説明

薬剤吹出装置

【課題】1つの筐体内にイオン発生器及び薬剤蒸散器を併設し、空気中の細菌の表面に活性物質を生成させて、室内の空気を除菌することができると共に、蒸散された薬剤が電極にて分解されることを防止できる薬剤吹出装置を提供する。
【解決手段】薬剤吹出装置の筐体1の内部にダクト状の通風部2を設け、イオン発生器9の電極9a、9aを通風部2の上側壁の内面と略同一平面上に配置し、薬剤蒸散器Cの蒸散部7を通風部2の下側壁に開設された孔部を通して通風部2内の前記電極9a、9aより風下側に配置し、蒸散した薬剤5が電極9a、9aに移動しないように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸散された薬剤及び正負イオンを室内に吹出して、悪臭による不快感を和らげると共に室内の空気の除菌を行うことができる薬剤吹出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来にあっては、薬剤を加熱して蒸散する蒸散部と、空気をマイナスイオン化するマイナスイオン発生器とを備える薬剤揮発機が提案されている。該薬剤揮発機は、前記蒸散部に設けてあるヒータを用いて薬剤を加熱すると共に前記マイナスイオン発生器に設けてある電極に電圧を印加して空気をマイナスイオン化し、加熱により蒸散した薬剤及びマイナスイオンを室内に拡散している(特許文献1参照)。
【0003】
また液状芳香剤の蒸発発散部と、該蒸発発散部に当てるエア流を生起する電動ファン装置とを備えるエアリフレッシング装置が従来から提案されている。該エアリフレッシング装置はエア流を前記蒸発発散部に当てることにより、液状芳香剤を蒸発させて室内空間に芳香剤を満たしている(特許文献2参照)。
【0004】
また電極を有しており、正負イオンを発生させるイオン発生器を備える空気清浄機が従来から提案されている。該空気清浄機は前記電極に電圧を印加することにより、正負イオンを発生させ、発生した正負イオンを室内に拡散し、空気の除菌を行っている。
【0005】
特許文献1に記載の薬剤揮発機にあっては、蒸散した薬剤及びマイナスイオンを室内に拡散することにより、室内には芳香剤又は消臭剤並びにマイナスイオンが満たされるので、悪臭による不快感を和らげると共に爽快感を与えていた。
【0006】
また特許文献2に記載のエアリフレッシング装置にあっては、電動ファン装置により芳香剤を含む空気を放出し、芳香剤を室内全体に拡散させていた。また従来から提案されている空気清浄機にあっては、除菌にオゾン又は二酸化塩素等の有害物質を用いておらず、室内の除菌は安全に行われていた。
【特許文献1】特開2004−242910号公報
【特許文献2】特開平5−329199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の薬剤揮発機にあっては、ヒータによる上昇気流を用いて薬剤の拡散を行っているので、室内全体に薬剤が拡散されるまで長時間を要するという問題があり、また室内の除菌を行うことはできず、悪臭の原因となる細菌を減少させることはできないという問題があった。これに対し特許文献2に記載のエアリフレッシング装置にあっては、電動ファン装置を設けることにより芳香剤を含む空気を放出し、芳香剤を室内全体に短時間で拡散させることはできるが、依然として室内の除菌を行うことはできないという問題があった。
【0008】
室内の除菌は従来から提案されている空気清浄機により行うことができるので、前記薬剤揮発機及び空気清浄機を室内に設置することが考えられる。しかし前記薬剤揮発機及び空気清浄機を室内に設置すると、室内空間を必要以上に狭くし、室内での人の移動を妨げる虞がある。また前記薬剤揮発機及び空気清浄機に統一した意匠が施されていない場合に、両者をホテルの化粧室又はショールーム等の統一した意匠を施してある室内に設置すると、該室内全体の纏りのある意匠性が損なわれる虞がある。
【0009】
前記エアリフレッシング装置及び空気清浄機を室内に設置することも考えられるが、両者から吹出される空気が干渉して、室内の気流に乱れが生じ、室内全体に芳香剤を拡散することが妨げられる虞があり、またエアリフレッシング装置から放出された芳香剤が空気清浄機に吸込まれ、該空気清浄機に備えてある電極にて分解される虞がある。
【0010】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、1つの筐体内にイオン発生器及び薬剤蒸散器を併設し、前記イオン発生器を通風部に配置し、薬剤蒸散器を通風部の風下側に配置することにより、空気中の細菌の表面に活性物質を生成させて、室内の空気を除菌することができると共に、室内での占有割合を軽減して、人の移動を円滑にすることができ、更に筐体を1つにして、室内の意匠に調和する意匠を施し易くすることができ、また該薬剤が電極にて分解されることを防止できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0011】
また前記通風部内に前記イオン発生器の電極及び薬剤蒸散器の蒸散部を隔てる隔壁を設けることにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げ、該薬剤が電極にて分解されることを防止できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0012】
更に前記蒸散部を一のダクトに配置し、前記電極を他のダクトに配置することにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げ、該薬剤が電極にて分解されることを防止できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0013】
また複数のダクトのそれぞれに風向調節器を設けることにより、正負イオンを含む空気の風向と蒸散された薬剤を含む空気の風向とを異ならせて、前者の空気と後者の空気との干渉を防止できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0014】
また前記イオン発生器及び薬剤蒸散器を包囲する包囲体を設けることにより、イオン発生器から発生する熱を包囲体の内部に滞留させて、薬剤の温度を上昇させることができる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0015】
また照明光の光量を検出する受光センサと、光量の設定が可能であり、検出された光量が、設定してある光量を超えている場合に、前記吸込ファンを駆動させる手段とを設けることにより、照明が消灯しており室内が無人であると推定される場合には薬剤の蒸散を抑制できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0016】
更に人体の有無を検出する手段と、該手段により人体を検出した場合に前記吸込ファンを駆動させる手段と設けることにより、室内が無人である場合は吸込ファンを駆動させず、薬剤の蒸散を抑制できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0017】
また人体の熱を検出する熱センサを前記人体の有無を検出する手段とすることにより、人体の有無を確実に検出して、前記吸込ファンの駆動を適切に制御できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0018】
また空気中の薬剤の濃度を検出する濃度センサと、濃度の設定が可能であって、前記濃度センサにより検出された濃度が、設定してある濃度を超えている場合に、前記吸込ファンの駆動を停止させる手段とを設けることにより、十分な量の薬剤が蒸散されている場合は、吸込ファンを停止させることができる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0019】
また吸込ファンの駆動時間の設定が可能であって、設定してある駆動時間が経過した場合に前記吸込ファンを停止させる手段を設けることにより、前記時間が経過した後は吸込ファンを停止させて、薬剤の蒸散を抑制できる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0020】
更に前記吸込ファン停止後の前記イオン発生器の作動時間の設定が可能であって、設定してある作動時間が経過した場合に前記イオン発生器を停止させる手段を設けることにより、吸込ファン停止後、所定時間が経過するまではイオン発生器を作動させ、薬剤吹出装置の内部に正負イオンを充満させることができる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0021】
また電池の電圧値を検出する手段と、電圧値の設定が可能であって、検出された電圧値が、設定してある電圧値に満たない場合に前記イオン発生器を停止させる手段とを設けることにより、電池の電圧値が設定してある電圧値に満たない場合は前記イオン発生器を停止させることができる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【0022】
また前記筐体に蓋体を設けることにより、薬剤の補充、電極の清掃等を行ない易くして、速やかな保守点検を行うことができる薬剤吹出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明に係る薬剤吹出装置は、空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、前記通風部に電極を配置してあり、該電極への電圧印加により発生した正負イオンを前記通風部内に放出するイオン発生器を備え、前記蒸散部は、前記通風部の前記電極より風下側に配置してあることを特徴とする。
【0024】
本発明においては、1つの筐体内に正負イオンを発生するイオン発生器及び薬剤蒸散器を併設することにより、空気中の細菌の表面に活性物質を生成させて室内の空気を除菌すると共に、室内での占有割合を軽減して、人の移動を円滑にする。更に、筐体に室内の意匠に調和する意匠を施しておけば、室内全体の纏りのある意匠性は維持される。また前記イオン発生器の電極を通風部に配置し、薬剤蒸散器の蒸散部を前記通風部の前記電極より風下側に配置することにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げ、該薬剤が電極にて分解されることを防止する。
【0025】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、前記蒸散部は前記通風部に配置してあり、該通風部に配置してある電極を有し、該電極への電圧印加により発生した正負イオンを前記通風部内に放出するイオン発生器と、前記電極及び蒸散部を隔てており、通風方向に沿った隔壁とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明においては、前記通風部内に前記電極及び蒸散部を隔てる隔壁を設けることにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げ、該薬剤が電極にて分解されることを防止する。
【0027】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、前記通風部は複数のダクトとなっており、前記蒸散部は一のダクトに配置してあり、他のダクトに配置してある電極を有し、該電極への電圧印加により発生した正負イオンを前記通風部内に放出するイオン発生器を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明においては、複数のダクトを設け、前記蒸散部を一のダクトに配置し、前記電極を他のダクトに配置することにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げ、該薬剤が電極にて分解されることを防止する。
【0029】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記吹出口は前記複数のダクトのそれぞれに設けられており、前記吹出口に風向調節器が設けられていることを特徴とする。
【0030】
本発明においては、複数のダクトのそれぞれに設けられた吹出口に風向調節器を設けることにより、正負イオンを含む空気の風向と蒸散された薬剤を含む空気の風向とを異ならしめて、前者の空気と後者の空気とが干渉することを防ぐ。
【0031】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、前記通風部内に、電圧印加により正負イオンを発生させる電極を有するイオン発生器及び前記薬剤蒸散器が設けられており、前記イオン発生器及び薬剤蒸散器を包囲して熱を閉じ込める包囲体を備え、前記蒸散部は、前記包囲体の通風方向に沿う一側壁部に開設してある孔部を通して延出してあり、前記電極は、他側壁部の外側に配置してあることを特徴とする。
【0032】
本発明においては、前記イオン発生器及び薬剤蒸散器の全体を包囲して熱を閉じ込める包囲体を設け、前記蒸散部を前記包囲体の通風方向に沿う一側壁部に開設されている孔部を通して延出させ、前記電極を他側壁部の外側に配置することにより、イオン発生器から発生する熱を包囲体の内部に滞留させて、薬剤の温度を上昇させ、薬剤を蒸散させ易くし、また前記蒸散部及び電極を離隔させて、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げる。
【0033】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、照明光の光量を検出する受光センサと、光量の設定が可能であり、検出された光量が、設定してある光量を超えている場合に、前記吸込ファンを駆動させる手段とを備えることを特徴とする。
【0034】
本発明においては、照明光の光量を検出する受光センサと、光量の設定が可能であり、検出された光量が、設定してある光量を超えている場合に、前記吸込ファンを駆動させる手段とを設けることにより、室内の照明が点灯している場合は吸込ファンを駆動させて、薬剤の蒸散を促進し、室内の照明が消灯している場合は吸込ファンを停止させて、薬剤の蒸散を抑制する。
【0035】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、人体の有無を検出する手段と、該手段により人体を検出した場合に前記吸込ファンを駆動させる手段とを備えることを特徴とする。
【0036】
本発明においては、人体の有無を検出する手段と、該手段により人体を検出した場合に前記吸込ファンを駆動させる手段とを設けることにより、室内が無人である場合は吸込ファンを駆動させず、薬剤の蒸散を抑制し、室内が有人である場合は吸込ファンを駆動させ、薬剤の蒸散を促進する。
【0037】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記人体の有無を検出する手段は、人体の熱を検出する熱センサであることを特徴とする。
【0038】
本発明においては、人体の熱を検出する熱センサを前記人体の有無を検出する手段とすることにより、人体の有無を確実に検出して、前記吸込ファンの駆動を適切に制御する。
【0039】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、空気中の薬剤の濃度を検出する濃度センサと、濃度の設定が可能であって、前記濃度センサにより検出された濃度が設定してある濃度を超えている場合に、前記吸込ファンの駆動を停止させる手段とを備えることを特徴とする。
【0040】
本発明においては、空気中の薬剤の濃度を検出する濃度センサと、濃度の設定が可能であって、前記濃度センサにより検出された濃度が設定してある濃度を超えている場合に、前記吸込ファンの駆動を停止させる手段とを設けることにより、十分な量の薬剤が蒸散されている場合は、吸込ファンを停止させて薬剤の蒸散を抑制し、十分な量の薬剤が蒸散されていない場合は、吸込ファンを駆動させて薬剤の蒸散を促進する。
【0041】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、該吸込ファンの駆動時間の設定が可能であって、設定してある駆動時間が経過した場合に前記吸込ファンを停止させる手段を備えることを特徴とする。
【0042】
本発明においては、吸込ファンの駆動時間の設定が可能であって、設定してある駆動時間が経過した場合に前記吸込ファンを停止させる手段を設けることにより、十分な量の薬剤を室内の空気中に蒸散させるために必要な時間が経過するまでは吸込ファンを駆動させて薬剤の蒸散を促進し、前記時間が経過した後は吸込ファンを停止させて、薬剤の蒸散を抑制する。
【0043】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記吸込ファン停止後の前記イオン発生器の作動時間の設定が可能であって、設定してある作動時間が経過した場合に前記イオン発生器を停止させる手段を備えることを特徴とする。
【0044】
本発明においては、前記吸込ファン停止後の前記イオン発生器の作動時間の設定が可能であって、設定してある作動時間が経過した場合に前記イオン発生器を停止させる手段を設けることにより、吸込ファン停止後、所定時間が経過するまではイオン発生器を作動させ、薬剤吹出装置の内部に正負イオンを充満させて、該内部を除菌する。
【0045】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、電池と、該電池の電圧値を検出する手段と、電圧値の設定が可能であって、検出された電圧値が、設定してある電圧値に満たない場合に前記イオン発生器を停止させる手段とを備えることを特徴とする。
【0046】
本発明においては、電池の電圧値を検出する手段と、電圧値の設定が可能であって、検出された電圧値が、設定してある電圧値に満たない場合に前記イオン発生器を停止させる手段とを設けることにより、電池の電圧値が設定してある電圧値以上である場合は吸込ファンを駆動させると共にイオン発生器を作動させ、電池の電圧値が設定してある電圧値に満たない場合は前記イオン発生器を停止させて、吸込ファンを駆動させる。
【0047】
また本発明に係る薬剤吹出装置は、前記筐体は蓋体を備えることを特徴とする。
【0048】
本発明においては、前記筐体に蓋体を設けることにより、薬剤の補充、電極の清掃等を行ない易くして、薬剤吹出装置の速やかな保守・点検を実現する。
【発明の効果】
【0049】
本発明に係る薬剤吹出装置においては、1つの筐体内に正負イオンを発生するイオン発生器及び薬剤蒸散器を併設し、また前記イオン発生器の電極を通風部に配置することにより、空気中の細菌の表面に活性物質を生成させて、室内の空気を除菌し、悪臭を軽減することができると共に、室内での占有割合を軽減して、人の移動を円滑にし、室内の混雑を軽減することができる。更に、筐体に室内の意匠に調和する意匠を施しておけば、室内全体の纏りのある意匠性を維持することができる。また薬剤蒸散器の蒸散部を前記通風部の前記電極より風下側に配置することにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げて該薬剤が電極にて分解されることを防止し、薬剤の効率的利用を図ることができる。
【0050】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、前記通風部内に前記電極及び蒸散部を隔てる隔壁を設けることにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げ、該薬剤が電極にて分解されることを防止し、薬剤の効率的利用を図ることができ、また電極に薬剤が付着・凝結することを防止し、正負イオンを滞りなく発生させることができる。
【0051】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、複数のダクトを設け、前記蒸散部を一のダクトに配置し、前記電極を他のダクトに配置することにより、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げ、該薬剤が電極にて分解されることを防止する。したがって薬剤の効率的利用を図ることができ、また電極に薬剤が付着・凝結することを防止して、正負イオンを滞りなく発生させることができる。
【0052】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、複数のダクトのそれぞれに設けられた吹出口に風向調節器を設けることにより、正負イオンを含む空気の風向と蒸散された薬剤を含む空気の風向とを異ならしめて、前者の空気と後者の空気とが干渉することを防いで、室内の気流に乱れが生じることを防止し、室内全体に正負イオン及び蒸散された薬剤を拡散させることができる。
【0053】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、前記イオン発生器及び薬剤蒸散器の全体を包囲して熱を閉じ込める包囲体を設け、前記蒸散部を前記包囲体の通風方向に沿う一側壁部に開設してある孔部を通して延出させ、前記電極を他側壁部の外側に配置することにより、イオン発生器から発生する熱を包囲体の内部に滞留させて、薬剤の温度を上昇させ、また前記蒸散部及び電極を離隔させて、蒸散された薬剤の前記電極への移動を妨げる。したがって室温が低下した場合でもイオン発生器から発生する熱を利用して、薬剤の蒸散を促進することができ、また該薬剤の電極への付着・凝結が防止され、電極で正負イオンを滞りなく発生させることができる。
【0054】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、照明光の光量を検出する受光センサと、光量の設定が可能であり、検出された光量が、設定してある光量を超えている場合に、前記吸込ファンを駆動させる手段とを設けることにより、室内の照明が点灯している場合は吸込ファンを駆動させて、薬剤の蒸散を促進し、室内の照明が消灯している場合は吸込ファンを停止させて、薬剤の蒸散を抑制する。したがって、照明が消灯しており室内が無人であると推定される場合には薬剤の蒸散を抑制し、薬剤の消費を抑えると共に消費電力を低減することができる。
【0055】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、人体の有無を検出する手段と、該手段により人体を検出した場合に前記吸込ファンを駆動させる手段とを設けることにより、室内が無人である場合は吸込ファンを停止させて薬剤の蒸散を抑制し、室内が有人である場合は吸込ファンを駆動させて薬剤の蒸散を促進する。したがって、室内が無人である場合には薬剤の蒸散を抑制し、薬剤の消費を抑えると共に消費電力を低減することができる。
【0056】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、人体の熱を検出する熱センサを前記人体の有無を検出する手段とすることにより、人体の有無を確実に検出して、前記吸込ファンの駆動を適切に制御するので、薬剤消費の効率性を向上させると共に消費電力を低減することができる。
【0057】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、空気中の薬剤の濃度を検出する濃度センサと、濃度の設定が可能であって、前記濃度センサにより検出された濃度が設定してある濃度を超えている場合に、前記吸込ファンの駆動を停止させる手段とを設けることにより、十分な量の薬剤が蒸散されている場合は、吸込ファンを停止させて薬剤の蒸散を抑制し、十分な量の薬剤が蒸散されていない場合は、吸込ファンを駆動させて薬剤の蒸散を促進する。したがって、薬剤消費の効率性を向上させると共に消費電力を低減することができる。
【0058】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、吸込ファンの駆動時間の設定が可能であって、設定してある駆動時間が経過した場合に前記吸込ファンを停止させる手段を設けることにより、十分な量の薬剤を室内の空気中に蒸散させるために必要な時間が経過するまでは吸込ファンを駆動させて薬剤の蒸散を促進し、前記時間が経過した後は吸込ファンを停止させて、薬剤の蒸散を抑制する。したがって、薬剤消費の効率性を向上させると共に消費電力を低減することができる。
【0059】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、前記吸込ファン停止後の前記イオン発生器の作動時間の設定が可能であって、設定してある作動時間が経過した場合に前記イオン発生器を停止させる手段を設けることにより、吸込ファン停止後、所定時間が経過するまではイオン発生器を作動させ、薬剤吹出装置の内部に正負イオンを充満させて、該内部を除菌する。したがって、薬剤の蒸散が必要ない場合に薬剤吹出装置を清潔にすることができる。
【0060】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、電池の電圧値を検出する手段と、電圧値の設定が可能であって、検出された電圧値が、設定してある電圧値に満たない場合に前記イオン発生器を停止させる手段とを設けることにより、電池の電圧値が設定してある電圧値以上である場合は吸込ファンを駆動させると共にイオン発生器を作動させ、電池の電圧値が設定してある電圧値に満たない場合は前記イオン発生器を停止させて、吸込ファンを駆動させる。したがって電池の電圧が降下した場合にはイオン発生器を停止させて、吸込ファンの駆動を長時間維持させることができる。
【0061】
また本発明に係る薬剤吹出装置においては、前記筐体に蓋体を設けることにより、薬剤の補充、電極の清掃等を行ない易くして、薬剤吹出装置の速やかな保守点検を実現するので、保守点検に要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
(実施の形態1)
以下本発明に係る薬剤吹出装置を実施の形態1を示す図面に基づいて詳述する。図1は実施の形態1に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【0063】
図において1は薬剤吹出装置の外装をなす筐体であり、筐体1の一側壁1aには空気を吸込む吸込口10が開設されており、一側壁1aに対向する他側壁1bには空気を吹出す吹出口11が開設されている。筐体1の内部であって吸込口10の近傍に吸込ファン3が配設されており、吸込ファン3と吹出口11との間にダクト状の通風部2が略真直ぐに形成されている。
【0064】
吸込ファン3の近傍であって通風部2の上側壁と筐体1との間に、正負イオン、例えば水素イオン及び酸素イオンを発生させるイオン発生器9が配設されている。イオン発生器9は、電位がパルス的に変動する二つの電極9a、9aを備えており、電極9a、9aは通風部2の上側壁の内面と略同一平面上に配置してあり、電極9a、9aへの電圧印加により発生した正負イオンが通風部2内に放出される構成となっている。
【0065】
通風部2内の吹出口11の近傍であって通風部2の下側壁と筐体1との間に、薬剤を蒸散させる薬剤蒸散器Cが配設されている。薬剤蒸散器Cは薬剤箱4を備え、薬剤箱4の内部に液体の薬剤5、例えば芳香剤又は消臭剤が収容されている。薬剤箱4の内部に、上端を薬剤箱4の上面から延出させてあり、下端を薬剤箱4の底面に接触させてある柱状の吸上体6が設けられている。吸上体6の上端には、吸水性のある樹脂で形成された蒸散部7が設けられている。蒸散部7は、通風部2の下側壁に開設された孔部を通して、通風部2内の前記電極9a、9aより風下側に配置してあり、薬剤5は吸上体6に吸上げられて、蒸散部7から通風部2内に蒸散される構成となっている。
【0066】
筐体1の内部に、制御基板を内部に備える薄い箱形の制御部8が配設されており、制御部8は吸込ファン3のファン駆動回路30及びイオン発生器9と接続されている。制御部8は吸込ファン3の駆動及びイオン発生器9の作動を制御する構成となっている。
【0067】
薬剤吹出装置の運転について説明する。吸込ファン3が駆動すると、図中の白抜矢符にて示す如く、吸込口10から空気が筐体1の内部に吸込まれ、吸込まれた空気は吸込ファン3を経由して通風部2内を通流し、吹出口11に向かう気流が形成される。イオン発生器9が作動して電極9a、9aに電圧が印加されると、正負イオンが発生し、正負イオンは通風部2内に放出され、吹出口11に向けて移動する。
【0068】
通風部2内を通流している空気は前記蒸散部7に当たり、薬剤5の蒸散を促進し、蒸散された薬剤5は、通風部2内を吹出口11に向けて移動し、図中の白抜矢符にて示す如く、前記正負イオンと共に吹出口11から吹出される。吹出口11に向かう気流が形成されていることにより、薬剤5の前記電極9a、9aに向けての移動は妨げられ、薬剤5は電極9a、9aにて分解されない。
【0069】
正負イオンが吹出口11から吹出されると、正負イオンが空気中を浮遊する細菌の細胞壁に付着して凝集し、例えば水酸化物イオンを生成する。水酸化物イオンは活性物質であり、細菌の細胞壁から水素原子を抜き取るので細菌の細胞壁は破壊され、細胞壁を破壊された細菌は水分を失って死滅し、除菌が行われる。また蒸散された薬剤5が吹出口11から吹出されると、空気中に薬剤5が拡散される。
【0070】
実施の形態1に係る薬剤吹出装置においては、筐体1内にイオン発生器9及び薬剤蒸散器Cを併設することにより、空気中の細菌の表面に活性物質を生成させるので、室内の空気を除菌し、悪臭を軽減することができる。また室内での占有割合を軽減して、人の移動を円滑にし、室内の混雑を軽減することができる。更に筐体1に室内の意匠に調和する意匠を施しておけば、室内全体の纏りのある意匠性を維持することができる。また電極9a、9aを通風部2に配置し、蒸散部7を前記通風部2の前記電極9a、9aより風下側に配置することにより、蒸散された薬剤5の前記電極9a、9aへの移動を妨げ、該薬剤5が電極9a、9aにて分解されることを防止し、薬剤5の効率的利用を図ることができる。
【0071】
なお蒸散部7は、通風部2の下側壁以外の側壁に開設された孔部を通して通風部2内に配置してあっても良く、電極9a、9aは上側壁以外の側壁に配置してあっても良い。また電極9a、9aは通風部2の上側壁の内面から間を隔てて配置してあっても良い。また筐体1の内部空間を通風部とし、電極9a、9aを通風部に形成される通風経路上に配置し、蒸散部7を通風部内であって電極9a、9aより風下側の通風経路上に配置しても良い。また吸込口10又は吹出口11は筐体1の上壁又は下壁に設けても良い。
【0072】
(実施の形態2)
以下本発明に係る薬剤吹出装置を実施の形態2を示す図面に基づいて詳述する。図2は実施の形態2に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【0073】
電極9a、9aが通風部2の上側壁の内面と略同一平面上に配置してあり、通風部2の下側壁に開設された孔部を通して、通風部2内に蒸散部7が配置してある。電極9a、9a及び蒸散部7を隔てており、通風方向に沿った板形の隔壁12が通風部2内に支持されている。隔壁12は通風部2内を部分的に2分割しており、隔壁12と前記上側壁との間にイオン側通風部2aが形成され、隔壁12と前記下側壁との間に薬剤側通風部2bが形成されている。隔壁12は薬剤蒸散器C寄りに支持されており、薬剤側通風部2bの幅はイオン側通風部2aよりも狭くなっている。
