説明

蛍光灯器具に装着するLED電球アダプタ

【課題】 従来の蛍光灯器具について、LED電球を使用可能とすることにより、高価な蛍光灯型LED照明装置よりも安価に代替可能となるLED電球アダプタを提供すること。
【解決手段】 蛍光灯器具10について蛍光ランプを装着可能な蛍光ランプ装着部11に装着されるアダプタ本体3と、蛍光灯器具10において蛍光ランプへの電源供給用の金具を設けた取付部12に接続可能かつ金属製の端子部4を備えた組付部5と、端子部4に電気的に接続されると共にLED電球2を装着可能なソケット部6とを設けたことを特徴とするLED電球アダプタ1によって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な蛍光灯器具に蛍光ランプの代わりに装着して使用するLED電球アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費電力が少なく、耐久性に優れることから、多くの分野でLED(発光ダイオード)の使用が進んでいる。このようなLED照明として、LED電球や、多数のLEDを配置した蛍光灯型の照明装置が開発されている(特許文献1)。特許文献1に開示されている蛍光灯型のLED照明装置は、従来の直管型蛍光ランプの外形を備えた円筒状の本体の内部に、多数のLED素子の付いたプリント基板を直接組み込んだものである。見た目もすっきりしており、スマートであるものの、電気的故障が発生した場合には、プリント基板全体を交換する必要がある。このため、LED素子が長寿命であるものの、全体のコストが上昇する可能性が高い。
このように、蛍光灯型LED照明装置については、安易に従来の蛍光灯器具と交換することができない状況であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−153384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の蛍光灯器具について、比較的安価なLED電球を使用可能とすることにより、高価な蛍光灯型LED照明装置よりも安価に代替可能となるLED電球アダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための発明に係るLED電球アダプタは、蛍光灯器具について蛍光ランプを装着可能な蛍光ランプ装着部に装着されるアダプタ本体と、前記蛍光灯器具において蛍光ランプへの電源供給用の金具を設けた取付部に接続可能かつ金属製の端子部を備えた組付部と、前記端子部に電気的に接続されると共にLED電球を装着可能なソケット部とを設けたことを特徴とする。このようにすれば、従来構造の蛍光灯器具について、蛍光ランプに代えてLED電球アダプタを装着し、LED電球を用いることができる。また、本発明に係るLED電球アダプタには、回路基板が存在しないので、LED電球が故障した場合には、そのLED電球を個々に交換すれば済むので、簡易に対応できる。更に、使用場所に応じて、必要な個数または光量のLED電球を付ければ良いので、フレキシブルな対応が可能となる。
【0006】
なお、蛍光灯器具にグロー球、インバーター回路などのようにLED電球への電源供給が上手く行かない余分なものが設けられている場合には、予めその余分なものへの電源供給を迂回する(例えば、グロー球を取り外す、インバーター回路を回避してショートさせるなど)ように構造を変更すれば良い。
また、前記蛍光灯器具は、直管型蛍光ランプ、環形蛍光ランプ、またはコンパクト形蛍光ランプのいずれかを装着するものであることが好ましい。
また、前記ソケット部は、前記LED電球の方向を変化させられる方向可変機構が設けられていることが好ましい。LED電球は、光の直進性が高いので拡散させ難い。このため、必要な方向に対して、重点的に光を向けられる方向可変機構が設けられているので、更に使い出の良いものとなる。
また、前記ソケット部は2個以上が設けられており、前記組付部からは各ソケット部に対して、並列に電源が供給されるように構成されていることが好ましい。このようにすれば、直列に電源を供給する場合に比べると、LED電球に供給される電源が安定する。
また、前記アダプタ本体には、2個以上のソケット部装着孔が設けられていると共に、前記ソケット部を備え前記ソケット部装着孔に着脱可能に組み付けられるソケット部材が設けられており、このソケット部材には、前記アダプタ本体の端子部から供給される電源に電気的に接続可能な端子金具部が設けられていることが好ましい。このようにすれば、予めアダプタ本体に組み付けられるソケット部材の最大個数を制限できる。また、必要な明るさに応じて、適当な個数のソケット部材を組み付ければ良いので、経済的に使用できる。また、上記発明においては、前記ソケット部装着孔のうち、前記ソケット部材が組み付けられないところに組み付け可能な栓部材を設けることが好ましい。このようにすれば、使用されないソケット部装着孔を閉止できる。
