説明

蛍光発光を使用するガラス容器応力測定

【課題】ガラス容器中の応力曲線に加えて応力層の厚さおよび壁厚の両者を迅速かつ正確に確定するために蛍光発光を使用する、ガラス容器壁中の応力および壁の厚さを測定するための装置および方法が開示される。
【解決手段】本装置および方法を、ガラス容器の全周囲にわたるガラス容器側壁中の応力および側壁の厚さの両者を迅速かつ正確に測定するために使用することができる。本装置および方法は、大規模ガラス容器製造に適合され、ガラス容器の側壁中の応力および側壁の厚さの高速測定が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、同時に出願され同時係属の4つの特許出願、すなわち、「Glass Container Stress Measurement Using Fluorescence」という名称の米国特許出願第12/535,821号、「Glass Container Wall Thickness Measurement Using Fluorescence」という名称の米国特許出願第12/535,828号、「Glass Stress Measurement Using Fluorescence」という名称の米国特許出願第12/535,836号、「Glass Thickness Measurement Using Fluorescence」という名称の米国特許出願第12/535,850号、に関連し、その全てが本特許出願の譲受人に譲渡され、これら4つの特許出願は、ここに参照により本明細書中にそれぞれ組み込まれている。
【0002】
[0002]本発明は、一般にガラス容器壁中のまたは平坦ガラス断片内などのガラスの厚さ全体にわたる応力測定のための装置および方法に関し、より詳細には、ガラス容器内または平坦ガラス断片内の応力曲線に加えて応力層の厚さおよび壁厚の両者を迅速かつ正確に確定するために蛍光発光を使用するかかる装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]瓶のようなガラス容器に使用されるガラスには2つの大まかな区分、すなわち、「硬質」ガラスおよび「軟質」ガラスがある。ホウケイ酸ガラスとも呼ばれる「硬質」ガラスは、シリカおよび酸化ホウ素から作られ、硬質ガラスは優れた熱応力特性を有するが、製造するために軟質ガラスよりも高温を必要とし、作製することが難しく、より高いコストがかかる。「軟質」ガラス、すなわちソーダ石灰ガラスまたはソーダ石灰ケイ酸ガラスは、ソーダ、石灰、シリカ、アルミナ、および少量の清澄剤から作られ、軟質ガラスの熱応力特性は硬質ガラスほど良くないが、より低温で製造することができ、作製することが容易であり、より安く製造される。「軟質」ガラスは、広く普及しているタイプのガラスであり、ガラス容器に一般的に使用されている。
【0004】
[0004]コストの理由で、ガラス容器は、今日では、ブロー型中で溶解したガラスをガラス容器へと成形することによって主にソーダ石灰ガラスから作られている。容器が型を離れ、ガラスが冷却されにつれて、ガラス容器の外側表面は急速に冷却され凝固するが、内側表面および壁内部は、はるかに高温であり流動し続けるので、応力がガラス中に誘起される。瓶は、次に、これらの応力を除去するためにアニール工程で処理される。
【0005】
[0005]本特許出願の譲受人は、これらガラス容器を熱的に強化する工程を開発した。応力を除去するためにガラス容器をアニールすることの代わりに、ガラス容器の外壁および内壁の両者が急速に冷却されて、ガラス容器壁の全体にわたり意図的に導入した応力プロファイルを有する熱強化ソーダ石灰ガラス容器が製作される。ガラス容器の内壁および外壁の両者には圧縮応力があり、ガラス容器壁の内部には引張応力がある。
【0006】
[0006]上記の応力特性を有する熱強化ソーダ石灰ガラス容器は、実質的に強く、より耐久性があり、機械的負荷もしくは取扱いまたは急激な温度変化を受けたときに、破壊する可能性がはるかに低い。したがって、上に言及した改善された冷却技術を使用して生み出される改善された応力特性は、ソーダ石灰ガラスから製造される熱強化ガラス容器をもたらす。
【0007】
[0007]上記の改善されたガラス容器製造技術は、優れた応力特性を有する熱強化ソーダ石灰ガラス容器を一貫して製作するが、本技術を使用して製作した、ガラス容器の応力特性を含むガラス容器の特性を検査し検証する必要があることを、当業者はただちに理解するであろう。熱強化ソーダ石灰ガラス容器の壁の応力特性を検査するには、各ガラス容器壁の厚さ全体にわたる応力を非常に正確に決定することができることが必要である。様々な光学的技術および機械的技術が、チェックと呼ばれるガラス中の小さな亀裂や、ストーンと呼ばれる異物包有物や、ブリスタと呼ばれるガラス中の泡や、極端に薄い壁などの、ガラス容器中の物理的欠陥を探し出すために周知であるが、ガラス容器壁の応力特性を検査することは実質的にもっと難しい。
【0008】
[0008]ガラス容器の応力特性の測定は、検査するガラス容器を光学的屈折率が一致する流体の大きな容器中へと浸漬することが必要である浸漬型光偏光器(「IP」)を使用して本発明者らにより実現されている。かかる装置は、GlasStress Ltd.から利用可能であり、Automatic Transmission Polariscope AP−07として認識されている。光源は、平行偏光ビームがガラス容器の側壁を通り(ガラス容器の側壁を通過して)接線方向に進むように、大きな容器を通るビームを放つ。ここで、ビームは、ガラス容器側壁の内側の軸方向応力場を横切り、ビームが側壁を横切って異なる応力層を通過するにしたがいそれ自体の偏光特性を変化させる。
【0009】
[0009]カメラは、ガラス容器の側壁を通過するビームの偏光成分の強度を観測するために使用される。入射ビームの偏光が回転しているので、ビームの強度を観測することにより、および各偏光について複数の画像を撮影することにより、ガラス容器の側壁中の応力を決定することができる。あいにく、この浸漬型光偏光器技術は、ガラス容器を光学的屈折率が一致した流体中に浸漬させる必要があり、大規模製造の検査技術に貢献しない。その上、本測定は、高速測定ではなく、むしろ比較的長時間であり、本技術を大規模製造ベースで利用できなくしている。
【0010】
[0010]GlasStress Ltd.から入手できるもう1つの装置は、建築用のガラスパネルおよび自動車用ガラス中の厚さ方向の応力測定を実行するScattered Light Polariscope SCALP−03である。この装置は、1回の測定につき5秒を要し、限られたガラス表面にだけ有効であり、大量生産環境における応用には本質的には適していない。本装置によって使用される動作理論は、2003年6月15〜18日にフィンランドのタンペレ市で開催されたGlass Processing Daysショーにおいてポスター発表されたJohan AntonおよびHillar Abenの「A compact Scattered Light Polariscope for Residual Stress Measurement in Glass Plates」に論じられている。要約すると、この装置は、レーザがガラスを通過するときのレーザからの偏光光ビームの散乱を使用し、増幅信号を得るためにそれ自体の偏光を回転させるようにこの光ビームを回転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願第12/535,821号
【特許文献2】米国特許出願第12/535,828号
【特許文献3】米国特許出願第12/535,836号
【特許文献4】米国特許出願第12/535,850号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Johan AntonおよびHillar Aben、「A compact Scattered Light Polariscope for Residual Stress Measurement in Glass Plates」、Glass Processing Dayショーのポスター発表、フィンランド、タンペレ市、2003年6月15〜18日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[0011]したがって、ガラス容器側壁中の応力を測定することが可能な装置ならびにガラス容器側壁中の応力を測定する関連方法を提供することが望ましい。また、かかる装置が大規模ガラス容器製造に適合可能であることも望ましく、その結果、本装置はガラス容器側壁中の応力の高速測定を可能にするはずである。したがって、かかる装置が、ガラス容器を検査工程中に浸漬させる必要がなく、それによって検査されるガラス容器の取扱いの困難さを増加させないことが望ましい。
【0014】
[0012]かかる装置がガラス容器側壁中の応力を非常に正確に決定できることが、さらに望ましい。また、かかる装置がガラス容器側壁中の各応力層の厚さを測定できることも有益であるはずである。そうすることで、かかる装置がガラス容器側壁の壁厚を測定できることも望ましいはずである。かかる装置は、好ましくはさらに、ガラス容器の全周囲にわたり、ガラス容器側壁中の応力および側壁の厚さの両者を迅速かつ正確に測定できるはずである。
【0015】
[0013]かかる改善されたガラス容器応力測定装置は、耐久性および永続性の両者を備えた構築物であり、また、その動作寿命の全期間にわたり使用者によって行われる保守管理をほとんど必要としないまたは全く必要としないはずである。かかるガラス容器応力測定システムの市場における魅力を高めるために、本装置は、好ましくは、比較的安価な構築物であり、それにより広い潜在的な市場が与えられるはずである。最後に、かかるガラス応力および厚さ測定装置ならびにその方法の上記の長所および利点の全てが、実質的に関係するいかなる不利益をももたらすことなく実現されることも、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[0014]上記の背景技術の短所および限定は、本発明によって克服される。本発明によれば、レーザからの直線偏光光線は、ガラス容器側壁内での最適な(最大強度の)蛍光発光信号を得るために、ガラス容器の側壁に対しての最適角度でガラス容器側壁中へと結合される。光学ガラスであるプリズムの斜辺(最長辺)をガラス容器の側壁に対して接線方向に置いて配置された直角二等辺カップリングプリズム(45°−45°−90°プリズムとも呼ばれる)を使用し、カップリングプリズムとガラス容器の外壁との間に流体カップリングを使用することによって、上記を実現することができる。直線偏光レーザビームは、カップリングプリズムの短辺の1つを通りカップリングプリズム中へと向けられる。
【0017】