【0074】
薬剤吹出装置の運転について説明する。イオン発生器9が作動して電極9a、9aに電圧が印加されると、正負イオン、例えば水素イオン及び酸素イオンが発生し、正負イオンはイオン側通風部2a内に放出される。放出された正負イオンは吹出口11に向けて移動する。
【0075】
薬剤側通風部2b内を通流している空気は前記蒸散部7に当たり、薬剤5は蒸散される。蒸散された薬剤5の電極9a、9aに向けての移動は隔壁12により遮られるので、蒸散された薬剤5は電極9a、9aにて分解されることなく、図中の白抜矢符にて示す如く、吹出口11から吹出される。
【0076】
また隔壁12は薬剤蒸散器C寄りに支持され、薬剤側通風部2bの幅は狭く形成されているので、吸込ファン3を停止させている場合の薬剤側通風部2b内の薬剤5の濃度は高くなり易く、吸込ファン3を停止させている場合の薬剤5の蒸散は抑制される。
【0077】
実施の形態2に係る薬剤吹出装置においては、前記通風部2内に前記電極9a、9a及び蒸散部7を隔てる隔壁12を設けることにより、蒸散された薬剤5の前記電極9a、9aへの移動を妨げ、該薬剤5が電極9a、9aにて分解されることを防止し、薬剤5の効率的利用を図ることができ、また電極9a、9aに薬剤5が付着・凝結することを防止し、正負イオンを滞りなく発生させることができる。
【0078】
なお隔壁12にヒンジ、ソレノイド、その他の可動に必要な部材を設けておき、吸込ファン3が停止している場合には、隔壁12は折畳まれて前記電極9a、9a及び蒸散部7を隔てないが、吸込ファン3が駆動している場合には、隔壁12は伸張して前記電極9a、9a及び蒸散部7を隔てる構成としても良い。また電極9a、9aは通風部2の上側壁の内面から間を隔てて配置してあっても良い。
【0079】
実施の形態2に係る薬剤吹出装置の構成の内、実施の形態1と同様の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0080】
(実施の形態3)
以下本発明に係る薬剤吹出装置を実施の形態3を示す図面に基づいて詳述する。図3は実施の形態3に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【0081】
筐体1の底面に薬剤蒸散器Cが配設されており、筐体1の天井面近傍にイオン発生器9が配設されている。吸込ファン3の下部に薬剤側ダクト21が設けてある。薬剤側ダクト21は吸込ファン3から筐体1の底面に向けて湾曲して延びており、前記底面付近にて筐体1の他側壁1bに向けて湾曲して、前記底面に略平行に延設され、筐体1の他側壁1b付近にて筐体1の天井面に向けて湾曲し、更に前記他側壁1bに向けて湾曲し、該他側壁1bに連なっている。
【0082】
薬剤側ダクト21の前記底面に略平行に延設されている部分の幅は狭くなっており、該部分の側壁に開設された孔部を通して、薬剤蒸散器Cの蒸散部7は薬剤側ダクト21内に配置してあり、蒸散部7から薬剤側ダクト21内に薬剤5が蒸散される構成となっている。筐体1の薬剤側ダクト21が連設している部分には薬剤側吹出口21aが開設されており、該薬剤側吹出口21aには風向調節器21bが設けられている。
【0083】
吸込ファン3の上部に、両端から中央に向けて湾曲して縮幅しているイオン側ダクト22の一端が連なっている。イオン側ダクト22は吸込ファン3から筐体1の他側壁1bに向けて延設されており、前記他側壁1bに他端が連なっている。
【0084】
イオン側ダクト22の中央付近の側壁に、電極9a、9aが該側壁の内面と略同一平面上に配置してあり、電極9a、9aへの電圧印加により発生した正負イオンがイオン側ダクト22内に放出される構成となっている。前記他側壁1bのイオン側ダクト22の他端が連設している部分にイオン側吹出口22aが開設されており、該イオン側吹出口22aに風向調節器22bが設けられている。
【0085】
薬剤吹出装置の運転について説明する。イオン発生器9が作動して電極9a、9aに電圧が印加されると、正負イオンが発生し、正負イオンはイオン側ダクト22内に放出され、放出された正負イオンは風向調節器22bにより風向を調節されて、図中の白抜矢符にて示す如く、イオン側吹出口22aから吹出される。
【0086】
薬剤側ダクト21内を通流している空気は前記蒸散部7に当たり、薬剤5の蒸散を促進し、蒸散された薬剤5は薬剤側吹出口21aに向けて移動し、イオン側吹出口22aから吹出される空気の風向と干渉しないように風向調節器21bにより風向を調節されて、図中の白抜矢符にて示す如く、薬剤側吹出口21aから吹出される。
【0087】
実施の形態3に係る薬剤吹出装置においては、薬剤側ダクト21及びイオン側ダクト22を設け、前記蒸散部7を薬剤側ダクト21に配置し、前記電極9a、9aをイオン側ダクト22に配置することにより、蒸散された薬剤5の前記電極9a、9aへの移動を妨げ、該薬剤5が電極9a、9aにて分解されることを防止する。したがって薬剤5の効率的利用を図ることができ、また電極9a、9aに薬剤5が付着・凝結することを防止して、正負イオンを滞りなく発生させることができる。
【0088】
また薬剤側ダクト21及びイオン側ダクト22のそれぞれの吹出口に風向調節器21b及び22bをそれぞれ設けることにより、正負イオンを含む空気の風向と蒸散された薬剤5を含む空気の風向とを異ならしめて、前者の空気と後者の空気とが干渉することを防ぐので、室内の気流に乱れが生じることを防止し、室内全体に正負イオン及び蒸散された薬剤5を拡散させることができる。
【0089】
また薬剤側ダクト21及びイオン側ダクト22を必要な風量が取り込まれ易い形状にすることにより、吸込ファン3により吸込まれた空気の風量を両者に適切に分配することができ、吸込ファン3の駆動に必要な電力を低減することができる。
【0090】
なお電極9a、9aはイオン側ダクト22の側壁の内面から間を隔てて配置してあっても良い。
【0091】
実施の形態3に係る薬剤吹出装置の構成の内、実施の形態1又は2と同様の構成については同じ符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0092】
(実施の形態4)
以下本発明に係る薬剤吹出装置を実施の形態4を示す図面に基づいて詳述する。図4は実施の形態4に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【0093】
通風部2内の中央に、通風部2の下側壁に立設されている支持柱14、14・・・により支持してある箱形の包囲体13が設けてある。該包囲体13は薬剤蒸散器C、制御部8及び制御基板を備えるイオン発生器9本体の四囲、上側及び下側の全体を包囲している。包囲体13は断熱性を有する材料で構成されており、内部に熱を閉じ込める構成となっている。
【0094】
包囲体13の内部上寄りに薬剤蒸散器Cが設けられている。該薬剤蒸散器Cの底面に、制御基板を内部に備える薄い箱形の制御部8が、一面を前記底面に隣接させて設けられている。前記制御部8の他面に隣接するように、包囲体13の内部下寄りにイオン発生器9本体が設けられている。薬剤蒸散器C、制御部8及びイオン発生器9本体は、包囲体13の内壁面に設けてある図示しない支持部材により固定支持されている。
【0095】
包囲体13の上側壁部13aに孔部13cが開設されており、該孔部13cを通して薬剤蒸散器Cの蒸散部7が通風部2内に配設されており、該蒸散部7から通風部2内に薬剤5が蒸散される構成となっている。前記上側壁部13aに対向する下側壁部13bにて、該下側壁部13bの外面と略同一平面上に、イオン発生器9本体に繋げてある電極9a、9aが配置してあり、電極9a、9aへの電圧印加により発生した正負イオンは通風部2内に放出される構成となっている。
