説明

薬剤投与装置

【課題】患者の吸気によるエアロゾル容器からの薬剤の放出を調節し、計量された薬剤の最大量が肺の気道に到達するようにする
【解決手段】吸入器は、一端にマウスピース405、他端に空気入口420を収容するエンドキャップ407を備えた本体400からなる。エアロゾル投与容器25が本体内に収容される。硬質のディスク状部分441と、柔軟な一般に円筒形の壁部分および硬質のコネクタ部分を備えた、成形された柔軟な隔壁440の一方の端が、スリーブ420内の溝450のまわりに嵌め込まれる。隔壁上のリップによって圧縮スプリング460が位置決めされ、スリーブに自由に作用する。圧縮スプリングの他端は、本体の上部に収容されたフランジをもつ挿入部分480内において、環状の肩部分481によって位置決めされる。挿入部分は溝490を含み、溝内には、柔軟な隔壁440のディスク状の部分が嵌め込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投与装置、特に、計られた投与量の薬剤を投与するためのエアロゾル薬剤投与容器とともに使用される呼吸作動式投与装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、2000年6月9日に出願された米国特許出願第09/591,321の一部継続出願である。この一部継続出願の全体を、参考文献としてここに組み入れる。
【0003】
また、本出願に係る発明は、米国特許第5,447,150号に記載された発明に関係している。この特許を参考文献として組み入れる。
【0004】
計量式吸入器は、呼吸器疾患、例えば、喘息の症状を処置しまたは緩和するための病気治療の分野においてよく知られている。呼吸作動式装置がまたよく知られており、多数の特許出願の主題ともなっている。
【0005】
加圧エアロゾル投与容器とともに使用するための吸気作動式投与装置が従来より知られている(例えば、特許文献1〜10参照)。この装置は、しばしば、投与容器を含んでおり、容器は、バルブ開放型内部スプリングが十分な量だけ圧縮されたときに、計られた量のエアロゾル内容物を放出することができるバルブを含んでいる。投与装置は、しばしば、マウスピースを備えたチャンバ、空気入口、投与容器内においてバルブの作動を引き起こす作動手段、計量バルブを充填位置に解除可能に保持するためのラッチ手段、および前記ラッチを解除することによって計られた量のエアロゾル混合物がマウスピース内に放出されるようにする吸気応答手段を備えている。全体的な目標は、患者の吸気によってエアロゾル容器からの薬剤の放出を調節し、それによって最大量の薬剤が肺の気道に到達するようにすることにある。
【0006】
ラッチ手段は、しばしば、患者の吸気の際に生じる部分的な真空状態に応答して、ラッチ位置から投与位置に動くバルブに連結されている。
【0007】
それだけでは容器を押圧するのには不十分な力しか発生させないが、一緒に使用されることによってそのための十分な力を発生させ得る付勢手段を備えた吸入器がまた知られている(例えば、特許文献11参照)。
また、エアロゾル容器の放出動作を制御するための磁石を使用した装置が知られている(例えば、特許文献10参照)。
また、エアロゾル容器が計量チャンバを通じてマウスピースと連通するような装置が知られている(例えば、特許文献12参照)。計られた量のエアロゾル混合物が計量チャンバ内に放出され、そして、吸気作動式バルブを通じてマウスピースに送られる。
【0008】
エアロゾル容器が、レバーおよびカムシステムによって、ラッチにより保持された充填位置から動かれることによってラッチを外し、容器のバルブを放出位置まで動かすように作用する圧力差が生じるようにした装置がまた知られている(例えば、特許文献13参照)。
米国特許第5,447,150号明細書(特許文献14)は、ここに参考文献として組み入れられるが、薬剤の放出が患者の吸気によって生じる計量式吸入器を開示している。この米国特許は、その出願時の投与装置と比べ、より簡単な構造を有し、よりコンパクトな吸気作動式装置を開示していた。開示された一つの形態においては、閉じられた負圧領域が単一の材料から成形された隔壁によって部分的に形成される。隔壁は、比較的薄い撓み部分および周辺リングによって回りを取り囲まれた比較的厚い中央ディスクを含んでいる。この構成は、異なる厚さの領域を形成しなければならないという理由から、一部の組立が困難である。
【0009】
【特許文献1】英国特許第1288971号明細書
【特許文献2】英国特許第1297993号明細書
【特許文献3】英国特許第1335378号明細書
【特許文献4】英国特許第1383761号明細書
【特許文献5】英国特許第1392192号明細書
【特許文献6】英国特許第1413285号明細書
【特許文献7】国際公開第WO85/01880号パンフレット
【特許文献8】英国特許第2204799号明細書
【特許文献9】米国特許第4,803,978号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第0186280号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第0045419号明細書
【特許文献12】米国特許第3,605,738号明細書
【特許文献13】英国特許第1269554号明細書
【特許文献14】米国特許第5,447,150号明細書
【発明の開示】
【0010】
本発明の一つの特徴によれば、薬剤投与システムとともに使用するための投与装置であって、そのシステムから計られた投与量の薬剤を放出するための手段を備えた投与装置が提供される。放出手段は、システム内の投与手段を作動させ得る予荷重を適用するための手段と、投与手段の作動を妨げ得る抵抗空気圧を適用するための手段と、抵抗空気圧の影響を受けずに予荷重が投与手段に作用して薬剤を投与することを可能にする放出装置とを備えている。本発明の抵抗空気圧を適用するための手段は、特許文献14に記載されたものと類似しているが、この文献に記載された対応する構造とは峻別され、かつ実質的に改良された構造を有している。