[0015]直線偏光レーザビームは、したがって、ガラス容器の外側からガラス容器側壁へ入射し、直線偏光レーザビームがガラス容器側壁へ入射し通過するにしたがい、直線偏光レーザビームは、ある元素の電子状態を励起し、その光路に沿って蛍光光線を作り出す。ガラス容器側壁中の光路に沿ったこの蛍光光源は、ガラス容器側壁内の応力を決定することを可能にする。この蛍光光線の一部は、レーザ偏光および伝搬光路に垂直な面上で直線偏光される。
【0018】
[0016]この直線偏光光線がガラス容器側壁中の応力場を通り進むにつれて、その偏光特性が直線から、楕円へ、円へ、楕円へ、直線へと繰り返しパターンで変化する。(ガラス容器の一般的な壁厚に関して、偏光変化の大きさは、円偏光までずっと変化する可能性がないことに留意されたい。したがって、本発明の装置技術は、実際に円偏光を通る場合生じ得る信号レベルの「循環」を扱うことができることは必要ないであろう。)直線偏光、円偏光、または楕円偏光蛍光光線は、ガラス容器の外壁から出射して、カップリングプリズムへとカップリング流体を通って進み、カップリングプリズムのもう一方の短辺から出射する。
【0019】
[0017]ガラス壁中の応力場を通過して出射する直線偏光、円偏光、または楕円偏光蛍光光線は、次に四分の一波長板により直線偏光成分に変換される。四分の一波長板の速軸が入射光の(蛍光発光からの)初期偏光面に合わせられるように、四分の一波長板を回転する。光の直線偏光成分は、次に、強誘電性液晶(「FLC」)に蛍光光線の各成分を交互に通過させる2つの異なる電圧で交互に駆動される、四分の一波長板に対して45°に回転されるFLCを通過する。
【0020】
[0018]レーザ光線を遮り蛍光帯域を通すバンドパスフィルタを有するカメラは、90°離れた2つの偏光回転を有する交互のプラス45°およびマイナス45°の画像を作り出すために、四分の一波長板の軸からプラス45°およびマイナス45°でFLCを通過した直線偏光光線を交互に画像化する。線の強度変動がガラス容器側壁中でレーザビームに沿った各点から放出される蛍光光線への応力効果による偏光変化を表す線を有する規格化された差分画像を作り出すために、交互の画像間の差異は、2つの画像の和で割り算される。(応力がない場合には、差異を和で割り算して規格化した画像中には強度変化がないことに留意されたい。)
[0019]この線に沿った強度をプロットすることによって、名目上回転したS字型遅延特性曲線は、微分したときに、検査しようとする位置における適正に熱強化したガラス容器側壁の厚さ全体にわたる応力を表す放物線を生み出す。本発明のガラス容器応力測定システムでは、適正な較正の後で、光の線の長さは、ガラス容器側壁の厚さに比例する。応力放物線は、ガラス容器側壁内の応力のタイプおよび大きさの両方を示し、圧縮は応力放物線の負の値によって示され、引張は応力放物線の正の値によって示される。したがって、ガラス容器側壁内の応力ならびにガラス容器側壁の厚さの両者を、本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法を使用して好都合に決定することができる。
【0021】
[0020]一旦較正されると、本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器側壁の応力および厚さを迅速に決定することができる。ある例示的な実施形態では、ガラス容器は、読み取りの間で約20°回転されてもよい。この実施形態に関しては、ガラス容器は、それぞれが20°離れた18個の読み取りを行うように回転され、それによりガラス容器の全円周にわたりガラス容器側壁の壁厚および応力が完全に検査されるであろう。壁厚および応力の適正な範囲外のガラス容器は、廃棄され、リサイクルされてもよい。
【0022】
[0021]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、コールドエンド検査工程に導入することが比較的簡単である。液状のカップリング流体がガラス容器応力測定装置の下に置かれた受け皿によって集められた状態で、少量のカップリング用の液状の流体の流れを、カップリングプリズム−ガラス容器側壁界面を満たすように供給することができる。使用される液状のカップリング流体は、ガラスの屈折率に近い屈折率を有する液体であり、使用することができる許容できる1つのカップリング流体は、例えば水である。必要な読み取りおよび回転を非常に迅速に実行することができるので、ガラス容器量産ラインおよび検査ラインへの本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法の導入は、極めて可能性が高い。
【0023】
[0022]あるいは、カップリングプリズム−ガラス容器側壁界面を満たすためのカップリング流体として空気を使用して、光がガラス容器中へと結合され、ガラス容器から出てもよい。空気は最適な液状のカップリング流体のカップリング効率よりも低いカップリング効率を有するが、液状のカップリング流体よりも空気を使用することが、カップリング流体として空気を使用したときに液体供給や、回収および再循環装置の全体を必要としない高速検査工程のロジスティックスにおいて明確な利点を提供するであろうことが、当業者によってただちに理解されるであろう。これにより、検査しようとするガラス容器を濡らさずにかつ非常に迅速に必要な読み取りおよび回転を行うことを容易にし、したがって、ガラス容器量産ラインおよび検査ラインへの本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法の導入をさらに促進する。
【0024】
[0023]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、また、熱硬化させた平坦ガラス断片または曲面ガラス断片の全体にわたる応力分布を測定することにも適用可能であり、平坦ガラス断片または曲面ガラス断片の壁中の応力および壁厚の両者を迅速かつ正確に測定することが可能である。平坦ガラス断片または曲面ガラス断片中へとおよびそれらから外へと光を結合するために使用するカップリング流体は、液体または空気のいずれであってもよい。液体が使用される場合には、液体は、検査される平坦ガラスの薄い層中に適用されてもよく、あるいは平坦ガラス断片または曲面ガラス断片の表面上に少量のミストでスプレーされてもよい。
【0025】
[0024]したがって、本発明が、ガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の応力を測定するガラス容器応力測定システムならびに関連方法を教示することが理解され得る。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、大規模なガラス容器製造または平坦ガラス製造もしくは曲面ガラス断片製造に適合可能であり、本発明では、それゆえガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の応力の高速測定が可能である。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法では、また、ガラス容器または平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片を検査工程中に液体中に浸漬することを必要とせず、それにより検査されるガラス容器または平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片の取扱いを増加させない。
【0026】
[0025]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の応力を非常に正確に決定する。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、また、ガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の各応力層の厚さも測定することが可能である。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器側壁のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片の壁厚を測定することが可能である。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器の全周囲にわたるガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の複数の場所における応力およびそれらの厚さの両者を迅速かつ正確に測定することが可能である。
【0027】
[0026]本発明のガラス容器応力測定システムは、耐久性および永続性の両者を備えた構築物であり、また、その動作寿命の全期間にわたり使用者によって行われる保守管理をほとんど必要としないまたは全く必要としないはずである。本発明のガラス容器応力測定システムは、また、比較的安価な構築物であり、本システムの市場における魅力が高まり、そしてそれにより広い潜在的な市場が与えられる。最後に、本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、実質的に関係するいかなる不利益をももたらすことなく上記の長所および目的の全てを実現する。
【0028】
[0027]本発明のこれらの利点および他の利点は、図面を参照してよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】[0028]応力場を考察するためにガラス容器内の3次元座標システムを模式的に図示したガラス容器の下半分の等角図である。
【図2】[0029]応力放物線の上方に配置された、偏光光線の光路中の遅延に関係する光強度曲線解析結果を示す図であり、2つの曲線は最適応力放物線を有するガラス容器中の側壁の厚さに対してプロットされている。
【図3】[0030]本発明のガラス容器応力測定システムを非常に模式化した形式で示す図である。
【図4】[0031]装置をよりコンパクトにするために使用されるオプションのプリズムを有し、ガラス容器壁を評価するために使用する図3に図示した本発明のガラス容器応力測定システムの基本的構成部分の等角図である。
【図5】[0032]上から見た図4に図示した装置およびガラス容器の平面図であり、ガラス容器を回転するために使用する装置も模式的に示す図である。
【図6】[0033]ガラス容器の側壁中への光ビームの入口の水平面内で装置の横から見た図4および図5に図示した装置およびガラス容器の正面図である。
【図7】[0034]スターホイールガラス容器装置に隣接する様々な構成部品を支持するために使用する取り付け装置に設けられた図4から図6に図示した装置およびガラス容器の等角図であり、ガラス容器中へのおよびそこから外への光線の流体カップリングを供給するために使用するカップリング流体配送システムも示す図である。