【0096】
薬剤吹出装置が運転を開始すると、制御部8及びイオン発生器9本体に備えてある制御基盤から電流による熱が発生する。発生した熱は包囲体13の内部に滞留して薬剤5の温度を上昇させ、薬剤5は蒸散し易い状態になる。
【0097】
吸込ファン3が駆動し、図中の白抜矢符にて示す如く、吸込口10から吸込まれた空気は、包囲体13の前記吸込口10側にある壁面に当たって分岐し、分岐した空気の一部は、上側壁部13a及び下側壁部13bの外面を吹出口11に向けて通流する。上側壁部13aの外面を通流する空気が蒸散部7に当たると、通風部2内に薬剤5は蒸散される。蒸散された薬剤5の電極9a、9aへ向かう移動は包囲体13により遮られるので、蒸散された薬剤5は吹出口11に向けて移動し、電極9a、9aにて分解されることなく、図中の白抜矢符にて示す如く、吹出口11から吹出される。また下側壁部13bの外面上を空気は通流し、電極9a、9aへの電圧印加により発生した正負イオンは通風部2内に放出され、図中の白抜矢符にて示す如く、吹出口11から吹出される。
【0098】
薬剤蒸散器C、制御部8及びイオン発生器9本体を包囲する包囲体13を設けることにより、制御部8及びイオン発生器9本体に備えてある制御基盤から発生する熱を包囲体13の内部に滞留させて、薬剤5の温度を上昇させ、薬剤5を蒸散させ易くする。したがって室内の温度が低下した場合でもイオン発生器9から発生する熱を利用して、薬剤5の蒸散を促進することができる。また包囲体13の上側壁部13aに蒸散部7を設け、前記上側壁部13aに対向する下側壁部13bに電極9a、9aを設けることにより、蒸散された薬剤5の電極9a、9aへの付着・凝結が防止され、電極9a、9aで正負イオンを滞りなく発生させることができる。
【0099】
なお包囲体13は箱形に限らず、球状、筒状等その他の前記イオン発生器9本体及び薬剤蒸散器Cの全体を包囲する形状であれば良い。また電極9a、9aは下側壁部13bの外面から間を隔てて配置してあっても良い。
【0100】
実施の形態4に係る薬剤吹出装置の構成の内、実施の形態1乃至3と同様の構成については同じ符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0101】
(実施の形態5)
以下本発明に係る薬剤吹出装置を実施の形態5を示す図面に基づいて詳述する。図5は実施の形態5に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【0102】
筐体1の下壁の縁に板形の蓋体25の一側端部がヒンジにより結合されており、前記一側端部に対向する他側端部に係合部25aが設けられている。筐体1の上壁に前記係合部25aに係合する被係合部25bが設けられており、係合部25a及び被係合部25bの係合又は係合解除により蓋体25の開閉が行われる構成となっている。また吸込口10の近傍であって一側壁1aの外面に、人体から発する熱を検出して人体の有無を検出する人感センサ80及び薬剤吹出装置が設置された室内での空気中の薬剤5の濃度を検出する濃度センサ81が設けられている。
【0103】
図6は制御部8の要部構成を示す概略ブロック図である。制御部8は吸込ファン3の駆動処理及びイオン発生器9の作動処理を実行するCPU8a、吸込ファン3の駆動及びイオン発生器9の作動を制御する制御プログラムが格納されているROM8b、入力された情報を一時的に記憶するRAM8c、前記人感センサ80及び濃度センサ81が接続されている入力ポート8d及び吸込ファン3の駆動に使用されるファン駆動回路30及びイオン発生器9が接続されている出力ポート8eを備える。制御部8には人感センサ80及び濃度センサ81から人体の有無を示す信号及び空気中の薬剤5の濃度を示す信号が入力され、ファン駆動回路30及びイオン発生器9に対しオン又はオフ信号が制御部8から出力される。
【0104】
図7は制御部8での吸込ファン3の駆動処理及びイオン発生器9の作動処理を示すフローチャートである。薬剤吹出装置が室内に設置され、薬剤吹出装置に電力が供給されると人感センサ80及び濃度センサ81の作動が開始される。CPU8aは、人感センサ80からの出力信号を取り込んで、該出力信号が人体の熱を検出したことを示す信号であるか否か判断する(S71)。人体の熱を検出したことを示す信号でない場合は(S71:NO)薬剤吹出装置が設置された室内は無人であり、CPU8aはステップS71に戻る。人体の熱を検出したことを示す信号である場合は(S71:YES)前記室内は有人であり、CPU8aは次のステップに移る。
【0105】
CPU8aは、濃度センサ81からの出力信号をRAM8cに取り込んで、該出力信号が示す濃度とROM8bに設定してある所定濃度Sとを比較し、前記出力信号が示す濃度が所定濃度Sを超えているか否か判断する(S72)。所定濃度Sを超えている場合は(S72:YES)前記室内の空気中には悪臭による人の不快感を和らげるに十分な量の薬剤5が蒸散されており、ステップS71に戻る。所定濃度Sを超えていない場合は(S72:NO)前記室内の空気中には十分な量の薬剤5が蒸散されておらず、CPU8aはファン駆動回路30及びイオン発生器9にオン信号を出力して、吸込ファン3を駆動させ、イオン発生器9を作動させる(S73)。
【0106】
そしてCPU8aは人感センサ80からの出力信号を取り込んで、該出力信号が人体の熱を検出したことを示す信号であるか否か判断する(S74)。人体の熱を検出したことを示す信号でない場合は(S74:NO)薬剤吹出装置が設置された室内から人は退室しており、CPU8aはファン駆動回路30及びイオン発生器9にオフ信号を出力して、吸込ファン3及びイオン発生器9を停止させる(S75)。前記出力信号が人体の熱を検出したことを示す信号である場合は(S74:YES)薬剤吹出装置が設置された室内から人は退室しておらず、CPU8aは次のステップに移る。
【0107】
CPU8aは、濃度センサ81からの出力信号をRAM8cに取り込んで、該出力信号が示す濃度と前記所定濃度Sとを比較し、前記出力信号が示す濃度が所定濃度Sを超えているか否か判断する(S76)。所定濃度Sを超えていない場合は(S76:NO)前記室内の空気中には悪臭による人の不快感を和らげるに十分な量の薬剤5が蒸散されておらず、CPU8aはステップS74に戻る。
【0108】
所定濃度Sを超えている場合は(S76:YES)前記室内の空気中には十分な量の薬剤5が蒸散されており、CPU8aはファン駆動回路30にオフ信号を出力して、吸込ファン3を停止させる(S77)。そしてCPU8aはタイマを用いて、ファン駆動回路30にオフ信号を出力した時からの計時を開始し(S78)経過時間をインクリメントする(S79)。次にCPU8aは、ROM8bに設定してあり、薬剤吹出装置の内部を除菌するに十分な正負イオンを発生させるために必要なイオン発生器9の作動時間(T1)が経過したか否か判断する(S80)。T1が経過していない場合は(S80:NO)十分な量の正負イオンは発生しておらず、CPU8aはステップS79に戻る。T1が経過している場合は(S80:YES)十分な量の正負イオンは発生しており、CPU8aはイオン発生器9にオフ信号を出力して、イオン発生器9を停止させ(S81)タイマの計時を終了する(S82)。
【0109】
実施の形態5に係る薬剤吹出装置においては、人感センサ80を設け、人感センサ80により人体を検出した場合に前記吸込ファン3を駆動させることにより、室内が無人である場合は吸込ファン3を停止させて薬剤5の蒸散を抑制し、室内が有人である場合は吸込ファン3を駆動させて薬剤5の蒸散を促進する。したがって、室内が無人である場合には薬剤5の蒸散を抑制し、薬剤5の消費を抑えると共に消費電力を低減することができる。
【0110】
