説明

薬ディスペンサー

本発明の薬ディスペンサーは、開口部を有スル本体、進行装置、リーダー、出力装置及び前記進行装置、前記リーダー及び前記出力装置に接続されたプロセッサーを含む。前記本体は閉鎖可能でロック可能であり、複数の個々にシーリされた薬チャンバを含む薬容器を受け入れるように構成され、それぞれの薬チャンバは前記薬チャンバの関連するデータタグを含む。前記本体の開口部は、薬チャンバのためであり、前記進行装置は薬チャンバが前記開口部を通って進行するように構成される。前記リーダーは、薬チャンバのデータタグを読み込むように構成され、前記プロセッサーは、薬チャンバのデータタグに従い、前記進行装置及び前記出力装置を制御するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬ディスペンサーに関する。前記ディスペンサーは1つの実施態様では、家庭環境や移動中の投薬管理を監視し支援するための装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
毎日複数種類の薬を服用する人々が増加している。研究によれば、これらのほぼ半数の人々がその薬を正しく服用していないことが示されている。薬を正しく服用しないと、投薬に関連する問題を生じ致命的となり得るものであり、病院や治療院へ入院する結果となったり患者の病気が長引いたりさらに別の疾患を持つという結果となり得る。研究によれば、ピルボックスを使用する多くの高齢者は推奨される方法には従わないことが示されている。アメリア合衆国では投薬関連問題は、年間約6億ドルから8億ドルの合計コストに匹敵するものと推定されている。高齢者の増加につれてこの数字は上昇するものと予想されている。
【0003】
現在、種々の装置があって、患者に投薬を思い出させたり又は患者の服用方法遵守を監視したりして患者が投薬を管理することを補助するために利用できる。患者により使用され得るそのような投薬管理装置は、Simpillであり、さらなる情報はhttp://www.simpill.comで得られる。前記Simpillは、通常の7日、一日4回、ピルボックスと同様であり、患者の挙動を監視する追加の構成を持つ。このピルボックスは、前記蓋が開かれかつ閉じられると、中央サーバーにタイムスタンプを送る。しかし前記ユーザはピルボックスを満たす必要がある。Simpillはまたリマインド機能を持つが、これは薬が時間内に服用されていない場合にリマインドさせるだけのものであり、例えば前記装置はその場合にユーザが薬を服用することを思い出させるためにSMSを送るものである。前記ユーザが薬を服用しない場合は、介護者がSMSを介して知らされることとなる。薬剤師は、前記患者の遵守についての情報を持つ保護されたウエブサイトにアクセスする。毎月、前記ユーザはかかる得られた結果のまとめ報告を受け取る。
【0004】
第2の装置は、HealthOneMedによるDispense−a−pillであり、これについてはhttp://www.dispenseapill.net/dap.htmlを参照できる。この装置は、1つのタイプの薬を持つ容器から正しい量の薬を分配することができる。この装置は8つの異なる容器を保持できる。投与計画に変更があると、前記ユーザはこの変更を前記装置のユーザインタフェースを介して取り入れる。薬がピル剤でない場合、思い出し機能(リマインダ)が、例えばインシュリン注射を行うことを促すようにプログラムされ得る。前記ディスペンサーは容易に持ち運べるものではなく、従ってユーザが、例えば早期服用のために投与薬と共に持ち歩くことができるものではない。
【0005】
さらなる装置はINRange Systems IncのEMMA(R)であり、さらに情報はhttp://www.inrangesystems.com/で参照できる。この装置は患者へ介護提供者によりプログラムされ、1月分の投与まで10種類の異なる薬を個々に分配することができる。処方と再充填は患者への薬局により配布されたブリスターカード中に用意されており、前記カードは前記ディスペンサーにロードされる。これらはバーコードを有し、前記ディスペンサーはどの薬が挿入されているかを認識できる。使用は患者の健康管理チームにより管理され、ウェブに基づく遠隔接続を通じて、含まれる薬の投与量及び投与計画が変更され得る。これらのライセンスを持つ専門家がリアルタイムでの投与及びタイミング変更を行うことができる。