【0011】
本発明の空気圧抵抗手段は、放出に先立って、大気圧以下の負圧に維持された空気によってもたらされる。負圧は、予荷重と反対向きの空気圧抵抗力をもたらす。放出装置は、圧力を大気圧まで、または前の平衡状態まで戻し、それによって、予荷重の力全体が作用し得るように作動する。空気圧抵抗力は、隔壁によって部分的に形成された負圧領域によって形成される。隔壁は、第1の比較的大きな剛性をもつ材料から形成された中央ディスクと、第2の比較的小さい剛性をもつ材料から形成された撓み部分によって結合せしめられた周辺リングとを含んでいる。種々の実施形態において、周辺リングは撓み部分と同一の材料から形成されることもできるし、それとは異なる材料から形成されることもできる。
【0012】
装置は、特に、投与手段としてバルブを備えた加圧吸気エアロゾルとともに使用するのに適している。
この装置は、特に、空気を用いるシステムに関連して説明されるにも係わらず、閉じたシステム内においては、任意の適切なガスが使用可能であるということが理解されるであろう。
【0013】
好ましい実施例によれば、計られた投与量の薬剤を投与するためのエアロゾル薬剤容器とともに使用するための呼吸作動式投与装置が提供される。容器は、円筒形状を有し、容器の軸方向に沿って第1と第2の端部の間にのびている。容器は、第1の端部にスプリング付勢されたエアロゾルバルブを備えており、このバルブは、予め決定された閾値以上の軸方向の力に応答して、計られた投与量を放出する。装置は、中心軸のまわりに配置され、第1および第2の端部を備えたハウジングを含んでおり、第2の端部は肩部分とこれを貫通してのびる放出ノズルとを有している。支持スリーブがハウジング内に配置され、このスリーブは、中心軸に沿って軸方向に運動可能になっている。スリーブはさらに、容器の第2の端部を支持するようになっていて、容器の軸は、中心軸と実質上同軸に配置され、エアロゾルバルブは肩部分に隣接して配置され、放出ノズルと連通するようになっている。
【0014】
装置はさらに、比較的硬質の中央ディスクと、このディスクの周辺部分のまわりに配置された周辺アタッチメントリングと、ディスクの周辺部分およびアタッチメントリングの間にのびる環状の撓み部分とを有している。中央ディスクは、ハウジングの第1の端部に固定され、周辺リングはスリーブに固定され、それによって、隔壁およびスリーブの間に閉じた領域が形成される。呼吸作動式バルブアッセンブリが備えられ、第1の位置において、閉じた領域およびそれの外側領域との間に空気流路を形成し、第2の位置において、空気流路を遮断するようになっている。スプリング力付勢エレメントは、スリーブをハウジングの第2の端部に向かって付勢するようになっている。呼吸作動式バルブエレメントが第2の位置にあるとき、閉じた領域内の空気圧は、付勢力とは全く反対向きで、この付勢力より小さいかまたは等しい大きさの力をスリーブに作用させる。この状況において、エアロゾルバルブに作用する軸方向の力は予め決定された閾値以下となり、一方、呼吸作動式バルブエレメントが第1の位置にあるとき、閉じた領域内の空気圧はスリーブに対して実質上力を作用させず、付勢力はスリーブおよび容器を肩部分に向けて動かし、かつエアロゾルバルブに対して予め決定される閾値以上の軸方向の力を作用させる。
【0015】
好ましくは、中央ディスクは、比較的大きな剛性によって特徴付けられる第1の材料から形成され、環状の撓み部分は、比較的小さい剛性によって特徴付けられる第2の材料から形成さされている。環状の撓み部分はディスクに結合され、それによって、ディスク、環状の撓み部分および周辺リングは接触アッセンブリを形成する。別の実施例によれば、リングおよび撓み部分はまた、異なる材料から形成され得る。好ましくは、複数の材料から形成された隔壁は、マルチショットモールディング工程を用いることによって製造される。この工程においては、(デイスクのような)第1の部分が、第1のステップにおいて成形され、(撓み部分およびリングのような)第2の部分が、第2のステップにおいて成形されて、それと同時に第1の部分に結合される。
【0016】
好ましくは、放出装置は、呼吸によって作動せしめられ、それによって、息の吸い込みによる薬剤の放出の調整がなされる。好ましい呼吸作動式手段は、可動羽根機構からなっている。この羽根機構は、チャンバの上部に収容れ得る。好ましくは、バルブシールがこの羽根に取り付けられることによって、息の吸い込み時に羽根がその静止位置からその作動位置まで動き、バルブシールをバルブポートから離れるように動かし、バルブを開放する。羽根機構は、好ましくは、動力学的にバランスをとられ、たとえば、スプリングによってその閉じた位置に向かって付勢され得る。バルブが開放されるとき、空気流路が負圧領域およびその外側領域の間に形成される。
【0017】
外側チャンバは、装置のマウスピースまで空気が流れることを可能とする空気入口を含んでいる。この入口は、スロットまたは通気性膜の形態をとり得る。後者は、フィルタダストを補助するのに、特に適している。
薬剤は、本質的に麻薬からなっており、あるいは、たとえば、粉末またはガス状キャリヤのような、任意の形態のキャリヤを含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の構成および目的をよりよく理解するために、以下の詳細な説明ならびに添付図面が参照される。これらの図面中において、同一の構成要素には、同一の番号が付されている。
【0019】