【図8】[0035]図7に図示した装置の等角図であり、この装置の調節可能な支持機構を示す図である。
【図9】[0036]検査されるガラス容器を含み、明確化のために様々な筐体部品を取り除いた図8に図示した装置の等角図である。
【図10】[0037]第1の偏光回転体を有する2つの交互の像のうちの第1のものをカメラによって撮影した第1の画像である。
【図11】[0038]第1の偏光回転体に直交する第2の偏光回転体を有する2つの交互の像のうちの第2のものをカメラによって撮影した第2の画像である。
【図12】[0039]図10に図示した第1の画像から図11に図示した第2の画像を引き算することによって得られる規格化した差分画像である。
【図13】[0040]ガラス容器壁の長さに沿ってプロットした図12に示した規格化した差分画像の一部の線強度を示した表示図であり、表示中に同様に図示した他の情報を示す図である。
【図14】[0041]ガラス応力および壁厚を測定するための例示的な実施形態によって使用される方法を示す流れ図である。
【図15】[0042]装置をよりコンパクトにするために使用するカップリングプリズムおよび平坦ガラス断片中へのおよびそこから外への光線の流体カップリングを提供するために平坦ガラス断片の表面に配置されたカップリング流体を有し、平坦ガラス断片の厚さを評価するために使用する図3に図示した本発明のガラス容器応力測定システムの基本的構成部分の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0043]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法の例示的な実施形態を詳しく論じる前に、本発明によって使用される原理のうちの幾つかの簡単な考察が与えられるであろう。先ず図1を参照すると、ガラス容器30(その下側部分が図1に図示されている)中の3次元応力の座標システムが与えられている。半径方向応力は、3つの相互に直交する方向のうちの第1の方向に、ガラス容器30の壁を横切って定義される。フープ応力は、3つの相互に直交する方向のうちの第2の方向で、ガラス容器30の周囲の回りで定義される。軸方向応力は、3つの相互に直交する方向のうちの第3の方向で、ガラス容器30の高さに沿って定義される。
【0031】
[0044]ガラス容器30の熱強化は、内側表面温度および外側表面温度がガラス転移温度より低くなるまでガラス容器30の内側表面および外側表面を急速に冷却し、それによって、ガラス容器30の表面構造を凝固(freeze)させ、同時にガラス内部温度がガラス転移温度に到達するまでガラス内部が流動し続けることを可能にし、次に、ガラス容器30を室温まで冷却させる。この工程は、ガラス容器30の応力特性を向上させ、ガラス容器30を実質的により強く、より耐久性のあるものにする。容器が室温に到達すると、ガラス容器30の内側表面および外側表面は、圧縮状態にあり、ガラス容器30の壁の内部は、引張状態にある。適正に制御された冷却工程では、ガラス容器30の表面における(および実際にはガラス容器30の壁の厚さを横切る任意の点における)フープ応力および軸方向応力の大きさは、ほぼ等しいはずである。ガラス容器30の壁の厚さ方向に沿った応力は、したがって、ほんのわずかの正味の半径方向応力でまたは半径方向応力なしに、外側壁での圧縮から壁の内部の引張へ、内側壁での圧縮へと変化する。
【0032】
[0045]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器壁中の応力を決定するために、直線偏光された光源としてガラス容器壁を通過するレーザビームによって作り出される蛍光光線を使用する。偏光光線が応力を受けたガラスを通過するにしたがい、光の位相は、応力場を通るにつれて変化する。ガラス容器壁の内部でレーザビームの全光路に沿って放出される直線偏光蛍光光線は、光線がガラス容器の応力を受けた壁を通過するにしたがい楕円偏光または円偏光になる。
【0033】
[0046]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、通常は透明で等方的な物質がその中の内部応力の存在によって光学的に異方性になるという光学原理を使用している。応力複屈折として知られるこの現象は、2つの直交する偏光モード間で屈折率の差異として存在し、ガラス容器壁中の応力が変化するにしたがい、ガラス容器壁全体にわたって位置によって変化する。遅延特性は、2つの直交する偏光モード間の光学的な光路長の違いであり、本発明では、2つの直交する偏光モードにおいてガラス容器壁内部でレーザビームの全光路に沿って放出される蛍光光線の強度から、ガラス容器壁内部の光路に沿った遅延特性を決定する。
【0034】
[0047]視角、および蛍光発光から放出される偏光の角度は、説明した改善の制約内で評価される2つの直交する偏光モード間の差異を最大にするように選択される。さしあたり図1に戻って参照すると、フープ(ガラス容器30の周囲)の接線に対して45°で見ることによって、軸方向応力は、垂直方向に全てが作用するが、その角度は、水平方向がフープおよび半径方向の部分的な組合せであるはずであることを意味する。前に考察した屈折効果のために、角度は、浸漬型偏光器におけるように接線方向から見て小さくなり得ない。
【0035】
[0048]次に図2を参照すると、2つの曲線が示され、上の曲線はガラス容器壁全体にわたり理想的な応力分布を有するガラス容器の外壁32から壁34の中間点へ、さらに内壁36への遅延特性曲線のプロットである。遅延特性曲線の下に配置されたものは、遅延特性曲線の値の偏差である値を有する放物線である。この放物曲線は、応力放物線であり、ガラス容器の外壁32から内壁36への応力を計算したプロットであり、外壁32での圧縮から、壁の内部(壁34の中間点を含む)での引張へと、さらに内壁36での圧縮へと変化しガラス容器壁全体にわたり理想的な応力分布を有する。適正な特性を持たないガラス容器は、許容されず、本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器を評価し、適正な応力特性を持たないガラス容器を破棄できるようにそれらを識別するために応力放物線を決定するように設計されている。
【0036】
[0049]ここで図3を参照すると、本発明の例示的な実施形態のガラス容器応力測定システムが、ガラス容器30に関連して非常に模式的な様式で示されている。(図3に示したガラス容器30を使用する例に関連して明らかにされる動作の原理が平坦ガラスまたは曲面ガラスに同等に適用可能であることは、当業者によって理解されるであろう。)レーザ光源40は、(後で考察される)最適角度でガラス容器30の外壁32へと結合される直線偏光光ビーム42を発する。レーザ光源40は、直線偏光レーザ光線の偏光を回転するためにそれ自体の回転を可能にする方式で取り付けられる、または代替として、直線偏光光ビーム42の偏光を所望の向きに回転させるために、オプションの二分の一波長板44をレーザ光源40とガラス容器30の外壁32との間に使用することができる。偏光方向は、CCDカメラ60へ向けてガラス容器30の側壁を出射する蛍光光線の軸に直交する面に平行な面内にある。
【0037】
[0050]直線偏光光ビーム42は、ガラス容器30の側面へと屈折して入射する。ここで、直線偏光光ビーム42が、応力場を通過するにしたがいそれ自体の偏光特性を直線偏光から楕円偏光へ、円偏光へ、楕円偏光へ、そして直線偏光に戻るように繰り返し変化する屈折光ビーム46として図示されており、ガラス容器30の側壁中で光ビーム42に沿った各点において偏光依存成分を有する蛍光光線48を発生する。レーザビーム46に直交する蛍光光線48の偏光特性は、本来は直線偏光であるが、ガラスを通る間に受ける応力に起因すると考えられる一定の強度変動に加えて、ガラスの色を含む様々な他のものに起因すると考えられる一定の強度変動をともなう。
【0038】
[0051]レーザビーム46から放出される直線偏光蛍光光線48は、蛍光光線48が容器壁厚の中心近くからの唯一の固有の光線を表すように、出射光路に沿った応力により誘起される遅延特性によって影響を受ける。光ビーム46がその長さに沿って蛍光光線を発生すること、および蛍光光線48が1つの光線を表している蛍光光線の線が外壁32を通りガラス容器30を出射することに留意することは重要であり、ここで、光ビーム50が1つの光線を表す、画像化される線状の光線を構成する。
【0039】
[0052]適切な角度で取り付けられた四分の一波長板52を使用して、光ビーム50の楕円偏光成分を直線偏光光線へと変換して、どれだけの量の直線偏光蛍光光線48が円偏光または楕円偏光になったかの評価を可能にする。四分の一波長板52の軸の向きは、光ビーム46に沿った蛍光発光から放出される直線偏光光線に対して合わせられた角度である。偏光回転子54は、ここで直線偏光された光ビーム50の偏光状態を四分の一波長板52の軸に対してプラス45°およびマイナス45°に変調するために使用され、四分の一波長板52それ自体は、これも光ビーム46に沿った蛍光発光から放出される直線偏光光線に対して45°の角度である。偏光回転子54は、回転子駆動装置56からの交互の正電圧および負電圧によって駆動される強誘電性液晶(「FLC」)素子である。
【0040】
[0053]このようにして変調された直線偏光光ビーム50は、次に、CCDカメラ60によって観察される直線偏光光ビーム50の蛍光発光部分を有する蛍光光線を通す(好ましくは直線偏光光ビーム42の周波数の光を通さない)ロングパスフィルタ58を通過する。あるいは、バンドパスフィルタまたはノッチフィルタを、ロングパスフィルタ58の代わりに使用することができる。あるいは、画像は、偏光回転子54を駆動する回転子駆動装置56によって生成される交互の正電圧および負電圧によりCCDカメラ60によって生成される。これらの交互の画像は、画像取得モジュール62によってCCDカメラ60から取得され、回転子駆動装置56が偏光回転子54に正電圧を供給するときに生成される第1の画像64および回転子駆動装置56が偏光回転子54に負電圧を供給するときに生成される第2の画像66として模式的に示されている。(生成された交互の画像が異なる偏光解析状態のものであり、その代わりに、交互にすることが、例えば、偏光ビームスプリッタを有する2つのセンサを使用することによるなど、別の装置によって行われることを、当業者は理解するであろう。)
[0054]これら2つの画像64および66は、第1の画像64から第2の画像66を引き算し、2つの画像64および66の和により割り算することによって処理され、同時に規格化した差分画像68を生成する。画像解析モジュール70中で規格化した差分画像68を処理することによって、図2に図示したものに類似する遅延特性曲線および応力放物線を得ることができ、また、このデータを処理することによって、ガラス容器壁中の各応力層の厚さ、および壁それ自体の厚さを得ることができる。この解析は、図13とともにより詳細に考察される。
【0041】
[0055]ガラス容器壁それ自体の厚さおよび/またはガラス容器壁中の各応力層の厚さを求めるために、規格化した差分画像68を必ずしも使用する必要がないことに、留意すべきである。その代わりに、画像64および66のうちのいずれか一方からのデータを処理することによって、ガラス容器壁それ自体の厚さおよびガラス容器壁中の各応力層の厚さを、規格化した差分画像68を使用せずに得ることができる。さらに、壁それ自体の厚さおよび壁中の各応力層の厚さだけが測定される場合には、図3に示した装置は、四分の一波長板52または偏光回転子54を必ずしも必要としないはずである。その代わりに、CCDカメラ60は、ガラス容器30から放出される光ビーム50の偏光成分のうちのロングパスフィルタ58を通る1つの画像を取得するはずである。
【0042】
[0056]次に図4から図6を参照すると、ガラス容器30に関係して図3に模式的に図示したシステムが、明確化のために、様々な構成要素および好ましい位置にそれぞれ固定したそれらの光路の相対的位置を維持するために使用されるであろう筐体部材を省略した例示的な実施形態で図示されている(図4から図6では見られないこの筐体部材は、参照番号100によって識別される構成要素として図7に図示されている。)可能であればどこであっても、図3中で使用した参照番号は、図4から図6中でも使用される。
【0043】
[0057]図4から図6に示した本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器30中へとおよびそこから外へと光を結合するためのカップリング流体として(ガラスの屈折率に近い屈折率を有する)水を使用するように幾何学的に設計されており、一方で、カップリング流体としての空気の代替使用は、ガラス容器30中へとおよびそこから外へと光を結合することを最適にするための別の配置を必要とするはずである。したがって、ガラス容器30への入射およびそこからの出射の最適角度は、異なるカップリング流体によって異なるであろうことが、当業者には理解されるであろう。
【0044】
[0058]解析のために使用する光ビームは、レーザ光源40によって発生される。例示的な実施形態では、レーザ光源40は、例えば、緑色、青色、および赤色を含む、様々な異なる色のうちの任意の色のダイオードレーザであってもよい。使用されるレーザ光の特定の色を、検査しようとするガラス容器の特性に基づいて選択することができる。例えば、こはく色のガラスが緑色光および青色光を吸収するので、赤色レーザが、こはく色のガラス容器に最も良いと考えられている。緑色レーザは、フリント無色ガラス容器に最適と考えられており、青色レーザは、青みがかった色のガラス容器に最適であると考えられている。透明な無色ガラス容器の解析に使用するための例示的な装備は、緑色レーザを使用することができる。
【0045】
[0059]使用するレーザ光選択基準は、蛍光光線が、その蛍光光線を作り出すために使用する光よりも長い波長を有するという事実を含むはずである。したがって、レーザ光源40の選択は、ガラス容器30の壁中で発生した蛍光光線を観察することを容易にするように行われるはずである。したがって、濃い赤色は、赤色レーザビームから作られ、緑色から赤色は、青色レーザビームから作られ、黄色から濃い赤色は、緑色レーザビームから作られるであろう。励起波長もまた、放出される蛍光発光中のほぼ直線偏光の強度によって選択されてよい。
【0046】
[0060]レーザ光源40は、ガラス容器30の側壁中へと結合される適切に選択した波長の直線偏光レーザ光ビーム42を発生する。直線偏光光ビーム42は、ガラス容器30の側壁を出射する光ビーム50の最適な(可能な最大強度の)蛍光発光信号強度を生成するように選択される偏光方向に向けられる。この偏光方向は、ガラス容器30の側壁を出射する蛍光光線の軸に直交する面に平行な面内にある。例示的な実施形態では、破線で示した二分の一波長板44を、直線偏光光ビーム42の偏光を所望の向きに回転させるために使用することができるが、直線偏光光ビーム42の偏光を所望の向きに回転させるために二分の一波長板44を回転することができるようにレーザ光源40を取り付けることは、より容易である。
【0047】
[0061]ガラス容器の側壁に対してプリズムの斜辺を接線方向に(およびプリズムの三角形表面を水平面に)置いて向けられた直角二等辺カップリングプリズム80を使用して図4から図6に図示した例示的な実施形態では、直線偏光光ビーム42は、ガラス容器30中へと結合されている。上記のように、図4から図6に図示した実施形態では、カップリングプリズム80とガラス容器30の外壁との間のカップリング流体として水を使用するように幾何学的に設計されている。レーザ光源40は、直線偏光光ビーム42が、水平面(この面はガラス容器30の軸に直交する)から約45°の下方に向けられた角度でカップリングプリズム80の短辺の1つに入射するように取り付けられる。
【0048】
[0062]考察される水で結合した実施形態に関しては、真上から見たときに入射点においてガラス容器30の表面に対して法線から約45°の角度で(この角度はガラス容器30の軸に直交する水平面内にある)、およびガラス容器30の軸に直交する水平面から45°の角度で、ガラス容器30の側壁に直線偏光光ビーム42が入射するように、直線偏光光ビーム42を向ける。入射のこのおおよその角度は、直線偏光および信号を最大にするように選択される。
【0049】
[0063]これは結果として、ガラス容器30の表面において、表面に対して法線から60°の合成角になる。水の屈折率が1.333であり、ガラス容器30の材料のおおよその屈折率が1.51であるので、得られるガラス容器30の壁における角度は、法線から約40.51°である。ガラス容器30の湾曲や、ガラス容器30の相対的な位置決め、および製造許容誤差に起因するガラス容器30の変動のために、この角度はわずかに変化するであろう。
【0050】
[0064]したがって、最適な信号レベルを与えるために、光ビーム46は、ガラス容器30の側壁のガラス内部へ向けられる。この構成では、軸方向応力は、45°の角度偏光の垂直成分に完全に影響しており、ほぼゼロの径方向応力と組み合わせたフープ応力の一部だけが、45°の角度偏光の水平成分に影響している。光ビーム46からの蛍光発光による別の角度の向きの蛍光光線48においては、軸方向応力およびフープ応力による寄与は、偏光光ビーム42が横切る応力場の成分にしたがい変化する。
【0051】
[0065]この幾何学的な関係は、光ビーム46からの蛍光発光をCCDカメラ60の焦点面に当てるように水で結合した実施形態に対して選択され、また、小さな角度の使用が結果として小さな信号をもたらすので、励起する直線偏光光ビーム42と視角との間の直角(直交)関係は、直線偏光および信号を最大にする。
【0052】
[0066]ガラス容器30の側壁内部で光ビーム42により発生された蛍光光線が観察される位置は、光ビーム50がガラス容器30の表面に対して法線から約45°の角度で水平面内に向けられている状態で、カップリングプリズム80の他方の短辺に直交する。光ビーム50は、したがって、直線偏光成分が水平に対して45°である蛍光発光の結果であり、光ビーム46に沿った蛍光発光源からガラス容器30からの出口への光路に沿った応力場によって影響を受けている。
【0053】
[0067]光ビーム50は、次に四分の一波長板52および偏光回転子54を通過する。コンパクトな構成に本発明のガラス容器応力測定装置の様々な構成部品を取り付ける際に都合よくする目的で、光ビーム50を90°の角度で曲げるために曲げプリズム82を使用する。曲げプリズム82は、やはり直角二等辺プリズムである。
【0054】
[0068]四分の一波長板52および偏光回転子54を通過した後で、光ビーム50は、曲げプリズム82中で曲げられ、次にCCDカメラ60のレンズ84上に取り付けられたロングパスフィルタ58を通過する。曲げプリズム82の存在を無視し、四分の一波長板52がカップリングプリズム80の他方の短辺に平行に取り付けられたと仮定して、四分の一波長板52の軸の向きは、ガラス容器30内の蛍光発光からの直線偏光光線に合わせた角度である。
【0055】
[0069]強度が波長によって変化するので強度の蛍光光度計プロットを行うことによって、および適切な四分の一波長板52を選択するためにプロットの最大強度点の波長を使用することによって、四分の一波長板52を選択することができる。例えば、最大強度点が700ナノメートルのところである場合には、175ナノメートルの四分の一波長板52が選択されるはずである。適切な偏光回転子54を、類似の方式で選択することができる。
【0056】
[0070]光ビーム42が約45°で下方に広がる平面内でガラス容器30の側壁を通過するので、光ビーム42を見るためには実質的に深い焦点深度を必要としないため、レンズ84は、より多くの光がCCDカメラ60に到達することを可能にするために広く開いたアパーチャを有することができる。光ビーム50を発生させる蛍光光線は、その焦点面から外れて直交して広がり、このように、CCDカメラ60によって捕捉され得る。したがって、CCDカメラ60によって捕捉される視野の線は、ガラス容器30の側壁に対して接線方向の面から45°であり、水平面内にある。
【0057】
[0071]やはり破線で図5および図6に示されているものは、ガラス容器30が回転するにしたがい複数の角度位置において、本発明の装置がガラス容器30の側壁中の応力、ならびにガラス容器30の厚さを測定することを可能するために、ガラス容器30を回転させるための装置である。ガラス容器30の一方の側は、ガラス容器30の底近くで1対のローラ86および88によって、上部近くで1対のローラ90および92によって回転のために支持されている。駆動ローラ94は、デッドプレート96上で支持されているガラス容器30を回転させるために使用される。例示的な実施形態では、ガラス容器30の側壁の応力および厚さは、ガラス容器30の側壁の応力および厚さを十分に評価するために十分なサンプリングであると認められている約20°の角度刻みで評価される。
【0058】
[0072]水で結合した実施形態の実装についてさらに詳しく説明する前に、空気で結合した実施形態の配置を先ず考察する。現在のところ、空気で結合した実施形態の最適配置は、直線偏光光ビーム42が、真上から見たときに入射点においてガラス容器30の表面に対して法線から約60°の角度で(この角度はガラス容器30の軸に直交する水平面内にある)、かつガラス容器30の軸に直交する水平面から45°の角度でガラス容器30の側壁に入射するように、直線偏光光ビーム42を向けるはずである。このおおよその角度は、直線偏光および信号を最大にするように空気で結合した実施形態について選択される。
【0059】
[0073]これは結果として、ガラス容器30の表面において、表面に対して法線から69.29°の合成角になる。空気の屈折率が1.0であり、ガラス容器30の材料のおおよその屈折率が1.51であるので、得られるガラス容器30の壁における角度は、法線から約38.278°になる。ガラス容器30の湾曲や、ガラス容器30の相対的な位置決め、および製造許容誤差によるガラス容器30の変動のために、この角度はわずかに変化するであろう。
【0060】
[0074]ガラス容器30の側壁内部で光ビーム42から発生される蛍光光線がガラス容器30の外へと空気で結合されている場所では、ガラス容器30の表面に対して法線から約60°の角度の水平面内の向きで光ビーム50を与えるはずである。ガラス容器への入射およびそこからの出射のこれらのおおよその角度は、検出される信号(ガラス容器30から放出される光ビーム50)を最大にするように選択される。
【0061】
[0075]一般に、多岐多様な潜在的な可能性のあるカップリング流体に関しては、本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法の好ましい向きは、真上から見たときに入射点においてガラス容器30の表面に対して法線から約40°と約70°との間の角度で、かつガラス容器30の軸に直交する水平面から45°の角度であるように見える。
【0062】
[0076]ここで図7を参照すると、カップリング流体として水を使用する生産環境への図4から図6の装置の設置例が図示されている。レーザ光源40およびCCDカメラ60は、マシンヘッド筐体100に向けて取り付けられるように示されている。カップリングプリズム80や、曲げプリズム82や、四分の一波長板52、および偏光回転子54は、これらが図4から図6に示されている向きでマシンヘッド筐体100の内部に取り付けられる。マシンヘッド筐体100は、参照番号102により一般的に示される支持アーム上に取り付けられ、それは順に支柱104上に取り付けられる。
【0063】
[0077]上記のように、流体カップリングが、カップリングプリズム80とガラス容器30の側壁との間で光を結合するために使用される。この例示的な実施形態では、水がガラスの屈折率に近い屈折率を有するために、水がカップリング流体として使用される。水は、カップリングプリズム80とガラス容器30の側壁との間の界面の真上の点へノズル106によって供給される。水は、ポンプなどの流体源108から弁110を通ってノズル106へと供給される。
【0064】
[0078]水は、カップリングプリズム80とガラス容器30の側壁との間の界面の下側のところでマシンヘッド筐体100の下から真空チューブ112によって集められる。流体真空室114は、水を集めるために真空チューブ112に接続され、再使用のために流体源108へ水を戻す。望まれる場合には、流体源108へ水を供給する前に水から不純物を取り除くために、フィルタを、流体真空室114と流体源108との間に挿入することができる。
【0065】
[0079]図8および図9を簡単に参照すると、本発明の装置が、支持アーム102の下側に取り付けられているように示されている。特に図9を参照すると、支持アーム102が2つの構築物から構成され、それによりもう1つの角度の調節を可能にすることが理解される。支持アーム102の末端部116は、支持アーム102の基部118上に軸回転するように取り付けられている。支柱104上の支持アーム102の高さを調節する能力に加えて、この調節能力は、本発明の装置が実質的にいかなる製造ライン構成にも適応するように調節されることを可能にする。
【0066】
[0080]図3に関連して上記したように、2つの交互の画像64および66は、CCDカメラ60によって取得される。例示的なかかる画像64および66が、図10および図11にそれぞれ示されている。図10に示した第1の画像64は、回転子駆動装置56が偏光回転子54に正電圧を供給するときに作られ、図11に示した第2の画像66は、回転子駆動装置56が偏光回転子54に正電圧を供給するときに作られる。
【0067】
[0081]第1の画像64を参照すると、十字架の横木が直交する位置から反時計回りに回転した状態で、横方向に横たわる十字架に似た画像が見られる。十字架の支柱の下側部分120は、左から右へと延び、十字架の支柱の上側部分122が十字架の下側部分の右へとさらに延びている。横木の第1の側124は、十字架の支柱の下側部分120と十字架の支柱の上側部分122との交点から左上方向へと延び、横木の第2の側126は、十字架の支柱の下側部分120と十字架の支柱の上側部分122との交点から右下方向へと延びている。十字架の支柱と十字架の横木の交点にあるものは、十字架の交差点128である。
【0068】
[0082]十字架の支柱の水平の下側部分120は、ガラス容器30の側壁の内部で(図3に示した)光ビーム46による蛍光発光を示す変調された直線偏光光ビーム50の蛍光発光部分であり、それはガラス容器30の内壁である十字架の交差点128のところにある明るい場所で終わる。横木の第1の側124は、ガラス容器30の内壁からの光ビーム42の反射であり、十字架の交差点128からの横木の第2の側126は、ガラス容器30の内壁に当たってガラス容器30の側壁のガラス中で下向きに反射される光ビーム42であり、その光路に沿って蛍光光線を発する。十字架の支柱の上側部分122は、横木の第2の側126によって表されるガラス中で下向きに反射された光ビーム46の反射である。
【0069】
[0083]ここで第2の画像66を参照すると、十字架の画像の横木が直交する位置から反時計回りに回転した状態で、横方向に横たわる類似の十字架形の画像が見られる。十字架の支柱の水平の下側部分130は、左から右へと延び、十字架の支柱の上側部分132が十字架の支柱の下側部分の右へとさらに延びている。横木の第1の側134は、十字架の支柱の下側部分130と十字架の支柱の上側部分132との交点から左上方向へと延び、横木の第2の側136は、十字架の支柱の下側部分130と十字架の支柱の上側部分132との交点から右下方向へと延びている。十字架の支柱と十字架の横木の交点にあるものは、十字架の交差点138である。
【0070】
[0084]第1の画像64の場合のように、十字架の支柱の水平の下側部分130は、ガラス容器30の側壁の内部で光ビーム46による蛍光発光を示す変調された直線偏光光ビーム50の蛍光発光部分であり、それはガラス容器30の内壁である十字架の交差点138のところにある明るい場所で終わる。横木の第1の側134は、ガラス容器30の内壁からの光ビーム46の反射であり、十字架の交差点138からの横木の第2の側136は、ガラス容器30の内壁に当たってガラス容器30の側壁のガラス中で下向きに反射される光ビーム42であり、その光路に沿って蛍光光線を発する。十字架の支柱の水平の上側部分132は、横木の第2の側136によって表されるガラス中で下向きに反射される光ビーム46の反射である。ガラス容器30の側壁の位置は、ガラス容器30の側壁の位置をよりよく認識するためにシステムにより第2の画像66上へと描かれているガラス容器30の側壁の厚さを表す線140によって示されている。第2の画像66からのデータを処理することによって、(線140によって示した)壁それ自体の厚さおよびガラス容器壁中の各応力層の厚さを求めることができることに、留意されたい。この情報は、やはり図10に示した第1の画像64から求めることができる。
【0071】
[0085]次に図12を参照すると、図10に図示した第1の画像64から図11に示した第2の画像66を引き算し、第1の画像64と第2の画像66との和により割り算することによって発生される、規格化した差分画像68が示されている。規格化した差分画像68は、十字架の横木が直交する位置から反時計回りに回転した状態で、横方向に横たわるいくぶん異なる十字架形の画像を表す。十字架の支柱の下側部分150は、左から右へと延び、十字架の支柱の上側部分152が十字架の支柱の下側部分の右へとさらに延びている。横木の第1の側154は、十字架の支柱の下側部分150と十字架の支柱の上側部分152との交点から左上方向へと延び、横木の第2の側156は、十字架の支柱の下側部分150と十字架の支柱の上側部分152との交点から右下方向へと延びている。十字架の支柱と十字架の横木との交点にあるものは、十字架の交差点158である。
【0072】
[0086]やはり、十字架の支柱の水平の下側部分150は、ガラス容器30の側壁の内部で光ビーム46による蛍光発光を示す変調された直線偏光光ビーム50の蛍光発光部分であり、それはガラス容器30の内壁である十字架の交差点158のところにある明るい場所で終わる。横木の第1の側154は、ガラス容器30の内壁からの光ビーム46の反射であり、十字架の交差点158からの横木の第2の側156は、ガラス容器30の内壁に当たってガラス容器30の側壁のガラス中で下向きに反射される光ビーム42である。十字架の支柱の上側部分152は、横木の第2の側156によって表されるガラス中で下向きに反射された光ビーム42の反射である。ガラス容器30の側壁の位置は、ガラス容器30の側壁の位置をよりよく認識するためにシステムにより第2の画像66上へと描かれているガラス容器30の側壁の厚さを表す線160によって示されている。
【0073】
[0087](図3に示した)画像解析モジュール70中で図12の規格化した差分画像68を処理することによって、図13に示したようなガラス応力表示遅延特性曲線170を発生できる。(図12に示した)ガラス容器30の側壁の厚さを表す線160に沿って(図12に示した)規格化した差分画像68の十字架の支柱の水平な下側部分150の強度をプロットすることによって、ギザギザのある名目上のS字形曲線172を得ることができる。多項式ベストフィットS字形曲線174は、回転したギザギザのある名目上のS字形曲線172から発生され、ガラス容器30の側壁の遅延特性曲線を表す。
【0074】
[0088]多項式ベストフィットS字形曲線174は、次に、試験される位置におけるガラス容器30の側壁全体にわたる応力を表している放物線176を生成するためにシステムによって微分される。システムは、また、多項式ベストフィットS字形曲線174中の最大位置および最小位置を自動的に判断することができ、これらの位置を、多項式ベストフィットS字形曲線174の最大になると判断される位置のところにピークを有する最大トレース178として、および多項式ベストフィットS字形曲線174の最小になると判断される位置のところにピークを有する最小トレース180として自動的に表示することができる。
【0075】
