
【請求項26】U形状のノッチ構造体のベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、請求項25記載の製造方法。
【請求項27】第1の磁極層とノッチ構造体の上部への非磁性体のギャップ層の形成、並びに少なくとも1つの磁極端層をギャップ層上に直接形成させるステップを更に有する、請求項26記載の製造方法。
【請求項28】少なくとも1つの磁極端層を形成するステップが、第1の磁極端層をトレンチの内側に形成し、第1の磁極端層を磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続するステップと、ギャップ層を第1の磁極端層の上部のトレンチ内に形成するステップと、第2の磁極端層をギャップ層の上部のトレンチ内に形成し、第2の磁極端層を磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続するステップと、を有する、請求項26記載の製造方法。
【請求項29】非導電性の磁気ギャップ層を第1の磁極層及びノッチ構造体の上部に形成し、少なくとも1つの磁極端層がギャップ層の上部に直接形成されるステップを更に有する、請求項20記載の製造方法。
【請求項30】少なくとも1つの磁極端層を形成するステップが、第1の磁極端層をトレンチの内側に形成し、第1の磁極端層を磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続するステップと、ギャップ層を第1の磁極端層の上部のトレンチ内に形成するステップと、第2の磁極端層をギャップ層の上部のトレンチ内に形成し、第2の磁極端層を磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続するステップと、を有する、請求項20記載の製造方法。
【請求項31】ノッチ構造体は、第1の表面と第2の表面を持つ一般にU形状の層を形成するベースと1対の脚を有し、ベースは内部前面部、外部後面部及び1対の外部側面部を有し、各脚は外部前面部、内部側面部及び外部側面部を有し、ベースの外部側面部は脚の外部側面部と隣接し、脚の前面部は、エア・ベアリング面の一部を形成する共通平面に置かれ、ベースの前面部と脚の内部側面部は、磁極端領域のU形状の層にトレンチを形成する、請求項20記載の製造方法。
【請求項32】第1の磁極層とノッチ構造体の上部への非磁性体のギャップ層の形成、並びに少なくとも1つの磁極端層をギャップ層上に直接に形成させるステップを更に有する、請求項31記載の製造方法。
【請求項33】少なくとも1つの磁極端層を形成するステップが、第1の磁極端層をトレンチの内側に形成し、第1の磁極端層を磁極端領域の第1の磁極層に磁気的に接続するステップと、ギャップ層を第1の磁極端層の上部のトレンチ内に形成するステップと、第2の磁極端層をギャップ層の上部のトレンチ内に形成し、第2の磁極端層を磁極端領域の第2の磁極層に磁気的に接続するステップと、を有する、請求項31記載の製造方法。
【請求項34】前記U形状のノッチ構造体のベースの前面部は、実質的に平らであり且つゼロ・スロート・レベルを形成する平面に置かれる、請求項31記載の製造方法。
【請求項35】前記ノッチ構造体の形成ステップは、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料でノッチ構造体を形成することを含む、請求項31記載の製造方法。
【請求項36】前記ノッチ構造体の形成ステップは、二酸化ケイ素、シリコン、シリコン窒化物及びカーボンを含む異方性的にエッチング可能な材料のグループから選択された材料でノッチ構造体を形成することを含む、請求項20記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図29】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開平7−296328
【公開日】平成7年(1995)11月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−12264
【出願日】平成7年(1995)1月30日
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION