説明

蛍光ランプ

【課題】
ビード部材およびこれに関連する部品との関係の仕様を改良して、管径が8mm以下のバルブ内に組み込むことができて、構造が簡単な熱陰極形の蛍光ランプを提供する。
【解決手段】
蛍光ランプは、内面側に蛍光体層が形成された管径8mm以下の細長いバルブ1と、バルブの両端内部に配設されたフィラメント2a、フィラメントの両端を支持する一対のリード線2b、リード線を所定間隔で支持するビード部材2c、およびフィラメントに支持されたエミッタ2eを備え、ビード部材の最大径部とバルブ内面との隙間c(mm)が0.1≦c≦0.4を満足し、かつリード線およびフィラメントの最大幅がビード部材の見通し線内に納まっている一対の熱陰極形電極マウント2と、バルブ内に封入された放電媒体とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小径で熱陰極形の蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶ディスプレイ用バックライトとして管径3〜4mmの冷陰極形の蛍光ランプが用いられている。一般に冷陰極形の蛍光ランプは、熱陰極形の蛍光ランプに比較して発光効率が低くて全光束が少ないことで知られている。これは、電極の性能に起因し、放電電流上限が10mA程度だからである。
【0003】
近時、液晶ディスプレイの高輝度化および低消費電力化が進展している。これに伴ってバックライト用光源としてランプ電流上限が大きくて、発光効率が高く、しかも冷陰極形の蛍光ランプと同等な管径を有する蛍光ランプの開発が望まれている。
【0004】
一般照明用として従来から多用されている熱陰極形の蛍光ランプは、冷陰極形の蛍光ランプに比較してランプ電流上限が大きくて、発光効率が高いという利点があることは既知である。
【0005】
細径のバルブに組み込む電極を熱陰極形に代替する場合、フィラメントを用いて、そこにエミッタを付着させる。細径のバルブに適合させるためにフィラメントを応分に小さくすると、エミッタの付着量が少なくなり蛍光ランプが短寿命になってしまう。そこで、所要量のエミッタを付着できるようにフィラメントを長くすると、フィラメントがバルブ内面に触れやすくなり、接触してバルブが溶融するという問題が生じる。
【0006】
また、フィラメントを支持する一対のリード線間線を所要の間隔に保持するために、リードの中間部にビード部材を封着した電極マウントを用いることは既知である(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の蛍光ランプにおいては、一対のリード線のビード部材封着予定部を互いに接近するように屈曲しておき、小径のビード部材に封着している。
【0007】
【特許文献1】特開平11−345592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、管径8mm以下のバルブを用いる蛍光ランプの場合、寿命確保のためにフィラメントを長くしようとすると、フィラメントがバルブ内面に接触してバルブが溶融しやすくなる。そのため、熱陰極形電極マウントの設計が困難になる。
【0009】
本発明は、ビード部材およびこれに関連する部品との関係の仕様を改良して、管径が8mm以下のバルブ内に組み込むことができて、構造が簡単な熱陰極形の蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の蛍光ランプは、内面側に蛍光体層が形成された管径8mm以下の細長いバルブと;バルブの両端内部に配設されたフィラメント、フィラメントの両端を支持する一対のリード線、リード線を支持するビード部材、およびフィラメントに支持されたエミッタを備え、ビード部材の最大径部とバルブ内面との隙間c(mm)が0.1≦c≦0.4を満足し、かつリード線およびフィラメントの最大幅がビード部材の見通し線内に納まっている一対の熱陰極形電極マウントと;バルブ内に封入された放電媒体と;を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、熱陰極形電極マウントにおいて、一対のリード線が封着されたビード部材の最大径部とバルブ内面との隙間c(mm)が0.1≦c≦0.4を満足し、かつリード線およびコイルフィラメントの最大幅がビード部材の見通し線内に納まっていることにより、一対のリード線のビード部材から突出する部分の強度が増して、リード線間に支持されるコイルフィラメントを長くすることが可能になるとともに熱陰極形電極マウントのバルブ内への挿入・組立が容易である。しかも、一対のリード線間がビード部材により固定される結果、コイルフィラメントの耐振性が高くなり、エミッタ形成領域を拡大すべく、長尺で強度的に不安定なフィラメントを使用したとしても、フィラメントがバルブ内面に接触するのを防止した蛍光ランプを提供することができる。
【0012】
また、上記に加えてリード線のビード部材からの突出長を所定範囲内にすることにより、適度の耐振強度を熱陰極形電極マウントに与えるとともに蛍光ランプの非発光部をなるべく短くすることができる。
【0013】
さらに、上記に加えてリード線とビード部材との封着部の長さを所定範囲内にすることにより、リード線の強度が増すので、コイルフィラメントとバルブ内面との接触を防止するとともにバルブ端部の封止部への伝熱を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明を実施するための一形態を示し、図1は蛍光ランプの要部縦断面図、図2はバルブ中央部側から熱陰極形電極マウントを見た拡大横断面図である。
【0016】
本形態において、蛍光ランプは、バルブ1、熱陰極形電極マウント2および放電媒体を具備している。
【0017】
バルブ1は、細長くて透光性好ましくは透明性を有している。管径は、バルブ1の発光部における外径であり、両端が封止の関係で多少太くなっていてもよいし、細くなっていてもよい。また、図1に示すバルブ1は、両端部が図と平行な面内において偏平で、その偏平部の幅が若干発光部より狭くなっている。
【0018】
本発明において、管径は、管径が8mm以下であればよく、熱陰極形電極マウント2をバルブ1内に組み込むことができれば頗る細くてもよいので、下限が設定されない。しかし、管径3mm未満になると、熱陰極形電極マウント2をバルブ1内に組み込む際の困難性が増す傾向にある。また、管径が8mm超になると、太くなりすぎてバックライトの薄型化の要求に応えにくくなる。なお、好適には管径3〜8mmである。
【0019】
本発明において、管長は蛍光ランプの用途に応じて適宜選択することができるから、特段限定されない。しかし、主な用途の要求から数百〜千数百mmが好適である。バルブ1の好ましい材料はガラスバルブであり、ガラスとしては特にホウ珪酸ガラスが適している。
【0020】
また、バルブ1は、両端が開放されたガラス素管の両端を封止して内部を気密状態に形成することができる。この場合、既知の各種封止構造を適宜選択して採用することができる。図示の形態においては、ガラス素管の端部内の中心軸位置に排気管1aを挿入した状態でガラス素管の端部を加熱溶融して、ピンチシールすることにより排気可能な封止部1bを形成している。所望により後述するビード部材2cをガラス素管の端部に封着して封止するビード封止構造を採用することもできる。
【0021】
なお、ガラス素管の両端をともに上述のピンチシールと同一の封止構造とすることができる。これにより、排気管1aを封止時にバルブ1の両端に封着して両端から、また所望により一端のみから排気することができる。しかし、所望により他端側には排気管1aを封着しないピンチシールまたはその他の封止構造を採用することができる。また、図1の符号1a1は排気管1aを封じ切った後に形成された排気チップオフ部である。
【0022】
さらに、バルブ1は、内面側に蛍光体層1cを形成している。蛍光体層1cは、適当な蛍光体を用いて常法により形成できるが、好ましくは3波長発光形の蛍光体を用いるのがよい。また、蛍光体層1cをバルブ1の内面に直接形成することもできるが、保護膜(図示しない。)を介してバルブ1の内面に形成するのが好ましい。なお、保護膜は、既知の材料、例えば酸化アルミニウムAl、Y、CeO、ZnO、TiO、SiOなどの金属酸化物を用いて形成することができる。また、排気不良の発生を防止するために、蛍光体層1cをバルブ1−ビード部材2cの隙間cの部分よりも、ランプ中央側に形成してもよい。
【0023】
熱陰極形電極マウント2は、その一対がバルブ1の両端側に対向して配設され、それぞれフィラメント2a、一対のリード線2b、2b、ビード部材2cおよびエミッタ2eを備え、少なくともフィラメント2aをバルブ1内部の好ましくは両端部に互いに離間して封装する。なお、所望によりアンカー2dを付加することができる。
【0024】
フィラメント2aは、その外径が後述するビード部材2cの管軸方向の見通し線より内に収まる範囲であればよく、全長の如何は問わない。しかし、フィラメント2aは、上記条件の中でなるべく長い方が好ましい。そうすれば、長さに応じてエミッタ2eの付着量を増やせる。例えば、図1に示すように、ほぼ中央で折り返えした折り返し部2a1が形成され、一対の端部2a2、2a2がほぼ直線状をなして一対のリード線2b、2bに支持されている。折り返し部2a1はバルブ1の長手方向の中央寄りに位置し、両端部2a2、2a2はバルブ1の端部寄りに位置している。したがって、フィラメント2aは、バルブ1の長さ方向の中央側に向かって凸形状を呈する。なお、上記配置において、折り返し部2a1の中心がほぼ管軸上に位置するのが好ましい。
【0025】
また、フィラメント2aは、本発明において、シングルコイルおよび多重コイルのいずれでもよい。一般的には、小型化のためにはシングルコイル、長寿命化のためにはトリプルコイルなどの多重コイルを選択するのが良い。
【0026】
さらに、ほぼ中央で折り返されたフィラメント2aのバルブへの封装状態における幅aは、上述のようにビード部材2dの管軸方向の見通し線内に収まればよいが、概ねバルブ1の内径より1mm程度小さいのがよい。なお、フィラメント2aの展開長はバルブ1の内径より大きくて、かつ内径の4.0倍以下程度であるのが好ましい。図1に示すようなU字状のフィラメント2aを用いる場合の一例を示せば、次のとおりである。なお、上記フィラメント2aの幅aとは、略U字状をなす形態において、リード線2bの先端から突出している部位の基端における外側面間の距離をいう。また、長さbとは、リード線2bの先端から突出している部位の基端から折り返し部2a1の頂部外面までの距離をいう。
【0027】
バルブ1の内径3mm(外径4mm)のとき、幅aが2mm、長さbが5mm、隙間c0.2mm
バルブ1の内径5mm(外径6mm)のとき、幅aが4mm、長さbが7mm、隙間c0.2mm
バルブ1の内径6.9mm(外径8mm)のとき、幅aが5.9mm、長さbが9mm、隙間c0.2mm。
【0028】
一対のリード線2b、2bは、フィラメント2aを、その両端に接続して支持する。支持の態様は特段限定されないが、フィラメント2aの端部2a2における軸方向とリード線2bの軸方向が平行して互いに隣接したり、両軸を一致させたりして支持するのが好ましい。前者の態様においては溶接やスリーブを用いた加締め接続などにより接続して支持することができる。後者の態様としては、リード線2bがフィラメント2aの端部2a2に挿通し、所望により両者を溶接することで支持することができる。
【0029】
また、リード線2bには、バルブ1および/または後述するビード部材2cとの封着性が良好な金属、例えばコバールなどを用いることができる。この態様においては、封着性が良好なので、リード線2bを直接バルブ1の端部に封着して外部へ導出することができる。
【0030】
ビード部材2cは、ガラスを適当な形状を有する玉状、例えばほぼ球体形状、楕円球体形状などに成形してなり、内部に一対のリード線2b、2bを離間させて封着することで所望の間隔で支持する。そのために、ビード部材2cは、リード線2bの中間部に封着される。リード線2dがビード部材2d内に封着される長さすなわち封着長fは、0.5mm以上であるのが好ましい。封着長が大きくなるに伴いリード線2bが強固に支持されるので、リード線2bのビード部材2cから突出する部分の強度が増す。その結果、フィラメント2aがバルブ1内面に接触するのを防止できる。また、フィラメント2aの熱がバルブ1の封止部に伝熱して封止部温度が高くなるの抑制する。なお、封着長が0.5mm未満になると、リード線2bの上記突出する部分の強度が低下する。
【0031】
また、ビード部材2bは、特に図2に分かりやすく示しているように、その直径がバルブ1の内面したがって内径より小さく形成されているので、バルブ1内面との間隙間cが形成される。隙間c(mm)が0.1≦c≦0.4を満足すれば、熱陰極形電極マウント2をバルブ1内に無理なく挿入できるとともに、フィラメント2aとバルブ1の接触を防止することが可能である。隙間cが0.1mm未満になると、熱陰極形電極マウント2のバルブ1内へ挿入しにくくなるとともに、排気が困難になる。また、隙間cが0.4mmを超えると、フィラメント2aとバルブ1の接触が懸念されるようになるため、フィラメント2aの長さを大きくすることが困難になり、蛍光ランプの所望の寿命を得ることができない。なお、ここでバルブ1の内面とは、蛍光体層1cなどの付着層を加味したものであり、バルブ1単体の内面より内径が若干ではあるが小さくなる。ただし、ビード部材2cの挿入位置に蛍光体層1cなどの付着層の全部または一部が存在しない場合には、その分内径が大きくなる。
【0032】
さらに、リード線2bのビード部材2cからの突出長gは、フィラメント2aの端部2a1に挿通している先端部をも含む寸法であるが、ビード部材2cとフィラメント2aの両端部2a2、2a2との間の距離を決定する。このため、上記突出長gが短すぎると、フィラメント2aの発生熱がリード線2bを伝導して熱容量の大きなビード部材2cに吸収されやすくなり、コイルフィラメント2の端部2a2の温度低下を来たしてフィラメント2aの温度均一化が阻害されるので、好ましくない。
【0033】
上記突出長は1mm以上あるのが好ましい。ただし、上記突出長が大きすぎると、コイルフィラメント2aが不所望に振れやすくなるので、好ましくない。上記突出長は、5mm以下であるのが好ましい。なお、5mm超であると、アンカー2dを配設していてもコイルフィラメント2aがバルブ1の内面に接触しやすくなる。突出長は、より好ましくは1〜2.5mmである。
【0034】
アンカー2dは、所望により熱陰極形電極マウント2に付加される。そして、その先端の支持部2d1がフィラメント2aの例えば折り返し部2a1を支持し、基端部がガラス溶着によりビード部材2cに植立している。これにより、フィラメント2aは、その折り返し部2a1がアンカー2dにより、また両端部が一対のリード線2b、2bにより支持されるので、その耐震性および耐衝撃性が向上する。
【0035】
また、アンカー2dの直径が0.05〜0.3mmの範囲内にある極細の耐熱性金属線を用いるのがフィラメント2aの支持部の温度低下を抑制するためには好ましい。なお、直径が0.05mm未満であると、アンカー2dとしての機械的強度が不足するので、不可である。また、0.3mm超であると、熱容量が大きくなりすぎてフィラメント2a折り返し部2a1のアンカー2dによる支持部近傍の温度が不所望に低下してしまうので、不可である。なお、好適には0.1〜0.2mmの範囲内である。この範囲であれば、フィラメント2aの支持の機械的強度が十分で、しかもフィラメント2aの支持部近傍の温度低下も十分に許容範囲となる。また、アンカー2dもその最大幅がビード部材2cの見通し線内に収まっているのが望ましい。
【0036】
さらに、アンカー2dは、機械的に優れた金属を用いて形成される。なお、耐熱性に優れるとさらに望ましい。このような金属としては、例えばモリブデンMo、タングステンW、レニウム−タングステン合金Re−Wなどの耐熱性金属を用いることができる。
【0037】
さらにまた、アンカー2dのフィラメントの支持部は、フィラメント2aを包持するように、その先端部をリング状に湾曲させたり、半円状〜一部が欠けた円状に湾曲させたり、あるいはフィラメント2aをピンチ状に挟持したりして形成することができる。
【0038】
エミッタ2eは、熱電子放射性物質であり、フィラメント2aに付着して加熱されると熱電子放射を行う。また、エミッタ2eは、その材質が限定されないが、既知のものを用いることができる。例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸ストロンチウムを質量比で4:4:2の割合で混合して調合した塗布液をフィラメント2aに約3.0mg塗布し、乾燥後通電加熱して上記炭酸化合物を金属酸化物に変化させてなるエミッタを生成させてフィラメント2aに残留させている。なお、エミッタ2eは、その塗布液を被着後に行う加熱工程において水分などの不純物をエミッタ2eから効果的に除去して、ランプ特性に影響を与えることがないようにするために、リード線2bから約1mm離れた部分から、他方の同部分までの領域に形成するのが望ましい。
【0039】
また、本発明の好ましい態様として、上記に加えてアンカー2dのフィラメント2aの支持部2d1およびその近傍にもエミッタ2e1を付着させることができる。アンカー2dに前述のように極細の耐熱性金属線を用いている態様においては、その先端側のコイルフィラメント2aの支持部2d1における温度が点灯中コイルフィラメント2aの温度近くまで上昇する。そのため、そこに付着したエミッタ2e1からも熱電子放射をさせることができ、その分蛍光ランプの寿命が伸びる効果がある。なお、上記態様において、アンカー2dの支持部2d1およびその近傍以外の部位に付着していても差し支えない。本態様によれば、アンカー2dにエミッタ2e1が付着していない場合に比較して平均5%程度の寿命延伸が得られる。
【0040】
放電媒体は、バルブ1内に封入されて一対のフィラメント2a、2a間に生じる放電により紫外線を放射する。放電媒体は、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトンなどの希ガスまたはそれらの混合ガスおよび水銀を用いるのが好ましい。
