説明

薬剤等の自動投入及び自動散布システムと浄化システム

【課題】 薬剤等の投入及び散布並びにエアー注入によるグリストラップ槽内等の浄化をタイマーを用いて自動的に行う。
【解決手段】 所定時間の間に薬剤貯蔵タンクに薬剤を投入する薬剤投入手段と所定時間の間に薬剤を散布する薬剤散布手段及び所定時間の間にエアーをグリストラップ槽内等へ注入するエアー注入手段からなることを特徴とする薬剤等の自動投入及び自動散布システムと浄化システム。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は屋内で薬剤を自動的に投入し、かつ散布する薬剤等の自動投入及び自動散布システムとエアーを利用した浄化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋内での清掃作業における薬剤の投入及び散布は人的作業に依存していた。しかし、この方法では投入及び散布の時間、量等に個人差が生じて最大限の効果を得ることができず、さらに、量の入れ間違いや投入又は散布する所定時間の際に人を拘束してしまうことがあった。また、業務用厨房などの排水のグリストラップ槽の油脂分解の方法としてはばっ気装置を用いてグリストラップ槽内で油脂分解用の微生物を使用しながら浮上油脂分を分解する方法がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
それには次のような欠点があった。
(1)投入及び散布の時間、量(濃度・希釈率を含む)は人によって差があって 一定しておらず、最大限の効果が得られないことが多かった。
(2)散布量のミスや散布自体を忘れてしまうことがあった。
(3)散布作業は個々人によって当然一定しておらず、ある所では多く、ある所 では少なく、と散布場所にムラがでることがあった。
(4)投入及び散布に時間が取られるので人を拘束してしまい効率が悪かった。
(5)有毒な薬剤を投入又は散布する場合、人体に悪影響を与えてしまう危険性 があった。
(6)ばっ気装置が巨大になって場所を取り、装置自体にコストが多くかかって いた。
本考案は、これらの欠点を解決するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
所定時間の間に薬剤タンクに薬剤を投入する薬剤投入手段と所定時間の間に薬剤を散布する薬剤散布手段、さらにグリストラップ槽内等の状況によりエアーを利用して嫌気性菌を死滅させ、好気性菌を活性化繁殖することで油脂分を分解させるエアー注入手段からなることを特徴とする。
【0005】
【考案の実施の形態】
次に図面を参照しながら本考案の薬剤等の自動投入及び自動散布システムと浄化システムの実施例を説明する。
【0006】
図1は本考案の薬剤等の自動投入及び自動散布システムと浄化システムの一実施例の説明図である。1は時間や薬剤量、エアー速度等の設定装置であり、2は薬剤投入・散布用のポンプであり、3は流量制御手段である流量調整弁であり、4はエアーや薬剤等の散布手段である散布装置であり、5はエアー送量調節用のエアレーションコントローラーであり、6は薬剤等の貯蓄用タンクである。
【0007】
前述設定装置1は薬剤等の投入開始時刻と投入量(濃度、希釈率を含む)、散布開始時刻と散布時間、エアーの注入開始時刻と開始時間及び注入速度とを設定する時間設定部(詳細図示せず)からなり、状況に応じて[手動]での設定もできる。手動の場合は手動ボタンをONにしている限り散布し続けることができる。また自動散布は散布開始時刻を2回まで設定でき、散布時間は1分散布か、2分散布かのどちらかに選択することができる。
【0008】
前述流量調整弁3は散布する場所の規模やその他の状況に応じて薬剤等の流量を調整する流量設定部(詳細図示せず)からなる。これによって散布速度を調節することができる。
【0009】
前述散布装置4は場所や環境、目的薬剤の種類によって設定された方法で散布する散布設定部(詳細図示せず)からなる。目的によっては水道の水圧、電気及び電池等の動力を利用して、シャワー状又はホースを取り付けて散布することができる。
【0010】
前述エアーレーションコントローラー5はグリストラップ槽内等で分離浮上した油脂等が腐敗し悪臭を放っている場合に、グリストラップ槽内等にエアーを注入することができる。もちろんエアー速度を随時調節することもできる。
【0011】
次に本考案の薬剤等の自動投入及び自動散布システムと浄化システムによる屋内での薬剤投入方法並びに薬剤散布設定方法、及びグリストラップ槽内等へのエアー注入方法について説明する。
【0012】
まず最初に、貯蓄用タンク6に場所、環境、目的に応じた薬剤等を目的の希釈率で入れておく。次に設定装置の時間設定部に薬剤等の投入開始時刻と投入量、さらに薬剤の散布開始時刻と散布時間を設定し、タイマーのスイッチをONにする。前述時間設定部に入力された投入時間になると、ポンプ2が可動して設定投入量が取り込まれる。そして、前述時間設定部に入力された散布時刻になると、投入量や散布時間に応じて散布装置4に付属されたシャワーノズル又はホースを通じて散布される。
【0013】
グリストラップ槽内等で分離浮上した油脂等が腐敗し悪臭を放っているため、グリストラップ槽等へのエアー注入も同時に行う場合は、上記設定時に設定装置の時間設定部にエアー注入時刻と注入時間、並びに速度を設定すればよい。時間設定部に入力された注入時刻になると、注入時間に応じてエアレーションコントローラー5からエアーが送られ、散布装置4に付属された薬剤用とは別のシャワーノズル又はホースを通じて注入される。
【0014】
【考案の効果】
本考案により、室内で薬剤を自動的に投入、かつ散布する薬剤等の自動投入及び自動散布システムとグリストラップ槽内等へエアーを自動的に注入する浄化システムを提供できる。
以下、本考案の効果例を述べる。
■目的たる薬剤等をより効果を発揮するタイミングで必要量を投入することによ り不定期、不適量による様々なロスを解消して好結果を実現できる。
■投入及び散布作業を一定の時間に確実に自動的に実現できる。
■時間的ロスを防ぎ、労力の負担を少なくすることができ、ひいては人件費削減 にもつながる。
■有毒な薬剤を投入・散布する場合でも、極力人体を危険にさらさずに投入及び 散布することができる。
■グリストラップ槽内等で分離浮上した油脂等が腐敗し悪臭を放っている場合、 エアーを注入すれば嫌気性菌を死滅させ、好気性菌を活性化繁殖することで油 脂分及び嫌気性菌の死骸や排出物等を分解させることによって悪臭を軽減し、 油脂分を除去してグリストラップ槽内等をクリーンな状態に保つことができる。
■従来の大きなばっ気装置を利用しないので配置する場所を取らず、コストも削 減でき、且つ、容易な浄化で期待できる。
■環境に優しく、生態系への悪影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の薬剤等の自動投入及び自動散布システムと浄化システムの全体を示す説明図である。
【符号の説明】
1 設定装置
2 ポンプ
3 流量調整弁
4 散布装置
5 エアレーションコントローラー
6 貯蓄用タンク

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】所定時間の間に薬剤貯蔵タンクに薬剤を投入する薬剤投入手段と所定時間の間に薬剤を散布する薬剤散布手段及び所定時間の間にエアーをグリストラップ槽内等へ注入するエアー注入手段からなることを特徴とする薬剤等の自動投入及び自動散布システムとエアーを利用した浄化システム。

【登録番号】実用新案登録第3065051号(U3065051)
【登録日】平成11年10月13日(1999.10.13)
【発行日】平成12年1月28日(2000.1.28)
【考案の名称】薬剤等の自動投入及び自動散布システムと浄化システム
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平11−4714
【出願日】平成11年5月24日(1999.5.24)
【出願人】(599088955)