【0007】
また、前記蛍光灯器具が、直管型蛍光ランプを装着するものである場合に、前記アダプタ本体には、長手方向にスライド支持部が設けられており、このスライド支持部には、前記ソケット部を備えると共に前記スライド支持部に対してスライド移動可能な可動式ソケット部材が設けられていることが好ましい。このようにすれば、LED電球を取り付ける位置を適当に変更できるので、より使い出の良いものとできる。スライド支持部の構造としては、アダプタ本体の内部を長手方向に貫通させた空洞形式のもの、アダプタ本体の外方に突設または凹設しつつ長手方向に連続させたレール形式のものが例示される。なお、ソケット部に対して電源を供給するための電線部をスライド支持部に設ける場合には、より安全性の高い空洞形式のものが好ましい。
このとき、前記可動式ソケット部材は、前記スライド支持部に対して着脱可能に組み付けられることが好ましい。このようにすれば、任意の個数の可動式ソケット部材をスライド支持部に対して組み付け、または抜き出せるので、より使い出の良いLED電球アダプタとなる。なお、可動式ソケット部材をスライド支持部に対して着脱可能に組み付ける構成としては、例えばスライド支持部の一部に対して、前記可動式ソケット部材の着脱を規制する組付位置と、前記可動式ソケット部材の着脱を許容する着脱位置との二位置とできる脱離防止部を設けることができる。更に具体的には、前記スライド支持部の少なくとも一方側が前記取付部まで延設されていると共に、前記取付部を前記アダプタ本体に対して、前記可動式ソケット部材の着脱を規制する組付位置と、前記可動式ソケット部材の着脱を許容する着脱位置とできるようにすることが好ましい。この場合には、取付部が脱離防止部を兼ねる構成となる。
【0008】
本発明において、ソケット部は、少なくとも一つ設けられていれば良いが、LED電球から発せられる光の直進性が高いことに鑑みると複数個(例えば、2個〜4個)のソケット部を設けることが好ましい。但し、余りに多くのソケット部を設けると、LED電球アダプタにLED電球を装着したときの重量が大きくなりすぎること、及び各LED電球への電源供給が安定しないので好ましくない。このため、最大でも8個程度までのソケット部を設けることが好ましい。
本発明において使用されるLED電球の形式は、E17口金またはE26口金のいずれを用いることもできる。ソケット部には、使用される口金の口径に合わせて、従来周知のレセプタクルを設ければよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来の蛍光灯器具について、LED電球を使用可能とすることにより、高価な蛍光灯型LED照明装置よりも安価に代替可能となるLED電球アダプタを提供できる。
また、今後主流となる可能性が高いLED照明を、より安価に提供できるので、手軽に導入することが可能となり、電気料の削減及び電気代の節約にも繋がる。多くのLED照明を普及させることにより、電力需要の負担を減少させ、二酸化炭素の排出量の削減も可能となり、地球環境の悪化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態におけるLED電球アダプタの分解斜視図である。
【図2】LED電球アダプタの平面図である。
【図3】LED電球アダプタにおける電源供給用の回路図である。
【図4】LED電球アダプタにLED電球を装着し、2個の蛍光ランプ装着部を備えた蛍光灯器具の一方に組み付けたときの様子を示す斜視図である。
【図5】第2実施形態におけるLED電球アダプタの斜視図である。
【図6】LED電球アダプタの側面図である。
【図7】LED電球アダプタにLED電球を装着し、蛍光灯器具に組み付けたときの様子を示す側面図である。
【図8】第3実施形態におけるLED電球アダプタの分解斜視図である。
【図9】アダプタ本体の側面図である。
【図10】アダプタ本体の正面図である。
【図11】アダプタ本体の底面図である。
【図12】取付部の正面図である。
【図13】取付部の側面図である。
【図14】取付部の背面図である。
【図15】取付部の平面図である。
【図16】可動式ソケット部材の平面図である。
【図17】可動式ソケット部材の正面図である。
【図18】LED電球アダプタにLED電球を組み付けたときの斜視図である。
【図19】第4実施形態におけるLED電球アダプタの分解斜視図である。
【図20】アダプタ本体にソケット部材と栓部材を組み付けたときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶ。
<第1実施形態>
まず、図1〜図4を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。図1には、第1実施形態におけるLED電球アダプタ1の分解斜視図を示した。このLED電球アダプタ1は、略円筒状をなしており、LED電球2が組み付けられると共に、直管型蛍光ランプを装着する蛍光灯器具10の蛍光ランプ装着部11に取り付けられる。
LED電球アダプタ1には、アダプタ本体3と、このアダプタ本体3の両端部分に一対に設けられる組付部5と、LED電球2を装着可能なソケット部6が設けられている。
アダプタ本体3は、所定の強度を備えた部材(例えば、プラスチック(塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)、金属(アルミニウム、鉄、ステンレスなど)などを用いて形成できる)によって、略円筒状に形成されている。
【0012】
組付部5は、図2に示すように、アダプタ本体3の両端部に覆い付くようにして組み付けられる。アダプタ本体3に両組付部5を組み付けたときの長さは、蛍光灯器具10に装着されるべき直管型蛍光ランプの長さとほぼ等しくなるように設定されている。組付部5には、金属製の一対の端子部4が突設されており、ここが蛍光灯器具10の電源供給用の金具を設けた取付部12に嵌め込まれることで、LED電球アダプタ1が組み付け固定されると共に、LED電球2への電源が供給される。左右一対の端子部4,4間には、LED電球2を組み付けるソケット部6に電源を供給するための電線7が接続されている。ここで電線7は、図3に示すように、左右一対の端子部4,4について、LED電球2に対して、並列に電源が供給されるように接続されている。
ソケット部6は、アダプタ本体3の左右両端部付近にそれぞれ一つずつ設けられている。両ソケット部6は、アダプタ本体3の径方向外側に向かって、同一の方向に突設されている。
【0013】
次に、上記のように構成された本実施形態の組み付け方法について例示する。
まず、各ソケット部6のそれぞれにLED電球2を回し付ける。次いで、LED電球アダプタ1を持ち上げ、蛍光灯器具10の蛍光ランプ装着部11に設けられた取付部12のそれぞれに、左右一対の組付部5から突設された端子部4を嵌め込んだ後、LED電球2が下方を向くようにして回し付ける。こうして、図4に示すように、蛍光灯器具10にLED電球2を装着したLED電球アダプタ1が取り付けられる。
なお、上記では、予めLED電球2をソケット部6に取り付けた後に、LED電球アダプタ1を蛍光灯器具10に装着する手順を説明したが、LED電球アダプタ1を蛍光灯器具10に装着した後に、LED電球2をソケット部6に取り付けても良い。
【0014】
なお、蛍光灯器具10にグロー球、インバーター回路などのようにLED電球2への電源供給が上手く行かない余分なものが設けられている場合には、予め蛍光灯器具10に設けられた余分なものへの電源供給を迂回するように構造を変更すれば良い。
このように本実施形態によれば、従来構造の蛍光灯器具10について、蛍光ランプに代えてLED電球アダプタ1を装着し、LED電球2を用いることができる。
また、本実施形態では、複数のLED電球2に対して、並列に電源が供給されるようになっているので、直列に電源を供給する場合に比べると、LED電球2に供給される電源が安定する。
【0015】
<第2実施形態>
次に、図5〜図7を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態と第1実施形態とにおいて、同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のLED電球アダプタ20は、略円環状をなしており、LED電球2が組み付けられると共に、環形蛍光ランプを装着する蛍光灯器具21に取り付けられる。
LED電球アダプタ20には、略円環状のアダプタ本体21と、このアダプタ本体21から斜め上方に突設される組付部22と、LED電球2を装着可能なソケット部6が下方に向かって突設されている。ソケット部6は、3個のものがアダプタ本体21に沿ってほぼ均等な間隔で配置されている。アダプタ本体21は、第1実施形態のアダプタ本体3と同様に、所定の強度を備えた部材によって、中空状に形成されている。
【0016】
組付部22には、金属製の端子部23が設けられており、ここが蛍光灯器具30の電源供給用の金具を設けた取付部32に嵌め込まれることで、LED電球2への電源が供給される。なお、図示はしないが、3個のソケット部6に対しては、並列に電源が供給されるようになっている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、LED電球アダプタ20を蛍光灯器具30の蛍光ランプ装着部31に装着しつつ、弾性を備えた脱落防止部33によって、アダプタ本体21を所定の位置に固定する。次に、取付部32と組付部22を連結することによって、LED電球2への電源を確保する。
最後に、各ソケット部6にLED電球2を回し付けることによって、組付けを完了する。
このように、本実施形態によっても第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0017】
<第3実施形態>
次に、図8〜図18を参照しつつ、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態と第1実施形態及び第2実施形態とにおいて、同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のLED電球アダプタ40は、略角筒状をなしており、直管型蛍光ランプを装着する蛍光灯器具10の蛍光ランプ装着部11に取り付けられると共に、可動式ソケット部材41の個数に合わせてLED電球2が組み付け可能とされている。
LED電球アダプタ40のアダプタ本体42は、図9〜図11に示すように、断面が略正方形状とされており、その内部には、長手方向に沿ってスライド支持部43が設けられている。スライド支持部43は、アダプタ本体42の下面側に開放する溝状に形成されており、その断面は略C字状とされ、中央部分には径方向外側に突出する引っ掛け縁部44が凹設されている。引っ掛け縁部44の内面側には、アダプタ本体42の長手方向に沿って、電気的に接続する導電部材44Aが設けられており、端子部45からの電源を可動式ソケット部材41に供給可能とされている。
【0018】
スライド支持部43には、後述の可動式ソケット部材41がアダプタ本体42の長手方向にスライド移動可能に組み付けられる。また、アダプタ本体42の両端部には、一対の組付部46が設けられている。
組付部46は、図12〜図15に示すように、アダプタ本体42の左右両端部に開放するスライド支持部43に合わせた形状とされている。アダプタ本体42に両組付部46を組み付けたときの長さは、蛍光灯器具10に装着されるべき直管型蛍光ランプの長さとほぼ等しくなるように設定されている。組付部46には、金属製の一つの端子部45が突設されており、蛍光灯器具10の取付部12からの電源と接続可能とされている。また、組付部46において、アダプタ本体42に組み付けられる後面側には、スライド支持部43の断面形状とほぼ同等の形状を備えた組付突部47が突設されている。この組付突部47の左右からは、引っ掛け縁部44に嵌り込む突状縁48が張り出されている。突状縁48のうちの一方側は、端子部45と電気的に接続する電気供給部48Aとされている。一対の組付部46において、電気供給部48Aは、互いに相異なる側の引っ掛け縁部44の下壁面及び奥側壁面に設けられた導電部材44Aに接触するようになっている。こうして、アダプタ本体42の左右一対に組み付けられる組付部46の各々は、一対の引っ掛け縁部44のうちのいずれか一方側に電気的に接続されているので、両引っ掛け縁部44のそれぞれは、一対の組付部46のいずれか一方から電源を供給されることになる。なお、導電部材44Aは、上壁面よりも下壁面に設けることにより、可動式ソケット部材41との導通が良好に図られる。
【0019】
可動式ソケット部材41は、図16及び図17に示すように、アダプタ本体42のスライド支持部43にスライド可能に組み付けられると共に、LED電球2が取付可能とされている。すなわち、可動式ソケット部材41の上部には、スライド支持部43の引っ掛け縁部44に嵌め込まれる上面突部50と、スライド支持部43の下部から溝部に嵌め込まれる中央組付部51とが設けられている。上面突部50には、引っ掛け縁部44から供給される電源をソケット部49に供給する電線部52が設けられている。また、可動式ソケット部材41の下方には、LED電球2を組付可能なソケット部49が設けられている。
【0020】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、少なくとも一方側の組付部46をアダプタ本体42から取り外しておく。この着脱位置では、スライド支持部43の側縁が開放されているので、アダプタ本体42に対して可動式ソケット部材41の着脱が許容された状態となっている。そこで、任意個数の可動式ソケット部材41の上面突部50及び中央組付部51をスライド支持部43の側縁部分から挿入し、スライド支持部43の方向に沿って所定の位置までスライド移動させる。全ての可動式ソケット部材41の組付を完了したら、図18に示すように、組付部46をアダプタ本体42に嵌め付ける。この組付位置では、可動式ソケット部材41のアダプタ本体42に対する着脱が規制される。こうして、組付部46は、本発明における脱離防止部を兼ねる構成となっている。
なお、可動式ソケット部材41がスライド支持部43に装着された状態では、ソケット部43には、電源供給部48Aと電線部52を通じて、電源が供給可能とされる。
【0021】
上記のように、LED電球アダプタ40の組み付けが完了したら、端子部45を蛍光灯器具10の蛍光ランプ装着部11にある取付部12に組み付け、LED電球2をソケット部49に回し付ける。なお、LED電球2のソケット部49への回し付け操作は、LED電球アダプタ40の蛍光灯器具10への組み付け操作の前に行うこともできる。
このように本実施形態によれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果に加えて、LED電球2の取り付け位置を適当に変更できるので、より使い出の良いものとなる。
また、可動式ソケット部材41は、スライド支持部43に対して着脱可能に組み付けられているので、任意の個数の可動式ソケット部材41をスライド支持部43に対して組み付け、または抜き出せるので、より使い出の良いLED電球アダプタ40となる。
【0022】
<第4実施形態>
次に、図19及び図20を参照しつつ、本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態と第1実施形態〜第3実施形態とにおいて、同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のLED電球アダプタ60は、略角筒状をなすアダプタ本体61と、このアダプタ本体61に対して着脱可能に組み付けられるソケット部材62とが設けられている。アダプタ本体61には、2個以上の(図示6個)ソケット部装着孔63が設けられている。ソケット部装着孔63は、アダプタ本体61の長さ方向に長辺を備えた長方形状とされており、その左右両側には、一対の電源供給部48Aが設けられている(図示せず)。
【0023】
ソケット部材62の上端部には、アダプタ本体61の端子部4から供給される電源に接続する電源供給部48Aに接続可能な端子金具部64が左右一つに設けられている。この端子金具部64は、ソケット部装着孔63の対角線の長さよりも長い直径を備えた円形状の支持片部65から垂直に立ち上げられた後、その先端部分が互いに径方向外側に向かって突設されている。両端子金具部64の基端部分の離間幅はソケット部装着孔63の短辺の幅と同等とされている。一方、両端子金具部64Aの先端部分の離間長は、ソケット部装着孔63の長辺よりも僅かに短くされている。
ソケット部材62の下端部分には、ソケット部67が設けられており、ソケット部67と支持片部65との間には、LED電球2の方向を変化させられる方向可変機構66が設けられている。方向可変機構66は、ソケット部67にLED電球2を取り付けた状態で所定の範囲内でLED電球2の方向を変化させ、その状態を固定できる程度の強度を備えている。方向可変機構66としては、蛇腹状のもの、適当な位置に一つまたは二つ以上の関節機構を設けたものとすることもできる。
【0024】
また、使用されないソケット部装着孔63には、栓部材68が組み付けられる。栓部材68には、ソケット部装着孔63よりも一回り大きな長方形の底辺部69と、この底辺部69から立ち上げられた一対の弾性係合片70とが設けられている。両弾性係合片70の離間幅は、ソケット部装着孔63の長辺の長さと同等とされており、その先端には、外方に向かって係合爪71が設けられている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について、図20を参照しつつ説明する。
図20では、6個のソケット部装着孔63のうち、一つおきに3個のソケット部材62が組み付けられ、残りのソケット部装着孔63には栓部材68が組み付けられている。
栓部材68は、両係合爪71をソケット部装着孔63に嵌め込み、両弾性係合片70を僅かに弾性変形させながら底辺部69を押し込む。底辺部69が所定の位置まで押し込まれると、両弾性係合片70が復帰変形すると共に、係合爪71がソケット部装着孔63の孔縁に係合することで、栓部材68の組付が完了する。
【0025】
ソケット部材62は、両端子金具部64をソケット部装着孔63の長辺方向に合わせて挿入した後、支持片部65を略90度回転させる。こうして、両端子金具部64をソケット部装着孔63の短辺の孔縁に係合させて抜け止めすると共に、両端子金具部64と電源供給部48Aとの接続を図る。次いで、ソケット部67にLED電球2を回し付ける。なお、方向可変機構66によって、LED電球2は、所定の範囲内で適当な方向に向けることができる。
このように、本実施形態によれば、第1実施形態〜第3実施形態と同様の効果に加えて、予めアダプタ本体61に組み付けられるソケット部材62の最大個数を制限できる。また、必要な明るさに応じて、適当な個数のソケット部材62を組み付ければ良いので、状況に応じて経済的に使用できる。
また、ソケット部装着孔63のうち、ソケット部材62が組み付けられないところに栓部材68を組み付けるので、使用されないソケット部装着孔63を閉止できる。
また、LED電球2の方向を変化させられる方向可変機構66が設けられているので、光の直進性の高いLED電球を必要な方向に対して、重点的に光を向けられており、更に使い出の良いものとなる。
【符号の説明】
【0026】
1,20,40,60…LED電球アダプタ
2…LED電球
3,21,42,61…アダプタ本体
4…端子部
5,22,46…組付部
6,49,67…ソケット部
10,30…蛍光灯器具
11,31…蛍光ランプ装着部
12,32…取付部
41…可動式ソケット部材
43…スライド支持部
46…組付部(脱離防止部)
62…ソケット部材
63…ソケット部装着孔
64…端子金具部
66…方向可変機構
68…栓部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光灯器具について蛍光ランプを装着可能な蛍光ランプ装着部に装着されるアダプタ本体と、前記蛍光灯器具において蛍光ランプへの電源供給用の金具を設けた取付部に接続可能かつ金属製の端子部を備えた組付部と、前記端子部に電気的に接続されると共にLED電球を装着可能なソケット部とを設けたことを特徴とするLED電球アダプタ。
【請求項2】
前記アダプタ本体には、2個以上のソケット部装着孔が設けられており、前記ソケット部を備え前記ソケット部装着孔に着脱可能に組み付けられるソケット部材が設けられており、このソケット部材には、前記アダプタ本体の端子部から供給される電源に電気的に接続可能な端子金具部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のLED電球アダプタ。
【請求項3】
前記蛍光灯器具は、直管型蛍光ランプ、環形蛍光ランプ、またはコンパクト形蛍光ランプのいずれかを装着するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のLED電球アダプタ。
【請求項4】
前記ソケット部は2個以上が設けられており、前記組付部からは各ソケット部に対して、並列に電源が供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のLED電球アダプタ。
【請求項5】
前記蛍光灯器具が、直管型蛍光ランプを装着するものであり、前記アダプタ本体には、長手方向にスライド支持部が設けられており、このスライド支持部には、前記ソケット部を備えると共に前記スライド支持部に対してスライド移動可能な可動式ソケット部材が設けられていることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか一つに記載のLED電球アダプタ。
【請求項6】
前記可動式ソケット部材は、前記スライド支持部に対して着脱可能に組み付けられることを特徴とする請求項5に記載のLED電球アダプタ。
【請求項7】
前記スライド支持部の少なくとも一方側が前記取付部まで延設されていると共に、前記取付部を前記アダプタ本体に対して、前記可動式ソケット部材の着脱を規制する組付位置と、前記可動式ソケット部材の着脱を許容する着脱位置とできるようにしたことを特徴とする請求項6に記載のLED電球アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−101850(P2013−101850A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245162(P2011−245162)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(511272037)株式会社ラセック (1)
【Fターム(参考)】