【0006】
他の装置はMedReadyであり、これはhttp://www.medreadyinc.com/を参照できる。Medreadyは、ロックでき、不適切に過剰服用することを防止できるユニットである。前記ユニットは薬を保持する28区分を有し、一日4回投与するようにプログラムされ得る。前記ユニットは回転し、かつ規定の時間で警告音が出てドアが開けられ適切な薬にアクセスすることができるようになる。前記薬にアクセスするためにドアを開くことで前記警告が止まる。適切に使用することで服用計画に従うことが可能となるものである。前記ユーザは前記薬の投与方法を選別する責任がある。MedReadyは28投与を保持し、一日4回までの警告音を鳴らすことができる。多くの患者にとって、特に一日8回投与が必要な複雑な投与計画を持つ人々にとっては、この装置は十分長い期間にわたる十分な薬投与を提供できるものではない。
【0007】
従来装置の最後のものはPhilips MD2であり、これはまたPersonal Medication Dispenserとも参照されており、詳細はhttp://www.epill.com/md2.htmlを参照すること。プログラムされた計画を用いることで、前記MD2装置は前記装置内に配置されている一投与の薬を含むカップを分配する。前記MD2は60投与分を保持し、一日6回警告できる。実際には、人々はしばしば前記カップ上に日付と時間を記入して投与が正しいことを保証する。プログラムする場合、プログラムボタンは前記エンドユーザには隠されており1つのボタンのみ残されており、そのボタンは警告を止め、薬を満たしたカップを分配するものである。
【0008】
現在の全てのピルディスペンサーは、EMMAシステムを除き、前記薬投与方法の選択及び前記装置のプログラムについてはユーザに任せるものである。この点は、ユーザにとって難しいものであると考えられ、誤る恐れが高いと考えられている。さらに現在の薬管理装置のいずれもが「オンボディ」でリマインダを提供するものではなく、従ってユーザが、少なくともその薬を服用する必要がある時に、その製品の側にいることを予期している。また、従来のピルディスペンサー及び薬管理システムは誤りを防止するための十分なフィードバックを患者及び介護者に与えていない。従って患者は、患者の薬投与方式の非遵守を継続する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は前記従来技術を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面によると、前記薬ディスペンサーが提供され、前記薬ディスペンサーは:複数の個々にシールされた薬チャンバを含む薬容器であり、前記個々の薬チャンバは前記薬チャンバに関するデータタグを含む、薬容器を受け入れるように構成される閉鎖可能かつロック可能な本体を含み、さらに前記本体が薬チャンバのための開口部を含み、前記開口部を通って薬チャンバを進めるように構成される進行装置、薬チャンバ上にデータタグを読むように構成されるリーダー、出力を生成するように構成される出力装置、前記進行装置、前記リーダー及び前記出力装置に接続され、かつ薬チャンバのデータタグに従い前記進行装置及び前記出力装置を制御するプロセッサーを含む。
【0011】
本発明の第2の側面によると、薬ディスペンサーの操作方法が提供され、前記ディスペンサーが、薬容器のための閉鎖可能かつロック可能な本体、進行装置、リーダー、出力装置、及び前記進行装置、前記リーダー、前記出力装置に接続されたプロセッサー、及び移動検出装置を含み、前記方法が、前記ディスペンサー本体内に、複数の個々にシールされた薬チャンバを含む薬容器を受け入れるステップであって、それぞれの薬チャンバが前記薬チャンバに関連するデータタグを含む、ステップ、薬チャンバを前記開口部を通って進行させるステップ、薬チャンバあのデータタグを読み取るステップ、出力を生成するステップ、薬チャンバのデータタグに従い前記進行ステップ及び出力ステップを制御するステップを含む。
【0012】
本発明によると、薬管理システムが提供され、このシステムは前記ユーザ及び介護者に適切なフィードバックを与える手段を効果的に組み合わせることのできる方法である。前記薬管理システムは、患者にリマインドし、適切な状況に応じたフィードバックを与え、かつまた患者に、たとえ患者が移動中であっても薬管理に関する解決方法を提供するものである。前記システムはまた、将来の薬服用のためにも適用し得るものであり、これは例えば患者が旅行をする可能性の高い場合に必要となる早期投与に関連するものである。本発明はまた、薬非遵守の問題についても対応する。本発明は患者の非遵守を監視することができるピルディスペンサーを含む。このようにして治療の安全性と効果が達成されることとなる。