[0089]ガラス応力表示170を求めるために使用したデータをさらに処理することによって、ガラス容器壁中の各応力層の厚さならびに壁それ自体の厚さを求めることができる。望まれる場合には、図13には計算結果が示されていないが、これらの計算結果もまた、ガラス応力表示170上に示すことができる。(上記のように、壁の厚さおよび壁中の各応力層の厚さの両者を、やはり、代わりに第1の画像64からまたは第2の画像66から求めることができる。)
[0090]次に図14を参照すると、本発明の例示的な実施形態によって実行される方法が図示されている。生産ラインは、本発明の装置による検査位置へと複数のガラス容器30のそれぞれを連続的に運ぶために使用される。検査位置にあるガラス容器30は、ガラス容器30の側壁を複数の角度位置において本発明の装置により検査することができるように回転機構190によって回転される。本明細書中で考察される例示的な実施形態では、ガラス容器30側壁のガラス容器30の検査は、各々が20°離れた連続する18個の読み取り値を得るためにガラス容器30が回転される状態で約20°毎に行われ、それによって、ガラス容器30の側壁の応力およびガラス容器30の壁厚を完全に検査することを十分に可能にする。
【0076】
[0091]流体源108、111およびノズル106(これら全ては図7に示されている)を含むことができるカップリング流体源192は、カップリングプリズム80とガラス容器30の側壁との間の場所へカップリング流体194(これは上記のように水であってもよい)を供給する。カップリング流体は、真空チューブ112および流体真空室114(これらも図7に示されている)を含むことができるカップリング流体収集器196によって集められる。カップリング流体は、フィルタに通され、カップリング流体源192に戻されてもよい。
【0077】
[0092]直線偏光光ビーム42は、レーザ光源40により発せられ、カップリングプリズム80を通ってガラス容器30の側壁中へと結合される。レーザ光源40は、参照番号198によって示したようにレーザ光源40を回転することが可能な方式で取り付けられ、それによってシステムからの出力信号を最大にするように直線偏光光ビーム42の偏光をわずかに回転することができる。あるいは、二分の一波長板44が参照番号198によって示したように回転され、それによってシステムからの出力信号を最大にするように直線偏光光ビーム42の偏光をわずかに回転する状態で、二分の一波長板44を、レーザ光源40とカップリングプリズム80との間に設けることができる。
【0078】
[0093]直線偏光光ビーム42は、カップリングプリズム80およびカップリング流体194を通過し、次に、光ビーム50としてガラス容器30の側壁から出射するように光ビーム42の光路中でガラス中の応力状態によって影響を受ける直線偏光成分および無偏光成分の両者を有する蛍光光線を発生するガラス容器30の側壁へと入射する。光ビーム50は、ガラス容器30の側壁からカップリングプリズム80を通して結合される。光ビーム50は、参照番号202によって示したように光ビーム50を回転し、それによって光ビーム50の直線偏光成分および楕円偏光成分の直線偏光光線への変換を最適化することができる四分の一波長板52を通過する。
【0079】
[0094]直線偏光光ビーム50は、次に、四分の一波長板52の軸からそれぞれ45°の偏光回転を有する交互の画像を生成するために参照番号204によって示したように動作する偏光回転子54を通過する。直線偏光光ビーム50からの交互の画像は、オプションとして曲げプリズム82によって再び向きを変えられ、それに続いて、非蛍光発光周波数をフィルタにより除くために画像はロングパスフィルタ58を通過する。
【0080】
[0095]CCDカメラ60は、偏光回転子54の交互動作に対応する交互の画像を生成し、その交互の画像は画像差分器206中で規格化した差分画像68へと処理される。規格化した差分画像68は、規格化した差分画像68からの情報を処理し、処理した情報をシステム論理回路210に与える画像処理装置208に供給される。システム論理回路210は、ガラス容器情報の表示ステップ214で表示することができ、規格化した差分画像68に加えて、検査したガラス容器30の側壁の他の情報を含む特性212を出力として与える。ガラス容器30の各角度位置において検査したガラス容器30の側壁の特性212の決定に引き続いて、ガラス容器30を保存するか廃棄するかどうかの判断216を行うことができる。壁厚および応力が適切な範囲内にならなかったガラス容器30のようなガラス容器を、廃棄し、リサイクルすることができる。
【0081】
[0096]最後に図15を参照すると、平坦ガラス220の断片中の応力を測定するための本発明のガラス容器応力測定システムの使用が図示されている。水が空気の屈折率よりもガラスの屈折率に近い屈折率を有するので、平坦ガラス220の断片は、図15に示した例示的な実施形態では水であり得るカップリング流体222を有する。平坦ガラス220の断片の表面上にカップリング流体222の薄膜を閉じ込めるために、平坦ガラス220の断片を容器224内に置くことができる。
【0082】
[0097]あるいは、測定する平坦ガラス220の断片の領域にだけカップリング流体222を供給するために使用することができる、上記の図7に関連して図示し考察したものと機能において類似するカップリング流体供給およびリサイクルシステムを、利用することができる。液体カップリング剤を使用するさらに別の方法は、図15に図示した装置への移動の直前に、平坦ガラス220上に液体カップリング剤の薄膜をスプレーすることである。さらに、(ガラスの湾曲した断片が評価される場合には、ガラスの湾曲した断片上にカップリング流体の薄膜を置くことが実際的でないので、スプレーする技術が、特に有用であることを証明することができる。)
[0098]しかしながら、空気カップリングの使用がより一層有益であるはずであることが、やはり、当業者によって理解され得る。
【0083】
[0099]上記の図4から図6に関連して示し考察した光学システムは、カップリングプリズム80と平坦ガラス220の断片の上面との間に設けたカップリング流体222の薄膜があり、平坦ガラス220の断片の上面に平行かつ近接して置かれたプリズムの斜辺を有するカップリングプリズム80がある状態で図15に示され、利用されている。レーザ光源40は、直線偏光光ビーム42が、カップリングプリズム80の三角形面に平行な面から約45°の角度でカップリングプリズム80の短辺の一方に入射するように取り付けられている。
【0084】
[0100]これは結果として、直線偏光光ビーム42が入射点において平坦ガラス220の断片の法線に対して約40.51°の角度で平坦ガラス220の断片の上面に入射することになる。平坦ガラス220の断片のガラスの内部で光ビーム42により発生される蛍光光線は、カップリングプリズム80の他方の短辺へ出射するように観測される。光ビーム50は、平坦ガラス220の断片内の応力場によって影響を受ける。
【0085】
[0101]光ビーム50は、四分の一波長板52および偏光回転子54を通過する。コンパクトな構成にガラス容器応力測定装置の様々な構成部品を取り付ける際に都合よくする目的のために、曲げプリズム82が90°の角度で光ビーム50を曲げるために使用される。四分の一波長板52および偏光回転子54を通過した後で、光ビーム50は、曲げプリズム82中で曲げられ、次に、CCDカメラ60のレンズ84上に取り付けられたロングパスフィルタ58を通過する。
【0086】
[0102]したがって、上記のガラス容器30の場合のように、空気カップリングが使用される場合には、平坦ガラス220の表面に対して法線から69.29°の合成入射角度が維持されるはずであることも、当業者によって理解されるであろう。この角度は、ガラス容器30に関して前に考察した例と同様に、平坦ガラス220の表面に対して垂直な直交する面内のそれぞれ45°および60°の角度を使用することによって実現されるはずである。平坦ガラス220からの出射角度は、空気カップリングに関してはやはり60°であるはずである。曲面ガラスは、水カップリングまたは空気カップリング操作のために使用する法線に対して同じ角度を用いて類似の方法で評価されるはずである。
【0087】
[0103]したがって、図15に示した実施形態が、平坦ガラス内に含まれている応力を決定するために本発明の使用を説明していることは、当業者によって理解されるであろう。平坦ガラス220の断片の大きさに応じて、第1の軸(X方向)において直線状に連続する複数の離れた各点における応力を測定するために、X−Y走査技術を使用することができ、走査装置は次に第1の軸に直交する第2の軸(Y方向)に移動し、その点において、もう1回の走査を第1の軸の方向に行うことができ、平坦ガラス220の断片全体が評価されるまでこの工程が繰り返される。
【0088】
[0104]それゆえ、本発明の例示的な実施形態がガラス容器側壁中または、平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の応力を測定するガラス容器応力測定システムならびに関連する方法を教示することを、本発明の例示的な実施形態の上記の詳細な説明から理解することができる。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、大規模なガラス容器製造または、平坦ガラス断片製造もしくは曲面ガラス断片製造に適合可能であり、本発明のシステムおよび方法は、したがって、ガラス容器側壁中または平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の応力の高速測定が可能である。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、また、ガラス容器または平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片を検査工程中に液体中に浸漬する必要がなく、それによって検査するガラス容器または平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片の取扱いを増加させない。
【0089】
[0105]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の応力を非常に正確に決定する。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、また、ガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の各応力層の厚さを測定することも可能である。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器側壁のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片の壁厚を測定することが可能である。本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、ガラス容器の全周囲にわたるガラス容器側壁中のまたは平坦ガラス断片もしくは曲面ガラス断片中の複数の位置における応力およびそれらの厚さの両者を迅速かつ正確に測定することが可能である。