図1に示された構成において、吸入器は、一般に円筒状の断面を有し、一端にマウスピース部分405、そして、他端に空気入口420を収容するエンドキャップ407を備えた本体400からなっている。すでに知られた形式の一般的に円筒形状を有するエアロゾル投与容器25が、装置の本体内に収容される。エアロゾル投与容器は、(図示されない)エアロゾル投与バルブを含むステム40を備えている。穴15は、エアロゾル投与容器25のステム40上に気密シールを形成するようになっている。肩部分45は、ステム40の位置を制限し、定めるようになっており、順次エアロゾル投与容器25を本体400における適所に位置決めするようになっている。通路50が穴15からのび、そして、肩部分45から連続し、投与ノズル55と相互に連絡している。
【0020】
投与容器の向かい合う端部は、本体400と同様の断面をもつスリーブ420内に収容される。スリーブ420および本体400双方の縦軸は、一般に同軸に配置される。スリーブは、本体の内壁と遊びを伴ってスライド可能に接触し、その壁内にいくつかの緩やかな溝430を含んでいることによって、スリーブを通じた本体内の空気の自由な流れを可能とする。スリーブ420は、以下に説明するように、本体の上部と接触する状態に保持された隔壁440と接触することによって適所に保持され得る。こうして、スリーブ420は、本体の上部から効果的に釣り下がり状態に支持される。
【0021】
(図2に単独で示されるように)例えば、硬質のディスク状部分441、柔軟な一般に円筒形の壁部分445および硬質のコネクタ部分447を備えた、成形された柔軟な隔壁440の一方の端が、例えば、スナップばめによってスリーブ内の異形溝450のまわりに嵌め込まれる。隔壁上の別の成形されたリップ470が、圧縮スプリング460の一端に対する止まりばめをもたらす。こうして、圧縮スプリングは位置決めされ、スリーブに自由に作用する。圧縮スプリングの他端は、本体400の上部に収容された主に円筒形のフランジを有する挿入部分480内において、環状の肩部分481によって位置決めされる。この挿入部分は溝490を含んでおり、溝490内には、柔軟な隔壁440のディスク状の部分441がスナップばめされる。好ましくは、複数の材料から形成された隔壁は、マルチショットモールディング工程を用いることによって製造され、この工程においては、(ディスクのような)第1の部分が、第1のステップにおいて成形され、(撓み部分およびリングのような)第2の部分が、第2のステップによって成形され、同時に、第1の部分に結合される。
【0022】
図2に示された本発明の改良された隔壁の構造によって、比較的厚いディスク部分“A”は、閉じた領域600が負圧状態となったとき、曲げ変形に対して特に強い(比較的大きい剛性の)硬質材料から成形される一方、比較的薄い撓み部分“B”は、(比較的小さい剛性の)最適には柔軟な材料から成形され、それによって、内側スリーブを動かすのに必要とされる力、よって機構によって蓄えられ、放出されることを要する力を最小にする。比較的薄い柔軟な部分“B”は、隔壁の中心軸に対して実質上平行な連続面に沿ってディスク部分“A”に結合される。
【0023】
隔壁コネクタ部分447および内側スリーブ溝450の間の連結部は、気密性を有するように、かつスリーブ422の上面の形状を有するように配置されて、隔壁の内側の形状に一致するようになっており、その結果、吸入器の静止位置において、二つの面が近接して配置され、それらの間の閉じた空間は非常に微小なものとなる。
【0024】
円筒状の挿入部分480は、装置の本体内にはめ込まれたエンドキャップ407によって適所に保持される。これは、空気入口スロット420および隔壁の硬質の部分441の間にチャンバ590を形成する。チャンバは、一つまたはそれ以上の空気流路580を備えており、よって、空気は、空気入口スロット420からマウスピース405に向かって流れ得る。隔壁の硬質のディスク状部分441はまた、小さなバルブポート495を含んでおり、バルブポート495は、挿入部分480に旋回可能に連結された羽根550内に収容されたバルブシール(フラップ)540によって通常被覆されている。
【0025】
その静止位置にある羽根550は、空気入口420および空気流路580の間のチャンバ590を分割し、空気流路580は、マウスピースに連結することによって、空気入口およびマウスピース間の圧力低下によって、その静止位置から動き得る。羽根が作動位置まで動くとき、バルブシール(フラップ)540は、バルブポート495を開放するのに十分なだけ動かされる。(羽根550は、弱いスプリング撓み部分、図示されない重りまたは磁石によって、閉じられた状態に付勢される。)
【0026】
図1に示されるように、旋回軸500を備えた本体の端部は、旋回軸に作用するダクトキャップ510に一体形成されたカム520を収容する凹部を備えている。この凹部はさらに、本体400の内壁内に成形された同様の通路と連通する通路を含んでいる。内側スリーブ420の下端からのびるカム従動子530はカムに作用し、それによって、ダクトキャップが閉じた位置にあるとき、内側スリーブは、カム従動子によってその最上位の位置まで強制的に動かされる。
【0027】
ダクトキャップが、その開いた位置まで回転せしめられるとき、カム・プロフィールは、カム従動子が装置の作動を可能とするのに十分な量だけ、下向きに自由に動くように形成される。
その静止位置において、ダクトキャップ510は閉じられ、カム従動子530は、内側スリーブ420をその最上位の位置に制止させ、それによって、隔壁440および内側スリーブの上面422の間に捕捉された閉じられた空間は、最小の体積をとり、スプリング460が圧縮される。バルブポート495が、バルブシール(フラップ)540によって閉じられ、スリーブ420は、エアロゾル缶25の上部から離れ、よって、負荷を及ぼされない。
【0028】
ダクトキャップが、集合カム520を回転せしめることによって開放され、それによって、カム従動子530は量AAだけ下降する。内側スリーブは、スプリング460の作用によって下向きに強制的に動かされる。内側スリーブが下向きに動くとき、隔壁440および内側スリーブの間の閉じられた体積は、AAより小さいか、またはそれに等しい直線上の等価量A’A’だけ増大する。バルブポート495は閉じられるので、空間600内に低圧体積または近似的な真空状態を生成する(図3)。閉じられた体積600および体気圧の間の圧力差の影響によって、内側スリーブは、スプリングの作用に抵抗するようになる。内側スリーブが下向きに動くとき、それはエアロゾル缶25に接触し、(図示されない)エアロゾルバルブの圧縮を引き起し始める。
【0029】
内側スリーブの下向きの運動は、スプリング460の圧縮力と、エアロゾルバルブの圧力差および圧縮により生成された抵抗力との間の力のバランスが生じるまで続く。装置の幾何学的構造は、このバランスが、エアロゾルバルブがそれを生じさせるまで十分に圧縮される前に生じるように設計される。
【0030】
典型的なクロロフルオロカーボン(CFC)エアロゾル薬剤容器は、作動するのに約20Nの力を必要とする一方、典型的なハイドロフルオロアルカン(HFA)エアロゾル薬剤容器は、作動するのに約40Nの力を必要とする。すなわち、アプリケーションに依存して、スプリング460は、薬剤容器の必要とされる作動力より10%ないし50%大きな力を与えなければならない。すでに知られているように、CFC含有推進剤が、成層圏において塩素を遊離させ、オゾン層の破壊を引き起こす。この危険を防止するため、モントリオールプロトコルが調印され、CFCの使用が禁止された。喘息またはそれ以外の呼吸器疾患を処置するための計量式吸入器(MDI)は、この使用禁止から除外された。しかしながら、この除外は一時的なものであって、代替品がリストアップされたときにはまた、この問題が持ち上がるだろう。このような代替品の第一のものであるHFA推進剤は、ここ一年間に、市場に出回ってきている。
【0031】
内側スリーブがエアロゾル缶に接触する前に、力をバランスさせるような構成を考えることが可能であり、この場合、スプリング力は、圧力差に内側スリーブに作用する抵抗力によってバランスされる。
【0032】
マウスピース405を通じて患者に吸引されるとき、小さな圧力差が、一端に向かって旋回せしめられる羽根550に生じる。この圧力差は、羽根を静止位置から作動位置まで動かす。羽根およびチャンバ590における空気通路580の構造は、作動位置において空気が自由に空気入口420から患者に向かって流れ得るように設計される。
【0033】
羽根550が動くことによって、バルブシール(フラップ)540は、バルブポート495とともにシール位置から離れる方向に動かされる。バルブポートが開放されることによって、空気は隔壁および内側スリーブの間の隙間600内に進入し、閉じられた空間が大気圧に達するようになっている。これは、スリーブ420および容器25に作用する力のアンバランスを引き起こす。スリーブおよび容器は、したがって、スプリング460によって下向きに強制的に動かされ、その結果、計られた投与量の薬剤の放出が、投与ノズル55を通じて患者が息を吸い込むと同時にマウスピース内になされる。すなわち、患者が、計られた投与量の薬剤とともに空気を吸い込むことになる。
【0034】
患者による計られた投与量の吸い込みがなされた後、ダストキャップ510は、その閉じた位置まで戻される。これは、カム52を回転させて、カム従動子530を上向きに強制的に動かす。これは、順次、内側スリーブ420に作用し、このスリーブを上向きに動かすことによって、スプリング460を圧縮し、隔壁および内側スリーブ上面422の間の隙間600を閉じる。これは、空気を、閉じた空間600から強制的に動かし、バルブポート495を通じて逃がし、バルブシール(フラップ)540を持ち上げる。バルブシール(フラップ)は、その閉じた位置にほんのわずかな力で付勢されているので、それは空気の閉じられた空間からの流れをほとんど妨げることがない。エアロゾル缶は、それ自身のエアロゾルバルブスプリングの作用によって静止位置まで自由に戻される。
【0035】
使用に際して、患者は、エアロゾル投与容器を本体内に装着する。エアロゾル容器は、本体400に粗いピッチのねじを与えることによって、たとえば、線I−Iのまわりに装着され得る。本体400の一部がねじられて外されるとき、エアロゾルが導入され得る。その後、本体400は、内側スリーブを缶の上端の上方に置くことによって取り替えられ、装置は使用準備状態をとる。すでに説明されたように、装置は、シールされたユニットとして製造される。
【0036】
装置は、ユーザまたは吸入器に対して調整された空気流を与えるための手段を備え得る。すなわち、音響装置、たとえば、リードが備えられ、吹き込まれる空気流が予め設定されたレベル以上となったとき、たとえば、1分間に30〜50リットル以上となったときに、音を発する。音響装置は、マウピース95の内部または空気入口450の下に配置される。発せられた音は、患者に対して低速で呼吸をするように警告する。
【0037】
装置はまた、予め決定された空気流速、たとえば、1分間に10〜30リットルの流速以下では、作動しないような手段を備えることができる。一実施例において、羽根550または110は、スプリングによって付勢され、予め決定された最小の空気量が、羽根をその作動位置まで動かすのに必要となり、バルブシールを開放するのに必要となるように設計がなされる。
【0038】
投与装置の本体は、この発明の上述の実施例で説明されたように、好ましくはポリプロピレン、アセタールまたは成形ポリスチレンから製造される。しかしながら、それを金属またはそれ以外の適切な材料から製造することもできる。
【0039】
図4〜図8を参照して、図1の薬剤投与装置とともに使用するための本発明による別の隔壁アッセンブリ640および作動アッセンブリが説明される。図4〜図8の隔壁アッセンブリ640および作動アッセンブリは、図2、図3に示された隔壁アッセンブリ440および作動アッセンブリと同様の構造を有している。よって、同様の構成要素には、同一の参照番号を付す。
【0040】
成形された柔軟な隔壁640は、硬質のディスク状部分640、柔軟な一般に円筒形の壁部分、すなわち、環状の撓み部分645、および厚みのあるコネクタ部分、すなわち、周辺アタッチメントリング647を含んでいる。中央部分700は、環状の撓み部分645と一体に形成されているともに、それから半径方向内側にのびている。中央部分は、好ましくは、上面に沿って、硬質のディスク状部分641の底面に対して、すなわち、隔壁640の中心軸を実質上横切る面に対して結合されたディスク700の形態を有している。
【0041】
図6および図7を参照して、隔壁640のディスク状部分641を含む比較的厚いディスク部分“A”は、アクリロニトリルブチジエンスチレン(ABS)のような(比較的大きな剛性をもつ)硬質の材料から成形され、閉じた領域600が負圧状態となったとき、撓み変形に対して、特に剛性を有するように形成される。中央部分700、環状撓み部分645、および周辺アタッチメントリング647を含む比較的薄い撓み部分“B”は、熱可塑性エラストマー(TPE)のような(比較的小さい剛性をもつ)最適に柔軟な材料から成形され、高い性能を実現するようになっている。好ましくは、複数の材料から形成された隔壁640は、マルチショットモールディング工程を用いることによって製造され、この工程において、第1の部分“A”は第1のステップにおいて成形され、第2の部分“B”は、第2のステップにおいて成形されると同時に第1の部分に結合される。
【0042】
図4〜図7に示されるように、中央部分700および硬質のディスク状部分641は、ともに付加的な強度を生じさせるための中央の上方にのびる隆起702を形成する。さらには、硬質のディスク状部分641は、隔壁640にさらなる強度を付与する外側軸方向の壁704を含んでいる。中央部分700は、硬質のディスク状部分641の軸方向の溝708内に収容され、かつこれに結合された軸方向の壁706を含んでおり、それによって、隔壁640の中心軸に実質上平行な結合面を提供するとともに、中央部分700および硬質のディスク状部分641の間の全結合面を増大させる。
【0043】
また、図8を参照して、隔壁640の周辺アタッチメントリング647は、スリーブ420の環状の壁451のまわりに嵌め込まれ、かつ止めリング800によって気密状態に固定される。止めリング800はたとえば、スナップばめによってスリーブの環状溝452内においてスリーブ420に固定される。止めリング800はまた、圧縮スプリング460の一端に対する止まりばめをもたらし、それによって、圧縮スプリングは位置決めされ、スリーブ420に自由に作用する。円筒状のフランジをもつ挿入部分480は、吸入器の本体400の上部に収容され、突起部471を有している。突起部491は、柔軟な隔壁640の比較的硬質のディスク状部分641の半径方向外向きに面した周辺溝710内にスナップばめされている。
【0044】
隔壁640のバルブポート695は、硬質のディスク状部分641および隔壁の中央部分700を貫通してのびている。バルブポート695は、バルブシール(フラップ)540によって閉じられ、バルブシール540は、図8に示されるように、平坦なスプリング802によって閉じられた状態に付勢されている。隔壁の硬質のディスク状部分641は、そこから上向きにのび、平坦なスプリング802を収容し、かつ正確に位置決めする突起部712を有している。隔壁640の硬質のディスク状部分641はまた、その上面にバッフル714を有していることによって、バルブシール(フラップ)540および隔壁の間の空気流を実質上遮断するようになっている。バッフル714は、フラップ540の下面の輪郭に一致するような形状を有しているが、呼吸によって、作動の際にフラップを開放するのに十分な隙間をもたらす。隔壁640の硬質のディスク状部分641は、付加的に、図8の作動アッセンブリ内において、隔壁640を正確に組み立てる際に使用されるアッセンブリ位置決めキー716を有している。
【0045】
上述の実施例は、すべての点において単なる説明のためのものであって、本発明の構成を限定するものではない。したがって、請求の範囲に規定された構成の範囲内において、それ以外の実施例を考えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例による吸入器の側部断面図である。
【図2】図1に示された実施例とともに使用するための隔壁の拡大図である。
【図3】作動前の状態および作動状態における位置にある隔壁の拡大された断面図である。
【図4】本発明の一実施例による吸入器とともに使用するための別の隔壁の平面図である。
【図5】図4の隔壁の上部斜視図である。
【図6】図4の隔壁の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図4の隔壁の7−7線に沿った断面図である。
【図8】本発明の一実施例による吸入器の作動アッセンブリ内における作動前状態の位置にある図4の隔壁の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0047】
15 穴
25 エアロゾル投与容器
40 ステム
45 肩部分
50 通路
55 投与ノズル
400 本体
405 マウスピース部分
407 エンドキャップ
420 空気入口/スリーブ
422 スリーブ
430 溝
440 隔壁
441 硬質のディスク状部分
445 環状の撓み部分
450 異形溝
460 圧縮スプリング
470 リップ
480 挿入部分
481 肩部分
490 溝
495 バルブポート
500 旋回軸
510 ダクトキャップ
520 重合カム
530 カム従動子
540 バルブシール(フラップ)
550 羽根
580 空気流路
590 チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計られた投与量の薬剤を投与するためのエアロゾル薬剤容器とともに使用するための呼吸作動式投与装置において、
前記容器は、円筒形状を有しているとともに、容器の軸方向に沿って第1の端部および第2の端部の間においてのび、さらに、前記第1の端部において予め決定された閾値以上の軸方向の力に応答して前記計られた投与量を放出するためのスプリング付勢されたエアロゾルバルブを備えており、