また空気中の薬剤の濃度を検出する濃度センサ81を設け、該濃度センサ81により検出された濃度が所定濃度Sを超えている場合に、吸込ファン3を停止させ、所定濃度Sを超えていない場合に吸込ファン3を駆動させることにより、十分な量の薬剤5が蒸散されている場合は吸込ファン3を停止させて薬剤5の蒸散を抑制し、十分な量の薬剤5が蒸散されていない場合は吸込ファン3を駆動させて薬剤5の蒸散を促進する。したがって薬剤消費の効率性を向上させると共に消費電力を低減することができる。
【0111】
また前記筐体1に蓋体25を設けることにより、薬剤5の補充、電極9a、9aの清掃等を行ない易くして、薬剤吹出装置の速やかな保守点検を実現するので、保守点検に要する時間を短縮することができる。
【0112】
なお、CPU8aがファン駆動回路30にオフ信号を出力した後に(S77)吸込口10及び吹出口11を閉じる構成とし、薬剤吹出装置の内部に正負イオンを充満させ易くしても良い。また人感センサ80又は濃度センサ81は室内に設けても良く、人感センサ80として人体の接近又は離脱を検出する光センサを用いても良い。また室内の照明に設けてある人感センサを兼用しても良い。また人感センサ80又は濃度センサ81は複数設けても良い。
【0113】
実施の形態5に係る薬剤吹出装置の構成の内、実施の形態1乃至4と同様の構成については同じ符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0114】
(実施の形態6)
以下本発明に係る薬剤吹出装置を実施の形態6を示す図面に基づいて詳述する。図8は実施の形態6に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【0115】
吸込口10の近傍であって一側壁1aの外面に、薬剤吹出装置が設置された室内照明光の光量を検出する受光センサ82が設けられている。また筐体1の内部であって制御部8の上側に、薬剤吹出装置に電力を供給する電池40が設けてあり、電池40の近傍に該電池40の電圧値を検出する電圧センサ83が設けられている。
【0116】
図9は制御部8の要部構成を示す概略ブロック図である。制御部8は吸込ファン3の駆動処理及びイオン発生器9の作動処理を実行するCPU8a、吸込ファン3の駆動及びイオン発生器9の作動を制御する制御プログラムが格納されているROM8b、入力された情報を一時的に記憶するRAM8c、前記受光センサ82及び電圧センサ83が接続されている入力ポート8d及び吸込ファン3の駆動に使用されるファン駆動回路30及びイオン発生器9が接続されている出力ポート8eを備える。制御部8には受光センサ82及び電圧センサ83からの出力信号が入力され、ファン駆動回路30及びイオン発生器9に対しオン又はオフ信号が制御部8から出力される。
【0117】
図10は制御部8での吸込ファン3の駆動処理及びイオン発生器9の作動処理を示すフローチャートである。薬剤吹出装置が室内に設置され、薬剤吹出装置に電力が供給されると受光センサ82及び電圧センサ83の作動が開始される。CPU8aは、受光センサ82からの出力信号をRAM8cに取り込んで、該出力信号が示す光量とROM8bに設定してある所定光量Lとを比較し、該出力信号が示す光量が所定光量Lを超えているか否か判断する(S101)。所定光量Lを超えていない場合は(S101:NO)前記室内は照明が点灯しておらず、室内は無人であると推定され、CPU8aはステップS101に戻る。所定光量Lを超えている場合は(S101:YES)前記室内の照明は点灯しており、室内は有人であると推定され、CPU8aはファン駆動回路30及びイオン発生器9にオン信号を出力して、吸込ファン3を駆動させ、イオン発生器9を作動させる(S102)。
【0118】
そしてCPU8aはタイマを用いて、ファン駆動回路30及びイオン発生器9にオン信号を出力した時からの計時を開始し(S103)経過時間をインクリメントする(S104)。次にCPU8aは、受光センサ82からの出力信号が示す光量が、前記所定光量Lを超えているか否か判断する(S105)。所定光量Lを超えていない場合は(S105:NO)前記室内の照明は消灯しており、室内から人は退室したと推定され、CPU8aはファン駆動回路30及びイオン発生器9にオフ信号を出力して、ファン駆動回路30及びイオン発生器9を停止させ(S106)タイマの計時を終了する(S111)。
【0119】
所定光量Lを超えている場合は(S105:YES)前記室内の照明は点灯しており、室内から人は退室していないと推定され、CPU8aは、悪臭による人の不快感を和らげるに十分な量の薬剤5を前記室内の空気中に蒸散させるために必要な、ROM8bに設定してある吸込ファン3の駆動時間(T2)が経過したか否か判断する(S107)。T2が経過していない場合は(S107:NO)十分な量の薬剤5は前記室内の空気中に蒸散されておらず、ステップS104に戻る。T2が経過している場合は(S107:YES)十分な量の薬剤5は前記室内の空気中に蒸散されており、CPU8aはファン駆動回路30及びイオン発生器9にオフ信号を出力して、ファン駆動回路30及びイオン発生器9を停止させ(S108)経過時間をインクリメントする(S109)。
【0120】
次にCPU8aは、ROM8bに設定してあり、悪臭による人の不快感を和らげるに十分な量の薬剤5が前記室内の空気中に残留している時間(T3)が経過したか否か判断する(S110)。T3が経過していない場合は(S110:NO)前記薬剤5は前記室内の空気中に残留しており、CPU8aはステップS109に戻る。T3が経過している場合は(S110:YES)前記薬剤5は前記室内の空気中に残留しておらず、CPU8aはタイマの計時を終了する(S111)。
【0121】
図11は制御部8の割込処理を示すフローチャートである。ここで割込処理とは、ファン駆動回路30及びイオン発生器9にオン信号が出力された後にイオン発生器9にオフ信号が出力される処理を言う。
【0122】
CPU8aは、ファン駆動回路30及びイオン発生器9にオン信号を出力した後に(S102)電圧センサ83からの出力信号をRAM8cに取り込んで、該出力信号が示す電圧値とROM8bに設定してある所定電圧値Vとを比較し、前記出力信号が示す電圧値が所定電圧値V未満か否か判断する(S1101)。所定電圧値V未満でない場合は(S1101:NO)電池40の電圧値は、ファン駆動回路30の駆動及びイオン発生器9の作動を維持するに十分な電圧値となっており、CPU8aはステップS1101に戻る。所定電圧値V未満である場合は(S1101:YES)電池40の電圧値は、ファン駆動回路30の駆動及びイオン発生器9の作動を維持するに十分な電圧値とはなっておらず、CPU8aはイオン発生器9にオフ信号を出力して、イオン発生器9を停止させる(S1102)。
【0123】
実施の形態6に係る薬剤吹出装置においては、照明光の光量を検出する受光センサ82を設け、該受光センサ82により検出された光量が所定光量Lを超えている場合に前記吸込ファン3を駆動させ、所定光量Lを超えていない場合は前記吸込ファン3を停止させることにより、室内の照明が点灯している場合は吸込ファン3を駆動させて薬剤5の蒸散を促進し、室内の照明が消灯している場合は吸込ファン3を停止させて薬剤の蒸散を抑制する。したがって照明が消灯しており室内が無人であると推定される場合には薬剤5の蒸散を抑制し、薬剤の消費を抑えると共に消費電力を低減することができる。
【0124】
また電池40の電圧値を検出する電圧センサ83を設け、該電圧センサ83により検出された電圧値が所定電圧値Vに満たない場合に、前記イオン発生器9を停止させて吸込ファン3を駆動させ、所定電圧値V以上である場合に吸込ファン3及びイオン発生器9を駆動させることにより、電池40の電圧が降下した場合にはイオン発生器9を停止させて、吸込ファン3の駆動を長時間維持させることができる。