【0090】
[0106]本発明のガラス容器応力測定システムは、耐久性および永続性の両者を備えた構築物であり、また、その動作寿命の全期間にわたり使用者によって行われる保守管理をほとんど必要としないまたは全く必要としないはずである。本発明のガラス容器応力測定システムは、また、比較的安価な構築物であり、それ自体の市場における魅力を高め、それにより広い潜在的な市場を与えるはずである。最後に、本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法は、実質的に関係するいかなる不利益をももたらすことなく上記の長所および目的の全てを実現する。
【0091】
[0107]本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法の上記の説明が、特定の実施形態およびその応用例を参照して示され、説明されてきたが、上記の説明は、例示および説明の目的のために示されており、網羅的でありまたは開示の特定の実施形態および応用例に本発明を限定するようには意図されていない。本明細書中で説明したように本発明への複数の変更、修正、変形または代替を実施することができ、そのいずれもが本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法の精神または範囲から逸脱しないことは、当業者には明白であろう。特定の実施形態および応用例が、本発明の原理の最善の説明および本発明の実際的な応用例を提供するために、選ばれ説明され、それによって当業者が、企図される特定の使用に適しているとして、様々な実施形態においておよび様々な修正により本発明を利用することを可能にする。全てのかかる変更、修正、変形および代替は、それゆえ、特許請求の範囲が公正に、合法的に、かつ公平に権利を与えられている範囲にしたがって解釈されるときに、添付の特許請求の範囲によって決定されるように本発明のガラス容器応力測定システムおよび方法の範囲内であるように理解されるべきである。
【符号の説明】
【0092】
30 ガラス容器
32 外壁
34 壁
36 内壁
40 レーザ光源
42 直線偏光光ビーム
44 二分の一波長板
46 屈折光ビーム
48 蛍光光線
50 直線偏光光ビーム
52 四分の一波長板
54 偏光回転子
56 回転子駆動装置
58 ロングパスフィルタ
60 CCDカメラ
62 画像取得モジュール
64 第1の画像
66 第2の画像
68 規格化した差分画像
70 画像解析モジュール
80 カップリングプリズム
82 曲げプリズム
100 マシンヘッド筐体
102 支持アーム
104 支柱
106 ノズル
108 流体源
112 真空チューブ
114 流体真空室
220 平坦ガラス
222 カップリング流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス容器の壁中の応力を測定するための装置であって、
光ビームを発生する光ビーム源と、
ガラス容器の側壁中への前記光ビームの入射および前記側壁を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラス容器の前記側壁へ前記光ビームを向けるための光ビームカップリング装置であって、前記光ビームが前記ガラス容器の前記側壁内で前記光ビームに応じて前記ガラス容器の前記側壁内に蛍光光線を放出させる光ビームカップリング装置と、
前記ガラス容器の前記側壁から外へと向かって前記ガラス容器の前記側壁内で前記光ビームに応じて放出された前記蛍光光線の一部を結合させるための蛍光光線カップリング装置と、
前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線を処理し、前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記処理後の蛍光光線から前記ガラス容器の前記側壁中の前記応力を決定する蛍光光線処理および解析装置と
を含む装置。
【請求項2】
前記光ビーム源が、
直線偏光された光ビームを発するレーザ
を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光ビーム源が、
前記ガラス容器の前記側壁内で前記光ビームに応じて放出される可能な最大の蛍光光線を発する所望の方向に前記直線偏光光ビームの前記偏光を回転することが調節可能である偏光調節装置
をさらに含む請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記偏光調節装置が、
所定の位置に前記レーザを固定するためのレーザ取り付け装置であって、前記レーザ取り付け装置が前記レーザを回転し、それにより所望の方向に前記直線偏光光ビームの前記偏光を回転することを選択的に可能にするレーザ取り付け装置
を含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記偏光調節装置が、
前記レーザと前記光ビームカップリング装置との中間に設けられた二分の一波長板であって、前記二分の一波長板が選択的に回転可能であり、それによって所望の方向に前記直線偏光光ビームの前記偏光を回転する二分の一波長板
を含む請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記光ビームカップリング装置および前記蛍光光線カップリング装置が、
前記ガラス容器に隣接して設けられた光カップリング部材であって、前記光ビームが前記光カップリング部材上へと向けられると、前記光カップリング部材が前記ガラス容器の前記側壁中へと前記光ビームを向け、前記ガラス容器の前記側壁から放出された前記蛍光光線が前記光カップリング部材によって集められると、前記光カップリング部材が蛍光光線処理および解析装置中へと前記放出された蛍光光線を向ける光カップリング部材
を一括で含む請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記光カップリング部材が、
カップリングプリズム
を含む請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光カップリング部材が、前記ガラス容器中へと前記光ビームを結合するように配置かつ構成され、さらにカップリング媒体として空気を使用して前記ガラス容器の外へと前記放出された蛍光光線を結合するように配置かつ構成される請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記光カップリング部材が、前記ガラス容器の軸に直交する水平面内の入射点において前記ガラス容器の表面に対して法線から約40°と約70°との間の角度を含む合成角で、かつ前記水平面から約45°の角度で、前記ガラス容器中へと前記光ビームを結合するように配置かつ構成される請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光カップリング部材が、前記ガラス容器の軸に直交する水平面内の入射点において前記ガラス容器の前記表面に対して法線から約60°の間の角度を含む合成角で、かつ前記水平面から約45°の角度で、前記ガラス容器中へと前記光ビームを結合するように配置かつ構成される請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ガラス容器中へと前記光ビームを光学的に結合し、前記ガラス容器の外へと前記放出された蛍光光線を結合するために、前記光カップリング部材と前記ガラス容器との中間へ液状のカップリング流体の流れを向けるための装置をさらに含む装置であって、
前記光カップリング部材が、前記ガラス容器中へと前記光ビームを前記結合することを容易にし、前記ガラス容器の外へと前記放出された蛍光光線を前記結合することを容易にするように配置かつ構成される
請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記光カップリング部材が、前記ガラス容器の軸に直交する水平面内の入射点において前記ガラス容器の表面に対して法線から約40°と約70°との間の角度を含む合成角で、かつ前記水平面から約45°の角度で、前記ガラス容器中へと前記光ビームを結合するように配置かつ構成される請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記光カップリング部材が、前記ガラス容器の軸に直交する水平面内の入射点において前記ガラス容器の前記表面に対して法線から約45°の間の角度を含む合成角で、かつ前記水平面から約45°の角度で、前記ガラス容器中へと前記光ビームを結合するように配置かつ構成される請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記蛍光光線処理および解析装置が、
処理した蛍光光線を生じるように、前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線を処理する蛍光光線処理装置と、
前記ガラス容器の前記側壁中の前記応力を示す情報を得るために前記処理後の蛍光光線を解析する蛍光光線解析装置と
を含む請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記蛍光光線処理装置が、
前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線を直線偏光するために前記蛍光光線カップリング装置と前記蛍光光線解析装置との中間に設けられた四分の一波長板であって、前記四分の一波長板が前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の直線偏光部分に対して約45°の角度で合わせた軸を有する四分の一波長板
を含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記蛍光光線処理装置が、
前記四分の一波長板と前記蛍光光線解析装置との中間に設けられ、前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の前記直線偏光部分の理想的な直交偏光状態の2つの画像を発生させるための装置
をさらに含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
2つの画像を発生させるための前記装置が、