A.中心軸のまわりに配置され、かつ第1の端部および第2の端部を備えたハウジングを備え、前記第2の端部は、肩部分およびその間に貫通してのびる放出ノズルを有しており、さらに、
B.前記ハウジング内に配置された支持スリーブを備え、前記スリーブは、前記中心軸に沿った軸方向の運動に適合するとともに、前記容器の第2の端部を支持するように形成されており、それによって、前記容器の軸は、前記中心軸に実質上同軸に配置され、前記エアロゾルバルブは、前記肩部分に隣接して配置されて、前記放出ノズルと連通するようになっており、さらに、
C.比較的硬質の中央ディスクと、前記ディスクの周辺部分のまわりに配置された周辺アタッチメントリングと、前記ディスクの周辺部分および前記アタッチメントリングの間にのびる環状の撓み部分とを含む隔壁アッセンブリを備え、前記中央ディスクは、前記ハウジングの前記第1の端部に取り付けられ、前記周辺リングは、前記スリーブに固定されることによって前記隔壁および前記スリーブの間に閉じた領域を形成し、さらに、
D.第1の位置において、前記閉じた領域およびその外側領域の間に空気流路を選択的に形成し、そして、第2の位置において、前記空気流路を遮断するように適合せしめられた呼吸作動式バルブアッセンブリと、
E.前記スリーブを前記ハウジングの第2の位置に向かって付勢するスプリング力付勢エレメントを備え、前記呼吸作動式バルブエレメントが前記第2の位置にあるとき、前記閉じた領域における空気圧が、前記スリーブ上に前記付勢力に等しく反対向きの力を生じさせることにより、前記エアロゾルバルブ上に作用する前記軸方向の力は、前記予め決定された閾値以下となり、一方、前記呼吸作動式バルブエレメントが前記第1の位置にあるとき、前記閉じた領域における空気圧は前記スリーブ上に力を作用させず、前記付勢力は、前記スリーブおよび前記容器を前記肩部分に向かって動かし、かつ前記軸方向の力を前記予め決定された閾値以上の力で前記エアロゾールバルブに作用させるのに十分な大きさとなるようになっており、
前記隔壁アッセンブリの中央ディスクは、比較的大きな剛性によって特徴付けられる第1の材料から形成され、前記環状の撓み部分は、前記第1の材料とは異なる、比較的小さい剛性によって特徴付けられる第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分は前記ディスクに前記隔壁アッセンブリの中心軸に実質上平行な連続した面に沿って結合され、それによって、前記ディスク、前記環状の撓み部分、および前記周辺リングが接触アッセンブリを形成することを特徴とする投与装置。
【請求項2】
前記周辺リングは、前記第2の材料から形成されて、前記環状の撓み部分と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の投与装置。
【請求項3】
前記環状の撓み部分は、前記中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項1に記載の投与装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの結合面は、前記中心軸に関して軸方向に配置された連続した面を含んでいることを特徴とする請求項3に記載の投与装置。
【請求項5】
前記環状の撓み部分は、前記中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項1に記載の投与装置。
【請求項6】
前記隔壁アッセンブリはさらに、前記第2の材料から形成されて、前記環状の撓み部分と一体的に形成されるとともに、それから半径方向内側にのびる中央部分を含んでおり、前記中央部分は、前記中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項5に記載の投与装置。
【請求項7】
前記中央部分は、ディスクからなっていることを特徴とする請求項6に記載の投与装置。
【請求項8】
前記中央部分は、前記中心軸に実質上平行にのびる少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項6に記載の投与装置。
【請求項9】
前記中央部分は、前記中心軸に関して同軸に配置され、前記デイスクの環状の溝内に収容された少なくとも一つの環状の壁を含んでおり、前記環状の壁は、前記中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項8に記載の投与装置。
【請求項10】
前記隔壁アッセンブリは、前記隔壁および前記スリーブの間の前記閉じた領域と連通する流体を与えるバルブポートを含んでおり、前記バルブポートは、前記中央部分および前記ディスクを貫通してのびていることを特徴とする請求項6に記載の投与装置。
【請求項11】
計られた投与量の薬剤を、投与するための投与装置であって、
第1および第2の端部を備えた本体と、
前記本体内に運動可能に配置され、閉じた端部を備えたスリーブと、
比較的硬質の中央ディスク、前記ディスクの周辺部分のまわりに配置された周辺アタッチメントリング、および、前記ディスクの周辺部分と前記アタッチメントリングとの間にのびる環状の撓み部分を含む隔壁アッセンブリと、を備え、
前記中央ディスクは前記本体の第1の端部に固定され、前記周辺リングは前記スリーブに固定され、それによって前記隔壁および前記スリーブの閉じた端部の間に閉じた領域が形成され、前記隔壁アッセンブリは、さらに、
前記本体の第1の端部および前記閉じた領域の間に流体の連絡を生じさせるバルブポートを含んでおり、さらに、
前記本体内に作動可能に配置されて、前記スリーブに対して予荷重を適用するためのスプリングと、
前記本体内に作動可能に配置され、第1および第2の位置の間において運動可能になっている羽根と、を備え、