【0013】
好ましくは、前記ディスペンサーはさらに、前記プロセッサーに接続される検出装置を含み、これは進行された薬チャンバが取り出されたかどうかを検出するように構成される。前記ディスペンサーは、前記開口部から取り出された薬チャンバが実際に患者により取り出されたことを検出するための手段が設けられる。これにより、ディスペンサーはいつ薬チャンバが使用されていなかったのかを決めることができ、また患者がいつ関連する薬チャンバを前記薬容器から取り出したかを認識することができことから、患者が服用プログラムを注視しているかをどうか監視する助けとなる。前記監視をさらに補助するため、前記プロセッサーは、前記進行装置が前記開口部を通って薬チャンバを進行させた時間を記録するように構成され得る。
【0014】
有利には、前記ディスペンサーはさらに、前記プロセッサーに接続される色システムを含み、前記プロセッサーが薬チャンバのデータタグに従い前記色システムを制御するように構成される。前記色システムは、ユーザに単純な方法でフィードバックを与えるために使用され得る。例えば、患者が服用する時間である場合、前記薬チャンバは前記ディスペンサーから分配されるように準備され、その後特定の知られた色が前記色システムから患者に警告として使用され得る。他の色が、過剰服用などの状況を示すために使用され得る。
【0015】
理想的には、前記ディスペンサーはさらに、前記プロセッサーに接続される移動検出装置を含み、前記移動検出装置はユーザの存在を検出し、それにより薬チャンバのデータタグの読み取りを開始するように構成される。前記移動検出装置は、触覚(タッチ)に基づくものでよく、この場合患者により直接タッチされる場合にのみ操作されるか、又は前記装置のある範囲内での移動を検出することで操作され得る。前記移動検出装置は、患者が存在するかどうか、及び進行装置がその患者に薬チャンバを分配することができるかどうかについて決定するために使用され得る。前記移動検出システムはまた、前記ディスペンサーのその他のユーザインタフェースと組み合わせて使用することもできる。例えば実際には薬チャンバが分配する時間ではない時に前記ディスペンサーから薬を求めるユーザへの応答において、前記ユーザへのフィードバックを与える前記出力装置及び色システムなどである。
【0016】
有利には、前記ディスペンサーはさらに、前記プロセッサー及び外部サーバーと接続されるネットワーク接続装置を含み、前記プロセッサーは前記外部サーバーと交信するように構成される。好ましくは、前記薬チャンバに関連するデータタグは、前記薬チャンバ内に記憶された前記薬に関するデータか、前記サーバーのデータベースに記憶されている前記データのリンクを含む。遠隔サーバーへ接続することで、前記ディスペンサーの種々の追加の機能が可能となる。これらは全体として患者にとっての服用プログラムを通知するための助けとなるためのディスペンサーの可能性を改善する。前記ディスペンサー及び薬分配の遠隔監視が可能となり、これにより、前記ディスペンサーの問題又は服用プログラムの問題のいずれかに対してもできるだけ速やかに対応することが保証される。
【0017】
好ましくは、前記プロセッサーは、読み取りデータタグを外部サーバーと交信させ、前記サーバーからの応答で確認メッセージを受け取り、前記確認メッセージが受け取られた場合にのみ前記開口部を通って薬チャンバを進めるように前記進行装置を操作させるように構成される。前記遠隔サーバーへの接続はまた、分配される準備ができたそれぞれの薬チャンバをチェックするために使用され得る。特定の薬チャンバのデータタグが読み込まれ、タイミング機構に基づき前記プロセッサーが前記薬チャンバを分配する準備ができた場合に、前記プロセッサーはデータタグを前記遠隔サーバーと交信させ得る。チェック機能は、その後前記サーバーで実行され、正しい確認メッセージが前記サーバーにより返された場合には、前記薬チャンバは前記ディスペンサーにより分配されることとなる。
【0018】
理想的には、前記プロセッサーは、読み取りデータタグを外部サーバーと交信させて、前記サーバーからの出力メッセージの応答を受け取り、前記出力メッセージに従い前記出力装置を操作するように構成される。前記確認メッセージに代えて、又はこれに加えて、出力メッセージはまた前記遠隔サーバーにより前記ディスペンサーへ送り戻され得る。また、データタグが読み込まれ、前記プロセッサーが関連する薬チャンバの分配の準備ができると、前記プロセッサーは前記データタグを前記遠隔サーバーと交信させ、前記ディスペンサーにより出力されることとなる出力メッセージを受け取り戻すことができる。このメッセージは分配される特定の薬についてのものであり、例えば前記患者が、例えばどのようにして「水で薬を服用する」べきか、についてのメッセージであり得る。前記メッセージは、より一般的に「3時間アルコールを避けること」とか、患者に直接関連する「医師予約は午後3時」などであり得る。これにより、前記ユーザが薬服用方式の変化に適切に対応することを可能とする。前記ディスペンサーを持つメッセージシステムのこの使用は、患者への健康管理の通知において大きな自由度を与えるものである。遠隔的に、患者のデータが自動的及び/又は適切な認定された医師により監視され解釈され得る。これは、前記患者について、又は前記ディスペンサーにより服用しようとする薬について直接適用可能なメッセージを提供するために使用され得る。
【0019】
本発明の実施態様は以下、図面を参照しつつ、例示の方法で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、1つの薬ディスペンサーの模式図である。
【図2】図2は、1つの薬容器の模式図である。
【図3】図3は、前記薬ディスペンサーを用いる方法の模式図である。
【図4】図4は、前記薬ディスペンサーの内部部品の模式図である。
【図5】図5は、サーバーに接続される前記薬ディスペンサーの模式図である。
【図6】図6は、前記薬ディスペンサーのさらなる模式図である。
【図7】図7は、前記サーバーに接続される薬ディスペンサーの模式図であり、データトラフィックを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び2は、閉鎖可能かつロック可能な本体12を含む薬ディスペンサー10を示す。前記本体12は薬容器14を受け入れるように構成される。前記薬容器14は透明プラスチック材料の柔軟なロールであり、複数の個々にシールされた薬チャンバ16を含み、それぞれの薬チャンバ16は前記薬チャンバ16に関連するデータタグ(この場合はバーコード)を含む。前記データタグは特定の薬チャンバ内に薬についての情報を含むか、又はこの情報を含むデータソースへのリンク(URLなどの)を含む。前記本体12はまた開口部18を含み、薬チャンバ16が前記ディスペンサー10から取り出され得る。前記本体12は前記ディスペンサー10の色を変更するための着色LED38を含む。これらのLED38の操作は以下より詳細に記載される。
【0022】
前記薬管理システムは、薬容器14(この場合にはバクスターロール14)、ピルディスペンサー10及びまた以下詳細に説明するようにリモートサーバー及びデータベースを含む。前記バクスターロール14は、患者が特定の時間に服用する必要がある1投与分をそれぞれ含む個々の袋16を含む。バクスターロール14は患者情報(名前住所など)及び前記袋16の薬についてのメタデータ(例えば薬モーメント、薬含有成分、薬説明及び薬剤師氏名など)を含む。意思決定支援目的で、1回薬投与量を含むそれぞれの個々の袋16の現在のバクスターロール14上に、かつ前記ロール14が含む全ての異なる薬のデータを含む全体としての前記ロール14上にバーコード(データタグ)が追加される。
【0023】
図2は、薬メタデータ及び意思決定支援目的で使用される追加のバーコードを持つバクスターロール14を示す。前記ロール14は、図1で示されるインテリジェントデザインのピルディスペンサー10の中に設けられる。前記ディスペンサー10はバクスターロール14を保持し、前記バクスターロール14を介して服用する患者の遵守を監視することができる。前記ピルディスペンサー10の機能性についてのより詳細は、患者フィードバック機構及び前見ユーザとの相互作用についての以下の説明で与えられる。前記ディスペンサー10は好ましくは前記装置10の情報監視を含む遠隔サーバーに接続されるが、これについては図5を参照して以下より詳細に説明される。前記サーバーはまた、投与方式及び前記装置ユーザの電子化服用記録を含む。前記バクスターロール14上のバーコードは前記ロール14内の薬についてのメタデータを含むデータベースにリンクされている。前記メタデータは、前記ロール14内の薬を同定するための構造化されたコードシステムを含み、前記薬の服用方法及び投与装置などの薬に関する個別化された情報を含む。前記メタデータは、例えば薬治療ガイド(より詳細な情報は、例えばhttp://www.fk.cvz.nlを参照)などの前記情報を保持する専門家機関により運営される信用のあるデータソースからである。
【0024】
前記ディスペンサー10内で前記追加のバーコードを持つバクスターロール14は、1以上の専門家が、前記投与方式への前記患者の遵守を監視することを可能とする。図3には、ユーザが前記ディスペンサー10をどのように操作するかを示す。第1に前記ユーザは電力線とプラグ20を持つ前記ディスペンサー10にソケット22を接続し、第2に前記バクスターロール14を前記ディスペンサー10内に設ける。前記ディスペンサー10は主に壁ソケット22から通常の電力供給により電力供給されるが、しかしまた局所的電池を装備してもよい。これにより、ユーザは移動する際に前記ディスペンサー10を持ち出すことができる。第3の段階で、前記薬容器14(バクスターロール14)が前記ディスペンサー10内に、前記開口部18が巻かれていない前記ロール14の端部を通して持つようにして設ける。前記バクスターロール14は前記ディスペンサー10内で前記投与方式の遵守を監視することができる。第4の段階で、前記ディスペンサー10は閉じられかつロックされ、前記薬容器14がもはや前記開口部18を通じて以外にアクセスされ得ないことを保証する。前記ロール14を形成する個々の薬チャンバ16の全ての分配は、前記開口部18を介してなされる。このようにして、患者は、ライセンスを持つ薬剤師により調製された前記ロール14から個々のチャンバ18を受け取る。
【0025】
ディスペンサー10は、図4に示される、前記バクスターロール14に特定の機構を有する。前記ディスペンサー10はまた、丁度服用1回分の投与量を含む前記バクスターロール14から袋16を切り取るために適切な内部切断装置(図示されていない)が設けられる。前記袋16は前記切断装置による前記ロール14から除去される。前記ディスペンサー10の分配部分は次の要素を含む:即ち、前記バクスターロール14から薬情報を持つバーコードを読むためのバーコードリーダー、チャンバ16内に前記バクスターロール14の適切な切り取りを監視するための赤外線放射装置28a及び赤外線検出装置28bから形成される検出装置28、及び機械的ロール26であってDCモーターで支持されバクスターロールを前進させて前記ロール14の個々のチャンバ16を前記薬ディスペンサー10の開口部18を通じて進めるための機械的ロール26、である。
【0026】
図4は、前記バクスターロール14のバーコードを読みよる機構及び、バクスターロール14を時間依存投与単位に薬の袋16内に切り取るための機構の詳細図である。バクスターロール14をディスペンサー10内に収めるために2つの選択肢がある。第1の選択肢は、前記ディスペンサー10を開けることができ、バクスターロールをその後図3に示されるように前記装置の本体内に配置される。第2の選択肢は、前記出口インタフェース18を前記ロール14内に逆に入れるために使用することである。前記機械的ロール26を操作するDCモーターは、前記ロール14を反対方向に「飲み込む」ためにその方向を逆にし得る。その後、前記ディスペンサー10は患者へ正しい順で前記袋16を分配する用意ができる。
【0027】
機械的ロール26は、それぞれDCモーターで駆動され、進行装置26を形成し、前記バクスターロール14の薬チャンバ16を前記ディスペンサー10が開口部を通って進むように構成される。前記リーダー24は薬チャンバ16上のデータタグを読むように構成される。薬チャンバ16が前記ディスペンサー10から取り出される時間になれば、前記バーコードリーダー24は現在のチャンバ16上のデータタグを読み、前記進行装置26が前記バクスターロール14を進め、ひとつの薬チャンバ16が前記開口部18を通って進められる。前記切断装置がその後、このチャンバ16を前記ロール14から切り取る。前記ユーザはその後前記チャンバ16を取り出し、この作業が前記検出装置28により確認される。
【0028】
前記ディスペンサー10は、図5に示されるようにプロセッサー30及び出力装置32を含む。前記出力装置32は出力を生成し、この実施態様では前記出力装置32は表示装置32a及び音響出力装置32bを含む。前記プロセッサー30は前記進行装置26、前記リーダー24、前記検出装置28及び前記出力装置32に接続され、前記進行装置26及び出力装置32を、薬チャンバ16上のデータタグに従い制御するように構成される。前記ディスペンサー10の全体の制御は前記プロセッサー30の操作下である。前記ディスペンサー10はまた、前記プロセッサー30及び外部サーバーに接続されるネットワークを含み、前記プロセッサー30は前記サーバー36と前記ネットワーク接続装置34を介して交信されるように構成される。
【0029】
前記ディスペンサー10は患者にフィードバックを提供するように操作される。前記バーコードリーダー24がバクスターロール14から、分配されるべき特定の薬チャンバについて情報を読み込む際には、この情報は前記サーバー36に記憶されたメタデータと比較される。最後に、前記患者に適切な時に適切な薬が分配されようとしているかどうかを見るための安全チェックが実施される。このチェックが確認されると、前記ディスペンサー10は、その特定の時について投与するために前記ロール14を切り取る。前記サーバー36はその後、その時の時間内に前記ユーザに特定する情報を送り返す。この患者教育材料は、前記出力装置32により伝達される機能に従い、音、テキスト、アイコン及び色を含む得る、情報パッケージである。このパッケージはその後、内容により前記ディスペンサー10により処理される(具体的には前記プロセッサー30により)。例えば、前記出力装置32は前記薬の使用を知らせるアイコンを表示する、音響出力装置がある場合には音で患者に具体的に服用の仕方を教え、聴覚障害のある人にはテキストを表示する。
【0030】
1つの好ましい実施態様では、前記ディスペンサーのユーザインタフェースは、薬の具体的な情報を患者に、テキスト、音及び色により交信することを可能とする。前記ディスペンサー10はまた、場合により視覚的警告を与えるように構成され得る。これは図1及び6に示されるように、前記ディスペンサー10の本体12内の色システム38を形成する異なる色LEDを用いることで達成できる。前記表示装置32aに加えて、前記ディスペンサー10には色システム38が設けられる。前記色システム38により出力される色は、患者に知られ理解される、望ましい又は望ましくない状況を示すものである。前記システム38は、誤りが生じた場合又は患者から具体的な注意が要求される場合に色を変更する。
【0031】
前記ディスペンサー色支持装置38は前記ユーザとの交信の際に前記ユーザへ情報を送受信するために使用される。例えばディスペンサー10は、図6の実施態様で示されるように移動検出装置40を含む。前記移動検出装置40は、約5cmの短い距離に範囲内の動きを検出することができる。患者が手を前記移動検出装置40の上に置くと、前記ディスペンサー10が前記薬を分配する。しかし、これは、患者が前記薬を服用する時間にのみ起こる。この手順を可能とするために、ディスペンサー10にはディスペンサー10の上部にタッチセンサ40を設けられる。
【0032】
前記薬の分配に関して、4つのシナリオがディスペンサー10により区別されている。第1のシナリオは、時間通りに服用するものである。ユーザが薬を服用する時間になると、ディスペンサー10は明るくなり音を鳴らす。ユーザはその後手を前記移動検出装置40の上に置く。これは前記センサ40により登録され、その結果バクスターロール14の次のバーコードが読み込まれ、バクスターロール14が切り離され、その結果バクスターパッケージ16が分配されることとなる。ディスペンサー10は、アイコン、テキストメッセージ及び音を用いて、ユーザに服用の方法を指示し、かつ次の投与時が用意される。
【0033】
第2のシナリオは、ユーザの早すぎる服用の状況に関する。患者がまだ服用の時間ではないのに手を移動検出装置40上に置くと、ディスペンサー10は色を変化させて、まだ薬服用の時間ではないことを知らせる。テキスト及び音が、前記色変化に伴い,ユーザがこの状況を理解することを助ける。一方第3のシナリオは早期投与に関するものである。患者が早期投与を必要とする場合、例えば患者が長距離旅行を行う前に、患者は手を前記装置40の上に一定の時間(例えば数秒)置くことができる。前記フィードバックライト38が変化してユーザは早期投与を望むかどうかを質問される。適切な投与量の取得方法がまた与えられる。ポジティブフィードバックの場合、ディスペンサー10は時間通りの服用シナリオ(一度に1投与)を実行する。最後のシナリオはユーザの応答が遅すぎる場合である。患者が服用を忘れた場合、ディスペンサー10は色を変更し、服用されなかったことを指示する。テキストメッセージ及び音が、ユーザに、治療計画に追いつくために何をすべきかを知らせる。