前記四分の一波長板の前記軸に対してプラス45°およびマイナス45°に、前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の前記直線偏光部分の前記偏光状態を交互に変調するための偏光回転子
を含む請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記偏光回転子が、
交互の正電圧および負電圧を生成する回転子駆動装置と、
前記回転子駆動装置からの前記交互の正電圧および負電圧によって駆動される強誘電性液晶素子
を含む請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記蛍光光線解析装置が、
前記偏光回転子を通して、前記四分の一波長板の前記軸に対してプラス45°の前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の前記変調後の直線偏光部分の第1の画像を取得しおよび、前記偏光回転子を通して、前記四分の一波長板の前記軸に対してマイナス45°の前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の前記変調後の直線偏光部分の第2の画像を取得するためのカメラと、
前記ガラス容器の厚さ全体にわたる前記応力の規格化した差分画像特性を生成するために、前記第1の画像および前記第2の画像を差分するための画像差分器と
を含む請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記蛍光光線解析装置が、
前記ガラス容器の遅延特性曲線および応力放物線のうちの少なくとも1つを生成するために、前記規格化した差分画像を処理するための画像処理装置
をさらに含む請求項19に記載の装置。
【請求項21】
2つの画像を発生させるための前記装置が、
前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の前記直線偏光部分を入力として有する偏光ビームスプリッタプリズムであって、前記偏光ビームスプリッタプリズムが前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の前記直線偏光部分の理想的な直交偏光状態の前記2つの画像を出力として有する偏光ビームスプリッタプリズム
を含む請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記蛍光光線解析装置が、
前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線の前記直線偏光部分の理想的な直交偏光状態の前記2つの画像をそれぞれ取得するための1対のカメラと、
前記ガラス容器の厚さ全体にわたる前記応力の規格化した差分画像特性を生成するために、前記1対のカメラからの前記2つの画像を差分するための画像差分器と
を含む請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記蛍光光線解析装置が、
前記ガラス容器の遅延特性曲線および応力放物線のうちの少なくとも1つを生成するために、前記規格化した差分画像を処理するための画像処理装置
をさらに含む請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記蛍光光線解析装置が、
蛍光光線を通すが前記光ビーム源の周波数の光を通さないフィルタであって、前記フィルタが前記ガラス容器の前記側壁と前記蛍光光線解析装置との中間に設けられたフィルタ
をさらに含む請求項14に記載の装置。
【請求項25】
前記フィルタが、
蛍光光線を通すロングパスフィルタと、蛍光光線を通すバンドパスフィルタと、蛍光光線を通すノッチフィルタとからなる群のうちの1つ
を含む請求項24に記載の装置。
【請求項26】
各位置において前記ガラス容器の前記側壁中の前記応力を決定する複数の位置に前記ガラス容器を回転するためのガラス容器回転装置
をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項27】
ガラス容器の壁中の応力を測定するための装置であって、
直線偏光光ビームを発生する光ビーム源と、
ガラス容器の側壁中への前記光ビームの入射および前記側壁を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラス容器の前記側壁へ前記直線偏光光ビームを向けるための光ビームカップリング装置であって、前記直線偏光光ビームが前記ガラス容器の前記側壁内で前記直線偏光光ビームに応じて前記ガラス容器の前記側壁内に蛍光光線を放出させる光ビームカップリング装置と、
前記ガラス容器の前記側壁から外へと向かって前記ガラス容器の前記側壁内で前記直線偏光光ビームに応じて放出された前記蛍光光線の一部を結合させるための蛍光光線カップリング装置と、
前記ガラス容器の前記側壁を出射した処理後の蛍光光線の画像を取得するためのカメラと、
前記ガラス容器の前記側壁中の前記応力を示す情報を得るために、前記処理後の蛍光光線を解析する蛍光光線解析装置と
を含む装置。
【請求項28】
ガラス容器の壁中の応力を測定するための装置であって、
光ビームを発生する光ビーム源と、
ガラス容器の側壁中への前記光ビームの入射および前記側壁を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラス容器の前記側壁へ前記光ビームを向けるための光ビームカップリング装置であって、前記光ビームが前記ガラス容器の前記側壁内で前記光ビームに応じて前記ガラス容器の前記側壁内に蛍光光線を放出させる光ビームカップリング装置と、
前記ガラス容器の前記側壁から外へと向かって前記ガラス容器の前記側壁内で前記直線偏光光ビームに応じて放出された前記蛍光光線の一部を結合させるための蛍光光線カップリング装置と、
前記ガラス容器の前記側壁中の応力プロファイルを決定するために、前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線を処理する蛍光光線処理装置と
を含む装置。
【請求項29】
ガラス容器の壁中の応力を測定するための方法であって、
ガラス容器の側壁中への光ビームの入射および前記側壁を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラス容器の前記側壁へ前記光ビームを向けるステップと、
蛍光光線が前記ガラス容器の前記側壁を出射する前記ガラス容器の前記側壁内で前記光ビームに応じて放出される蛍光光線を検出するステップと、
前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記蛍光光線を処理し、前記ガラス容器の前記側壁を出射した前記処理後の蛍光光線を解析して、前記ガラス容器の前記側壁中の前記応力を決定するステップと
を含む方法。
【請求項30】
ガラスの断片中の応力を測定するための装置であって、
光ビームを発生する光ビーム源と、
前記ガラスの断片の面への前記光ビームの入射および前記面を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラスの断片の前記面へ前記光ビームを向けるための光ビームカップリング装置であって、前記光ビームが前記ガラスの断片の前記面内で前記光ビームに応じて前記ガラスの断片内に蛍光光線を放出させる光ビームカップリング装置と、
前記ガラスの断片の前記面から外へと向かって前記ガラスの断片内で前記光ビームに応じて放出された前記蛍光光線の一部を結合させるための蛍光光線カップリング装置と、
前記ガラスの断片の前記面を出射した前記蛍光光線を処理し、前記ガラスの断片の前記面を出射した前記処理後の蛍光光線から前記ガラスの断片中の前記応力を決定する蛍光光線処理および解析装置と
を含む装置。
【請求項31】
ガラスの断片中の応力を測定するための装置であって、
直線偏光光ビームを発生する光ビーム源と、
前記ガラスの断片の面中への前記光ビームの入射および前記面を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラスの断片の前記面へ前記直線偏光光ビームを向けるための光ビームカップリング装置であって、前記直線偏光光ビームが前記ガラスの断片内で前記直線偏光光ビームに応じて前記ガラスの断片内に蛍光光線を放出させる光ビームカップリング装置と、
前記ガラスの断片の前記面から外へと向かって前記ガラスの断片内で前記直線偏光光ビームに応じて放出された前記蛍光光線の一部を結合させるための蛍光光線カップリング装置と、
前記ガラスの断片の前記面を出射した処理後の蛍光光線の画像を取得するためのカメラと、
前記ガラスの断片の前記面中の前記応力を示す情報を得るために、前記処理後の蛍光光線を解析する蛍光光線解析装置と
を含む装置。
【請求項32】
ガラスの断片中の応力を測定するための装置であって、
光ビームを発生する光ビーム源と、
前記ガラスの断片の面中への前記光ビームの入射および前記面を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラスの断片の前記面へ前記光ビームを向けるための光ビームカップリング装置であって、前記光ビームが前記ガラスの断片内で前記光ビームに応じて前記ガラスの断片内に蛍光光線を放出させる光ビームカップリング装置と、
前記ガラスの断片の前記面から外へと向かって前記ガラスの断片内で前記光ビームに応じて放出された前記蛍光光線の一部を結合させるための蛍光光線カップリング装置と、
前記ガラス容器の前記面の応力プロファイルを決定するために、前記ガラスの断片の前記面を出射した前記蛍光光線を処理する蛍光光線処理装置と
を含む装置。
【請求項33】
ガラスの断片中の応力を測定するための方法であって、
前記ガラスの断片の面中への光ビームの入射および前記面を通る前記光ビームの入射を容易にする角度で、前記ガラス容器の前記面へ前記光ビームを向けるステップと、
蛍光光線が前記ガラスの断片の前記面を出射する前記ガラスの断片内で前記光ビームに応じて放出される蛍光光線を検出するステップと、
前記ガラスの断片の前記面を出射した前記蛍光光線を処理し、前記ガラスの断片の前記面を出射した前記処理後の蛍光光線を解析して、前記ガラスの断片中の前記応力を決定するステップと
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−33630(P2011−33630A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−174343(P2010−174343)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(598152242)エムハート・グラス・ソシエテ・アノニム (49)