前記羽根は、前記第1の位置にあるとき、前記隔壁アッセンブリのバルブポートをシールし、前記第2の位置にあるとき、前記バルブポートをシールしないようになっており、 前記隔壁アッセンブリの中央ディスクは、比較的大きい剛性によって特徴付けけれる第1の材料から形成され、前記環状の撓み部分は、前記第1の材料とは異なる、比較的小さい剛性によって特徴付けられる第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分は、前記ディスクに前記隔壁アッセンブリの中心軸に実質上平行な連続した面に沿って結合され、前記ディスク、前記環状の撓み部分および前記周辺リングは、接触アッセンブリを形成していることを特徴とする投与装置。
【請求項12】
前記周辺リングは、前記第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分と一体的に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の投与装置。
【請求項13】
前記環状の撓み部分は、前記中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項11に記載の投与装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つの結合面は、前記中心軸に関して軸方向に配置された連続面を含んでいることを特徴とする請求項13に記載の投与装置。
【請求項15】
前記環状の撓み部分は、前記中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項11に記載の投与装置。
【請求項16】
前記隔壁アッセンブリは、前記第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分と一体的に形成されるとともに、それから半径方向内側にのびる中央部分をさらに含んでおり、前記中央部分は、前記中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項15に記載の投与装置。
【請求項17】
前記中央部分は、ディスクからなっていることを特徴とする請求項16に記載の投与装置。
【請求項18】
前記中央部分は、前記中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項16に記載の投与装置。
【請求項19】
前記中央部分は、前記中心軸に関して同軸に配置され、前記デイスクの環状の溝内に収容された少なくとも一つの環状の壁を含んでおり、前記環状の壁は、前記中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項18に記載の投与装置。
【請求項20】
前記隔壁アッセンブリは、前記隔壁および前記スリーブの間の前記閉じた領域との流体の連絡をもたらすバルブポートを含んでおり、前記バルブポートは、前記中央部分および前記ディスクを貫通してのびていることを特徴とする請求項16に記載の投与装置。
【請求項21】
計られた投与量のエアロゾル薬剤を投与するように適合せしめられていることを特徴とする請求項16に記載の投与装置。
【請求項22】
計られた投与量のHFAエアロゾル薬剤を投与するように適合せしめられていることを特徴とする請求項16に記載の投与装置。
【請求項23】
計られた投与量の乾燥粉末薬剤を投与するように適合せしめられたことを特徴とする請求項16に記載の投与装置。
【請求項24】
計られた投与量の水溶性薬剤を投与するように適合せしめられていることを特徴とする請求項16に記載の投与装置。
【請求項25】
本体と、前記本体内に運動可能に配置されたスリーブと、前記本体内に作動可能に配置され、前記スリーブに対して予荷重を適用するためのスプリングと、を有する薬剤投与装置内に、閉じた領域を形成するための隔壁アッセンブリであって、
比較的大きな剛性によって特徴付けられる第1の材料から形成され、前記薬剤投与装置の本体の内側端部に固定される比較的硬質の中央ディスクと、
前記ディスクの周辺部分のまわりに配置され、前記薬剤投与装置のスリーブの閉じた端部に取り付けられる周辺アタッチメントリングと、
前記第1の材料とは異なる、比較的小さい剛性によって特徴付けられる第2の材料から形成され、前記ディスクの周辺部分および前記アタッチメントリングの間にのびていることによって、前記隔壁および前記スリーブの閉じた端部の間に閉じた領域を形成する環状の撓み部分と、を備え、
前記環状の撓み部分は前記ディスクに前記隔壁アッセンブリの中心軸に実質上平行な連続した面に沿って結合され、前記ディスク、前記環状の撓み部分、および前記周辺リングが、接触アッセンブリを形成していることを特徴とする隔壁アッセンブリ。
【請求項26】
前記本体の内側端部および前記閉じた領域の間に流体の連絡をもたらすバルブポートを備えていることを特徴とする請求項25に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項27】
前記周辺リングは、前記第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分と一体的に形成されていることを特徴とする請求項25に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項28】
前記環状の撓み部分は、前記隔壁の中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項25に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項29】
前記少なくとも一つの結合面は、前記中心軸に関して軸方向に配置された連続面を含んでいることを特徴とする請求項28に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項30】
前記環状の撓み部分は、前記隔壁の中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項25に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項31】