【0034】
前記サーバー36によるディスペンサー10へ戻るメッセージの交信が図7に示される。前記リーダー24は薬チャンバ16上のデータタグ42を読むように構成される。このチャンバ16は、患者に分配されるべき次のチャンバ16である。プロセッサー30は、読み込みデータタグ42を外部サーバー36と交信するように構成され、前記サーバー36の応答での確認メッセージ44を受け取る。プロセッサー30は前記進行装置26(明瞭性のために図示されていない)を、前記薬チャンバ16を前記開口部18を通じて、前記確認メッセージ44を受け取った後のみ進行させるように操作する。
【0035】
同様に、プロセッサー30は読み込みデータタグ42を外部サーバー36と交信させるように構成され、前記出力メッセージ46に応じて前記出力装置32を操作する。このメッセージ46は、前記チャンバ16内の具体的な薬について、例えば患者が前記薬を服用する方法について、であり得る。このメッセージはより一般的なものでもあり得るし、又は患者に直接関係するものでもあり得る。メッセージを前記サーバー36からディスペンサー10へ伝達することで、ディスペンサー10から受け取られるデータが監視され解釈され、患者及び前記ディスペンサー10から受け取ろうとする薬について直接適用され得るメッセージを提供することを可能とする。
【0036】
前記ディスペンサー10の適用は、薬管理の問題を解決するものであり、高齢になって複数の薬を服用し、かつ自分自身では薬服用の管理ができない場合に適用できる。薬をバクスターロール化することは欧州連合(及び実際に、いくつかのヨーロッパ諸国においては、すでに法律により患者の薬をバクスターロールにプレパックするようにされている)で広く使用されていることから、前記ディスペンサー10は、前記薬がプレパックされかつ直接患者に分配されることから、患者への負担を軽減するように、患者に服用プログラムを通知するために理想的に適するものである。前記ディスペンサー10には、患者に服用する薬について知らせるために使用され得る出力手段を設けられる。前記ネットワークリンクは、前記ディスペンサー10及び患者への薬投与を監視するために使用され、さらに患者が薬を服用しようとする際に、患者特有の情報が生成され、提供され得るバックチャンネルを提供するために使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬ディスペンサーであり、前記薬ディスペンサーは:
−複数の個々にシールされた薬チャンバを含む薬容器であり、前記個々の薬チャンバは前記薬チャンバに関するデータタグを含む、薬容器を受け入れるように構成される閉鎖可能かつロック可能な本体を含み、さらに前記本体が薬チャンバのための開口部を含み、
−前記開口部を通って薬チャンバを進めるように構成される進行装置、
−薬チャンバ上にデータタグを読むように構成されるリーダー、
−出力を生成するように構成される出力装置、及び
−前記進行装置、前記リーダー及び前記出力装置に接続され、かつ薬チャンバのデータタグに従い前記進行装置及び前記出力装置を制御するプロセッサー、を含むディスペンサー。
【請求項2】
請求項1に記載のディスペンサーであり、さらに、前記プロセッサーに接続され、かつ前記進行された薬チャンバがとり出されたことを検出するように構成される検出装置を含む。ディスペンサー。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載のディスペンサーであり、前記プロセッサーが、前記進行装置が前記開口部を通って薬チャンバを進める時間を記録するように構成される、ディスペンサー。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスペンサーであり、前記薬チャンバに関連するデータタグが、前記薬チャンバ内に記憶された前記薬に関するデータか、前記データへのリンクを含む、ディスペンサー。