【0125】
なお受光センサ82及び電圧センサ83は室内に設けてもよく、複数設けても良い。また電池40の電圧が所定電圧値Vに満たない場合に点灯するアラームランプを設けても良い。
【0126】
実施の形態6に係る薬剤吹出装置の構成の内、実施の形態1乃至5の構成と同様の構成については同じ符号を付しその詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】実施の形態1に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態2に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【図3】実施の形態3に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【図4】実施の形態4に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【図5】実施の形態5に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【図6】実施の形態5に係る薬剤吹出装置の制御部の要部構成を示す概略ブロック図である。
【図7】実施の形態5に係る薬剤吹出装置の制御部での吸込ファンの駆動処理及びイオン発生器の作動処理を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態6に係る薬剤吹出装置の正面から見た要部構成を示す模式図である。
【図9】実施の形態6に係る薬剤吹出装置の制御部の要部構成を示す概略ブロック図である。
【図10】実施の形態6に係る薬剤吹出装置の制御部での吸込ファンの駆動処理及びイオン発生器の作動処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態6に係る薬剤吹出装置の制御部の割込処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
1 筐体
2 通風部
2a イオン側通風部
2b 薬剤側通風部
3 吸込ファン
4 薬剤箱
5 薬剤
6 吸上体
7 蒸散部
8 制御部
9 イオン発生器
9a 電極
10 吸込口
11 吹出口
12 隔壁
13 包囲体
13a 上側壁部(一側壁部)
13b 下側壁部(他側壁部)
13c 孔部
21 薬剤側ダクト
21a 薬剤側吹出口
22 イオン側ダクト
22a イオン側吹出口
21b、22b 風向調節器
25 蓋体
40 電池
80 人感センサ
81 濃度センサ
82 受光センサ
83 電圧センサ
C 薬剤蒸散器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、
前記通風部に電極を配置してあり、該電極への電圧印加により発生した正負イオンを前記通風部内に放出するイオン発生器を備え、前記蒸散部は、前記通風部の前記電極より風下側に配置してあることを特徴とする薬剤吹出装置。
【請求項2】
空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、
前記蒸散部は前記通風部に配置してあり、該通風部に配置してある電極を有し、該電極への電圧印加により発生した正負イオンを前記通風部内に放出するイオン発生器と、前記電極及び蒸散部を隔てており、通風方向に沿った隔壁とを備えることを特徴とする薬剤吹出装置。
【請求項3】
空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、
前記通風部は複数のダクトとなっており、前記蒸散部は一のダクトに配置してあり、他のダクトに配置してある電極を有し、該電極への電圧印加により発生した正負イオンを前記通風部内に放出するイオン発生器を備えることを特徴とする薬剤吹出装置。
【請求項4】
前記吹出口は前記複数のダクトのそれぞれに設けられており、前記吹出口に風向調節器が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の薬剤吹出装置。
【請求項5】
空気の吸込口及び吹出口を備える筐体と、該筐体内に形成されており、前記吸込口から吸込まれた空気を前記吹出口に至らしめる通風部と、該通風部内へ薬剤を蒸散させる蒸散部を有する薬剤蒸散器とを備える薬剤吹出装置において、
前記通風部内に、電圧印加により正負イオンを発生させる電極を有するイオン発生器及び前記薬剤蒸散器が設けられており、
前記イオン発生器及び薬剤蒸散器を包囲して熱を閉じ込める包囲体を備え、前記蒸散部は、前記包囲体の通風方向に沿う一側壁部に開設してある孔部を通して延出してあり、前記電極は、他側壁部の外側に配置してあることを特徴とする薬剤吹出装置。
【請求項6】
前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、照明光の光量を検出する受光センサと、光量の設定が可能であり、検出された光量が、設定してある光量を超えている場合に、前記吸込ファンを駆動させる手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の薬剤吹出装置。
【請求項7】
前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、人体の有無を検出する手段と、該手段により人体を検出した場合に前記吸込ファンを駆動させる手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の薬剤吹出装置。
【請求項8】
前記人体の有無を検出する手段は、人体の熱を検出する熱センサであることを特徴とする請求項7に記載の薬剤吹出装置。
【請求項9】
前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、空気中の薬剤の濃度を検出する濃度センサと、濃度の設定が可能であって、前記濃度センサにより検出された濃度が設定してある濃度を超えている場合に、前記吸込ファンの駆動を停止させる手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の薬剤吹出装置。
【請求項10】
前記筐体内に設けられており、空気を吸込む吸込ファンと、該吸込ファンの駆動時間の設定が可能であって、設定してある駆動時間が経過した場合に前記吸込ファンを停止させる手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の薬剤吹出装置。
【請求項11】
前記吸込ファン停止後の前記イオン発生器の作動時間の設定が可能であって、設定してある作動時間が経過した場合に前記イオン発生器を停止させる手段を備えることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1つに記載の薬剤吹出装置。
【請求項12】
電池と、該電池の電圧値を検出する手段と、電圧値の設定が可能であって、検出された電圧値が、設定してある電圧値に満たない場合に前記イオン発生器を停止させる手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の薬剤吹出装置。
【請求項13】
前記筐体は蓋体を備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つに記載の薬剤吹出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−161561(P2008−161561A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356214(P2006−356214)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】