前記第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分に一体的に形成されるとともに、それから半径方向内側にのびる中央部分をさらに備え、前記中央部分は、前記隔壁の中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項25に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項32】
前記中央部分は、ディスクからなっていることを特徴とする請求項31に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項33】
前記中央部分は、前記中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項31に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項34】
前記中央部分は、前記中心軸に関して同軸に配置され、前記デイスクの環状の溝内に収容された少なくとも一つの環状の壁を含んでおり、前記環状の壁は、前記中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項33に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項35】
前記本体の内側端部および前記閉じた領域の間に流体の連絡をもたらすバルブポートをさらに備え、前記バルブポートは、前記中央部分および前記ディスクを貫通してのびていることを特徴とする請求項31に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項36】
比較的大きな剛性によって特徴付けられる第1の材料から形成された比較的硬質の中央ディスクと、
前記中央ディスクの周辺部分のまわりに配置された周辺アタッチメントリングと、
前記第1の材料とは異なる、比較的小さい剛性によって特徴付けられる第2の材料から形成され、前記ディスクの周辺部分および前記アタッチメントリングの間にのびる環状の撓み部分とを備え、
前記環状の撓み部分は前記ディスクに隔壁アッセンブリの中心軸に実質上平行な連続した面に沿って結合され、前記ディスク、前記環状の撓み部分、および前記周辺リングは、接触アッセンブリを形成していることを特徴とする隔壁アッセンブリ。
【請求項37】
バルブポートをさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項38】
前記周辺リングは、前記第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分と一体的に形成されていることを特徴とする請求項36に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項39】
前記環状の撓み部分は、前記隔壁の中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項36に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項40】
前記少なくとも一つの結合面は、前記中心軸に関して軸方向に配置された連続面を含んでいることを特徴とする請求項39に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項41】
前記環状の撓み部分は、前記隔壁の中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項36に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項42】
前記第2の材料から形成され、前記環状の撓み部分と一体的に形成されるとともに、それから半径方向内側にのびる中央部分をさらに備え、前記中央部分は、前記中心軸を実質上横切る少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項41に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項43】
前記中央部分は、ディスクからなっていることを特徴とする請求項42に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項44】
前記中央部分は、前記中心軸に実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項42に記載の隔壁アッセンブリ
【請求項45】
前記中央部分は、前記中心軸に関して同軸に配置され、前記デイスクの環状の溝内に収容された少なくとも一つの環状の壁を含んでおり、前記環状の壁は、前記中心軸を実質上平行な少なくとも一つの面に沿って前記ディスクに結合されていることを特徴とする請求項44に記載の隔壁アッセンブリ

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−296062(P2008−296062A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239361(P2008−239361)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【分割の表示】特願2002−501504(P2002−501504)の分割
【原出願日】平成13年6月8日(2001.6.8)
【出願人】(502062928)ノートン ヘルスケアー リミテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】NORTON HEALTHCARE  LTD.