【実施例1】
【0041】
実施例は、図1に示す構造である。
【0042】
バルブ :日本電気硝子社製のBKU(ホウ珪酸ガラス)、管径4mm、内径3.0mm、 全長1200mm、排気管は外径2.0mm、内径1.4mm
蛍光体層はY2O3:Eu3+、LaPO4:Ce3+、Tb3+、BaMg2Al10O17:Eu2+からなる
3波長発光形蛍光体、膜厚20μm
フィラメント:W、線径50μm、内径200μm、シングルコイル、
リード線からの突出している長さ5mm、幅2mm
リード線 :コバール、直径0.3mm、突出長g=2mm、封着長f=0.83mm
アンカー :Mo、直径0.15mm
ビード部材 :ホウ珪酸ガラス、直径2.7mmのほぼ球体形状
隙間c :0.2mm
放電媒体 :Ar40%、Ne60%(封入圧1330Pa)、Hg約3mg
電流 :ランプ電流10〜30mA、フィラメント加熱電流約500mA
消灯中の実施例蛍光ランプ20本を振動試験(全振幅1.5mm、掃引10〜55〜10Hz/分の振動をXYZ方向に各2時間行った結果、フィラメントがバルブ内面に接触したものは0%であった。

【実施例2】
【0043】
隙間c :0.4mm
その他の仕様は、実施例1と同じ。
【0044】
実施例1と同様の振動試験の結果、フィラメントがバルブ内面に接触したものは0%であった。

[比較例]
隙間c :0.6mm
その他の仕様は、実施例1と同じ。
【0045】
実施例1と同様の振動試験の結果、フィラメントがバルブ内面に接触したものは5%であった。

次に、本発明の蛍光ランプを点灯させる際の好ましい態様について説明する。本発明の蛍光ランプは、これを点灯させるときに、ランプ電流とは別にフィラメント加熱電流を流して常時フィラメント2aを加熱するのが好ましい。この加熱により、たとえ極細(直径0.05〜0.3mm)のアンカーを用いてフィラメント2aの中間部を支持する構成を採用していても、フィラメント2aに付着したエミッタ2eが約800℃になる。この状態ではフィラメント2aに付着しているエミッタ2eの殆どの部分から熱電子放出が行われる。
【0046】
その結果、フィラメント2aおよびエミッタ2eで構成される電極表面での電流密度が小さくなり、電極寿命、したがって蛍光ランプの寿命が延伸する。なお、ランプ電流とは別にフィラメント加熱電流を流すための回路構成は、既知のものを適宜利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明を実施するための一形態を示す蛍光ランプの要部縦断面図
【図2】同じくバルブ中央部側から熱陰極形電極マウントを見た拡大横断面図
【符号の説明】
【0048】
1…バルブ、1a…排気管、1b…ピンチシール部、1c…蛍光体層、2…熱陰極形電極マウント、2a…フィラメント、2a1…折り返し部、2a2…端部、2b…リード線、2c…ビード部材、2d…アンカー、2d1…支持部、2e、2e1…エミッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面側に蛍光体層が形成された管径8mm以下の細長いバルブと;
バルブの両端内部に配設されたフィラメント、フィラメントの両端を支持する一対のリード線、リード線を支持するビード部材、およびフィラメントに支持されたエミッタを備え、ビード部材の最大径部とバルブ内面との隙間c(mm)が0.1≦c≦0.4を満足し、かつリード線およびフィラメントの最大幅がビード部材の見通し線内に納まっている一対の熱陰極形電極マウントと;
バルブの内部に封入された放電媒体と;
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
内部リード線は、ビード部材からの突出長g(mm)が1≦g≦5を満足することを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
ビード部材は、リード線の封着長f(mm)が0.5≦f≦3.0を満足することを特徴とする請求項1または2記載の蛍光ランプ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−80337(P2010−80337A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248989(P2008−248989)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】