【請求項5】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のディスペンサーであり、さらに、前記プロセッサーに接続された色システムを含み、前記プロセッサーが、薬チャンバのデータタグに従い前記色システムを制御するように構成される、ディスペンサー。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のディスペンサーであり、さらに、前記プロセッサーに接続される移動検出装置を含み、前記移動検出装置が、ユーザの存在を検出し、それにより薬チャンバのデータタグの読み取りを開始させるように構成される、ディスペンサー。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のディスペンサーであり、さらに、前記プロセッサーと外部サーバーに接続されるメットワーク接続装置を含み、前記プロセッサーが前記外部サーバーと交信するように構成される、ディスペンサー。
【請求項8】
請求項7に記載のディスペンサーであり、前記プロセッサーが、データタグを前記外部サーバーと交信させて前記サーバーからの応答で確認メッセージを受け取り、かつ前記確認メッセージを受け取る場合にのみ、前記進行装置を操作して薬チャンバが前記開口部を通って進行させるように構成される、ディスペンサー。
【請求項9】
請求項7又は8のいずれか1項に記載のディスペンサーであり、前記プロセッサーが、読み取りデータタグを前記外部サーバーと交信させて、前記サーバーからの応答で出力メッセージを受け取り、前記出力メッセージに従い前記出力装置を操作するように構成される、ディスペンサー。
【請求項10】
薬ディスペンサーを操作する方法であり、前記ディスペンサーが、薬容器のための閉鎖可能かつロック可能な本体、進行装置、リーダー、出力装置、及び前記進行装置、前記リーダー及び前記出力装置に接続されたプロセッサーを含み、前記方法が、
−前記ディスペンサー本体内に、複数の個々にシールされた薬チャンバを含む薬容器を受け入れるステップであって、それぞれの薬チャンバが前記薬チャンバに関連するデータタグを含む、ステップ、
−薬チャンバを前記開口部を通って進行させるステップ、
−薬チャンバあのデータタグを読み取るステップ、
−出力を生成するステップ、及び
−薬チャンバのデータタグに従い前記進行ステップ及び出力ステップを制御するステップ、を含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であり、さらに、進行した薬が取り出されたことを検出するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法であり、さらに、前記進行装置が前記開口部を通って薬チャンバを進行させた時間を記録するステップを含む、方法。
【請求項13】
前記10乃至12のいずれか1項に記載の方法であり、さらに、ユーザの存在を検出し、それにより薬チャンバのデータタグの読み取りを開始させるステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか1項に記載の方法であり、さらに、読み取りデータタグを外部サーバーと交信させ、前記サーバーからの応答で確認メッセージを受け取り、かつ前記確認メッセージが受け取られた場合にのみ、薬チャンバを前記開口部を通って進行させるように操作させるステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか1項に記載の方法であり、さらに、読み取りデータタグを外部サーバーと交信させ、前記サーバーからの応答で出力メッセージを受け取り、かつ前記出力メッセージが受け取られた場合にのみ、前記出力装置を操作させるステップを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−506487(P2013−506487A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531539(P2012−531539)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054416
【国際公開番号】WO2011/042840
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】